ザ・グレイトバトル

-真の強さ- 

第2章

 

 

 宇宙の真っ只中を突き進む1隻の船。宇宙を航行する赤い船体の海賊船である。

 海賊船は今、激しい襲撃を受けて加速をしていた。

「ったく!・・こんなときにしつこく撃ってきやがって・・!」

 海賊船の船長、キャプテン・マーベラスが襲撃に毒づく。

「ハカセ、早く振り切っちゃってよー!」

「これでも全速力だよ!向こうのほうがスピードが速いんだ!」

 女性、ルカ・ミルフィが文句を言って、海賊船「ゴーカイガレオン」のコンピューターを操作する男、ドン・ドッコイヤーが言い返す。

「こんなときに変身できないなんて・・・!」

「変身できなくても戦うことができるが、負担が大きくなる・・!」

 女性、アイム・ド・ファミーユと男、ジョー・ギブケンが焦りを噛みしめる。

「まさかあのガンダムがオレたちを攻撃してくるなんて・・!」

 男、伊狩(いかり)(がい)が襲撃者に対して動揺を隠せなくなっていた。

 ゴーカイガレオンを追撃していたのは、2体の機体。「ストライクフリーダム」と「インフィニットジャスティス」だった。

「わーわー!大ピンチだよ〜!」

 オウム型ロボット、ナビィが慌てふためく。

「くっ!・・まさか、またアイツに出し抜かれるなんて・・・!」

 マーベラスがいら立ちをふくらませて、梶を握る手に力を込めた。

 

 ストライクフリーダムとインフィニットジャスティスのパイロット、キラ・ヤマトとアスラン・ザラ。2人はマーベラスたちの戦いを止めようとしていた。

 マーベラスたちが騒動に巻き込まれ、抗争を繰り広げていたところへキラたちが現れて、戦いを止めるために攻撃を仕掛けてきたのである。

「戦いを止める・・僕とアスランなら、どんなことでもできる・・・!」

「それがオレたちの戦いだ・・・!」

 戦いを終わらせるための戦いに臨むキラとアスラン。フリーダムとジャスティスがゴーカイガレオンを追跡した。

 

「このままじゃ狙い撃ちにされるだけだ!」

 ドンが焦りをふくらませて悲鳴を上げる。フリーダムとジャスティスがゴーカイガレオンに向けてビームライフルを構えた。

 そのとき、2つの光線がフリーダムとジャスティス目がけて飛び込んできた。キラとアスランが気付いて、フリーダムとジャスティスが光線を回避した。

「何だ、今のは・・!?

「私たちを助けてくれた・・・!?

 ジョーとアイムがこの瞬間に戸惑いを覚える。

「みなさん、外を見てください!あれは・・!」

 鎧が声を荒げて、マーベラスたちが外に目を向ける。ゴーカイガレオンのそばに、1人の巨人が現れた。

「あれはジード!ウルトラマンジードが来てくれましたよー!」

 鎧が巨人、ジードを見て叫んだ。

 ウルトラマンジード。青年、朝倉(あさくら)リクがアイテム「ジードライザー」と「ウルトラカプセル」を使ってフュージョンライズしたことで変身するウルトラ戦士である。

「大丈夫ですか、ゴーカイジャーのみなさん!?

