ザ・グレイトバトル
-真の強さ-
第4章
ハンブラビと交戦する陽輝たちだったが、キラ、アスランの駆るフリーダムとジャスティスが乱入してきた。
「フリーダムとジャスティス・・ついにこの地球にまで来たか・・!」
リクがフリーダムたちを見て警戒を覚える。
「あれが、マーベラスさんたちの言っていたモビルスーツか・・!」
陽輝もフリーダムたちを警戒し、出方をうかがう。
「あっちにはパイロットがいるんですか・・?」
「戦ったときに透視した。あっちには間違いなくパイロットがいるよ・・!」
ハルキが疑問を感じて、リクが答える。マーベラスたちを助けたとき、ジードはフリーダム、ジャスティスを操縦するキラとアスランの姿を透視していた。
「だったら呼びかければ通じるはずです!さっきみたいに言ってみてください!」
「この前もそうしたけど、2人とも攻撃をやめなかった・・2人とも、ただ言葉を返すだけで、自分の気持ちを押し通そうとしている・・・!」
ハルキが説得を試みることを考えるが、リクが顔を横に振る。
「オレたちがやってみる。それでも伝わらなければ、覚悟を決めるしかない・・!」
陽輝が言いかけて、ハルキが頷く。陽輝が通信回線を開いて、キラたちに呼びかける。
「こちらはGフォース!そこの機体のパイロット、オレたちは攻撃を仕掛けてきたあの3機を迎撃している!お前たちも3機の味方なのか!?」
「僕たちは戦いを止めたいだけなんだ・・それには、こうするしかない・・」
陽輝からの説得に対して、キラが考えを口にする。
「戦いを止めたいのはオレたちも同じだ!そのオレたちが敵対してどうするんだ!?」
「誰も傷ついてほしくない・・そのために戦えないようにしないといけないんだ・・・!」
陽輝の言葉をはねつけて、キラがフォースガンダムたちとハンブラビ、両者と戦おうとする。
「アイツら、どうしてもこっちを攻撃してくるってことなのかよ!?」
「仕方がない・・応戦して撃退させるしかない・・!」
ギンが声を荒げて、アキトが迎撃を決断する。
フリーダムが2つのビームライフルを手にして、フォースガンダムたちに向かって射撃してきた。フォースガンダムとGパニッシャーが左右に動いてかわす。
「あの機体、射撃が速い・・!」
陽輝がフリーダムの動きに毒づく。フリーダムが立て続けにビームを撃って、ナツとイズルのビームサーベルを持つ腕を撃ち抜いた。
「うぐっ!しかも狙いが正確だ・・!」
「性能がまるで違う・・Gパニッシャーじゃ歯が立たない・・!」
イズルとナツがうめいて、フリーダムに脅威を感じていく。フォースガンダムとフリーダムがビームサーベルをぶつけ合う。
「お前は人の話を聞かないのか!?お前たちのやっているのは、お前の言っていることと正反対だぞ!」
「それは違う!これは戦いを止めるなんだ!」
「それが違うって言っているんだ!」
キラの言い放つ言葉に、陽輝が反発する。フォースガンダムとフリーダムが後退して距離を取る。
「ダメだ!オレたちの話を聞こうとしない・・!」
「戦うしかないのか!?・・同じ心を持った人なのに・・・!」
攻撃をやめないキラに、陽輝とハルキが毒づく。
フリーダムが2本のビームサーベルを素早く振りかざして、フォースガンダムを攻め立てる。その猛攻でフォースガンダムが突き飛ばされて、地面に倒れる。
「うっ!」
陽輝たちが衝撃に襲われてうめく。
「フォースガンダム1機では太刀打ちできない・・・!」
「オレとゼットさんが行きます!攻撃を止めてみせます!」
危機感をふくらませる陽輝に、ハルキが呼びかける。彼はウルトラゼットライザーのトリガーを押して、現れた光のトンネル「ヒーローズゲート」を通った。
(オレたちは今は援護だ、フォース・・!)
“分かっている。今はゼットたちに任せよう・・!”
