ザ・グレイトバトル
-真の強さ-
第1章
ウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊、ガンダム。
地球や宇宙の平穏、正義と平和、それぞれの大切なものを守るために戦う存在。
みんなの知らない世界でも、その戦士たちは存在していた。
様々な怪獣、怪人、宇宙人の侵入や襲撃に備えて、地球防衛隊では特別チームが置かれていた。
その名は「Gフォース」。機動兵器「モビルスーツ」を主力としていて、隊員たちもその操縦に長けた者ばかりである。
怪獣たちを引きつれた戦士と、Gフォースは戦ったことがある。その戦士の名は、鷹矢アキト=仮面ライダーフォースだった。
Gフォースや別の世界から来た戦士たちに戦いを仕掛けたアキトだったが、敗北を喫して、Gフォースの本部の独房に送られることになった。
それからアキトは刑務所での日々と取り調べを過ごして、2年が経とうとしていた。
「鷹矢アキト、お前にGフォースへの移動を命じる。」
刑務所の所長がアキトに命令を下した。アキトはこの命令に素直に従うことにした。
(これでオレはまた、アイツに会うことができる・・オレとアイツ、どちらが正しいと言えるか、ハッキリすることになるだろう・・)
アキトは心の中で期待を呟いていた。敵対関係にあり、かつての仲間でもあった隼陽輝と会うことを。
地球防衛のため、Gフォースはパトロールを続けていた。その中で彼らはアキトが連行されてくることを聞いて、緊張と警戒を抱いていた
「アキトさんがGフォースに来るの、今日だったね・・」
Gフォースの女性隊員、羽鳥ナツが陽輝に声をかけてきた。
「この2年で、アイツがどう変わったのか、それとも自分考えを貫くままなのか・・」
陽輝がアキトのことを思い出して、警戒を抱く。
「アキトが使っていたベルトは返す。ただし不審な動きをしていると判断したとき、隊長がその権限でベルトの力を封印することになる・・」
陽輝がアキトが所有していたベルト「フォースドライバー」について語る。
アキトはフォースドライバーを使って、仮面ライダーフォースに変身した。彼が逮捕されたとき、フォースドライバーはGフォースが管理することになった。
アキトがGフォースに来る今日、フォースドライバーは彼に返却されることになる。ただしGフォース隊長、桜木トウジによって変身の強制解除を行えるように、フォースドライバーは調整されていた。
「アキトが何か企んでいても、思い通りにはならないと思う・・」
「そうね・・本当は改心してくれているのがいいことだけど・・」
言いかける陽輝に、ナツがアキトに対する願いを口にした。
“陽輝、ナツ、集合の時間だよ。”
陽輝たちの通信機から、Gフォースの隊員、東出イズルが連絡をしてきた。
「分かった。すぐに向かう。」
陽輝が答えて、ナツとともに指令室に向かった。
トウジとイズル、もう1人の隊員、川西ギンのいる指令室に、陽輝とナツも来た。
「もうすぐ鷹矢アキトが本部に来る。全員、警戒を怠らないように。」
「了解!」
トウジの言葉を受けて、陽輝たちが答えた。
“Gフォース、応答してください。こちら、移送班です。ただ今エリア403を通過。間もなく正門に到着します。”
本部に移送班からの通信が入った。アキトを連行する移送班は、本部前の正門に差し掛かろうとしていた。
「本部でもそちらの位置を把握している。本部への立ち入りを許可する。」
トウジが答えて、移送班の護送車が本部の正門を通過した。
「アキトだけでなく、本部周辺の警戒も強化する。」
「周辺各地のレーダーに反応なし。上空、地中、大気圏周辺にも異変は見られません。」
トウジが指示を出して、ナツがレーダーを注視して報告する。
護送車は本部の地下ルートに通じる出入り口に入った。そのルートの先で、陽輝とギンが待機していた。
兵士たちに連れ出されて、護送車から出たアキト。彼が陽輝を見て笑みを浮かべた。
「アキト・・・」
「久しぶりだな、陽輝。また会えて嬉しいぞ・・」
戸惑いを覚える陽輝に、アキトが笑みを見せる。
「オレが刑務所にいる間に、大きな戦いがあったようだな・・」
アキトが話を聞いて、陽輝が頷いた。
