ザ・グレイトバトル

-トゥルースピリッツ-

第9章

 

 

 オーディンと戦う永夢が、ムテキゲーマーへの変身を果たした。彼がオーディンに振り向くと、ゴルドフェニックスが風と炎を放つ。

 しかし永夢に当たる直前で、風と炎がかき消された。

「アンビリーバボー!」

「何もしてないのに消えたわよ!」

 ハルキとナクリがこの瞬間に驚く。

 オーディンが永夢に向かっていって、一気に距離を詰めた。その直後、永夢がオーディンの後ろに一瞬で回り込んだ。

 オーディンが振り向くと同時に、永夢が高速のパンチを繰り出した。突き飛ばされたオーディンだが、すぐさま瞬間移動で永夢のそばに詰め寄った。

 次の瞬間、永夢が振り向き様に回し蹴りを繰り出して、オーディンを突き飛ばした。

「全然無敵じゃなイカー!いくらヒーローでもイカがなものかとー!」

 イカリが頭を抱えて叫ぶ。

 ゲームのキャラクターが一定時間無敵になって、あらゆる敵を寄せ付けずに倒す。ムテキゲーマーはその状態にあり、あらゆる攻撃や相手の能力を一切受け付けなくなっていた。

「あのとんでもない能力のライダーも、無敵の力には敵わないってことか・・!」

「前にも見たけど、とんでもないな、こりゃ・・!」

 戦兎とソウマが永夢の無敵ぶりを見て、驚きを隠せなくなる。

「それじゃそろそろ決めるか・・!」

 永夢が言い放って、ハイパームテキガシャットのスイッチを2回押す。

“キメワザ!ハイパークリティカルスパーキング!”

 永夢の体からまばゆい光があふれ出す。

Final vent”

 オーディンがゴルドバイザーにアドベントカードをセットして、ゴルドフェニックスと一体化して宙に浮く。彼が永夢に向かって急降下する。

 永夢が急加速して、オーディンとキックをぶつけ合う。永夢の無敵が押し込んで、オーディンが吹き飛ばされて消滅した。

「あのライダーをやっつけた・・!」

 ソウマが永夢の戦いを見届けて、戸惑いを覚える。

「あれに勝つには同じ無敵状態にならないとまずムリってところか・・」

 戦兎も永夢の無敵ぶりに肩を落としていた。

 そのとき、永夢のゲーマドライバーにセットされていたハイパームテキガシャットが外れた。

「なっ!?

 突然のことに驚く永夢。彼のエグゼイドの姿がマキシマムゲーマーに戻った。

「しまった!ガシャットを狙われた!」

 タケルが地面に落ちたハイパームテキガシャットを見て、声を上げる。何者かがゲーマドライバーからガシャットを外したのである。

「一瞬の油断だったとはいえ、無敵状態のオレからガシャットを外すなんて・・!」

 永夢がガシャットを外されたことに驚く。

「さすがの無敵とやらも、時間にも干渉する高速までには感覚が及んでいないようだな。」

 彼らの前に1人のライダーが現れた。

「コーカサス、アイツもいたのか!」

 モモタロスが新たに現れた仮面ライダー、コーカサスを見て驚く。

「スピードはともかく、他の能力の面で無敵なのは厄介だからな・・」

「だからムテキガシャットを外して、無敵を解除させたのか!?

 言いかけるコーカサスに永夢が声を上げる。彼がハイパームテキガシャットを拾おうとしたが、瞬時に移動したコーカサスに行く手を阻まれた。

「うあっ!」

 永夢がコーカサスのキックを受けて突き飛ばされて、ガシャットから引き離される。

「永夢!・・コーカサス、オレが相手だ!」

 タケルが永夢に叫んでから、コーカサスの前に立つ。

「ムダだ。無敵でないお前や他の者では、私を止められるはずがない。」

「確かに無敵じゃないけど、オレたちの命の可能性は、無限大だ!」

 コーカサスが投げかける言葉に言い返して、タケルが新たなる眼魂「ムゲンゴースト眼魂」を手にした。

“ムゲン進化!アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!”

