ザ・グレイトバトル

-真の強さ- 

第15章

 

 

 巨大化したマイトに、力を結集させたフォースたちは苦戦を強いられていた。

「オレたちは、ただ黙って見ているしかないのか・・!」

 飛羽真がフォースたちとマイトの戦いを見て、自分の無力さを痛感する。マイトに対抗できる大きさでないことを、彼は悔しがっていた。

「戦士のデータを組み合わせて、巨大化することができれば・・・」

 アキトがアイコンを表示させて、マイトと対抗できる術を探る。

「アキト、飛羽真くん、君たちにも我らの力を送るぞ。」

 そこへ1号が歩み寄り、アキトたちに声を掛けてきた。

「先輩・・オレたちにも・・・!?

「そうだ。お前たちなら、我々の意思を宿し、フォースたちと共に戦うことができる。」

 飛羽真が戸惑いを浮かべて、アカレンジャーが激励を送る。

「みなさん・・・ありがとうございます!」

 飛羽真が1号たちに頭を下げて感謝した。

「オレにもそこまでするとは・・オレは地球を見限り、粛清しようとしたのだぞ・・・!」

 アキトが1号たちが力を貸してくれることに、疑問を感じていく。

「そのときの君の行動は間違っていた。だがその根源には、地球をよくしたいという思いがあったはずだ。」

 1号が投げかけたこの言葉を聞いて、アキトが記憶を呼び起こす。

「オレは・・自分たちのために部下を平気で切り捨てる上層部に怒りを覚え、地球人そのものにも不信感を抱いた・・オレが正さなければ改善されないと・・・」

 自分が地球と敵対した経緯を思い返していくアキト。地球を正そうとしたこと自体は間違っていないと、彼は確信していた。

「だがお前は学んだはずだ。地球人が過ちを犯しても正せることを。力を合わせてそれを実現できることを。」

 アカレンジャーもアキトを励まして、彼の肩に手を乗せた。

「オレたちはお前たちを信じる。この地球と宇宙、世界を守るために。」

「考えが違えど、守るという使命と願いを帯びていることに変わりはない。」

 アカレンジャーと1号が信頼を送って、リクたちとともに力を送った。アキトの前に新たなアイコンが表示されて、飛羽真の手元に新たなワンダーライドブックが3つ現れた。

「ワンダーライドブック・・ウルトラマンメビウス、シンケンジャー、デスティニーガンダム・・・!」

 飛羽真が3つのワンダーライドブックを見て、戸惑いを覚える。メビウスとマークデスティニー、侍戦隊シンケンジャーのワンダーライドブックである。

「この力に込められているのは、トレギア、オーマジオウ、ルパンレンジャー、ガンダムバルバトスルプスレクスか・・」

 アキトも新たな力について確かめる。

「みなさんの力と、この本に込められた思い、受け取りました!」

 飛羽真が感謝して、火炎剣烈火を聖剣ソードライバーに収めた。

“メビウスフェニックス!”

 飛羽真がメビウスのワンダーライドブック「メビウスフェニックスワンダーライドブック」を開いて閉じた。

“絆の炎を宿す不死鳥が、無限の未来へはばたく!”

 彼がメビウスフェニックスワンダーライドブックを聖剣ソードライバーにセットした。

真剣(しんけん)侍伝(さむらいでん)!”

 続けて飛羽真はシンケンジャーのワンダーライドブック「真剣侍伝ワンダーライドブック」を開いた。

“とある殿様と家臣が刀と文字を使い、外道を成敗する天下御免の侍の武勇伝!”

 彼は真剣侍伝ワンダーライドブックも聖剣ソードライバーにセットした。

“アロンダイトデスティニー!”

 さらに飛羽真はデスティニーのワンダーライドブック「アロンダイトデスティニーワンダーライドブック」を開いた。

“この戦いの運命を背負い、怒りの剣と翼で血塗られた運命を切り開く!”

 アロンダイトデスティニーワンダーライドブックもセットして、聖剣ソードライバーに3冊のワンダーライドブックがそろった。

“烈火・抜刀!”

 飛羽真が聖剣ソードライバーから火炎剣烈火を引き抜いた。

「変身!」

“光刃ソードラゴン!世界を隔てた剣が交わり、光となって闇を切り裂く!”