天使の一族「護星天使」を追放された救世主のブラジラが、世界の救星のために策略を巡らせた。陽輝たちや異世界から来た戦士たちの活躍で、この巨大な危機を打ち破ることができた。
「自分がいればもっと楽になれただなんて言うなよ。オレたちだってやればできるんだからな!」
ギンがアキトに対して不満を言い放つ。
「フン。他の世界のヤツらと協力しているのでは、とてもそうとは言い切れないが・・」
しかしアキトはこの言葉をあざ笑う。
「お前、調子に乗りやがって・・!」
「待ってください、ギンさん・・!」
いら立ちをふくらませるギンを、陽輝が呼び止める。陽輝は真剣な顔を浮かべて、アキトに視線を戻す。
「確かにGフォースだけで解決できない事件もあった。だけど他の世界から来た人との出会いや結束、そこから得た力は間違いなく本物だ。」
陽輝が今までの戦いのことを思い出して、アキトに語っていく。
異世界から現れた戦士たちとの出会いと協力を経て、陽輝たちは彼らの力を自分たちの戦力として扱えるようになった。この結束があったから今の自分たちと平和があると、陽輝は確信していた。
「アキト、お前にも分かるはずだ。オレたちのこの力が・・」
陽輝はそう言うと、所持していたフォースドライバーをアキトに見せた。
「それはオレの・・」
「お前のベルトだが、調整を施してある。何かを企んでも、思い通りにはならないぞ。」
目を見開くアキトに、陽輝が言いかける。彼が差し出したフォースドライバーを、アキトが受け取った。
「用心深いな。だがそれが妥当な判断だ。」
アキトが陽輝たちへの感心を口にして笑みをこぼした。
「少なくともお前たちは正しい方向に向かって自分を変えて進んでいる。お前たちなら共感できるかもしれない・・」
「お前に認めてもらおうと思ってはいないが、これからは全員協力して、地球防衛のためにやっていくぞ。」
互いの意思を認め合って、アキトと陽輝が手を握り合って握手を交わした。
「では我々はこれで失礼いたします。」
「了解。鷹矢アキトを引き取らせていただきます。」
移送班の隊員が敬礼して、ギンが答えた。移送班が護送車に乗って、Gフォース本部を後にした。
「それじゃ作戦室に行くぞ。隊長からの指示を聞くようにな。」
陽輝が注意を言って、アキトが頷いた。彼らはトウジたちのる作戦室に向かった。
アキトがGフォースに送られたことを知るもう1つの部隊があった。
地球防衛隊所属「フォースレンジャー」。Gフォースと並ぶ防衛部隊であり、ともに地球を守るために戦ったことがあった。
「Gフォース、新しい隊員を入れるみたいだね。」
フォースレンジャーの1人、黄山理穂が陽輝たちのことを話す。
「向こうは向こうだ。オレたちのほうでも新しいメンバーが加わることになる。」
もう1人のフォースレンジャー、青柳悠馬が言いかけて、窓から外を見る。
「新メンバーは2人。実力はフォースレンジャーになるには十分だそうだ。」
青年、赤木蓮斗も新メンバーのことを考えていた。
「3人とも集まっているな。」
そこへ1人の男がやってきて、蓮斗たちが整列した。
フォースレンジャーの新しい司令官、戸沢仙太郎。厳しい身辺調査を受けて、地球防衛隊から司令官に任命されたのである。
「話は聞いていると思うが、君たちの新しい仲間を紹介する。2人とも、入ってきてくれ。」
仙太郎が声をかけて、2人の男女がやってきた。
「はじめまして。僕は緑川新平です。」
「私は妹のモモです。よろしくお願いします。」
2人の男女、新平とモモが蓮斗たちに自己紹介をする。
「妹って・・あなたたち兄妹なの!?」
「あぁ。2人そろってここに来れて、嬉しい限りだよ。それに、かわいい子もいるしね。」
驚く理穂に、新平が気さくに答える。
「か、かわいい・・・!」
理穂が褒められて顔を赤くする。
「お兄さん、ナンパしに来たのではないんですよ。」
「あぁ、すまない、すまない。」
モモが注意をして新平が苦笑いを浮かべて謝る。
「あたし、黄山理穂。よろしくね、新平くん、モモちゃん。」
理穂が挨拶して、モモと握手を交わした。
「オレは赤城蓮斗。」
「青柳悠馬だ。よろしく、2人とも。」
蓮斗と悠馬も新平たちに自己紹介をする。
