ザ・グレイトバトル
-真の強さ-
第7章
陽輝たちとの戦いから撤退した士、バスコ、キラ、アスラン。彼らは宇宙空間のある場所で合流していた。
「フォースレンジャーの力を手に入れただけでも、よしとするかな。」
バスコが蓮斗たちから奪った力を確かめて、喜びを感じていた。
「だが、その戦隊の力だけで、宇宙最大の宝とやらが手に入るとは思えないけどな。」
士がため息まじりにバスコに言いかける。
「もちろん、他の戦隊の大いなる力も手に入れないとね。」
バスコは気さくな態度のまま、先のことを考えていく。
「2人とも、戦いをやめてください!戦いは、戦いを生むだけなんだ・・!」
キラが士たちに反発してきた。すると士がため息をついてきた。
「戦いを生んでいるのは、お前も同じだろうが。戦いを止めるどころか、お前たちのしていることは戦いを広げているだけだ。」
「違う!僕は戦いを望んではいない!」
「言っていることとやっていることが違うんだよ。いつまでも矛盾していることに目を背けるな。」
「でも僕は、戦いを止めないといけないんだ・・戦いを起こすなら、僕はあなたたちとも・・・!」
冷めた態度で指摘する士に、キラが反発を続ける。
「お前たちが争ってどうする?」
そこへ声がかかって、士たちが振り向いた。
「目的や考えはそれぞれあるが、今は力を合わせるべきだ。お前たちの力に信頼を寄せているのだから・・」
「うまいまとめ役のつもりなのだろうが、オレたちに姿を見せないで何が信頼だ?」
姿を見せない声の主に、士が疑問を投げかける。
「私にもやるべきことがあるのでな。今は姿は見せられない。」
「フン。勝手なヤツだ・・まぁいい。オレはオレでやるだけだ。」
声の返事に士が鼻で笑った。
「それじゃ、オレはまた行かせてもらうかな。マベちゃんたちを皮切りにして、他の戦隊の力も手に入れるとするよ。」
バスコが歩き出して、士たちの前から姿を消した。
「ここにいる人たちも、戦いに駆られている・・悲劇が繰り返されるだけなのに・・・」
士とバスコ、陽輝たちの行動に疑念を抱くキラ。
「それがイヤか?ならば戦いを止めるために動けばいいだけだ。今までのように・・」
「戦いを止める・・そうだ・・僕は、戦わないといけない・・・!」
声に促される形で、キラは自分を貫く決意を再確認する。
「キラ・・・」
戦いを止める戦いに突き動かされていくキラに、アスランも不安を感じていた。
ガイ、飛羽真、シン、ルナマリアが陽輝たちと合流した。ゼロも人間の姿、モロボシ・ゼロとなっていた。
「お久しぶりです、ゼロさん。」
「ここで会うとはな、ガイ、リク。」
ガイとゼロが手を差し伸べて握手をする。
「ゼロさんも宇宙の異変を感じて・・?」
「あぁ。まだ黒幕の正体は分かっていないが・・」
リクが話を聞いて、ゼロが深刻さを込めて答えた。
「分かっている敵はバッド星人テンナーと、ヤツが操っているゼットン、ディケイド、バスコ・・」
「そしてフリーダムとジャスティス、キラとアスランだ・・」
ゼロが敵の確認をして、シンが話を続けた。
「シン・・また、アスランたちと戦わないといけないのね・・・」
ルナマリアがキラたちのことを考えて、悲しい顔を浮かべる。
「アイツらはまだ、自分の考えを押し付けようとしている・・綺麗事で言い訳をしながら・・・!」
「お前らにわけありの相手のようだな。あの2機のガンダムのパイロットは・・」
キラたちへの憤りを噛みしめるシンに、マーベラスが言いかける。
「2人はオレたちの世界では、1度戦争を終わらせた英雄とされた2人だった・・でもオレたちの前に現れたキラは、自分の考えを押し付けて綺麗事で言い訳する身勝手なヤツになっていた・・」
