Knight Of Strikers

ACT26「選ぶ道・進む道」

 

 

東京

 

首相官邸

 

そこには総理に警察庁及び警視庁、更には自衛隊のトップが揃っていた

その部屋にノックの音がする

天宮市警特殊機動部隊水代です

「入り給え。」

失礼します

そう言ってドアを開けるとそこには

楓・水冬・桜・イシュタル・フィーナ・フェンリルの姿が有った

部屋の中に入りドアを閉めると整列し敬礼をする楓達

「天宮市警特機隊参りました。御用件は蒼き月と東京湾の城でしょうか?」

楓の言葉に口を開く総理

「察しが良いな。その通りだ。一体この二つは何なんだ?」

「それに関しては私から説明致します。」

総理の言葉に口を開くイシュタル

「遙か昔、地球のとある国に月の民が侵攻いたしました。理由は地球を制圧する為。

ですが、とある国で月の民も滅亡寸前迄追い込まれ撤退。

それが時を経て再び。蒼き月は、月の民が目覚めた証拠。

そして、東京湾に浮かぶ城は、月の民を滅亡寸前迄追い込み、自身も滅びかけた国。

聖なる龍を守護とする国。聖ハルイです。」

イシュタルの言葉にざわめく部屋

その話は、何処で聞いたのかね?」

総理が問い掛ける

「私が、姉と尊敬していた人物。羽咲市警特殊機動部隊初代隊長、水月唯です。」

水月唯

その名が出た事でざわめきが収まる

こちらは、何をすれば良い?」

「東京湾に面する市町村の住民に避難命令を。大変だと思いますがお願い致します。」

楓の言葉に頷く総理

「それと、この件に関してましては私達に全権を委託して貰ってもよろしいですか?」

構わん。警察や自衛隊でどうにか出来る問題では無かろう。」

「ありがとうございます。それではこれにて失礼いたします。」

そう言ってお辞儀をすると部屋から出て行く楓達

 

首相官邸前

 

外に出てきて口を開くフィーナ

「さてと、これからどうするの?」

楓に問い掛けるフィーナ

「聖ハルイへ行きます。」

そう言うと同時にイシュタルを見る楓

「共によろしいですか?この中で一番唯さん。

いえ、聖騎士クリス=オーリ=ハルイを知る者として。」

楓の言葉に口を開くイシュタル

「良い表情ね。良いわよ。」

「ありがとう、ございます。桜・水冬、行ってくるね。」

楓の言葉に笑顔で答える桜と水冬

「楓が行ってる間にこっちはこっちで色々しておくわ。」

「すみません、フィーナさん。」

「良いって事よ。行ってらっしゃい。」

「はい。」

そう答えるとイシュタルと共に聖ハルイに向かう楓

 

聖ハルイ

 

城下町正門

 

そこに降り立つ楓とイシュタル

「何者だ貴様ら!」

「今を生きる者。貴方達と敵対する気は無い。この国の主に会いたい。」

楓の言葉に不審がる門番2人

何が有ったの?

ふとそこに透きとおるような女性の声が聞こえる

「クリス様!ハッ、我々が浮上したこの時代・この場所に生きる者達と言っております!」

門番の言葉を聞きながらその姿を現すクリス

その姿を見て驚く楓とイシュタル

そんな2人を見て口を開くクリス

「敵では無いわね。片方からは私に似た気質を感じる。いらっしゃい、案内するわ。」

そう言うと歩き出すクリス

それを見て楓とイシュタルも歩きだす

 

謁見の間

 