 火炎剣烈火の刀身からまばゆい光を発する。飛羽真のまとうセイバーの装甲と仮面の色が赤と青となって、一部分に黄色のラインも入る。

 飛羽真はメビウス、シンケンジャー、デスティニーの力を宿した「光刃ソードラゴン」となった。

 次の瞬間、飛羽真の体が大きくなった。フォースたちと共に戦う意思が、彼自身を巨大化させたのである。

「よし。オレもやるぞ・・!」

 アキトも思い立って、表示されたアイコンにタッチした。彼のまとうフォースの装甲と仮面も赤、青、白となり、金のラインも加わった。

「仮面ライダーフォース・ダークブレイカー!」

 新たな姿「ダークブレイカー」となったアキトが、高らかに名乗りを上げた。彼の体も大きくなって、飛羽真たちと並び立った。

「決着を付けるぞ、マイト・・!」

 アキトが鋭く言って、巨大な槍「フォースメイス」を手にして、切っ先をマイトに向ける。

「この物語の未来は、オレたちが決める!」

 飛羽真も言い放って、火炎剣烈火を構える。光り輝く刀身からは、赤い炎が発して取り巻いていた。

「お前たちも力を結集させて巨大化したか。束になろうと私に及ばないことを、滅びをもって教えてやるぞ。」

 マイトは自信を崩さずに、アキトたちと対峙する。

「いい気になっていられるのもここまでだ・・!」

 するとジョーがため息まじりに言い返してきた。

「来い、マッハルコン!」

 マーベラスが炎神戦隊ゴーオンジャーのレンジャーキーを使って、マシン生命体「炎神」の1機「マッハルコン」を呼び出した。

「バリバリー!久々の登場だぜー!」

 マッハルコンが豪獣ゴレンゴーカイオーのそばに来て、気さくに声を掛けてきた。

「マッハルコン、海賊合体だ!」

「OK!海賊合体!」

 マーベラスの呼びかけに、マッハルコンが答える。ゴーカイオーがバリブルーンを分離させ、マッハルコンとの合体を果たす。

「完成、カンゼンゴーカイオー!」

 合体ロボ「カンゼンゴーカイオー」が完成して、フォースたちと並んだ。

「2度と小細工ができないよう、ここで終わらせるとしようか・・」

 マイトは呟いてから、一気にスピードを上げて突っ込んできた。だが彼の眼前にアキトが飛び込んできた。

「ぐっ!」

 アキトが振りかざしたフォースメイスを体に叩き込まれて、マイトがうめく。彼が突き飛ばされて、激しく地面を転がる。

「パワーとスピードが今まで以上のものになっている・・こんなことが・・・!」

 体に激痛を感じて、マイトがうめく。

「早く立て・・今のオレが使っている力は大きく、確実に制御できるとは言い難いからな・・・!」

 アキトが鋭く言って、フォースメイスの切っ先をマイトに向けた。

「そのような粗暴な力に、私が屈すると思うな・・!」

 立ち上がったマイトが再び高速で動く。彼は次元を飛び越えて、アキトの背後に回った。

「くらえ!」

 マイトがアキト目がけて右手を突き出した。アキトが体勢を低くして打撃をかわして、フォースメイスの柄をマイトのわき腹に叩きつけた。

「くっ!」

 マイトが横に突き飛ばされて、横転してからアキトに視線を戻す。

「次元の先も感知できるというのか・・!?

「あぁ。空間を超えても、近づいてくればお前の居場所は手に取るように分かるぞ・・・!」

 警戒を覚えるマイトに、アキトが答える。

「次はオレが行くぞ、マイト!」

 飛羽真がマイトに言い放って、火炎剣烈火を構える。

 マイトが両手から剣を出して、飛羽真が振りかざす火炎剣烈火を受け止める。しかし威力の上がった火炎剣烈火に、マイトが押されていく。

 マイトが2本の剣を手から離して操作して、飛羽真目がけて飛ばす。

「はっ!」

 飛羽真が火炎剣烈火を振り上げて、2本の剣をはじき飛ばした。

 マイトがその剣を取り戻して、再び振りかざす。飛羽真も迎え撃って、火炎剣烈火を振り下ろした。

 飛羽真の一閃はマイトの剣だけでなく、空間さえも切り裂いていた。

「何っ!?

