ザ・グレイトバトル外伝

ウルトラマンフォース

-光の戦士の大決戦-

第10章

 

 

 ジャッカル星人の兵士たちを撃退して、フォースはジャッカルと対峙していた。
「ウルトラマンフォース、まずは貴様を倒し、その後で他のウルトラ戦士を全滅してくれるぞ・・!」
 ジャッカルがあざ笑って、手招きをしてフォースを挑発する。
「確かに他の部下の宇宙人たちとは比べ物にならない力を持っているようだ・・・!」
「オレたちもフォースアーマーを使って戦おう!」
 フォースがジャッカルの力を分析して、陽輝が呼びかける。
「分かった。行くぞ、陽輝!」
 フォースが答えて、陽輝がフォースブレスの画面をスライドしてマークを表示させた。
「フューチャーアーマー!」
 フォースガンダムが変形して、フォースに装着された。ゼット、仮面ライダーセイバー、機界戦隊ゼンカイジャーのゼンカイザー、AGE-FXの力を宿した「フューチャーアーマー」である。
「新しい姿か。小賢しいマネをしても意味はない・・」
 ジャッカルが笑みをこぼして、手から光線を放つ。フォースが高速で動いて光線をかわす。
 フォースがジャッカルに近づいて、パンチで攻め立てる。ジャッカルが手でパンチを防いで、槍を手にしてけん制する。
「フューチャーファンネル!」
 フォースが複数の光の刃「フューチャーファンネル」を出して、ジャッカルを包囲した。フューチャーファンネルからビームが放たれて、ジャッカルに命中していく。
「このような攻撃で、オレに勝てると思うな!」
 ジャッカルが言い放って、全身から破壊光線を放射した。フォースファンネルが吹き飛ばされて、フォースが飛び上がって回避した。
「フォースドラゴンセイバー!」
 フォースが赤い炎の剣「フォースドラゴンセイバー」を手にして、ジャッカルの振りかざす槍とぶつけ合う。
「くらえ!」
 ジャッカルが左手から光線を出して、フォースに当てて押し返した。ジャッカルが続けて槍を振り上げて、光の刃が地面を削りながら飛んでいく。
 フォースは回避が間に合わず、フォースドラゴンセイバーが手からはじかれた。
「何をしようと、このジャッカルには通用しない!」
 ジャッカルが笑い声を上げて、フォースと陽輝が毒づく。
「まだだ!まだ終わりじゃない!」
 陽輝が言い放って、フォースが構えを取る。
「フューチャーフォースシュート!」
 フォースが両腕を十字に組んで、光線を発射した。ジャッカルが破壊光線を出して、フォースの光線とぶつけた。
 ジャッカルの破壊光線が、フォースの光線を押し込んでいく。
「危ない!」
 陽輝が叫んで、フォースがとっさに横に跳んだ。破壊光線が押し切って、少しでも回避が遅れていれば直撃していた。
「力と力ではヤツのほうが上・・真っ向勝負は危険か・・・!」
「力もあって、かつ速さのあるフォースアーマーを・・・!」
 フォースがジャッカルへの警戒を強めて、陽輝が策を講じる。
「次のアーマーはこれだ・・!」
 思い立った彼が、フォースブレスの画面を表示して別のアイコンを表示した。
「Dフォースアーマー!」
 フォースアーマーがフォースから1度外れて、変形して再び装着された。ダイナ、仮面ライダー電王、特装戦隊デカレンジャー、マークデスティニーの力と能力を宿した「Dフォースアーマー」である。
「コロコロと姿を変えおって・・!」
 ジャッカルがまたあざ笑って、槍を振りかざして光の刃を飛ばした。しかし当たったのはフォースの残像だった。
