ザ・グレイトバトル

-命の解放- 

第13章

 

 

 デーボサタンの発揮する力に、フォースたちは窮地に追い込まれていた。

「ムダなあがきはやめて、私に従え!そうすれば苦しむことはなくなる!」

 デーボサタンがフォースたちに警告を送る。

「そんな一方的なやり方には、誰も従わない!」

 彼に言い返してきたのはシンだった。デスティニーがビーム砲を構えて、デーボサタンに向かってビームを放つ。

 デーボサタンが左手を振りかざしてビームをはじく。彼が続けて稲妻を発するが、デスティニーは素早く動いてかいくぐっていく。

「戦いや悲劇を広げさせはしない!オレが、オレたちが、アンタを倒して止める!」

 シンが揺るぎない意思を口にして、デスティニーがアロンダイトを手にして突っ込む。デーボサタンが光の壁を出して、デスティニーが突き出したアロンダイトを止めた。

 それでもシンは諦めず、デスティニーが力を込めてアロンダイトを押し込んだ。アロンダイトが光の壁を、デーボサタンを押していく。

「人間が私の力を脅かすなど・・あり得ん!」

 デーボサタンがいら立ちを覚えて、全身から閃光を放出した。

「うぐっ!」

 デスティニーが閃光に押されて地面に叩きつけられて、シンがうめく。

「シン!うあっ!」

 叫ぶルナマリアがインパルスの受けた衝撃に揺さぶられて、苦痛を覚える。

「ブラジラ・・・!」

 蓮斗がデーボサタンに対して怒りをふくらませる。

「負けてられない・・あたしたちの世界のために、アイツを倒さなくちゃ・・!」

「蓮斗、理穂、フォースサーベルだ!」

 理穂と悠馬が呼びかけて、フォースロボがフォースサーベルを手にした。

「スーパーフォースブレイク!」

 フォースロボがデーボサタンに突っ込んで、フォースサーベルを横一線に振りかざした。しかしデーボサタンの右腕に一閃が止められた。

「何っ!?

「愚か者め!」

 蓮斗が驚いて、デーボサタンが左手を出してフォースロボを突き飛ばした。

「うあっ!」

 倒されたフォースロボの衝撃に揺さぶられて、蓮斗たちがうめく。

「フォースレンジャー!」

「ブラジラ、デーボサタンになってとんでもない強さになっちまったぞ・・!」

 アラタが蓮斗たちに向かって叫んで、アグリがデーボサタンの力に毒づく。

「ブイレックス、突進だ!」

 直人が呼びかけて、ブイレックスがデーボサタンに向かって突っ込む。ドラゴンシーザーも続く。

 ブイレックスが突進を繰り出すが、デーボサタンが発したバリヤーに阻まれる。ドラゴンシーザーがドリル状の尻尾を振りかざすが、バリヤーを打ち破れない。

「邪魔だ!」

 デーボサタンがバリヤーを押し出して、ブイレックスとドラゴンシーザーを突き飛ばした。

「ブイレックス!」

「ドラゴンシーザー!」

 直人とブライが叫んで、ブイレックスたちが立ち上がる。

「電撃剣!」

「恐竜剣、ゴッドホーン!」

「ドラゴンソード!」

「五連獣電剣!」

「ナイトランス!」

「ジェッタソード!」

 チェンジロボ、大獣神、ゴセイグレート、ライデンキョウリュウジン、キシリュウオー、キラメイジンがそれぞれの武器を構える。

「電撃剣・スーパーサンダーボルト!」

「超伝説・雷光斬り!」

Victory charge.

