ザ・グレイトバトル
-真の強さ-
第13章
セブンとともにアキトたちのところへ駆けつけた介人は、ゼンカイザーに変身した。
「お前もスーパー戦隊の1人だったのか!?ワンダービックリだぞ!」
宝路も介人に対して驚きを見せる。
「また新人が出てきたか!面白れぇ!お前の力、見せてもらうぜ!」
「あの2人が悪の怪人ですね!オレも全力全開で行かせてもらいます!」
笑みをこぼすマーベラスに、介人が意気込みを見せる。
「オレも持てる力を振り絞るぞ!」
飛羽真が介人の隣に来て声を掛ける。
「頼む・・オレに力を貸してくれ・・・!」
“プリミティブドラゴン!”
飛羽真がワンダーライドブック「プリミティブドラゴンワンダーライドブック」を取り出して、その力を信じる。
“ブレイブドラゴン、ゲット!”
彼は聖剣ソードライバーに火炎剣烈火を収めてから、ブレイブドラゴンワンダーライドブックを装てんしたプリミティブドラゴンワンダーライドブックを、聖剣ソードライバーにセットした。
“烈火・抜刀!”
彼が聖剣ソードライバーから火炎剣烈火を引き抜いた。
「変身!」
“バキ・ボキ・ボーン!ガキ・ゴキ・ボーン!プーリーミーティーブ・ドラゴーン!”
セイバーの装甲が骨とも牙ともいえる青白いものとなった。飛羽真はセイバーの強化形態「プリミティブドラゴン」となった。
「おー!すごーい!これが仮面ライダーっていうのかー!」
介人が飛羽真の変身を見て、さらに感動する。
「新たな戦隊戦士と、セイバーのさらなる変身・・厄介なことになったか・・!」
「だが何人出てこようと、勝つのは我々だ!」
ヒルカメレオンが介人と飛羽真を警戒して、ザリガーナがいきり立つ。
「行くぞ!」
介人が掛け声を上げて、飛羽真とともにザリガーナたちに向かって走り出す。ヴェイガンギアが放ったビームが飛び込むが、介人たちはその爆発をものともせずに突き進んでいく。
さらにビームを撃とうとしたヴェイガンギアだが、飛び込んだセブンが組み付いて射撃を阻止した。
飛羽真がヒルカメレオンに、介人がザリガーナに立ち向かう。
飛羽真が火炎剣烈火を振りかざして、ヒルカメレオンを切りつけた。追い込まれたヒルカメレオンが、飛羽真の前から姿を消した。
「カメレオンのように姿が消せるのか・・!」
飛羽真が周りを見回して、ヒルカメレオンの行方を追う。ヒルカメレオンは姿を消したまま、ゆっくりと飛羽真に近付いていく。
(もらったぞ、仮面ライダー!)
勝利を確信したヒルカメレオンが、左手を飛羽真目がけて振りかざした。
その瞬間、セイバーの装甲にある爪「ボイドタロン」が体から離れて、鞭のように動いて背後のヒルカメレオンの左手に当たった。
「ぐおっ!」
ヒルカメレオンがダメージを負って、姿を現した。
「バカな!?・・オレの居場所が分かっていたというのか・・!?」
「姿を消せても気配までは消せない・・動くときの音も完全には・・」
驚くヒルカメレオンに飛羽真が言い返す。彼が火炎剣烈火を振りかざして、ヒルカメレオンが切りつけられて突き飛ばされた。
一方、介人もザリガーナと激しい攻防を繰り広げていた。
「くらえ!」
ザリガーナが目から光線を発射する。光線が地面に当たった爆発に、介人が耐える。
介人がギアトリンガーを構えてトリガーを引いて、ビームを連射する。ザリガーナが身構えて射撃に耐える。
「おのれ、ゼンカイザー・・これならどうだ!」
ザリガーナが口から発火性の泡を吐き出した。前方に爆発が起こって、介人はザリガーナに近づくことができない。
「これじゃ火あぶりだ!あの泡と火の届かない空へ・・!」
打開の糸口を探る介人が、別のセンタイギアを取り出した。動物戦隊ジュウオウジャーのセンタイギアである。
「野生解放!」
介人がギアトリンガーにセットされているゼンカイザーのセンタイギアと、ジュウオウジャーのセンタイギアを入れ替えた。
“40バーン!”
彼はギアトリンガーのハンドルを回して、トリガーを引いた。
“ババン・ババン・ババン・ババン・ババババーン!ジューオージャー!”
