ザ・グレイトバトル
-真の強さ-
第6章
出現したゼットンとパンドンの前に、ガイが変身したオーブが立ちはだかった。
ゼットンとパンドンが火の球を放った。オーブが手を振りかざして、火の球をはじく。
オーブがゼットンに向かっていって、パンチを繰り出していく。しかし強力な戦闘能力を誇るゼットンは、オーブの攻撃を受けてもものともしていない。
パンドンが後ろから火炎を吐いてきた。オーブがとっさに横に動いてかわして、ゼットンがバリアを張って火炎を防ぐ。
さらにゼットンはパンドンの火炎のエネルギーを集束させて、オーブに向かって波状の光線を放つ。オーブはジャンプして光線をかわして、ゼットンに急降下のキックを当てた。
パンドンが火炎を吐いて、オーブが火の海に囲まれた。
「これでオレの動きを封じたつもりか・・!」
ガイが言い放ってから、2枚のウルトラフュージョンカードを取り出した。タロウとウルトラマンメビウスのカードである。
「タロウさん!」
“ウルトラマンタロウ!”
「メビウスさん!」
“ウルトラマンメビウス!”
彼がタロウとメビウスのカードをオーブリングにリードする。
「熱いヤツ、頼みます!」
“フュージョンアップ!”
ガイがオーブリングを高く掲げる。
“ウルトラマンオーブ・バーンマイト!”
オーブの姿にも変化が起きた。赤のメインカラーをしていて、頭には2つの角「ウルトラホーン」が生えていた。
オーブはタロウとメビウスの力を宿した姿「バーンマイト」に変わった。
「紅に燃えるぜ!」
オーブが高らかに言い放って、熱気と闘志を放つ。
オーブは炎の海をものともせずに突っ切って、炎をまとった右手のパンチを繰り出した。体にパンチを受けて、パンドンが突き飛ばされた。
バーンマイトは攻撃力と炎に特化した姿で、パンドンの炎も自らの動力源にしていた。
ゼットンがオーブに向かって火球を放った。オーブはジャンプして火球をかわして、空中で体を回転させてからキックを繰り出した。ゼットンが頭部にキックを当てられて押される。
その瞬間にオーブがパンドンに振り返る。突撃するパンドンに対して、オーブが全身から灼熱の炎を発した。
「ストビュームダイナマイト!」
オーブが燃えたまま駆け出して、パンドンに激突した。彼の炎の爆発に巻き込まれて、パンドンが燃え尽きた。
戻ってきたゼットンに、オーブが振り返った。
「オーブ!」
シンのデスティニーがルナマリアのインパルスとともにオーブに合流した。
「シン、ルナマリア、お前たちもこの世界に来ていたのか。」
「はい。しかも、私たちにとって厄介な相手も現れたんです・・」
ガイが声を掛けて、ルナマリアが事情を話す。
「モビルスーツパイロットも復活しているのか・・ますます厄介になってきているな・・」
ガイが現状に危機感を覚える。
「さすがだな、ウルトラマンオーブ。」
そこへ2人の宇宙人がオーブたちの前に現れた。
「ゼットン星人、バット星人、お前たちがゼットンたちを操っていたのか!?」
オーブが2人の宇宙人、変身怪人ゼットン星人ガメオ、触角宇宙人バット星人テンナーを問い詰める。
「その通り!我らはこの宇宙を支配するため手を組んだのだ!」
「ゼットンを強化して、我々の障害となる存在を排除する。それが我々の目的だ。」
ガメオとテンナーがオーブたちに自分たちの企みを語る。
「パンドンは倒されてしまったが、このゼットンを侮れば後悔することになるぞ!」
ガメオが言い放って、ゼットンがオーブたちに向かっていく。
デスティニーとインパルスがビームライフルを発射する。ゼットンがテレポートをしてビームをかわした。
「やはりゼットン・・パワーだけじゃなく、スピードもある・・・!」
ガイが毒づいて、後方に現れたゼットンにオーブが振り向いた。
「ここはスピードで確実に攻撃を当てていく方がいい・・!」
判断を下したガイが、新たに2枚のウルトラフュージョンカードを取り出した。
「ジャックさん!」
“ウルトラマンジャック!”