「アスランは私たちの部隊の隊長をしたこともあった。でも私たちの敵に回ってしまった・・2人とも、私たちが討ちましたが・・・」
シンとルナマリアがキラとアスランのことを話していく。
「そいつらも復活したっていうのか。バスコのように。」
ジョーがシンたちの話に納得して呟く。
「ホントに言い訳ばっかでイヤになるわね。あれなら何も言わずに問答無用で来てくれたら、気分よくやっつけられるのに・・」
ルカがキラたちの戦い方への不満を口にして、ため息をつく。
「言い訳ばかりの情けないヤツに、オレたちは負けねぇよ。今まで通り、邪魔するヤツはぶっ潰す。それだけだ。」
「それが海賊の流儀というヤツですか・・」
自分の考えを変えないマーベラスに、蓮斗が言いかける。
「協力してくれるということには感謝します。だけどあなたたちに甘えるつもりはないですよ。」
「オレたちが力を奪われたのは、オレたちの力が足りなかったせいですから・・」
「何もしないでじっとしてるなんて、あたしたちらしくないですからね。」
蓮斗、悠馬、理穂が自分たちの考えを口にする。たとえマーベラスたちが現れなかったとしても、自分たちでバスコから力を取り戻す。彼らはそう思っていた。
「オレたちは大切な人を失った・・この悲しみを繰り返さないために、オレたちが戦うんだ・・・!」
「君たちにも、失ったものがあったんですね・・・」
蓮斗が口にした言葉を聞いて、鎧が戸惑いを覚える。
「私も、大切なものを失っています・・私の故郷も、そこに住む人たちも家族も・・・」
アイムが自分の過去を蓮斗たちに話した。
宇宙の星々を支配していった宇宙帝国「ザンギャック」。アイムの故郷である「ファミーユ星」はザンギャックの侵略で滅ぼされた。
辛くも生き延びたアイムは、マーベラスたちと出会って宇宙海賊の仲間入りを果たしたのである。
「オレも大事な人を失った・・ザンギャックによって・・・」
ジョーも自分の過去を語り始めた。
ジョーは元々はザンギャックの兵士だった。しかし子供を傷付けることを嫌ったジョーは、先輩だったシド・バミックとともに脱走を図った。
ジョーは脱走できたがシドは捕まって、サイボーグ戦士、バリゾーグに改造されてしまった。
バリゾーグに改造されると、2度と元には戻れない。シドと対立することになり、ジョーは始めは迷いを覚えた。
助けられないなら、魂だけでも救う。迷いを振り切ったジョーはバリゾーグを倒して、シドとの別れをした。
「誰だって何かを失って、それで何か新しいことを始めたり、悩んだり強くなったりしてんだよね・・」
「はい・・何も失わないほうが1番いいのでしょうけど・・・」
ルカが肩を落として、モモが悲しい顔を浮かべる。
「オレたちだけじゃなく、他の誰もがオレたちが受けてきた仕打ちを味わわせたくない・・だからオレたちは、これからも戦うんだ・・!」
自分たちの意思を貫こうとする蓮斗に、悠馬たちが頷いた。
「オレたちもやるぞ。みんなを守りたいという考えは、オレたちも持っているからな。」
陽輝もバスコたちとの決戦に臨もうとする。
「変身もできず、フォースマシンもまともに動かせないのでは、お前たちだけで行かせるわけにいかないからな。」
「オレはディケイドに借りがある・・オレが決着を付けなければならない・・」
陽輝が蓮斗たちを励まして、アキトが士との戦いを考えていた。
「みんな、我々は地球と宇宙、人々の平和と幸せを守るために戦うんだ。個人的な理由を優先させてはならない。」
トウジが陽輝たちに励ましを送る。
「その通りだ、みんな。」
仙太郎もGフォース本部に足を運んで、声を掛けてきた。
「司令官・・」
蓮斗が悠馬たちとともに仙太郎に敬礼をした。
「戸沢司令官、こちらに来ていたのですか・・」
「あぁ。ここは我ら全員の協力がなければ、乗り越えることはできないからな・・」
