Knight Of Strikers

ACT22「信じる者」

 

 

首相官邸

 

会議室

 

そこには総理を始めとした各大臣と米軍関連の人物が何人か居た

「お願い、だと?」

疑問の声を出す総理

「はい。米軍は即時天宮市近辺より撤退して頂きたいのです。」

風濫の言葉に内緒話をする米軍関連の人物達

[そんな要求に答えられると思っているのか?]

[いいえ。ですが海上艦隊が一つ沈んでいるのは事実ですよ。]

米軍関連の人物に言い返す風濫

[私達の強さは十分承知してると思いのですが?]

そう言った瞬間背後から殴られ気絶する風濫

[…彼女を、どうする気かね?]

[こちらで処理します。お気になさらずに。]

そう言うと気絶した風濫を連れて去って行く米軍

 

官邸近くのビルの屋上

 

そこにはアーリィ・エスキス・ルーティア・アルト・ヴァイスの姿が有った

「マスターが米軍に捕まりました。」

ルーティアがそう告げる

「そう。ルーティアはヴァイスと融合してエフィスへ。

エスキスとアルトは私と共に残り救出のチャンスをうかがう。」

アーリィの言葉に頷くとユニゾンインし、その場から去って行くヴァイス

 

天宮市

 

久住家

 

桜に連れられ、ルナと楓は来ていた

居間に通されるとそこには桜の母聖が居た

「玖我、なの?」

聖を見てそう言う楓

「えぇ。お久振りね、楓。」

「生きて、いたんだ。」

「えぇ。あの時奇跡的に助かってね。ツテを頼ってここに。そして、桜を産んだの。」

「聖、羽咲は。」

「知ってるわ。楓、戦って。私達の町を、守って。」

聖の言葉に頷く楓

「聖。……ありがとう。」

そう言うと出て行く楓

それに続く桜とルナ

 

久住家前

 

「楓、あれで良かったの?」

ルナの問い掛けに頷く楓

「これで、良いの。懐かしき仲間が、守るべき者が居るだけで、私は、戦える。」

「楓。うん、そうだね。」

ルナがそう言うと歩き出す一同

 

エフィスブリッジ

 

そこにはヴァイス・ルーティア・ルイ・カヤキスにユイとブリッジクルの姿が有った

ヴァイスとルーティアから風濫が捕まった事を聞かされるユイ・ルイ・カヤキス

「成程。カヤキスさん。ヴァイスさんとルーティアさんと

共にアーリィさん達に合流して下さい。その後は任せます。」

「解った。ユイはどうする気だ?」

天宮へ向かいます。」

「解った。ヴァイス・ルーティア、行こう。」

そう言うとブリッジを出て行くカヤキス・ヴァイス・ルーティア

「カヤキスさん達が出たのを確認してエンジン起動。天宮市へ向かいます。」

了解!

 

都内某所

 

そこには拘束され、拷問を受ける風濫の姿が有った

「さて、君達はどのくらいの規模なのかね?いい加減教えて貰いたい物だ。」

誰が、言うもんですか。」

風濫の言葉に鞭を振るう査問官

「あぅ!」

「喋る迄続けるぞ。」

そう言うともう一度鞭を振るう

 

秋葉原某所

 

そこにはカヤキス・アーリィ・エスキス・ルーティア・アルトにヴァイスの姿が有った

「さてと、アーリィ。風濫の居場所は解っているのか?」

「はい。北千住の近く、東京拘置所です。」

アーリィの言葉に悩むカヤキス

「やるしかないな。行くぞ。」

カヤキスの言葉に移動する一同

 

天宮市

 

天宮市警

 

第2会議室

 

