まじかる☆ふらりん クロスオーバーズストーリー

―黒き妖艶なる羽咲―

前編

 

 

柊町

 

駅前の電柱に脊を預ける風濫

ふとそこに一人の女性が近づく

「シルヴィー、首尾はどう?」

「順調です。既にマスターを受け入れる準備も出来ております。」

「ありがとう、それじゃ近い内にそちらに行くわ。」

「お待ちしております、マイマスター。」

 

羽咲市

 

海浜公園

 

そこには風濫と青葉の姿が有った

「柊町の人達が来る?」

青葉の疑問に頷く風濫

「何か裏があるんじゃないの?」

「別に。何もないわ。ただ単純に招待しただけよ。」

風濫の言葉に黙り込む青葉

「青葉、そう言う訳だから後、お願いね。」

「お願いって、風濫は何処に行くの?」

「用事。」

そう言うと公園から去って行く風濫

「風濫!…全く。」

その場で呆れる青葉

 

羽咲中央駅

 

改札前で人を待つ雪と青葉

今日何度めかの溜息をつく青葉

それを見て口を開く雪

「ねぇ青葉。一体誰が来るの?」

「さ〜ね。風濫は柊町の人達が来るって言っていたけど…。」

そう言うとまた溜息をつく青葉

その直後

「睦月!それに氷那!」

ふと名を呼ばれ改札の方を見るとそこに居たのは…

「御剣さん。そうか、貴女だったのね。」

「私だけではない。月詠や武。榊達や涼宮も居る。」

冥夜の言葉に挨拶をする榊達

「自己紹介は行きがてらに。」

青葉がそう言うと頷く冥夜

 

水月邸

 

ロビー

 

青葉達に気づくルイ

「あら睦月さん。」

「ルイさん、どうも。例の柊町からのお客さん連れてきましたよ。」

青葉の言葉に後から続々と入って来る冥夜達

「あらあら。とりあえずこちらでお待ち下さい。」

そう言うとお辞儀をし、ロビーから去って行くルイ

 

その後部屋に案内される一同

 

深夜

 

中庭

 

そこには速瀬水月と、間宮風濫の姿が有った

「来られましたね。しかも素材迄一緒に。」

「中々良い手際でしょ?シルヴィー。」

水月の言葉に頷く風濫

「それで、拠点は何処に?」

「既に準備は出来ております。明日にでも。」

「解ったわ。それと、先程から覗き見しているのは、どなたかしら?」

水月の言葉に姿を表す女性

「…唯さん。止める気ですか?」

風濫の一言に口を開く唯

「まさか。」

その一言だけ言うと黒き鎧を纏う唯

「面白そうだから混ぜて欲しいだけよ。」

「久しぶりに見ますね。ダークネスフェアリーフェイト。」

風濫がそう言うと口を開く水月

「シルヴィー、彼女は信用出来るの?」

「事を成すだけなら。」

風濫の言葉に口を開く水月

「良いわ。フェイト、よろしくね。」

「はい。」

そう言うと握手を交わす水月と唯

 

廊下

 

一人歩く唯

「唯様。」

ふと声を掛けられる唯

「ルイね。ゴメンね、またちょっと遊んで来る。」

唯の言葉に溜息をつくと口を開くルイ

「またですか。…解りました、こちらはお任せ下さい。」

「ゴメンね、ルイ。」

 

翌朝

 

ロビー

 

欠伸をしながらロビーに姿をあらわす茜

「あら、おはようございます。茜さん。」

ロビーで出迎えたのはアインスだった

「おはようございます。水月先輩はまだですかね?」

「今朝方早く間宮さんと唯様と共に出かけて行きましたよ。」

寝ぼけた頭で疑問に感じながらも流す茜

「それより、朝ごはん出来てますか?」

「はい。食堂にご用意しておりますよ。」

「どうもです。」

そう言うと食堂へ入って行く茜

 

羽咲中央駅近く

 