悠馬が声を掛けて、仙太郎が頷いた。
「まずはフォースレンジャーの力を取り戻すのが重要だが、その後にすぐに使えるよう、フォースレンジャーのための力をデータ化して、フォースチェンジャーに転送する準備を整えている。」
「オレたちの、新しい力・・・!」
仙太郎の説明を聞いて、蓮斗が戸惑いを覚える。
「Gフォースでも様々な戦士や機体のデータを融合させて武装としてきた。その技術をフォースレンジャーでも使えるよう、データを共有した。」
「それは以前から戸沢長官と協議をして、データの共有と開発を続けてきたんだ。私と長官、一部のエンジニアによる極秘裏に。」
仙太郎に続いてトウジが話をしていく。
「ということは、各種のフォースアーマーのデータも、フォースレンジャーに・・」
イズルの問いかけに、トウジが小さく頷いた。
「ただ、ウルトラマンフォースがまとうフォースアーマーがフォースガンダムを変形させて装着するのに対して、フォースロボは形状変化でそのデータを発揮するようにしてある。」
「フォースロボを・・いや、スーパーフォースロボを変形させることで・・・!」
トウジの話を聞いて、悠馬が戦士の力を引き出す方法を推測する。
「その意味でも、フォースレンジャーの力を取り戻さなくちゃな!」
ギンが呼びかけて、蓮斗たちが頷いた。
「ちょっと待ってくれー!今度はミーたちも参戦するぜー!」
バルキが加勢を言ってきて、イカリ、ナクリとともに意気込みを見せてきた。
「一応、宇宙人だけどよ・・まともに戦えるのか?」
「そんな言い方はイカがなものじゃなイカ!仮にもエージェントだったんだぞー!」
ギンが疑問を投げかけて、イカリが不満の声を上げた。
「それに、ジョリーもビッグにして戦うこともできるんだぜ!」
「私たち3人と1匹も強いんだからね!」
バルキがジョリーのことを話して、ナクリも訴え続ける。
「分かった。お前たちの見せ場も用意するから・・」
陽輝が半ば呆れた態度で、バルキたちをおだてた。
「よーし!久々にエージェントの力、見せてやるぜー!」
バルキが掛け声を上げて、イカリ、ナクリと喜び合う。
「やれやれ、マジで騒がしいヤツらだ・・」
マーベラスが呆れた素振りを見せて、ハルキとリクが苦笑いを浮かべていた。
ギンとイズルがレーダーでの監視をする間、ハルキたちは自由時間となった。彼は陽輝とともに空手のトレーニングをしていた。
「ハルキは空手をやっているのか。オレたちも護身術を学ぶことになっているが、お前のほうが腕が立つね。」
「そんなことないッスよ。オレの先輩のほうが全然強いッス・・」
称賛する陽輝にハルキが照れ笑いを見せる。
「今頃、どうしているかな、みんな・・」
ハルキが自分の仲間のことを思い出して懐かしくなる。
「それぞれの大事なものを守るために、オレたちは悪者に絶対に負けるわけにいかない。」
ゼロがガイ、リクともに来て、陽輝たちに声を掛けてきた。
「ゼロ師匠、ガイ先輩、リク先輩・・」
「だからこの短時間に、少しでも強くなっておく必要がある。」
言いかけるハルキに、ゼロが助言を送る。
「そのために、オレたちも力を貸す。この先強い力を手にしたとき、振り回されずに使いこなせるようにな。」
「師匠たちが、オレたちを鍛えてくれるんですか!?」
ガイが鍛錬に付き合うことを提案して、ハルキが戸惑いを見せる。
「飛羽真って言ったか?お前も手伝ってはくれないか?」
通りがかった飛羽真に、ゼロが声を掛けてきた。
「ゼロさん、オレは剣士をやってはいますけど、本職は小説家なので・・」
「何言ってんだよ。それでも剣士、仮面ライダーをやってるんだから、それだけの強さも持ってるってことだろ。」
飛羽真が苦言を呈すると、ゼロが注意を口にしてきた。