「新平とモモも、蓮斗たちと同じく地球を守る戦士となる。これからはさらなるチームワークが必要となる。それを覚えておくように。」
「はい!」
仙太郎も挨拶と激励を送って、蓮斗たちが答えた。
「もちろん、Gフォースや他の防衛隊との連携も怠ってはならないぞ。」
「Gフォース・・陽輝・・・」
仙太郎が続けて投げかけた言葉を聞いて、蓮斗が陽輝のことを考える。
「新平、モモ、早速だけどあなたたちの力を見せてもらいたいのだが・・」
「分かった。それぞれの力と、オレたち兄妹のチームワークも見てくれ。」
悠馬の言葉に新平が答えて、モモも頷いた。
フォースレンジャーの本部から外に出た蓮斗たち。新平とモモは腕輪「フォースチェンジャー」を与えられた。
「2人の分のフォースチェンジャーだ。これを使ってあなたたちも変身ができる。」
悠馬がフォースチェンジャーについて説明する。新平たちがフォースチェンジャーを装着して頷いた。
「ありがとうございます、悠馬さん。使いこなせるように努力します。」
モモが悠馬にお礼を言って、新平が微笑んだ。
「ねぇ、今日は何だか寒くない?」
理穂が言いかけて、寒気を感じて震える。
「確かに冷たい風が・・この辺り、この時期はこんなに寒くなるなんてことはないのに・・」
悠馬が周囲を漂う冷たい空気に違和感を感じていた。空気はさらに温度が下がって、水が凍り始めた。
「これはただの寒さじゃない・・何かが起こっている・・!」
蓮斗が言いかけて、悠馬たちとともに周囲を警戒する。
「あっちのほうに黒い雲が集まってるよ!」
理穂が山のほうから黒い雲が流れてくるのを見つけた。冷たい空気もその方向から来ていた。
「戸沢司令、その地点へ向かいます!」
“レーダーでも冷気の接近を捉えている。十分に気を付けてくれ。”
蓮斗がフォースチェンジャーで通信して、仙太郎が檄を飛ばす。蓮斗たちが黒雲のほうに向かって歩き出した。
異常な冷気の発生は、Gフォース本部でも捉えていた。
「何者かがこの冷たい空気を流している可能性があるよ。」
「すぐに調査に出るべきだと思います。」
イズルがレーダーで冷気の状態を確認して、ナツが出動を進言する。
「陽輝、ナツ、それからアキト、3人にパトロールを命じる。」
トウジが陽輝たちに命令を出す。
「いきなりそいつを現場に行かせるのですか!?」
「我々が結束するためには、実際に任務をこなすのが1番だ。」
声を荒げるギンに、トウジが助言を送る。
「アキト、君にもGパニッシャーを与える。モビルスーツの操縦はできるか?」
「もちろんです。操縦訓練はクリアしています。」
トウジの問いかけに、アキトが真剣な面持ちで答えた。
「陽輝、アキトのことも頼むぞ。」
「隊長・・はい。」
トウジから信頼を寄せられて、陽輝が真剣な顔で答えた。
「3人とも、“フォースガンダム”とGパニッシャーで発進!」
トウジが掛け声を上げて、陽輝たちはドックへ向かい、それぞれの機体に乗り込んだ。
「フォースガンダム」。「モビルスーツ」に属する機体で、戦闘データを駆使することで、様々な変形や戦い方を可能とする。
「Gパニッシャー」もGフォースの主力である。フォースガンダムには性能は劣るが、日々改良、調整を加えている。
「隼陽輝、フォースガンダム、いきます!」
陽輝の駆るフォースガンダムがGフォース本部から発進した。ナツ、アキトの乗るGパニッシャーも続けて本部を出た。
「冷気の集中する黒雲に接近します。」
陽輝がトウジに連絡して、ナツが黒雲のある地域をレーダーで探索する。
「生物反応あり!反応2つ!」
ナツが報告した直後、冷たい風が強く引き付けてきて、フォースガンダムたちが揺さぶられた。
「先ほどよりも低温の風だ・・そこに何かいる・・!」
陽輝がカメラを注視して、冷気の先を見据える。冷気の霧の中から、1体の怪獣が現れた。
白い体毛に覆われたマンモスのような姿の、冷凍怪獣マーゴドンである。
「コイツが冷気の元凶か・・!」
「これ以上前進させれば、本部に影響が出るわ・・隊長、攻撃します!」
陽輝が警戒を強めて、ハルがトウジに呼びかける。
“敵は強力な冷気を出すことができるヤツだ。不用意に近づくな・・!”