 マイトが驚きながら、空間の裂け目を避けた。

「空間さえも切れるようになるとは・・その裂け目に触れれば、空間ごと切り裂かれる・・・!」

 飛羽真も力を上げていることに、マイトが脅威を感じていく。

「お前を逃がさない・・その意思がこの力をもたらしているのだと、多分思う・・!」

 飛羽真が今の自分の力を推測して、マイトに目を向ける。

「今度はオレたちの番だぜ!ド派手に突っ走るぞ!」

 マーベラスが掛け声を上げて、カンゼンゴーカイオーがマイトに向かっていく。

「ゴーカイカンゼンバースト!」

 カンゼンゴーカイオーが巨大な左手「ゴーカイビッグハンド」を飛ばす。マイトが2本の剣を振りかざして、ゴーカイビッグハンドをはじき返した。

「お前たちは他の2人ほどではないな・・!」

「それでも隙を作るには十分だ・・!」

 マイトが言いかけると、ジョーが不敵な笑みをこぼした。

「フォーストレラシウム!」

 フォースが両腕を十字に組んで、光線を発射した。光線は1点できらめくと、マイトの前後左右斜めの8方向から空間を渡って飛んできた。

 マイトもとっさに空間を超えて回避しようとした。しかし光線同士のぶつかり合いによる爆発は、空間をも歪めた。

「うっ!」

 歪みの衝撃に押されて、マイトが体勢を崩した。

「おのれ・・やってくれる・・・!」

 体勢を整えたマイトが、アキトの能力に毒づく。

「フェニックススラッシュ!」

 飛羽真が炎を発した火炎剣烈火を振りかざす。火炎剣烈火から放たれた炎が、不死鳥の姿となって飛んでいく。

 マイトが2本の剣を合わせて大きな1本の剣にして、振り下ろして炎を切り裂く。しかし炎を止め切れず、体に当たっていく。

「おのれ・・おのれ!」

 マイトが怒りを覚えて、持っている剣に力を込める。彼が振り下ろした剣から光の刃が放たれる。

「百花繚乱!」

 飛羽真が火炎剣烈火の炎を大きくして、刀身を大きくして振りかざした。彼の一閃が光の刃を打ち破った。

 マイトがいきり立って、飛びかかって剣を振りかざす。飛羽真も火炎剣烈火で応戦して、巨大な刃が立て続けにぶつかり合う。

 そこへアキトも飛び込んで、フォースメイスを突き出してきた。マイトが後ろに下がって、フォースメイスをかわした。

「悪いな。オレたちは1対1の決闘をしているわけではない。」

「世界を支配しようとするお前を止める。それが、今のオレたちの戦いだ!」

 アキトと飛羽真が自分たちの考えを言い放つ。

「いい気になるな・・束になっても、私に逆らうことは・・!」

「フォースファンネル!」

 言いかけるマイトに向けて、フォースがフォースファンネルを飛ばして包囲。一斉にビームを放った。

 マイトが全身から光を発して、ビームをすべて吹き飛ばした。

「我々がいることを忘れるな!」

「お前はオレたちが確実に倒す!」

 フォースとゼットが言い放って、アキトたちと並び立った。

「オレたちもみんなと一緒に本領を発揮するぞ!」

 蓮斗が呼びかけて、悠馬たちが頷いた。

「次はこの力を掛け合わせていこう!」

 新平がコンピューターを操作して、新たなアイコンを表示した。

「きっと新しく加わった力・・これに賭けてみましょう!」

 モモがデータの確認をして、蓮斗たちが賛同した。

「行くぞ!レンジャーフォース!」

 蓮斗がそのアイコンにタッチした。

“メガフォース!”

 元の姿に戻ったスーパーフォースロボの胴体が、虹色の輝き始めた。その輝きが宿って、胴体も虹色になった。

「スーパーフォースロボ・メガフォース!」

 蓮斗たちが高らかに名乗りを上げる。スーパーフォースロボはゾフィー、仮面ライダーフォーゼ、電磁戦隊メガレンジャー、ガンダムF91の力を宿した「メガフォース」となった。

「今度はオレたちが行かせてもらう!」

 蓮斗が呼びかけてから、スーパーフォースロボがマイトに向かっていく。

「そのスピードでは私に攻撃を当てるどころか、私から逃げることもできないぞ。」

 マイトがため息をついてから、剣を振りかざした。その瞬間、スーパーフォースロボの姿がマイトの視界から消えた。

「いない!?・・まさかあのロボも、空間移動を・・!?

 スーパーフォースロボが発揮した能力に、マイトが緊張をふくらませる。彼は警戒を強めて、感覚を研ぎ澄ませる。

「そこだ!」

 マイトがスーパーフォースロボの気配を感じ取って、振り向きざまに剣を振りかざした。しかし切り裂かれたスーパーフォースロボは残像だった。

「何っ!?

