GUNDAM WAR -Shine of Mebius-

PHASE-28「紅蓮の舞」

 

 

 オーブにてクサナギとアザトースが一進一退の混戦を繰り広げていた最中、ライトサイドでもジーザス率いる星光軍と、カオスサイドのストラス隊が攻防を繰り広げていた。

「くそっ!戦力ではこっちが上だが、数が多すぎる・・・!」

 デュランを駆るナツキが毒づきながらも、迫ってくるMSたちに向けて次々と砲撃を繰り出していく。

“でも情勢はまだこっちが有利よ。焦らなければ負けない勝負よ。”

 そこへジーザスからミドリの声が飛んでくる。

「分かっている。ここで攻を焦る私だと思うか?」

 ナツキは冷静さを保ったまま答えると、再びストラス隊に向けて砲撃を繰り出す。その猛威にMSたちが後退を考えるようになっていた。

“上空から高エネルギー反応!ものすごい勢いで降下してきます!”

「何っ!?

 そのとき、ジーザスからアオイの声がかかり、ナツキが緊迫を覚える。彼女が上空に眼を向けると、戦場の真っ只中にひとつの機影が飛び込んできた。

「な、何だ、あの機体は!?・・・マイスター!?・・いや、似ているが違う・・・!」

 ナツキが驚愕する前で、出現した機体が周囲を伺っていた。その形状は、アリカの機体であるマイスターと酷似していた。

「ストラス隊、私はカオスサイド、混沌軍、スワンよ。イオリの命令でこっちに来たわ。」

“スワン殿・・イオリ様から連絡は受けています。援護を感謝します。”

 スワンの呼びかけに艦体のオペレーターが答える。するとスワンは笑みをこぼして周囲を再び見回し、デュランに視線を止める。

「1番楽しめそうなのは、あの青い機体ね・・えっと確か名前は、デュランだったわね。」

 スワンが歓喜の笑みを浮かべ、ナツキが毒づく。スワンの駆るカオススーツDが大型ビームソード「アロンダイトビームソード」を手にして、デュランに飛びかかった。

 

 ライトサイド内の郊外にある小さな町。その中にある店では、1人の少女が営んでいた。

 マイ・エルスター。星光軍のMSパイロットとしてダークサイドの侵攻を食い止めた1人であり、最高位のMS「カグツチ」の操縦者である。現在は星光軍を離れ、カラオケレストランを設立して生活している。

「マイー、ラーメンはまだかー!」

 店内で1人の少女がマイに向けて声をかける。ミコト・バレル。ダークサイド、レイト・バレルの妹である。一時期ダークサイドのパイロットとしてマイやライトサイドと対立していたが、マイによって救出。現在はマイの妹のような存在となっている。

「もう少し待ってて、ミコト。すぐに出来上がるから。」

 マイが呼びかけるが、ミコトは腹をすかせて急かしていた。

「相変わらずだな、ミコトは。」

 そこへ1人の青年が現れ、ミコトを眼にして苦笑いを浮かべる。

 ユウ・ザ・バーチカル。星光軍のMSパイロットで、マイやナツキたちに協力してきた男である。現在はマイとともにこのカラオケレストランの店員として生活していた。

「だってミコトちゃんの大のお気に入りは、マイさんのラーメンなんだからね。」

 そこへもう1人の少女が声をかけてきた。ユウの妹、シホ・Y・バーチカルである。

「もちろんだ!やっぱりマイのラーメンは最高だ!うんっ!」

 ミコトがユウとシホに向けて満面の笑みを浮かべて大きく頷いてみせる。そこへマイがラーメンを運んで、キッチンから姿を見せてきた。

「お待ちどう。せっかくだからユウとシホちゃんの分まで一緒に作っちゃったけど・・・」

「はい、いただきます、マイさん♪」

 マイの呼びかけにシホも笑顔を見せて頷いた。

「全く、世話の焼ける妹を持つと苦労が絶えないなぁ、お互い。」

「もう、お兄ちゃん、それってどういう意味よー!」

 ユウが口にした苦言に、シホが不満を口にする。その店内のやり取りを見て、マイは笑みをこぼしていた。

(そう・・こんな時間がいつまでも続いてほしい・・もう悲劇を繰り返したらいけないよね・・・)

 マイは胸中でささやき、これまでの戦いと想いの日々を思い返していた。その中で、彼女の脳裏に弟、タクミの顔が蘇ってきた。

(アンタもそう思うわよね、タクミ・・・?)