「お前か・・こんなところで会うとはな・・!」

 ジードが声をかけて、マーベラスが笑みを浮かべて答えた。

「僕が食い止めます!その間にみなさんは行ってください!」

「サンキュー!その言葉に甘えさせてもらうよ!」

 ジードが呼びかけて、ルカが感謝の言葉を送った。

「それじゃ全速前進だ!」

 マーベラスが舵を切って、ゴーカイガレオンがスピードを上げた。

「アイツらは戦いを仕掛けている!それを止めなくてはならないんだ!」

 アスランがジードに向かって呼びかける。

「あの人たちは海賊ですが、悪い人たちではありません。攻撃していいわけじゃないんです・・!」

 ジードが彼らに向かって説得を試みる。

「でもあの人たちを放っておいたら、それだけで被害が広がる・・そうさせないために、僕たちが止めなくちゃいけないんだ・・・!」

 キラがマーベラスたちを倒すことに固執する。

「だからって、マーベラスさんたちの話も聞かないで、一方的に攻撃を仕掛けるなんて・・!」

「そう言われるのは分かっていたよ・・でもこうしないと、戦いを止められないから・・・!」

 不満を言うジードだが、キラは言い訳をして自分の考えを押し通そうとする。

「そうやって問答無用で向かってくるなら、僕が全力で食い止める!」

 ジードがためらいを振り切って、フリーダムとジャスティスの足止めに出た。

 フリーダムとジャスティスが同時にビームライフルを発射する。ジードが上に飛んでビームをかわす。

 フリーダムとジャスティスがそれぞれ2本のビームサーベルを手にして、ジャスティスはその2本の柄を合わせて1本とした。

 ジャスティスが振りかざしたビームサーベルを、ジードが素早くかわす。その先でフリーダム詰め寄り、ビームサーベルを振りかざしてジードを切りつける。

「うぐっ!」

 ジードが体勢を崩して、リクがうめく。フリーダムが続けてビームサーベルを振りかざすが、ジードは紙一重でかわした。

「向こうが武器で来るなら・・!」

 リクが思い立って、ジードが武器「ジードクロー」を右手に装着した。向かってきたフリーダムとジャスティスに対してジードクローで迎え撃つジードだが、スピードのある2機にジードクローをかわされて、ビームサーベルで切りつけられる。

「スピードも足りないか・・・!」

 毒づくリクが2つのウルトラカプセル「ヒカリカプセル」と「コスモスカプセル」を取り出して、ジードライザーに装てんした。

“フュージョンライズ!”

 ウルトラカプセルを読み取ったジードライザーから音声を発する。

“ウルトラマンヒカリ!”

“ウルトラマンコスモス!”

 リクがジードライザーのトリガーを押した。

“ウルトラマンジード・アクロスマッシャー!”

 ジードの体の色が青と銀となった。彼はスピード重視の形態「アクロスマッシャー」となった。

「姿が変わった!?変身したのか・・!?

