Knight Of Strikers
ACT２７「月満ちる時」
日没
聖ハルイ
城内修練場
そこにはクリスと楓の姿が有った
「日がくれた。月が出る。…クリス。」
「あぁ、時間だ。水代、先に城門に行っていて。私は、挨拶を済ませてくる。」
「了解。」
そう言うと走り去る楓
王間
王間にはネルビスとその娘でクリスの姉で有る宮廷魔術師のラムダが居た
そこにドアをノックする音が聞こえる
「誰だ？」
ネルビスが口を開く
―ネルビス陛下。クリスです。これより月の民を迎撃しに出ます―
「クリス。…ご武運を。」
―はい。姉さん。陛下を、頼みます―
「解ったわ。」
―失礼します―
そう言うとクリスの気配が遠ざかる
城門
そこには楓・桜・イシュタルの姿が有った
「水代！」
「クリス。もう良いの？」
楓の言葉に頷くクリス
「それよりも月はどうだ？」
クリスの言葉に月を見る楓
クリスも次いで見る
「蒼く染まってから何も無しよ。」
―月より何か来ます！数…数え切れません！―
見張りの声に口を開く楓
「エルスハート！シューティングフォーム!!!」
―YES Master Wake Up Shooting Form Set On―
電子音声と共に魔術法衣を纏い杖状のエルスハートを上空へと構える
それと同時に楓の足元に魔方陣が展開する
「水代、まさか？」
「…クリス正解。エルスハート！」
―Lighting Buster―
「シュート!!!」
楓の言葉と同時にエルスハートの先端から魔力が射出される
射出された魔力は月から降りてくる影の４分の１を飲み込んだ
「…こんなモンか。さて、少し行ってくるか。イシュタルさんは城門に！桜も一緒について行って。
」
「了解。気を付けてね。」
イシュタルの言葉に頷くと城門から飛び出す楓
「水代！」
「大丈夫よ、楓なら。心配しないで。」
クリスにそう言うと桜と共に下に向かうイシュタル
「イシュタル。…各員警戒して！」
―了解！―
城下町
至る所に落下した月の民の船
そこから出てくる多数の月の民を相手に一人奮戦する楓
噴水の有る広場
そこで楓は戦っていた
広場の中央に陣取り、多方向から来る月の民を相手にしていた
そんな楓の周りには傷付き、悶えている月の民の姿が無数に有った
「もう終わり？つまらないわね。」
そう言いながら手にはシューティングフォームのエルスハートを持っている楓
―それならば、私が相手をしましょうか？―
ふと聞こえる女性の声に反応する楓
月の民の兵が横にそれる
そこに姿を現したのは…
「私はルナ。月夜瑠那。月天の守護者にして、剣。」
そう言うと同時にナイトオブムーンがセイバーフォームで展開する
それを見て口を開く楓
「エルスハート、待機モード。」
―Wait Mode―
電子音声が告げるとアクセサリに戻るエルスハート
「敵を前にして武器を納める。馬鹿か？」
「いいえ。違うわ。私は水代楓。聖神を継ぐ者。」
そう言うと同時にレヴィンクライスを抜く楓
「来い！」
「面白い。彼方達は散会して各個撃破。私には構わないで。」
ルナの言葉に散っていく月の民達
―Assault Saver Form Set On―
電子音声と共にナイトオブムーンは刀身の広い剣に変わる
それを見て静かに口を開く楓
「行くよ、レヴィンクライス。」
―YES Master―
返答を聞き駆け出す楓
城下町を突き進む月の民達
ふと通りの中央に人影が見え止まる
「何者だ！」
「私は風。全てを吹き飛ばす、風。」
そう言うと同時に人影、否メイド服の女性の足元と目の前に魔方陣が展開する
「来たれ神竜。」
そう言うと同時に右手を上にあげ、そのまま後ろ回りで突き出す
―フォルセティ―
そう言うと同時に緑の竜が月の民達を飲み込む
「…こんな物かしら？」
城門
その光景を確認していたイシュタル・桜・クリス
―クリス様、今のは一体！―
「解らない。私にも何だか。」
「フォルセティよ。」
イシュタルの言葉に疑問に思うクリス
「四元素のうち風の魔術の最高位に位置する神具。フォルセティ。けど、一体誰が？」
「イシュタル。その使い手は、味方なの？それとも敵なの？」
イシュタルに問いかけるクリス
「私にも解らない。」
イシュタルの言葉に驚くクリス
―クリス様！前方より人影！数は、１人です！―
見張りの言葉に前方を見据えるクリス・イシュタル・桜
前方から姿を現す仮面に、メイド服の女性
その女性を見て口を開く桜
「剣、風。」
「桜、知っているの？」
イシュタルの問いに頷くと口を開く桜
「先日、私と楓さんとルナさんで買い物をしている時にデパートジャックに会いまして、その時に会
いました。そして…。」
「貴女達の敵で有り、味方でも有る。」