「ゼロさん!」
“ウルトラマンゼロ!”
ガイがウルトラマンジャックとゼロのカードをオーブリングにリードさせる。
「キレのいいヤツ、頼みます!」
“フュージョンアップ!”
彼がジャックとゼロの姿と力を宿す。
“ウルトラマンオーブ・ハリケーンスラッシュ!”
オーブが青い姿へと変わる。彼はスピード重視の姿「ハリケーンスラッシュ」になった。
「光を超えて、闇を斬る!」
オーブが名乗って、頭にある刃から光の刃「オーブスラッガーショット」を2本放った。ゼットンがバリアを張って、オーブスラッガーショットをはじいた。
ゼットンがまたテレポートをして、オーブも高速で動き出した。両者が目にも留まらぬスピード戦を繰り広げていく。
「おのれ、オーブ!すばしっこく!」
いら立ちをふくらませたガメオがテンナーから離れていく。
「オレたちもオーブを援護するぞ!」
シンが言い放って、デスティニーがオーブの援護に向かう。
そのとき、デスティニーの行く先に光線が飛び込んできた。シンが反応し、デスティニーが光線を回避した。
デスティニーの行く手を阻んできたのは、銀と赤と青の体をした1人の巨人。
「ゼロ・・ウルトラマンゼロだ・・・!」
「でも、どうしてゼロが私たちの邪魔をするの!?」
シンとルナマリアがゼロの出現に声を荒げる。
「いや、あれはゼロじゃない・・ゼロに化けているつもりだろうが、微妙に姿が違う・・・!」
シンがゼロが偽者だと見抜いて、デスティニーがビーム砲を発射した。ビームをかわしたゼロが、ガメオの正体をあらわにした。
「なぜオレの変身がばれた!?透視能力でも持っているのか!?」
ガメオがシンに見破られたことに驚く。
「ゼロそっくりに化けても、本物が敵の味方をするわけがない・・たとえ本物がオレたちに攻撃してきたとしても、オレは黙ってやられるつもりはない・・!」
「シン・・・」
自分の考えを口にするシンに、ルナマリアが戸惑いを覚える。たとえ本物同士のすれ違いや衝突が起こるとしても、戦いを諦めて相手に屈する選択肢は選ばないと、シンは心に決めていた。
「おのれ・・愚かしい人間のくせに・・!」
「愚かなのはお前のほうだ、偽者が・・!」
いら立ちをふくらませるガメオに声がかかった。振り返った彼の前に現れたのは、本物のウルトラマンゼロだった。
「何っ!?本物まで出てきたのか!?」
「オレに成りすましてだまし討ちをしようなんて、2万年早いぜ!」
動揺するガメオを指さして、ゼロが言い放つ。
ガメオが慌ててゼロたちから逃げ出していく。
「逃がすか!」
シンが言い放って、デスティニーが両肩からビームブーメラン「スラッシュエッジ」を手にして投げつける。ガメオが体をひねって、スラッシュエッジを紙一重でかわした。
「エメリウムスラッシュ!」
ゼロが額のビームランプから光線を発射して、ガメオに命中した。
「うあっ!」
ガメオが体勢を崩して地上に落下した。
「ワイドゼロショット!」
ゼロが両腕をL字に組んで光線を放つ。光線を浴びたガメオが、倒れて爆発した。
「ハァ・・悪賢い宇宙人だ・・」
ゼロがため息をついてから、デスティニーとインパルスに振り返った。
「ゼロも来ていたのか・・!」
「あぁ。空間の歪みを辿ってきたらここに来ていた。とんでもないことになっているようだな・・」
シンが声をかけて、ゼロが頷いた。
「後はあの怪獣と、操っている宇宙人ね・・!」
ルナマリアが言いかけて、オーブとゼットンの戦いに目を向けた。
「オーブスラッガーランス!」
オーブがオーブスラッガーショットから形成した槍「オーブスラッガーランス」を手にした。彼が振りかざすオーブスラッガーランスを、ゼットンがバリアを張って防いでいく。