陽輝がハルキたちを信じて、フォースが同意した。
ヒーローズゲートの先にある異空間「インナースペース」で、ハルキはゼットと対面していた。
「あくまで止めるだけだ!倒すのが目的じゃない!」
「分かった!任せてくれ、ハルキ!」
ハルキの願いをゼットが聞き入れた。ハルキがウルトラマンゼロ、ウルトラセブン、ウルトラマンレオのウルトラメダル「ゼロメダル」、「セブンメダル」、「レオメダル」を取り出した。
「宇宙拳法、秘伝の神業!ゼロ師匠!セブン師匠!レオ師匠!」
“Zero,Seven,Leo.”
ハルキが3枚のウルトラメダルをウルトラゼットライザーにセットして、リードしていく。
「押忍!ご唱和ください、我の名を!ウルトラマン、ゼーット!」
「ウルトラマン、ゼーット!」
ゼットの掛け声とそろえて、ハルキが高らかに掲げたウルトラゼットライザーのトリガーを押した。
“Ultraman Z,Alpha edge.”
ハルキがゼットに変身して、フリーダムの前に現れた。今の彼の姿は、格闘戦に優れた「アルファエッジ」である。
「あれは、この前の巨人とは違う・・・!」
キラがゼットを見て呟く。
「待て!お前も人間だろ!人間同士が争うのは、馬鹿げているとは思わないのか!?」
ゼットが右手を前に出して、キラに向かって呼びかける。
「だからこそ、僕が戦いを止めるんだ・・僕たちが平和を取り戻さなくちゃならないんだ・・!」
しかし彼の言葉をキラははねつける。
「あくまで自分の考えしか信じないってことなのか・・・!?」
「止めるしかない・・攻撃の手段である武器を全て撃つ・・そうすれば命を奪わなくて済む・・・!」
ハルキが焦りを噛みしめて、ゼットが檄を飛ばす。
「今度はオレが相手だ!ロボットみたいに、武器を壊せば終わりってわけにはいかないぞ!」
ゼットが言い放って、フリーダムと同時に飛び出す。フリーダムが振りかざすビームサーベルを、ゼットが手刀で止めていく。
キラがゼットの動きを見計らって、フリーダムがレールガンを発射してゼットをけん制する。距離を取ったフリーダムがビームサーベルをビームライフルに持ち替える。
フリーダムがゼットに向かってビームライフルを連射する。
「ゼットスラッガー!」
ゼットがゼットスラッガーを2本動かして、フリーダムのビームをはじいていく。
「キラ!」
アスランがキラの苦戦を察知して、ジャスティスがゼットに向かっていく。
「行かせないぞ!」
陽輝のフォースガンダムがジャスティスの行く手を阻んだ。
「そこをどけ!お前たちのしていることは、状況を混乱させるだけだ!」
「それはお前たちのことだろう!お前も、ただ自分の考えと力を押し付けるだけなのか!?」
アスランの口にする言葉に、陽輝が反発する。
「お前たちも、力で止めるしかないのか・・!?」
アスランが憤りを噛みしめて、ジャスティスが連結させたビームサーベルを構えた。
フォースガンダムがビームサーベルを構えるが、ジャスティスの振りかざしたビームサーベルがサーベルの刃とぶつかり、その力に押される。
直後にジャスティスがビームブレイドを発した右足を振りかざしてきた。フォースガンダムがビームサーベルをはじかれて、押されて倒れた。
「陽輝!」
「くっ!」
ナツが叫び、アキトが毒づく。彼のGパニッシャーがジャスティスに向かってビームライフルを発射する。
ジャスティスが左腕からビームシールドを出して、ビームを防いだ。ジャスティスが直後にビームシールドに収納されていたビームブーメランを手にして投げつけて、ビームサーベルを持っていたGパニッシャーが右腕を切り裂かれた。
「ぐっ!・・性能が格段に向こうが上か・・!」
アキトが毒づいて、Gパニッシャーが足を止める。
「みんなが危ない・・ここが限界なのか・・・!?」
絶体絶命を痛感して、陽輝がフォースブレスに目を向けた。
ハンブラビたちがフォースガンダムたちのところへ向かってきた。ハンブラビ3機が網を射出して、フォースガンダムが捕らわれた。
「しまった!」
フォースガンダムが自由を封じられて、陽輝が声を荒げる。
「お前たちも戦いを起こすのか・・!」
アスランがハンブラビに目を向けて、ジャスティスが飛びかかる。ビームサーベルとビームブレイドを振りかざして、ジャスティスがハンブラビを攻め立てる。
「アイツ、オレたちを攻撃しておいて、あの3機にも・・!」
“勢力に関係なく、見境なく攻撃を仕掛けるつもりだ!ただ自分たちの考えだけに基づいて・・!”
