GUNDAM WAR -Encounter of Fate-
PHASE-04「暁の車」
ユウの連絡を受けたライトサイド旗艦「ジーザス」が、崩壊した格納庫前で待機しているカグツチの前に着陸した。
「ふう。ようやくひと息つけるな・・・」
ジーザスの扉が開かれる中で、ユウが改めて安堵の吐息を漏らす。しかし安心するのは早かった。
扉から現れたのはアキラと、青い長髪の少女だった。いや、鋭い眼つきと女性としては長身と呼べる背丈が、彼女を大人びさせていた。
「やれやれ。オレの出る幕がなかったな。」
「そうむくれるな。次に活躍すればいいじゃないか。」
ため息混じりに語りかけるアキラに、女性が微笑みかける。しかしユウと眼が合うと、笑みを消して真剣な面持ちを浮かべる。
「ユウ、MSに民間人を乗せたそうだな?」
少女の問いかけにユウは返答をためらう。その沈黙を肯定と見て、彼女は話を続ける。
「民間人が軍のMSに搭乗することは軍法違反に値する。相応の責任を取ることになるな、ユウ。」
「・・待って!」
ユウに言いつける少女に、マイがたまらず割って入る。
「あたしが勝手についてきただけなの。しかもあたしったら、つい勢いで勝手なことをして、あの機体を動かして・・」
「動かした・・・!?」
マイの言葉に、少女はここで初めて驚きを見せる。
「バカな・・あれは古代科学の産物といえるエレメンタルガンダムだぞ・・それを動かしたというのか・・・」
「何がどうなってるのか、あたしには分からない・・でも、あたしの周りで誰かが傷つくのを、指をくわえて見ていることなんてできなかった・・・!」
動揺する少女にマイが真剣な眼差しを向ける。少女は気持ちを切り替えて、マイをじっと見つめる。
「だから彼は、ユウは関係ないわ・・・」
「・・・勘違いするな。お前が責任を感じ、罰を受けようとしても、ユウが犯した罪に変わりはしない。一時的な謹慎は免れないな。」
「まぁまぁ、そんなに厳しくすることはないんじゃないかなぁ、ナツキちゃん。」
対峙するマイと少女、ナツキ・クルーガーに向けて、明るい声が響いてきた。彼女たちとユウがそこへ振り返ると、そこには気さくな笑みを浮かべてきたポニーテールの女性がいた。
「はーい、ナツキちゃん、ユウくん。」
「ミドリ・スティールファング艦長・・」
無邪気に声をかけてくる女性に、アキラが姿勢を正して敬礼を送る。ジーザスの艦長に身を置いているミドリ・スティールファングである。
「えっ!?ミ、ミドリちゃん!?」
マイがミドリを見て突然驚く。するとミドリも一瞬きょとんとした面持ちを見せる。
「えっ!?マ、マイちゃん!?何でここに・・!?」
「どうした?お前たち、知り合いなのか?」
「えっ?・・まぁ、ちょっとワケありで・・・」
ナツキが問いかけてくると、ミドリは口ごもりながら呟くように答える。その表情から、言いにくそうなことでもあるかのようだった。
そわそわしているミドリの前で、マイが小さく頷く。
「うん。ミドリちゃんもあの店で働いてたんだよ。いつも失敗ばかりで、すぐに辞めちゃったんだけどね。」
「なっ!?お、お前、バイトしていたのか!?」
「ま、まぁ、そうなんだけどね、アハハハ・・・」
ミドリが照れ笑いを浮かべると、ナツキは眉をつり上げて彼女に突っかかる。
「貴様!艦長の立場でありながら、バイトなどにうつつをぬかしている場合か!」
「だってぇ〜。私になかなか出撃させてもらえないし〜。これでも私、パイロットなのに〜・・」
ナツキが怒鳴りかけると、ミドリがいい子ぶって首を横に振る。その姿にマイは苦笑いを浮かべる。
「とにかく・・お前、名前は?」
ナツキが気持ちを落ち着かせて、マイに再び問いかける。
「あたしはマイ。マイ・エルスターよ。」