ゼンカイザーのスーツから赤いワシの翼が生えた。介人はジュウオウジャーのジュウオウイーグルの力を宿したのである。
羽ばたいた介人が空高く跳び上がって、泡と炎を飛び越えた。
「何っ!?」
驚いて見上げるザリガーナに向かって、介人が急降下してきた。彼の突撃でザリガーナが突き飛ばされた。
「悪の怪人、お前たちの企みは、オレたちが止める!」
介人が言い放つと、ギアトリンガーからジュウオウジャーのセンタイギアを外して、再びゼンカイザーのセンタイギアをセットして、ハンドルを回した。
“ヒーロー!スーパーゼンカイターイム!”
“ゴッゴー!バンバン!・・”
彼が構えたギアトリンガーにエネルギーが集まっていく。
「ゼンカイフィニッシュバスター!」
“ダーイゼンカーイ!”
ギアトリンガーから放たれた光が、ゼンカイジャーのマークの形となって、ザリガーナに落下した。
「ギャアッ!」
ザリガーナが光を浴びて絶叫を上げる。
「これで終わったと思うな!オレはまた必ず復活してみせるぞー!」
爆発の中で断末魔を上げて、ザリガーナは消滅した。
「ザリガーナ!・・おのれ、ゼンカイザー!」
ヒルカメレオンが介人に対して怒りを覚える。
「お前もここで終わりだ!」
“グラップ必殺読破!”
飛羽真がヒルカメレオンに呼びかけてから、火炎剣烈火を聖剣ソードライバーに収めて、プリミティブドラゴンワンダーライドブックの表紙を押し込んだ。
“烈火・抜刀!”
彼が引き抜いた火炎剣烈火に、エネルギーが集まる。
“クラッシュ必殺斬り!”
飛羽真がプリミティブドラゴンの左手を呼び出して、ヒルカメレオンをつかんで引き寄せた。
「ぐおっ!」
うめくヒルカメレオンに向けて、飛羽真が逆手に持った火炎剣烈火を振りかざした。竜の爪を思わせる斬撃が、ヒルカメレオンを切りつけた。
「ギェー!・・よくぞ我らを倒した、セイバー・・だが、貴様たちに待ち受けている地獄は、ここからだぞ・・・!」
ヒルカメレオンが絶叫を上げて、倒れて爆発を起こした。
「よし。こっちは終わった・・ありがとう、介人。」
「いやぁ、みんなと一緒に戦えて光栄だよ、飛羽真!」
飛羽真と介人が共闘をたたえて、軽くて腕を当てて結束を分かち合った。
「後はあの巨大なメカだけど・・・!」
「それならセブンさんが・・!」
ヴェイガンギアのことを気にして、飛羽真と介人がセブンのいるほうへ振り向いた。
ヴェイガンギアに単身立ち向かうセブン。ヴェイガンギアが連射するビームを、セブンは素早くかわしていく。
セブンがアイスラッガーを投げるが、ヴェイガンギアのビームによってはじかれる。さらにビームを当てられて、セブンは吹き飛ばされて倒れた。
迫るヴェイガンギアと、立ち上がって構えを取るセブン。
そのとき、セブンの額にあるビームランプから4つの光が出てきた。
「お前たち・・私とともに戦おうというのか・・・」
左手の上に乗った光を見て、セブンが呟く。
「よし!行け、ウィンダム、ミクラス、アギラ、セブンガー!」
セブンが解き放った光の中から、4体の怪獣が現れた。3体のカプセル怪獣、ウィンダム、ミクラス、アギラ、そして怪獣ボールの怪獣、セブンガーである。
ミクラス、アギラ、セブンガーがヴェイガンギアに向かって前進する。ヴェイガンギアがミクラスたちに向けて、ビームを一斉に放つ。
ミクラスとアギラはビームを当てられてスピードを落としたが、セブンガーはものともせずに前進を続ける。ヴェイガンシドは翼をはばたかせて、空へ飛び上がった。
ウィンダムが額からビームを発射した。セブンも同時にビームランプから「エメリウム光線」を発射した。
ヴェイガンギアが光線を当てられて、体勢を崩して地上に落下した。そこへミクラスとアギラが組み付いてきて、ヴェイガンギアの両翼をつかんで押さえた。
そこへセブンガーが飛び込んで、連続でパンチを繰り出した。ヴェイガンギアが殴られて、胴体から火花が散る。
さらにセブンガーが頭から突撃して、ヴェイガンギアを突き飛ばした。
そこへセブンがアイスラッガーにエネルギーを込めて飛ばす「ウルトラノック戦法」を使用。放たれたアイスラッガーがヴェイガンギアの翼を切り落とした。
