ザ・グレイトバトル
-真の強さ-
第5章
アキトの砲撃を受けてダメージを負ったマザロン人。倒れていた彼が立ち上がって、アキトに鋭い視線を向けた。
「おのれ、仮面ライダーフォース・・この私にここまでやってくれたな・・・!」
「まだ生き残っていたか。今度こそとどめを刺してやる・・!」
いら立ちを込めて言いかけるマザロン人に、アキトが強気に言い返す。
「そうはいかんぞ、人間風情が!」
マザロン人が怒号を放つと、アキトの前で巨大化をした。
「大きくなるとは・・これではまたGパニッシャーに戻らないと・・!」
巨大な相手ではライダーの力だけでは太刀打ちできないと痛感するアキト。
「まずはそこの動けないウルトラマンを始末してくれる・・!」
マザロン人が笑い声を上げながら、ユニタングの糸で身動きが取れなくなっているフォースに近づいていく。
「もう1体増えた・・みんなは超獣たちの相手で手一杯だ・・!」
陽輝がマザロン人に気付いて、焦りをふくらませる。
「エネルギーを集中させて、糸を吹き飛ばす・・!」
フォースが体にエネルギーを集めて、衝撃波を発した。絡みついていた糸が吹き飛ばされて、彼が自由を取り戻した。
フォースがマザロン人を迎え撃ち、パンチを連続で当てていく。しかしマザロン人は通じず、フォースの両腕をつかんで押し返していく。
「うあっ!」
フォースがそのままマザロン人に投げ飛ばされて、陽輝がうめく。マザロン人が足を振り下ろして、フォースが地面を転がって回避していく。
マザロン人が前進して、フォースを攻め立てる。立ち上がることも反撃もままならず、フォースが追い詰められていく。
そこへインパルスが駆けつけて、ビームライフルを発射してマザロン人の背中に射撃した。
「無事ね、フォース!」
「ルナマリアさん!ありがとうございます!」
ルナマリアが呼びかけて、陽輝が感謝した。
「フォースアーマーで応戦するぞ!」
フォースが呼びかけて陽輝が頷いた。
「フォースアーマー!」
陽輝がフォースブレスに呼びかける。フォースガンダムが変形してフォースアーマーになって、フォースに装着された。
マザロン人が手を伸ばして、フォースの腕をつかんだ。しかしフォースの強化した力で手を押し返される。
「ち、力が上がった・・なんというヤツだ・・!」
フォースの力を痛感して、マザロン人が息をのむ。
「だがそれで勝ったと思うな!」
マザロン人がいきり立って、フォースに向かって突っ込んできた。
「フォースチャージナックル!」
フォースがエネルギーを集めた両手の拳を繰り出して、マザロン人に叩き込んだ。
「ぐあぁっ!」
マザロン人が絶叫を上げながら吹き飛ばされた。彼は地面に落ちる前に、爆発を起こした。
「やった・・・!」
陽輝が安心を感じて、フォースがフォースアーマーを解除した。
「デスティニーの、シンの援護に向かう。」
「分かった。でもシンなら大丈夫だと思うわ。」
フォースの呼びかけに答えるも、ルナマリアはシンへの信頼を口にした。
マザリュースに対して単機で攻防を続けていたデスティニー。ビームソードを構えて、デスティニーがマザリュースに突撃する。
マザリュースがくちから火炎を吐くが、デスティニーが振りかざしたビームソードに炎ごと切り裂かれた。
マザリュースが絶叫を上げて、倒れて消滅した。
「こっちは終わった・・フォースも敵を倒したみたいだな・・」
シンがひと息ついて、周囲の戦況を確かめる。
「シン!」
インパルスとフォースがデスティニーと合流して、ルナマリアが声を掛けてきた。
「やっぱり、シンだけで倒してしまったね。」
ルナマリアが微笑んで、陽輝も安心を覚える。
「残るは2体。フォースレンジャーたちなら心配ない。」
フォースが蓮斗たちのことを口にして、フォースロボたちに振り向いた。
打撃の連続でユニタングを攻め立てるジード。しかしユニタングはダメージをほとんど受けていない。
「体の組織をうまく分裂させて、ダメージを弱めている・・組織を完全に消滅させなければ・・!」
リクがユニタングを倒す方法を考えていく。
(セブンさん、レオさん、力を貸してください・・・!)
