GUNDAM WAR -Encounter of Fate-

PHASE-15「黄金の雷」

 

 

 アリッサとミユにタクミをさらわれたマイは、半ば混乱していた。アキラに介抱されながら、彼女はミコトとともにゆっくりと病院を出て遊歩道についていた。

「マイ、大丈夫か?・・元気がないぞ・・」

「えっ・・う、うん、大丈夫。」

 心配するミコトに、マイが作り笑顔を見せる。しかし彼女の悲しみが隠し切れていないのは、ミコトの眼にも明らかだった。

「泣くな、マイ・・マイが悲しいと、私も悲しい・・・!」

「ミコト・・・ありがとう、ミコト。ミコトが来てくれなかったら、アキラくんやみんなを悲しませることになっちゃったかも。」

 ミコトにこれ以上心配かけまいと、マイは微笑んで頷く。その言葉に、困惑を覚えていたアキラも、マイの笑顔に励まされたような心地になっていた。

「さぁ、早く戻りましょう。ユウも待ちくたびれてると思うし。」

「ユウさんも来てるんスか?」

 アキラの声にマイは頷く。3人はひとまず海沿いの遊歩道に戻っていった。

 

 セルゲイから自分の父から始まった真実を聞かされたユウ。ひとまずニナと別れ、遊歩道に戻ってきていた。

 心の整理がつかないところで、彼はミコトを連れて戻ってきたマイを見つける。

「おぅ、マイ。お前も今戻ったところだったのか。」

「うん。ミコトも見つかって、アキラくんともバッタリ会っちゃって。」

 気さくに声をかけてきたユウに、マイは笑顔を作って答える。未だに困惑が消えていないことをお互い知らなかった。

「アキラ、お前もここに来てたのか。」

「はい。オレ、こっちに用事があったんで。」

 ユウの声にアキラは淡々と答えて見せた。マイもアキラがタクミの見舞いに来ていたことを、ユウにはあえて言わなかった。

 マイ自身、タクミをシアーズにさらわれたことに動揺を感じていたのだ。

「大丈夫か、お前たち?」

 そこへミコトを探していたナツキが戻ってきた。

「病院で爆発が起きたのに気付いてな。向かったがお前たちの姿が見えないから、ひとまずここに戻ってきたんだ。」

 ナツキの言葉に困惑の面持ちのまま頷く。彼女の様子が気がかりになり、ナツキは眉をひそめた。

「何かあったのか?」

「えっ?う、ううん。何でもないよ。」

 ナツキの問いかけにマイは微笑んで答える。しかし彼女が何か隠していることを、ナツキは見逃さなかった。

「後で聞かせてもらうぞ。」

 問いつめてくるナツキに、マイは思いつめた心地で頷くしかなかった。

「それじゃ、そろそろジーザスに戻りましょうか。またライトサイドを狙ってくるヤツが来るかもしれませんし。」

 アキラが半ばぶっきらぼうに促し、マイたちもジーザスに戻ることにした。彼女たち全員が、拭い去れないでいる困惑を抱えていた。

 

 ニナとの別れを告げ、再びアルタイに戻ろうとしていたセルゲイ。ヴィントブルム郊外で、移動手段として使用していたザクの前に辿り着くと、その隣に立ちはだかっていた灰色の機体を眼にする。

「この機体・・・まさか・・・!?」

「そうだ。エレメンタルガンダム、ミロクの封印を解いたのだ。」

 驚愕を覚えたセルゲイに、背後にいたレイトが声をかけてきた。

「水晶の姫に会ってきた。ひとまず宣戦布告を言ったところか。」

「それでミロクを発進させたというのですか、レイト様!?・・近いうちにライトサイドに戦闘を仕掛けるというのですか・・・!?」

「・・いや。しばらくは様子を見ることにする。」

 レイトの返答にセルゲイが眉をひそめる。

「せ、攻めないのですか・・・!?」

「もうすぐシアーズがライトサイドに攻め入ってくる。おそらく拮抗してお互い無事には済まないだろう。そこを叩くのも悪くない。」

 レイトは不敵な笑みを浮かべながらセルゲイに答える。彼は追い込まれたライトサイドとシアーズを一気に叩こうと目論んでいた。

「では、ナオ隊もこちらに・・」

「その必要はない。それよりももうすぐ、このミロクの正当なパイロットがやってくる。それまで待て。」

 レイトが下した意味深な命令。その真意が分からないまま、セルゲイは彼に一礼した。

 