アイスラッガーを戻したセブンが、両腕をL字に組んで光線「ワイドショット」を発射した。セブンガーたちも各々の光線を一斉に放った。
セブンたちの集中砲火を浴びたヴェイガンギアが、倒れて爆発した。
「よくやったぞ、ウィンダム、ミクラス、アギラ。これからも頼むぞ、セブンガー。」
セブンがセブンガーたちに称賛を送る。セブンガーたちが喜んで、頷いたり雄叫びを上げたりしていた。
ザリガーナたちが倒れ、ヴェイガンギアも破壊されたことを、マイトは目の当たりにした。
「陽輝たちも時期に来る。さすがのお前も多勢に無勢というところか。」
アキトがマイトに対して笑みをこぼす。飛羽真たちもマイトの前に駆けつけた。
「全ては余興だ。ただお前たちを倒して全世界をものにしたのではつまらないからな。」
マイトは追い詰められたとは思っておらず、笑みを絶やしていなかった。
「お前たちに教えてやるぞ。一騎当千というものを。」
マイトが全身から不気味な光を発すると、高速で動き出した。
「うあっ!」
アキトたちがマイトの突撃でダメージを受けて、スーツや装甲から火花が散る。
「くっ!・・素早くてパワーもすごい・・!」
「一騎当千というのは、伊達ではないということか・・・!」
或人とジョーがマイトの強さを痛感して毒づく。
「今のは準備運動のようなものだ。ここからもっと調子を上げていくぞ。」
マイトが振り返って、再び高速で突っ込んできた。アキトも高速で動いて、マイトを迎え撃つ。
「すごい・・目にも留まらぬスピードだ・・!」
「これじゃ、どっちが優勢なのか分からないぞ・・!」
飛羽真と宝路がアキトとマイトのスピードに驚く。
「なかなかやるな。ならばオレも本気になるとしよう・・!」
マイトが目を見開いて体から発している光を強くした。光は彼をまとう装甲となり、その姿は白と黒を織り交ぜた禍々しい形となっていた。
「今のお前では私には敵わないぞ。」
マイトがさらに加速して、アキトの視界から消えた。
「ぐっ!」
次の瞬間、アキトが激痛を覚えてその場に膝をつく。
「ど、どうした!?いきなりノックアウトしたぞ!」
バルキがアキトの異変に驚く。イカリもナクリもアキトに対して目を疑っていた。
「1発だけではない・・複数の攻撃が・・それも同時に・・・!」
アキトが痛みに耐えながら、マイトの攻撃の正体を探る。
「これはスピードを上げただけではない。空間を超えているのだ。」
マイトがアキトの眼前で止まって、自分の力を語っていく。
「空間を超えているだと!?・・それで同時攻撃を可能にしたのか・・!?」
「そうだ。いくら高速でも、空間を超えての攻撃にはさすがに追いつけないぞ。」
驚くアキトに勝ち誇るマイト。
「つまり、他のヤツにも私を止めることはできない。お前たちに勝ち目はない。どれだけ束になろうと。」
「なめるなよ。オレたちに勝てると思い込んでいる自惚れごと、てめぇをブッ飛ばしてやるぜ!」
笑い声を上げるアキトに言い返して、マーベラスがゴーカイガンを構えた。
「海賊らしくはあるが、無謀であることに変わりはない。」
笑みを絶やさないマイトに、マーベラスがゴーカイガンを発射する。次の瞬間にマイトがマーベラスの背後に回り込んだ。
後ろを狙われると予測していたマーベラスが、迎撃を考えていた。だがその瞬間に彼に強い衝撃が立て続けに襲った。
「お前もこれで思い知っただろう。これが次元を超えた攻撃だと。」
倒れていくマーベラスを見下ろして、マイトが勝ち誇る。
「マーベラス!」
「お前の相手はオレだぞ!」
ジョーが叫び、アキトがマイトに向かっていく。セブンも光弾「ハンディショット」をマイト目がけて放った。
マイトはセブンの攻撃もかわして、アキトに詰め寄った。
「来るのが分かっているなら・・!」
アキトがフォースドライバーの右のスイッチを上に上げて、レバーを閉じてまた引いた。彼の体から大量の光の矢が出た。
「アークフォースフルバースト!」
アキトの意思に呼応した光の矢から一斉にビームを発射した。しかしマイトは次元を超えて、一斉放射をも回避してみせた。