リクが念じて、ウルトラセブンの力を宿した「セブンカプセル」とウルトラマンレオの力を宿した「レオカプセル」を取り出した。
「ユーゴー!」
リクが装填ナックルにセブンカプセルをセットする。
「アイゴー!」
続けて彼は装填ナックルにレオカプセルをセットする。
「ヒアウィーゴー!」
リクがトリガーを押したジードライザーで、装填ナックルにセットされているカプセルをスキャンする。
“フュージョンライズ!”
「燃やすぜ、勇気!」
“ウルトラセブン!ウルトラマンレオ!”
リクがジードライザーを高らかに掲げた。
“ウルトラマンジード・ソリッドバーニング!”
ジードの体が赤が強調されたものとなる。彼はパワーと防御力に優れた姿「ソリッドバーニング」となった。
ユニタングが両手から糸を噴射する。ジードはジャンプして糸をかわして、炎を灯した右足のキックを繰り出した。
ユニタングがキックを体に受けてふらついた。ジードが着地して、ユニタングとの距離を詰めた。
「ストライクブースト!」
ジードが右手をユニタングの体に叩き込んで、そのままゼロ距離から右手から灼熱の光線を放った。光線に貫かれたユニタングが、燃え尽きて消滅した。
「予想した通り、大きなエネルギーを送って一気に吹き飛ばして、正解だったみたいだ。」
リクが思った通りに勝利ができて笑みをこぼしていた。
「残るはあと1体か・・」
ジードがフォースロボとカウラの戦いのほうへ振り返った。
カウラの突進をフォースロボが受け止める。カウラは組み付いたまま、角から光線を出してフォースロボを攻め立てる。
「コイツ、間の抜けた顔をしているくせに、パワーがあるぞ・・!」
蓮斗がカウラのパワーに毒づく。
「1度離れないと、コイツのパワーでフォースロボがやられてしまう・・!」
悠馬が焦りを噛みしめて、フォースロボがカウラを押し返そうとする。
“新平、モモ、君たちのフォースマシンの調整が完了した!すぐに発進させる!”
仙太郎が新平たちに通信を送ってきた。
「了解!フォースマシンで援護します!」
新平が答えて、モモと頷き合った。2人の前に2機のフォースマシン、大型車の「フォーストレーラー」、飛行機型の「フォースウィング」が駆けつけた。
新平がフォーストレーラーに、モモがフォースウィングに乗り込んで、カウラに向かっていく。
「ウィングショット!」
モモの操縦するフォースウィングがビームを放つ。カウラがビームを当てられて怯み、その隙にフォースロボがカウラを引き離した。
「行くぞ!トレーラーアタック!」
新平が言い放って、フォーストレーラーが加速してカウラに突っ込んだ。カウラも突進をするが、フォーストレーラーに押し返されて突き飛ばされた。
「すごい!あの超獣以上のパワーだよ!」
理穂がフォーストレーラーの強さに感動する。
「3人とも、今のうちだ!」
新平が呼びかけて、蓮斗が頷く。フォースロボがフォースサーベルを構える。
「スーパーフォースブレイク!」
フォースロボがフォースサーベルを振りかざして、カウラを切りつけた。カウラが倒れて爆発を起こした。
「これで超獣3体と超人1人をやっつけたぞ・・!」
蓮斗が笑みをこぼして、フォースたちを見渡した。
「オレたちも、あのガンダムのパイロットと話をしないといけないね。」
悠馬が言いかけて、フォースロボがデスティニーたちのいるほうへ歩き出した。
そのとき、フォースたちのいる場所から4色の光があふれ出した。
「な、何だ!?」
「もしかしてこれは、超獣たちの残留思念・・!?」
陽輝とリクが光を見て声を荒げる。
「4つのエネルギーが集まっていく・・まさか、超獣たちが合体する!?」
イズルが空に集まるエネルギーに緊張を覚える。光が合わさって1体の超獣になった。