「少しお待ちになって。今女王をお呼びするから。」

そう言うと去って行くクリス

それを確認して口を開く楓

「イシュタルさん。」

「えぇ。あの女騎士は間違いなくこの時代の姉さん。女の私ですら見とれたわ。」

「そう、ですね。」

楓がそう言うと再び姿を現すクリス

「お待たせ。女王様のお目見えよ。」

そう言うと横にそれるクリス

それと同時に姿を見せる女王

それに合わせ頭を下げる楓とイシュタル

表をあげて。」

女王の言葉に頭を上げる楓とイシュタル

「初めまして。聖ハルイ王国の現主ネルビス=オーリ=ハルイよ。貴女達は?」

「水代楓です。」

「イシュタル=ラス=レイピアと申します。」

2人の名を聞き何かを感じるネルビス

「ふむ。楓と言ったわね。」

「あっ、はい。」

「不思議ね。貴女からクリスと同じ気を感じるわ。」

ネルビスの言葉を聞き立ち上がる楓

「それは、私が貴女達で言うクリスさんの力を、受け継いでいるからです。」

そう言うと一呼吸して口を開く楓

「エルスハート。セイントフォーム。」

―OK Wake Up Saint Form Set On―

電子音声が告げると同時に白い騎士鎧を纏い、髪は金色と化し腰迄伸びる

「私?」

セイントフォームの楓を見て驚くクリス

「これが水月唯。いえ、聖騎士クリス=ラス=レイピアより私が授かりし力。」

そう言うとセイントフォームを解除する楓

「成程。それで、要件は何かしら?貴女達は何かを伝えに来たのでしょう?」

ネルビスの言葉に驚く楓とイシュタル

「解っていましたか。ならこちらの要件は一つだけです。

この下に広がる大地。私達が住む場所に手を出さないで下さい。

それを守れれば、私達も何もしません。」

「成程。もし私達がそちらの住む場所に手を出したら?」

「全力を持って、貴女達を討ちます。」

ネルビスの問い掛けに答え、しっかりとネルビスを見据える楓

「良い。こちらも無駄な戦力を裂きたくない。」

「ありがとう、ございます。それでは失礼します。」

そう言って去ろうとする楓とイシュタル

「待って!」

それを呼びとめるクリス

何ですか?」

「この時代の私は、どうなってるの?」

クリスの問い掛けに口を開く楓

「仲間に見守られながら。今は新たな生命として生活してます。」

ありがとう。」

「それでは。」

そう言うと去って行く楓とイシュタル

 

ビックサイト西屋上展示場

 

そこに集まる楓達

その中で夜空を見上げるフィーナ

「月が満ちている。明日の夜が月齢上での満月。」

「気になるんですか?」

そんなフィーナに声を掛ける女性

声を聞き振り返り、口を開くフィーナ

「フェン。えぇ。聖ハルイに関しては母様と楓が何とかしてくれてる。

だけど、月の民は。」

そう言うと再度夜空を見上げるフィーナ

「いつだって全力。私達、フィーナさん達はそうして来たんじゃないですか?」

フェン。駄目ね、私も。後輩に言われるなんて。」

そう言うとフェンリルの方を見るフィーナ

「ありがとう、フェンリル。」

 

翌日

 

日の出桟橋

 

そこに楓達の姿が有った

「今夜の事ですが、2班に人員を分けます。霞が関近辺の防衛と聖ハルイの二つです。」

楓の言葉に頷く一同

「聖ハルイへは私と桜。それとイシュタルさんで行きます。

残りフィーナさん・フェン・水冬は霞が関近辺を。頭はフィーナさんで。」

楓の言葉に頷くフィーナ

「こっちは任せておいて。」

「お願いします。日没と同時に行動開始です。」

楓の言葉に頷く一同

 

月宮殿

 

入口近辺から地球を見るルナ

「ルナ、どうした?」

そこに声を掛けて、駆け寄ってくる男女

「ユイア。それにユア。」

「緊張してるのか?大丈夫だ。お前の強さは俺が良く知ってるだろ?」

ユアの言葉に顔をかがめるルナ

「大丈夫よ。皆で一緒に。蒼き星をユーリ様の為に。でしょ?」

ユイアの言葉に頷くユアとルナ

「少し休め。時間30分前には起こしてやる。」

「ユア。はい。そうします。おやすみなさい。」

そう言って去って行くルナ

遙か昔の、リベンジ戦だ。生きて、帰ろうな。」

「えぇ。」

そう言って蒼き星を見るユアとユイア

 

続く

 

次回予告

 

夜空に蒼き光の月満ちる時

古の決着を付ける為の戦いが始まる

蒼き月を守護に持つ月の民

聖神を守護とする聖ハルイ

そして、現代に生きる聖騎士達

次回ACT27「月満ちる時」

 

 

 

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