 シアーズ旗艦「エクリプスワン」に戻ってきたアストレイ。その手から降りたアリッサとミユを、数人の兵士たちが出迎える。

「この子を特別室に連れて行きなさい。心臓が弱いようなので、くれぐれも注意してください。」

「了解しました!」

 アリッサの命を受けて、兵士たちがタクミを運んでいく。細心の注意を払いながら。

 立ち去った兵士たちと入れ違うように、アリスが整備ドックに入ってきた。

「アリスさん、アルテミスの状態はいかがですか?」

「もうすぐエネルギー充填が完了します。戦闘開始には出撃できます。」

「そうですか。分かりました。ご苦労様でした、アリスさん。」

 アリスの報告を聞いて、アリッサが微笑んで頷く。アリッサはミユを連れて、自分が乗り込むことになる機体の前に行く。

 明かりがほとんどついていないドックの中で、その機体は黄金に輝いていた。自ら光を放っているように錯覚するほどに。

 エレメンタルテクノロジーを研究史、シアーズの科学力の全てを注ぎ込んだMS、アルテミスである。その攻撃力は、エレメンタルガンダムさえも凌駕するほどである。

「いつ見てもすばらしいですね、アリッサお嬢様。まさに黄金の天使・・お嬢様が扱うにふさわしいです。」

 ミユがアルテミスの姿を見て、感嘆を口にする。アリッサは微笑んだ後、アルテミスからこのドックから見える夜空に視線を移した。

「明朝、夜明けとともに進撃します。シホさん、サクヤさんにも通達してください。」

 ミユ、アリスに穏やかに伝えるアリッサ。ライトサイドに対するシアーズの侵攻が、今まさに始まろうとしていた。

 

 タクミをさらわれたマイたちは、沈痛の面持ちでジーザスに戻ってきた。彼女たちの様子が気がかりになり、チエが近寄ってきた。

「どうしたんだい、マイちゃん?何だか元気がないように見えるけど。」

「う、ううん、何でもないよ、チエちゃん。ところで、ミドリちゃんはどこ?」

「艦長?艦長なら今は作戦室にいるんじゃないかな。シアーズへの対策をしておきたいと、ヨウコさんとアオイとで話し合っているところ。」

「分かった。ありがとう、チエちゃん。」

 マイはチエに感謝の言葉をかけてから、作戦室へと急いだ。アキラとナツキも彼女の後を追っていった。

「いろいろワケありのようだけど・・何かあったのかい、ユウ?」

「そうみたいだけど、オレもオレでいろいろあって、聞きそびれちまった。」

「そう・・本当にいろいろあったみたいだね。それでは、君のほうから聞かせてもらおうかな、ユウ・ザ・バーチカルくん。」

「そうだな・・他のみんなにはナイショにしてくれよ。」

 チエにひと言言いとがめてから、ユウは先ほどの出来事を話すことにした。

 

