Knight Of Strikers

ACT28「聖騎士の絆」

 

 

月の民ユアとユイアを相手に一進一退の攻防を繰り広げるイシュタルとクリス

そんな4人の間に煙を巻き上げ何かが降り立った

煙が晴れ、そこに居たのは

 

「楓にルナ。それに水冬。」

イシュタルの言葉にユアとユイアの方を向くルナ

それを見て口を開くユア

「ルナ。何処に行っていた?それよりも側に居るのは敵だろう?何故一緒に居る。」

ユアの言葉に口を開くルナ

「ユア。もう私は月の民では無い。私は、Saint Knightの一員。貴方も、そうでしょう?」

「関係無い事だ。今のお前は敵だ。なら、俺はお前を殺すだけだ!」

そう言うと同時に駆け出しルナに向けて剣を振るうユア

それと同時に剣、レヴィンクライスでユアの剣を受け止めるルナ

「地球征服と言う我ら月の民の悲願。邪魔をするなぁ!」

「断る!!!私はこの星で生まれ育った!故にこの星を守る!それが、私の使命だから!!!

ルナの言葉と同時に一旦間を置くユア

「なら、手加減は無用!全力で、お前を倒す!!!

水冬、手を、出さないでね。楓も。」

ルナの言葉に頷く楓と水冬

「行くよ、レヴィンクライス。あの人を、月の民の血から解放してあげるよ。」

―Magic And Lighting Load―

電子音声と共に光を放つレヴィンクライス

一方ユアの剣も蒼き光を放っている

「行きます。」

そう言うと駆け出すルナ

それに合わせユアも駆け出す

双方共に同時に斬り抜け互いに背を向ける

ふと口を開くユア

「月夜。感謝する。」

そう言うと髪の色が黒になり倒れるユア

「ユイア。あとは貴女だけです。」

そう言うとレヴィンクライスを向けるルナ

「私だけか。倒せるかしら?その前に、近づけるかしら?」

ユイアの言葉にユイアの周囲に何かが展開される

「月匣陣(げっこうじん)。また厄介な物を。」

「貴女には出来ない芸当でしょ?ルナ。さぁ、私に勝てるかしら?」

そう言うとクスクスと笑うユイア

―Assault Strike Form Set On―

それと同時に響く電子音声

音声のした方を見ると槍を構えた水冬の姿が有った

「手加減無用か。エルスハート!」

―Code Varkiliy Wake Up―

楓の言葉に応え、紅神装を纏う楓

「水冬。それに楓も。うん。イシュタルさん、クリスさん。決めに、行きます。」

ルナの言葉に頷くイシュタルとクリス

それを確認して口を開く水冬

「魔力全開!ストライク、ブレイカー!!!

叫びながらユイアへと突っ込む水冬

ユイアの手前で何かに阻まれる

「無駄な事を。」

「どうかしら?ナイトオブムーン!!!

―Lunatic Breaker―

電子音声と共に結界にヒビが入る

「なっ!まさか。まさか!」

「撃ち抜けぇぇぇ!!!

水冬の叫びと共に結界が壊れる

「上出来よ、水冬。」

それと同時にそう言うとユイアを斬りながら上にあげるルナ

「楓!!!

「その身に刻め!!!神技、ニーベルンヴァレスティ!!!

そう言うと同時に巨大な槍をユイア目掛けて投げる楓

その巨大な槍がユイアを貫く

「この私が、この私が死ぬなんて。すみません、ユーリ陛下。」

そう言うと倒れ込み消失するユイア

「終わったの?」

口を開くクリス

「いえ、まだです。月王国の女王。ユーリ=ルナティック=フェレイトが残っています。」

そう言うと月を見上げるルナ

それと同時に城内から独特の気を感じ、城内を見るルナ

「ルナ、どうしたの?」

疑問に思い口を開く楓

中に、王間に居る!」

そう言うと駆け出すルナ

「月夜!」

それを見てクリスも駆け出す

「あぁ、もう!」

「楓、水冬。行きなさい。彼は、私が見ておくから。」

「えっ?」

イシュタルの言葉に疑問に思う楓

「良いんですか?イシュタルさん。」

楓の言葉に頷くイシュタル

ありがとうございます。水冬、行こう!」

そう言うと水冬と共に城内に去って行く楓

それを見送るイシュタル

強く、なったな。」

「聖。気がついてたの?」

イシュタルの言葉に起き上がる聖

「あぁ。全部聞いていた。」

そう。なら、今は見守りましょう。」

「そうだな。」

 

王間

 

盛大に扉を開け王間に入るルナとそれに続くクリス

「月夜さん。それにクリス。決着は、つきました。」

ラムダがそう言うと床に倒れる月の女王ユーリ

「クリス。それに月夜。来ていたのね。ありがとう。」

 

一夜明けて

 

バルコニー

 

おはよう

朝日を浴びるクリスに声を掛ける女性

「水代。おはよう。昨夜はすまなかった。お陰で月の民を撃退出来た。感謝する。」

「それは何よりね。っと、今日の昼にでも私達は下に戻るわ。けど、しばらくは直ぐ近くに居るから

、何か有れば近くの交番って、言って解る?」

楓の言葉に疑問に思うクリス

「えっと、警備員みたいな人が居る建物が有るから、そこに駆けこんで私の名前を出して。」

「解った。それと、一度。手合わせを願いたい。」

「ならごはん食べたらね。」

 

昼頃

 

首相官邸

 

月の民との事について全て報告する楓とルナ

「そうか、ありがとう。しかし、前以上に仲が良くなったような気がするが。」

そうかもしれないですね。」

微笑みながら口を開く楓

「また、何か有ったらその時は。」

「えぇ、解っています。それでは失礼します。」

そう言うと部屋から出て行く楓とルナ

 

