Knight Of Strikers

ACT21「振り下ろされた剣〜真実を知った時〜」

 

 

翌日

 

昼休みの音楽室

 

昨夜フェンリルに聞いた事を桜とカレンに話す楓とルナ

「桜、カレン。決めるのは、自分自身よ。強制はしないから。」

そう言うと音楽室を出て行く楓とルナ

「桜、どうするの?」

「とりあえず今から家に戻ってお母さんに打ち明ける。その上で決める。」

「そう。なら、私も。放課後にここで。」

カレンの言葉に頷く桜

 

久住家居間

 

そこには桜と桜の母の姿が有った

「いきなりどうしたの?相談琴って一体何?」

…Saint Knightって、知ってる?」

桜の言葉に何かを悟った表情をし、口を開く母

「桜からその名前が出たって事は、関わってるのね?」

「えっ?うん。」

驚きつつも頷く桜

「それなら桜の好きなようにしなさい。」

「えっ?それって。」

「桜。お母さんの名前、解るわよね?」

突然の質問に戸惑いつつも口を開く桜

「せ、聖。久住聖。」

「はい正解。それじゃ私の旧姓は?」

確か玖我、だったよね?」

「正解。私の名前を旧姓で水代楓って言う人に伝えなさい。驚くから。」

母、聖の言葉が理解出来ない桜

「それと、桜花。」

突然名前を呼ばれ具現化する桜花

「ご存知、でしたか?」

「当たり前よ。一応は桜の双子の姉なんですから。」

聖の言葉に驚く桜と桜花

「けど、殆ど死産のような物だったわ。片方は死に、片方は生きた。

けど、今目の前に居る。桜花、桜の、妹の力になってあげて。」

「はい、お母様。」

 

エフィス

 

ブリッジ

 

「艦長。今ので最後の民間人です。」

オペレーターのメイドがそう伝える

「ありがとう。さて、どうしますか?我が主ユイ様。」

「米軍の動きを警戒しつつ天宮へ。」

「了解。」

 

エフィス格納庫

 

黒き戦女神の前には風濫の姿が有った

ふと何を思ったのかコクピットに入る風濫

 

「システム起動。システムオールグリーン。アーリィ、プログラムリンクは?」

「良好です。異常無し。」

「ありがとう。」

そう言うと天宮市周辺のマップを出す風濫

米軍の、動きが気になるのですか?」

「うん。各方面から天宮に向かっているからね。やっぱり。」

風濫の言葉に疑問に思うアーリィ

「アーリィ。見て。私なりに各米軍の侵攻速度を予想した物。

誤差2時間で私達より早く天宮市に到達する部隊が有る。」

「そんな。それでは天宮市が!」

「歩兵部隊だけなら、大丈夫なんだけど。」

そこ迄言うとブリッジから通信が入る

「ブリッジから?はい、風濫です。」

夢野です。ユイ様から命です。

ブラックヴァルキリーはただちに出撃し天宮市へ向かえ。との事です

「ルイさん。了解。」

そう言うとハッチを開ける風濫

「ルーティア!エスキス!アルト!ヴァイス!出るわよ!」

風濫の言葉に集まる4人

エスキスとルーティアはブラックヴァルキリーに融合

アルトとヴァイスはコクピット内に居る

「こちら風濫。ブラックヴァルキリー、出るよ!」

ご武運を

オペレーターを声を聞き出撃していく風濫のブラックヴァルキリー

 

天宮市

 

放課後の音楽室

 

桜が入るとそこにはカレンの姿が有った

「お待たせ。待たせちゃった?」

「ううん、大丈夫。私も、今来た所だから。」

「そう。」

そう言うと黙り込む二人

そんな中ふとカレンが口を開く

「桜は、どうしたの?」

「えっ?お母さんは、自分で決めろって。それで結局、戦う事にした。」

そう、強いね。桜は。」

カレン。そっか、カレンは。」

そこ迄言い口を閉じる桜

「ゴメンね。最後迄、一緒に居たかったんだけど。私は、そんなに強くないから。」

「カレン。そう決めたのも、一つの勇気だよ。」

「桜、ありがとう。無事に、帰って来てね。」

「大丈夫。私は、死なないから。」

そう言うと音楽室を出て行く桜

 

屋上

 

そこにはルナと楓の姿が有った

「桜。カレンは?」

「カレンは、辞退しました。自分は、そんなに強くないからって。」

桜の口からカレンが来ない理由を聞き納得するルナと楓

「それじゃ、海浜公園迄行くよ。」

そう言うと飛び出すルナと楓

それに続く桜

 

海浜公園上空

 

そこにはナイトオブムーンを持つルナ、エルスハートを持つ楓

それと銀装を纏う桜の姿が有った

フェンリルよりアクト1・アクト2・アクト3、感度はどう?