 ジーザス作戦室に駆けつけたマイ、ナツキ、アキラ。部屋に入ると丁度話は終わったところで、ヨウコとアオイが出てこようとしていた。

「あら、マイさん、ナツキさん、アキラくんも・・」

「ヨウコさん、艦長とシアーズに対する作戦を練っていると聞いたのですが。」

 アキラが声をかけると、ヨウコは微笑んで頷く。そしてアキラは部屋の奥にいるミドリに眼を向ける。

「アオイさん、あなたはチエさんのところに行ってあげなさい。私は医務室に戻るから。」

「分かりました、ヨウコさん。」

 ヨウコの指示を受けて、アオイは満面の笑みを浮かべてドックへと駆けていった。それを見送って、ヨウコも医務室に向かった。

 2人が出て行ったのを見送って、マイたちは作戦室に入った。

「おかえり、マイちゃん。あら、ナツキちゃんにアキラくんも・・」

「ミドリちゃん・・ジーザス艦長のミドリちゃんにも、聞いてほしいと思って・・・」

 きょとんとするミドリにマイが事のいきさつを語りだす。彼女の沈痛さに、ミドリは真剣に話を聞くことにした。

 シアーズの歌姫、アリッサとその護衛のミユ。彼女たちにタクミを連れ去られたこと。夕暮れ時の悲劇を聞いて、ミドリは頷いた。

「なるほどねぇ。そいつは厄介なことになったわね。」

「あたし、信じられない・・アリッサちゃんとミユさんが、オーブを襲撃してきたシアーズだなんて・・あんな綺麗な歌を歌えるのに・・・」

 マイは困惑していた。アリッサとミユが宣戦布告をしてきたシアーズを束ねていること。彼女たちにさらわれたタクミの安否。使命感と同時に不安が彼女の心に押し寄せてきていた。

「タクミくんがシアーズの手に落ちているんじゃ、こっちも迂闊に攻撃ができないわ。全く、ただでさえ向こうの戦力に悩まされてるって言うのに・・!」

「戦力?」

 頭を抱えるミドリに、マイが眉をひそめる。

「シアーズのMSの中に、強力なのが1機あるのよ。オーブとの戦いのときには出してこなかったけど、次は必ず出してくると思うのよ。」

 ミドリはモニターを起動させて、映像を映写する。ナツキが机に置かれた書類に眼を通し、映像と照らし合わせながら読み返す。

「アルテミス。シアーズの研究団がエレメンタルテクノロジーを駆使し、持てる科学力の全てをつぎ込んで製作したMS。“黄金の雷”と称する強力なエネルギー砲を備えている。」

「その威力だけだったら、エレメンタルガンダムも上回るほどよ。ただ、1発撃つのにチャージの時間がかかるのが弱点みたいなんだけど。」

 ナツキの言葉にミドリが説明を付け加える。アルテミスの能力を知って、マイもアキラも息をのむ。

「とにかく、今は戦闘に備えて体を休ませておいたほうがいいわ。今度は生半可じゃいかなくなるから。」

 ミドリの指示にマイ、ナツキ、アキラは無言で頷いた。そしてマイとアキラは各々の自室に戻り、ナツキはミドリとともにアルテミスに対するさらなる対策を巡らせた。

 

 セルゲイとニナとの出会いとそこで知らされた真実を、ユウはチエと、後からドックにやってきたアオイに話した。話し手になっている彼自身も、困惑を隠せないでいた。

「なるほど。そんなことがあったのね。」

「オレ自身、まだワケが分かんねぇって感じだけど・・ま、なるようになりゃいいんだけど・・・」

 頷くチエ。ため息をつくユウ。話の意図が分からず疑問符を浮かべているアオイ。

「とにかく最小限のことだけ済ませて、今夜は早く休もうぜ。」

「そうだね。僕もMSの最終調整を済ませて、一息入れるとするよ。アオイ、君もレーダー管制、怠らないように。」

「分かってるよ、チエちゃん。さーて、お仕事、お仕事♪」

 チエに言われるままに、アオイは上機嫌で整備ドックを後にする。ユウは自室に、チエは自分の仕事にそれぞれ戻っていった。

 