 高速で移動するフォースを、ジャッカルが目で追う。フォースは残像を伴った動きで、ジャッカルに近づいていく。
 ジャッカルが槍を振りかざすが、フォースを捉えることができない。
「その動きでオレを惑わそうとは・・おのれ!」
 ジャッカルがいら立ちをふくらませて、槍からビームを出す。それもフォースに高速でかわされる。
「Dフォースアロンダイト!」
 フォースが両手にエネルギーを集めて、巨大な光の剣を作り出した。彼が光の剣を振りかざして、ジャッカルの持つ槍を切り裂いた。
「速い・・だが!」
 ジャッカルがいきり立って、破壊光線を出してフォースを引き離した。
「Dフォースリボルバー!」
 フォースが光の剣を上へ投げてから、両手を前に出して光の球を連射する。
「ムダだ!」
 ジャッカルが破壊光線で光の球を吹き飛ばすが、他の光の球が地面当たって、土煙を巻き上げた。
「これでオレを欺くつもりか!?」
 ジャッカルが毒づいて、上に大きくジャンプして土煙を抜け出した。だがその先でフォースが光の剣を手にして待ち構えていた。
 フォースが振り下ろした光の剣が、ジャッカルの角の1本を切り裂いた。
「ぐあぁっ!」
 ジャッカルが絶叫を上げて、地上に落下した。
「角が!オレの角がー!」
 彼が絶叫を上げて悶絶する。
「ま、待ってくれ!オレが悪かった!これ以上はやめてくれ!」
 着地したフォースに、ジャッカルが怯えて頭を下げる。
「部下に手出しはさせない!悪いことはやめる!だから、命だけは助けてくれ!」
 助けを請うジャッカルに対して、フォースが持っていた光の剣を下げて彼から離れた。
「バカめ!」
 次の瞬間、ジャッカルがいきり立ってフォースに向かって手を伸ばしてきた。その直後、フォースが振り返り様に光の剣を突き出して、ジャッカルの体に突き立てた。
「な、何っ!?」
「卑怯なやり方をしても、我々は油断はしないぞ・・!」
 驚くジャッカルにフォースが言いかける。彼が光の剣を押し込んで、ジャッカルを突き飛ばした。
「本当に命乞いをするならば、まずはそのための行動を示すことだ・・!」
 体に手を当てるジャッカルに剣の切っ先を向けて、フォースが言い放つ。
「おのれ、フォース・・だが、これで貴様が勝利したわけではないぞ・・・!」
 ジャッカルが声を振り絞って、フォースに言い返す。
「我が部下よ、我が同士よ、このオレに力を貸せ!」
 ジャッカルが言い放ったとき、周囲から淡い光があふれ出してきた。
「これは!?」
 この光に陽輝が声を荒げて、フォースが警戒を強める。光がジャッカルに集まって、その体に入り込んでいく。
「まさかこれは、倒れたジャッカル星人や仲間の怪獣や宇宙人たちの力・・!?」
「ヤツはその力を、自分に取り込むつもりか!?」
 フォースと陽輝がジャッカルの狙いに気付く。倒れた部下や仲間の力を取り込んで、ジャッカルがパワーアップしていく。
「いいぞ!オレの体に力がみなぎってくるぞ!」
 パワーアップを実感して、ジャッカルが笑みを強める。折れた角が再生して、彼の体がより筋肉質になった。
「なんということだ・・これが、ジャッカルの強化した姿・・・!」
 フォースがジャッカルを警戒して、光の剣を構える。
「スピードや残像も、今のオレには無意味だ!」
 ジャッカルが言い放つと、目にも留まらぬ速さで突っ込んできた。
「うあっ!」
 フォースが回避しきれずに突撃を食らって、上空へ跳ね上げられた。その衝撃で彼は光の剣を手放した。