「超獣たちが合体して、新しい大超獣に・・・!」
ゼットへの変身を解いていたハルキが、超獣を見て目を見開いた。4体の超獣、超人が融合して、最強超獣ジャンボキングとなった。
「ジャンボキング・・ユニタングの腕、カウラの頭、マザリュースの体、マザロン人の足を持った超獣・・!」
リクがジャンボキングを見て呟く。
ジャンボキングが頭の角と目から光線を放つ。デスティニーたちが回避するが、フォースとフォースロボが光線を受けてダメージを負う。
「スピードのある攻撃だ!よけるのは難しい・・!」
「もっとパワーを上げる必要があるよ・・!」
悠馬と理穂がジャンボキングの強さを痛感する。
「戸沢司令官、フォーストレーラーとフォースウィングはフォースロボに合体できますか!?」
新平が仙太郎に連絡を取る。
“もちろんだ。トレーラーとウィングがフォースロボの上に合体して、さらに強い性能を備えたスーパーフォースロボとなるんだ。”
「スーパーフォースロボ!?」
仙太郎が答えて、蓮斗が戸惑いを覚える。
“合体データをそちらに送る!さっそく実行するんだ!”
「分かりました!」
仙太郎からの指示にモモが答える。
「超無双合体!」
フォーストレーラーとフォースウィングがそれぞれ2つに分離して変形する。フォーストレーラーがフォースロボの両足と両肩に装着されて、フォースウィングが背中と頭部に組み合わさる。
「完成、スーパーフォースロボ!」
フォースロボが更なる合体を果たして、「スーパーフォースロボ」が誕生した。
「できた・・これが、スーパーフォースロボ・・!」
新平がスーパーフォースロボに戸惑いを覚える。
「よし、行くぞ!」
蓮斗が操縦するスーパーフォースロボが、ジャンボキングに向かって前進する。
ジャンボキングが光線を出してスーパーフォースロボに命中させる。火花を散らしたものの、スーパーフォースロボはダメージを受けていない。
ジャンボキングが口から火炎を吐くが、スーパーフォースロボはものともせずに前進を続ける。
スーパーフォースロボがパンチを繰り出して、ジャンボキングの頭部に当てていく。ジャンボキングがダメージを受けて、後ずさりしていく。
「パワーが格段に上がっている・・あの超獣を押している・・!」
イズルもスーパーフォースロボの戦闘力に驚きを隠せなくなる。
ジャンボキングがさらに光線を放って、スーパーフォースロボを引き離そうとする。
「いくらパワーがすごくても、エネルギーの消費も激しいはずだ・・!」
「浮かれている場合じゃないってことだな・・これで終わらせる!」
新平が緊張を感じて、蓮斗が言い放つ。スーパーフォースロボがフォースサーベルを手にした。
「スーパーフォースチャージ!」
フォースサーベルの刀身にエネルギーが集まっていく。
「スーパーフォースエクスプロージョン!」
スーパーフォースロボが振り下ろしたフォースサーベルから光の刃が放たれた。光の刃を受けたジャンボキングが、まばゆい閃光を発しながら爆発を起こした。
「やったぞ!あの大超獣をやっつけちまったぞ!」
「これが、スーパーフォースロボの力・・!」
ギンが勝利を喜んで、陽輝が戸惑いを覚える。
「陽輝、エネルギーが尽きる!1度変身を解くんだ!」
フォースが呼びかけて、陽輝が変身を解いた。ジードも続いて変身を解いて、リクが陽輝、アキト、ハルキと合流した。
「やりましたね、リクさん・・アキト、お前も・・」
陽輝がリクに声を掛けて、アキトに視線を移す。
「怪獣に続いて超獣たちも・・何か企みが動いているのではないでしょうか・・?」
ハルキがこれまでの敵の出現に警戒と不安を感じていた。
「ずいぶんとお疲れみたいだね、みんな。」
そこへ声がかかって、陽輝たちが振り返った。彼らの前に現れたのはバスコだった。
