ザ・グレイトバトル
-トゥルースピリッツ-
第17章
絶対的な力を発揮するチードと、彼が呼び出した分身、インヴィー。2人の力は、無敵の力を備えているはずのジードや永夢さえも寄せ付けない程だった。
チードとインヴィーに吹き飛ばされたジードたち。彼らはエネルギーを大きく消耗して、ジードたちウルトラ戦士はカラータイマーやビームランプが点滅をしていた。
「エネルギーが残りわずかに・・・!」
「オレたちのライブのエネルギーも・・・!」
ムサシとヒカルが呼吸を乱しながら言いかける。彼らは打開の糸口を必死に探っていた。
「往生際を悪くしたところで、お前たちが勝つ可能性は全くない。諦めておとなしく従ったほうが楽というものだ。」
倒れているノゾムたちを見下ろして、チードが言いかける。
「バカなことを言うな・・お前の思い通りになるくらいなら、死んだほうがマシだ・・・!」
ノゾムが力を振り絞って立ち上がって、チードに向かって言いかける。
「だがオレは死なない・・お前をブッ倒して、必ず元の世界に帰るんだ!」
「私が負けることは絶対にない。お前たちも自分たちの世界に帰れず、破滅の道を辿ることになる。」
「お前をブッ倒すと言っている!オレのことを勝手に決めるな!」
チードに言われてもノゾムは自分の怒りを叫ぶ。
「ノゾムの言う通りだ・・オレたちのこと、お前なんかに決めつけられてたまるかよ・・!」
龍我も立ち上がって、チードに言いかける。
「オレたちの人生も青春も、まだまだこれからだ・・!」
「運命を決めるのはお前じゃない・・オレたち1人1人だ・・!」
弦太朗と流星もチードに呼びかける。
「そんな世迷言が不可能ということは、この埋めようのない力の差が証明している。」
チードは笑みを絶やさずに言葉を返す。
「それで、はいそうですかって諦められるもんじゃないんだよ、オレたちはな・・」
「そんな自分勝手にみんなを思い通りにする企み、絶対にさせない!」
シゲルが言いかけて、光輝が言い放つ。
「滅べばそのような口を叩くことも、ムダな抵抗もできなくなる。今のうちにせいぜい息巻いておくことだ。」
チードが言いかけて笑い声を上げる。彼が体から光をあふれさせる。
「おい、また来るぞ!」
モモタロスが声を上げて、戦兎たちが身構える。
「私という絶対的な存在の前に、屈するしかない。」
チードが閃光を放出して、ノゾムたちを吹き飛ばした。
「うあぁっ!」
ノゾムたちが吹き飛ばされて、スーツや装甲から火花を散らす。倒れた彼らの変身が解けた。
「みんなが・・!」
リクが声を上げて、ジードたちがインヴィーに目を向ける。
「お前たちも終わりだ、ウルトラマン、スーパー戦隊、ガンダム。」
チードが笑みを見せて、インヴィーも前進から光を放出した。
「させない!ロイヤルエンド!」
ジードがとっさに光線を出して、インヴィーの光を止めようとする。ウルトラマンたち6兄弟もそれぞれ光線を一斉発射する。
しかしジードたちの光線が、閃光に押し切られてのみ込まれた。
「そんな・・!?」
リクが絶望を覚えた直後、ジードたちもルパンカイザーたちもデスティニーたちも、閃光にのみ込まれて吹き飛ばされた。
空中に跳ね上げられてから、地上に倒れたジードたち。ジード、オーブ、エックス、ギンガ、ビクトリー、ゼロ、ダイナ、コスモスが光を発しながら消えて、他のウルトラマンたちもカラータイマー、ビームランプから光が消えて動かなくなった。
ルパンカイザーたちも倒れて、中にいた魁利たちも変身が解けてしまった。
デスティニーたちも倒れて、シンたちもコックピットで意識を失っていた。
「インストールが・・・!」
「オレたち自身の力も使い果したってことなのか・・!?」
瞬が声を上げて、健太がうめく。彼らも体力を大きく消耗していた。
「これで終わりだ。お前たちは私に倒され、屈服する以外の道はない。」
チードが笑みを浮かべて、倒れているノゾムたちを見渡していく。
「私の思い通りにならないものはない。愚かな者たちは私に支配されていることにも気付かずに生き続ける。私に逆らう者が出れば葬るだけ。私に逆らうことなど、誰にもできない。」
「そいつはどうかな・・・!」
自信を込めて語りかけるチードに、戦兎が立ち上がって言い返す。