オーブがオーブスラッガーランスを突き出して、バリアを貫いてゼットンに命中させた。
ゼットンに突き刺さっているオーブスラッガーランスのレバーを2回引いた。
「ビッグバンスラスト!」
オーブスラッガーランスから直接エネルギーを送り込まれて、ゼットンがダメージを増していく。
「ゼットン!」
テンナーが見かねて巨大化をして、後ろからオーブの背中に両腕を叩きつけた。
「うっ!」
オーブが体勢を崩して、オーブスラッガーランスがゼットンから離れた。
「ゼットン、1度出直すぞ!」
テンナーが呼びかけて、ゼットンとともにオーブの前から姿を消した。
「逃げられたか・・今は下にいるヤツらを止めるのが先だ・・」
オーブがデスティニーたちのほうへ振り返る。シンとルナマリアが頷いて、アキトたちのほうへ振り向いた。
蓮斗たちも陽輝たちがゴーカイレッドたちに苦戦しているのを目の当たりにした。
「あの戦隊、私たちの敵なのでしょうか!?・・みんなを襲うなんて・・・!」
モモがゴーカイレッドたちに動揺を感じていく。
「いや、あれは偽者だ。感情というか、人らしさが全く感じられない・・!」
悠馬がゴーカイレッドたちが本物でないことを感じ取る。
「オレたちも加勢するぞ!偽のゴーカイジャーをおとなしくさせて、それを操っているヤツも倒す!」
蓮斗が呼びかけて、悠馬たちが頷いた。彼らがスーパーフォースロボから降りて、ゴーカイレッドたちの前に降り立った。
「今度は僕たちが相手させてもらうよ。」
「あたしたちだって負けないんだからね!」
新平と理穂がゴーカイレッドたちに言い放つ。
「気を付けろ、蓮斗・・本物のゴーカイジャーじゃないが、強さは本物に負けているわけじゃない・・!」
陽輝が呼吸を整えながら、蓮斗に注意する。
「油断はしない。遠慮せずにあの6人を倒す!」
蓮斗が強気に言い放って、悠馬たちとともにゴーカイジャーに向かっていく。
「この世界のスーパー戦隊か。どれだけ強いか確かめさせてもらうよ。」
バスコが蓮斗たちを見て笑みをこぼす。ゴーカイジャーが蓮斗たちに狙いを変えた。
「フォースシューター!」
蓮斗たちがフォースシューターを手にして、ライフルモードにして発射した。しかしゴーカイジャーたちにゴーカイサーベルとゴーカイガンではじかれた。
「散開して別々に倒していくよ!」
「分かった!」
悠馬が呼びかけて、蓮斗が頷いた。
「フォースソード!」
「フォースバズーカ!」
「フォースアロー!」
「フォースアックス!」
「フォースロッド!」
蓮斗たちがそれぞれのフォースウェポンを手にして別れる。ゴーカイジャーも彼らを追っていく。
ゴーカイサーベルを2本手にしたゴーカイブルーを、悠馬がフォースバズーカで狙い撃ちしていく。
ゴーカイイエローがワイヤーで投げつけるゴーカイサーベルをかわして、理穂がフォースアローを発射する。
ゴーカイガンを連射するゴーカイグリーンに近付いて、新平がフォースアックスを振りかざす。
ゴーカイピンクの射撃を、モモがフォースロッドを回転させてはじいていく。
ゴーカイレッドの射撃をかわして、蓮斗がフォースソードをゴーカイサーベルとぶつけ合う。
そこへゴーカイシルバーが飛び込んで、ゴーカイスピアを振り下ろしてきた。蓮斗がゴーカイレッドを蹴りで突き飛ばして、後ろに下がってゴーカイスピアをかわした。
「2対1でもオレは負けないぞ・・フォースシューター・ソードモード!」
蓮斗が左手にフォースシューターを手にして、剣の「ソードモード」にして、フォースソードと併せて二刀流とした。
ゴーカイレッドがゴーカイガンを発射して、蓮斗がジャンプしてかわす。彼はフォースソードとフォースシューターを振りかざして、ゴーカイレッドとゴーカイシルバーを攻め立てる。
