ザ・グレイトバトル

-トゥルースピリッツ-

第18章

 

 

 BLACKとシャドームーンの姿と力を宿したジードと、エメリウムスラッガーとなったオーブ。2人のウルトラ戦士が、インヴィーに向かっていく。

 ジードがインヴィーに向かってパンチを繰り出す。インヴィーが光の壁を作り出して、パンチを防ぐ。

 ジードが両手を前に出して、インヴィーの光の壁を押す。

「キングストーンフラッシュ!」

 ジードの腹部から赤と緑の光が放出された。入り混じる2つの光が、インヴィーの光の壁を歪めていく。

「ジードパンチ!」

 ジードがエネルギーを集中させた右のパンチを繰り出した。パンチは光の壁をガラスのように打ち破って、インヴィーの体に叩き込んだ。

 インヴィーが強く突き飛ばされてふらつく。

「みなさんが僕に応援を送って、力を貸してくれている・・だから、絶対に負けるわけにはいかないんだ!」

 リクが言い放って、ジードがインヴィーに向かって急降下した。

「ジードキック!」

 ジードがエネルギーを集中させたキックを繰り出して、インヴィーに叩き込んだ。インヴィーが突き飛ばされて、地上に叩きつけられた。

「インヴィーに攻撃が当たっている・・!」

「みんなの心の力がジードに集まって、インヴィーの力をはねのけているんだ!」

 エックスと大地がジードを見て、戸惑いを感じていく。

「オレも続くぞ、ジード!」

 ガイが呼びかけて、オーブがジードの隣に並ぶ。

 そのとき、リクの手元に新しいカプセルが現れた。

「このカプセル・・RXのカプセル・・!」

 リクがRXカプセルを手にして、戸惑いを感じていく。

「ありがとう、RX・・ありがとう、みんな・・!」

 リクが感謝して、装填ナックルにセットされているBLACKカプセルをRXカプセルと入れ替えた。

「ヒアウィーゴー!」

“フュージョンライズ!”

“仮面ライダーBLACK RX!シャドームーン!

 リクがジードライザーを高らかに掲げる。

「まとうぜ、光のオーロラ!」

“ウルトラマンジード・リボルトリガー!”