桜に次いで口を開く風
風の言葉に剣を構えるクリス
それを見て口を開く風
「剣を下げて。現状聖ハルイと争う気は無いわ。」
―クリス様！月の民が！―
見張りの声に振り返る風
「…へぇ、けどまだまだね。」
風がそう言うと同時に足元と目の前に魔方陣が展開する
「吹き荒べ、神風よ！」
そう言うと同時に目の前の魔方陣が竜が現れ月の民達を飲み込む
「神具フォルセティ。剣風。貴女は一体？」
「それは後にしましょう、雷神。」
風がそう言うと同時に２人の男女がそこには居た
「月の民が一人ユア。」
「月の民が一人ユイア。」
「「蒼き月の加護を。」」
そう言うと同時に駆け出すユアとユイア
それを見て口を開く風
「行きなさい、銀装を継ぎし者。聖神の元へ。」
そう言うと同時に駆け出し剣を振るう風
それを避けるユアとユイア
「トロン!!!」
それを見計らったようにイカヅチの槍をユイアに打ち込むイシュタル
「ユイア！」
ユアがたまらず叫ぶ
それと同時に突っ込んで来るクリス
それに気付き剣で受け止めるユア
「他人の心配をする余裕が有るのか？」
「聖騎士如きが！」
ユアの言葉を横目に口を開くイシュタル
「剣風！桜をお願い。」
「雷神。…久住桜、行くわよ。」
風の言葉に頷きその場から去って行く風と桜
２人を見送ると口を開くイシュタル
「さぁ、月の民よ。雷神と言われた私が相手よ。」
そう言うイシュタルの右手には剣が握られていた
城下町城門
互いにヒット＆アウェイを繰り返すルナと楓
「くっ、しぶとい！」
そう叫ぶと距離を開けるルナ
「この一撃で決めてあげるわ。ナイトオブムーン、バスターフォーム！」
―Buster Form―
電子音声が告げると杖状に変形するナイトオブムーン
それを見て口を開く楓
「レヴィンクライス。エルスハート。私に、力を貸して。」
―Shoot Form―
―Saint Form―
同時に発するレヴィンクライスとエルスハート
それと同時に聖騎士の鎧を纏い、弓状のレヴィンクライスを持つ楓
―Strike Arrow―
同時に音声を発するレヴィンクライスとエルスハート
「今さら何をしようと無駄！」
―Full Drive Lunatic Buster―
「死ねぇぇぇ！聖騎士ぃぃぃぃぃ―――!!!」
ルナの言葉にナイトオブムーンから魔力が放出される
それを見て弓を構える楓
「行くよ、レヴィンクライス。エルスハート。」
―Saint Arrow―
「ストライク、シュート!!!」
叫ぶと同時に矢を放つ楓
その矢はナイトオブムーンから放たれた魔力を拡散させ突き進む
「なっ！」
その光景に驚くルナ
その直後ルナを貫く光の矢
「嘘、でしょ？この私が…。」
貫かれ呆然とするルナ
―Saint Slash―
そんなルナの耳に届く電子音声
それと同時に視線を上げるとそこに居たのは…
レヴィンクライスを振り上げた楓の姿だった
「ルナァァァァァァァァァァ!!!」
叫びながらルナを斬る楓
楓に斬られ、口を開くルナ
「…楓。そっか、月の民の血か。…ありがとう、楓。」
そう言うと落下していくルナ
「ルナ！」
―Wing―
エルスハートが告げると同時に杖状に変形し翼が展開する
エルスハートに乗り落下するルナを追う楓
聖ハルイから外れ海面すれすれでルナをキャッチする楓
エルスハートに乗りルナを抱える楓
「ルナ！しっかりしてルナ！」
「…楓？私…。ありがとう、楓。」
「良いの。ルナが無事なら。それより、行こう。聖ハルイへ。イシュタルさん達を助けに。」
楓の言葉に頷くと口を開くルナ
「ナイトオブムーン。」
―Shooting Form―
電子音声が告げると杖状で展開するナイトオブムーン
「私は、月の民なんかじゃない。聖騎士が一人。間宮、ルナ。水冬、来て。」
ルナがそう言うとその場に転移して来る水冬
「ルナ。」
「水冬。只今。行こう、私達と共に。この地を守る為。」
ルナの言葉に笑顔になる水冬
「うん。」
笑顔で答える水冬
「血の宿命を乗り越えたみたいね。」
ふと女性の声が聞こえ、声のした方向を向く楓・ルナ・水冬
そこに居たのは…
「剣、風。」
楓の言葉に身構える一同
「…気をつけなさい。月の民が終われば次は、聖神の国よ。」
そう言うとその場から転移魔法で消える風
「何だったんだろう？」
疑問に思う楓
「それより、上。イシュタルさんが。」
水冬の言葉に浮上する３人
城門
ユア・ユイアを相手に一進一退の攻防を繰り広げるイシュタルとクリス
双方共に間を開けた直後
間の中央に何かが降り立ち煙を巻き上げる
煙が晴れるとそこに居たのは…
続く
次回予告
月の民のユア・ユイアと対峙するイシュタルとクリス
その双方の間に突然降り立った何か
煙が晴れ、そこに現れたのは？