「速い・・それにものすごいパワーだ・・・!」
 フォースがジャッカルの力を痛感して、緊張をふくらませる。
「逃がしはせんぞ・・たっぷりと地獄を味わわせてやる・・!」
 ジャッカルがフォースに振り返って、両手を広げて全身から破壊光線を発射した。フォースが回避するが、光線の衝撃で大きく吹き飛ばされる。
「破壊光線の威力も格段に上がっている・・ギャラクシーバスターに勝るとも劣らない・・・!」
「空に向けて放たれたから被害は少ないが、地上に当たれば・・・!」
 陽輝とフォースがジャッカルの脅威を痛感していく。
「地球を傷つけないために、空へ逃げたか・・望み通り、オレの力の的にしてやるぞ!」
 ジャッカルが再び破壊光線を出そうと、体にエネルギーを集めていく。
 そこへ別の光線が飛び込んで、ジャッカルが当てられて体勢を崩す。
「くっ!他のウルトラマンたちが来たか・・!」
 戻ってきたデッカーたちにジャッカルが毒づく。
「みんな倒してきたよ、フォース!」
「後はジャッカルを止めるだけです!」
 カナタが声を掛けて、ケンゴが呼びかける。デッカーたちがジャッカルに視線を戻す。
「みんな集まってきたか・・だが力を合わせているのは、オレも同じだ!」
 ジャッカルが笑みを絶やさずに、フォースたちに言い放つ。
「みんな、油断するな!ヤツは以前よりもはるかに力を上げているぞ!」
「オレたちみんなが力を合わせて、アイツを倒す!」
 ゾフィーが指示を送って、ヒカルが意気込みを見せる。
「フン。オレの仲間を倒して調子に乗っているようだが、オレにまでいい気になれると思うな!」
 ジャッカルが言い返して、体に宿る光を強くしていく。
「みんな、合体光線だ!」
 ウルトラマンが言って、タロウたち6兄弟がそれぞれ光線を放った。
「はっ!」
 ジャッカルもとっさに光線を出して、タロウたちの光線を打ち破った。
「そんな!?」
「ウルトラ6兄弟の光線を同時に打ち破るとは・・!」
 ジードが驚いて、ショウが毒づく。
「フハハハハ!見たか、ウルトラ戦士ども!これが今のオレの力だ!」
 ジャッカルが高笑いして、今の自分の力を誇示する。
「他のヤツの力を無理矢理自分に取り込んでも、オレたちには勝てないぜ!」
 ゼロも笑みをこぼして強気に言い返す。
「ならば実際に思い知るのだな。オレの真の力と、貴様らの弱さを!」
 ジャッカルが力を込めて、全身に宿る光を強めていく。
「みんな、散開して注意を分散させるんだ!」
 ティガが呼びかけて、フォースたちがジャッカルを取り囲む。
「それでオレを捕まえるつもりか?甘い・・あまりにも甘いぞ!」
 ジャッカルが笑みを強めて、全身から衝撃波を放射した。
「うっ!」
 フォースたちが吹き飛ばされて、空中で踏みとどまった。
「広範囲の攻撃もできるのかよ!?」
「下手に取り囲むこともできない・・厄介なことだ・・!」
 ロッソとオーブがジャッカルに対して危機感をふくらませる。
「さぁ、真の地獄を味わわせてやるぞ。最後まで生き残っているのは誰になるのか・・・!」
 ジャッカルが光を集めた両手を前に出した。光が大量に拡散されて、フォースたちに向かって飛んでいく。
 フォースたちが飛行してかわそうとするが、光の1つ1つで彼らを追跡していく。
「撃破するしかない・・!」
 ブルが光に対抗して、タイガとともに光線を出す。光線が光を吹き飛ばすが、他の光が彼らに迫る。