 タケルがゴーストドライバーにムゲンゴースト眼魂をセットして、レバーを引いた。

“チョーカイガン!ムゲン!Keep on going!ゴ・ゴ・ゴ!ゴ・ゴ・ゴ!ゴ・ゴ・ゴ!ゴッドゴースト!

 タケルの変身しているゴーストが白い姿に変わった。彼はゴーストの最強形態「ムゲン魂」に変身した。

「お前からバラのように散ってみるか。愛の花言葉を持つバラのように。」

 コーカサスがタケルに告げて、青いバラの花を投げる。

「みんなそれぞれ命があるんだ。花にも動物にも、オレたちみんなにも・・それを踏みにじろうとするなら、オレはお前たちと戦う!」

 タケルが言い放って、コーカサスに向かっていく。2人がパンチをぶつけ合って、激しい攻防を繰り広げる。

「なかなかだとは言っておこう。だが無限の域に達しているのは私だ。」

 コーカサスは呟くと、高速で動いてタケルの横まで一気に駆けつけた。

「うっ!」

 コーカサスが繰り出した高速のパンチで、タケルが大きく突き飛ばされて地面を転がる。すぐに立ち上がる彼だが、再びコーカサスが詰め寄ってきてキックを繰り出してきた。

 コーカサスの目にも留まらぬ攻撃に、タケルが翻弄される。しかし彼は攻撃を受ける直前で、ダメージを最小限に抑えようと体勢を取っていた。

「このままじゃやられてしまうぞ!今のうちにアレを・・!」

 ソウマが焦りを噛みしめて、ハイパームテキガシャットを拾おうとした。しかし彼の伸ばした手の先にあったガシャットが、はじかれて遠ざかる。

「ムダだ。」

 高速でガシャットをはじき飛ばしたコーカサスが、ソウマを蹴り飛ばす。

「ソウマ!」

 戦兎が駆けつけてソウマを支える。

「あの高速相手じゃガシャットを取りに行くのは極めて難しい・・!」

「くっ・・!」

 戦兎が言いかけて、ソウマが毒づく。彼らはコーカサス打倒をタケルに託すしかなかった。

「たとえどんなに速くても、相手の位置が分かれば・・・!」

 タケルが足を止めて意識を集中する。彼は感覚を研ぎ澄ませて、コーカサスの位置を探る。

 高速で動くコーカサスが、タケルの後ろに回り込んだ。

「そこだ!」

 その瞬間にタケルが振り返って、コーカサスに回り蹴りを繰り出した。キックが左腕に当たって、コーカサスが後ろに下がった。

「感覚を研ぎ澄ませて、移動先を捉えたか・・」

 コーカサスが呟いて、再び高速で動く。彼が連続で繰り出すパンチとキックを、タケルが両腕を掲げて防いでいく。

「あれは、見えているのか・・!?

「いや、見えてるというよりは感じてるんだよ。気配とか空気の流れとかを・・」

 シゲルが驚きを見せて、永夢が言いかける。コーカサスの移動や攻撃の際のわずかながらの空気の流れの変化を感じて、タケルは対応していた。

 タケルが感覚を研ぎ澄ませたまま、ゴーストドライバーのレバーを引いて押した。

“チョーダイカイガン!ムゲン!ゴッドオメガドライブ!”

 タケルの足にエネルギーが集まっていく。

Maximum rider power.”