陽輝とフォースがアスランたちの行動に対する懸念を強める。
ジャスティスによってハンブラビの2機が腕やビームライフルを破壊されて、攻撃力を低下させられていた。
「もうやめろ!争いをしても、悲しみが増すだけだぞ!」
アスランがハンブラビに向かって呼びかける。しかしハンブラビは3機とも攻撃をやめようとしない。
「倒すしかないのか・・・!」
アスランが歯がゆさをふくらませて、ジャスティスがハンブラビの迎撃に出る。
そのとき、陽輝たちのいる地点に大きな揺れが起こった。
「おい、こんなときに地震か!?」
「違う・・ただの揺れじゃない・・空間の歪みも感知しているよ・・!」
声を荒げるギンと、センサーを確認して空を見上げるイズル。空にひび割れが起きて、ガラスのように割れた。
「空が、割れた・・!?」
「異次元・・“超獣”が出てくるのか!」
アスランが目を見開いて、陽輝が警戒を強める。空の割れた先にある異次元から、3体の巨大生物が出てきた。
巨大生物は「超獣」と呼ばれるもので、侵略を企む異次元人が動植物と宇宙生物を合成して誕生させた生物兵器である。
現れた超獣はくの一超獣ユニタング、牛神超獣カウラ、地獄超獣マザリュースである。
「こんなときに、超獣がこんなに出てくるなんて・・ますます状況が悪くなった・・・!」
ナツがユニタングたちを見て、緊張をふくらませる。
「オレたちがまとめて相手をする!Gフォースは1度下がって体勢を整えろ!」
蓮斗が陽輝たちに向かって呼びかける。フォースマシンがユニタングたちに向かっていく。
「無双合体!」
蓮斗が呼びかけて、フォースジェット、フォースドリル、フォースタンクが合体する。
「完成、フォースロボ!」
フォースロボが降り立ち、ユニタングたちの前に立ちはだかった。
「オレたちもあのロボを援護するぞ、ハルキ!」
ゼットの呼びかけにハルキが頷く。しかしキラのフリーダムがゼットの行く手を阻む。
「どいてくれ!アイツらがいると、地球も宇宙もムチャクチャになってしまうんだぞ!」
「でも、争いを広げる君たちを放っておくことはできない・・!」
ゼットが呼びかけるが、キラはそれでも退かない。
「何度言っても分かんないのかよ!?・・そこまで言い張るなら、オレたちも覚悟を決める!」
ハルキが迷いを振り切って、3枚のウルトラメダルを取り出した。ウルトラマンティガの力が宿った「ティガメダル」、ウルトラマンダイナの「ダイナメダル」、ウルトラマンガイアの「ガイアメダル」である。
「変幻自在、神秘の力!ティガ先輩!ダイナ先輩!ガイア先輩!ガイア先輩!」
“Tiga,Dyna,Gaia.”
ハルキがウルトラゼットライザーに3枚のウルトラメダルをセットした。
「押忍!ご唱和ください、我の名を!ウルトラマン、ゼーット!」
「ウルトラマン、ゼーット!」
フォースの掛け声に合わせて、ハルキがウルトラゼットライザーを掲げてトリガーを押した。
“Ultraman Z,Gamma future.”
