まじかる☆ふらりん

クロスオーバーズアージュ

中編

 

 

綾峰から電話にて注意を受けた千鶴

その電話から2日後

 

教室

 

机に頬杖をつき、溜息を吐く千鶴

「榊、どうした?元気が無いみたいだが。」

ふと礼儀正しい口調で女性の声が聞こえる

「御剣さん。ううん、大丈夫。何でもないわ。」

「そうか。だが何か困った事が有れば直ぐに相談に乗る。」

御剣冥夜の言葉を聞くと同時に担任の神宮寺まりもが入って来た

そのままいつも通りの一日が始まる

 

 

白陵柊大学部食堂

 

そこには鳴海孝之と涼宮遙の姿が有った

「茜ちゃんが帰ってない?」

孝之の言葉に頷く遙

「何処か友達の家に泊まってるとかは?」

首を横に振る遙

「そうか。…そういやここ2日ぐらい水月を見てないな。連絡も取り合ってないし。

「水月も?」

「あぁ。」

2人して悩む

そんな2人にふと声を掛ける女性

「涼宮遙さんと、鳴海孝之さんですね?」

声に反応し見上げて、頷く遙と孝之

「あの、貴女は?」

遙が疑問の声を出す

「葵。蒼月葵。高等部の3年です。」

「「は、はぁ。」」

同時に似たような受け答えをする2人

「何かお悩みのようなので、声を掛けたのですが…。」

葵の言葉に遙を見る孝之

それに対し頷く遙

「実は、俺達の親友と、彼女の妹が家に戻ってないんだ。2日も。連絡も取れないか

ら心配していたんだ。」

孝之の言葉に考える葵

「…少し良いですかね?」

そう言うと入り口の方を向く葵

「名雪、居る?」

葵の言葉に横に姿を現れる名雪

「居るよ。」

名雪の言葉を聞き口を開く葵

「それじゃ涼宮さんと鳴海さんをお願い。私は、あの2人を相手にする。」

そう言うと同時に銀色の鎧を纏う葵

その光景に驚く遙と孝之

入り口から妖しく光るメイド服を纏った2人の女性が向かって来る

その2人に対し剣を向ける葵

「私はレイピア。貴女達は何者?用件は何かしら?」

それに対し口を開く黒髪の女性

「私はマリーツィア。こちらはアメリア。我が主の命により彼女を頂いていきます。

マリーツィアの言葉に孝之の影に隠れる遙

「成る程ね。なら、全力で阻止するわ!」

そう言うと剣を振るうレイピア

それを避けるアメリアとマリー

「アメリア、貴女は彼女を。私はこの人の相手をするわ。」

そう言うと何処からか剣を出し、構えるマリー

一方アメリアは遙・孝之・名雪を追い食堂を出て行く

「さぁ、来なさい。」

 

校舎を出て校門に向かって走る遙・孝之・名雪

 

ふと校門に漆黒の鎧を纏った女性が立っていた

その女性を見て口を開く名雪

「鳴海さん、涼宮さんをお願いします。…フェンリル!!!

そう叫ぶと同時に蒼い鎧を纏う名雪

剣を抜くと女性に向かい突っ込む名雪

「シルヴィー!!!

叫ぶと同時に独特の金属音が響く

その横を走り抜けていく遙と孝之

それを確認するとシルヴィーを弾き氷の槍を出現させる名雪

そのまま孝之達を追いかける名雪

それを見送るシルヴィー

「…逃げられた。」

そう言って剣を一振りすると氷の槍が砕け散る

「シルヴィー、ターゲットは?」

ふと後ろから声が聞こえる

「アメリア。ゴメン、逃げられた。」

「そっ。それじゃマリーの応援に向かうわよ。」

アメリアの言葉に校舎へ掛けていくシルヴィーとアメリア

 

体育館裏

 

そこにはマリー・アメリア・シルヴィーの姿が有った

体育館の壁に刺さっている矢に付属されている紙を見る3人

「成る程ね。…人数はこっちで決めろってか。」

紙に書いてある事を見てそうぼやくシルヴィー

「それで、どうするの?」

マリーがシルヴィーに尋ねる

「このまま捕獲しに行くわよ。大丈夫、スナイパーを加えたから。」

シルヴィーの言葉に頷くマリーとアメリア

「では、行きましょうか?」

シルヴィーの言葉に移動を開始するマリーとアメリア

 

孝之の部屋

 

そこには遙と孝之、それに名雪と葵の姿も有った

 

その中で口を開く孝之

「何なんだよ、あいつらは!何で遙を狙うんだ!」

そう言うと壁を殴る孝之

「孝之君。」

遙の声を聞き、気持ちを落ち着かせる孝之

「さて、貴女達は一体何者ですか?襲って来た人達と関係が有るんですか?」

孝之の問いに口を開く葵

「そうね。私達が何者かは、教えられないけど、彼方達を襲った連中との関係は有る

わ。

ただし敵対関係だけどね。」

「どう言う、意味ですか?」

葵の言葉に疑問の声を出す孝之

「解りやすく言うのなら私達が光で向こうが闇よ。…名雪。」

「来てるね。」

 