「戦うことを仕事にしている人もそうでない人も、世界や地球、大切なものを守るために戦う。たとえ戦えるだけの力がないとしても・・」
「救いたいって気持ちを強く持って戦う・・・」
ゼロの言葉に励まされて、飛羽真が悩みを振り切った。
「よし。今できる全力を尽くそう。」
リクが呼びかけて、陽輝たちが頷いた。
ゼロが陽輝、ハルキに課した特訓は、目隠しをしての対戦だった。目が見えない状況での戦いのとき、相手の実体が見えないときに相手の動きを捉えられるように。
「目が見えないってだけで、こんなに大変になるなんて・・・!」
見えない状態に苦労して、ハルキがふらつく。
「おいおい、そんな調子じゃ、オレに勝つなんて2万年早いぞ。」
ゼロが呆れながら言って、陽輝たちに攻撃を仕掛ける。陽輝もハルキも空気の流れを頼りにして、辛くも回避していた。
しかし連続攻撃は全てを回避できず、陽輝たちはゼロの打撃を受けていた。
「くっ!・・ゼロさんの動きがつかめない・・・!」
ゼロの動きが読めないことに、陽輝が焦りをふくらませる。
「ゼットンはテレポートを駆使したスピードの速さもある。目で追うだけでは決定打を与えられない。」
ゼロがゼットンの能力を説明して、陽輝たちがその動きを思い出す。
「気配を感じ取り瞬時に攻撃する。その戦い方に磨きをかけていけば、体も心も強くなれる。」
「それが、本当の強さにつながるわけですね・・・!」
「そうだ。まずはオレの動きをつかめ。そうすればウルトラマンになったときにも活かせるはずだ。」
「はいっ!」
ゼロの助言を聞いて、陽輝が自信を見せて答えた。
「よし。特訓再開だ。少し本気を出すから、気を抜くなよ!」
「はい!」
「押忍!」
ゼロが檄を飛ばして、陽輝とハルキが答える。
その傍らで、飛羽真はリクを相手に、木刀を持っての剣術の訓練をしていた。
「さすが剣を使う仮面ライダーだね。でも剣も力もディケイドのほうが上だと思う。」
リクが飛羽真と士の力を比較する。
「ディケイドは全ての仮面ライダーの力を使えるだけあって、元々の潜在能力が高い。現時点ではあなたもアキトもまだディケイドには敵わないけど、2人ともまだまだ成長する可能性がある。」
リクから励まされて、飛羽真が戸惑いを感じていく。
「僕が手伝うから、今からがんばりましょう。」
「分かった。やるよ、リクくん!」
リクに答えて、飛羽真が木刀を構えた。飛羽真がリクとの木刀の打ち合いを続けていった。
アキトはGフォースの訓練場で、仮面ライダーフォースとなって、戦士のデータとの連動を試していた。
(今のオレの能力だけでは足りない。他の力も連動できるようにして、すぐに使えるようにしなければ・・)
士や他の敵との戦いに備えるアキト。
(フォースアーマーが出した力を、オレも出せるようになれば・・・)
新たな力を引き出すため、彼はフォースアーマーのことも考えていた。
(それにしても、陽輝は今は何のために戦っているのだ・・?)
アキトはふと、陽輝のことを考えて疑問を覚えた。
(ウルトラマンフォースと一体化してから初めてオレと会った陽輝は、オレへの憎しみを抱いていた。だが今はオレだけでなく、敵への憎しみを前面に出してはいない・・)
陽輝の心境の変化を感じていくアキト。
(まだオレへの怒りが完全に消えたわけではないだろう。その上でヤツはオレを信じている・・この地球を淘汰しようとしたオレを・・・)
自分を信じた陽輝に、アキトは疑問をふくらませていく。
(陽輝は今日までで心境が変化した。オレも何か変わったというのか?・・・まさかそこに、オレが求めている力が隠されているのか・・・?)
本当の強さが何なのかを考えるようになるアキト。
(いや、今はデータを導き出して使いこなすのが先だ・・・!)