ゼットの姿が赤、紫、銀といったカラーリングに変わった。彼は光線技と超能力に特化した「ガンマフューチャー」となった。
「超獣たちを倒すため、押し通らせてもらう・・!」
ゼットが低い声でキラに言いかける。
フリーダムが2つのビームライフルを連射する。ゼットは残像を伴った高速でビームをかわして、フリーダムの横をすり抜ける。
フリーダムが振り向きざまに、全ての銃砲をゼット目がけて発射した。
「うあぁっ!」
ユニタングたちのところへ向かっていたゼットが、後ろからビームを受けてダメージを負う。
「あぐっ!」
ゼットが前のめりに倒れて、その衝撃に揺さぶられてハルキがうめく。起き上がろうとするゼットのカラータイマーが点滅を始めた。
「大丈夫か、ハルキ・・!?」
「オレは大丈夫ッス・・だけど急がなくちゃ・・・!」
ゼットがハルキと声を掛け合って、力を振り絞って立ち上がる。
「オレたちはアイツをおとなしくさせないといけないみたいだ・・!」
ゼットがフリーダムに振り返って、エネルギーを集中させる。フリーダムが再びビームライフルを発射する。
「ガンマイリュージョン。」
ゼットがビームをかわすと、3人の幻影を呼び出した。それはティガ、ダイナ、ガイア、3人のウルトラ戦士である。
ティガ、ダイナ、ガイアがそれぞれ光線「ゼペリオン光線」、「ソルジェント光線」、「フォトンストリーム」を発射する。キラが反応して、フリーダムが3人の光線を飛翔してかわした。
「ゼスティウム光線。」
フリーダムの動きを読んでいたゼット自身も光線を放つ。キラが反応するが、ビームライフルの1つが光線を受けて破壊される。
「キラ!・・1度撤退したほうがいい・・!」
アスランが危機感を覚えて、キラに呼びかける。
「オレたちがやられたら、戦いを止める者がいなくなってしまう・・悔しいが、いったん撤退したほうがいい・・!」
「うん・・戻ろう、アスラン・・・!」
アスランの言葉を聞き入れて、キラが頷いた。フリーダムとジャスティスが引き下がろうとした。
そのとき、2本のビームがフリーダムとジャスティスに向かって飛んできた。フリーダムが紙一重でかわしたが、ジャスティスが持っていたビームサーベルをはじかれた。
「今のは・・!」
キラがアスランとともにビームの飛んできたほうに目を向けた。ゼットたちの前に下りてきたのは、光の翼を発した1機の機体。
「デスティニー!?・・いや、少し違う・・・!」
アスランがその機体を見て当惑を覚える。
ザフトの最高峰の機体「デスティニー」。今現れたのはその後継機「マークデスティニー」である。
「あのデスティニー・・シンなのか!」
陽輝もデスティニーを見て戸惑いを感じていく。
「生きていた・・いや、よみがえったというべきか・・・!」
デスティニーのパイロット、シン・アスカがフリーダムとジャスティスを見て毒づく。
「そのデスティニーに乗っているのは、やはりシンか・・!」
アスランがデスティニーとシンに対して毒づく。
「オレたちが討ったあのときのままだ・・綺麗事を押し通すことしか考えていない・・・!」
シンがキラとアスランに対して憤りを覚える。
「アンタたちはオレが倒す・・アンタたちが、何度出てきても!」
シンが言い放ち、デスティニーががビームの剣「シュペール・アロンダイトビームソード」を手にして、ビームの刃を発した。
「よせ、シン!お前も戦火を広げるつもりなのか!?」
アスランがシンを呼び止めて、ジャスティスがビームライフルを構える。
「それはアンタたちのほうだ・・自分たちのやっていることが、どれだけの悲劇を生むことになるのか・・考えているつもりになって、全く考えていない!」
シンが怒号を放って、デスティニーが飛びかかってビームソードを振り下ろす。アスランが反応して、ジャスティスが後退してかわす。
「シン、お前も目を覚ませ!何のために戦うべきなのか、よく考えろ!」
「戦う理由を見失っているのはアンタたちだ!世界のためだと思い込んでおきながら、身勝手に戦って!」
呼びかけてくるアスランの言葉を、シンが怒りを込めてはねつける。
「アンタたちのような存在を野放しにしていたら、また悲劇が起こる・・アンタたちの無自覚の悪意は、オレが止める・・何度でも!」
シンが揺るぎない決意を言い放って、デスティニーがビームブーメラン「スラッシュエッジ」を投げつける。ジャスティスが両足のビームブレイドを振りかざしてスラッシュエッジをはじくが、衝撃が強くアスランが揺さぶられる。