そこにはフィーナ・フェンリル・楓・ルナ・桜の姿が有った

フィーナから風濫が捕まったと言う事を聞く楓・ルナ・桜

「フィーナさん。シル姉は、無事なんですかね?」

「今の所分からないわ。ただ捕まったとしか。」

そう言うと俯くフィーナ

「風濫の事だから、大丈夫だとは思うけど。」

フェンの言葉に空気が重くなる

それと同時にノックの音が鳴る

「どうぞ。」

フィーナの言葉に警官が一人入って来る

「お知らせします。天宮市沖及び上空に米軍を確認。こちらに向かって来てます。」

警官の言葉に驚く一同

「ありがとう。」

「それでは、失礼します。」

そう言うと去って行く警官

非常に、ヤバイ状態ね。」

フィーナの言葉に互いに見つめ合い頷くと口を開く楓

「フィーナさん。私とルナで上空を何とかしますから、

フィーナさん達は海上の方をお願いします。」

「なんとかって、どうする気なのよ。」

「先手必勝です。」

楓の言葉に何かに気付くとやれやれと言った感じで口を開くフィーナ

「解ったわ。信頼しているからね。行ってらっしゃい。」

「「ありがとうございます。」」

二人同時に返事をすると会議室から出て行く

「桜、貴女はここに居て。突発的事態に対応出来るようにね。」

「けど。」

不安になる桜の両肩に手を乗せると口を開くフィーナ

「大丈夫。自分の力を信じなさい。そして、離れてはいるけれど、共に闘う仲間を。」

「フィーナさん。」

「それに、貴女には銀十字が有る。きっと、桜を守ってくれるわ。だから。」

フィーナの言葉に頷く桜

「ありがとう、桜。フェンリル、行くわよ!海上を潰すわよ!」

「了解!」

そう言うと会議室を出て行くフィーナとフェンリル

それを確認して口を開く桜

「桜花。」

名を呼ばれ具現化する桜花

「桜、どうしたの?」

「不安、なの。本当に私がフィーナさん達の力になれるか。」

桜の言葉に口を開く桜花

「桜。不安になる事なんて、無いわ。彼女達は、頼れる存在。

そんな彼女達が桜を信用した。だから桜にはそれだけの力が有る。自分を信じて。」

「桜花。ありがとう。」

 

天宮市上空

 

浮遊するルナと楓

「楓、どうするの?やっぱり、先手必勝?」

「解ってるじゃない。エルスハート、シューティングフォーム!」

―Wake Up Shooting Form Set―

電子音声と共に杖状のエルスハートを構える楓

「ルナ、フォローをお願い。」

「OK。」

「行くよ、エルスハート。」

―Magic Buster―

電子音声と共に射出される魔力

数機の米軍機を飲み込む

「やっぱり駄目か。」

―Lunatic Shooter―

電子音声が聞こえると残った米軍機が爆発する

「流石ね。」

楓がそう言うと通信が入る

ナイトリーダーより各員へ。米軍から通信が入りました。繋げます

桜がそう言うと英語での言葉が聞こえる

私は米軍の総司令官クロス=レンフィールドだ。

これ以上攻撃をするのなら君達の仲間がどうなるか想像したまえ。

そうならないようにしたければ降伏したまえ。

猶予は24時間だ。良い返事を期待する

通信、切れました

イシュタルよ。各員帰還、少し、考えるわ

 

天宮署

 

第1会議室

 

そこは、重い空気が場を制していた

その雰囲気に言葉を発せない桜

「らしく無いですね。」

ふと女性の声が聞こえる

一斉に声のした方を向く一同

そこに居たのは

ルイ。」

イシュタルがその名を発する

「今は静かに待ちましょう。それが嫌なら、東京拘置所。そちらへ。」

そう言うと誰も居ない場所に転移魔方陣が現れる

それを見て歩みを見せるルナ

「誰が止めようとも、私は行きます。」

そう言うと魔方陣の上に立つルナ

それを見て口を開くイシュタル

「ルイ・フェンリル。戻る迄お願いね。」

そう言うと魔方陣の上に立つイシュタル

「イシュタルさん。」

「力になるわ。ルイ、送って。」

イシュタルの言葉にその場から消えるイシュタルとルナ

 

東京拘置所

 

中庭

 

そこに転移してくるイシュタルとルナ

突然の出現に驚く周囲

「ルナ、ここは私が引き受けるから、貴女は風濫を。」

「イシュタルさん。はい。」

そう言うと上空へと飛び立つ

「さて、久方振りね。気をつけないと。」

 

北千住付近

 

東京拘置所から何かが登って行くのを確認するカヤキス・アーリィに

アルト・ヴァイス・エスキス・ルーティア

「何だあれは?とりあえず、急ぐぞ!」

カヤキスの言葉に頷くと駆け出す一同

 

拘置所上空

 

留置所を見下ろすルナ

う〜ん、魔力探知に引っ掛からない。」

「それだけ厳重に対魔力結界を張っている証拠。」

ルナの言葉に答えを返す女性の声

ん?」

その声に疑問に思うルナ

「忘れちゃったの?私の声。」

まさか。久振りに来たから驚いただけだよ、水冬。」

ルナの言葉に笑顔になる水冬

「ポイント3086の地下。そこに間宮先生が居る。」

「流石ね。貫くわよ、良い?」

「OK。」

そう言うと姿を消す水冬

「ナイトオブムーン、アサルトストライクフォーム。」

―Assault Strike Form Set On―

「全力全開!」

―Strike Breaker―

「貫けぇぇぇ!!!