「これじゃキリがないぞ・・!」
「ジャッカル本人を叩くしかない・・!」
 ダイナが焦りを噛みしめて、アグルがジャッカルに目を向ける。
「だけど近づけばジャッカルに狙い撃ちされてしまう・・!」
「近づくなら、速いスピードで飛び込むしかない・・!」
 ケンゴとアグルがジャッカルに近づく方法を考える。
「僕に任せてください!」
 メビウスが声を掛けて、再びバーニンググレイブになった。彼は体を回転させて、ジャッカル目がけて急降下した。
「バカめ!正面から突っ込んでくるとは!」
 ジャッカルがメビウスを狙って破壊光線を放とうとした。その瞬間にセブンとジャックがアイスラッガーとウルトラブレスレットを放って、ジャッカルに当てた。
 一瞬ジャッカルが体勢を崩したところへ、メビウスが回転の摩擦の熱で足に炎を発した「メビウスピンキック」を繰り出した。
 メビウスの灼熱のキックを体に受けて、ジャッカルが押された。
「ゼロ、オレたちも行くぞ!」
「あぁ!」
 レオが声を掛けて、ゼロが答える。2人がアストラとともに足を出して急降下する。
「トリプルウルトラキックだ!」
 ゼロが言い放って、急降下による熱を足に込めたウルトラゼロキックを繰り出した。レオ、アストラもレオキック、アストラキックを出して、ジャッカルに立て続けに直撃させた。
「小賢しいマネを・・だが所詮は小細工でしかないな・・!」
 ジャッカルが踏みとどまって、破壊光線を発射した。
「うわあっ!」
 レオたちが破壊光線の衝撃で吹き飛ばされる。しかしゼロはウルティメイトブレスレットから発する光で耐えていた。
「ウルティメイトゼロ!」
 ウルティメイトブレスレットから現れた鎧「ウルティメイトイージス」を装着して、ゼロは「ウルティメイトゼロ」となった。
 ゼロがウルティメイトイージスを弓矢の形状の「ファイナルウルティメイトゼロモード」にして構えた。
「何をしても、オレのこの力を破れるものか!」
 ジャッカルが勝ち誇って、再び破壊光線を出した。
「ファイナルウルティメイトゼロ!」
 ゼロがウルティメイトイージスから光の矢を放った。矢は光線とぶつかって貫こうとする。
「これはオレだけの力じゃない!これは、オレたちの、光だ!」
 ゼロが言い放って、ウルティメイトイージスに力を込める。光の矢が食い込んだ瞬間、ジャッカルの破壊光線が爆発した。
「これがお前たちの光か?今のオレには遠く及ばないな!」
「アイツ、ファイナルウルティメイトゼロも通じないのかよ!?」
 笑みをこぼすジャッカルに、ゼロが焦りを噛みしめる。
「新しいフォースアーマーを出すことができれば・・まだ希望がある・・・!」
 陽輝がフォースブレスからの画面の中から、フォースアーマーのデータを検索する。
“陽輝、フォース、私の力をあなたたちに貸すよ!”
 そのとき、陽輝たちの脳裏にセレーナの声が響いてきた。
「セレーナ、ナツ!?今どこにいるんだ!?」
“今、本部の近くまで戻ってきている。セレーナのエネルギーが回復したらまた変身しようと思っていたわ。”
 陽輝が声を掛けると、ナツがセレーナのテレパシーに乗せて答えた。
“私の力を少しあなたに送るよ!それでフォースアーマーの新しい力が覚醒するかもしれないよ!”
「セレーナ・・陽輝、セレーナとナツくんの思いを受け取ろう・・!」
 セレーナの声を受けて、フォースが陽輝に呼びかける。
「ナツ、セレーナ、オレたちに力を貸してくれ!」
“うん!”