 ジードの姿が再び変化する。ブラックシャドーに近い姿だが、カラータイマーの周りをソーラーパネルのような装甲が加わっていた。

 ジードはRXとシャドームーンの力を宿した「リボルトリガー」となった。

「また新しい力を身に着けたのか・・行くぞ、ジード!」

「はい、オーブ!」

 ガイが呼びかけて、リクが答える。オーブとジードがインヴィーに視線を戻す。

 ジードが飛び出して、インヴィーに向かってパンチを繰り出す。インヴィーが念力で止めようとするが、ジードのパンチが念力をも押し込んで彼を突き飛ばした。

「オーブスラッガーショット!」

 オーブが頭部にある3本のオーブスラッガーを放つ。インヴィーが念力でオーブスラッガーをはじいていくが、縦横無尽に飛ぶオーブスラッガーに翻弄される。

「今だ!リボルトリガーキック!」

 リクが思い立って、ジードがインヴィーに向かって急降下して、エネルギーを集めた両足のキックを繰り出した。インヴィーがジードのキックを受けて、大きく突き飛ばされた。

 インヴィーが右手を振りかざして、ジードに向かって光線を放つ。ジードがスピードのある光線を直撃されるが、彼は少し押されただけで平然としていた。

「あれはシャドームーンだけの力じゃない!RXの、ロボライダーの防御力も備わっているんだ!」

 鎧がジードを見て喜びの声を上げる。

 インヴィーが瞬間移動して、ジードの後ろに回り込んだ。彼は両手を前に出して、光の鎖を出して伸ばした。

 光の鎖がジードの体を縛り付けて、動きを封じた。

「ジード!」

 ゼロが叫んで、ゾフィー、ウルトラマン、セブン、ジャック、エース、タロウがそれぞれ光線を放つ。しかしインヴィーの放った念力で、光線が全て別方向にはじかれた。

 インヴィーが間髪入れずに、右手から発した光の刃をジードに向けて振りかざした。インヴィーの一閃がジードを捉えたように見えた。

 次の瞬間、ジードの体が液状になって、インヴィーの光の刃をかわした。液体がインヴィーの周りを取り巻いて翻弄する。

「バイオライダーの液体化も使っている・・!」

RXの能力全てを使えるようになっているようだ・・!」

 セラとタスクがジードを見て声を上げる。ジードはバイオライダーの能力も使えた。

 液体となっていたジードが元に戻った。

「キングソード!」

 リクとジードがキングソードを手にして、剣モードにした。するとキングソードの刀身から光が発した。

「もしかして、RXのリボルケインのように・・!?

 リクがキングソードを見つめて、確信を覚える。ジードがキングソードを構えて、インヴィーに向かっていく。

 インヴィーが右手からの光の刃を振りかざして、ジードのキングソードとぶつけ合う。

「ウルトラマンガイアの力よ!フォトンエッジ!」

 ヒカルがウルトラフュージョンブレスを回して、ウルトラマンガイアの力を引き出した。ギンガビクトリーがガイアの幻影とともに、頭からの光線「フォトンエッジ」を放った。

 インヴィーが左手を掲げて、フォトンエッジを防いでかき消した。

「ワイドスラッガーショット!」

 オーブが両腕をL字に組んで光線を放つ。インヴィーが左手からの念力で、光線をはじいた。

 オーブとギンガビクトリーの光線に注意が向いたことで、インヴィーに隙ができた。

「やあっ!」

 ジードがキングソードを振りかざして、インヴィーの体を切りつけた。インヴィーが怯んで後ろにふらつく。

 ジードが続けてキングソードを突き出した。キングソードの光り輝く切っ先が、インヴィーの左肩に当たった。

 キングソードのエネルギーが左肩に注がれて、インヴィーがダメージを受ける。彼がとっさにキングソードから離れて、決定打を受けるのを避けた。

「僕たちの力は、みんなの強さは無限大だ!お前たちがどんなに無敵になっても、僕たちは絶対に負けない!」

 リクがインヴィーとチードに向かって言い放つ。

「いい気になるな、お前たち・・これで私の力を超えたなどと思うな・・!」

 チードがいら立ちをふくらませて、全身に力を込める。彼が空中に飛んで、インヴィーの体の中に入った。

「アイツ、あの巨人と合体しやがった!」

 龍我がインヴィーを見上げて身構える。

「ただの足し算でもかけ算でもないぞ。これで私の無敵は揺るがない。」

 インヴィーの中にいるチードが笑みをこぼす。インヴィーの体から光があふれていた。

「またまたパワーアップしたっていうのか!?

「さすがにでっかいと、オレたちの攻撃が届かねぇぜ!」

 永夢とモモタロスがインヴィーを見上げて声を荒げる。

「もはや葬るという控えめな始末は付けない。存在すらも完全に消滅させてくれる。」

 チードが言いかけて、インヴィーが全身から閃光を放出する。

「うあっ!」

 エックスたち、戦兎たち、キュータマジンたち、インパルスたちが閃光に押されて吹き飛ばされる。ジード、オーブ、ノゾム、ルパンカイザー、パトカイザー、デスティニーは押されずに耐えていた。

「なんてパワーだ・・しかし、オレたちが何度も倒れるわけにはいかない・・!」

「みんなにこれだけ応援されてやられたんじゃ、いい笑い者だもんな・・!」

 圭一郎と魁利が声を振り絞る。

「これを受けてまだ動けるとは、さすがだと言っておこうか。」

 チードがルパンカイザーたちに目を向けて笑みをこぼす。

「思い上がっていられるのも今日までだ!オレたちがお前を必ずブッ倒す!」

 ノゾムもインヴィーを見上げて言い放つ。

「笑わせるな。力の差が圧倒的な上に、大きさもまるで違うお前に何ができる?」

「まだ思い上がりを・・さっきオレたちにやられたのをもう忘れたのか!?