「お、お前は、バスコ!」
リクがバスコを見て緊張をふくらませる。
「バスコ・・ゴーカイジャーの敵の・・!」
陽輝もバスコを警戒して、ハルキとともに身構える。
「マベちゃんからオレのことを聞いたみたいだね。でもマベちゃんたちは本気を出せないよ。なぜなら・・」
バスコが気さくに言って、ゴーカイジャーのレンジャーキーを取り出した。
「それは、マーベラスさんたちの・・レンジャーキーを返せ!」
「そうはいかないよ。マベちゃんを出し抜いて、オレが宇宙最大のお宝を手に入れるための、まさにカギだからね。」
リクが呼びかけると、バスコは気さくさを変えずに答える。
「あの人たちの大事なものを盗んだのなら、取り返さないといけないッスね!」
ハルキがバスコを敵視して構えを取る。
「オレも相手させてもらうぞ。」
さらに1人の男が現れて、陽輝たちの前に立ちはだかった。
「何者だ、お前は!?そいつの仲間なのか!?」
「特に仲間のつもりはないが、お前たちの敵であることは確かだ。」
陽輝が問いかけて、男が強気な態度で答える。彼はベルト「ディケイドライバー」を装着して、カード「ライダーカード」を取り出した。
「変身。」
男がライダーカードをセットして、ディケイドライバーを展開した。
“Kamen ride,Decade.”
男の体をマゼンダの装甲と仮面を身にまとった。
「その姿・・お前、仮面ライダーか・・!?」
「あぁ。オレは門矢士。通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ・・!」
アキトが声を上げて、男、士が名乗る。士は仮面ライダー、ディケイドへと変身した。
「ディケイド・・仮面ライダーの力を司る、世界の破壊者・・・!」
「世界の破壊者!?」
リクが士のことを話して、ハルキが驚きの声を上げる。
「しかしディケイドは死んだって聞いている・・バスコも・・・!」
「2人とも、生き返ったってことか・・・!?」
リクが話を続けて、陽輝が毒づく。
「嬉しいねぇ。こんな心強い味方が来てくれるなんてね。」
「言ったはずだ。オレはお前の仲間のつもりはないと。」
笑い声を上げるバスコを、士が冷たくあしらう。
「お前たちは下がっていろ・・アイツらの相手はオレたちがする・・!」
アキトが前に出て、陽輝たちに呼びかける。
「ウルトラマンになるには体力が回復していないし、生身で戦うには分が悪いからな・・」
「だけど、体力を消耗しているのは、お前も同じはずだ・・!」
アキトの口にした言葉に、陽輝が言い返す。
「それでも戦闘力は、変身しているオレのほうが確実に上だ・・オレが切り込み隊長になるしかないだろう・・!」
「アキト・・・」
アキトからさらに言われて、陽輝が戸惑いを覚える。
「別に全員でかかってきてもいいよ。その方が盛り上がるし。」
バスコが気さくに言ってから、トランペット「ラッパラッター」を手にして、ゴーカイジャーのレンジャーキーをセットしてから吹いた。するとラッパラッターから光が飛び出して、ゴーカイジャーが現れた。
「何っ!?ゴーカイジャーが!?」
「いや、中身のない操り人形だよ・・バスコの言われた通りに動く・・・!」
驚く陽輝にリクが説明する。
「これで人数合わせは丁度よくなったね。それじゃよろしく。」
バスコがけしかけて、ゴーカイジャーが剣「ゴーカイサーベル」と銃「ゴーカイガン」、槍「ゴーカイスピア」を手にした。
「近づけさせない!」
陽輝が携帯している銃を手にして発砲する。しかしゴーカイグリーンとゴーカイピンクのゴーカイガンによる発砲で、陽輝の射撃が阻まれた。
「ええい・・チェストー!」