 陽輝が呼びかけて、ナツが頷いた。
「お願い・・私たちの力を、陽輝とフォースに・・・!」
 ナツがセレーナリングに意識を傾ける。
「フォースと陽輝くんに、新しい力を・・・!」
 セレーナも集中力を高めて、セレーナリングを通じてフォースにエネルギーを送った。エネルギーの光がフォースブレスに伝わった。
「届いた!セレーナの力だ!」
 フォースがセレーナの力を感じて頷く。
「だけど、フォースブレスには何も変化はない・・フォースアーマーの新しい形態が出てこない・・・!」
 陽輝がフォースブレスの画面を見て声を荒げる。セレーナの力を受け取っても、新しいフォースアーマーのデータが生まれない。
「どういうことなんだ・・他にもデータがいるのか・・・!?」
 セレーナの力との連動を考えて、陽輝が苦悩を深める。
「オレ様も力を貸してやるぞ!」
 そのとき、キングオージャーがフォースたちのところへ来て、ギラが声を掛けてきた。
「君は!?」
「オレ様は世界を支配する王、ギラ!この王の力なら、お前の力も確実に目覚める!」
 陽輝が問いかけて、ギラが高らかに名乗る。
「ウルトラ戦士ではないが、貴様らもオレに逆らうつもりか!」
 ジャッカルもキングオージャーに目を向けていら立ちを浮かべる。
「あたしに対して大きな態度じゃない、あなた。」
「貴様は我らを脅かす存在となる。ここで処罰しなければならない。」
 ヒメノがジャッカルに強気な態度を見せて、リタも続けて言う。
「国の大将としては、あまりにもふざけたヤツですな!」
「そんなヤツは誰だろうと容赦しねぇぜ!」
 カグラギとヤンマがジャッカルに向かって言い放つ。
「王だと言い張るならば覚えておくがいい・・上には上があることと、己の身の程をな!」
 ジャッカルがあざ笑って、全身に集めた力を破壊光線にして放出した。ギラたちが反応して、キングオージャーが上へ飛翔して光線をかわした。
 ジャッカルが続けて体から光を放出した。
「うあっ!」
 キングオージャーが光を直撃されて、ギラたちがうめく。キングオージャーが落下して、地上に叩きつけられた。
「みんな!」
 陽輝が声を上げて、フォースがキングオージャーのそばに来た。
「みんな、大丈夫か!?」
「この程度のことで音を上げていては、世界の王になれはしない・・!」
 陽輝が呼びかけて、ギラが声を振り絞る。フォースとキングオージャーがゆっくりと立ち上がる。
「まさにそばを飛び交う羽虫だな。その貴様たちがどれだけ束になろうと、オレを超えることはできんぞ!」
 ジャッカルがフォースたちをあざ笑って、全身に力をためる。
「このままじゃフォースもキングオージャーのみんなもやられてしまう!」
「私たちも加勢して、ジャッカルを止めるぞ!」
 カナタが声を荒げて、タロウが呼びかける。
「お前たちもオレの力に屈するのみ!」
 ジャッカルがためている力を放出して、デッカーたちを吹き飛ばした。
「ジャッカル、お前たちの支配と破壊は絶対に許さないぞ!」
 陽輝がジャッカルに言い放って、フォースが構えを取る。
「絶対にこの世界を守る・・そのために力をつかむ・・!」
 陽輝が強い意志を示して、フォースが頷いた。
 そのとき、キングオージャーから虹色の光があふれ出して、外へ飛び出した。
「な、何だ・・!?」
「これは、オレたち5人の力が外へ出たのか!」
 ヤンマが驚きの声を上げて、ギラが喜びを見せる。光がフォースに届いて、陽輝のフォースブレスに入った。
「キングオージャーの力が、オレたちに伝わった・・!」
「陽輝、それだけじゃないぞ!空からも来る!」
 戸惑いを覚える陽輝に、フォースが声をかける。空からも2つの光が飛んできて、フォースブレスに届いた。
「これは、新しい戦士の力・・・!」
「仮面ライダーギーツ・・ガンダムエアリアル・・・!」
 陽輝とフォースが2つの力を感じて声を上げた。
 その直後、デッカー、ギーツ、キングオージャー、エアリアルの力が合わさって、フォースブレスからの画面に新たなマークが表示された。
「新しいフォースアーマーを出すには、まだ力が足りなかったんだ・・・!」
「だが、これで新たな力を引き出すことができる・・これに賭けるしかない・・!」
 陽輝がマークを見つめて、フォースも勝機を見出した。
「行くぞ、フォース!」
「分かった、陽輝!」
 陽輝とフォースが声を掛け合って、互いに頷く。
「ニューエッジアーマー!」
 フォースガンダムが新たな形へ変形して、フォースに装着された。デッカー、ギーツ、キングオージャー、エアリアルの力を宿した「ニューエッジアーマー」である。