 あざ笑うチードにノゾムが怒りをたぎらせる。

「今度も思い知らせる・・お前が言い張っている無敵が、無敵じゃないと!」

 ノゾムが言い放って、両手を強く握りしめる。

 そのとき、ノゾムの手元に新しいカードが2枚現れた。彼がそのカードを手にして目を通す。

「これは・・ウルトラマンとゴレンジャー・・!」

 ノゾムは戸惑いを感じながら、2枚のカード、「ウルトラマンカード」と「ゴレンジャーカード」を使うことを決めた。

“エックスウルトラマン!スペシウムベータ!”

 ノゾムがウルトラマンカードを右のエックスブレスにセットした。

“エックスゴレンジャー!カラフルハリケーン!”

 彼はゴレンジャーカードを左のエックスブレスにセットした。マックスのスーツが右側が銀と赤、左側が赤、青、黄色、緑、ピンクになった。

 次の瞬間、ノゾムの体が大きくなって、ジードたちウルトラ戦士と同等となった。彼はウルトラマンとゴレンジャーの力を身に宿した。

「ノ、ノゾムくんが大きくなった!?

「ウルトラマンさんの力が、ノゾムを大きくさせたんだ・・!」

 リクが声を上げて、ガイがノゾムの状態を確かめる。

「これで体の大きさはだいたい同じってことになったな・・!」

 ノゾムがインヴィーを見て鋭く言いかける。

「それだけで勝ったと思うのは実におめでたいことだ。まとめて身の程を分からせてやるぞ。」

「それはこっちのセリフだ。アンタは無敵でも神様でもない・・!」

 嘲笑を絶やさないチードに、ガイが言いかける。

「お前のように、何もかも自分の思い通りだと思っているヤツを、オレたちは許さない!」

「オレたちはお前のようなヤツの思い通りにはならない!」

「たとえみんなに気持ちが届かなくても、オレたちはお前たちのような悪と戦い、みんなを守る!」

 シン、魁利、圭一郎がそれぞれ自分たちの意思を口にする。思いや目的、考えは違っても彼らのチードたちを倒す決意は同じだった。

「それで埋められない力の差が埋まるなどと考える。つくづく愚かなことだ・・」

 チードがわらにあざ笑って、インヴィーが全身から光を発する。

「お前がオレたちより上でも同じでもない!オレたちは、お前を超えていく!」

 リクも自分たちの意思を言い放って、ジードが構えを取る。

 そのとき、リクの手元に新しいカプセルが2つ現れた。彼がカプセルを手にして確かめる。

「これはシンさんのデスティニーと、良太郎さん・・!」

 2つのカプセル「マークデスティニーカプセル」と「電王カプセル」を見て、リクが戸惑いを覚える。彼はノゾムに目を向けてから小さく頷いた。

「ユーゴー!アイゴー!」

 リクが装填ナックルにマークデスティニーカプセルと電王カプセルをセットした。

「ヒアウィーゴー!」

 彼がジードライザーで2つのカプセルをリードした。

“フュージョンライズ!”

“マークデスティニー!仮面ライダー電王!”

 リクがジードライザーを高らかに掲げた。

「開くぜ、運命!」

“ウルトラマンジード・イマジナリーフェイス!”

 ジードの姿に変化が起こった。マークデスティニーと電王・クライマックスフォームの姿を兼ね備えた装甲を身にまとった。

「おい、オレたちとデスティニーの力を持ったのかー!」

 モモタロスがジードを見上げて声を上げる。ジードは「イマジナリーフェイス」への変身を果たした。

「行こう、ノゾムくん!」

「あぁ、リク・・!」

 リクとノゾムが声をかけ合う。ジードとノゾムがインヴィーに目を向けて、構えを取る。

「まずはお前たち2人から消滅させてやる。」

 チードが目つきを鋭くして、インヴィーがジードたちに向かって手を伸ばす。

「行くぞ!」

 リクが叫んで、ジードがインヴィーに向かっていく。インヴィーが発する衝撃波を、ジードが両手のパンチではじき返していく。

 ノゾムも光を発しながら飛びかかって、インヴィーにつかみかかる。彼はそこからインヴィーを背負い投げして、地上に叩き落とす。

「また、私の力がヤツらに及ばないだと・・!?