首相官邸前

 

出てきて何か考えてるルナ

「ルナ。どうしたの?」

何て言うか、ユーリ女王の気をまだ感じるの。でも、薄らと。モヤが掛ったみたいに。」

ルナの言葉を聞き口を開く

「フィーナさんからイシュタルさん経由で聖さんに連絡を取ってみる。」

「ごめん、楓。」

 

それから5時間後

 

羽田空港展望ロビー

 

そこには楓と聖の姿が有った

「すみません、急に呼び出してしまって。」

「構わん。それよりも要件はユーリ女王の気が残っている事についてだろ?」

聖の言葉に驚くが、直ぐに冷静に頷く楓

「やっぱりな。恐らく月夜辺りが感じたんだろう。結果を言うなら残っている。恐らく聖ハルイの誰

かに心霊体が憑依している。っと言った感じだ。」

「聖ハルイの誰か。ありがとうございます。」

そう言うとその場から消え去る楓

さて、俺はもう見守るだけだぜ。若き聖騎士達。」

 

警視庁

 

第2会議室

 

「ルナ、居る!!!

大声を出しながら会議室に入って来る楓

「楓。何か解った?」

「ユーリにトドメを刺した人物って解る?」

「ユーリ女王に?確か、聖ハルイのネルビス女王な筈よ。」

ルナの言葉を聞き疑問が確信に変わる

「ユーリの思念は生きているの!そしてその思念は聖ハルイのネルビス女王の中に居る!」

楓の言葉に驚くその場に居た一同

 

それより少し前

 

聖ハルイ

 

修練場

 

そこにはクリスとラムダの姿が有った

「えっ?姉さん。今何て?」

「逃げなさいと言ったの。月の女王との一騎打ちの後からお母様は勿論。この国自体がおかしくなっ

ているわ。私も既にね。」

そう言うラムダの目は蒼く染まっていた

「姉さん。はい。」

そう言うと修練場から走り去るクリス

ごめんなさい、クリス。」

 

城門

 

抑制の無い声で城門を守る2人の兵士

「どいて!!!

叫び声と共に城門を突破するクリス

城門を突破するとそのまま駆け出して飛び出すクリス

落下し始めると何処からか声が聞こえる

掴まって!

疑問に思うが視界の中に入った人影に向かい手を伸ばすクリス

その手を掴むと口を開く女性

「風よ、来たれ!」

女性の言葉に浮遊する2

「感謝する。貴女は確か。」

「風。剣風。風を纏いし、聖騎士をサポートするメイドよ。」

そのまま都心方面へと移動する

移動しているとふと前方から何かが近づいて来るのを感じるクリスと風

「風、何かが近づいて来てる。」

「この気質は楓とルナ。それに水冬も来ている。」

風がそう言うと目の前に現れる楓・ルナ・水冬

「クリス。それに、剣風。」

最初に口を開く楓

「水代。助けてくれ。我が国が。」

「ルナからおよその事情は聞いています。とりあえず一旦引きましょう。体勢を整えなくてはいけま

せんから。」

楓の言葉を聞き口を開く風

「良い判断ね。なら私はここで引かせて貰うわ。」

「待って下さい!」

去ろうとする風を引きとめるルナ

「楓、水冬。クリスさんを連れて先に。」

「ルナ。早く、帰って来てね。」

そう言うとクリスと水冬を連れて去っていく楓

「一体何の用かしら?月夜瑠那。」

シル姉、ですね。」

ルナの言葉に静かに仮面を外す風

仮面の下から出てきた素顔を見て驚くルナ

あの時に、全身傷付いてね。左目もその影響。仮面は、戦闘能力の補佐の為。」

そう言うと再び仮面を付ける風

「協力は、してくれないんですか?」

「アインスさんと共にバックアップに回ると決めたから。」

風の言葉を聞き俯くが、直ぐに笑顔で口を開く

「今は、シル姉が生きていただけでも十分です。」

そう。頑張りなさい。貴女には心強い親友が居るのだから。」

はい。」

風の言葉に答えると去っていくルナ

「良かったの?正体ばらして。」

「アインスさん。はい。いずれ、解ってしまう事なので。」

「そう。それじゃ行きましょうか。蒼き月に侵されし聖龍の国へ。」

アインスの言葉に頷く風

 

警視庁

 

第2会議室

 

そこには楓・ルナ・水冬・桜・イシュタル・フィーナにクリスの姿が有った

クリスの説明とルナによる補足で事態を納得する一同

「銀十字で浄化。って訳には行かないんですか?」

疑問を口にする桜

「月の民は基本的に陰と陽。極端に言えば光と闇の両方を持っています。ですから銀十字は恐らく効

かないかと。」

ルナの言葉に落ち込む桜

「極端に言えば巨大かつ、同良質の光と闇で同時攻撃すれば効く筈なんですが。」

そう言うと周囲を見渡すルナ

「メデューもロプトも居ないから私は無理だし。」

フィーナの言葉に落胆する一同

「けど、やるしかない。足止め程度にしかならなくても、私達は守らなくちゃいけない。」

ルナの言葉に口を開く楓

「そうだね。やれる事をやるだけ!」

「今ここに居るメンバー全員で行きます。クリスさんも。」

ルナの言葉に頷くクリス

 

続く

 

次回予告

打開策が見当たらぬまま出撃するルナ達

戦いの中突如ルナの前に現れる女性

その女性は一体?

次回ACT29「光と闇と

 

 

 

TOP

inserted by FC2 system