通信機からフェンリルの声が聞こえる

「アクト1月夜良好です。」

「アクト2水代もOKです。」

「アクト3桜です。感度良好です。」

3人の返事を聞くと再度通信機から声が聞こえる

OK。とりあえず貴女達が今居る場所から200キロ行った所に米軍の艦隊が居るわ

作戦内容はこの艦隊の無力化

「航行不可能+艦砲破壊って所ですかね?」

えぇ、そんな感じよ

「アクト1了解。楓、桜。行くよ。」

ルナの言葉に頷く楓と桜

それを見て飛び出すルナとそれに続く楓と桜

 

天宮海浜公園から南に200Km

 

海上を高速で飛行する風濫のブラックヴァルキリー

「風濫。」

ふとアーリィが口を開く

「解ってる。けどこの艦隊は囮。本体は海の中!急ぐわよ。」

「了解。」

アーリィがそう言うと更に加速するブラックヴァルキリー

 

海上

 

見つけた。楓、桜。行くけど、解ってるよね?」

「不殺。」

「戦力の無効。」

楓と桜の返答に笑顔になるルナ

「それじゃ、健闘を祈るわ。」

ルナの言葉に笑顔で答える楓と桜

それと同時に散会していく3人

 

ルナ達が海上艦隊に攻撃を仕掛け始めたのと同じ時刻

 

海浜公園

 

そこには一人、フィーナの姿が有った

砂浜に立ち尽くし海を見るフィーナ

……来たわね。」

そう言うと両手に銃を持つフィーナ

それと同時に海の中から無数の潜水艇が浮上して来る

「さて、何処まで行けるかな?」

フィーナがそう言うと同時に左右に降り立つ4つの人影

その人影に驚く米軍兵とフィーナ

「魔族に金属生命体?」

疑問に思うフィーナに対し魔族の一人が口を開く

「フィーナ=ラス=レイピアですね?」

えっ?えぇ、そうだけど。貴女達は何者なの?」

自らの名前を呼ばれ疑問に思うフィーナ

「失礼。私はアルト。彼女はヴァイス。

こちらの金属生命体はマスターシルヴィーが創造した生命体。

名をエスキスとルーティア。」

「それって、禁呪。それで、何しに来たの?アルト。」

「マスター風濫の命により助太刀に来ました。」

アルトの言葉に驚くが、納得し口を開くフィーナ

「成程。ありがとう。私とアルトとエスキスは前に。ヴァイスとルーティアは援護して!」

「了解。ヴァイス・エスキス・ルーティア!行くわよ!」

アルトの言葉にアルトの側にエスキス

ヴァイスの側にルーティアが付く

「「ユニゾンイン!!!」」

その言葉にアーマーを纏うアルトとヴァイス

「ひゅ〜。アルトは相手の移動手段を無効化して。ヴァイスはその援護!

人員は、私一人で片付ける!」

そう言うと同時に二丁の銃を乱射し、殺さずに無力化して行くフィーナ

 

米軍海上艦隊

 

ふと不思議に思うルナ

「アクト1からアクト2及びアクト3、応答して。」

こちらアクト2

アクト3です。どうしたんですか?

「何か、おかしいと思わない?」

ルナの言葉に考えこむ桜

―…確かにね。あまり人の気配を感じないし、嫌な予感がする

楓。楓は桜を連れて戻って。私はもう少し探ってみる。」

ルナ。無茶しないでね

「解ってる。」

そう言うと通信機を切り目の前の洋上艦に着艦するルナ

そのまま艦内を捜索し、ブリッジに来て驚く

何故ならそこには、誰も居なかったからで有る

「何これ?まさか、これは囮!くっ、直ぐに戻らないと!」

そう言うと窓を割り甲板に降り立つルナ

それと同時に格納庫から何かが出てくる

ただじゃ返してくれないのね。」

そう言いながら振り返るルナ

そこには乗り切るだけの無人機動兵器が並んでいた

「ナイトオブムーン、アサルトストライクフォーム。」

―Assault Strike Form Set Up―

電子音声がそう告げるとルナの右手にはパイルバンカーが装着されていた

「数は、12機。何処まで行けるかな?」

そう言うと速効で目の前の一機にパイルバンカーを突き刺す

「打ち抜く!」

ルナがそう言うと同時に先端が撃ち込まれる

そのまま離脱すると爆発する機動兵器

それを認識し、一斉に銃口をルナに向ける機動兵器

それを確認すると同時にその場から駆け、2機目にパイルバンカーを打ち込むルナ

「まだまだぁ!」

 