そこには唯・風濫・水月の姿が有った

「シルヴィー、ここで良いの?」

水月が口を開く

「はい。こちらです。」

そう言うと空き店舗へと入って行く3人

 

店舗地下

 

そこまで行くと驚く水月

「…凄いわ。流石ねシルヴィー。」

「恐れ入ります。」

「それと、私の事だけど、蒼い月。蒼月と呼びなさい。良いわね?」

水月、否蒼月の言葉に頷くシルヴィーとフェイト

「さぁ、始めるわよ。」

 

水月邸ロビー

 

外から戻ってくる風濫と水月

「あら、間宮さん、速瀬さんお帰りなさいませ。唯様は?」

「ん?唯さんなら仁科さんの所。何か話が有るからって。それよりご飯有る?」

「そうですか。それとご飯でしたら食堂の方にご用意してあります。」

「さんきゅ。」

風濫がそう言うと水月と共に食堂へ去って行く

それを見送ると女性の声が聞こえる

「夢野さん、今の、水月ですよね?」

「遙さん。えぇ。今朝方出られてたのですが、今しがた戻ってこられたようです。」

「ありがとうございます。」

そう言うと食堂へ消えて行く遙

遙を見送ると仕事に戻るルイ

 

警備部修練場

 

そこにはアインス・フィーアと冥夜と月詠の姿が有った

独特の金属音が響く

そこでは冥夜がアインスと手合わせをしていた

再度金属音が響くと間を開けるアインスと冥夜

「久方ぶりね。ここまで出来る人と戦うなんて。感謝するわよ、御剣さん。」

「…それは私もだ。」

そう言うと構える冥夜

それを見て逆刃で構えるアインス

「行くよ。」

「参る。」

その言葉と同時に駆け出す二人

そのまま切りあうと互いに脊中を見せる

「…中々ね。峰打ちですら当てさせてくれないなんて。」

そう言うと剣を納めるアインス

「それはこちらもだ。」

そう言うと冥夜も剣を納める

「中々良い手合わせが出来た。感謝する。」

「そうね。また手合わせしましょう。」

そう言うと握手をするアインスと冥夜

 

ロビー

 

警備部の修錬場から戻ってきた冥夜達

そこにはルイの姿が有った

「ルイメイド長。どうしたのですか?」

疑問の声を出すアインス

「アインス・フィーア、お話があります。」

ルイの真面目な表情を察したのか口を開く冥夜

「月詠、我々は失礼しよう。」

「はい、冥夜様。」

そう言うとお辞儀をしロビーから去って行く冥夜と月詠

2人が去ったのを確認して口を開くルイ

 

風濫と水月が水月邸に戻ってくる少し前

 

羽咲署

 

そこに唯の姿が有った

「どうも〜。仁科ちゃん居る?」

「あっ、はい。少しお待ち下さい。」

「ごめんね〜。」

そう言うとロビーのイスに座り煙草を吸う唯

「さて、何て説明しようか?」

 

昼過ぎ

 

羽咲中央駅前

 

そこには水月・茜に風濫の姿が有った

「水月先輩、何処に連れてってくれるんですか?」

「良い所。朝方見つけてね。」

そう言うと風濫を見る水月

それに対し頷く風濫

それを見て口を開く茜

「間宮さんには感謝ですね、水月先輩。」

「えぇ、そうね。」

そう言うと歩きだす水月

 

しばらく歩くととあるお店に入って行く水月と風濫

茜もそれについていく

 

そのまま店の地下迄行き広い部屋に出ると同時に気を失う茜

「…フェイト、居る?」

「いつだって居りますよ、マスター蒼月。」

「彼女をお願い。それと、シルヴィー。」

「解っています。」

そう答えると部屋から出て行くシルヴィー

「…流石ね。フェイト、終わったら教えて。」

「はい。」

 

再び羽咲中央駅前

 