ハルキが気を引き締めて、ゴーカイレッドたちに向かっていく。空手の打撃を繰り出すハルキだが、ゴーカイレッドたちに軽々とかわされる。
ゴーカイブルーとゴーカイイエローが振りかざすゴーカイサーベルを、ハルキが必死にかわす。だがゴーカイシルバーが振りかざしたゴーカイスピアに叩かれて、ハルキが体勢を崩す。
「ハルキ!」
陽輝も飛び出してハルキに加勢する。しかし陽輝の打撃もゴーカイレッドたちにかわされていく。
「うあっ!」
ゴーカイレッドに蹴り飛ばされて、陽輝が倒される。
「陽輝!」
ハルキが叫んで、アキトがゴーカイレッドたちに向かっていく。だがその前に士が立ちはだかった。
「お前の相手はオレがしてやる。」
「オレを甘く見ると、呆気なく終わってしまうぞ・・!」
士とアキトが互いに強気に言う。2人が拳を繰り出してぶつけ合い、さらにパンチとキックを連続で出していく。
「なかなかやるな。そろそろ面白いものを見せてやるよ。」
士が笑みをこぼしてから、新たなライダーカードを取り出した。仮面ライダークウガのカードである。
士がクウガのカードをディケイドライバーにセットした。
“Kamen ride,Kuuga.”
ディケイドの姿が別の仮面ライダーに変わった。それはディケイドライバーを除いて、仮面ライダークウガそっくりである。
士はディケイドだけでなく、他の仮面ライダーに変身することができるのである。
「他のライダーにもなれるのか・・だが、他のライダーの力を使えるのは、お前だけではない・・!」
アキトが士の能力を確かめると、フォースドライバーのバックルの左にあるスイッチを押して、アイコンを表示させた。彼はアイコンの1つにタッチした。
アキトのまとう装甲からトゲが現れて、より鋭いものとなった。彼はスピードと攻撃性に特化した「ギルスティンガー」となった。
「仮面ライダーギルスとアバレンジャーのアバレキラーの力を持った姿か。」
士がアキトの姿と能力を確かめて呟く。
「行くぞ・・・!」
アキトが鋭く言って、士に飛びかかる。そのスピードは今までよりも格段に上がっていた。
目にも留まらぬアキトの突撃に、士が翻弄されていく。
「スピードは大したものだ・・だが・・・!」
士が呟いて、ディケイドライバーにライダーカードをセットした。
“Final attack ride,kuuga.”
士の右足にエネルギーが集まる。彼が跳び上がって、アキトに向かってキックを繰り出した。
アキトが士の動きを見切って、キックをかわした。直後にアキトが回し蹴りを繰り出して、士を蹴り飛ばした。
「くっ!・・やはりスピードが足りないか・・・!」
着地した士がアキトのスピードに毒づく。
「ならばオレもスピードでやらせてもらう・・」
彼がまた新たなライダーカードを取り出して、ディケイドライバーにセットした。仮面ライダーカブトのカードである。
“Kamen ride,Kabuto.”
士の姿がクウガからカブトに変わった。彼はさらにライダーカードをディケイドライバーにセットした。
“Attack ride,clock
up.”
カブトの超高速能力「クロックアップ」を発動して、士がスピードを一気に上げた。彼とアキトが目にも留まらぬ攻防を繰り広げる。
だが激闘を繰り広げる中、アキトが士の打撃を受けて突き飛ばされた。
「スピードはオレのほうが上になってきたな。」
士がアキトを見下ろして言いかける。
「確かに・・だが確実に劣っているとは言い切れないぞ・・・!」
アキトが立ち上がって、士を再び迎え撃つ。しかし士のスピードに後れを取っていく。
アキトが士に蹴り飛ばされて、地面に倒れる。
「そろそろ決めさせてもらうぞ。」
士がカードを手にして、ディケイドライバーにセットした。
“Final attack ride,Kabuto.”