 アスランがジードの変化を見て声を荒げる。

 フリーダムがスピードを上げて、ビームサーベルを振りかざす。しかしジードのスピードが増して、その高速にかわされた。

 ジャスティスもジードへ飛びかかって、ビームサーベルを振りかざす。ジードはジードクローを出して、ビームサーベルを受け止めた。

 直後にジャスティスが右足からビームブレイドを発して、ジード目がけて繰り出す。

「コークスクリューブロック!」

 ジードがジードクローの爪を回転させて、ジャスティスのビームサーベルを受け流した。そしてビームブレイドを体を反らしてかわした。

「これもかわせるのか・・!」

「アスラン、離れて!」

 呟くアスランにキラが呼びかける。ジャスティスが離れたところで、フリーダムが全ての銃砲を展開して、ジードに向かって一斉に放射した。

「アトモスインパクト!」

 ジードが両腕を組んで、青い光輪状の光線を放った。光線がフリーダムのビームをはじき飛ばして相殺した。

「戦いをやめてください!戦いをやめることを目的としているなら、話し合えば分かり合えるはずです!」

 ジードが戦いを中断して、キラたちに呼びかける。

「でもあの人たちがいると戦いが起こる・・だから僕たちで止めなくちゃならないんだ・・!」

 キラが彼の言葉を聞き入れようとせず、マーベラスたちを追おうとする。しかしジードがフリーダムの行く手を阻む。

 そのとき、ジードの胸にあるタイマーが青から赤になって点滅を始めた。

 ウルトラ戦士の多くは胸に「カラータイマー」と呼ばれる器官がある。普段は青色だが、エネルギーを消耗すると赤く点滅して、瀕死状態になれば光が消えるのである。

「そろそろ限界か・・マーベラスさんたちのところへ合流しないと・・・!」

 リクが焦りを噛みしめて、ジードがフリーダムたちの前から飛び去っていった。

「逃げられたか・・スピードはオレたちよりも上か・・・!」

 アスランがジードの強さに毒づく。

「戦いを止めたいだけなのに、また新しい戦いを生んでしまう・・・!」

 キラが自分たちの戦いに疑問と苦悩を感じていく。

「それでも信じて戦うしかないんだ・・これで戦いを終わらせられると・・・」

「アスラン・・そうだね・・僕たちがやらなくちゃならないことだね・・」

 アスランが口にした言葉に、キラが頷いた。フリーダムとジャスティスがゴーカイガレオンを追って動き出した。

 

 マーゴドンを倒したフォースが、ブラックエンドと対峙していた。

 ブラックエンドが口から炎を吐くが、フォースアーマーに守られているフォースがものともせずに前進していく。

 ブラックエンドが雄叫びを上げて前方にトゲを出して突っ込んできた。

「フォースチャージナックル!」

 フォースがエネルギーを集めた両手の拳を繰り出して、ブラックエンドのトゲをへし折った。突き飛ばされたブラックエンドだが、体を丸めて後ろに転がっていく。

「これなら一気に倒せるよ!」

「オレたちも援護して、一気に叩くぞ!」

 イズルが笑みをこぼして、ギンが檄を飛ばす。Gパニッシャー3機がフォースの加勢に向かう。

 そのとき、蓮斗たちによって倒されたはずのフリーザーオルグが巨大になって復活した。

「また怪物が出てきただと!?

「なおさら援護しないといけないわね・・!」

 ギンが驚きを浮かべて、ナツが緊張をふくらませる。

「こうなれば、ウルトラマンフォースから片付けてくれる!」

 フリーザーオルグがフォースを狙って冷凍ガスを放つ。

「フォースショット!」

 フォースが両手を振りかざして、光の矢を放つ。フリーザーオルグが光の矢を当てられて、体勢を崩す。

「アイツは熱エネルギーを吸収することはないみたいだぞ・・!」

 光線技でも戦えると判断する陽輝。そのとき、フォースのカラータイマーが赤くなって点滅を始めた。

「エネルギーが少なくなってきた・・あの怪獣を倒すのに、エネルギーを使いすぎたか・・!」

 陽輝がフォースとともに危機感を覚える。体勢を立て直したブラックエンドが、再びフォースに向かってきた。

「フォースアーマー、解除!エネルギーの消耗を抑える!」

 陽輝が呼びかけて、フォースがフォースアーマーを外した。フォースアーマーがフォースガンダムに戻って、自動で離れていく。

 フォースがジャンプしてブラックエンドを跳び越えて、その後ろに着地した。彼はブラックエンドを後ろからつかみ上げようとした。

 次の瞬間、ブラックエンドが背中からもトゲを出して、フォースの体に当ててきた。

「うっ!」

 陽輝が痛みを覚えてうめいて、フォースが突き飛ばされて倒れる。ブラックエンドがハサミの付いた尻尾を振りかざして、フォースに叩きつけてきた。

 ダメージが大きくなって、フォースのカラータイマーの点滅が速まった。

 

「アイツ、復活して、しかも巨大化したぞ!」

「あの大きな人がピンチだから、助けに行かないと・・!」

 新平とモモがフォースのピンチに緊張をふくらませていく。

「司令官、フォースマシンを発進します!」

 蓮斗がフォースチェンジャーを通じて、仙太郎に呼びかける。

“分かった!フォースマシン3機を発進する!”