アパートの外

 

大人びた雰囲気を持った女性がアパートの前を掃除している

そこにメイド服を着た女性、アメリアとマリーツィアがやって来る

「済みません、鳴海孝之さんのお部屋はどちらでしょうか?」

マリーが女性に尋ねる

「えっと、お知り合いの方ですか?」

女性の問いかけに眼を合わせるマリー

そのまま恍惚とした表情になる女性

「鳴海孝之の部屋は、どこ?」

マリーが再び問いかける

「…3階、3号室。」

虚ろな眼のまま孝之の部屋の番号を言う女性

「ありがとう。アメリア、彼女をお願いね。」

そう言うとアパートの中に入っていくマリー

それを見送ると口を開くアメリア

「貴女の名前は?」

「…やよい。…伊隅やよい。」

素直に答える女性、やよい

「そう。」

そうとだけ言うとやよいの胸に腕をつきたてるアメリア

つきたてられた箇所から光沢がかった黒がやよいの全身の侵食していく

全身を侵食する黒が収まるとアメリアと同じラバー素材のメイド服を着用し、

全頭マスクを被り、その上からガスマスクを被ると言う格好になった

「先に戻っていなさい。」

アメリアの言葉に頷くとそこから消えるやよい

それを見送るとアメリアもアパートの中へ入る

 

孝之の部屋

 

部屋の中で口を開く葵

「それで、これからどうするの?ここに居てもいつかは来るわよ。…もしくわ、既

に。」

葵が言い終わると同時にチャイムが鳴る

「…来たね。」

チャイムの音に呟く名雪

「名雪、いえフェン。2人を守りきれる?」

葵の問いに頷く名雪

「大丈夫、やりきる。」

そう言うと蒼い鎧を纏う名雪

それと同時に銀色の鎧を纏う葵

「私が突破口を開くからその間にフェンは2人を連れてここから逃げて。」

「解った。…気をつけてね、レイ。」

「フェンも。」

そう言うと剣を持ちドア迄移動するレイ

視線で合図をし、ドアを開けるレイ

そのまま外に居たアメリアとマリーを吹っ飛ばすレイ

その間に遙と孝之を連れて駆け出すフェン

フェンが2人を連れて去っていくのを見てドアを閉め、口を開くレイ

「さぁ、来なさい。」

 

柊町駅前

 

鎧を解き、駅前迄やって来たフェン

「名雪さん、何処へ逃げる気なんですか?」

ふと孝之が疑問の声を出す

「解りません。今となっては何処が安全なのか…。」

その直後乾いた着弾音と共に頭から血を出す名雪

「なっ!」

「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

遙の叫びがその場に響く

それと同時にラバー製のメイド服に身を包んだ女性が孝之達を囲む

「くっ。」

苦い声を出す孝之

遙は叫びすぎで気絶している

そのまま気絶させられ遙と共に運ばれる孝之

 

御剣邸別邸

 

「ん、う〜ん…。」

目を覚ます名雪

「…ここは?それに私頭を。」

ふと部屋の入り口に一人の女性が居た

「起きられましたか。待ってて下さいませ。」

そう言うと部屋を出て行く女性

「…誰かに、助けられたみたいね。」

そう言うとそのまま天井を見続ける

しばらくすると主らしき女性と先ほどの女性と葵、それともう一人女性が入って来る

 

「名雪!」

「葵。…ゴメン、連れてかれちゃった。」

「良いの。名雪が生きていてくれれば。」

葵の言葉に再び天井を見上げると口を開く名雪

「…葵、ここは?」

「御剣財閥次期当主冥夜さんの別邸。名雪を助けてくれた人よ。」

葵の言葉に名雪の視界に入る所に来る冥夜

「御剣冥夜だ。頭を撃たれていたがこの月詠が何とかしてくれた。感謝するが良い。

「そう、ありがとうございます。…それよりもどうにかしないと。」

そう言うと起き上がる名雪

「駄目です!まだ寝ていなくては!」

月詠の言葉も聞かず起き上がる名雪

「時間が無いの。薄れいく意識の中で大量のラバーメイドを見たから。」

名雪の言葉に考え込む葵

「しかし、どうすれば良いのですか?御剣財閥の軍事力で対抗出来るのですか?」

月詠が疑問の声を出す

「無理ね。」

キッパリと否定する葵

「いくら巨大な軍事力があろうとも、能力者相手には無効よ。」

葵の言葉に意気消沈する月詠

「大丈夫ですよ月詠さん。その為に私達が居るのですから。」

ふと後ろに居た女性が口を開く

「まぁ、御剣財閥の協力も必要ですけどね。」

「如月、力になれる事があるのなら喜んで力になろう。」

「ありがとう、御剣さん。」

冥夜の言葉に感謝の言葉を口にする如月と呼ばれた女性

「御剣さん。ちょっとだけ良いですか?私と名雪と紫亜さんの3人にして貰って。」

 