アキトが再びフォースドライバーの右のスイッチを上に上げて、レバーを閉じて引いた。
「アークフォースキック!」
エネルギーの光が集まった右足を、アキトがマイトの気配を頼りに振りかざした。その足先で火花が散った。
その直後にアキトが体中に衝撃を覚えて、体勢を崩した。
「次元の先を読んでくるとは、さすが仮面ライダーフォースというところか。」
マイトがアキトの前に現れて、笑みをこぼす。
「つい本気で攻撃してしまった・・もう少し楽しみたいと思っていたが・・・」
「アキト!」
そこへフォースたちが駆けつけて、マイトの前に降り立った。
「セブン師匠!あなたもこの地球に来ていたんですね!」
ゼットがセブンたちを見て、喜びを見せる。
「他のウルトラマンやモビルスーツも来たか。私の巨大な分身をけしかけるか。」
マイトがフォースたちを見上げて、体からの光をふくらませて1つにしていく。光は機械的な体をした巨人となった。
「あ、あれは!?」
「私の分身、名付けて“マインダー”。私の意識と共有して、力を発揮する。」
ハルキが驚きを見せて、マイトが意識を傾けて巨人、マインダーを操作する。
「我々はヤツを止めるぞ!ただならぬ戦闘力を備えている!気を付けろ!」
ゾフィーが指示を出して、フォースたちがマインダーに目を向けた。
「オレたちもウルトラマンたちを援護するぞ!」
「はい!」
アムロが呼びかけて、シンとキオ、ナツたちが答えた。各モビルスーツも構えを取った。
「ゼスティウム光線!」
「フォースシュート!」
ゼットとフォースが同時に光線を放つ。マインダーは大きくジャンプして、光線をかわす。
「速い!」
陽輝が声を荒げて、マインダーが着地してフォースたちに振り向いた。
ウルトラマンとジャックが同時にスペシウム光線を発射する。マインダーが左手を伸ばして、光線を受け止めた。
マインダーが左手で取り込んだ光線のエネルギーを右手から放出した。
「まずい!よけろ!」
「ファイナルウルティメイトゼロ・トリニティ!」
オーブが呼びかけて、ゼロがダイナとコスモスの力を込めて、ウルティメイトイージスを撃ち出した。ウルティメイトイージスが光線を真っ二つに切り裂いて、マインダーに命中した。
ダメージを負ったマインダーだが、傷がすぐに回復した。
「回復力もハンパない・・!」
「一気に倒さなければならないということか・・!」
ジードとジャックがマインダーの能力に、危機感を覚える。
「オレたちも行くぞ!」
シンが言い放って、デスティニーがマインダーに突っ込んだ。デスティニーがアロンダイトをマインダー目がけて突き出した。
だがアロンダイトはマインダーの左手につかまれて、体から引き離された。
「何っ!?」
攻撃を止められたことに、シンが驚く。マインダーが右手を握りしめて、エネルギーを集める。
「危ない!」
キオが叫んで、AGE-FXがCファンネルを操作して、デスティニーを守る光の壁となった。マインダーが繰り出した打撃が、光の壁にぶつかった。
「ぐっ!」
打撃の威力を止め切れず、デスティニーが吹き飛ばされて、シンが衝撃に揺さぶられる。
「大丈夫ですか、シンさん!?」
「あぁ・・助かったよ、キオ・・!」
キオが心配の声を掛けて、シンが感謝する。ビームの刃をとっさに消したことで、デスティニーはアロンダイトを握ったままだった。
「アイツは完全に再生できるってわけじゃなさそうだ・・・!」
「あぁ。武器がいつまでも体に刺さっていれば、その部分はいつまでも再生できない。そこが突破口となるはずだ・・!」
シンがマインダーの弱点を見抜いて、ゼロが推測する。
「問題は、どうやって攻撃を突き立てられるかですね・・!」
「デスティニーのスピードとパワーでも止められたくらいだ・・それ以上の力を発揮しなければ、攻撃は通らない・・!」
ジードとアムロがマインダーの力を前に、緊張をふくらませていく。
「フォースアーマーを使おうとしても、ファーストアーマーでもデスティニーアーマーでも・・・!」
陽輝がフォースブレスを見つめて、フォースアーマーの可能性を模索する。