 コーカサスも足にエネルギーを集めて、高速で詰め寄る。2人が距離を詰めたところで、同時に足を振りかざした。

 スピードは確実にコーカサスが勝っていた。しかしムゲン魂となっているタケルの力が、コーカサスのキックを上回った。

「お前のほうが、無限の域により近かったようだ・・」

 コーカサスが呟きながら、爆発を起こして消滅した。

「やった!あの高速ライダーを倒したぞ!」

 コーカサスが倒れて、ソウマが叫ぶ。永夢が落ちていたハイパームテキガシャットを拾った。

「無敵になっても本当に絶対無敵ってわけじゃないみたいだな。無敵になっている本人の集中力が続かないと、空回りしてしまうということか・・」

 ムテキゲーマーの弱点を見出して、シゲルが呟く。

「どうやらオレらがフォローしないといけないってことかよ・・」

 一海も永夢を見て呟いて、龍我も頷く。

「こりゃさっさと終わらせねぇと、マジでお陀仏だぞ・・!」

「分かってるって、そんなこと・・!」

 一海が呼びかけて、龍我が声を張り上げて言い返す。2人も戦兎たちも、ノゾムたちもライオトルーパーたちに立ち向かう。

「ハイパー大変身!」

“バッカーン!ムーテーキー!輝けー・流星のごーとーくー・黄金の最強ゲーマー!ハイパームテキーエグゼーイド!”

 永夢が再びムテキゲーマーに変身して、ライオトルーパーたちに向かっていった。

 

 魁利たちも圭一郎たちもライオトルーパーたちとの交戦を続けていた。

「まさかこうして警察と協力することになるなんてね。」

「敵が共通しているだけだ!ヤツらを止めたら次はお前たちを逮捕する!」

 魁利が気さくに言うと、圭一郎が自分の信念を告げる。

「つまり悪者との馴れ合いはなしということよ。」

「ふえ〜・・こういうので仲良しになれたらよかったのに〜・・」

 つかさが続けて言って、宇美花が残念に思って肩を落とす。

「馴れ合いはオレたちもゴメンだ・・」

「怪盗なんてやめて、正義と平和のためにがんばればいいのに・・」

 透真が冷たく言うと、咲也がため息まじりに言う。

 魁利たちと圭一郎たち。2組の戦隊も闇の戦士の大軍勢を迎え撃っていた。

 そのとき、魁利たちの近くで爆発が起こった。振り返った彼らの前に、10人の戦士が現れた。

「ま、まだ悪いヤツらが現れた!?

「何者だ、お前たち!?コイツらの仲間か!?

 つかさが声を上げて、圭一郎が戦士たちに問い詰める。

「ゾクレッド!」

「ゾクブルー!」

「ゾクグリーン!」

「ゾクイエロー!」

「ゾクピンク!」

 戦士たちのうちの5人、ゾクレッド、ゾクブルー、ゾクグリーン、ゾクイエロー、ゾクピンクが名乗りを上げる。

「暴走戦隊!」

「ゾクレンジャー!」

 ゾクレッドが声を上げて、ゾクブルーたちと声をそろえた。

「ネジレッド!」

「ネジブラック!」

「ネジブルー!」

「ネジイエロー!」

「ネジピンク!」

 残る5人の戦士、ネジレッド、ネジブラック、ネジブルー、ネジイエロー、ネジピンクも名乗りを上げる。

「邪電戦隊!」

「ネジレンジャー!」

 ネジレッドが声を上げて、ネジブラックたちがそろえた。ゾクレンジャーとネジレンジャーが、魁利たちと圭一郎たちの前に立ちはだかる。

「闇の戦隊ってヤツか・・!」

「感じ悪いじゃな〜い・・!」

 ゾクレンジャーたちを見て、透真が呟いて、宇美花が不満の声を上げる。

「敵対するなら、実力を行使するのみだ・・!」

「そうッスね、先輩!」

 つかさが意思を口にして、咲也が頷く。

「おめぇらが新しい戦隊、ルパンレンジャーとパトレンジャーだな・・!」

「スーパー戦隊の歴史は、これからはオレたちが作っていく!」

 ゾクレッドとネジレッドが魁利たちに向かって言いかける。

「悪いけど、そういうことは好きじゃないんだよね、オレたちは。」

「正義の力を悪事に使わせるわけにはいかない!」

 魁利が気さくな態度のまま言い返して、圭一郎が自分たちの意思を貫く。

 ゾクレッドたちが構えを取って、圭一郎たちに向かって突進を仕掛ける。圭一郎たちがゾクレッド、ゾクグリーン、ゾクピンクの突進を受け止めるが、ゾクブルーとゾクイエローの加勢に押し負ける。

