Knight Of Strikers

ACT23「風濫の決意」

 

 

首相官邸前

 

そこに姿を現したルナ

「何者だ?名を名乗れ!場合に寄っては拘束する!」

警備員の言葉に口を開くルナ

「海山市警特殊機動課所属の月夜瑠那よ。首相にお会いしたい。アポなんて無いけどね。」

そう言うと一般人でも分かる程度に魔力を開放し、威圧するルナ

「お、おい。首相に連絡を。」

あっ、は、はい。」

もう一人の警備員が直ぐ様連絡を取る

「えっ?……あっ、はい。そう伝えます。はい。」

そう言うと電話を切りルナに向かって口を開く警備員

「首相自らがこちらに向かっております。しばしお待ち下さい。」

「そう、ありがとう。」

笑顔で返事をするルナ

数分程待つと首相が姿を現す

「初めまして。海山市警特殊機動課所属海山瑠那です。

本日は羽咲市警特殊機動部隊隊長間宮風濫の代理で参りました。」

そうか。来たまえ。中で話そう。」

首相の言葉に頷き移動を開始する

 

首相私室

 

部屋に入ると魔力探知を使い、盗聴器を探るルナ

無いか。なら安心して話が出来ますね。」

「盗聴器の事か。元々この部屋には設置しておらんよ。

色々と聞かれて困る話も有るからな。」

「首相。お心遣い、ありがとうございます。」

そう言うとお辞儀をするルナ

「大した事では無い。本題に入ろう。聞きたいのは、今回の米軍についてだろ?」

首相の言葉に頷くルナ

「今回の事は完全に米軍の独断だ。私達も、羽咲の事でこの事を知った。

外務省の人間が必至に連絡をしているが、全く持ってだ。」

「ありがとうございます、首相。それと、一つだけ言っておきます。」

ルナの言葉に疑問に思う首相

「私達は何者にも縛られない存在です。ですが、自らの生まれた土地。

そして国を守ると言う意思だけは、絶対です。これだけは、覚えておいて下さい。」

「解った。覚えておこう。」

「ありがとうございます。それでは失礼致します。」

そう言うとお辞儀をして部屋から出て行くルナ

 

東京湾上

 

ブラックヴァルキリーコクピット

 

何か考え事をしている風濫の元にルナから通信が入る

「ルナ、どうだった?」

はい。結果から言うと米軍の独断ですね。首脳陣は一切無関係です

「成程。ありがとう。ルナは天宮に戻っていて。」

シル姉はどうするんですか?

ルナが疑問の声を出す

「私は、する事が有るから。」

解りました

そう言うと通信が切れる

通信が切れ、一息つく風濫

「風濫。」

「時間を見計らって、行くわ。」

 

天宮市

 

転移魔方陣で戻ってきたルナ

「ルナ。」

最初にルナに声を掛けるイシュタル

「イシュタルさん。」

「どうだった?」

「はい、大丈夫だとは、思います。」

そう言うと俯くルナ

落ち込まない。私達はSKでしょ?」

イシュタルの言葉に笑顔で頷くルナ

 

東京湾

 

ブラックヴァルキリーコクピット

 

コクピット内でエスキスの声が聞こえる

マスター。妹さんが天宮に到着したようです

「エスキス。ありがとう。」

そう言うとモニターに目をやる風濫

魔力が二つ。アルトとヴァイスかしら?」

そのようですね。月天と共に戻らなかったようです

ルーティアの言葉に溜息をつくと口を開く

「全く。ハッチ開けて。」

風濫の言葉にハッチが開く

ハッチが開いたのを確認して外に出る風濫

「マスター!」

「アルト!ヴァイス!何でルナと一緒に戻らなかったの?」

「済みませんマスター。ですが、月夜が言ったのです。マスターの所に行って。

そして伝えて。ちゃんと、生きて帰ってきて下さい。と。」

アルトの言葉に俯く風濫

「馬鹿、なんだから。ツレはエスキスとルーティアだけで良いのに。」

「「申し訳ございません、マスター。」」

同時に謝るアルトとヴァイス

作戦内容を言うわ。私は今から米軍の横須賀基地を襲撃するわ。

そこに、今回の黒幕が居る。貴女達二人はアーリィと共に陽動を仕掛けて。

そして頃合いを見計らってアーリィと共に離脱しなさい。」

「「はい。」」

「そして、伝えて。未来への道は、残したって。」

風濫の言葉に黙り込むアルトとヴァイス

「返事は!」

「「は、はい!」」

「よろしい。必ず、守ってね。アーリィ、行って。」

風濫の言葉に移動し始めるブラックヴァルキリー

 

米軍横須賀基地

 

正門

 

そこにはユニゾンインしたアルトとヴァイス、それとアーリィの姿が有った

「アルト、ヴァイス、行くわよ。」

「「全ては、未来の光の為に!」」

そう言って陽動を開始するアーリィ・アルト・ヴァイス

 

基地港

 

巡洋艦の陰に隠れるように浮遊する風濫

「そろそろ良いかしら?レヴィンクライス!」

―Lighting Slash―

電子音声と共に艦体に刺さったレヴィンクライスを振りぬく風濫

それと同時に爆発を起こす巡洋艦

そのまま気付かれずに司令部へと向かう風濫

 

司令部

 

[何だ?何が起きている!]