 攻撃を外されたことに驚くマイト。

「スパイラルフォースサーベル!」

 その直後、スーパーフォースロボがマイトの右横に現れた。スーパーフォースロボがフォースサーベルを持つ手を回転させて、マイトへ振りかざした。

 後ろに下がったマイトだが、スーパーフォースロボが繰り出した斬撃の剣圧で、剣をはじき飛ばされた。

 スーパーフォースロボが光を発して、マイトに突っ込む。スーパーフォースロボはそのまま空高く上昇していく。

「フォースギャラクシーナックル!」

 スーパーフォースロボが回転させた両手のパンチを飛ばして、マイトを吹き飛ばす。スーパーフォースロボが加速して、マイトを抜いてさらに上昇した。

「フォースロケットドリル!」

 スーパーフォースロボが体を回転させて、マイトに向かって急降下する。パンチを跳ね除けたマイトの体に、スーパーフォースロボのきりもみキックが叩き込まれた。

「ぐうっ!」

 うめくマイトがスーパーフォースロボに押されて、地上に叩きつけられた。

 マイトが全身から光を放出して、スーパーフォースロボを引き離した。スーパーフォースロボが両手を戻して、再びフォースサーベルを手にした。

「次元を超えるほどに高められた力・・しかし、私をも脅かすまでに上がるなど、あり得ない・・・!」

 自分を上回るアキトたちに、マイトがいら立ちをふくらませていく。

「これが、オレたちの結束の力だ!」

「その力は、強くなればどんな壁も乗り越えられる!」

 蓮斗とハルキが感情を込めて、マイトに言い放つ。

「オレたちは次元を超えて、こうして出会って力を合わせている!」

「何度も世界を超えている人もいれば、オレたちみたいに初めてここを訪れた人もいる!」

「地球人だけじゃなく、動物も機械も宇宙人も、いろんな種族がいる!」

「でも心があるなら、僕たちは分かり合い、力を合わせることができるんだよ!」

 陽輝、飛羽真、介人、キオも自分たちの思いを口にする。

「種族も考え方も違う我々だが、同じ目的、同じ使命に向けて共闘することができる。」

「お前のように、支配や征服、破壊を企むヤツを倒すって目的がな!」

 フォースとゼットもマイトに言い放つ。マイトを倒して世界を守る。彼らの心は1つになっていた。

「私を超えることはできない・・まして、そんなことで私に勝つなど、なおのこと!」

 マイトが劣勢を認めようとせず、いら立ちをふくらませていく。

「いつまでも自惚れてるんじゃねぇぜ!テメェにもう勝ち目はねぇんだよ!」

「オレたちを敵に回した時点で、お前の負けは決まっているんだよ!」

 マーベラスと鎧がマイトに強く言い返す。

「お前はオレが、オレたちが倒す!」

 アキトも感情を込めて、マイトに向かって言い放った。アキトたちの意思は、マイトを倒すという共通の目的で、意識を1つにしていた。

「そこまで私に刃向かうか・・地球全てが、私に逆らうというならば・・!」

 憎悪をむき出しにしたマイトが、空へ飛び上がった。彼は上空で全身にエネルギーを集めていく。

「この地球そのものを破壊する!多くの地球人や動植物が滅び、たとえ生き延びても絶望に打ちひしがれることになる!」

 マイトが憎悪を強くして、アキトたちに告げる。

「アイツ、なんてどんでもないことを・・!」

「そんなこと、絶対にさせない!」

 ゼットが怒りをふくらませて、ハルキが阻止する決意を固める。

「光線でアイツの攻撃を打ち破り、キックでとどめを刺すんだ!」

 陽輝が呼びかけて、アキトたちが頷いた。

“烈火抜刀!メビュームインフィニティドラゴン!メビウース!”

 飛羽真が火炎剣烈火を聖剣ソードライバーに戻してトリガーを押して、再び引き抜いた。アキトもフォースドライバーの右のスイッチを上に上げて、レバーを閉じて引いた。

 アキトと飛羽真、そしてフォース、スーパーフォースロボ、ゼットが全身から光を発していく。

「ダークブレイカートレラシウム!」

「フューチャーフォースシュート!」

「M87・スーパーフォースシュート!」

「ソードラゴンフェニックス!」

「ファーストゼスティウム!」

 アキト、フォース、スーパーフォースロボ、飛羽真、ゼットがそれぞれ十字に組んだ両腕や武器から光線を発射して、1つになって飛んでいく。マイトも全身に集めた光を放出する。

 両者の光がぶつかり合って、まばゆい閃光が爆発のようにきらめいた。

「ど、どうなったんだ・・!?