「解った。月詠。」

「はい。」

そう会話を交わすと部屋から出て行く冥夜と月詠

部屋の前から去ったのを確認して口を開く紫亜

「随分と派手にやられたみたいね。」

「フィーナさん、はい。」

フィーナの言葉に応え、気持ちが下がる名雪

「雪・青葉。限定解除の許可が出たわ。思いっきりやれるわよ。」

「「はい。」」

 

白陵柊某所

 

そこにはアメリアとマリー。それに気絶している遙と孝之、ガスマスクをしたやよい

に女性が一人居た

「マスター、素体を連れて来ました。」

「ありがとう。」

マリーの言葉にマスターと呼ばれた女性が口を開く

「それじゃ彼女は言った通りに。彼は…、私に任せなさい。彼女の処置が終わり次

第、ここを黒化させるわよ。」

「「はい。」」

マスターの言葉に返答するアメリアとマリー

答えると遙を連れて行くアメリアとマリーとやよい

 

御剣邸別邸ロビー

 

そこには名雪・葵・フィーナ・冥夜・月詠に武と純夏の姿が有った

名雪と葵、それとフィーナから事の説明を聞く武と純夏

「そんな事が…。」

説明を受け驚きを隠せない武

「けど、どうするの?私達で何とかなるの?」

疑問の声を出す純夏

「何とかするのが、私達よ。」

疑問の声にこたえるフィーナ

「っと、こっちの自己紹介をしておこうかしら。」

「ならばこちらもするとしよう。」

フィーナの言葉に応える冥夜

「んじゃこっちから。私はフィーナ。二丁拳銃を主に使うわ。」

「氷月名雪改め氷那雪です。氷狼フェンリルを従えています。」

「蒼月葵改め睦月青葉です。浄化の力を持つ銀十字を持っています。」

フィーナ・雪・青葉の順で自己紹介する

「御剣財閥次期当主御剣冥夜だ。それと侍従長の月詠真那だ。」

冥夜の言葉にお辞儀をする月詠

「えっと、白陵柊3年白銀武です。」

「同じく鑑純夏です。」

互いの自己紹介が終わると口を開くフィーナ

「とりあえず相手が何処に本陣を敷いてるかは判明してるわ。突入メンバーは私に青

葉に御剣さんの3人で。」

「私はここで守りに徹していれば良いんですね?」

フィーナのメンバーに口を出す雪

「えぇ。頼める?」

「勿論です。…青葉、気を付けてね。」

「うん。」

雪の言葉に頷く青葉

「冥夜様、お気を付けて。」

「うむ。」

冥夜と月詠も言葉を交し合う

「それじゃ行くわよ。」

フィーナの言葉に頷くと御剣邸別邸を出て行くフィーナ・青葉・冥夜

 

白銀家前

 

道路迄出ると口を開くフィーナ

「さて、御剣さん。敵陣に乗り込む前に確かめて起きたい事が有るの。」

フィーナの言葉に疑問を感じる冥夜

「貴女が剣を振る理由を、教えて貰えますか?」

フィーナの問いに口を開く冥夜

「我が剣は弱き者、力無き者の為に振るうのよ。」

冥夜の問いを聞き笑顔を作り口を開くフィーナ

「ならば貴女にこれを預けるわ。」

そう言うと光輝く球体を差し出すフィーナ

「フィーナ殿、これは?」

「宝玉”光輝宝玉”(光輝く可憐なる宝玉)よ。これを手にして自らに似合う武器を思

い浮かべなさい。」

フィーナの言葉に宝玉を受け取り武器を思い浮かべる冥夜

すると宝玉が皆琉神威と融合し、白く輝く日本刀と変わる

「こ、これは?」

「宝刀”光輝刀剣”(こうきとうけん)よ。」

「光輝刀剣。…済まない。」

感謝の言葉を口にする冥夜

「御剣さん、それは全てが終わってからよ。行くわよ。」

フィーナの言葉に白陵柊へと向かう3人

 

柊町駅前

 

そこにはシルヴィーとセシリアの姿が有った

「シルヴィー、いよいよだけど、どうするの?」

「…向こうに付きます。よろしいですか?」

シルヴィーの言葉に頷くセシリア

「けど、ルナはどうするの?」

「彼女自身に任せます。そう伝えといて貰えますか?」

シルヴィーの言葉に頷くと口を開くセシリア

「けど、ここでの協力者は既に一人歩きをしている。私でも止められないわ。」

「マスターセシリアは、どうする気ですか?」

シルヴィーの問いに口を開くセシリア

「私は私なりに止めようと思う。それがここに混乱を招いた私の責任だから。」

「…良ければルナを使っても良いです。…ご無事を。失礼します。」

そう言うとお辞儀をし、駅前から去っていくシルヴィー

「…そう言う事だけど、よろしいかしら?ルナ。」

セシリアの言葉に姿を表すルナ

「良いですよ、シル姉があぁ言っていましたので。」

「…ゴメンね。」

そう呟くセシリア

 

後編へ続く

 

 

 

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