マインダーが両手を前に出して、稲妻のような光線を発射した。眼前で爆発が起こって、フォースたちが揺さぶられる。
「早くしなければ時間がなくなるぞ・・!」
「そうなる前に速く叩きます!」
ヒカリが注意を口にすると、ゼットがマインダーに向かっていって、ベリアロクを振りかざす。マインダーは大きくジャンプして、ベリアロクの一閃をかわした。
「このオレ様の刃をかわすとは、いい度胸しているな、アイツ・・・!」
ベリアロクがマインダーに対して、いら立ちを込めた笑みをこぼした。
「だったら全力全開で行くッスよ!」
ハルキが言い放ってから、ベリアロクのトリガーを3回押した。ゼットの持つベリアロクにエネルギーが集まる。
「デスシウムスラッシュ!」
ゼットがマインダーに詰め寄って、ベリアロクをZの形に振りかざす。体を切りつけられたマインダーだが、すぐに再生を始める。
「みんな、一斉攻撃だ!」
「オレたちも援護だ!」
ウルトラマンが指示を出して、ギンも呼びかける。
フォースたちが交戦を同時に発射して、Gパニッシャーたちとインパルス、νガンダムとAGE-FXもビームライフルを発射する。
その瞬間にマインダーが体の傷を消して、両手で光線を受け止めて吸収した。
「そんな!?」
光線のエネルギーを集中させるマインダーに、ハルキが驚きを隠せなくなる。マインダーがその光をフォースたちに向けて放出した。
「うわあっ!」
フォースたちが光の爆発で吹き飛ばされて、次々に倒れていく。Gパニッシャーが破損して、倒れて動かなくなった。
「陽輝!みんな!」
アキトがフォースたちを見て声を荒げる。フォースたちの変身が解けて、ゾフィーとヒカリが残った。
「よそ見をしている余裕は、お前たちにはないぞ。」
マイトが右手を振りかざして、閃光を放出した。
「うあぁっ!」
アキトたちが吹き飛ばされて、激しく地面を転がる。彼らも力尽きて、変身が解けた。
「お前たちが私に勝つ要素はない。まして体力を消費していたならなおさらだ。」
マイトがため息まじりに言って、アキトに近づいていく。
「戦士の力を集約する戦士。お前も全ての世界を束ねることができるはずだ。」
「貴様・・オレを仲間にしようというのか・・!?」
引き入れようとするマイトに、アキトがいら立ちを覚える。
「お前もかつてはこの地球を粛清しようとした存在。お前ならこの地球や宇宙だけでなく、他の世界も思い通りにできるだろう。」
アキトが全世界を掌握できると考えるマイト。アキトが力を振り絞って立ち上がる。
「オレが世界を思い通り・・・だが、そのオレも、お前の思い通りになるということだろう・・・?」
アキトがマイトに言い返して、嘲笑をこぼす。
「オレが地球に粛清しに来たのは、支配や破壊が目的ではない・・お前のように、何もかも自分の思い通りにしようとする連中を粛清し、世界を正すためだった・・・!」
今までの自分の考えと行動を語っていくアキト。
「今は陽輝の言葉を聞いて様子見をしているが、愚かさが正せなければ、オレはまた粛清を行うつもりだ・・それはオレの意思。お前のようなヤツにいいようにされるつもりはない・・!」
「アキト・・お前・・・!」
アキトの意思を聞いて、戸惑いを感じていく陽輝。陽輝も力を振り絞って、ゆっくりと立ち上がる。
「地球の上層部は私と同じ支配欲の持ち主かもしれない。そう言いたいのか?だから私も敵だと思っていると・・」
マイトがアキトに呆れて肩を落とす。
「支配しようと企むヤツは、オレたちにとっても敵だ・・!」
蓮斗も悠馬たちとともに立ち上がって、マイトに鋭い視線を向けてきた。
「自分の目的のために、他の人を傷付けて平気な顔をする・・そんなヤツに、これ以上いいようにされてたまるか!」
「身の程知らずだな・・やはり愚かな生き物は、私が支配しなければ愚かな道を進み続ける・・・」
自分たちの意思を言い放つ蓮斗に、マイトがため息をつく。
「うっさい、バーカ!・・アンタの思い通りになるほど、あたしたちは落ちぶれちゃいないよ!」
ルカも立ち上がって、マイトに言い放つ。
「あなたのような人は、一国一城の主、星や世界のトップにはふさわしくありません!」