ゴーカイシルバーがゴーカイスピアを振りかざして、蓮斗が身を屈めてかわした。直後に彼がフォースソードとフォースシューターを突き出して、ゴーカイシルバーに当てた。
その瞬間を狙って、ゴーカイレッドがゴーカイガンの射撃とゴーカイサーベルからの光の刃を放ってきた。
「ライフルモード!」
蓮斗がゴーカイシルバーから引き抜いたフォースシューターをライフルモードにして、ゴーカイレッドの射撃を迎撃して相殺した。
蓮斗がジャンプしてゴーカイレッドの後ろに回り込む。彼が振りかざしたフォースソードに切りつけられて、ゴーカイレッドも突き飛ばされた。
ゴーカイレッドたちが倒れて、ゴーカイブルーたちも悠馬たちの攻撃で飛ばされてきた。
「まとめて倒させてもらうぞ!」
蓮斗が言い放って悠馬、理穂と頷き合った。
「フォースバスター!」
蓮斗たちがフォースソード、フォースバズーカ、フォースアローを組み合わせて、フォースバスターにした。
「フォースバースト!」
蓮斗たちがフォースバスターから光線を発射した。光線を浴びたゴーカイジャーが、レンジャーキーに戻った。
「ゴーカイジャーのカギ・・!?」
「今のゴーカイジャーを倒せば、そのカギの姿に戻るということか・・!」
モモと新平がゴーカイジャーキーを見て呟く。
「これでマーベラスさんたちも変身できるぞ!」
陽輝がレンジャーキーを拾って安心の吐息をつく。
「ディケイドはアキトとセイバーが戦っている・・残るはお前だけだ・・!」
「オレだけねぇ・・ホントはオレだけで十分なんだけどね・・」
彼に目を向けられて、バスコが笑みを絶やさずに答える。
「おとなしく降参するなら、これで終わりにしてやる!」
「降参だって?それは君たちがしたほうがいいんじゃないかな?」
忠告する蓮斗をあざ笑うバスコ。彼の姿が異形のものへと変わっていく。
「そ、それは!?」
「君たちにも見せてあげるよ。このオレの本当の力を・・」
悠馬が声を荒げて、バスコが低い声で告げる。剣「カリブレード」と銃「カリブラスター」を手にした彼が、高速で駆け抜けた。
バスコの目にも留まらぬ射撃と斬撃が直撃して、蓮斗たちのスーツから火花が散った。
「蓮斗!みんな!」
倒れた蓮斗たちに陽輝が叫ぶ。
「は、速くて強い・・とんでもない強さだ・・・!」
悠馬がバスコの力に脅威を覚える。
「だったらそれよりも上のパワーで対抗するだけだ・・・!」
「僕たちのフォースウェポンも組み合わせよう!」
蓮斗と新平が声と力を振り絞って立ち上がる。
「フォースウェポン、セット!」
蓮斗たちがフォースソード、フォースバズーカ、フォースアロー、さらにフォースアックスとフォースロッドを組み合わせた。
「スーパーフォースバスター!」
フォースバズーカが強力になった「スーパーフォースバスター」が完成した。
「スーパーフォースチャージ!」
スーパーフォースバスターの砲門にエネルギーが集まっていく。
「スーパーフォースバースト!」
蓮斗たちが強力な光線を発射した。バスコが力を込めたカリブレードを振りかざして、光線をはじき飛ばした。
「なっ!?」
驚きをあらわにする蓮斗たちに向かって、バスコがカリブラスターを発射。同時にカリブレードから光の刃を放った。
「うわあっ!」
バスコの攻撃と爆発に巻き込まれて、蓮斗たちが倒れた。彼らのフォースレンジャーへの変身が解けた。
「みんな!」
陽輝が蓮斗たちに向かって叫ぶ。蓮斗たちはダメージが大きく、立ち上がることもままならなくなっていた。
「これでもオレにはかなりの額の賞金が掛けられてたんだよ。戦隊の新人にやられるほど弱いわけないじゃないか。」
バスコが蓮斗を見下ろして笑い声を上げた。