 仙太郎が答えて蓮斗、悠馬、理穂が頷いた。

「新平くんとモモちゃんはここで待っていて!あたしたちが今度こそ、アイツをやっつけちゃうから!」

 理穂が新平たちに呼びかけて、意気込みを見せる。

「フォースマシン、発進!」

 蓮斗の呼びかけで、3機のメカが発進して彼らの前に来た。戦闘機型の「フォースジェット」、ドリル戦車「フォースドリル」、大型車「フォースタンク」である。

 蓮斗、悠馬、理穂がフォースジェット、フォースドリル、フォースタンクに乗り込んで、フォースたちのところへ向かう。

「無双合体!」

 蓮斗が呼びかけて、3機のマシンが合体シークエンスに入る。

 2つに分かれたフォースタンクの上に、フォースドリルが変形して組み合わさる。その上にフォースジェットが変形して合体を果たした。

「完成、フォースロボ!」

 フォースカートが両足、フォースドリルが胴体と両腕、フォースジェットが胸部と頭になって、合体ロボ「フォースロボ」となった。

「フォース、Gフォース、その冷凍の怪物はオレたちがやる!みんなはもう1体のほうを!」

「フォースレンジャー!・・分かった!」

 蓮斗が呼びかけて、ギンが笑みを浮かべて答える。フォースロボがフリーザーオルグに、Gパニッシャーがブラックエンドに向かっていく。

「フォースを援護する!」

「了解!」

 ギンが呼びかけて、ナツとイズルが答える。ナツたちのGパニッシャーがビームライフルを発射して、ブラックエンドをけん制する。

「球みたいなヤツめ!同じ球をくらいやがれ!」

 ギンが言い放って、彼のGパニッシャーがモーニングスターの鉄球を投げつけた。ブラックエンドが尻尾を突き出して、鉄球を突き返した。

「コイツを押し返しただと!?

 ブラックエンドに鉄球が通じないことに、ギンが驚きの声を上げる。ブラックエンドが炎を出して、Gパニッシャーを遠ざける。

「これじゃ近づけない・どうしたら・・・!?

 窮地に立たされて、ナツが焦りをふくらませていく。

「これでは勝てない・・1度体力の回復で出直すしかないか・・!」

 陽輝が呼びかけて、フォースが頷く。フォースが力を振り絞って立ち上がり、ブラックエンドから離れていく。

 ブラックエンドがフォースに向かって火炎を吐いてきた。

 そのとき、フォースとブラックエンドの間に光線が飛び込んで、火炎が阻まれた。

「何だ、今の光は・・!?

「あ、あれは!」

 フォースが呟く中、陽輝が空を見上げて声を上げる。光を放ったのは、新たに現れた巨人だった。

「ウルトラマン・・ウルトラマンが現れた・・!」

「初めて見るウルトラマンだわ・・!」

 イズルとナツが巨人を見て戸惑いを感じていく。

「はじめまして。自分は、ウルトラマンゼットという者でございます。」

 ウルトラマン、ゼットがブラックエンドを見たまま、フォースに挨拶をした。

「君も、別の世界から来たウルトラマンのようだな・・」

「別の・・オレたちは宇宙を跳び越えて、ここまで来たということッスか・・」

 フォースが口にした言葉を聞いて、ゼットが呟く。

「君1人なのか?それとも誰かと一心同体になっているのか・・?」

 陽輝がゼットに向かって疑問を投げかける。

「はい!ゼットさんの中にいます!」

 ゼットの中にいる青年が、陽輝に答えた。2人は互いのウルトラマンの中にいる相手を視認した。

「オレは陽輝!隼陽輝だ!」

「あなたも“はるき”っていうんですか!自分はナツカワハルキっていいます!」

 陽輝と青年、ハルキが互いに自己紹介をする。

「私はウルトラマンフォースだ。エネルギーがわずかしかない・・1度撤退する・・・!」

「分かりました!ここからはオレに任せてください!」

 フォースの呼びかけにゼットが頷いた。

 フォースが変身を解除して、陽輝がフォースガンダムのコックピットに戻っていった。

「オレもフォースガンダムで援護しないと・・!」

“君も体力が残っていない。前線に出るのは危険だ・・!”