「うあっ!」

 圭一郎たちが突き飛ばされて、地面を転がる。

「よそ見をしている場合じゃなよ!」

 圭一郎たちに注意が向いた宇美花に、ネジイエローとネジピンクが飛びかかる。2人に腕をつかまれて、宇美花が振り回される。

「イエロー!」

 叫ぶ透真に向かって、ネジブラックとネジブルーが両手から光線を放つ。

「ぐっ!」

 光線を受けたスーツから火花が散って、透真が突き飛ばされる。

「こりゃ、ちょっとピンチになってきたかな・・!」

 ネジレッドと組み合う魁利が焦りを感じていく。立ち上がる圭一郎たちに、ゾクレッドたちが迫る。

「オレたちの力、たとえサツでも戦隊でも止めらんねぇぜ!」

「他のヤツへの見せしめにしてやらぁ!」

 ゾクブルーとゾクグリーンが圭一郎たちをあざ笑う。

「お前たちの思い通りにはならん!」

 そこへ声がかかり、圭一郎たちとゾクレッドたちの間に、1人の男が降り立った。青毛のドーベルマンのような頭をした男である。

「お、お前は!?

 ゾクレッドが驚いて声を上げて、ゾクブルーたちも緊張を感じていた。

「その格好は・・もしかして警察の署長クラス・・!?

 男のことを知らない圭一郎だったが、格好を見て動揺を見せていた。

「でも、犬だよね!?・・犬のおまわりさん・・!?

 咲也が呟きかけると、男が振り向かずに犬のような唸り声を上げた。

「か・・かわいい・・・」

 つかさが男を見て、思わず口走る。圭一郎と咲也から視線を向けられると、つかさが動揺を見せまいと目をそらした。

「お前たちが新しいスーパー戦隊、パトレンジャーとルパンレンジャーだな。」

 男が圭一郎たちと魁利たちを見て声をかける。

「私は宇宙警察・地球署署長、ドギー・クルーガーだ。そして・・」

 男、ドギーが自己紹介をして、警察手帳「マスターライセンス」を取り出した。

「エマージェンシー!デカマスター!」

 彼がマスターライセンスを起動して、転送されたスーツとマスクを装着した。

「百鬼夜行をぶった斬る!地獄の番犬、デカマスター!」

 ドギーが名乗りを上げて、刀「ディーソード・ベガ」を手にした。彼は特捜戦隊デカレンジャーの一員であり、ボスである。

「あなたも警察の戦隊だったのですね!」

 圭一郎がドギーに感心して、敬意を見せる。

「警察、そして戦隊の先輩として言わせてもらう。即断即決、臨機応変の対応や処置が必要な場面が多く訪れる。その中でも正確な判断と冷静さ、正義と平和、人々を必ず守り抜くという信念を忘れぬようにな。」