彼は迷いを振り切って、フォースドライバーに戦士のデータを組み込んだ。
「これでライダーだけでなく、ウルトラマンや戦隊、ガンダムの力も引き出せる・・!」
画面に映し出されたデータを確認して、アキトが笑みを浮かべた。
「まずはこのフォームを試す・・・!」
彼はフォースドライバーを装着して、力を試すことにした。
一夜が明けて、陽輝たちは訓練と休息を終えた。
「うん。ガレオン、修理完了。いつでもゴーカイオーになれるよ。」
ドンがゴーカイガレオンの修理を終えて、ひと息つく。
「みなさん、朝ご飯にしましょう。」
アイムが鎧とともに来て、ドンに声を掛けてきた。
「ドンさんみたいにうまくはないですけど、みなさんの分、作ってありますよ!」
「ありがとう、鎧。さて、僕も戦いに備えなくちゃね。」
手を振る鎧にお礼を言って、ドンが彼らと合流した。
ドンたちが食堂に来たとき、マーベラス、ジョー、ルカは既に朝食を始めていた。
「ここでも遠慮なしですね、みなさんは。」
「冷めたら料理に悪いもんな。ほら、おめぇらも食って、これからに備えろ。」
アイムが微笑んで、マーベラスが食べながら答える。
「海賊らしく余裕しゃくしゃくってわけですか。」
蓮斗が悠馬たちとやってきて、マーベラスたちに声を掛けてきた。
「余計に悩んだってしょうがねぇ。バスコを倒すことに変わりはねぇんだから・・」
「そうですね。まずはご飯を食べてから。腹が減っては戦はできないというヤツだ。」
バスコとの戦いを見越しているマーベラスに、新平が頷いた。
「ところで、陽輝たちはまだ特訓か?」
「そのようです。ご飯時だからそろそろ来るとは思いますが・・」
ジョーが陽輝たちのことを聞いて、悠馬が答える。
「早く来ないとみんないただいちゃうわよ。」
「みなさんの分も取っておかないとかわいそうですよ。」
ルカが口を挟むと、アイムが彼女をなだめてきた。
(バスコ、ディケイド、宇宙人と怪獣、2機のガンダム・・大きな戦いになるのは間違いない・・・!)
決戦を予感して、蓮斗は食事を始めた。
蓮斗たちが戦いに備えていた頃、地球に向けて大量の光が落下してきた。光はGフォース本部から北西にある荒野に、集中して落ちてきていた。
「ここがこの宇宙にある地球か・・!」
「この前行った地球とは少し雰囲気が違うな。」
光の中から現れた宇宙人たちが周囲を見回して呟く。
「どうやら、この地球にウルトラマンが何人かいるようだな・・」
「よし!この近くにある防衛チームの基地へ行くぞ!」
宇宙人たちが声を掛け合って、Gフォース本部に向かって前進を始めた。
「地球に降下したエネルギーあり!本部に向かってきます!」
レーダーの監視をしていたナツが、トウジたちに報告をする。
「バスコというヤツか!?」
「分かりません・・ただ、多数が飛来しています!」
トウジが聞いて、ナツがさらに報告する。レーダーには、本部に近づく大量の反応が表示されていた。
「桜木隊長、オレたちが行きます!」
ハルキが飛羽真、リク、ガイとともに来て、トウジに出撃を申し出てきた。マーベラスたちも彼らのいる指令室に来ていた。
「敵は数も多く、正体もまだ分かっていない。十分に注意してほしい。」
「分かっています。行ってきます!」
トウジが激励を送って、飛羽真が答えた。飛羽真は陽輝たちとともに外へ飛び出した。
「オレたちも腹ごなしと行くか。」
「OK!」
マーベラスが言いかけて、ルカが答える。彼らも宇宙人を迎え撃つため、本部から出た。
Gフォース本部の前に出たハルキたち。その直後に宇宙人の大群が前進してきた。
「あれはバロッサ星人!この地球にも来たのか!?」
ハルキが宇宙人、海賊宇宙人バロッサ星人を見て声を荒げる。
「知っているのか、ハルキ!?」
「いろんな星を荒らしている宇宙海賊です!しかも1度にたくさん子供が生まれるとか・・!」
飛羽真が聞いて、ハルキがバロッサ星人について説明する。
「同じ海賊でも、マーベラスさんたちとは似ても似つかないですね・・」
飛羽真がマーベラスたちに目を向けて苦笑いを浮かべた。
「ウルトラマンたちだけじゃなく、そうじゃないのもいるな。」
「だがただ者じゃないのは間違いないようだ・・!」
「だが数はこっちのほうが上だ!大勢でかかれば勝てる!」
バロッサ星人たちが警戒や勝気など、様々な様子を見せている。
「見くびっているな、オレたちを・・」
「だったら後悔させてやればいいだけだから。」
ジョーがため息まじりに言って、ルカが強気に言う。
「海賊宇宙人とか言ったか?だったら見せてやるよ。本物の海賊の力ってヤツをな。」
マーベラスがバロッサ星人たちに言い放つと、ジョーたちとともにモバイレーツとゴーカイセルラー、レンジャーキーを手にした。
「ゴーカイチェンジ!」
“ゴーーカイジャー!”