「思い通りにならないものはないと言っているが、肝心なのを思い通りにできていないぞ?」
「何?」
戦兎が口にした言葉に、チードが疑問符を浮かべる。
「お前の使う力はとんでもないものだ。オレたちの攻撃が全部かき消されて、逆に押し返される一方だ。無敵が口先だけでないのは確かかもしれない・・だけどオレたちの考え、オレたちの心までは思い通りにはできてないみたいだな。」
戦兎が自分たちの心のことを、チードに対して指摘する。
「心だと?そんなもの、警戒するに足るものでもない。ましてそのようなもので力を上げようとも、私には敵わない。」
「つまり、オレたちの心を思い通りにすることはできないのは本当ということか・・」
あざ笑うチードに、ガイが笑みをこぼして言いかける。
「力やものは目に見えていたり、何らかの形ができている・・だから念じれば思い通りに動かすことができる・・!」
「でも心はハッキリとした形があるわけじゃない・・考えていることも喜怒哀楽も・・・!」
リクと大地も続けてチードに言いかける。
「だから力は無敵でも、オレたちの心までは思い通りに書き換えることができないんだ!」
「言いたいことはそれだけか?」
永夢も言い放つが、チードは笑みを絶やさない。
「確かにお前たちのいう心までは、私でも操作はできない。だが絶対的な力とその埋められない力の差による恐怖で、愚か者の犯行を打ち砕くことは造作もないことだ。」
「考えてることが思い通りにならねぇから、力ずくで従わせるってか・・偉そうなこと言っときながら、けっこう単純だな、お前・・!」
語りかけるチードに対して、龍我が笑い声を上げる。
「分からないか。その単純なやり方でも、私の無敵が脅かされることはないということだ。」
チードは笑みを消すことなく、手を振りかざして衝撃波を放つ。
「うあっ!」
リクたちと戦兎たちが吹き飛ばされて、地面を大きく転がる。
「愚かなお前たちとこれ以上話をするのはいい気がしない。そろそろ終わりにさせてもらうぞ。」
チードがため息まじりに言って、右手を掲げて光を集める。
「終わらない・・オレは・・オレたちは終わらない・・・!」
ノゾムが立ち上がって、チードに鋭く言いかける。
「お前をブッ倒すまでは、オレは死なない・・お前のようなヤツを、野放しにはしない・・・!」
「お前たちはみんな、本当に諦めが悪いな。特にお前は呆れるくらいに。」
力を振り絞って前に進もうとするノゾムに、チードがため息をつく。
「オレは許さない・・思い上がっている敵を、オレは絶対に許さない!」
ノゾムが怒号を放って、ビースドライバーの左上のボタンを押した。
“チャージ・エーックス!アンリミテッド・ハイパワー!ビース・エックスライダー!”
ノゾムがマックス・エックスフォルムに変身して、チードに向かっていく。
“エックスチャージ!アニマルスマーッシュ!”
ノゾムが全身から光を発してジャンプして、チードに向かってキックを繰り出した。
「それをしたところで、お前たちに勝ち目はわずかもないというのに・・」
チードが意識を傾けて、ノゾムの体を束縛する。
「今度は2度とムダな抵抗ができないよう、このまま木端微塵に消滅させる。あの世で身の程をわきまえることだ。」
チードが目つきを鋭くして、ノゾムを消滅させようとした。
そのとき、束縛されているノゾムがチードに向かって進み出した。
「お前の思い通りにはならない・・お前は必ず、ここで倒す!」
ノゾムが声を張り上げて、強引にキックをチードに向けて押し込もうとした。
「意地になれば何でも押し切れると思っているのか?浅はかにもほどがある。」
チードがため息をついて、さらに意識を傾ける。ノゾムが押し返されそうになるが、彼は意地になって強引に押し込もうとする。
「ブッ倒す!ブッ倒す!絶対にお前をブッ倒す!」
ノゾムが怒号を放って、チードにキックを押し込んでいく。
「どこまでも往生際悪く・・」
チードがさらに思念を送るが、ノゾムは押されるどころか、さらに押し込んでいく。
「私の力が及ばない・・・!?」
思った通りにノゾムを吹き飛ばせないことに、チードが驚きを覚える。
「私の思い通りにならないものはない・・攻撃も私の思った通りに拒絶できるはず・・・!?」
チードがノゾムに対して脅威を覚える。ノゾムは言葉にならない叫びを上げて、強引にチードに詰め寄る。