「デカマスター・・はいっ!」

 ドギーからの激励を受けて、圭一郎が敬礼して答えた。

「それと、あのルパンレンジャーを、地球や世界の支配や破壊を目論む敵と同じと認識しないようにな。あの3人、並々ならぬ事情を抱えているようだ。」

 ドギーは続けて言いかけて、魁利たちに視線を向けた。

「犯罪者も多種多様だ。決して許してはならない悪ばかりではない。決して取り返しのつかない過ちは犯さないことだ。」

「ドギーさん・・はい!」

 ドギーからの言葉を受けて、圭一郎が答えた。

「いくらデカマスターでも、1人加わったぐらいでこの状況が覆るわけがねぇ!」

 ゾクイエローがドギーに向かって強気に言い放つ。

「そいつはどうかな!」

 そこへ声がかかって、ゾクレッドたちが振り返る。彼らの前に現れたのは、12人の男女。

「よっしゃ、ラッキー!みんなのところにたどり着けたぜー!」

「どこがラッキーじゃき!今まで散々迷うとったじゃないか!」

 青年、ラッキーが喜んで、青毛の狼の顔をした男、ガルが文句を言う。

「いやぁ、これもボクちんのとっさの機転のおかげだねぇ〜。」

「司令は何もしないでついてきただけじゃないですか!」

 龍人の男、ショウ・ロンポーにアンドロイドの少女、ラプター283がツッコミを入れる。

「ラッキーは相変わらず行き当たりばったりなんだから・・それでここまで到着できるんだから、ホントにラッキーだね。」

「ま、料理は手間をかけたほうが出来がよくなるんだけどね。」

 少女、ハミィがラッキーに呆れて、青年、スパーダが気さくに言いかける。

「邪悪な戦隊も揃い踏みしているようだ・・」

「だが、本物の正義はオレたちにありだ、相棒!」

 青年、スティンガーに牛型ロボ、チャンプが呼びかける。

「そうだよ!負けられないね、チャンプ、アニキ!」

 少年、佐久間(さくま)小太郎(こたろう)が呼びかけて、スティンガーとチャンプが頷く。

「悪い戦隊だけじゃなく、新しい正義の戦隊もいるようだ。」

「あっちは怪盗の戦隊みたいだよ〜♪怪盗でも僕たちの後輩ってことになるね〜♪」

 銀髪の青年、ナーガ・レイが圭一郎たちを見て言いかけて、機械生命体、バランスが魁利たちを見て明るく言いかける。

「それにしても驚きだ。まさかいろんな宇宙で伝説の戦いが繰り広げられていたとはな。」

 青年、(おおとり)ツルギがノゾムたちを見て呟く。

「その伝説、オレ様も築かせてもらうぞ。」

「ということで、オレたちも力を貸すぜ!」

 ツルギとラッキーが呼びかけて、スティンガーたちとともにアイテム「キュータマ」を手にした。

“シシキュータマ!”

“サソリキュータマ!”

“オオカミキュータマ!”

“テンビンキュータマ!”

“オウシキュータマ!”

“ヘビツカイキュータマ!”

“カメレオンキュータマ!”

“ワシキュータマ!”

“カジキキュータマ!”

“リュウキュータマ!”

“コグマキュータマ!”

“ホウオウキュータマ!”

 ラッキーたちがそれぞれのキュータマをブレス「セイザーブラスター」、杖「リュウツエーダー」、剣「ホウオウブレード」にセットした。

“セイ・ザ。チェンジ!”

“カモンザチェンジ!”

「スターチェンジ!」

 ラッキーたちがセットされているキュータマを前に倒して、セイザブラスターのトリガーを引く。ツルギが盾「ホウオウシールド」に収められているホウオウブレードを抜刀する。