彼らがゴーカイジャーに変身して、ゴーカイサーベルとゴーカイガン、ゴーカイスピアを手にした。
“ブレイブドラゴン!”
飛羽真がブレイブドラゴンのワンダーライドブックを手にして、聖剣ソードライバーにセットした。
“かつて、全てを滅ぼすほどの偉大な力を手にした神獣がいた。”
彼が火炎剣烈火を聖剣ソードライバーから引き抜いた。
“烈火・抜刀!”
「変身!」
“烈火一冊!勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く。”
赤い装甲と仮面をまとって、飛羽真はセイバーに変身した。
「あれが噂の、仮面ライダーとスーパー戦隊か・・!」
「巨大になって戦うウルトラマンと違い、その大きさのままで変身するヤツらか・・!」
バロッサ星人たちが飛羽真とマーベラスたちを見て呟く。
「だが数は我らのほうが上だ!数で押し切るぞ!」
彼らがそれぞれ武器を持って、飛羽真たちに飛びかかる。
「派手に行くぜ!」
マーベラスが高らかに言い放って、ジョーたちとともにゴーカイガンを発射してバロッサ星人たちを射撃する。
「オレたちも行きますよ、飛羽真!」
「はい!」
鎧と飛羽真が声を掛け合って、バロッサ星人たちに向かって走り出した。2人の振りかざすゴーカイスピアと火炎剣烈火が、バロッサ星人たちを切りつけていく。
「くらえ!」
他のバロッサ星人たちが手から光線を出してきた。光線をかわした飛羽真たちを、バロッサ星人たちが取り囲んだ。
「こうでなくちゃ面白くねぇぜ!」
マーベラスがこの戦況を楽しんでいく。
「ハカセ、交換だ!」
「了解、ジョー!」
ジョーがゴーカイガンを、ドンがゴーカイサーベルを投げて交換した。
「アイム、こっちもいくよ!」
「承りました、ルカさん!」
ルカとアイムおゴーカイガンとゴーカイサーベルを交換した。ジョーとルカが二刀流で、ドンとアイムが二丁拳銃でバロッサ星人を攻め立てる。
「やりますね、みなさん!」
「宇宙中のたくさんの星を渡って、ことあるごとにドンパチになってますからね!」
飛羽真が戸惑いを覚えて、鎧がバロッサ星人を切りつけながら気さくに答える。
「だが、バスコもディケイドもいない・・この戦いに紛れて奇襲を仕掛ける気はないようだ・・」
「だとしたら何を企んでいるんだろう・・・!?」
ジョーがバスコたちのことを気にして、ドンが考える。
「もしかして、私たちがここで戦っている隙に、フォースレンジャーを攻撃するつもりでは・・!?」
「そこはフォースレンジャーが何とかするわよ。他のヤツもいるしね。」
不安を覚えるアイムだが、ルカは楽観視していた。
「まずはコイツらをぶっ潰してから、戻ればいいだけの話だ・・!」
マーベラスが言いかけて、バロッサ星人たちを蹴り飛ばした。
「おのれ、ゴーカイジャー・・!」
「全員で押し込んでやるぞ!」
バロッサ星人たちがいら立ちをふくらませて、マーベラスたちに向かっていく。
「まとめて吹っ飛ばしてやるぜ!」
マーベラスが言い放って、ジョーたちとともにゴーカイサーベル、ゴーカイガンのシリンダーに、他の戦隊のレンジャーキーをセットした。
“ファーイナルウェイーブ!”