 マイが思いを秘めると、タクミが微笑んだように感じた。

「どうしたんだ、マイ?ボーっとしてさ。」

「えっ?・・ううん、何でもないよ、ユウ。」

 そこへユウが声をかけてきて、マイは我に返り、苦笑いを浮かべて答えた。

 そのとき、マイはミコトの姿が消えていることに気付く。

「あれ?ミコトは?」

「えっ?・・いないなぁ。どこ行っちまったんだ?」

 マイが訊ねると、ユウは周囲を見回して首をかしげる。ラーメンを食べ終えたミコトの姿が見えないのだ。

「もしかして、あの子またあそこに行ってるんじゃ・・」

 思い当たる節を見つけ、マイが肩を落とした。

 

 ラーメンを食べ終えたミコトは、それだけでは足りないと、キッチンに忍び込んでいた。そして冷蔵庫を見つけるや、彼女は眼を輝かせてずんずんと進んでいった。

 そして冷蔵庫のドアを開けて、中を物色しようとした。

「コーラ。またつまみ食いしてる。そんなことすると、夜ご飯食べられなくなっちゃうよ。」

 そこへマイに背後からつかみ上げられて、ミコトが気まずい表情を浮かべる。そしてミコトはマイに捕まったまま、キッチンを出されてしまった。

「またか。懲りないヤツだな、お前も。」

 ユウも落ち込んでいるミコトを眼にして呆れ顔を浮かべる。

 そのとき、突如轟音が鳴り響き、店の中が揺れだした。

「じ、地震!?

 シホが声を荒げて、たまらずテーブルの下に隠れる。しかしマイもユウもその揺れに眉をひそめていた。

「地震にしちゃなんかヘンだぜ・・」

「それに、音も外から聞こえてきたし・・」

 ユウとマイが頷き合うと、ひとまず店の外に出る。そこで2人は、群れを成して迫ってくるMSたちを目の当たりにする。

「MS!?・・何で、こんなとこにまで・・!?

「もう、せっかく人が有意義な暮らしを送ってるっていうのに・・」

 ユウが驚愕し、マイが肩を落としてため息をつく。MSたちは、明らかに彼女たちに向かって接近してきていた。

「こりゃ食事しに来たって感じじゃねぇよな・・」

「どう見たって、そんな様子には見えないでしょ。」

 苦笑を浮かべるユウの言葉に、マイが再び肩を落とす。MSたちが続々と彼らの前に降り立ち、その中の1機が呼びかけてきた。

“ライトサイドのマイ・エルスター、ユウ・ザ・バーチカルだな?”

「おいおい、いきなりそんなもんで押しかけてきて、一方的な要求かよ。」

 スピーカー越しの呼びかけにユウが呆れてため息をつく。

「マイ、こいつら悪いヤツじゃないのか・・・!?

 そこへいきり立ったミコトが飛び出してきた。

“この付近に高エネルギーの動力源を搭載した兵器があるはずだ。それが収容されている場所に案内してもらおう。”

 部隊の指揮官がマイたちに要求を申し付けてくる。

 マイとユウはその言葉の意味が分かっていた。部隊が要求している兵器が、再び戦場へと戻れるようにミドリが託した最新鋭の技術と動力源を備えた機体であると、彼らは察していた。

 マイたちはひとまず店の中に身を潜めた。しかし部隊は武装による攻撃を行おうとしなかった。彼らはその兵器の奪取を目的としており、ここで過激な攻撃をすれば、破壊しかねないと判断していた。

 マイたちは店内の奥、地下への階段を駆け下りていた。その先が、その兵器が収容されている場所への道となっていた。

「まったく、問答無用になってきたな!」

「文句言ってる場合じゃないでしょう!」

 ユウがもらした愚痴に、マイが不満を言い放つ。

「でも、その先に何があるんですか!?