そしてついに、ノゾムのキックがチードの体に当たった。
「うっ!」
チードがキックの衝撃を受けて、大きく吹き飛ばされる。彼は空中で体勢を整えて着地した。
「キックが、当たった・・・!」
ノゾムの攻撃がチードに当たったことに、戦兎が驚きの声を上げる。
「私が攻撃を当てられるなど・・あり得ない・・・!」
チードも攻撃を受けたことに驚きを隠せなくなる。着地したノゾムが呼吸を乱して、その場に膝をつく。
「たとえヤツが意地になったところで、私の力を拒絶することはできないはず・・これが、心の力だというのか・・!?」
自分でも自由に操作できない心が攻撃を当てさせたと、チードが解釈する。
「たとえそうだとしても、私の勝利が揺らぐことにはならない・・確実に消滅させればいいだけのこと・・・!」
チードが迷いを振り切ろとして、ノゾムに念動力を仕掛けようとした。
「オレはお前の思い通りにはならない・・お前をブッ倒して、元の世界に戻るんだ!」
ノゾムが声を張り上げて、チードに向かって前進する。
「感情だ・・今のノゾムに理屈も合理性もない・・ただひたすら、アイツを倒すことだけを考えている・・・!」
「その真っ直ぐな感情が心の力になって、チードの無敵の力を押し返しているってことなのか・・・!?」
戦兎とリクがノゾムを見て、動揺を深めていく。ノゾムの理屈抜きの感情と戦い方に、リクたちは心を動かされていた。
「オレたちも、このままのんびりおねんねしてるわけにはいかないな・・!」
魁利が透真たちとともに意識を取り戻して、ノゾムに目を向ける。
「たとえ相手がどれだけ力があっても、オレたちは立ち向かうことを諦めない・・!」
シンも目を覚まして言いかける。しかしデスティニーもインパルスたちも損傷のために動かない。
「私たちが元気でも、機体のダメージが大きすぎる・・!」
「これじゃ戦えない・・どうしたらいいんだよ・・!?」
ソラとガロードが戦えないことに不満と焦りを感じていく。
「こ、こっちは動きはするけど・・!」
「思うようには動かねぇ・・!」
ドンと健太が声を振り絞る。ルパンカイザーたち戦隊ロボは、かろうじて動くものの戦える状態にはなかった。
「ウルトラの力を使えば、戦隊のロボやガンダムを直すことも可能だけど・・・!」
「今の僕たちに、それだけの力も残っていない・・もう1度変身して戦うだけで精一杯だ・・・!」
ガイとムサシも自分たちの状態を把握して、危機感をふくらませる。
「でも、ノゾムさんがここまで戦っているんだ・・僕たちが諦めるわけにはいかない・・・!」
リクが言いかけて、インヴィーに目を向ける。
「どうしたらいいのかは分からないけど・・ジーッとしてても、ドーにもならねぇ!」
リクがジードライザーを手にして言い放ったときだった。彼らの耳に声が入ってきた。
「この声は・・・!?」
「これは・・この世界の声じゃない・・別の世界だけど、近くにある・・!」
ヒカルとショウが周りを見て言いかける。
「別の世界からの声だ・・みんなが声援を送っている・・!」
「みんな、この事件を把握しているようだ・・!」
ダイチとエックスが響いてくる声に戸惑いを感じていく。
「伝わってくる気がする・・応援に乗って、みんなの思いが僕たちに・・!」
リクが安らぎを感じて、ジードライザーを自分の胸に当てた。するとジードライザーから光があふれて、新たな2つのカプセルが現れた。
「このカプセル・・1つはRXに似ている・・・!」
リクがカプセルの1つを見てから、RXに目を向ける。カプセルに描かれていたのは、1つにはRXの前身の仮面ライダーBLACK、もう1つには銀色の鎧のような体をした戦士、シャドームーンである。
BLACKはシャドームーンと並ぶ暗黒結社「ゴルゴム」の世紀王、ブラックサン。次期創世王を決める世紀王の宿命に、光太郎は苦しむことになった。
「賭けるしかない・・このカプセルと、みんなの思いに!」
思い立ったリクがジードライザーを構えた。
「ユーゴー!アイゴー!」
リクが装填ナックルにブラックカプセルとシャドームーンカプセルをセットした。
「ヒアウィーゴー!」
彼がトリガーを押したジードライザーで、装填ナックルにセットされているカプセルをスキャンする。
“フュージョンライズ!”