 インヴィーが立ち上がって、チードが驚きといら立ちを覚える。

「私の思い通りにならないものはない・・お前たちとて例外ではない!」

 チードが感情をあらわにして、インヴィーが両手を前に出す。彼の放った念力に捕まって、ジードとノゾムが動きを止められる。

「このまま消滅させてやるぞ・・!」

「オレたちは絶対に消えない・・消えるのはお前のほうだ!」

 言い放つチードにノゾムが言い返す。彼とジードが全身に力を込めて、インヴィーの念力を押し返す。

「バカな!?私とインヴィーの完全な力を・・!?

 チードがジードとノゾムに対して、驚きを隠せなくなる。

 ノゾムが右手を振りかざして、5色の光の刃の光輪を放った。光輪は5つに分かれて「ゴレンスラッシュ」となって飛んでいく。

 インヴィーがとっさに両手を広げて、球状のバリアを張る。しかしゴレンスラッシュが空間ごとバリアを切り裂いて、中に飛び込んできた。

「ぐあっ!」

 インヴィーがゴレンスラッシュを体に当てられて、チードがうめく。

「今だ!」

 リクが思い立って、ジードがインヴィーに向かって急降下する。

「パルマブレイカー!」

 ジードが両手を前に出して、手のひらにエネルギーを集めた。彼の突撃と打撃がインヴィーの体に叩き込まれた。

「がはっ!」

 インヴィーが爆発のような衝撃に襲われて、チードが苦痛を覚える。インヴィーがとっさに右手を振り上げて光の刃を放つが、ジードは飛び上がって回避した。

「許さんぞ・・お前たちの存在を、私は許さん!」

 チードが怒りを覚えて、インヴィーがさらに力を込める。

「許されないのはお前のほうだ!オレたちは分かっている!みんなもお前たちの思い上がりを許しちゃおかないと!」

 ノゾムが叫んで、ビースドライバーの左上のボタンを2回押した。

“エックスチャージ!アニマルスマーッシュ!”