「はい!」
トウジからの指示にナツが答えて、彼女のGパニッシャーがビームライフルを手にして、マーゴドン目がけて発射した。ビームを当てられて火花を発するマーゴドンだが、その火花がその体に吸い込まれた。
「アイツ、熱を取り込むことができるのか。」
アキトがマーゴドンの特性を把握する。マーゴドンは熱をエネルギーとしていて、周囲の熱を取り込んでしまうのである。
「となるとビーム兵器全般は使えない。サーベルでもそのエネルギーを吸収してしまう・・!」
「ビームや熱を使わない武器で、直接叩くしかない・・」
ナツと陽輝がマーゴドンを倒す方法を探る。
“ギンとイズルが出撃した。モーニングスターを持ったGパニッシャーでな・・!”
トウジがギンたちのことを陽輝たちに伝える。
「それまで本部に近づけさせないようにしないと・・!」
「逆方向からビーム攻撃をして、その熱をエサにしておびき寄せる!」
ナツが言いかけて、陽輝がフォースガンダムを操縦して、マーゴドンの後ろに回ってビームを放った。ビームの熱は取り込まれたが、マーゴドンが後ろに振り返った。
「こっちだ!こっちに来い!」
陽輝が挑発して、マーゴドンを引き付ける。フォースガンダムに向かって前進してきたマーゴドンが、冷凍ガスを出してきた。
陽輝が反応して、フォースガンダムが加速して冷凍ガスをかわす。
「こっちに来たぞ・・もっとこっちに来い!」
陽輝がマーゴドンをさらに呼びつける。
「陽輝、危ない!」
そこへナツが呼びかけて、陽輝が後ろに意識を向けた。巨大な球状の物体が、フォースガンダムの背中にぶつかってきた。
「うあっ!」
陽輝が衝撃に揺さぶられてうめく。フォースガンダムが落下して地上に倒れる。
「陽輝!」
「もう1匹出てきたようだ・・!」
ナツが叫んで、アキトが毒づく。球体から頭や足、鋭いとげが出てきた。
球体の正体は巨大怪獣の姿をした怪物。悪魔の星「ブラックスター」にいた「円盤生物」の1体「ブラックエンド」だった。
「こんなときに敵がまた出てくるなんて・・!」
陽輝がブラックエンドに目を向けて毒づく。倒れているフォースガンダムは、ブラックエンドとマーゴドンに挟まれる位置にいた。
「このままじゃ確実にやられる・・!」
“陽輝、変身するのだ。”
危機感を覚える陽輝の心に声が響いた。彼は左腕に装着している腕輪「フォースブレス」に目を向けた。
(フォース!・・でも、あの氷の怪獣が相手だと、フォースのエネルギーが・・!)
陽輝が声の主、フォースの心配をする。
“君と私が力を合わせれば乗り切れる。そして私たちの仲間ともな。”
「フォース・・分かった!行くぞ!」
フォースの言葉を受けて、陽輝が決心を固めた。
(フォースガンダム、オートコントロール・・!)
彼はフォースガンダムを自動操縦にしてから、フォースブレスを構えた。
「フォース!」
陽輝がフォースブレスを付けている左腕を前に伸ばした。彼が光を発しながら、光の巨人に変身した。
光の巨人、ウルトラマン。その巨人は「惑星F4」出身のウルトラマン、フォースである。
フォースは陽輝と一心同体にある。ハルキはフォースブレスを使うことで、フォースに変身することができるのである。
「フォース!」
ナツがフォースの出現を喜ぶ。
(お前たちの力、またこの目で確かめさせてもらうぞ、フォース、陽輝。)
アキトがフォースを見つめて笑みを浮かべる。彼は陽輝がフォースに変身していることを知っていた。
蓮斗たちもマーゴドンたちのいる場所へたどり着いた。
「怪獣が2体。既にフォースが出てきて戦っている・・!」
「あたしたちも加勢しに行かなくちゃ!」
悠馬がフォースたちを見て、理穂が呼びかける。
「待て!誰か近づいてくるぞ!」
蓮斗が声を上げて、悠馬たちとともに視線を移す。冷気の霧の中から、1体の怪人が現れた。
「何でしょう、あれは?・・友好的な顔ではないみたいだけど・・・」
モモが怪人を見て不安の表情を浮かべる。
「誰だ、君は?もしかして君がこの冷たい風を出しているのか?」
「オレの名はフリーザーオルグ!オレたちがこの星を氷の星に変えてやる!」