“仮面ライダーBLACK!シャドームーン!”
リクがジードライザーを高らかに掲げる。
「背負うぜ、日月の宿命!ジード!」
“ウルトラマンジード・ブラックシャドー!”
リクがジードに変身して、インヴィーの前に立ちはだかった。その姿は黒い体をしていて、その上に銀の装甲が覆っていた。
ジードはBLACKとシャドームーンの力を宿した「ブラックシャドー」となった。
「あの姿は、BLACKとシャドームーン・・!」
「2人の世紀王の力が、リクに、ジードに力を与えてくれたのか・・!」
光太郎と1号がジードを見て声を上げる。
「ジードが新しい変身をしたか。だが何をしても、私とインヴィーを超えることはない。」
チードがジードを見上げて言いかける。
「これは僕だけの力じゃない・・BLACKたちとみんなが、力を貸してくれているんだ!」
リクが自分の胸に手を当てて、みんなへの思いを実感する。ジードが全身に力を込めて構えを取る。
「何人の力が束になろうと、何度も奇跡は起こらないぞ。」
チードはリクに告げると、ノゾムに視線を戻した。
「お前とジード、どちらが先に倒れるか。」
「2人だけじゃないぞ!」
笑みをこぼすチードに言い放ったのはガイだった。
「オレたちだって、まだ力を使い果したわけじゃない・・!」
「オレたちはまだ戦える・・本当の戦いはここからだ!」
ギンガとアスカが声と力を振り絞る。みんなの応援は光となって、ガイたちにも力を与えていた。
「セブンさん!」
“ウルトラセブン!”
ガイがウルトラセブンのウルトラフュージョンカードを取り出して、オーブリングでリードする。
「ゼロさん!」
“ウルトラマンゼロ!”
彼は続けてゼロカードをリードする。
「親子の力、お借りします!」
“フュージョンアップ!”
ガイがオーブリングを高らかに掲げて、セブンとゼロの姿と力を身に宿す。
“ウルトラマンオーブ・エメリウムスラッガー!”
彼が変身したオーブの姿は、セブンとゼロの姿と力を兼ね備えたものとなっていた。親子のウルトラ戦士2人の力を備えた「エメリウムスラッガー」である。
「知勇双全、光となりて!」
ガイが言い放って、オーブがジードと並ぶ。
「行くぞ、ヒカル!」
「分かった、ショウ!」
ショウと声をかけ合って、ヒカルが左腕に装着している腕輪「ウルトラフュージョンブレス」を掲げた。
「ウルトラタッチ!」
「ギンガー!」
「ビクトリー!」
ヒカルとショウがウルトラフュージョンブレスとビクトリーランサーを合わせた。
「ギンガビクトリー!」
2人が新たなウルトラマン、ギンガビクトリーへと合体変身した。
「ダイナー!」
「コスモース!」
「ゼロー!」
「エックスー!」
アスカ、ムサシ、ゼロ、ダイチも変身して、ダイナ、コスモス・エクリプスモード、ゼロ、エックスがジードたちと合流した。
「行け、ゴモラー!」
“バトルナイザー・モンスロード!”
レイが呼び出したゴモラが、EXゴモラへと進化した。
「変身!」
“Awekening.”
“Climax form.”
“Cosmic.”
“Meteor storm!”
“チョーカイガン!ムゲン!Keep on going!ゴ・ゴ・ゴ!ゴ・ゴ・ゴ!ゴ・ゴ・ゴ!ゴッドゴースト!”
“バッカーン!ムーテーキー!輝けー・流星のごーとーくー・黄金の最強ゲーマー!ハイパームテキーエグゼーイド!”
“シュワッとはじける!ラビットタンクスパークリング!イエイ・イエーイ!”
“つぶれる!流れる!あふれ出る!ドラゴンインクローズチャージ!ブウルァァァ!!!”
“ロボットイングリス!ブウルァァァ!!!”
“チャージ・フォーックス!ソニックフォックス!ソリッドフォックス!ビース・ハイスピード!”
“スタートアップ・オックス。”
光太郎、巧、良太郎、光輝、弦太朗、流星、タケル、永夢、戦兎、龍我、一海、ソウマ、シゲルがRX、ファイズ・ブラスターフォーム、電王・クライマックスフォーム、オメガ、スピリットフォーム、フォーゼ・コズミックステイツ、メテオストーム、ゴースト・ムゲン魂、エグゼイド・ムテキゲーマー、ビルド・ラビットタンクスパークリング、クローズチャージ、グリス、フォックス、オックスに変身した。
「SPD!エマージェンシー!」
ドギーもデカマスターに再び変身する。
「オレたちももう1度変身するぞ・・!」
魁利が呼びかけて、透真と宇美花が頷く。圭一郎たちもラッキーたちも力を振り絞る。
「インストール!メガレンジャー!」
「ケイタイザー!インストール!」
“M.E.G.A.Mega.”