「ガリョウテンセイ!」

 ロンポーがリュウツエーダーのトリガーを引く。彼がラッキーたちとともに、それぞれの色のスーツとマスクを身にまとった。

「スーパースター!シシレッド!」

「ポイズンスター、サソリオレンジ。」

「ビーストスター!オオカミブルー!」

「トリックスター、テンビンゴールド!」

「リングスター!オウシブラック!」

「サイレントスター、ヘビツカイシルバー。」

「シノビスター、カメレオングリーン!」

「スピードスター、ワシピンク!」

「フードマイスター、カジキイエロー!」

「ドラゴンマスター、リュウコマンダー!」

「ビッグスター、コグマスカイブルー!」

「スペースバスター、ホウオウソルジャー!」

 ラッキー、スティンガー、ガル、バランス、チャンプ、ナーガ、ハミィ、ラプター、スパーダ、ロンポー、小太郎、ツルギが名乗りを上げてポーズを決めた。

「究極の救世主!宇宙戦隊!」

「キュウレンジャー!」

 ラッキーが声を上げて、スティンガーたちと声をそろえた。宇宙戦隊キュウレンジャーも、圭一郎たちの救援に駆け付けた。

「デカマスターだけでなく、キュウレンジャーも現れるとは!」

「これじゃ数じゃ向こうのほうが上だぜ!」

 ゾクレッドとゾクブルーがラッキーたちを見て緊張を見せる。

「うろたえることないよ!力はこっちのほうが上なんだからね!」

 ゾクピンクがゾクレッドたちに檄を飛ばす。ゾクレッドたちが圭一郎たちとドギー、ラッキーたちに目を向けて構えを取る。

「ゾクレンジャー、お前らの運、試してやるぜ!」

 ラッキーが言い放って、スティンガーたちとともにゾクレッドたちに向かっていった。

「私たちも負けてられないよ!」

「行きましょう、先輩!」

 つかさと咲也が声をかけて、圭一郎とともに飛び出した。彼らの悪に立ち向かう姿勢に頷いてから、ドギーも続いた。

 

 ネジレッドたちの高い戦闘力の攻撃に、魁利たちは劣勢を強いられていた。

「ルパンレンジャー、他愛もないわね。」

「もう少し楽しめると期待していたのだけど・・」

 ネジイエローとネジピンクが魁利たちを見つめて微笑みかける。

「とどめを刺す前にお前たちの戦闘データを入手しよう。」

「お前たちの力、我々が有効活用してくれる。」

 ネジレッドとネジブラックが魁利たちのルパンレンジャーとしての能力を狙う。ネジレッドたちが魁利たちに向かって歩き出す。

「そこまでだ!」

 そこへ声がかかって、魁利たちとネジレッドたちが振り向く。彼らの前に6人の男女が現れた。

「また別の世界に引きずり込まれたと思ったら・・」

「おかしな連中がオレたちを狙ってきてたな!」

 少女、セラと青年、レオが状況を確かめて言いかける。

「今回は邪悪な戦隊というのも来ているようだ。」

「でも私たち本物の戦隊なら何とかなるよ。」

 青年、タスクが呟いて少女、アムが明るく言いかける。

「オレも、戦隊の戦士だけど、悪に加担していた・・・オレに、正義の戦士になる資格はない・・・!」

 青年、門藤(もんどう)(みさお)が突然落ち込んで、その場で体育座りをしてしまう。

「み、みっちゃん!?・・みっちゃんは加担してたんじゃなくて操られてただけだから・・!」

 青年、風切(かざきり)大和(やまと)が操を励ます。

 大和たちが初めて会ったときの操は洗脳されていた。その洗脳が解かれて絆を結び、操は大和たちの仲間となった。

「操られてないときのみっちゃんは、全然悪いことはしてないじゃないか!」

「大和・・・そうだ・・オレだって正義のために戦えるんだ!」

 大和に励まされて、操がやる気を取り戻す。操がネガティブでありながら、おだてられるとやる気を出す性格だった。

「そこまでだ。僕たちはここにおしゃべりをしに来たわけじゃない。」

 タスクが呼びかけて、大和たちがネジレッドたちに視線を戻す。

「みんな、オレたちも行くぞ!」

 大和が呼びかけて、セラたちが頷く。らが携帯電話「ジュウオウチェンジャー」と懐中電灯「ジュウオウザライト」を取り出した。

“イーグル!”

“シャーク!”

“ライオン!”

“エレファント!”

“タイガー!”

 大和、セラ、レオ、タスク、アムがジュウオウチェンジャーのボタンを押して、それぞれの動物の絵柄をそろえる。

“ザワールド!”

 操がジュウオウザライトの取っ手の先のボタンを押す。

「本能覚醒!」

“アーアーアアアー!”

“ウォーウォーウォオオー!”