「やはり前のデスティニーよりもパワーが上がっている・・・!」
「アスラン、いったん出直そう・・・!」
毒づくアスランにキラが呼びかける。フリーダムが銃砲を一斉発射して、デスティニーをジャスティスから引き離す。
「シン・・・!」
アスランは苦悩を感じながら、キラとともに撤退していった。
「逃げられたか・・」
シンがキラたちの出現と行動に毒づく。
「シン・・!」
そこへもう1機の機体が現れて、デスティニーに近寄ってきた。
「あれは“インパルス”・・ルナマリアも来てくれたのね・・!」
ナツが機体、インパルスを見て戸惑いを覚える。インパルスとそのパイロット、ルナマリア・ホークも世界を飛び越えてきていた。
「アスラン、生きていたのね・・・」
「いや、多分生き返ったんだ・・何者かの仕業で・・・!」
戸惑いを感じているルナマリアに、シンが歯がゆさを噛みしめて答える。
「シン、ルナマリア、オレたちは今、敵と交戦中なんだ・・詳しい話は、アイツらを倒した後に聞かせてほしい・・・!」
陽輝がシンたちに現状を伝えた。
「分かった・・オレたちもアイツらと戦う・・あのウルトラマンも、エネルギーが少なくなっているから・・!」
シンが頷いて、ユニタングたちに目を向けた。
「僕もそろそろ出るよ。ハッチを開けてくれ。」
リクもジードになろうと決意して、アキトに呼びかけてきた。
そのとき、アキトのGパニッシャーに向けて光線が飛んできた。
「ぐっ!」
Gパニッシャーが体勢を崩して倒れて、アキトがうめく。
「な、何だ・・!?」
リクが声を上げて、アキトが光線の飛んできたほうに目を向けた。その先の荒野に、1人の怪人が現れた。
「あれはマザロン人!アイツも出てきたのか!」
リクが怪人、マグマ超人マザロン人を見て声を荒げる。
「人間サイズで攻撃してきたか・・これはオレも降りて戦う必要があるな・・!」
アキトが毒づいてから、ハッチを開いてリクとともにGパニッシャーから出た。
「コイツはオレが相手をする。ウルトラマンのお前の相手は、あの巨大なヤツらだ。」
アキトがリクに呼びかけて、ユニタングたちに目を向ける。
「でも君1人を残して行くわけには・・!」
「オレにも戦う力はある。」
心配するリクに、アキトがフォースドライバーを手にして見せた。
「君も、もしかして・・!?」
「分かったらお前も早く行くんだな。」
戸惑いを浮かべるリクに、アキトがさらに呼びかけた。
「うん・・Gフォースの援護は任せて!」
リクが頷いて、ユニタングたちのいるほうへ走り出した。彼はジードライザーと2つのウルトラカプセル「ウルトラマンカプセル」と「ベリアルカプセル」を取り出した。
「ユーゴー!」
リクが装填ナックルにウルトラマンカプセルをセットする。
「アイゴー!」
彼は装填ナックルにベリアルカプセルをセットする。
「ヒアウィーゴー!」
リクがトリガーを押したジードライザーで、装填ナックルにセットされているカプセルをスキャンする。
“フュージョンライズ!”
カプセルをスキャンしたジードライザーから音声が発する。
「決めるぜ、覚悟!ジード!」
“ウルトラマン!ウルトラマンベリアル!”
リクがジードライザーを高らかに掲げた。
“ウルトラマンジード・プリミティブ!”
リクがジードに変身して、ゼットと合流した。彼は基本形態「プリミティブ」となった。
「ゼット、大丈夫か!?」
「ジ、ジード先輩・・!」
ジードが呼びかけて、ゼットが答えて頷く。
「ここからは僕に任せて。ゼットは体勢を整えて・・!」
「分かりました・・お任せします・・・!」
ジードの渋々言葉を聞き入れて、ゼットが後退した。2人のやり取りを見て、アキトが笑みを浮かべた。
「貴様1人で私の相手が務まると思っているのか?」
マザロン人がアキトをあざ笑う。
「同じ言葉を返してやる。」
アキトが言い返して、フォースドライバーを装着してレバーを手に掛けた。
「変身!」
アキトがレバーを引いて、フォースドライバーを展開した。フォースドライバーからあふれた光が、アキトを包み込んだ。
光は赤と黒を基調としたスーツとマスクに変わった。
「き、貴様は!?」
「仮面ライダーフォース。オレの力を味わわせてやる。」
驚くマザロン人にアキトが強気に名乗った。
「ならば貴様から地獄に叩き落としてやるぞ!」
マザロン人がアキトに敵意を向けて、両手から光線を放つ。アキトが跳躍して光線とその爆発をかわす。
アキトがマザロン人の懐に飛び込んで、両手を握ってパンチを繰り出す。マザロン人が体にパンチを連続で受けて、徐々に押されていく。