 それぞれの自室に戻ったものの、気持ちの整理は簡単にはつかず、マイもユウもアキラもなかなか寝付けなかった。

 アリッサ、ミユ、セルゲイ、そしてタクミ。様々な思いが彼女たちの心の中を駆け巡っていた。

 その揺らぐ気持ちが落ち着かないまま、ヴィントブルムの夜が明けようとしていた。

 嵐の前とも思えるほど静かになっていたジーザス作戦室。アオイが見つめるレーダーのコンピューター音だけがはっきりと聞こえていた。

 そのレーダーが突如高エネルギー反応を示し、アオイは緊張感を覚える。

「こ、これは・・・艦長!ミドリ艦長!」

 アオイは切羽詰った心境でミドリを呼びつける。丁度ミドリが作戦室に入ってきた。

「何があったの、いったい!?」

「あ、艦長!右舷先より高エネルギー反応!こっちに向かってきます!」

 アオイの報告を受けてミドリが緊迫の面持ちで顔を上げた直後だった。

 強烈な磁場を帯びたレーザーがジーザスの作戦室の窓の横をすり抜ける。アオイとミドリがレーザーの向かったほうに振り向くと、レーザーはジーザスの背後の整備工場に直撃する。

 激しい轟音と赤々と輝く閃光。大爆発を引き起こした整備工場を目の当たりにして、ミドリとアオイは愕然となった。

「そ、そんな・・・!?」

「こんな・・こんなことって・・・!?」

 崩壊の光景に眼を疑う2人。そこへこの轟音に眼を覚ましたマイたちも作戦室に駆けつけていた。

「何があったの、ミドリちゃん!?」

 マイの問いかけにミドリは答えるのをためらっている。轟音の響いたほうを窓から見ると、崩壊した整備工場の姿が飛び込んでくる。

「これって・・・!?」

「せ、整備工場が・・・誰がこんな・・・!?」

 マイもユウも背後の悲惨な光景に眼を疑った。騒然となるジーザス艦内で、ミドリは冷静さを取り戻す。

「みんな落ち着いて!アオイちゃん、あのレーザーが飛んできた場所を特定して!」

「り、了解!」

 彼女の指示を受けて、アオイがレーダーを見据えながらキーボードを叩き、レーザーの発信源を探す。

「位置、特定しました!右舷前方、距離2500!エクリプスワンです!」

「何っ!?」

 アオイの報告にナツキが声を荒げる。他のクルーたちも思わず息をのんだ。

 

「アルテミス、黄金の雷。左方20、前方10。許容範囲内です。目標は、完全に沈黙しました。」

 アルテミスの砲撃のデータを分析し、アリッサに伝えるミユ。それを聞いたアリッサは小さく笑みをこぼす。

「そうですか。では、スサノオー、ツキヨミを発進。ジーザスへの攻撃を開始します。」

 アリッサがエクリプスワンのクルーたちに通達する。待機していたシホ、サクヤが各々の機体に乗り込んでいく。

 そしてアリッサとミユは、操縦しているアルテミスのエネルギー充填に専念する。「黄金の雷」は威力は絶大だが、次の発射までにエネルギー充填の時間がかかってしまう弱点を持っている。

 その弱点を補うために、アリッサたちは様々な対策を考慮している。その1つが他の機体を駆使することである。

「シホ・ユイット、スサノオー、行きます!」

「サクヤ・ミルキーズ、ツキヨミ、発進します!」

 シアーズのエレメンタルガンダム、黒い機体のスサノオーと赤茶色のツキヨミがエクリプスワンから発進する。シアーズの量産型MS、アストレイも続々と出撃していった。

 

 ライトサイドに向けてのシアーズの進撃。これを迎撃すべく、ミドリはジーザスのクルーたちに指示を送る。

「総員、第一戦闘配備!MSパイロットは直ちに搭乗口に!」

「はい!」

 彼女の命令にマイ、ナツキ、ユウ、アキラが各々の機体に向かう。

「何がなんでもタクミを助けよう、ナツキ、アキラくん!」

「あぁ。オレがタクミを連れ戻してやる・・!」

 マイの意気込みにアキラと、そしてナツキも頷く。その裏で、マイはまだ気持ちの整理がついていなかった。

 その困惑を抱えたまま、マイたちはドックに辿り着き、機体に乗り込んでいく。

(この戦いを続けていけば、いつかアイツとも戦うことになりそうだな・・)

 スラッシュザクファントムのコックピットに乗り込んだ直後、ユウはセルゲイのことを思い出していた。まだライトサイドとダークサイドの戦いは終わっていない。近いうち、セルゲイは戦場でユウと対立することになるだろう。

 しかし今はシアーズとの戦いに専念すべきだ。ユウは気持ちを切り替えて戦いに臨んだ。

 一方、マイもタクミの安否を振り切れないでいた。戦いにおいて迷いや不安が痛恨の油断になりうるのだ。

“マイちゃん・・・大丈夫?”