「ま、新人の割にレベルは高いほうかな。先輩戦隊の力も使っているみたいだからね。」
「何っ!?・・そのことも知っているのか・・・!?」
バスコの口にした言葉に、蓮斗が声を荒げる。
「無双戦隊フォースレンジャー。ウルトラマンフォース、仮面ライダーフォース同様、他の戦士の力を継承している存在だとね。」
「そこまで知っているとは・・・!」
バスコの話を聞いて、悠馬が動揺をふくらませていく。
「でもさすがにオレには勝てないよ。オレと真っ向勝負で勝てるのは、キャプテン・マーベラスだけだからね・・」
語りかけるバスコが笑みを消す。彼はマーベラスを倒すべき敵だと認識していた。
「この地球にある宇宙最大のお宝を手に入れて、オレが全ての宇宙を独り占めする。何もかもオレの思い通りってわけだ。」
「宇宙最大の宝・・!?」
「そんなものが、この地球にあるっていうの!?」
バスコの話を聞いて、新平と理穂が驚きをふくらませていく。
「それは、宝を手に入れた人の願いを叶えるものだ。全てのスーパー戦隊の力と存在を引き換えにしてね。」
「何だと・・!?」
バスコの口にした言葉に、蓮斗が耳を疑う。
「戦隊や世界を天びんに掛けられるわけがないじゃないか・・まして、自分の思い通りにするために・・!」
「そうかい?オレなら遠慮せずに使わせてもらうよ。他がどうなろうと、オレが気にすることはないからね。」
悠馬が怒りを覚えるが、バスコは悪びれる様子もない。
「何かを得るためには、何かを捨てなきゃ。オレは今までそうしてきたからね。赤き海賊団も、オレが手を組んできたヤツもね。」
「そうやって何もかも切り捨てて、犠牲にしてきたのか、お前は・・!?」
目的のために利用や犠牲を平気でやるバスコに、蓮斗も怒りをふくらませていく。
「お前もブラジラと同じだ・・目的のために手段を選ばない、歪んだヤツだ・・!」
「全くもってその通り。オレはどんな手段も使うよ。」
怒りを燃やす蓮斗を、バスコがあざ笑う。
「姑息な手を使っても、お前はオレにやられたけどな。」
そこへ声がかかって、陽輝たちが振り向いた。マーベラスがジョーたちとともに姿を現して、バスコに強気な笑みを見せてきた。
「また会ったな、バスコ。今度もお前を地獄に送り届けてやるよ・・!」
「できるかな?今度はそっちがあの世逝きになるかもしれないよ。」
互いに強気に振る舞うマーベラスとバスコ。
「選手交代!ここからはオレたちに任せてください!」
「ご飯とガレオンの修理に協力してくれたお礼をしなくちゃね。」
鎧が意気込みを見せて、ルカが続けて言いかける。
「あなたに渡すものは何1つありません。お引き取り下さい。」
「いちいちガレオンを壊されたり利用されたりしたらたまんないからね!」
アイムがバスコに警告して、ドンも言い放つ。
「バスコ、また決着を付けてやるよ!」
「また復活しても手出ししようと思わなくなるくらいにな・・!」
マーベラスとジョーもバスコに向かって言い放つ。
「マベちゃんたちも出てきたみたいだね。面白くなってきたかな。」
バスコがマーベラスたちを見て笑みをこぼす。
「みなさん、レンジャーキーを!」
陽輝がレンジャーキーを投げて、マーベラスたちが受け取った。
「取り返してくれたんですね!ありがとうございまーす!」
鎧が陽輝に感謝して、マーベラスたちとともに前に出た。
「お前ら、久々に派手に行くぜ!」
マーベラスが言い放って、ジョー、ルカ、ドン、アイムも携帯電話「モバイレーツ」を手にした。鎧も携帯電話「ゴーカイセルラー」を手にした。
「ゴーカイチェンジ!」
マーベラスたちがレンジャーキーをモバイレーツ、ゴーカイセルラーにセットした。
“ゴーーカイジャー!”