 ゼットを援護しようとする陽輝にフォースが注意する。陽輝がフォースガンダムを動かして、Gパニッシャーたちと合流する。

「行くぞ、ハルキ!」

「押忍、ゼットさん!」

 ゼットが呼びかけてハルキが答える。

 ゼットが真正面からブラックエンドに向かって走り出す。ブラックエンドが振りかざした尻尾を、ゼットがジャンプでかわす。

「ゼットスラッガー!」

 ゼットが頭部に手の指を当てて、Z型の光の刃を飛ばす。しかしブラックエンドの後ろのトゲに刃がはじかれる。

「コイツ、硬くてパワーがあるぞ!」

「ゼロ師匠に聞いたことがある!悪魔の惑星“ブラックスター”の円盤生物だ!」

 ハルキが脅威を覚えて、ゼットがブラックエンドのことを言う。

 最強クラスの強さを備えたウルトラマン、ゼロ。ゼットはゼロに押しかけて弟子を自称するようになった。

「目には目を、パワーにはパワーだ、ハルキ!」

「パワーか・・押忍!」

 ゼットの言葉を聞いて、ハルキが頷いた。

「真っ赤に燃える勇気の力!」

 ハルキがアイテム「ウルトラゼットライザー」と「ウルトラメダル」を取り出した。

 ウルトラメダルはウルトラ戦士の力を宿したメダルで、ハルキが今取り出したメダルは、初代ウルトラマン、ウルトラマンエース、ウルトラマンタロウの力を宿した「ウルトラマンメダル」、「エースメダル」、「タロウメダル」である。

「真っ赤に燃える勇気の力!マン兄さん!エース兄さん!タロウ兄さん!」

Ultraman,Ace,Taro.

 ハルキが3枚のウルトラメダルをウルトラゼットライザーにセットして、リードしていく。

「押忍!ご唱和ください、我の名を!ウルトラマン、ゼーット!」

「ウルトラマン、ゼーット!」

 ゼットの掛け声とそろえて、ハルキが高らかに掲げたウルトラゼットライザーのトリガーを押した。

Ultraman Z,Beta smash.