「そうか。マイ、少しだけ我々と一緒に来てもらおうか。拘束するわけではない。いろいろ聞きたいことがあるだけだ。」
ナツキの言葉に、マイは少し迷いながらも頷いた。
「おーい!」
そのとき、どこからかかん高い声が響いてきた。マイが振り返ると、レストランで空腹で倒れた少女、ミコトが満面の笑みを浮かべて飛び込んできた。
「えっ!?う、うわっ!」
マイはミコトに飛び込まれて倒れる。ミコトは歓喜に湧きながら、マイのふくらみのある胸に顔をうずめていた。
「ち、ちょっと、ミコトちゃん・・!?」
マイが困惑しているのを気にしていないのか、ミコトは顔をすりすりしていた。2人のこの姿にユウとアキラは赤面し、ナツキとミドリは唖然となっていた。
「何だ?この子もお前の知り合いか?」
「知り合いっていうか、さっき会ったばっかりで・・おなかをすかしていたこの子が、あたしの働いていたレストランにやってきて・・・」
ナツキが訊ねると、マイが苦笑いを浮かべながら説明する。ようやくマイの胸の谷間から顔を離したミコトが、そびえ立つエレメンタルガンダム、カグツチを見て顔を強張らせる。
「アレ・・私、アレを見たことがあるかもしれない・・・」
「えっ?ミコト、あの機体を見たことあるの?」
呟くミコトに、マイは気持ちを落ち着かせながら訊ねる。
「分からない・・どこかで見たような気がするが・・・」
しかしミコトはその答えを導き出せなかった。
「とにかく、そのミコトという子も何かを知っているようだ。あまりスムーズに事が進むとは思えないが・・」
ナツキはひとつ吐息をついてきびすを返す。
「私はライトサイドのMSパイロット、ナツキ・クルーガーだ。」
「私はミドリ・スティールファング。17歳よ〜。」
「おいおい・・・」
ナツキに続いてミドリが自己紹介をする。本気とも思えるような彼女の紹介に、マイとミドリが同時にツッコミをいれたのだった。
「ミドリちゃんって呼んでね。」
ナツキ、ミドリに導かれ、マイとミコトはジーザスの船内へ、その艦長室にやってきていた。艦長席が設置されていたが、ミドリはあえてそれに座らず、あくまで友人と談話しているような態度を取っていた。
「いやぁ、まさかこんなところでマイちゃんと会うなんて、全く全然思ってなかったよ〜。」
「あたしも。まさかミドリちゃんがこの船の艦長をやってるなんて、全然思わなかったよ。」
互いに照れ笑いを浮かべるミドリとマイ。2人の談話をよそに、ナツキは憮然とした面持ちを浮かべ、ミコトは部屋の中の小物を見つけてはそれをいじっていた。
「艦長っていっても形だけだよ。ナツキちゃんも他のみんなも、私のことを艦長として見てくれてないもん・・・さてと、そろそろ本題にいかないとね。」
ミドリがここで真剣な面持ちを見せる。これを受けて、マイも真剣に話に耳を傾ける。
「マイちゃん、今まで軍に関わったり、パソコンなんかのコンピューターをいじくったりしたことない?」
「う、うん・・あたし、いろいろ仕事とかバイトとかしてきたけど、そういうのはやったことも、そういうので難しい機械とかいじったこともなかったよ・・・」
「そう・・もしかして、一種に疎通が働いたのかもしれないわねぇ。」
「疎通?」
「そう。エレメンタルガンダムは、ニュートロンジャマーキャンセラー、つまり核エネルギーを動力源にしている。強いエネルギーを持ってるものは、自然と持ち主を選んでるんじゃないかっと、私は考えてるの。」
ミドリの説明にマイは疑問符を浮かべながらも、小さく頷いてみせる。
「まぁ。私もそういうのはあんまり詳しいほうじゃないし、まだ研究してるっていうのが正しいんだけどね。」
ミドリが照れ笑いを浮かべる。
「簡単にいうと、エレメンタルガンダムは古代科学が生み出した、現代においても最高位のMSだ。能力も高いが、動かすのもそれ相応に難しい。」