「やった!フォースが新しい力を持ったぞ!」
「これでジャッカルに勝てると、信じるしかない・・・!」
 ギンとイズルがフォースとニューエッジアーマーを信じる。
「どんな姿になろうと、オレには勝てんぞ!」
「やってみなければ分からない・・いや、オレたちは必ず勝つ!」
 陽輝とフォースがジャッカルに向かって言い放つ。
「ならば2度と小細工ができぬよう、木っ端微塵に吹き飛ばしてくれる!」
 ジャッカルが敵意を強めて、再び体にエネルギーを集める。フォースが空に飛び上がって、ジャッカルの注意を引き付けた。
「他のヤツを庇って自ら的になるか!」
 ジャッカルがあざ笑って、フォース目がけて破壊光線を発射した。フォースがワープを使って、光線から離れた。
「素早くはなったようだが、それで勝てると思っているのか・・!」
 着地したフォースに振り向いて、ジャッカルがいら立ちを見せる。
「次は外さんぞ・・くらえ。フォース!」
 ジャッカルがエネルギーを放出、拡散させて、フォースに確実に当てようとする。
「フォースエスカッシャン!」
 フォースが光の盾「フォースエスカッシャン」を出して、エネルギーの光を防いだ。直後に彼はフォースエスカッシャンを分離させて、ファンネルのように動かしてジャッカルを包囲する。
「それはオレに通用しないのが分からんか!」
 ジャッカルが再び光を放出する。フォースエスカッシャンはスピードを上げて動いて、光をかいくぐってジャッカルに突撃する。
「おのれ!」
 ジャッカルがさらに光を放って、フォースエスカッシャンを吹き飛ばす。その瞬間にフォースが彼に詰め寄ってきた。
「フォースクワガタアーム!」
 フォースが右手に武装「フォースクワガタアーム」を出して振りかざす。ジャッカルが突き飛ばされるが、すぐに踏みとどまる。
「まさに蚊トンボや羽虫だな・・その程度で鬱陶しい限りだ!」
 ジャッカルが言いかけて、右手に光を集める。彼が右手を握りしめると、光がはじけるように数を増やして飛んで、角度を変えてフォースに向かって飛んでいく。
 フォースがフォースエスカッシャンを散開させて、光をはじいていく。その合間を縫って、ジャッカルが彼の眼前まで飛び込んできた。
「ぐっ!」
 ジャッカルが繰り出した拳を体に受けて、フォースが陽輝とともにうめく。彼が上空に突き飛ばされてから、体勢を整える。
「今度こそ消滅させてくれるぞ・・受けるがいい、フォース!」
 ジャッカルが両手を広げて、体から破壊光線を放った。
「フォースダイミュード!」
 フォースが両腕を十字に組んで、高出力の光線を発射した。2人の光線がぶつかり合って、激しい衝撃を巻き起こした。
「フォース、そこからキックだ!2つの攻撃を合わせて、アイツを押し込む!」
「地上を傷つけないように、うまく角度を付ける!」
 陽輝が呼びかけて、フォースが頷いた。フォースが右足にエネルギーを集めて前進する。
「フォースグランドビクトリー!」
 フォースが急降下しながらキックを繰り出して、光線を押し込む。破壊光線を押し込まれて、ジャッカルがフォースのキックを受けて上空へ押し込まれる。
「よし!決まった!」
「キックがヤツの体に直撃している!」
 ロッソとゼットがジャッカルに決定打が与えられたと思った。
「まだだ・・これでやられるオレではないぞ!」
 ジャッカルが力を振り絞って、フォースを吹き飛ばした。
「うあっ!」
 フォースが陽輝とともにうめいて、地上に叩きつけられた。
「ニューエッジでも勝てないのか、アイツには・・・!?」
「他には手がないのか・・・!?」
 陽輝とフォースが絶体絶命を痛感して、焦りを噛みしめる。
「これでとどめだ・・貴様も、この星も他のヤツらも・・!」
 ジャッカルが空で光を集めていく。フォースが立ち上がって身構える。
 そのとき、フォースブレスから虹色の光が発せられた。
「この光・・また新しい力・・!?」
 陽輝がフォースブレスの画面を見て、マークを確かめていく。その中にまた新たにマークが追加されていた。
「セレーナリングにあったマークに似ている・・これは、セレーナとフォースの力・・!?」
「セレーナと、私の力・・!?」
 陽輝とフォースがこの力に驚きを覚える。
「セレーナの力は、フォースの力と書け合わさっていたってことなのか!?」
「セレーナ・・・!」
 戸惑いを覚える陽輝と、ナツに目を向けるフォース。
「私たちの思い、陽輝とフォースにしっかりと伝わっていたのね・・・!」
“うん・・フォース・・・!”