 そこへシホが声をかけ、マイが前を見据えたまま頷く。

「ミドリちゃんに託されたの。万が一の時には、それを使うことも考えてって。」

 マイの言葉にシホは小さく頷いた。マイたちはついに、その兵器が収容されている部屋の扉の前にたどり着く。

「やっぱオレたちも、世界のために戦わなくちゃならねぇってことか・・・」

「あたしだって気が進まないわよ・・でも、また誰かが傷ついてるんだもの・・それを見捨てて、あたしたちだけのうのうと過ごしているわけにはいかない・・・」

 ユウが言いかけると、マイも深刻な面持ちを浮かべて言葉をかける。

「行こう、ユウ・・みんなが待ってるから・・・」

 マイの呼びかけにユウが笑みを見せて頷く。

「ミコトとシホちゃんはここで待ってて。あたしたち、行ってくるから・・・」

「お兄ちゃん・・マイさん・・・大丈夫。私たちのことは気にしないで、みんなを助けてあげて・・」

 マイが呼びかけると、シホが微笑んで頷く。シホは世界の命運を、マイとユウに託したのだった。

「すまない、シホ・・こんなことになっちまって・・・」

 ユウが詫びを入れると、シホは笑みを消さずに首を横に振る。

「気にしないで行って、お兄ちゃん。行って、救世主になってきてよね・・・」

「あのなぁ、シホ・・」

 シホの言葉に半ば呆れながらも、ユウは自信を見せて頷いた。そしてマイとユウは眼前の扉を開け放った。

 その先の部屋には、完全とそびえ立つ1機の機体があった。それを眼にして、マイは真剣な面持ちを見せ、ユウが一瞬当惑を浮かべる。

「久しぶりのコイツか・・懐かしいといってのかどうか・・・」

「懐かしんでる場合でもないんだけどね・・・」

 互いに苦笑をこぼしながらも、戦いに臨もうとしていたユウとマイ。2人はコックピットに乗り込み、エンジンを起動させる。機体のコンピューターがフル稼働し、動きを見せる。

 天井のハッチが開かれ、機体が虚空を見上げる。

「マイ・エルスター、カグツチ、いきます!」

 マイが呼びかけるとともに、機体、カグツチが飛翔した。

 

 続々と集結していくMSたち。彼らは痺れを切らして、兵士たちによる店への強行突入を試みようとしていた。

「合図によりいっせいに乗り込む。準備はいいか?」

「はい。突入準備完了です。」

 兵士たちが突入に向けて備え、銃を手に取って身構えていた。

 そのとき、店から少し離れた場所から巨大な機影が飛び出してきた。兵士たちがいっせいにその機体に振り返る。

「な、何だ、あれは!?

「もしや、あれが高性能を備えた兵器か!?

 その姿を目の当たりにした兵士たちが驚愕を覚える。姿を現したのは、かつてダークサイドの侵攻を食い止めた機体「カグツチ」だった。

 だが今現れたカグツチの姿は、以前見せたものと比べて差異があった。正確には以前よりも性能が向上されていた。

 最大の向上は動力源。核エネルギーを凌駕する「エレメンタルチャージャー」をさらに超える高エネルギー体「クリスタルチャージャー」が搭載されていた。

「それじゃ、いくよ、ユウ。」

「あぁ。とりあえずコイツらを追っ払わなきゃな。」

 マイの呼びかけにユウが頷く。カグツチが装備されている2つのビームライフルをそれぞれ手にして、周囲のMSたちを見回す。

「ええい、怯むな!すぐに撃て!一斉攻撃すれば、敵わない相手ではない!」

 指揮官の呼びかけに呼応して、MSたちがカグツチに迫り、取り囲む。機体たちが同時にビームライフルを構え、同時に発砲する。

 だがカグツチは驚異的な速さを発揮して、その砲撃をかわした。そしてカグツチはビームライフルを発砲して、MSたちの銃砲を撃ち抜いた。

 怯まずに反撃に転ずるMSたち。カグツチは今度は2本のビームサーベルを手にして、ビームライフル、ビームサーベルといった武装を、それらを持つ手ごとなぎ払っていく。

 そしてカグツチが背の翼を広げると、翼から突起物が飛び出す。遠隔操作による砲撃武装「ドラグーン」である。このカグツチには前機より数が増え、計10機が装備されている。