 介人が目を凝らして、光の動きをうかがう。アキトたちの光がマイトの光を打ち破った。

「ぐっ!」

 マイトが光に包まれて、激しい衝撃に襲われる。彼は力を使い果して、動きを封じられた。

「体が動かない・・力が、入らない・・・!」

「みんな、今だ!」

 飛羽真が呼びかけて、アキトたちとともに大きくジャンプした。

「ダークブレイカーキック!」」

「フューチャーフォースキック!」

「フォースロケットドリル!」

「光刃蹴撃破!」

「ゼスティウムキーック!」

 アキト、フォース、スーパーフォースロボ、飛羽真、ゼットが上昇しながら、エネルギーを集めた足を突き出した。

「ぐあぁっ!」

 マイトがアキトたちのキックを体に受けて、絶叫を上げる。彼はそのまま上昇して、大気圏を突破して宇宙を突き抜けていく。

 そしてアキトたちとマイトは太陽の近くまで飛んできた。

「はっ!」

 アキトたちが足に力を込めて、キックの圧力でマイトを蹴り飛ばした。

「ああぁぁぁっ!」

 マイトが太陽に落とされて、灼熱の炎に焼かれていく。

「私の思い通りにならないものはない・・私が負けるなど、絶対にあり得ん!ぐああぁぁぁっ!」

 自分が絶対だと思い込み、負けを認めようとしないマイト。彼が絶叫を上げて、太陽の炎の中に消えた。

 その瞬間にきらめいた太陽のまばゆい光を見届けてから、アキトたちは地球へ戻っていった。

 

 介人たちの待つ地球に、アキトたちが戻ってきて着地した。アキトと飛羽真の体が元の大きさに戻った。

 蓮斗たちもスーパーフォースロボから降りてきて、アキト、飛羽真とともに変身を解いた。フォースとゼットも変身を解いて、陽輝とハルキがナツたちの前に現れた。

「陽輝くん・・・」

「ナツ・・みんな・・・」

 ナツと陽輝が互いを見つめ合って、戸惑いを感じていく。

「あなたがフォースだったなんて・・・ずっとあなたに助けられていたなんて・・・」

「オレもフォースも助けられたよ・・フォースガンダムや別の世界のみんなだけじゃない。ナツたちGフォースにも・・」

 互いに感謝を口にすると、ナツが陽輝に寄り添ってきた。

「おー!2人とも大胆な・・!」

「ギン、はしゃいだら失礼だよ・・」

 喜んでにやけるギンに、イズルが注意を投げかける。

「みんながいたから、オレたちは強くなれたし、この地球を守ることができた・・ナツ、ギン、イズル、アキト、みんな・・・」

 陽輝がナツたちやアキト、ハルキたちを見渡して感謝した。

「オレたちも世界の広さを知ることができたッス!助けられたのは、オレたちも同じッスよ!」

「この戦いで、オレもより希望を伝えられると確信しています。剣士としても、小説家としても。」

 ハルキと飛羽真もハルキたちに礼を言う。彼らもまだ見ぬ世界との邂逅に、感動と幸せを感じていた。

「だから世界はまだまだ広い。だからオレたちの旅はまだまだ終わらねぇんだよ。」

 マーベラスがこれからの旅を予感して、笑みをこぼす。

「オレたちの未来もこれからも続いていく。」

「僕たちの可能性もまだまだ大きく広いですよ。」

 ガイとリクも未来のことを考えて、期待と好奇心を抱く。

「その未来をつかむには、勇気ある者、勇者になる必要がある。」

「勇気と友情が、無限の未来を切り開くことになる。」

 郷とメビウスも陽輝たちに激励を送る。

「力と技、そして団結。」

「それがオレたちの真の強さなのだ。」

 1号とアカレンジャーも励ましを口にする。数々の戦いを乗り越えてきた彼らの言葉と意思が、陽輝たちの心に深く刻まれる。

「我々はそれぞれの道を進むことになるが、今回の戦いで結ばれた絆は、これからも途切れることはない。」

「その未来と絆を守るため、我々はこれからも戦い続ける。宇宙の平和を守るために。」

 ハヤタとゾフィーがこれからのことを口にする。

「お互いを信じ合う心があれば、悲劇を繰り返すことはなくなる。」

「私たちだけではなく、生きとし生ける者1人1人に言えることだ。」

 アムロとアカレッドも続けて言いかける。彼らの言葉を聞き入れて、陽輝たちは頷いた。

「では我々は行く。平和を脅かす敵がまだ暗躍しているはずだ。」

 ゾフィーが呼びかけて、ハルキたちが頷いた。ハヤタ、郷、ダイゴ、ミライ、ガイ、リクがウルトラマン、ジャック、ティガ、メビウス、オーブ、ジードとなって、ゼロも変身した。