 そこへミドリが通信を入れ、マイに心配の声をかけてくる。するとマイは作り笑顔を浮かべて、

「うん、大丈夫だよ、ミドリちゃん。タクミはあたしが必ず助け出すから。」

“そうね。でもマイちゃん、あんまりムチャしちゃダメよ。今のマイちゃんは、タクミくんのお姉さんってだけじゃないんだから。”

 ミドリの言葉に励まされたように感じて、マイは小さく頷いた。

“カタパルト接続。針路クリア。システム、オールグリーン。”

 管制担当のアオイの声がドック内に響き渡る。少女たちは各々の気持ちを抱えて、戦いに赴く。

“カグツチ、デュラン、ゲンナイ、ザク、発進どうぞ!”

「ナツキ・クルーガー、デュラン、GO!」

「アキラ・オクザキ、ゲンナイ、発進する!」

「ユウ・ザ・バーチカル、ザク、出るぞ!」

「マイ・エルスター・カグツチ、行きます!」

 4機のMSがジーザスから続々と発進した。待ち受けていたのは、エクリプスワンから出てきたシアーズのMSたちだった。

 

 シアーズのライトサイドへの侵攻。その動きはオーブ、クサナギもつかんでいた。

「シアーズ、いよいよライトサイドに攻め入りましたな。」

 作戦室でシアーズの動きを見計らっていたシズル、困り顔を見せる。

「しかも今度は、とんでもない攻撃をしてくるヤツまで出てきてるようね。上等じゃないの。」

 その横でハルカが不敵な笑みを浮かべて強気を振舞っていた。2人に視線を向けられ、ユキノは頷いて通信を入れる。

「クサナギ艦内に通達します。たった今、シアーズがライトサイドに向けて進撃を開始しました。ヴィントブルムへの被害も考えられます。」

 クサナギのクルーたちに向けて連絡を送るユキノ。そして彼女に代わってシズルが指示を送る。

「これより、うちらもシアーズ侵攻停止を目的とした武力行使を開始しやす。アリカさん、ニナさん、アカネさん、ユキノさんは自分の機体で待機してくれやす。」

「はい!」

 アリカたちはシズルの指示に答え、作戦室を出てドックに向かう。

(シアーズはオーブの街じゃなく、ヴィントブルムまで・・・これ以上、誰かが傷つくところなんて見たくない!みんなは私が守ってみせる!)

 駆け抜ける廊下の中で、アリカは決意を胸中で巡らせていた。オーブの理念と平和に基づき、みんなを守りたい。それが彼女の強まる願いだった。

“カタパルト接続。針路クリア。システム、オールグリーン。”

 オペレーターの声がドック内に響く。アリカが開かれた発射口の先の虚空を見据え、気持ちを引き締める。

「ニナ・ウォン、ザク、出る!」

「アカネ・ソワール、ハリー、出ます!」

「ユキノ・ジェラード、ダイアナ、発進します!」

「アリカ・ユメミヤ、コーラル、行きます!」

 ブレイズザクファントム、ハリー、ダイアナ、そしてウィングフォーマーを装備したコーラルが発進する。

 これが、少女たちのかつてない悲劇の始まりだった。

 

 

次回予告

 

天使への思い。弟への想い。

マイの心が、戦場で大きく揺らめき彷徨う。

揺らぐことのない理念を背負った天使を前にして、2人の少女の心が交錯する。

そして姉弟は、ひとつの境地に辿り着く。

 

次回・「言葉の翼」

 

平和への祈り、届けろ、コーラル!

 

 

作品集

 

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