そこへナツキが付け加える。
「おそらく、ミコトにも同様に、エレメンタルガンダムを操作できる技量が備わっている可能性が高い。」
「まだ詳しくは分からないわ。それにあの子、記憶喪失のようだから・・」
「記憶喪失・・・」
マイの言葉にナツキが深刻な表情を見せる。
「とにかく、民間人であるお前たちをこれ以上ここに置くわけにはいかない。後に何か訊ねるかもしれないが、そろそろ外に戻してやらないとな。」
すぐに真剣さを取り戻して、マイとミコトに言いつける。
「これ以上ここにいれば、我々の素性に踏み込めば、お前たちは日常に戻れなくなってしまう
「・・・ずい分勝手で都合よくするのね・・・」
ナツキの計らいに対し、マイはねめつけるような笑みを浮かべる。
「あたしたちから知ってることを聞くだけ聞いて、それが終わったら蚊帳の外なワケ!?」
「マイ・・・」
「冗談じゃないわ!あたしは戦争に巻き込まれてる街と人たちが傷つくのを黙って見ていられなかったから、あたしはあの機体を動かしたの!このままもやもやした気持ちのままいつもの生活に戻って、その外で戦争が続いて、そのせいでみんなが傷ついていくのを見ていろっていうの!?」
戸惑いを見せるナツキに対し、マイが憤怒して叫ぶ。
「あたしは見て見ぬフリなんてできない!あたしも戦う!あたしもあたしのできることをしたい!」
(・・あの子のためにも、今はあたしも戦わなくちゃいけない・・・!)
自分の胸に手を当てて、決意の程をナツキたちに言い放つマイ。胸中で弟、タクミ・エルスターのことを思い返しながら。
彼女が今まで一生懸命に仕事に力を注いでいたのは、心臓の悪いタクミの治療費を払うためである。幼い頃に両親を亡くした彼女たち。タクミの親代わりになって、マイは今まで頑張ってきた。
現在、タクミはライトサイドの中央病棟に入院している。もしも戦火が広がるようなことになれば、彼に危険が及ぶことになりかねない。
弟、タクミのために、マイは戦いに身を投じる決意を立てたのだった。
「2度と日常に戻れなくなるかもしれないぞ。それでもいいのか?」
ナツキがマイに問いつめる。しかしマイの真剣な眼差しに揺らぎはない。
「今までだって覚悟は何度もしてきた。今回もそれなりの覚悟があることは分かってる。」
「そうか・・・なら勝手にしろ・・・」
ナツキは半ば呆れた態度で、船長室を出て行った。彼女の言動に唖然となるも、ミドリは気持ちを切り替えてマイとミコトを見つめる。
「マイちゃんも、私たちと一緒に戦うってことでいいのかな?」
「あたしは戦うよ、ミドリちゃん。多分、あのカグツチってガンダムを動かせるのは、あたししかいないと思うから・・・」
改めてミドリが問いつめると、マイは改めてその決意を告げる。
「分かったわ。とりあえず、みんなに紹介しておかないとね。あと、ライトサイドのお姫様にも1度会っておいたほうがいいかも。」
「お姫様・・マシロ・ブラン・ド・ヴィントブルムに!?」
マイが再び驚きをあらわにする。その傍らで、ミコトは部屋の小物の物色に飽きて、2人をじっと見ている。
「ミコトちゃんはどうするの?マイちゃんは今言ったように、このジーザスに乗って戦うって言ってるけど・・」
ミドリが笑みを崩さずに問いかけると、ミコトは少し思いつめた表情を見せる。
「私は兄上を探している・・兄上に会えば、私が何者なのか分かる気がする・・・」
「兄上?お兄さんがいるんだぁ・・何か手がかりはあるの?」
「分からない・・顔さえ分からないんだ・・・ただ、このペンダントを持っていることしか・・・」
そういってミコトはシャツの中を探って、いつも首から提げているペンダントを取り出した。鮮明だが魅入られたものを引き込んでしまいそうな闇を潜ませているような黒水晶のペンダントだった。