彼の右足にエネルギーが集まっていく。
「確実に攻撃を当てることができれば、決定打のチャンスはある・・・!」
アキトが思い立つと、フォースドライバーの右のスイッチを上に上げて、レバーを1度閉じて引いた。彼の体から稲妻のようなエネルギーが取り巻く。
「ギルスティンガーブレイク!」
「ライダーキック。」
アキトの突撃と士の回し蹴りが激突した。士の蹴りが先に命中して、アキトが突き飛ばされた。
「アキト!」
「ぐっ!・・スピードがモノを言ったというのか・・・!」
陽輝が叫んで、アキトが士の強さを痛感して毒づく。
「勝負あったな。力が上だったのはオレのほうだったわけだ。」
士がアキトを見下ろして勝ち誇る。
「お前のライダーの力も手に入れれば、世界を作り変えるのも大きく前進するかもな。」
士が元のディケイドの姿に戻ってから、アキトからフォースドライバーを奪い取ろうとした。
「やめろ!」
陽輝が士に向けて発砲した。士が左腕を振りかざして、射撃をはじく。
「アキトから離れろ!」
「ウルトラマンフォースか。変身していないお前では、オレの相手が務まるはずもないだろう・・」
呼びかけて銃を構える陽輝に、士がため息まじりに言う。
「勝てないと諦めていたら、何もできなくなる・・・!」
「それで無謀な挑戦をするか。いい度胸だな・・」
勇気を振り絞る陽輝を、士が鼻で笑う。
陽輝が再び射撃するが、士はアイテム「ライドブッカー」を「ガンモード」にして迎撃した。
「下がれ、陽輝!お前の敵う相手ではない!」
アキトが陽輝に呼びかけて、力を振り絞って立ち上がる。
「オレと戦うなら、せめてウルトラマンになってからにするんだな。」
士が陽輝にライドブッカーの銃口を向けた。
「やめるんだ、仮面ライダー!」
そこへ声がかかって、陽輝たちが振り向いた。1人の青年が彼らの前に駆けつけてきた。
「誰だ、アイツは・・・?」
「ここは危ない!早く離れるんだ!」
アキトが疑問を覚えて、陽輝が青年に呼びかける。
「そうはいきません。傷ついているあなたたちを助けずに、逃げるわけにはいかないです・・!」
しかし青年は離れず、士と対峙しようとしていた。
「そのベルト・・お前も仮面ライダーか・・・?」
士が青年が到着しているベルト「聖剣ソードライバー」に目を向けた。
「たとえ何者だろうと、オレと戦えば破滅の結末だぞ。」
「そんなことにはならない・・物語の結末は、オレが決める!」
嘲笑を送る士に青年が言い返す。
“ブレイブドラゴン!”
青年が本型のアイテム「ワンダーライドブック」を取り出してスイッチを入れた。大いなる本にある「ブレイブドラゴン」の伝承が封じ込められている「ブレイブドラゴンワンダーライドブック」である。
“かつて、全てを滅ぼすほどの偉大な力を手にした神獣がいた。”
青年はブレイブドラゴンワンダーライドブックを開いてスイッチを押して、再び閉じて聖剣ソードライバーにセットした。
“烈火・抜刀!”