彼らがそれぞれの色のスーツとマスクを身にまとった。
「ゴーカイレッド。」
「ゴーカイブルー。」
「ゴーカイイエロー!」
「ゴーカイグリーン!」
「ゴーカイピンク。」
「ゴーーカイシルバー!」
マーベラス、ジョー、ルカ、ドン、アイム、鎧が名乗りを上げる。
「海賊戦隊!」
「ゴーカイジャー!」
マーベラスが声を上げて、ジョーたちと声をそろえた。
「さぁ、行くよ、ゴーカイジャー・・!」
バスコがカリブレードとカリブラスターを構えて、マーベラスたちを迎え撃つ。
マーベラスたちがジョーたちとともにゴーカイサーベル、ゴーカイガンを手にして射撃する。バスコもカリブラスターで迎撃する。
鎧がバスコの背後に回って、ゴーカイスピアを振りかざしてきた。バスコが高速で動いて、鎧の背後に回った。
バスコが手を伸ばした瞬間、鎧がゴーカイスピアの切っ先を彼に向けた。
「また腕を折られるわけにいくかってんだ・・!」
鎧が鋭く言って、ゴーカイスピアを振りかざす。バスコが後ろに動いてかわす。
直後にマーベラスたちがゴーカイガンで連射していく。バスコがカリブラスターで迎撃して、カリブレードで射撃をはじいていく。
「オレたちが昔のままだと思ったら大間違いだ・・!」
「あたしたちはいろんな宇宙や星を旅してきてるからね!」
ジョーとルカがバスコに飛びかかって、ゴーカイサーベルを振りかざす。バスコが紙一重でかわして、ジョーたちとの距離を取る。
「僕だって、やればできるんだからー!」
ドンも飛び込んで、ゴーカイガンを連射する。ところが着地の瞬間に足を滑らせて、ドンがしりもちをついてしまう。
「大丈夫ですか?お怪我はありませんか・・!?」
「へ、平気だよ・・ゴメン、心配かけて・・」
アイムが心配して、ドンが立ち上がって謝る。
「バスコ、お前がこれから、オレたちを思い通りにはできねぇぞ!」
マーベラスが前に出て、バスコに言い放つ。
「確かに、前よりもレベルアップしてるね。やっぱ不意打ちをしないとダメってことか・・」
マーベラスたちの強さを実感して、バスコが呟く。
「でもせめて、あの力だけは手に入れておかなくちゃね・・」
彼は視線を蓮斗たちに向けると、ラッパラッターを手にして吹き出した。
「う、うわあっ!」
蓮斗、悠馬、理穂、新平、モモが激痛に襲われる。彼らの体から光があふれ出して、ラッパラッターに吸い込まれた。
「くそっ!バスコのヤツ!」
マーベラスが毒づき、ゴーカイガンを発射する。バスコは後退して、彼らの前から姿を消した。
「しまった・・フォースレンジャーの力が奪われた・・!」
鎧が蓮斗たちに振り向いて、動揺を浮かべる。
「な、何をしたんだ、アイツは・・!?」
「逃がさない・・追いかけないと・・・!」
新平がバスコがしたことに疑問を感じて、蓮斗が力を振り絞って立ち上がる。
「フォースチェンジ!」
蓮斗がフォースチェンジャーを使って、フォースレッドに変身しようとする。しかしフォースチェンジャーが作動せず、変身ができない。
「どうなっているんだ!?フォースレンジャーになれない!」
蓮斗が驚きの声を上げて、フォースチェンジャーの青いボタンを何度も押す。
「そんな!?・・あたしもなれない!」
理穂もフォースチェンジャーのボタンを押すが、変身することができない。