「へぇ・・けっこう年期が入ってるみたいねぇ。1度どのくらいの価値があるか調べてみたいけど・・」
「ダメだ!これは私のものであり、兄上のものでもあるんだ!誰にも渡すわけにはいかない!」
ミコトが必死にペンダントを守ろうとして、ミドリは苦笑いをした。冗談のつもりで言ったつもりだったが、ミコトは本気にしてしまっていた。
「にしても、これだけが頼りじゃ、私たちが調べても見つけ出すのは難しいかもしんないねぇ。」
「そ、そうなのか・・・」
ミドリが気まずそうに言うと、ミコトは残念そうにうつむく。するとそこへマイが、
「だ、大丈夫よ。ミコトのお兄さんは、この世界のどこかにいるんでしょ?だったら探せば、いつかきっと会えるわよ。」
「マイ・・・そうだな・・そうだよな!探していれば、必ず兄上に会える!うんっ!」
マイに励まさせて、ミコトが満面の笑みを浮かべて頷く。彼女も自分探しのため、光の闇の戦いに身を投じていくのだった。
カグツチの攻撃を受けて、撤退を余儀なくされたナオ。ジュリアの修理が行われている最中も、カグツチにやられたことに苛立ちを隠せなかった。
「まさかあんな力を持っていたなんて・・だけど、今度はそうはいかないからね!」
苛立ちのあまりに時折爪を噛んだりするナオ。そんな彼女に、1人の兵士が駆け込んできた。
「ジュリエット・ナオ・チャン隊長、前方のヴィントブルムにライトサイドの旗艦、ジーザスが着艦しています。」
「フンッ!こんだけ騒いでいるんだ。ライトサイドが動かないはずがないわ。」
兵士の報告をナオは鼻で笑う。
「あと、この騒ぎを受けて、オーブのクサナギもヴィントブルムに到着した模様です。」
「オーブ?」
続けての報告に関して、ナオが眉をひそめる。しかしすぐに不敵な笑みを浮かべて街を見据える
(オーブがこっちに来るなんて・・中立とか平和とか言ってるくせに戦いに出てくるなんて、卑怯でいいじゃない。)
「構わないわ。このままジーザスに狙いを定めるわよ。」
「えっ?しかしオーブは・・!?」
「もし攻撃してくるようなら敵と見なすわ。とにかく、今はジーザスを攻撃することを優先するわよ。」
あまりにいい加減なナオの態度に腑に落ちない心地を覚えるも、兵士は彼女の意向を受け入れ、この場を去っていった。
「ライトサイドだろうとオーブだろうと、あたしの邪魔はさせないよ。まずはあの白いMS、必ずあたしが始末してやるから・・・!」
カグツチに対する敵意をむき出しにするナオ。そこへ別の兵士が駆けつけてきた。
「ジュリアの修復、完了いたしました!」
「そう。じゃ、早速向かうとしましょうか。ジーザスを落としに。」
ナオは悩ましい眼つきと素振りを見せて、自らの機体へと向かう。
「あの街を攻撃すれば、アイツらは必ず罠にかかってくるからね・・・」
不敵な笑みを浮かべ、一端の策略を巡らせながら、ナオは再びライトサイド攻略とカグツチ打倒に備えるのだった。
暗黒面(ダークサイド)の拠点、アルタイ王国。代々から黒曜の君の血と力を継承されている一族である。
しかし現在、ダークサイドの支配者である黒き君は、アルタイ一族ではなくバレル家から誕生していた。結果、アルタイ王国は新しく誕生したこの黒曜の君に従う意向を示した。
その若き王子である白髪の少年、ナギ・ダイ・アルタイ。彼はダークサイドの中でも「わんぱく王子」と揶揄されるほどのいい加減な王子だが、彼の策略と段取りは黒曜の君も高く評価している。
「ふう。こうも退屈だと逆にしんどいね。何か起こらないかな?」
ナギは時間を持て余していて、退屈そうに王城の廊下を右往左往していた。そこへ1人の兵士が通りがかり、ナギは足を止めて振り返る。