 ゼットの体が赤い筋肉質へと変わった。彼は基本形態の「アルファエッジ」から、パワー重視の形態「ベータスマッシュ」となった。

 ブラックエンドがゼットに向かって尻尾を振りかざした。ゼットが右手を握りしめて、拳を振りかざして尻尾を突き返した。

 揺さぶられて体勢を崩しかけたブラックエンドだが、体を丸めてゼットに突っ込んできた。

「チェストー!」

 ゼットがハルキと掛け声をそろえて、正拳突きを繰り出した。ブラックエンドが打撃を当てられて、空中に跳ね上げられた。

「ゼスティウムアッパー!」

 ゼットがエネルギーを集めた右手を振り上げて、落下してきたブラックエンドに叩き込んだ。ブラックエンドが大きく突き飛ばされて、大気圏の外まで出た。

 ゼットがブラックエンドを見つめて、両腕をZを描くように振りかざす。

「ゼスティウム光線!」

 ゼットが両腕を十字に組んで、光線を発射した。光線も大気圏を突破して、ブラックエンドに命中した。

 体から火花を散らして、ブラックエンドが爆発して吹き飛んだ。

「やった!ブラックエンドを倒したぞ!」

 ゼットが勝ち誇ってから、フォースロボとフリーザーオルグの戦いに振り返った。

 フリーザーオルグが放つ冷凍ガスを、フォースロボが横に動いてかわす。

「素早いロボめ・・だがいつまで持つか・・!」

 フリーザーオルグが笑い声を上げて、さらに冷凍ガスを放つ。

「フォースシールド!」

 フォースロボが盾「フォースシールド」を左手で持って、冷凍ガスを防いだ。

「フォースレーザー!」

 フォースロボが両肩から光線を発射して、フリーザーオルグに当てた。

「ぐおっ!」

 フリーザーオルグが体勢を崩して、冷凍ガスの噴射が止まる。

「フォースサーベル!」

 フォースロボがフォースシールドに付けられている柄を右手で持って、ビームの刃を発した。

「スーパーフォースブレイク!」

 フォースロボがフリーザーオルグに向かって加速して、剣「フォースサーベル」を横なぎに振りかざした。

「ぐあぁっ!」

 切りつけられたフリーザーオルグが、絶叫しながら倒れて爆発した。

「これで終わりだ、Gフォース。そして新しいウルトラマン、協力感謝します。」

 悠馬がナツたちとゼットたちにお礼を言った。

「ロボットが勢ぞろいだ!みんな見たことのない形だ・・!」

「“ストレイジ”のロボットとは全然違うタイプだ・・まるっきり世界が違っているのか・・・!」

 ゼットとハルキがフォースガンダムやGパニッシャー、フォースロボを見て戸惑いを感じていた。

 そのとき、ゼットのカラータイマーも点滅を始めた。

「オレたちも変身を解いたほうがよさそうですね・・」

 ハルキがゼットに呼びかけて、変身を解いた。

「人間と一体化していたウルトラマンだったか・・」

 アキトがハルキを見て呟く。フォースガンダムがハルキに近づいて、陽輝がコックピットから出てきた。

「助けてくれてありがとう。君が来てくれなかったら危なかったよ。」

「オレたち、みんなの役に立てたみたいでよかったッス!」

 感謝する陽輝に、ハルキが喜ぶ。2人が手を差し伸べて握手を交わした。

「オレとフォースのこと、みんなには秘密にしているので・・」

「分かったッス・・ウルトラマンフォースさんのことは、みなさんの前では言わないようにするッス・・」

 陽輝とハルキが小声で約束をした。

「ところで君たちだけか?他に仲間とかはいないのか?」

「いや、オレとゼットさんで宇宙を旅して、この宇宙に来たんです。」

 陽輝が問いかけて、ハルキが答えた。ハルキとゼットは自分たちのいた地球を旅立って、宇宙を渡り歩いていた。

「それでこの宇宙、この地球に来たということなのか・・」

「地球って・・ここも地球なのか!?

 陽輝が言ったことにハルキが驚く。

「この宇宙にも地球が存在していたのか・・ここにも、地球防衛隊があるんですか・・!?

「あぁ。オレたちGフォース、蓮斗たちフォースレンジャーが地球の護りの要だ。」

 ハルキが戸惑いをふくらませて、陽輝が自分たちと蓮斗たちのことを話した。

 