「ゴーカイチェンジ!」
“ゴーーカイジャー!”
「キョウリュウチェンジ!ファイヤー!」
「本能覚醒!」
“ホーホーホエエール!”
“アーアーアアアー!”
“ウォーウォーウォオオー!”
「スターチェンジ!」
「ガリョウテンセイ!」
“セイ・ザ。チェンジ!”
“カモンザチェンジ!”
「怪盗チェンジ!」
“マスカレイズ!怪盗チェンジ!”
「警察チェンジ!”
“パトライズ!警察チェンジ!”
健太たち、マーベラスたち、ダイゴたち、大和たち、ラッキーたち、魁利たち、圭一郎たちもメガレンジャー、ゴーカイジャー、キョウリュウジャー、ジュウオウジャー、キュウレンジャー、ルパンレンジャー、パトレンジャーに変身した。
「ウルトラ兄弟とガンダムにエネルギーを!」
ヒカルが言いかけて、ウルトラフュージョンブレスを回して、コスモスを表示する。
「ウルトラマンコスモスの力よ!フルムーンレクト!」
ギンガビクトリーの隣にコスモス・ルナモードの姿が現れる。コスモスとシンクロするように、ギンガビクトリーがフルムーンレクトを放った。
ギンガビクトリーから放たれた光の粒子は、ウルトラマンたちのカラータイマー、ビームランプに入り込んでいく。エネルギーを回復した彼らが意識を取り戻して起き上がった。
「大丈夫ですか、タロウさん、みなさん!?」
「ヒカル、ショウ、お前たちが助けてくれたのか・・・!?」
ヒカルが呼びかけて、タロウが問いかける。
「オレたちだけじゃない・・たくさんの世界のみんなが、オレたちに力を貸してくれたんです・・!」
ショウが事情を話して空に目を向ける。彼らはみんなの応援の力を実感していた。
「ありがとう、みんな・・みんなの思いが、みんなの大切なものを守るのだ・・!」
ゾフィーが感謝して、ウルトラマンたちとともに頷き合う。
そしてギンガビクトリーの光は、デスティニーたちモビルスーツの損傷を直して、エネルギーも回復させていた。
「よし・・動くぞ!」
「助かったぜ、ヒカル、ショウ、みんな!」
カミーユがZガンダムが動くのを確かめて、ガロードがヒカルたちに感謝する。
「これでオレたちも戦える・・ヤツらを止められるぞ・・!」
「あぁ・・この借り、ファイトで返させてもらうぞ!」
アセムとドモンが気を引き締めなおして、インヴィーに目を向ける。
「みんな・・アイツを許せないって気持ちが強くなっているみたいだ・・・!」
ノゾムがジードたちと戦兎たちを見て戸惑いを感じていく。
そのとき、ノゾムの目の前にも光が飛んできた。彼が手を伸ばすと、光が2枚のカードに変わった。
「これは、アニマルカード!?・・じゃない・・あのメカが描かれている・・・!」
ノゾムが手にしたカードを見てから、デスティニーたちに視線を移す。カードに描かれていたのはそれぞれデスティニーとゴッドガンダムだった。
「もしかして、あのメカの力を備えているのか!?・・試してみるか・・!」
ノゾムが思い立って、2枚のカードを使うことを決めた。
“エックスデスティニー!インパルストラスト!”
ノゾムが右のエックスブレスに「デスティニーカード」をセットした。
“エックスゴッド!シャイニングヒート!”