 ドラグーンから発射されるビームが、MSたちの武装を撃ち抜いていく。もはや数でどうにかできるレベルではなかった。

「ダ、ダメです!もはやこちらには打つ手がありません!」

「おのれっ!撤退だ、撤退!体勢を立て直すぞ!」

 指揮官が毒づき、部隊がカグツチの前から撤退を余儀なくされた。戦慄が消えて、カグツチが店の前に降り立った。

「マイー!」

 そこへミコトが店から飛び出し、シホも続いて姿を見せてきた。2人を確認して、マイが2人に呼びかけた。

「ミコト、シホちゃん、これからミドリちゃんやナツキたちと合流するから、お店のほう、お願いね。」

「心配するな、マイ!マイのためにも、私がこの店を守ってみせるぞー!」

 マイの声にミコトが自信ありげな態度で答える。彼女たちを信じて、マイは再び混迷の戦場に舞い戻ろうとしていた。

「それじゃ、いくわよ、ユウ!」

「あぁ!」

 

 スワンの駆るカオススーツDの参戦により、デュランとジーザスは劣勢を強いられていた。遠距離砲撃で攻めようとするナツキだが、カオススーツの速さは凄まじく、一気に間合いを詰められてしまう。

 そしてついに、カオススーツの振りかざしたアロンダイトビームソードが、デュランの銃砲をなぎ払った。その衝撃で、デュランが地上へと叩き落される。

「ナツキちゃん!」

 ジーザスにいるミドリがたまらず声を荒げる。戦闘不能に追い込まれたデュランの中で、ナツキが毒づいていた。

(これほどの力を持っているとは・・デュランが追いつけないなんて・・・!)

 焦りを募らせるナツキの前に、カオススーツが降り立ってきた。カオススーツが高エネルギー長射程ビーム砲を構え、デュランに狙いを定める。

「なかなか持ったほうじゃない?でも、これでおしまいね。」

 スワンが笑みをこぼしてデュランを見据える。銃口にエネルギーが収束され、ナツキは死を覚悟した。

 そのとき、一条の閃光が飛び込み、カオススーツがとっさにビームシールドを展開して閃光を防ぐ。そして間髪置かずに飛翔してデュランから離れる。

 スワンとナツキは見つめる先にある機体に眼を見開いた。ビームを撃ってきたのは、マイとユウの乗るカグツチだった。

「あれは・・・!?