 雄叫びが響き渡る中、大和たちがスーツとマスクを身にまとった。

「大空の王者!ジュウオウイーグル!」

「荒海の王者、ジュウオウシャーク!」

「サバンナの王者!ジュウオウライオン!」

「森林の王者、ジュウオウエレファント!」

「雪原の王者、ジュウオウタイガー!」

「世界の王者、ジュウオウザワールド!」

 大和、セラ、レオ、タスク、アム、操が名乗りを上げてポーズを決めた。

「動物戦隊!」

「ジュウオウジャー!」

 大和が声を上げて、セラたちが声をそろえた。動物戦隊ジュウオウジャーが魁利たちとネジレッドたちの前に現れた。

「ジュウオウジャーまで現れるとはな・・!」

「だが1人1人の戦闘能力はヤツらやルパンレンジャーたちを上回っている。うろたえる必要はない。」

 ネジブルーが毒づいて、ネジイエローが彼らをなだめる。

「戦隊や他の戦士たちがどれほど集まろうと、我々の敵ではない。」

「そいつはどうかな!」

 ネジレッドが笑みをこぼしたところで声がかかった。彼らの前にまた新たに、6人の男女が駆けつけた。

「お、お前たちは!」

 ネジブラックが彼らを見て驚きを見せる。

「ネジレンジャー、お前らまで蘇ってたのか!」

「いつまでたってもはた迷惑なんだから、あなたたちは!」

 男、伊達(だて)健太(けんた)と女性、今村(いまむら)みくがネジレッドたちに不満を言い放つ。

「オレたちもそれぞれの道を歩んでいるんだから・・」

「それをあんなのに邪魔されるわけにはいかないわよね。」

 男、並樹(なみき)(しゅん)と女性、城ヶ崎(じょうがさき)千里(ちさと)もネジレッドたちを見て言いかける。

「みんな、オレたちも行くぞ!」

「久しぶりにオレたちのチームワークを見せてやろうぜ!」

 男たち、遠藤(えんどう)耕一郎(こういちろう)早川(はやかわ)裕作(ゆうさく)が呼びかける。健太たちがブレス「デジタイザー」のふたを開いて、裕作が携帯電話「ケイタイザー」を手にした。

「インストール・メガレンジャー!」

3.3.5.”

「ケイタイザー・インストール!」

M.E.G.A.MEGA.”

 健太たちがデジタイザーとケイタイザーに変身コードを入力した。彼らがそれぞれの色のスーツとマスクを身にまとった。

「メガレッド!」

「メガブラック!」

「メガブルー!」

「メガイエロー!」

「メガピンク!」

「メガシルバー!」

 健太、耕一郎、瞬、千里、みく、裕作が名乗りを上げてポーズを決めた。

「電磁戦隊!」

「メガレンジャー!」

 健太が声を上げて、耕一郎たちが声をそろえた。電磁戦隊メガレンジャーも魁利たちの救援に駆け付けた。

「スーパー戦隊の先輩たちか・・」

「こんなに戦隊がいっぱいいるなんて、ドキドキしてきたよ〜♪」

 大和たち、健太たちを見て透真が呟いて、宇美花が感動を覚える。

「オレたちはオレたちのやり方を続けるだけだけど、負けてらんないなっていうのもあるんだよね。」

 魁利が気さくに言って、透真たちと頷き合ってやる気を見せる。

「たとえ何人出てこようと、私たちが負けることはない。」

「ルパンレンジャー、パトレンジャーはともかく、他の戦隊のデータを我々は持っている。ましてメガレンジャーのデータは知り尽くしているのだぞ」

 ネジイエローとネジレッドが自信を見せて、ネジブラックたちと頷き合う。

「そいつはどうかな?アンタたちはあたしたちに負けてるんだからね!」

 みくがネジレッドたちに言い返す。

「それにオレたちは日々進化している!お前たちの言うデータを大きく上回るくらいに!」

「今のお前らの持ってるデータじゃ、オレたちを倒す参考には全然ならないってことだ!」

 瞬と裕作も続けて呼びかける。彼らに駆け寄って、大和たちが並び立つ。

「よろしくお願いします、みなさん!一緒にがんばりましょう!」

「あぁ!頼むぜ、後輩たち!」

 大和と健太が声をかけ合う。彼らがネジレッドたちの前に立ちはだかった。

 

 

10

 

小説

 

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