 ノゾムの体が虹色に光って5人に分かれた。5人のノゾムが同時に両腕を十字に組んで、光線を発射した。

 インヴィーが両手を前に出して、光線を出して迎え撃つ。両者の光線がぶつかり合って拮抗する。

 ジードが剣モードのキングソードを手にして、刀身にエネルギーを集める。

「クライマックスバースト!」

 ジードがキングソードを振りかざして、光の刃を飛ばす。光の刃がインヴィーの光線を押していく。

「ぐっ!」

 インヴィーが両手に光線と光の刃をぶつけられて、チードがうめく。

「私は無敵だ・・あらゆるものを思い通りにできる力を持っている・・他の者が逆らえるわけがない!」

 チードがいら立ちをふくらませて、ジードたちを睨みつける。

「無敵なんてものはない!誰もが無敵というわけじゃない!」

「ホントの強さは、何があってもどんなことになっても、許せないものを許せないって思い続ける心なんだよ!」

 リクとノゾムがチードとインヴィーに向かって言い放つ。ジードがキングソードを構えて、ノゾムが全身から光を発する。

「ジードとマックスに、我らの力を!」

 ウルトラマンが呼びかけて、セブンたちとともに手を伸ばしてエネルギーを送る。

「オレたちもパワーを送るぞ!」

「はい、先輩!」

 1号も呼びかけて、RXが答えて戦兎たちとともに頷く。

「ライダーシンドローム!」

 1号たち仮面ライダーたちも手を上に上げて、エネルギーを送った。

「我らの力も、ジードとマックスに!」

「OK!」

「ロジャー!」

「オッキュー!」

 アカレンジャーが呼びかけて健太たち、ドギー、ラッキーたちが答えた。

「オレたちが力を合わせるんだ!負けることはない!」

「相変わらず言うじゃねぇか、怪盗のヤツら・・!」

 魁利とマーベラスも言いかけて、圭一郎たちとともにジードたちに意識を傾けた。

「オレたちの力、お前たちに貸すぞ!」

「ジード、マックス、お前たちならみんなの心をつなげられる!」

「オレたちが、みんながお前たちを信じている!」

 カミーユ、アムロ、シンが呼びかける。Zガンダム、νガンダムを介して、シンたちやデスティニーたちからもエネルギーが放たれる。

 みんなの力、みんなの心がジードとノゾムに集まっていく。

「ありがとう、みんな・・みんなの思い、ムダにはしない!」

「チード、オレたちみんなが、お前をブッ倒す!」

 リクが感謝して、ノゾムがチードに言い放つ。

「お前たちが束になろうと、何もできはしない・・私に勝つことも、愚かな者たちの敵視を変えることも・・・!」

 チードがジードたちに向かってあざ笑う。

「僕たちのことを嫌っている人もいるのは分かっている・・でも、僕たちを信じてくれる人たちがいるなら、そのために戦う!」

「そのみんなの心を踏みにじるお前のようなヤツと、オレたちは戦い続ける!」

 リクとノゾムがチードに向かって言い放つ。

 ノゾムが両腕を組んで光線を放つ。彼の体から4人の分身も飛び出して、光線を追うように突撃してキックを繰り出す。

「アロンダイトボイスターズ!」

 ジードが背中から光の翼を広げて、インヴィーに向かって突っ込んだ。彼がエネルギーを集めたキングソードを突き出す。

 インヴィーも全身から閃光を放出して、ノゾムの光線とキック、ジードのキングソードを防ぐ。

「愚かなヤツらのために戦いを続けるとは、お前たちもつくづく愚かなことだ・・!」

 チードがジードたちにさらなる嘲笑を送って勝ち誇る。

「そうだとしても、自分が正しいと思い上がっているお前のほうが圧倒的に愚かなんだよ!」

 ノゾムが言い放って、ジードとともに力を込める。インヴィーがだんだんと閃光を押されていく。

「どんな力もどんな心も、使い方や考え方次第で良くも悪くもなる!だから僕たちは、平和を壊す敵と戦うために、この力を使うことをためらわない!」

 リクも揺るがない決意を口にする。ジードとノゾムの力が、インヴィーの放つ閃光を打ち払った。

 インヴィーがノゾムの光線とキックを受けて、さらにキングソードに体を貫かれた。