艦隊上空

 

そこには風濫のブラックヴァルキリーが居た

 

コクピット内

 

「甲板上に人影。アーリィ、解る?」

「最大スキャンしてみます。………画像を出します。」

アーリィがそう言うと風濫の目の前に画像が出る

ルナ。」

「風濫、周囲の館からも同様の機動兵器が。」

「一気にせん滅するわ。アーリィ、ルナの援護に行ってあげて。」

「了解。」

そう言うとコクピットから姿を消すアーリィ

さて、やるか。」

そう言うと準備を始める風濫

 

再び甲板上

 

目の前の機動兵器を全て破壊したルナ

一息付くと周囲から聞こえる音に回りを見渡す

嘘、でしょ?」

ルナがそう呟くとルナを囲むように着地する無数の機動兵器

「流石に、これはキツイわね。けど、ただではやられないわよ。

ナイトオブムーン、セイバーストライクフォーム。」

―OK Saver Strike Form Set Up―

電子音声のあと剣へと変わるナイトオブムーン

それと同時にルナだけに声が聞こえる

動くな

その声に戸惑うと周囲の機動兵器に無数の剣が刺さる

「秘剣ソードダンス。大丈夫だった?月天の守護者。」

そう言いながら姿を現す女性

その女性を見て口を開くルナ

「黒装の戦乙女、アーリィ。」

「風濫が上空で攻撃準備をしています。この船から離脱を。」

「シル姉が。解った。」

そう言うと飛び上がるルナ

「さて、私も頃合いを見て行きますか。」

 

上空

 

空へと昇るルナの視界にブラックヴァルキリーが見える

「あれか。シル姉、ルナです!」

そう叫ぶと返答が返って来る

ルナ!とりあえず避けて。艦隊を潰すから

風濫の声に横に避けるルナ

それと同時に巨大なエネルギーが艦隊に向かって放たれる

その直後艦隊は消滅した

 

ブラックヴァルキリーコクピット

 

「艦隊消滅を確認。アーリィ。」

「はい、ただいまです。」

アーリィの返答を確認して口を開く風濫

「ルナ、戻るわよ。ブラックヴァルキリーの手に。」

解りました、シル姉

 

海浜公園

 

そこには煙を上げる上陸艇と傷を負いのたうちまわる米軍兵と、

立ち誇るフィーナ・アルト・ヴァイスの姿が有った

「まだまだだったみたいね。」

そう言うと銃を納めるフィーナ

それを確認してユニゾンを解くアルトとヴァイス

「フィーナさん、何か来ます。」

ヴァイスの言葉に海を見るフィーナ

「待って下さい。マスターです。」

ユニゾンを解除したエスキスが口を挟む

「って事は、風濫か。」

フィーナがそう言うと目の前に黒き戦女神が現れる

手のひらからはルナが降り立ち、その後コクピットハッチから風濫が降りてくる

「フィーナさん。」

「その様子だと、海上は全滅させたみたいね。」

フィーナの言葉に頷く風濫

「フィーナさん、それと。」

「解ってるわ。私の所にも来たから。それで、これからどうするの?」

「再度東京へ行きます。何が有ろうと、私は伝えるべき事を伝えますから。」

風濫の言葉を聞き、目を見ると何かを悟るフィーナ

「こっちは任せといて。気を付けてね。」

「はい。エスキス・ルーティア・アルト・ヴァイス、行くわよ。」

そう言うとコクピットに乗り込む風濫

ハッチを閉める前に見下ろすとハッチを閉める風濫

 

コクピット内

 

「マスター、良かったのですか?」

ふとアーリィが口を開く

「アーリィ、ええ。何が有ろうと、後悔はしない。それが、私達SKだから。」

そう言うとブラックヴァルキリーを発進させる風濫

 

それを見送るルナとフィーナ

 

続く

 

次回予告

ひと時の休息

風濫はその間に再び東京に来ていた

それと同時に天宮には包囲網が敷かれていた

風濫は?天宮は?

ACT22「信じる者」

 

 

 

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