赤の制服に身を包んだ金髪の青年。黒曜軍、ハイネ隊隊長、ハイネ・ヴェステンフルスである。
「あれ?今お帰りで?でも黒曜の君は出かけてるよ。」
「いいよ、別に。いちいち報告しに行くのも面倒だし、あの人だって気にしてるわけでもないし。」
ナギの声にハイネは気さくな態度で答える。そこへ彼の後を追いかける形で、兵士が1人やってきた。
「ヴェステンフルス隊長、全隊員、全MSパイロット、帰還いたしました。」
「オレのことはハイネでいいって。あんまり堅苦しいのは敵わないよ。」
兵士の報告にハイネが苦笑を浮かべる。彼の態度に眉をひそめながらも、兵士はそれを無視して報告を続ける。
「現在、ナオ隊がヴィントブルムを侵攻中。ジーザスを落とすとの連絡です。」
「そうか。とりあえずいつでも出られるようにしておいてくれ。また出ることになるかもしれないから、体を休ませておくといい。」
「了解しました。」
ハイネの指示を受けた兵士が敬礼を送り、引き返していった。それを見ていたナギはひとつ吐息を漏らす。
「いろいろ大変だね、ヴェステンフルス隊長。」
「ハーイーネ!」
からかうように言ってくるナギに、ハイネが食ってかかる。
「どこにいっても言えることなんだけどさ、地位とか名誉とかで壁作るの、よくないと思うぜ。隊長だろうと赤服だろうと、緑だろうと、戦場に出れば誰もどれも同じなんだからな。」
「僕もそんな性格と考えのほうがいいね。あんまり根詰めちゃうと肩が凝っちゃうよ。」
ため息混じりに語り合うナギとハイネ。型や形に収まらないという考えから、2人はいつしか意気投合していた。
そのとき、2人のいる廊下に冷たい風が吹き込んできた。2人がその風が吹いてきたほうに振り向くと、ゆっくりと廊下を歩いてくる青年の姿があった。
容姿のいい長身と整った黒髪。黒をメインとした制服を着用している。
彼こそがダークサイドの支配者、黒曜の君、レイト・バレルである。
「ハイネ、戻っていたのか。すまなかった。私もいろいろと借り出されてな。ただのつまらぬ余興に過ぎないがな。」
「相変わらず堅苦しいしゃべり方だな。お前に関して唯一嫌いな部分がそれなんだよ。」
冷淡な口調で語りかけてきたレイトに、ハイネは気さくな言動を崩さない。
レイトはナギに眼を向けつつ、ハイネに続けて語りかえる。
「ハイネ、帰ってきたところいきなりで悪いが、すぐにナオ隊と合流してほしい。悪戦苦闘しているようだからな。」
「分かったよ。お前の言うことには従っておかないとな。」
レイトの命令を、ハイネは気さくな態度を崩さない。
「彼女は今、ジーザスとエレメンタルガンダムと交戦している。」
「エレメンタルガンダム・・・」
続けざまの言葉に、ハイネがここに来て初めて笑みを消す。
「エレメンタルガンダムが出てきてるのか。面白い。あの機種とは本気で相手をしたことがないからな。」
「心して戦いに備えてくれ、ハイネ。」
レイトの言葉を受けつつ、ハイネはエレメンタルガンダムとの戦闘を心待ちにするかのような不敵な笑みを浮かべて、彼らの前から去っていった。
「ナギ、お前はひとまず王室に戻れ。セルゲイが騒がしくしていたぞ。」
「相変わらず心配性なんだから、彼は。」
ため息混じりに言いながらも、ナギはレイトの言いつけを聞き入れてこの場を後にする。1人残ったレイトが不敵な笑みを浮かべる。
「もうすぐだ・・・今度こそお前たちの偽りの平和を壊し、私が新しい世界を創り上げる。」
自身が描く新世界を見据えながら、レイトは、ダークサイドは着々と侵略を進行させていた。
次回予告
弟のため。友のため。自分のため。
長きに渡る戦いへの道を選んだマイ。
次々と姿を現し、戦慄を轟かす闇の戦士たち。
信じるもののため、光の戦士が飛び立つ。
正義の牙、振りかざせ、ガクテンオー!