彼が左のエックスブレスに「ゴッドガンダムカード」をセットした。マックスのスーツの左右それぞれ違う模様の青、赤、白に変わった。
「オレだけの力じゃない・・あのメカの、そのパイロットの力がオレに・・・!」
ノゾムが両手を握りしめて、込み上げてくる力を実感する。
「また姿を変えたか。そんなことをしても何の意味もないことが、どこまでいっても分からないのだな。」
チードが言いかけて、ノゾムたちをあざ笑う。
「そんなこと勝手に決めるな・・何度も言わせるな!」
ノゾムが怒りを叫んで、チードに向かっていく。彼の体から金色の光があふれ出す。
「これはハイパーモード!・・アイツ、オレとゴッドガンダムの力をまとっているのか!?」
ドモンがノゾムを見て驚きの声を上げる。
ノゾムが繰り出してきたパンチを、チードが思念を送って止める。しかしノゾムのパンチのパワーにだんだんと押されていく。
「その力も、心がもたらすものだというのか・・!?」
ノゾムの力を痛感して、チードが再び緊張を覚える。
「だが私の力で押さえつければいいだけのこと・・!」
「みんなに後押しされているのは、アイツだけじゃないぜ!」
笑みを見せるチードに、弦太朗が言い返す。
“Limit break.”
“Limit break!”
弦太朗と流星が同時にジャンプする。
「ダブルライダーキック!」
2人もチードに向かってキックを繰り出して、ノゾムに加勢した。
「ぐっ!」
3人のキックを対処しきれず、チードが押された。
「こ、こんなことが・・!」
劣勢になりつつある自分に毒づくチード。ノゾムがビースドライバーの左上のボタンを2回押した。
“エックスチャージ!アニマルスマーッシュ!”
ノゾムの両手に白い光が集中していく。彼がチードに向かって飛び出して、一気にスピードを上げた。
「ゴッドパルマフィンガー!」
ノゾムがチード目がけて両手を前に出した。チードが思念を送ってノゾムを止めようとするが、ノゾムを止め切れずに打撃を体に受ける。
「ぐあっ!」
爆発的な衝撃に襲われて、チードが大きく吹き飛ばされる。
「こ、この私が、これほどのダメージを・・!?」
チードがなかなか立ち上がることができずに、うめき声を上げる。
「このまま終わらせる・・お前はオレたちがブッ倒す!」
ノゾムが力を振り絞って、チードに言い放つ。
そのとき、また新たな光がノゾムの前に飛び込んできた。光は2枚のカードに変化した。
「今度はメカだけじゃない・・あの人もだ・・・!」
ノゾムがカードを見てから、1号に視線を移す。カードにはそれぞれ1号、νガンダムが描かれていた。
「この力、使わせてもらいますよ!」
“チャージファースト!テクニックライダー!”
ノゾムが言いかけて、右のエックスブレスに1号カードをセットする。
“チャージニューガンダム!サイコスピリッツ!”
彼は左のエックスブレスにνガンダムカードをセットした。マックスのスーツの色が左右それぞれ銀と白に変わった。
ノゾムは1号とνガンダムの力を身に宿した。
「本当にコロコロと姿を変えるヤツだ。」
チードがノゾムを見てため息をつく。
「状況に合わせて力を使い分けているって言ってほしいな。といっても、今はみんなが貸している力だけど。」
戦兎がノゾムとチードを見て言いかける。
「みんなが貸してくれた力・・なおさらアイツを野放しにするわけにはいかない!」
みんなの思いを胸に秘めて、ノゾムがチードに向かっていく。
「今度こそ木端微塵にしてやる。そうなれば小細工もできなくなる。」
チードがノゾムに意識を傾けて、空間を歪めようとした。しかし歪み始めた空間が突然元に戻った。
「その姿・・空間をねじ曲げることもできるのか・・!?」
チードがノゾムの能力を確かめて毒づく。
「それでも、私の力が敵わないことにはならない・・!」
チードが目つきを鋭くして、再び空間を歪めようとした。そのとき、ノゾムが握った右手を彼に向かって突き出した。
「ぐおっ!」
強い衝撃に襲われて、チードが吹き飛ばされる。彼は宙で体勢を整えて着地する。
「ただの衝撃波ではない・・空間と空間を抜けてパンチを飛ばした・・!」
ドギーがノゾムの攻撃を分析した。ノゾムがビースドライバーの左上のボタンを2回押した。
“エックスチャージ!アニマルスマーッシュ!”
ノゾムの背中から光を宿したフィンファンネルが現れた。フィンファンネルがチードの周りを飛び回って、光の壁を展開して彼を閉じ込めた。
ノゾムが大きくジャンプして、右足を突き出した。フィンファンネルが前に集結して、彼が右足を当てる。
フィンファンネルが光の壁を展開して、ノゾムはそのままキックで押し込んでいく。チードが思念を送り込むが、光の壁を押し返せずに突き飛ばされた。
「わ、私の力が通じず、羽根化されるなど・・!?」
追い詰められていくチードがいら立ちをふくらませていく。着地したノゾムが、チードの前に立ちはだかった。