まじかる☆ふらりん 〜幻夢幻想曲〜
第1楽章「闇を纏いし令嬢」

 

 

風濫達が2年になり、履修登録を終えた中庭

 

「あ〜ら、貴女が間宮風濫?」

ふと後ろから気高い女性の声が聞こえてきた

後ろを振りかえると多数の女性を従えた気高い女性がそこには居た

「…誰?雪、知ってる?」

風濫の言葉に首を振る雪

「青葉は?」

「知らない。」

「…この私を知らないと言うのですか!貴女達!この私が誰なのか教えてあげなさ

い!」

気高い女性がそう言うと後ろの女性達が前に出る度に言葉を発する

「気高きお嬢様。」

「月宮財閥ご令嬢。」

「このお方は月宮円様。」

「美しきお方よ。」

取り巻きの女性の紹介に呆然とする雪と青葉

「…それで、そのお嬢様が私みたいな平民に何の用ですか?」

「…フフッ、貴女達には何か強い物を感じるわ。どう?私の護衛に…「断る!」

円の言葉を遮るように一言だけ叫ぶ風濫

「なっ!円様の護衛を断る等!」

「お止めなさい。理由を聞かせて頂けないかしら?」

「…答えは簡単。私達は鎖に縛られたくないのよ。

お解りかしら?お嬢様。雪・青葉、行くわよ。」

そう言うと3号棟の方に去っていく風濫達

「…楓。」

「はい。お側に。」

「どのような手段を用いても構いません。彼女達を私の仲間にしなさい。」

「はい。」

 

3号棟2−A

 

「全く、なんなのよ、あのお嬢様は。」

「雪、そんなに怒らなくても。」

「青葉は解らないのよ!あ〜むかつく!」

苛立つ雪に対し冷静な青葉

「ルナさん、彼女は一体?月宮財閥の令嬢って言ってましたけど。」

「…軽井沢辺りを統治する巨大な財閥よ。まぁ水月邸に比べればまだまだだけどね。

「へぇ〜。」

「結構逆らう人は居ないのよ。けど、最近令嬢が危険な遊びに手を出してるとか何と

か。」

ルナの言葉に納得する風濫

「ありがとう、ルナさん。それより新しいメイド服まだですか〜?」

「「風濫着る気なの!!!」」

「あれ?悪い。」

「「まぁ、本人が着たいって言うのなら止めないけど。」」

見事な迄にシンクロする雪と青葉

「仲がよろしいのですね。」

クスクスと笑いながら仲の良さを褒めるルナ

 

その日の深夜

 

唯から譲り受けたシルバーの33Rを駆り、碓氷峠を走りこむ風濫

 

峠上の駐車場

 

自販機でコーヒーを買い飲む風濫

ふと後ろからヘッドライトで照らされる

それに気付き振り返ると同時にヘッドライトが消え、

その場に居たのは、紅い32Rだった

「…ダウンヒルバトルね、上等。」

そう言うとゴミ箱へ空き缶を投げ入れ運転席に乗り込む

バックミラーを確認する風濫

「…成る程。こっち先行って事ね。上等!」

そう言うと車を発進させる風濫

それに続く紅い32R

 

「…テクニカルコーナーが多いここでついて来るなんてね。…地元民かしら?」

そう言いながらアクセルとブレーキ

それとギアをアップダウンさせながら碓氷峠を下っていく二台のR

 

そのまま風濫がトップのまま峠を下りきる

 

峠下の駐車場

 

車を止める風濫

その後ろに先程の紅い32Rも止まっていた

ドアを開け外に出る風濫

33Rの運転手もドアを開け外に出る

「貴女は誰?どうして私に挑戦しといて一度も抜かなかったの。」

「…気を付けなさい。闇は直ぐ側まで来ているわ。」

「えっ?」

一言だけ言うと車に乗り込む碓氷峠を登っていった

「…何なのよ、全く。」

 

そのまま横川にある仁科の家に向かった風濫

 

アパートの一室

そこが今の仁科の家だった

 

「んで、こんな夜分遅くに何の用だ?」

「紅い32Rって、知ってる?」

風濫の言葉に考える仁科

「…噂は聞いた事が有る。一度目は一度も抜かない。

二度目も抜かない。そして三度目でぶっちぎりで破られる。」

そう言うと其処で煙草を吸う

「地元の走り屋から聞いた噂だ。」

「探してたんだ。」

「ん?」

「あれは私を探してたんだ。ゴメン、ありがとう、仁科さん。おやすみなさい。」

そう言うと部屋を出て行く風濫

R独自のエンジン音が聞こえ去っていく

「…さてと、また何か起きたな。全く。」

そう言うと煙草を消し明かりを消す仁科

 

続く

 

次回予告

風濫の前に現れた紅の32Rの運転手は?

そして大学では風濫達に闇が襲いかかる

次回第2楽章「闇に覆われる学び舎」

 

 

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