彼は聖剣ソードライバーにある聖剣「火炎剣烈火」を引き抜いた。
「変身!」
“烈火一冊!勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く。”
青年の体を紅の鎧のような装甲と仮面が包み込んだ。
「アイツも仮面ライダーか・・初めて見るヤツだ・・・!」
アキトが青年を見て戸惑いを覚える。
「オレは神山飛羽真。オレもあなたを止めるために戦う・・!」
青年、飛羽真が士に向けて名乗る。
飛羽真は「剣士」と呼ばれる仮面ライダーの1人、セイバーに変身する小説家で、魔物「メギド」の野望に立ち向かっていた。
「セイバー・・仮面ライダーセイバーってところか・・」
「オレの相手を使用っていうなら、破壊されることを覚悟するんだな。」
陽輝が呟いて、士が飛羽真に忠告を送る。
「誰も何も壊させない・・何1つ、終わらせはしない!」
飛羽真が言い返して、火炎剣烈火を構えて士に向かっていく。士はライドブッカーを「ソードモード」に変えて、飛羽真を迎え撃つ。
火炎剣烈火がライドブッカーと激しくぶつかり合い、刀身を待とう炎が火の粉となって散る。
「お前もなかなかやるようだが、オレよりは下だな。」
士は強気に言うと、ライドブッカーを振りかざして飛羽真を切りつけた。セイバーの装甲から火花が散って、飛羽真が突き飛ばされる。
「強い・・このまま手をこまねいているわけにはいかない・・!」
陽輝が耐えかねて、フォースに変身しようとする。
“しかしフォースになれば人間と同じ大きさではいられない。大きくなれば勝てるということではないぞ。”
「これでもこのまま何もしないよりはいい・・・!」
フォースが注意を促すが、陽輝の意思は変わらない。
そのとき、上空から2つの影が降下してきた。その正体は巨大な2体の怪獣たちだった。
「みんな、離れろ!」
陽輝が呼びかけて、アキトたちとともにその場から動いた。怪獣たちが着地して、その衝撃に陽輝たちが押された。
「あれは、ゼットンとパンドン・・こんなときに・・・!」
リクが2体の怪獣、宇宙恐竜ゼットンと双頭怪獣パンドンを見上げて危機感をふくらませる。
「ゼットさん、行きますよ!」
“ダメだ!あの2体を相手にするには、まだ体力が戻っていない!”
ハルキが変身しようとするが、ゼットに止められる。
「だけど、変身しないとみんなやられてしまうッス!」
それでもハルキは変身して戦うことを考えていた。
「ここはオレに任せろ。」
そこへ1人の男が現れ、ハルキをなだめてきた。
「ガ、ガイさん!」
リクがその男、クレナイ・ガイを見て驚きの声を上げた。
「リク先輩、知り合いなんですか!?」
「クレナイ・ガイさん。ウルトラマンオーブだよ。」
ハルキが聞いて、リクがガイのことを紹介する。
「えっ!?オーブ先輩だったんですか!?じ、自分、ナツカワハルキって言います!ゼットさんと一緒に旅をしています!」
感動を覚えたハルキが、ガイに近寄って深々と頭を下げた。
「そんなことをしている場合じゃないだろ。まずはオレに任せろ。」
ガイがハルキに注意して、ゼットンたちに目を向ける。
「オーブか。怪獣たちはアイツに任せるか・・」
士がガイを見て呟いて、アキトたちに視線を戻す。
「そこの仮面ライダー、ディケイドのほうは任せるぞ。」
ガイがアキトに呼びかけてから、リング状のアイテム「オーブリング」とカード「ウルトラフュージョンカード」を取り出した。
「ウルトラマンさん!」
彼がウルトラマンのウルトラフュージョンカードをオーブリングの中央に入れてリードする。
“ウルトラマン!”
カードを読み取ったオーブリングから音声が発する。
「ティガさん!」
“ウルトラマンティガ!”
続けてガイはウルトラマンティガのカードをオーブリングにリードさせる。
「光の力、お借りします!」
“フュージョンアップ!”
オーブリングを高く掲げたガイが、2人のウルトラマンの光に包まれる。
“ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオン!”
彼の姿が新たな光の巨人に変わった。
「オレの名はオーブ!闇を照らして悪を討つ!」
ガイが変身したウルトラマン、オーブが名乗りを上げた。今の彼の姿は、初代ウルトラマンとティガの力を宿した「スペシウムゼペリオン」である。
ゼットンとパンドンの前に、オーブが立ちはだかった。