司令官の声が飛ぶ

[襲撃です!正門から。数は3ですが、徐々に数を減らされています!]

オペレーターからの言葉を聞き驚く司令官

[なんだと。一体何処の誰だ!こんな所を襲撃するのは!]

It Is Saint Knight(Saint Knightですよ)。」

突如聞こえた女性の言葉に声のした方を振り向く一同

[何者だ貴様は!]

そう言うと銃を向ける司令官

[あら?自己紹介はしましたよ。SKだって。]

そう言うと同時に司令官の持つ銃を切り裂く女性

[なっ!まさか、SKだと。だとするとここに来た目的は]

[ご名答。今回の黒幕で有る貴方を消しに来たのですよ。

横須賀基地司令カーク=ハーミット少佐。]

女性の言葉に笑いだすカーク

[何がおかしいの?]

[貴様は死ぬのだよ。ここでな。]

そう言うと同時にスイッチを押す

それと同時に警報が鳴り響く

[一体何をしたの?]

[自爆スイッチだ。ここら一体ごとお前を道連れだ!誰にも止められん!]

カークが言い終わると同時に心臓を一貫きする女性

パニックに陥る米軍兵

[うろたえるな!即時総員この基地の敷地から脱出しなさい!ここは、私が何とかするから。]

[しかし、それでは貴女が]

[行きなさい!生きたいのなら。]

女性の言葉に司令部から去って行く米軍兵

「マスター!」

それと同時にアルト達が入って来る

「アーリィ、融合炉でも何でも良い。この基地の真下で暴走しているエンジンを探して!」

「それなら、この直ぐ真下です。」

アーリィの言葉を聞き口を開く風濫

「そう。ありがとう。アーリィ・アルト・ヴァイス。ありがとう。もう、行きなさい。」

「風濫。はい。」

アーリィが返事をするとユニゾンを解くエスキスとルーティア

「マスター、お伴します。」

「エスキス、ルーティア。そうね。アーリィ・アルト・ヴァイス。

新たなる光を、頼んだわよ。」

そう言うと地下へと急ぐ風濫

「アルト・ヴァイス。行くわよ。」

 

横須賀基地地下

 

地下に有る発電施設迄来た風濫達

そこでは暴走をしている施設が有った

エスキス・ルーティア。この基地にだけ結界を貼れる?それと厚いのを。」

「はい。やれと言われれば今直ぐにでも。」

「それじゃあ、貼って。」

風濫の言葉に結界を展開するエスキスとルーティア

それと同時に発電施設を閉じ込めるように積層型魔術結界を展開する風濫

「マスター。」

ゴメンね。生まれて一か月も経たない内に消える羽目になっちゃって。」

「大丈夫ですよ、マスター。」

「それが、私達の宿命です。私達はマスター無しでは生きられませんから。」

エスキスとルーティアの言葉を聞き口を開く風濫

「ありがとう。エスキス・ルーティア。さぁ、こいつを止めるよ!」

「「了解!!!」」

 

それから数分後、横須賀基地に一本の光の柱が現れ、横須賀基地は消滅した

 

天宮市

 

天宮市内からも、光の柱は確認された

それを見て口を開くルナ

まさか。シル姉ぇぇぇ―――――――――!!!

ルナの叫びに空を見上げ口を開くイシュタル

風濫。ありがとう。」

 

米軍横須賀基地消滅

これを持って、米軍による羽咲及び天宮市への侵攻は終わりを迎えた

 

後日

 

横須賀基地跡地

 

そこには正門だけが残り、その先は海となっていた

そこにはルナ・楓・カレン・桜に聖の姿が有った

「聖、ゴメンね。連れ出しちゃって。」

「良いの。気にしないで楓。それに、保護者の一人ぐらい必要でしょ?」

聖の言葉に軽く笑みを浮かべると口を開く楓

「それもそうね。」

「ルナさんあそこ!何か浮かんでる!」

突然の桜の言葉に確認しに行くルナ

「ルナ!待って!」

たまらず飛び出す楓

 

桜が見つけた海面に浮かぶ何か

「剣?ベルガ式の。」

そうとだけ言い、疑問に思う楓

「シル姉の、レヴィンクライス。」

そう言うとレヴィンクライスを手に取るルナ

―Call your Name―

ふとレヴィンクライスが音声を発する

「えっ?」

―Please teach your name(貴女の名前を教えて下さい)―

再度音声を発するレヴィンクライス

「レヴィンクライス。ルナ。月夜瑠那よ。」

―My best regards mastering(よろしくお願いします、マスター)―

「うん、お願いね。レヴィンクライス。」

そう言うとレヴィンクライスを握るルナ

 

続く

 

次回予告

羽咲消失から始まった米軍の侵攻

それぞれの結末を迎えたルナ達の元に天宮市警から声がかかる

その理由は?

次回ACT24「全て終わりし後の問い掛けと答え

 

 

 

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