「どの世界にも、お前の居場所はないよ!」
「ここからは逃がしはしない・・オレたちがお前を倒す!」
アイム、ドン、ジョーも続けてマイトに言い放つ。
「マイト、お前の1番の間違いは、オレたちを敵に回したことだ!」
「テメェのような気に入らねぇヤツは・・!」
「力の限りぶっ潰す!」
鎧とマーベラスも言い放って、ジョーたちと声をそろえた。彼らは諦めずにマイトに挑戦状を叩きつけた。
「諦めていないのはオレたちも同じだ・・オレもフォースも、まだまだ戦える・・!」
陽輝もマイトに言って、フォースブレスに目を向けた。
「フォース、力は残っているのか・・・!?」
“ダメだ・・力を使い果して、君は私に変身することもできない・・ゼットたちも同じ状態だ・・・”
陽輝が問いかけて、フォースが自分たちの状態を伝える。
「どうすれば・・どうすればまた戦えるんだ・・・!?」
陽輝が焦りを悔しさを噛みしめて、両手を強く握りしめる。
「フォース、ゼット、君たちに、我々の残された力を託す・・・」
ウルトラマンの人間態であるハヤタが、陽輝とハルキに声を掛けてきた。
「お前たち2人なら、我々の力を集約し、活路を切り開けるはずだ・・・」
「マイトを倒し世界を守るには、これしかない・・!」
セブンのモロボシ・ダン、ジャックの郷秀樹も陽輝たちに自分たちの力を託すことを決める。
「しかし、それだとみなさんが・・!」
「オレたちがやられたら、世界を守るヤツがいなくなってしまうんだぞ!」
心配するハルキに、ゼロが檄を飛ばす。
「君たちなら、みんなを守る希望の光を出せるはずだ・・!」
「君たちの中にも、力だけでなく、優しさが込められた強さがあるのを知っている!」
ティガのマドカ・ダイゴ、コスモスの春野ムサシも陽輝たちを励ます。
「オレたちの力を、お前たちに貸すぞ!」
「頼みます、2人とも、ゼット、フォース!」
ガイとリクも2人に信頼を送っていた。
「君たちだって諦めなければ、不可能を可能にできるはずだよ・・!」
「だから諦めるな・・どんなことがあっても・・!」
メビウスのヒビノ・ミライ、そしてヒカリも呼びかける。
「みなさん・・・押忍!」
「ありがとうございます、みなさん・・お願いします!」
ハルキがリクたちに答えて、陽輝が感謝した。陽輝がフォースブレスを着けている左腕を構えて、ハルキがウルトラゼットライザーを手にした。
「我らの力を、フォースとゼットに集めるぞ!」
ゾフィーが呼びかけて、リクたちが意識を集中して、陽輝とハルキに手を伸ばす。彼らが力を振り絞って、2人にエネルギーを送る。
「ムダなことを・・だがただ待っているのも面白くない。邪魔はさせてもらおうか。」
マイトがけしかけて、マインダーが陽輝たちに近づいてくる。しかしゾフィーとヒカリは陽輝たちにエネルギーを送り続けていて、ミクラスたちもダメージが大きく動けない。
「こんなところで・・倒れるわけにいくか・・・!」
シンが反撃しようとするが、デスティニーがすぐに立ち上がれない。
「ここは私たちに任せてちょーだい!」
そこへナクリがバルキたちとともに出てきた。
「今こそオレの見せ場じゃなイカー!」
「ジョリー、ミーたちもいくぜー!」
イカリも意気込みを見せて、バルキが呼びかける。3人とジョリーが巨大化して、マインダーの前に立ちはだかった。
「あの宇宙人たち、僕たちを守るために・・・!」
「何もできないままでいられるかよ・・動け!動いてくれ、Gパニッシャー!」
イズルが戸惑いを感じて、ギンがGパニッシャーを動かそうとする。しかしどのGパニッシャーも損傷していて、彼らの操作を受け付けない。
「ムダなあがきを・・」
マイトがバルキたちを見上げてあざ笑う。
「それはどうかな!」
そのとき、3人の男が現れて、マイトの行く手を阻んだ。
「あーっ!あなた方はー!」
鎧が男たちを見て感動の声を上げる。
「オレは、仮面ライダー1号!」
「アカレンジャー!」
「赤の魂を受け継ぐ者、アカレッド!」
1号ライダー=本郷猛、アカレンジャー=海城剛、アカレッドが名乗りを上げた。陽輝たちの援護のため、3人も駆けつけたのだった。