「カグツチ・・・マイ!」

 驚愕するスワンと、カグツチに向けて呼びかけるナツキ。デュランに向けてマイからの通信が入る。

「お待たせ、ナツキ。それにしてもずい分とやられちゃってるじゃない。」

「うるさいぞ!私はお前の自信に満ちた姿を見るつもりはない。」

 からかってくるマイに、ナツキが不満を覚える。だがマイはすぐに真剣な面持ちになって、眼前のカオススーツを見据える。

「気をつけろ、マイ。その機体、今までのものとは違うぞ・・・!」

「分かってる。ナツキをここまで追い詰めるんだから、それだけ強力な相手なんだよね・・・!」

 ナツキの注意にマイが真剣さを崩さずに頷く。

「ミドリちゃん、ナツキを助けてあげて。あたしがあれを何とかするから・・」

「マイちゃん・・・分かった。そっちは任せるからね。」

 マイの呼びかけに、ジーザスを指揮するミドリが頷く。カグツチが2本のビームサーベルを手にして、カオススーツDを迎え撃つ。

「見ただけでも侮れないって感じがするわね・・でも、今の私を止められるかどうかは話が別だけどね!」

 スワンが歓喜を募らせて、標的をカグツチに移す。カオススーツDがアロンダイトビームソードを振り上げて、カグツチに飛びかかる。

 カグツチがエネルギーを収束させつつ、混沌の一閃を2つの光刃で受け止める。重い一撃を受け止められたことに、スワンは驚きを隠せなかった。

 カグツチが光刃を振りかざし、カオススーツを引き離す。距離を取りつつ、カオススーツが高エネルギー長射程ビーム砲を発射する。

 その砲撃を、カグツチが身を翻してかわす。そしてレール砲10門全てを構え、いっせいに発射する。

 砲撃はカオススーツの左肩、そしてアロンダイトビームソードの刀身と高エネルギー長射程ビーム砲を撃ち抜いていた。

「うぐっ!」

 強烈な衝撃に揺さぶられて、スワンがうめく。戦闘不能には陥らなかったものの、カオススーツにはカグツチを押さえる余力は残っていなかった。

「カグツチがこんなに強力になってるなんて、聞いてないわよ・・・!」

 スワンが毒づきながらも、この場からの撤退を決め込んだ。ストラス隊もこれに乗じて戦場から離れていった。

 危機を脱したことに、ジーザスにいるミドリが安堵の吐息をつく。

「マイちゃんが来てくれて助かったよ〜。一時はどうなるかと冷や冷やしちゃって・・」

「相変わらずだね、ミドリちゃんも。みんなも・・」

 マイもジーザスに眼を向けて、笑みをこぼす。

「お前もだぞ、マイ。」

 そこへナツキが不満を込めて声をかけてきた。彼女にも安堵の笑みを向けるマイだが、破損したデュランを目の当たりにして、いたたまれない気持ちを覚える。

「あの機体・・この新しいカグツチじゃなかったら、あたしでも勝てなかったかも・・」

「カオスサイド・・何という機体を作り出したんだ・・・!」

 マイが沈痛さを口にして、ナツキが毒づく。

「でも、やっぱりそのクリスタルチャージャーの威力はすごいね。光が宿っていることで永続的起動が可能となっている。しかもそのエネルギーは、エレメンタルチャージャー以上。」

 ミドリが気さくな笑みを浮かべて感心の言葉を呟く。

「これもマシロ様が残してくれた、最後の遺産だからね・・・」

 ミドリが口にした言葉に、アオイもチエも沈痛さを感じた。

 クリスタルチャージャーは今は亡きライトサイドの女王、マシロ・ブラン・ド・ヴィントブルームが残した最後の力である。強大な力は守ることも壊すこともできる諸刃のもの。正しいことのために使ってほしい。それが彼女の願いだった。

 その遺志を継いだマイやナツキ、ミドリによって、まずカグツチにクリスタルチャージャーを組み込んで改良したのだった。

「マイちゃん、ユウくん、2人は先にクサナギと合流してくれない?ジーザスは大丈夫だから・・」

「でも、それじゃナツキやミドリちゃんたちが・・」

 ミドリの呼びかけにマイが困惑を見せるが、そこへナツキが呼びかけてくる。

「心配するな。これ以上、お前の手助けを受けるわけにはいかないからな。」

「もう、突っ張っちゃって・・分かったわ。先にユキノちゃんやアリカちゃんたちのところに行くから。」

 ナツキに向けてマイが言いかけると、ミドリがそれに付け加えてきた。

「“マシロくん”も、よろしくね。」

「分かってる・・・それじゃ、行ってくるね。」

 ミドリの呼びかけに答えると、マイとユウの乗るカグツチがオーブを目指して飛翔した。

「さて、うちらも急いで船を修復しちゃうよ!そんでもってクサナギと合流っと!」

「了解!」

 ミドリの指示を受けて、ジーザスも修復に向けて全力を傾けていた。

 

 

次回予告

 

「ニナちゃん・・どうして・・・!?

「あなたには失望しています・・女王としても、1人の人としても・・・」

「お父様との幸せのためにも、マシロさん、私はあなたを撃つ!」

「マシロちゃん!」

 

次回・「滅びの讃歌(うた)」

 

 

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