「きっと、バスコに戦隊の力を奪われたからだよ・・・」
ドンが深刻さを感じて、蓮斗たちに声を掛けてきた。
「戦隊の力を!?・・今の光は、オレたちの力だったのか・・!?」
悠馬が自分たちに起こった現状を把握して、動揺を浮かべる。
「バスコはスーパー戦隊の大いなる力を奪い取ることができます。あなた方の力も同様に抜き取られたのです・・」
「いけない!ますますあの人を追いかけないと・・!」
アイムの話を聞いて、モモが動揺をふくらませる。
「やめておけ。バスコはオレたちが戦った敵の中でも、指折りの強さと悪賢さの持ち主だ。」
「ましておめぇらは変身できない。何もできずに返り討ちにされるのがオチだ。」
ジョーとマーベラスが蓮斗たちに忠告を送る。
「それで簡単に諦めるなら、オレたちはフォースレンジャーにはなっていない・・全てを失ったあのときから、既に諦めている・・・!」
蓮斗は引き下がろうとせず、バスコを追おうとする。彼と悠馬、理穂が大切な人を失った過去を思い出していた。
「たとえ変身できなくても、戦える力と気力が残っているなら戦う・・それが、オレたちの任務だ!」
自分たちの意思を貫こうとする蓮斗に、マーベラスが笑みをこぼした。
「気に入ったぜ。その諦めの悪さが。」
マーベラスが口にした言葉に、蓮斗が戸惑いを覚える。
「安心しろ。オレたちがバスコを倒す。そのついでに、おめぇらの力も取り返してきてやるよ。」
「ま、お礼としてまたご飯をもらえると嬉しいけどね。」
マーベラスとルカが気さくに言って、ジョーたちとともに1度変身を解いた。
飛羽真との攻防を繰り広げる士。士の振りかざすライドブッカーに、飛羽真が切りつけられていく。
「そろそろ終わらせてもらうぞ、セイバー。」
士が言いかけて、ライダーカードをディケイドライバーにセットした。
“Final attak ride,Decade.”
彼の目の前にカード状の光が10枚現れた。
「終わらない・・終わりにはさせない!」
飛羽真が士に言い返して、火炎剣烈火を1度聖剣ソードライバーに戻してからトリガーを押した。
“烈火抜刀!ドラゴン一冊斬り!ファイヤー!”
再び抜刀して刀身に炎が灯った火炎剣烈火を振りかざす飛羽真。士が光のカードを通って、ライドブッカーを振りかざして火炎剣烈火とぶつけ合う。
激しい衝撃が巻き起こり、飛羽真と士が押される。
「今だ・・!」
思い立ったアキトが、フォースドライバーの右のスイッチを上に上げて、レバーを閉じて引いた。
「フォースライダーキック!」
アキトがジャンプして、エネルギーを集めた右足のキックを士に繰り出した。士がとっさにライドブッカーを振りかざすが、アキトのキックでライドブッカーライドブッカーがはじかれた。
「チッ!不意を突かれたか・・1度出直すとするか・・・!」
士が毒づいて、アキトたちの前から去っていった。
「逃げたか・・だが、オレの力は、まだアイツには及ばない・・・!」
アキトが士との力の差を痛感して毒づく。
「そっちもひと段落ついたようだな。」
マーベラスたちが来て、アキトたちに声を掛けてきた。
「1度、Gフォース本部に戻って、体勢を整えよう・・・!」
陽輝が呼びかけて、着地したGフォースたちを見上げた。マーベラスたちと力を合わせることができたが、蓮斗たちの置かれた状況は悪くなっていた。