新平の問いかけに怪人、フリーザーオルグが答える。
邪悪な思念や衝動が具現化した鬼「オルグ」。フリーザーオルグはその1体である。
「あの怪獣たちもお前の仲間だな!?」
「オレの協力者はマーゴドンだけだ。もう1匹は勝手に現れたにすぎん。」
悠馬が問いかけて、フリーザーオルグがマーゴドンとブラックエンドに目を向けて答える。
「他のヤツはマーゴドンが始末してくれる。お前たちはオレが地獄に叩き落としてくれる!」
「怪獣はフォースたちが倒すはずだ。お前はオレたちが倒す!」
敵意を向けてきたフリーザーオルグに、蓮斗が言い放つ。彼と悠馬、理穂が左腕に着けているフォースチェンジャーを構えた。
「この青いボタンで変身するんだったね。」
「うん!モモちゃん、新平くん、変身だよ!」
モモが自分のフォースブレスを見つめて、理穂が答えて呼びかける。
「みんな、行くぞ!」
蓮斗が掛け声を上げて、悠馬たちが頷いた。彼らががフォースチェンジャーの青のボタンを押した。
「フォースチェンジ!」
フォースチェンジャーから発した光を浴びて、蓮斗、悠馬、理穂、新平、モモがそれぞれ赤、青、黄色、緑、ピンクをベースにした色のスーツとマスクを身にまとった。
「フォースレッド!」
「フォースブルー!」
「フォースイエロー!」
「フォースグリーン!」
「フォースピンク!」
蓮斗、悠馬、理穂、新平、モモが名乗りを上げてポーズを決めた。
「無双戦隊!」
「フォースレンジャー!」
蓮斗が声を上げて、悠馬たちと声をそろえた。彼らは地球防衛隊所属の無双戦隊「フォースレンジャー」に変身した。
「戦隊!?お前たちもスーパー戦隊なのか!?」
フリーザーオルグが蓮斗たちを見て驚きの声を上げる。
「そういうことになるね。戦隊の人とは何人か会っているし。」
悠馬が笑みをこぼして、蓮斗たちとともに構えを取る。
「ならばまずはお前たちを氷漬けにしてやるぞ!」
フリーザーオルグが蓮斗たちに向かって、頭から冷凍ガスを放つ。蓮斗たちがジャンプしてガスをかわす。
フリーザーオルグがさらに冷凍ガスを放つ。蓮斗たちが回避していくが、フリーザーオルグに近づくことができない。
「近づけばたちまち凍ってしまうわね・・!」
「フォースシューターで狙い撃ちするぞ!」
モモがフリーザーオルグを警戒して、蓮斗が呼びかける。
「このボタンを押せば出るのだったな。」
新平がフォースチェンジャーを確かめて、蓮斗たちとともにその黄色のボタンを押した。
「フォースシューター!ライフルモード!」
フォースチェンジャーから万能武器「フォースシューター」から出て、蓮斗たちが銃型の「ライフルモード」にして構えた。
「シュート!」
蓮斗たちがフリーザーオルグを狙って、フォースシューターを発射する。フリーザーオルグが冷凍ガスを出しながら、ビームを回避していく。
「そんなのにやられるオレではないぞ!」
フリーザーオルグが蓮斗に向かって、冷凍ガスを集中する。
「それはどうかな!」
理穂がジャンプして、空中からフォースシューターを発射した。
「うおっ!」
フリーザーオルグがビームを当てられて怯む。
「フォースバズーカ!」
悠馬がフォースチェンジャーの赤いボタンを押して、武器「フォースウェポン」の1つ「フォースバズーカ」を呼び出した。
「発射!」
彼がフォースバズーカを発射して、フリーザーオルグに命中した。
「私も・・!」
モモもフォースチェンジャーの赤いボタンを押した。すると1本の棒が彼女の手元に現れた。
「これが私の専用の武器・・・フォースロッド!」
モモが棒状のフォースウェポン「フォースロッド」を構えて、フリーザーオルグに向かっていく。
「フォースロッドリボン!」
彼女がフォールロッドを振りかざして先端からピンク色のリボンを伸ばして、「フォースロッドリボン」とした。
フリーザーオルグがフォースロッドリボンに体を縛られて、モモに振り回される。
「僕もやるぞ!」
新平も意気込んで、蓮斗が頷いた。2人もフォースチェンジャーの赤のボタンを押した。
「フォースソード!」
「フォースアックス!」