ゴーカイサーベルとゴーカイガンにエネルギーが集まる。マーベラスたちがゴーカイサーベルを振りかざして光の刃を放ち、ゴーカイガンから強力な射撃を出す。
「うわあっ!」
バロッサ星人たちがマーベラスたちの攻撃を受けて吹き飛ばされた。
「オレもいきますよー!」
鎧がゴーカイスピアにレンジャーキーをセットした。
“ファーイナルウェイーブ!”
「ゴーカイシューティングスター!」
鎧がエネルギーが集まったゴーカイスピアを投げつけた。バロッサ星人がゴーカイスピアをぶつけられて吹き飛ばされた。
次々に倒されていくバロッサ星人だが、まだ残りは大勢いた。
「ふえ〜・・まだまだいっぱいだよ〜・・!」
ドンが残りのバロッサ星人たちを見て、不安をふくらませる。
「なら残りも全部倒すまでだ!」
マーベラスが強気に言って、ジョーたちとともに戦いを続けた。
飛羽真たちとバロッサ星人たちの戦いを、陽輝たちはGフォース本部のモニターで見ていた。
「周囲に他のエネルギー反応は見られないか?」
トウジが問いかけて、ナツとイズルがレーダーを注視する。
「いました!本部の南南東に反応1つ!」
ナツがレーダーに映った反応を確認して声を上げる。モニターにその地点の映像が表示されて、その中にバスコの姿があった。
「バスコ!」
「ゴーカイジャーが宇宙人と戦っている間に、本部を襲撃しに来たようだ・・・!」
蓮斗が声を上げて、陽輝が毒づく。バスコは真っ直ぐに本部に向かって進んでいた。
「隊長、オレが行きます。」
アキトがバスコとの戦いに赴くことを、トウジに進言した。
「蓮斗たちは変身できない今、ヤツらとまともに戦えるのはオレだけです。もちろん、フォースレンジャーの力はすぐに取り戻しますが。」
「分かった。ただしアキト1人に行かせるわけにいかない。」
アキトの意向を汲み取ったトウジが、バルキたちに目を向けた。
「協力すると言ってくれたが、アキトに力を貸してくれないか?」
「OK、OK!ノープロブレム!」
「吾輩の力が発揮できるなら、お構いなしじゃなイカー!」
トウジに言われて、バルキとイカリが意気込みを見せる。
「分かった。アキト、頼むぞ。」
「了解、隊長。」
トウジが頷いて、アキトが答える。アキトはバルキたちとともに指令室を出た。
Gフォース本部に近づくバスコの前に、アキトとバルキたちが現れた。
「今度は君たちが出てきたか。個性揃いみたいだね。」
バスコがアキトたちを見て笑みをこぼす。
「本当はディケイドに最初に試したかったが、お前がオレの真の力を最初に味わうことになるようだ。」
「へぇ。それは楽しみだなぁ。」
アキトが投げかけた言葉に、バスコがさらに笑みを見せた。
(フォースレンジャーの力が宇宙最大の宝というもののカギとなるなら、ヤツはそれをまだ持っているはず。ならば取り戻すチャンスはある。)
蓮斗たちの力を取り戻すチャンスを見定めるアキト。
(オレの力で、ヤツの持つ力を引きずり出す・・!)
思い立ったアキトが、フォースドライバーを装着してレバーを手に掛けた。
「変身!」
彼がレバーを引いて、フォースドライバーを展開して、フォースに変身した。