「ぐあぁっ!」

 チードが激痛を覚えて絶叫を上げる。

「これが、オレたちみんなの強さだ!」

 リクとノゾムの声が重なる。ジードとノゾムが放つ光に、インヴィーとチードが包まれた。

「私でも変えることのできない心・・それを力とするとは・・・」

 チードが声を振り絞って、力なく笑みをこぼす。

「だが、お前たちでは全ての世界を正すことはできない・・できるのは、私だけ・・・」

「その思い上がり、もう聞きたくない・・・!」

 最後まで自信を見せようとするチードに、ノゾムが鋭く言いかける。彼の光線とキック、ジードのキングソードがインヴィーを押し込んだ。

 チードとインヴィーがまばゆい閃光の中に消えていった。

「やった・・・!」

「チードとインヴィーを倒した・・!」

 消滅したチードを見届けて、ウルトラマンと1号が呟く。

「世界をよくしていくのはヤツではない。まして我らだけではない。」

「全ての世界、全ての宇宙。そこに住むみんな、それぞれの心次第なんだ・・」

 アカレンジャーとアムロも言いかける。ジードとノゾムが互いに目を向けて頷き合うと、戦兎たち、ルパンカイザーたちに振り向いた。

「この世界も、正義の味方を信じられるようになるのかな・・・?」

「さぁな・・ここのみんな次第だろう・・・?」

 リクが問いかけると、ノゾムが肩を落とす素振りを見せた。

「たとえああいうのがまた出てきても、またやっつければいいだけだけど・・」

「怪盗や海賊と力を合わせるのは、今回限りにしたいところだが・・」

 魁利と圭一郎が自分たちの気持ちを口にする。

「力も科学も、使い方次第で正しいことにも間違ったことにもなる、か・・」

「たとえ悪の戦士として改造された肉体であっても、敵の力が身に宿っていても、我々は正義と平和、自由と命を守るために戦う・・!」

 呟きかける戦兎に、1号が助言を送る。

「能力も考え方も姿かたちも違うが、互いに力を合わせて立ち向かうことはできる。それは我々に限ったことではない。」

「みんなが強くあるために、オレたちはこれからも心の光を見せ続けていく。」

 アカレンジャーとアムロもこれからの決意を改めて固めた。

「我々は決して神ではない。救えない命もあれば、届かない思いもある。」

「しかしみんな、優しさを失わないでくれ。弱い者をいたわり、互いに助け合い、どこの国の人たちとも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ。それが私の・・我らの願いだ。」

 ウルトラマンとエースがジードたちやみんなに助言を送った。

 たとえ自分たちのしていることが認められず、いわれのない反発をされることがあっても、信じる心を持ち続けることが大切。ウルトラマンたちも1号たちも、ゴレンジャーたちもアムロたちも、これから戦いに身を置くことになる戦士たちや、彼らを信じる人たちに、強い信頼と願いを送っていた。

 そのとき、ジードたちの周辺の空間が歪み出した。次々と次元のトンネルが出現した。

「元の世界に戻れるトンネルか・・!」

「自分の世界に帰るときが来たんだね・・・」

 ノゾムとリクがトンネルを見て呟く。ノゾムの体が淡い光を発しながら、元の大きさ、元のマックスの姿に戻った。

「ということだから、オレたち帰らせてもらうよー♪」

 魁利が呼びかけて、ルパンカイザーがトンネルに向かっていく。

「オイラもここでアデュー♪」

 グッティが声をかけて、ルパンカイザーが分離した。魁利たちの乗ったダイヤルファイターがトンネルを通って、グッティも続いた。

「あ、おい、待て、怪盗!」

 圭一郎が声を上げて、パトカイザーが魁利たちを追ってトンネルの中に飛び込んだ。

「さて、オレたちも戻るとするか・・」

 ガロードがパーラに言いかけて、デンライナーから出てきたティファに目を向けた。降下したダブルエックスが差し伸べた手の上に乗ったティファが、ガロードたちのいるコックピットの中に入った。