風濫が姿を表すと待ち構えていたように青葉が姿を見せる

「…青葉、何の用?」

「言わなくても、解るでしょう?」

「…そうね。」

風濫の言葉に悩みながらも口を開く青葉

「ねぇ風濫。何とかならないの?」

「無理ね。私もまさかここまで来るなんて予想外だったし。

マスターセシリアも同じ風に思ってる筈。」

そう言うと煙草に火をつける風濫

「青葉、今回は大変よ。何て言ったってこちら側に唯さんが居るから。」

風濫の言葉に驚く青葉

「青葉。私達SKは、なんの為に存在してると思う?」

「えっ?確か警察では手に負えない事件を解決する為。」

「それが今、ここで起きようとしているのよ。ならばする事は一つでしょう?ねぇ、

青葉。」

風濫の言葉に頷く青葉

それを見て口を開く風濫

「ルナ、居るんでしょう?出て来て。」

風濫の言葉に姿を見せるルナ

「シル姉。」

「良いルナ。今回は私じゃなく青葉に協力してあげて。良いわね?」

「けど、もしシル姉と戦う事になったら…。」

そう言うと心配そうな表情をするルナ

「その時が来たら、答えを出せば良いわ。…青葉、ルナをお願いね。」

風濫の言葉に頷く青葉

「さてと、いつまで盗み聞きしてるつもりなのかしら?御剣さん。」

風濫がそう言うと姿を表す冥夜と月詠

「いつから気付いておった?」

「最初から。それで、どうするの?」

「やめておく。ここで戦えば力なき者達が傷付くだけだからな。」

冥夜の言葉を聞き口を開く風濫

「そうね。それじゃ私は退散しますか。…一つ警告。闇はあっと言う間に侵食するか

らね。」

そうとだけ言うと駅前から去って行く風濫

それを確認して口を開く冥夜

「青葉、どうするのだ?」

「ルナ、御剣さんを連れて戻っていて。私は仁科さんの所に行って来る。」

「はい。」

 

羽咲署

 

署内に入りロビー迄来るとそこには仁科の姿が有った

「よっ、お前が来たか。青葉。」

「仁科さん、お話が有ります。」

青葉の一言に何かを取り出す仁科

「仁科さん、それは?」

「CBS―P00。唯から許可が下りたからな。大丈夫、署長には話が通ってる。」

仁科の言葉を聞くと口を開く青葉

「ご協力、ありがとうございます。」

 

羽咲海浜公園

 

そこには雪・千鶴・綾峰・たまの姿が有った

「うわ〜、綺麗。」

「来て良かったね、千鶴ちゃん。」

千鶴・たまの順に口を開く

「雪さん、ありがとうございます。」

「榊さん。そんな…。」

「千鶴、照れてる。」

「あ、綾峰さん!」

千鶴の姿を見て思わず笑う雪

「良いお友達ね。…さて、どなたですか?」

雪の言葉に姿を表す唯

「あら、唯さん。」

千鶴のその一言の後前に出る雪

「唯さん。いえ、フェイト。何しに来たのですか?」

そう言うと同時に氷狼装を纏う雪

「何しに来た?そうね、彼女達を良い所に連れて行くだけよ。勿論、来るでしょう?

フェイトの言葉と同時に瞳から光が消える千鶴・綾峰・たまの3人

「簡単ね。耐性の無い人間は。」

「くっ。アイスファング!フェイトォォォォォ―――――――!!!

氷の爪を展開させ突っ込む雪

だが一閃の元に倒される雪

「無駄ね。さぁ、貴女も来なさい。」

「あっ………はい。」

そう言うと瞳に光を宿さぬまま立ち上がる雪

それを確認し、千鶴達と共にそこから消え去るフェイト

 

水月邸への帰り道

 

帰り道を歩くルナ・冥夜・月詠の前に一人の女性が姿を見せる

その女性を見て口を開く冥夜

「涼宮?」

冥夜がその名を口にした直後、ナイトオブムーンを展開し、前に入るルナ

「貴女は誰ですか?涼宮茜では無いですね?」

「変な事を言いますね。私は涼宮茜ですよ。」

「それなら何故黒い気を纏っているのですか?答えて欲しいですね、涼宮茜。」

ルナの言葉に溜息を一つこぼすと口を開く茜

「気のせいですよ。」

茜の言葉を聞き口を開くルナ

「そうですか。ならこう言った方が良いですか?…真紅!!!