 キラたちの攻撃を振り切ったマーベラスたち。ドンは損傷したゴーカイガレオンの修理をしていた。

「ひどいやられ方だよ・・しかも砲門を正確にやられている・・・!」

 ドンがコンピューターをチェックして肩を落とす。

「どこかの星に下りてちゃんと修理しないと・・」

「下りるならうまいメシのある星だな。腹ごしらえがしてぇ。」

 周囲の星々の位置も確かめるドンに、マーベラスが自分の考えを言う。

「それに、このうるさい3人も追い出さないといけないし・・」

 ルカがため息まじりに言って、隅にいた3人の宇宙人がいた。バルキー星人バルキ、イカルス星人イカリ、ナックル星人ナクリである。

 バルキたちは宇宙での争いに巻き込まれて、そこを通りがかったゴーカイガレオンに潜り込んでいたのである。

「それはあまりにもあんまりじゃなイカー!」

「ミーたちは何も悪いことはしてないってー!」

「安全な星があったらそこで降りるから、追い出すのはやめてちょうだーい!」

 イカリ、バルキ、ナクリが頭を下げて悲鳴を上げる。

「ご心配なく。まずは船の修理が優先ですが、あなた方も無事に安全な所へお届けします。」

 アイムが優しく言って、バルキたちに手を差し伸べてきた。

「もう、アイムはお人よしなんだから・・」

 ルカがため息をつくが、アイムと笑みを見せ合った。

「それで、どこか降りられる星は近くにないのか?」

「うん。この辺り、この宇宙に太陽系みたいだ。」

 ジョーが聞いて、ドンがコンピューターを操作して、ゴーカイガレオンの現在位置を確かめる。

「ホントです!あそこに木星がありますよ!」

 鎧が窓から外を見て、木星を確認した。

「ということは、もう少し進めば地球なのね!」

「私たちがかつて立ち寄った地球と同じでしたらですが・・」

 ルカが喜んで、アイムが口を話す。

「この宇宙の地球だが、僕たちも前に来たことがある。ウルトラマンフォースのいた地球だよ。」

「フォースですか!いやぁ、懐かしいなぁ〜♪」

 ドンが地球の位置をチェックして、鎧が感動と懐かしさを浮かべる。

「よっしゃ!その地球に向かって、全速前進!」

 マーベラスが笑みを浮かべて、思い切り舵を切った。

「僕も行きます!」

 そのとき、ジードがゴーカイガレオンに追いついて、マーベラスたちに声をかけてきた。ジードへの変身を解いて、リクがマーベラスたちの前に現れた。

「リクくん、追いついてきたんだね!」

「あの2体のロボはどうした?」

 鎧がリクとの再会を喜んで、ジョーがキラたちのことを聞く。

「あの2機は振り切ることができた。でもすぐに追いかけてくるかもしれない・・」

 リクが深刻な顔で状況を話した。

「ホントならオレたちが返り討ちにしてやるとこだけど、アイツのせいで・・!」

「まさか、アイツがまた出てきて、オレたちを出し抜いてくるとは・・・!」

 マーベラスとジョーが怒りを噛みしめる。

「何か、あったのですか・・・?」

「倒したはずだったが、この宇宙にまた出てきやがった・・・“赤き海賊団”の1人だった・・・!」

 リクの問いにマーベラスが答える。

「バスコ・ダ・ジョロキア・・宇宙最大のお宝を手に入れようとした、オレたちの敵だ・・!」

 ジョーが続けて言って、リクが息をのんだ。

 

 バスコはスーパー戦隊の赤の魂を受け継ぐ戦士、アカレッドを船長とした海賊の一員だった。マーベラスとナビィもその乗員だった。

 しかし宇宙最大の宝を独り占めしようと、バスコはマーベラスたちを裏切った。

 以後、バスコはマーベラスたちと宝を求めて争った。驚異の姿と力を見せつけたバスコだが、マーベラスとの一騎打ちの果てに倒れて消滅した。

 しかしバスコは再びマーベラスたちの前に立ちふさがった。

 バスコは仮面ライダークロノスの力の宿った鍵「クロノスキー」を使ってクロノスを召喚。クロノスの使う時間停止を駆使して、ゴーカイガレオンに侵入してマーベラスたちの持つ鍵「レンジャーキー」を盗み出したのだった。

「うまくマベちゃんたちのレンジャーキーを盗み出すことができたよ。ホントにいい拾い物ができたよ。」

 奪ったレンジャーキーを見つめて、バスコが喜びをふくらませる。

「その調子で宇宙最大のお宝を手に入れてみせるよ・・パラレルワールドの別の宇宙。この宇宙にも地球は存在している。」

 海賊船「フリージョーカー」の中で、バスコは宇宙最大の宝のことを考える。

「ここで使われていないことを願っているよ・・」

 バスコが期待を抱いて、フリージョーカーは地球に向かっていった。陽輝たちのいる地球に。

 

 

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