「思いや感じ方はそれぞれだけど、それぞれの心の光、感じることができた・・」

 ティファが自分の気持ちを口にして、ガロードとパーラが笑みを見せて頷いた。

「どんなに離れてても、オレたちはつながってる!オレたち、みんなのこと忘れないからな!」

 ガロードが気さくに呼びかけて、ダブルエックスが飛び去っていった。

「シン、私たちも帰ろう・・」

「あぁ。みんながオレたちのことを待っているからな・・」

 ルナマリアが呼びかけて、シンが落ち着きを取り戻して頷いた。

「私たちだって、みんなに思いを伝えることができたし、シンさんたちには及ばないけど強さもある・・」

「これからも負けないように精進していこう・・僕たちの戦いは、まだまだ続いていくんだから・・・」

 ソラとハルが改めて戦いの決意を固める。

「また会えるときが来たら、また力を合わせような・・」

 シンがリクたちに向かって微笑む。デスティニーたちも自分たちの世界へ戻っていった。

「オレたちもオレたちの世界に戻る。だが、こうして出会えた以上、またどこかで会える可能性はある・・」

「違う世界の者と分かち合い、ともに戦うことができた。それで戦いを終わらせることができないはずがない。」

「ともに拳を交え、ともに魂を通わせよう・・仲間よ、ライバルよ!」

 カミーユ、ヒイロ、ドモンも呼びかけて、Zガンダム、ウィングゼロ、ゴッドガンダムも飛び去っていった。

「言葉と心を通わせれば、分かり合うことができる。それは違う世界同士でも変わらない。」

「戦争は終わったけど、戦いはこれからも続く。“対話”という戦いが・・」

 キオとアセムが分かり合えることに希望を感じて、微笑み合って頷いた。FXAGE-2も自分たちの世界へ戻っていった。

「人の光、みんなも見失わないでくれ・・オレもこれからも導いていく・・」

 アムロも思いを口にして、νガンダムも去っていった。

「さて、オレたちも行くとするか。」

「そうね。まだまだ見つけてないお宝はいっぱいあるからね。」

 マーベラスとルカが声をかけて、ジョー、ドン、アイムが頷いた。

「このギンッギンな思い出を胸に、オレはこれからも海賊としてがんばっていきまーす!」

 鎧が歓喜の声を上げて、豪獣ゴーカイオーが飛び去っていった。

「みんな、この熱い思い、いつまでも忘れないぜ!」

「みんなもブレイブを忘れないでくれよな!」

 健太とダイゴが気さくに呼びかける。スーパーギャラクシーメガたちとライデンキョウリュウジンも次元のトンネルを通っていった。

「オレたちも帰ろうぜ!オレたちの庭に、オレたちの家にな!」

「またみんなと会えるのを願っているよ。」

「それじゃみんな、グッドラック!」

 レオ、大和、ラッキーも言いかけて、ワイルドトウサイドデカキングとキュータマジンも去っていった。

「我々はこれからも守り続けていく。世界と宇宙の平和と正義、生きとし生ける者の命、自由、絆を。」

 ドギーも決意と願いを口にして、自分の世界へと戻っていった。

「さて、オレたちも早く戻るぞ。」

「あぁ。オレたちには、まだまだやることがあるからな。」

 一海と龍我が声をかけ合って歩き出す。

「オレたちも終わらせるさ。オレたちの世界で起こっている戦いを・・科学の力で・・」

 戦兎も自分なりの決意を改めて固めて、龍我たちとともに去っていった。

「オレたちはこの力で、命を救っていく・・」

「絶望の運命は、オレたちが変えていく。これからも・・」

 タケルと永夢も自分たちの決意を口にして、次元のトンネルを通っていった。

「さてと、オレたちも行くとするか!みんな、あばよ!」

「いつかまた、どこかの時間で、どこかの世界で・・」

 モモタロスと良太郎も言いかけて、ウラタロスたちとともにデンライナーに乗った。デンライナーも線路を形成しながら走り出した。

「オレたちが希望の光を人々に照らし続ける。それがオレたちの、果てしない戦いだ。」

「だけどオレたちにはダチがついてる!世界中にたっくさんな!」

「これからも正義と、みんなの心を守るために戦い続けていくよ。」

 RX、弦太朗、光輝も呼びかけて、自分たちの世界へと歩き出した。

「オレたちは分かり合える。人間とも怪獣とも宇宙人とも。」

「どの世界でも共存の未来を切り開くことができる。」

「みんなもこの希望を忘れないでくれ。」

「オレたちもみんなも、無限の可能性を秘めているのだから。」

 レイ、ムサシ、ダイチ、エックスが呼びかける。レイ、コスモス、エックスもそれぞれの宇宙へ戻っていった。

「未来を守るために、オレたちはこれからも戦っていくぜ!」

「みんなもオレたちに負けない、絆という勝利をつかみ取るんだ!」

 ヒカルとショウも呼びかけて、ギンガとビクトリーも空間のトンネルへ飛び去った。

「オレは宇宙の風来坊。気の向くままに星を渡るさ・・みんな、あばよ。」