そう言うと同時にセイバーモードのナイトオブムーンを振るうルナ

その斬撃を何処からか出した剣で受け止める茜

「御剣さん!早く戻って下さい!ここは私が食い止めますから!」

ルナの言葉に頷くと月詠と共に走り出す冥夜

「逃がさないわよ。」

茜の言葉に現れる大量の漆黒の鎧を纏った女性

表れたのを確認して剣を弾き間を取る茜

「さぁ、諦めなさい。」

茜の言葉に口を開く冥夜

「月夜、私と月詠はどうしたら良い?」

「…信じて下さい。お願いです。」

ルナの言葉に頷く冥夜

「無理よ無理!さぁおとなしくしなさい!」

茜の言葉に何処からか女性の声が聞こえる

「うるさい人ね。少しは黙れないのかしら?」

その言葉と同時に一角が銀の光を上げる

「誰?」

茜が疑問に持つ

「私は只のお節介な弓兵ですよ。」

そう言うと両手に白と黒の剣を持つ女性

「ルナ、回りは全部只の作り物よ。安心しなさい。って所で貴女の相手は私です。」

そう言うと左手の剣を茜に向ける

「…敵わないわね。」

そう言うと姿を消す茜と漆黒の鎧達

周囲から気が消えたのを確認して剣を戻す女性

「っと、大丈夫…みたいね。」

「フィーナ、すまない。助かった。」

冥夜のその言葉に口を開く女性

「フィーナ?…あっ、そっか。説明してないんだ。

私はアーチャー。羽咲って言う土地に償還された英霊よ。フィーナは真名。」

「そ、そうか。では何と呼べば良い?」

「紫亜で良いわ。それよりも大変よ。榊・綾峰・珠瀬と雪が向こうに落とされたわ。

紫亜の言葉に驚く一同

「挙句の果てにはエルミナド制圧されるし。…あぁ、フィーナは無事だから。

さてと、ルイの所に行くんでしょ?」

紫亜の言葉に頷くルナ

「だったらとっとと行く!ほら早く!」

「…紫亜さん。すみません。」

そう言うと冥夜達と共に走り去って行くルナ

それを待っていたかのように聞こえてくる女性達の声

「随分と素直に言う事を聞きましたね。」

「それだけ彼女も立派な戦士と言う事ですよ。」

女性達の言葉の後に口を開く紫亜

「やっとお出ましですか。セイバー、ライダー。」

そう言うと両手に白と黒の剣を持つ紫亜

「どうします?戦い(やり)ますか?」

紫亜の言葉に口を開くライダー

「まさか。マスターからの命は“青葉達に協力しろ”との事です。」

ライダーの言葉にセイバーを見る紫亜

それに対し頷くセイバー

その態度を見て溜息をつく紫亜

「相変わらずね。風濫も唯姉も。まっ、そこが良い所なんだけどね…ちょい失礼。」

そう言うと目を閉じる紫亜

1分程経つと目を開ける

「アーチャー、今何をしていたのですか?」

セイバーが疑問の声を出す

「ん?魔力回路通してマスターと会話。内容は現存戦力集めて水月邸に集合との事。

「そうか。すまない。」

セイバーのその言葉の後移動を開始する3人

 

水月邸

 

ロビー

 