マザロン人がアキトの左腕をつかんで締めつけてきた。
「くっ!・・力が強い・・!」
アキトがフォースドライバーの右のスイッチを上に上げて、レバーを1度閉じてまた引いた。フォースドライバーから光があふれ出して、彼の右手に集まる。
「フォースライダーパンチ。」
アキトが右手を振りかざして、マザロン人にパンチを叩き込んだ。マザロン人が突き飛ばされて、地面に叩きつけられた。
「パワーはヤツのほうが上・・だが、戦いはそれだけではないぞ・・・!」
マザロン人が立ち上がって、アキトの力を痛感する。マザロン人が両手から光線を放って、遠距離からアキトを攻め立てる。
「近づけさせないつもりか・・だが、オレの力は以前の単純なものではないぞ・・」
アキトが言いかけて、フォースドライバーのバックルの左にあるスイッチを押した。トウジたちが回収後にフォースドライバーに付け加えられたものである。
アキトの前に立体映像のアイコンが現れた。彼がその中の1つにタッチした。
アイコンの光がアキトのまとうフォースの装甲に入り込む。装甲が変化して、パワーと遠距離攻撃に特化した姿「GXブレスト」となった。
GXブレストにはG3-Xとバース、2人の仮面ライダーのデータが組み込まれている。
マザロン人が再び光線を放つ。装甲に光線が当たって火花が散るが、アキトはものともせずに前進していた。
「GXブレストランチャー!」
アキトがバズーカ砲「GXブレストランチャー」を呼び出して、マザロン人を狙って発射した。
「うおっ!」
周囲に砲撃の爆発が起こって、マザロン人が吹き飛ばされる。
「接近戦でも遠距離でも、オレのほうが力が上だ。」
アキトがマザロン人に向けて言うと、GXブレストランチャーの銃身にあるスライドを動かした。GXブレストランチャーの砲門にエネルギーが集まっていく。
「フォースランチャーバースト!」
アキトが引き金を引いたGXブレストランチャーから、閃光が放出された。
「ぐあぁっ!」
マザロン人が砲撃を受けて、ダメージを受けて吹き飛ばされた。
ユニタング、カウラ、マザリュースにフォースガンダム、フォースロボ、ジード、デスティニー、インパルスが迎え撃つ。
(ナツたちはあのモビルスーツにやられて攻撃がままならない・・オレもフォースになるしかない・・!)
“陽輝、超獣は怪獣よりも強力だ。ヤツらが能力を出す前に倒すぞ。”
判断を決める陽輝に、フォースが呼びかける。陽輝がフォースブレスに目を向けた。
「フォース!」
陽輝がフォースブレスを付けている左腕を前に伸ばした。彼が光を発しながら、フォースに変身した。
「フォース!」
「オレたちも戦う。超獣が何か企みを仕掛ける前に倒す!」
リクが声を上げて、陽輝が答える。ジードとフォースがユニタングに向かっていく。
フォースたちがユニタングに近づいて、パンチとキックの猛攻を仕掛ける。ユニタングが押されて体勢を崩す。
「フォースシュート!」
「レッキングバースト!」
フォースとジードが両腕を十字に組んで、光線を放つ。光線を直撃されたユニタングだが、体をバラバラにして回避した。
「アイツ、体を分裂させることができるのか!?」
陽輝がユニタングに対して毒づく。バラバラになっていたユニタングが元に戻る。
「もう1度光線を撃って、バラバラになったところをさらに狙い撃ちするしかない・・!」
陽輝が言い放って、フォースがユニタングに向かって光線を撃とうとした。
そのとき、ユニタングが両手から糸を噴射してきた。フォースが糸を巻きつけられて、動きを封じられる。
「しまった!体が動かない・・!」
「フォース!」
うめくフォースにジードが叫ぶ。ジードがジャンプしてユニタングの後ろに回って、糸を出さないようにして攻める。
ユニタングが反撃に出て、爪を突き出してジードに当てていく。
「早く・・早く抜け出さないと・・・!」
陽輝が焦りを噛みしめて、フォースが糸から抜け出そうとする。
フォースロボがパンチを連続で繰り出して、カウラを攻め立てていく。
デスティニーとインパルスがビームライフルを発射して、マザリュースに命中させていく。
「フォースがピンチみたいね・・!」
「オレがコイツを倒す!ルナはフォースの援護に行ってくれ!」
ルナマリアが言いかけて、シンが彼女に呼びかける。
「分かったわ!シンも気を付けてね!」
ルナマリアが答えて、インパルスがデスティニーから離れた。超獣とフォースたちの戦いは混戦にもつれていった。