「また会いましょう、陽輝、アキト、蓮斗・・!」

 ハルキが挨拶して、陽輝と握手を交わした。

“また会いましょう、フォース先輩。”

“あぁ、ゼット。”

 ゼットとフォースも挨拶を交わして、再会を約束した。

“ご唱和ください、我の名を!ウルトラマン、ゼーット!”

「ウルトラマン、ゼーット!」

 ゼットの掛け声に合わせて、ハルキが変身した。ゼットたちウルトラ戦士が頷き合ってから、飛び上がってそれぞれの宇宙へ進んでいった。

「さて、オレたちは休憩と食事を済ませたら、また旅立つとするか。」

「もう張り切りすぎてクタクタだよ〜・・」

 マーベラスが気さくに言って、ルカが深呼吸をして大きく肩を落とす。

「僕も疲れているけど、調理の手伝いをするよ。」

「オレも手伝わせてくださーい♪」

 ドンが笑みを見せて、鎧が意気込みを見せる。

「オレたちの束の間の休息ってヤツだね。」

「うん。ちょっと休んだらまた任務だね。でもこの任務をこなしたいって、私たちで決めたから。」

 悠馬が言いかけて、理穂が気を引き締めなおす。

「でも、今夜はパーティーになりそうね。」

「みんなで力を合わせたお祝いと、オレたちだけでこれから地球を守っていくっていう決意を固めるためのね。」

 モモと新平も今夜のことを気にして笑みをこぼす。

「みんなワンダーな団結を築いているな。」

「考え方も感じ方も違うけど、みんな輝いているね!」

 宝路が感心して、充瑠が感動する。

「みなさんの話、もっと詳しく聞きたいです!お願いします!」

 介人が充瑠たちに詰め寄って、目を輝かせてきた。

「力と技と団結、それがスーパー戦隊、いや、大切なものを守る戦士たちの強さだ。」

「君たちの信じる道を進んでいけ。マーベラスも、介人も、蓮斗も。」

 アカレンジャーとアカレッドが蓮斗たちに呼びかけた。

「アンタもアンタの道を進むのか、アカレッド・・」

「あぁ。私も君も赤き海賊団ではない。私は赤の魂とスーパー戦隊の意思を胸に秘めて戦う。これからも現れるだろう、戦士たちを見届けながら・・」

 マーベラスが声を掛けて、アカレッドが自分の考えを伝える。

「そうか・・またな、アカレッド。」

 マーベラスが別れを告げて、アカレッドはアカレンジャーとともに去っていった。

「これからは君たちの時代になる。だが私も他の戦士たちも、陰ながら君たちの助力をしていくつもりだ。」

 1号がアキト、飛羽真、或人に歩み寄って、自分の意思を伝える。

「君たちにできないことを我々がやろう。だが我々にできないことを君たちがやってくれ。」

「はい!」

 1号からの激励に、飛羽真と或人が答えた。

「他のヤツができないことを、オレたちが・・オレが・・・」

 自分のやるべきことがあると、改めて思ったアキト。しかし彼の中にあったのは野心ではなく、地球を正そうとする意思だった。

 1号はアキトたちに頷くと、バイク「サイクロン」を呼び出して乗って、走り去っていった。

「僕は今日は休んで、明日帰るつもりです。」

「オレたちもだ。機体のチェックもしておきたいし。」

 キオとシンも自分の考えを伝えて、ルナマリアも頷いた。

「オレたちもそうするか、ティファ、パーラ。」

「うん・・」

「OKだよ。」

 ガロードが呼びかけて、ティファとパーラが頷いた。

「陽輝、君たちの上官から許可をもらいたいんだが・・」

「はい。すぐに連絡します。」

 アムロが滞在の許可を求めて、陽輝がトウジに連絡を取った。

(オレが守ったのか・・この地球を・・この世界を・・・)

 自分が今回したことに、アキトは複雑な気分を感じていた。

 

 

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