そこには今戦えるだけのメンバーが集まっていた

メンバーは青葉・ルイ・アインス・フィーア・フィーナ・セイバー・ライダー・紫亜

・仁科・ルナ

それと冥夜・月詠・純夏と武、それと遙の15名

「意外と持っていかれたわね。」

そう言うと溜息をつく青葉

「まぁ、私と青葉が残ってるのが幸いじゃないの?」

笑顔でそう言うフィーナ

「そう言えばフィーナ。私のお姉さまやセリスはどうなったのか知っていて?」

ルイの言葉に首を横に振るフィーナ

「ゴメン。丁度外に出てた時だから。」

「…そう。ごめんなさい。」

ルイがそう言うと口を開く青葉

「さて、強さを信じているとは言え、このメンバーは流石に辛いですね。」

そう言うとルイを見る青葉

「ご心配無く。助っ人は呼んでいます。ですが、到着がいつになるか…。」

ルイの言葉に再度溜息をつく青葉

そんな中で口を開くフィーナ

「青葉、今居るメンバーで二つの班に分けたいんだけど、どう?」

「二つ?」

フィーナの提案に疑問に思う青葉

「そう。それぞれ浄化の力を持つ私と青葉がトップ。そしてそのどちらかが、……突

入班。」

フィーナの言葉を聞き口を開く青葉

「なら決まりですよ。セイバー・ライダー・アーチャーにルナ!以上5名で行くわ。

「なら残りはここの防衛に回すわよ。良い?ここからの増援は期待しないでね。」

フィーナの言葉に頷く青葉

「良く言った。夜になるのを待ってから始めるわよ。」

フィーナの言葉に全員が頷く

 

午後10時

 

水月邸ロビー

 

そこには青葉・ルナ・セイバー・ライダー・アーチャーにルイとフィーナの姿が有っ

「それじゃ、行ってきます。」

「青葉、全員無事に帰って来てね。」

「勿論です。」

そんな青葉を見て口を開くフィーナ

「青葉、銀十字を継ぎし我ら。」

「魔を絶つ剣成り。」

「OK、行ってらっしゃい。」

フィーナがそう言った直後

「それは無理な事ですよ。」

その言葉と共に姿を表す雪

「我が名はフェンリル。マスター蒼月の命により貴女達を討たせて貰います。

榊・慧・千姫、やってしまいなさい。」

フェンリルの言葉に詠唱を始めるたま

それと同時に剣を持って前に出る千鶴と慧

「それと、ここから出ようとしても無駄ですよ。

だって回りには無数の兵が居るのですから。」

そう言うと高笑いするフェンリル

「ナイトオブムーン、シューティングモード。」

―OK。Shooting Mode―

電子音声の言葉の後砲撃形態へと姿を変えるナイトオブムーン

「魔力装填!回路接続。全力で行くよ!」

―OK。Magic LoadDrive On―

「何をしようと無駄よ。」

フェンリルの言葉にルナへと向かって来る慧

それを拒むアーチャー

「邪魔。」

「行かせない!」

そう言うと慧ごと弾くアーチャー

「マスター、行って下さい。ここは私とルナとルイとフィーナで食い止めます。

ですから早く!!!

「アーチャー。……死なないでね。」

青葉の言葉に頷くアーチャー

「行くよ、ルナ!」

アーチャーがそう言うと同時にナイトオブムーンが音声を発する

Lunatic Buster―

「行っけぇぇぇ―――!!!

そう言うと同時に魔力が射出される

ルナティックバスターで空いた空間を駆けて行く青葉・セイバー・ライダー

「くっ、追いなさい!」

フェンリルがそう言うと同時に空いた空間へと飛び込んで来るフィーナと紫亜

「自分自身が背中を預けられる相手ってのも、面白いわね。」

フィーナが最初に口を開く

「…そうね。さて、行きますか。」

そう言うと干将・獏耶を構える紫亜

それと同時にイカヅチを手に宿らせるフィーナ

「ルイさん、ルナ!援護をお願い。…行くよ、紫亜。」

「えぇ。」

そう言うと同時に駆け出すフィーナと紫亜

それを見て口を開くルイ

「ルナさん、行きたければ行って良いですよ。」

「…良いんですか?」

「えぇ。この人数なら私一人で十分です。」

そう言うと静かに魔力を開放するルイ

「…解りました。ナイトオブムーン、セイバーモード。」

―OK Saver Mode―

電子音声の後剣へと変わるナイトオブムーン

「それじゃ、行って来ます。魔力装填。」

Magic Load―

電子音声と共に魔力が溜まる

それと同時に飛び立つルナ

「クレセントムーン!!!