「オレたちもみんなも、本当の戦いはここからだぜ!」

 ガイとアスカも挨拶して、オーブとダイナも去っていった。

「私たちも行きましょう、ゼロ。」

「我々の宇宙と平和を守る戦いは、まだまだ続いているのだから。」

 ミラーナイトとジャンボットがゼロに呼びかける。

「心がある限り、オレたちは分かり合える・・オレがゼロたちと分かり合えたように・・」

 ジャンナインが口にした言葉に、ゼロたちが頷いた。

「おーい!ミーたちも連れてってくれよー!プリーズ!」

「あたしたちも帰りたいのよ〜!」

「イカなるときも吾輩は仲間じゃなイカ〜!」

 ハルキ、ナクリ、イカリがゼロたちに近づいてきて、深々と頭を下げてきた。

「ったく、しょうがねぇな。オレにつかまりな。」

 グレンファイヤーが肩を落とす素振りを見せてから、ハルキたちに向かって手を差し伸べた。

「サーンクス!恩に着るぜ〜!」

 ハルキが感謝してナクリ、イカリとともにグレンファイヤーの手に乗った。

「その代わり、オレの炎で丸焦げになっても知らねぇぞ〜。」

「ひ〜!あんまりだ〜!」

 グレンファイヤーがからかうと、ハルキが悲鳴を上げてナクリたちとともに頭を抱えた。

「それはかわいそうですよ。私のところへ来てください。」

 ミラーナイトが優しく言いかけて、ハルキたちを受け取った。

「ジード、オレは先に行っている。早く来いよ。」

「はい、ゼロさん。」

 ゼロが呼びかけて、リクが頷く。ゼロ、ミラーナイト、グレンファイヤー、ジャンボット、ジャンナインもハルキ、イカリ、ナクリを連れて飛び去った。

「人を守るのは人自身。そこに住む者たちの強さだ。」

「地球は人類、自らの手で守り抜く。そこに地球に生きる者の真価が問われる。」

 ゾフィーとセブンもリクたちに向けて激励を送る。

「しかしともに分かち合い、ともに勇気を出して立ち向かうことも忘れてはならない。」

「たとえ傷つくことになっても、ともに手を取り合えば乗り越えることができる。」

 ウルトラマンとエースも結束について告げる。

「1人でも信じてくれている人がいるなら、我々は諦めずに戦い続ける。」

「人の中に知恵と勇気、心の強さがある限り、我々もともに立ち上がろう。」

 ジャックとタロウからも励ましの言葉が送られて、リクが真剣な顔で頷いた。

「我々は地球を、宇宙を、世界を守り続ける。ウルトラマンとして、正義の味方として。」

 ウルトラマンは決意を告げて、ゾフィーたちとともに次元のトンネルへ飛んでいった。

「オレたちも行く・・オレは相手が誰だろうと、許せない敵と戦い続ける・・・!」

 ノゾムがジードを見上げて声をかける。ジードが変身を解いて、リクに戻ってノゾムの前に降り立った。

「僕も平和のために戦う・・ベリアルの力が流れているからとか関係ない・・僕はこの力を壊すためじゃなく、みんなを守るために使う。」

「オレもオレが誰なのか、マックスの力がどういうものなのかは関係ない・・オレはオレの戦いをするために、マックスの力を使う・・・」

 リクとノゾムがそれぞれ自分の考えを口にする。2人は笑みをこぼすと、互いに握った手を出して軽く当てた。

 たとえ力そのものがどういうものだろうと、どう使うかは使う者次第。リクもノゾムもそう考えて、この意思を貫こうとしていた。

「それじゃオレたちは行くぞ。お互い無事に勝って、これからを生きていこうな。」

「またこうして会うことがあったら、またよろしくな、リク。」

 ソウマとシゲルがリクが気さくに声をかける。リクがシゲルと握った手を合わせて、ソウマと握手をした。

「オレはオレ、お前はお前だ。お前が許せないヤツが出てきて、何とかしなくちゃと思ったら、力を使うことを迷うな・・」

「そのつもりだよ・・ジーッとしてても、ドーにもならねぇ!」

 ノゾムが投げかけた言葉に、リクが頷いた。2人が握った拳を合わせて、意思を分かち合った。

 ノゾムたちとリクはそれぞれの時空のトンネルに向かって歩き出す。彼らもそれぞれの世界へ戻っていった。

 

 異世界での戦いを終えて、戦士たちはそれぞれの世界に戻っていった。

 そこでの平和を分かち合う者、守るための戦いを続ける者、自分たちの夢に向かって前進する者。

 目指す道や志は違えど、平和や幸せ、大切なものを守ろうとする思いは同じ。

 

 たとえすれ違っても、始めは思いが届かなくても、最後には必ず思いは伝わる。応援してくれる人もいる。

 そんな人たちとその思いが、ヒーローの背中を押していく。

 

 ウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊、ガンダム。

 戦士たちの戦いと物語は、終わることなく未来へ果てしなく続いていく。

 

 

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