 ナツが微笑んで、セレーナが頷いた。
「フォース、セレーナとナツの思い、しっかり受け止めるよ!」
「あぁ!」
 陽輝が呼びかけて、フォースが答えた。
「サンムーンアーマー!」
 陽輝の声を受けたフォースアーマーから、虹色の光があふれ出した。さらにフォースアーマーがフォースから離れて、変形して再び装着された。
 フォースとセレーナの力がかけ合わさって、太陽と月の輝きを宿した「サンムーンアーマー」である。」
「輝いている・・ものすごい光・・・!」
“これが、私とフォースの力・・・!”
 ナツとセレーナがフォースとサンムーンアーマーを見て、戸惑いをふくらませていく。
「また小細工か・・何をしようと、何度やろうと、悪あがきにしかならんぞ!」
 ジャッカルが言い放って、衝撃波を出した。フォースが右手を出して、衝撃波を止めて反射した。
「何っ!?ぐっ!」
 驚くジャッカルが自分の衝撃波をぶつけられてうめく。
「やってくれる・・ならば必殺の破壊光線をくらいがいい!」
 ジャッカルが全身から破壊光線を放つ。
「サンムーンサークル!」
 フォースが光の円を出して、破壊光線を受け止めて跳ね返した。
「バ、バカな!?」
 とっさに光線をかわして、ジャッカルが目を見開く。
「威力を高めた今のオレの破壊光線だぞ!それを止めたばかりか跳ね返すなど!?」
「私自身とセレーナの力が1つに合わさり、高まっているだけではない。その力の輝きは、太陽と月に近づいている!」
 驚きを隠せなくなるジャッカルに、フォースが語っていく。彼と陽輝は今発揮している力に、太陽の壮大さと月の神秘性も込められていると思っていた。
「水から光を放つ太陽と、その光を受けて闇を照らす月!」
「その宇宙の力は、他の力を無理矢理奪っても敵いはしない!」
 フォースが陽輝とともに言い放って、全身からあふれている光を強める。
「それだけの力、使い方を誤れば地球だけでなく、周辺の星々にも影響を与えてしまう・・!」
「この力を、ジャッカルだけに集中して注ぐんだ・・!」
 慎重さも忘れないフォースに、陽輝が呼びかける。
「力が高まっているというなら、迂闊に使えんと思っているのだろう・・だがオレは力を使うことに、何のためらいもない!」
 ジャッカルがあざ笑って、地上からフォースへ攻撃の矛先を向けた。
「フォースに攻撃をさせないつもりか!?」
「せめてアイツを上空へ追いやらなくては・・!」
 ダイナが声を荒げて、カナタが言いかける。
「注意を引き付けるだけでも!」
「タイガ!」
 タイガが飛び出していって、タロウが追いかける。
「我々も2人とフォースを援護するぞ!」
「はい!」
 ゾフィーが指示を出して、メビウスが答えた。

 

 

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