そう叫ぶと同時に漆黒の人形を切り裂くルナ

「さぁ、どんどん来なさい!」

 

青葉達が水月邸を出たのと同じ時刻

 

羽咲中央駅前

 

そこに一人の少女と一人の女性が降り立った

「もう、始まってるね。」

少女がそう言うと口を開く女性

「どちらへ行かれますか?」

「留まっている方に行く。移動してる方お願いしても良い?」

少女の言葉に笑顔を作ると口を開く女性

「解りました。ご武運を。」

そう言うと同時に飛び立つ二人

 

エルミナド教会

 

バス停の前から敷地内に入った瞬間、何かを感じる青葉・セイバー・ライダー

「セイバー、ライダー。」

「解っています。」

青葉の言葉に答えると剣を構えるセイバー

青葉・ライダーも同様に武器を構える

それと同時に女性の声が聞こえる

「困った人達ね。我がマスターの領域に入り込んで来るなんて。」

そう言いながら姿を現したのは…

「涼宮、茜さん。」

「違う。私は真紅。マスター蒼月に忠実に従う者。

…このまま進むなら私達がお相手しますよ。」

真紅の言葉に姿を表す榊・綾峰・たま

それと孤児院に居たと思われる子供達

(セイバー、ライダー。なるべく倒さないように相手出来る?)

突然の小声での青葉からの言葉に戸惑うセイバーとライダー

(そう言う事を言うのですから何か手は有るのですよね?青葉。)

(セイバー。えぇ。片っぱしから浄化していくから、2人は私の援護をして欲しい

の。)

(そう言う事なら了解した。)

(まず何処から?)

ライダーの言葉に頷くと口を開く青葉

(先ずは孤児院の子供達を纏めて浄化する。

これは一人で出来るからセイバーとライダーは彼女達をお願い。)

青葉の言葉に頷く2人

「それじゃ、行くよ!」

青葉の言葉に飛び出して行くセイバーとライダー

それと同時に銀装を纏い槍を持ち飛び上る青葉

「中心は…そこ!シルバードストライク!!!

叫ぶと同時に槍を地面に突き刺す青葉

「アラウンドストライク!!!

そう言うと同時に銀の光が子供達を包みこみ浄化する

「さぁ、次!」

青葉がそう言った直後

「随分と、威勢が良いわね。」

 

水月邸ロビー

 

「アースランサー。」

たまの言葉と共に床から槍が隆起してフィーナ達を襲う

それを余裕で交わすフィーナ・紫亜・ルナ

そこにルナ目掛けて斬り込んで来る千鶴と綾峰

「ルナさん、伏せて!!!

その言葉と同時に大量の魔術の矢が千鶴と綾峰を襲う

瞬時に魔術障壁を展開して防御する千鶴と綾峰

Magic Load―

障壁に被弾した時の煙が舞う中で電子音声が響く

その直後千鶴と綾峰の目の前に姿を表すルナ

「クレセントムーン!!!

そう叫ぶとナイトオブムーンを振り下ろすルナ

その斬撃を簡単に避ける千鶴と綾峰

「チェックメイト。」

ルナがそう言った直後

綾峰を切り祓う紫亜と

千鶴を銀銃で撃ちぬくフィーナ

「ルイ!0時半方向、撃ち込んで!!!

煙の中から聞こえるフィーナの声に詠唱を始めるルイ

それと同時に煙の中から姿を表しルイの隣に着地するルナ

「吹き荒べ!疾風よ!」

紫亜の言葉の直後、煙が晴れる

「行け!!!