2人がそれぞれ剣「フォースソード」と斧「フォースアックス」を手にして、フリーザーオルグに向かっていく。
「たとえ思うように動けなくても、お前たちを凍らせることはできるぞ!」
フリーザーオルグが蓮斗たちに向かって冷凍ガスを放とうとした。
「フォースアロー!」
理穂がフォースウェポンである弓矢「フォースアロー」を手にして、矢を放った。
「ぐっ!」
頭に矢を当てられて、フリーザーオルグが冷凍ガスを出すタイミングを外す。そこへ蓮斗と新平が飛び込んで、フォースソードとフォースアックスを振り下ろした。
「ぐおぉっ!」
フリーザーオルグが切りつけられて、突き飛ばされてうめく。
「このままとどめと行こう!」
「あぁ!」
「了解!」
理穂が呼びかけて、蓮斗と悠馬が頷いた。
「フォースウェポン、合体!フォースバスター!」
蓮斗、悠馬、理穂がフォースソード、フォースバズーカ、フォースアローを組み合わせて、強力なバズーカ砲「フォースバスター」にした。
蓮斗たちからのエネルギーがフォースバスターに集まっていく。
「フォースバースト!」
蓮斗たちがフォースバスターから光線を発射した。光線が周囲の冷気ごとフリーザーオルグを吹き飛ばした。
「やった!怪人を倒したよ!」
理穂が喜んで、蓮斗と悠馬が頷いた。
「これが、フォースウェポンの合体技か・・!」
新平がフォースバスターの威力に感心する。
「私たちのこの武器も、合体させることができるはずよね・・?」
「データ上は可能だ。実際にやったことはまだないけど・・」
モモが質問して、悠馬がフォースバスターを見て答える。
「次に戦うときに備えて、後で試しておく必要があるな。」
蓮斗が言いかけて、悠馬たちが頷いた。彼らはフォースバスターのさらなる合体について考えていた。
陽輝が変身したフォースが、マーゴドンとブラックエンドを迎え撃つ。マーゴドンの出す冷凍ガスを警戒して、フォースが距離を取る。
「正面から行っても凍らされるだけだ!後ろを取って打撃を加えるぞ!」
「分かった。行くぞ、陽輝!」
陽輝が呼びかけて、フォースが答える。
マーゴドンが冷凍ガスを出して、フォースが空中旋回してかわす。彼はマーゴドンの後ろに着地してつかんで押さえる。
だがマーゴドンが全身からも冷凍ガスを放出してきた。ガスを当てられてフォースが吹き飛ばされて倒れた。
「くっ!・・体からも冷気を出せるのか・・!」
陽輝が痛みと冷たさに耐えながら呟く。フォースと一体化している陽輝は、彼が受けたのと同じダメージを負うのである。
「これでは私でも近づくことはできない・・かといって光線を撃っても、そのエネルギーを取り込まれてしまう・・!」
立ち上がるフォースがマーゴドンを倒す術を探る。
「冷気を完全に遮断できるわけじゃないが、フォースアーマーなら持ちこたえることができる・・!」
「分かった。行くぞ、陽輝!」
陽輝が提案をして、フォースが答える。陽輝がフォースブレスの画面をスライドして、マークを表示させた。
「フォースアーマー!」
フォースガンダムが変形をして、フォースの体に鎧のように装着された。フォースガンダムはフォースを強化するための装甲「フォースアーマー」になった。
マーゴドンが放つ冷凍ガスの中を、フォースが前進して突っ切っていく。彼が身にまとっているフォースアーマーは、冷凍に対する耐性をもたらしていた。
その間にフォースは右腕にエネルギーを集めていた。
「フォースチャージナックル!」
フォースが繰り出した右のパンチが、マーゴドンの体に叩き込まれた。冷気を持つために強い衝撃にもろいマーゴドンは、エネルギーを取り込む間もなく木っ端微塵に吹き飛んだ。
「やった!怪獣を1体倒したわ!」
ナツが喜んで、アキトが微笑んで頷いた。
「何だよ!せっかく打撃に有効な武器を持ってきたっていうのに・・!」
そこへ2機のGパニッシャーが駆けつけて、ギンが不満の声を上げてきた。
「でもまだ全くのムダというわけじゃないみたい・・まだ敵がいるし・・・!」
イズルがギンをなだめて、ブラックエンドに目を向けた。フォースもブラックエンドに振り返って構えを取った。