そう叫ぶと留置所目掛けて落下するルナ

 

留置所内

 

壁に拘束されている風濫

ふと何かに気付く

何か、来る。何が来るの?」

そう呟いた直後

天井を突き破り何かが降りてきた

煙が立ち良く見えない状態

誰、なの?」

「迎えに来ました、シル姉。」

そう言うと煙が晴れ、風濫の目の前にはルナの姿が有った

ルナ、ありがとう。」

「今、外しますね。」

そう言うと拘束具に向けて小さめの魔力球体を放つルナ

その魔力球体が当たると同時に砕け散る拘束具

「シル姉、行こう。」

「待って、レヴィンクライスが。」

そう言うと牢の外を見るが何も無い

「シル姉。水冬!」

ルナの言葉に具現化する水冬

「お久振りです、間宮先生。」

「白月、水冬。」

「先生の剣は必ず探し出しますので、今はルナと一緒に脱出を。」

水冬の言葉に納得したのか口を開く風濫

「解った。お願いね、水冬。ルナ。」

風濫がそう言うと風濫を抱え穴を伝って登っていくルナ

「さてと、探しますか。」

 

拘置所屋上

 

屋上に降り立つルナと風濫

「ルナ、水冬がレヴィンクライスを見つけて来たら一旦退くわよ。」

はい。」

ルナがそう言うとふと男性の声が聞こえる

「今の声。」

そう言うと辺りを見回す風濫

「間宮!」

そう言って姿を現したのは

「カヤキスさん。」

「大丈夫だろうな。この穴を見れば。」

「ご心配御掛けしました。」

笑顔で答える風濫

「良いって事だ。」

間宮先生

カヤキスがそう言い終わると同時に女性の声が聞こえる

「水冬、有った?」

「はい、こちらに。」

そう言うとレヴィンクライスを差し出す水冬

それを受け取る風濫

「ヴァイス・ルーティアはルナと共に援護を。アルトとエスキスは突破口を開いて。」

風濫の言葉に頷くアルト・ヴァイス・エスキス・ルーティアにルナ

「アーリィ、カヤキスさん。行きますよ。」

そう言うと屋上から飛び降りる

 

中庭

 

倒れ込んでいる警備員とその中心に立ち尽くすイシュタル

「もう終わりなの?」

「イシュタル!」

ふと声を呼ばれ声のした方を見るとそこにはカヤキスと風濫にアーリィの姿が有った

「カヤキス。それに風濫。無事だったのね。」

「はい。拷問は受けましたが、何も言ってません。」

風濫の言葉に「流石だな。」と言う顔をするイシュタルとカヤキス

「マスター!」

エスキスの言葉に気付き口を開く風濫

「とりあえず今はここから離れましょう。」

風濫の言葉に頷くイシュタルとカヤキス

 

葛西近辺

 

河川敷に集まるイシュタル・カヤキス・風濫・ルナ・エスキス・ルーティアに

アーリィ・アルト・ヴァイス

最初に口を開くカヤキス

「とりあえず、早く戻らないと天宮がやばい。24時間のタイムリミット迄あと6時間だ。」

カヤキスの言葉に考え込む風濫

シル姉、どうかしたの?」

それに気付くルナ

「ん?ちょっとね。ルナ、首相官邸に出向いてくれない?私の使いで。」

「えっ?シル姉の頼みなら。それで、要件は?」

「今回の黒幕について。必ず首相と二人っきりの状態で話して。良い?」

シルヴィーの言葉に頷くルナ

それを見て口を開く風濫

「イシュタルさん・カヤキスさん。天宮をお願いしても、良いですか?」

風濫の言葉に戸惑いながらも頷くイシュタルとカヤキス

「アーリィ。ヴァルキリーを。」

風濫の言葉に空間転移してくるブラックヴァルキリー

「アルトとヴァイスはルナに付いて。エスキスとルーティアは私と一緒に。」

風濫の言葉に頷くアルト・ヴァイス・エスキス・ルーティア

それを確認してブラックヴァルキリーに乗りこむ風濫

 

コクピット内

 

実体化したアーリィが問い掛けてくる

「風濫。良かったの?」

……うん。良いの、これで。アーリィ、私の最後の頼み、聞いてくれる?」

風濫の言葉に間を置かず頷くアーリィ

「私が次に降りたら、この機体と共に、ルナの元へ行って。お願い。」

風濫。はい、解りました。」

アーリィの返事を聞いて笑顔になる風濫

「良い子。エスキス・ルーティア。」

名を呼ぶとミニサイズでコクピット内に現れる2人

「ごめんね。生んで間もないのに、直ぐに消えちゃうなんて。」

「我々はマスター無しで生きていけません。」

「マスターと共に、どこまでもお供致します。」

ありがとう、2人とも。」

 

首相官邸前

 

そこには、ルナの姿が有った

 

続く

 

次回予告

真相を問いただすルナ

その結果を聞き風濫は決断を下す

天宮の未来は?

次回ACT23「風濫の決意」

 

 

 

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