ルイがそう言うと同時に無数の魔法の矢が射出される

魔術障壁を展開して防御する真紅とたま

―偽・螺旋剣―カラドボルグ―

そう言い、カラドボルグを投影し、突っ込む紫亜

そのままたまに向かってカラドボルグを突く紫亜

それを避けるたま

その直後

銀十字の剣でたまを切り祓うフィーナ

浄化され、倒れ込むたま

「さて、後は貴女一人だよ。」

フィーナの言葉にロビーから外へ出る真紅

それを追うフィーナと紫亜

 

外へ出ると空中に浮く真紅

「中々やるわね。けど、今回はこれで退散させて貰うわね。」

そう言い放つ真紅

「…それは無理な話ね。」

フィーナがそう言い、疑問に思う真紅

その直後

―ディバインバスター―

電子音声が鳴り響き魔術の槍が真紅を霞める

「くっ、誰だ!」

そう言って砲撃が飛んで来た方向を見る真紅

その直後第2撃が放たれる

それも避ける真紅

「くっ!けど目標は達した。」

そう言うとそこから消える真紅

「目標は。達した?」

疑問に思うフィーナ

「夢野さん、フィーナさん、如月さん。」

ふと少女の声が聞こえ口を開くルイ

「間に合ったみたいですね。高町なのはさん。」

ルイの言葉に降り立つなのは

「お久しぶりね。お1人?」

「いいえ。もう片方にも行っていますよ。」

「期待、して良いの?」

「はい。」

ルイの問い掛けに笑顔で答えるなのは

「そう。ならばこちらは現状の把握ね。アインス!どうなってるの?」

「ルイ。遙さんが居ないの!」

アインスの言葉に驚くルイ

「してやられたわね。紫亜、良い?」

フィーナの言葉に頷くとそこから飛び立つ紫亜

紫亜が飛び去ったのを確認すると口を開くフィーナ

「さてと、とりあえずルイは中で現状を把握して。アインスは手伝ってね。」

フィーナの言葉に頷くと中へ戻って行くルイとアインス

2人が中に入ったのを確認して口を開くフィーナ

「さて、ルナ。もう一戦行ける?」

フィーナの言葉に頷くルナ

「なのはさん。来たばっかりだけど、よろしい?」

フィーナの言葉に頷くなのは

「構えて。来るよ。」

その一言を合図にフィーナが見た方向にデバイスを向けるなのはとルナ

「レイジングハート、カートリッジロード。」

「ナイトオブムーン、魔力装填!」

その声と同時に薬莢を排するレイジングハートと

Magic Load―

と、電子音声で告げるナイトオブムーン

「私が飛び出すと同時に放ってね。私の事は気にしなくて良いから。」

そう言うと両手に銀銃を持つフィーナ

「行くよ!」

―ディバインバスター―

Lunatic Buster―

二つの電子音声と共に飛び出すフィーナ

それと同時に魔力を放出するなのはとルナ

魔力が命中し煙が発生する

それと同時に煙の中へ飛び込んで行くフィーナ

「フィーナさん!」

たまらず叫ぶルナ

その直後、煙が晴れ、そこに居たのは…

全てを浄化し、両手に銀銃を持つフィーナの姿だった

「一旦態勢を整えるわ。」

フィーナの言葉に頷くなのはとルナ

 

エルミナド教会前

 

大量のラバーメイドに囲まれる青葉・セイバー・ライダー

「青葉、どうしますか?」

ライダーが口を開く

「…私が道を開けるからセイバーとライダーはそこから脱出を。ルイにこの事を伝え

て。」

「しかしそれでは青葉が!」

セイバーの言葉に口を開く青葉

「良いから従う!…頼むよ。」

そう言うと銀装を纏い銀槍を構える青葉

「ライダー、行くよ。」

青葉の言葉に血の魔方陣を展開させるライダー

―騎英の―ベルレ―

「貫け!シルバードストライク!!!

青葉の言葉に銀の閃光が大群の一角を崩す

―手綱―フォーン―

セイバーと共に離脱するライダー

「…頼んだよ。」

そう呟いた直後何処からか何かが飛んで来て大量のラバーメイドを吹き飛ばす

「何これ?…けど、チャンス!」

そう言うと離脱する青葉

 

公園の高台

 

そこ迄避難すると銀装を解く青葉

「大丈夫でしたか?睦月青葉。」

「…この声、シグナム。」

 

続く

 

 

 

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