「グレートストライク!」

「獣電剣・稲妻ブレイブフィニッシュ!」

「ファイブナイツドロップストライク!」

「キラメイダイナミック!」

 キラメイジンたちがデーボサタンに向かって、エネルギーを集めた一閃を一斉に繰り出した。

「デーボサタン・救星烈波!」

 デーボサタンが両手を広げて、強力な閃光を放出した。キラメイジンたちが攻撃を止められて、胴体に強い圧力を掛けられる。

「うわあっ!」

 キラメイジンたちが吹き飛ばされて、地面に叩きつけられた。

「ゴセイジャー!みんな!」

 ゴセイグランドがアラタたちに向けて叫ぶ。アラタたちは無事だったが、ゴセイグレートたちの受けたダメージは浅くはなかった。

「これがデーボサタンの力だ!何人たりとも、この私を阻むことはできぬ!」

 デーボサタンが高らかに言い放って、ゴセイグレートに近づいていく。

「みんなに手出しはさせないぞ!」

「お前の思い通りにはいかないぞ!」

 ゴセイグランドと直人が言い放つ。

「ボイスフォーメーション・ブイレックスロボ!」

 直人がブイコマンダーに呼びかけると、ブイレックスが人型のロボ「ブイレックスロボ」へと変形していく。

「まずは動きを止める!マックスブリザード!」

 直人が指示を出して、ブイレックスロボが両肩から圧縮冷凍の効果のあるビームを放った。デーボサタンが左手をかざしてビームを受け止めるが、その手が凍りつく。

「終わりにしよう・・!」

Victory charge.

 ゴセイグランドがデーボサタンに向かって加速する。

「グランドラスティック!」

 ミサイルを発射しながらデーボサタンに突っ込んだゴセイグランド。

「甘いわ!」

 デーボサタンが左手の氷を打ち破って、両手を振りかざして閃光を放った。

「おわっ!」

 ゴセイグランドが光に押し返されて、ブイレックスロボとぶつかって倒される。

「バカな!?圧縮冷凍さえも跳ね返すなんて!?

 竜也が驚きを隠せなくなって、直人とともに身構える。

「私は救星王。お前たちがどのような力を使おうと、私にとっては大したことはない!」

 デーボサタンが笑い声を上げて、ゴセイグランドに向けて右手をかざした。

「待て!」

 タイガが立ち上がって、デーボサタンの前に立ちはだかる。

「たとえウルトラマンであろうと、私は止められんぞ・・!」

「オレたちは1人じゃない!力を合わせることで、オレたちは本当の強さを出せるんだ!」

 さらに笑うデーボサタンに、タイガが自分たちに結束を口にした。

「タイガ、タイタス、フーマ、行くぞ!」

「おうっ!」

 ヒロユキの呼びかけにタイガたちが答える。

「タイガ・トライブレード!」

 彼の手元に剣「タイガトライブレード」が現れた。

「燃え上がれ、仲間とともに!」

「バディー・・ゴー!」

 ヒロユキがタイガトライブレードの柄を回転させて高らかに掲げて、タイガたちとともに掛け声を上げた。タイガの体の赤みが増していた。

「ウルトラマンタイガ・トライストリウム!」

 ヒロユキ、タイタス、フーマとの絆が強まった最強形態「トライストリウム」に変身したタイガが、名乗りを上げて構えを取った。

「自分のことしか考えていないお前に、オレたちは負けない!」

 タイガが言い返して、デーボサタンに向かって走り出す。タイガがタイガトライブレードを振りかざすが、デーボサタンは左腕で防いだ。

 ヒロユキがタイガトライブレードのスイッチを2回押して、黄色の光の球を作り出す。

「タイタスバーニングハンマー!」

 タイガが大きく回転をして、光の球を放つ。

「暗黒救星弾!」

 デーボサタンが両手から黒い巨大な光の球を作り出して放った。黒い球が黄色の球を打ち破って、タイガの眼前の地面に当たった。

 タイガが吹き飛ばされて、地面に叩きつけられる。しかしタイガはすぐに立ち上がって、タイガトライブレードを構える。

“諦めない・・どんな巨大な力が相手でも・・”

“オレたちが力を合わせれば、絶対に負けない!”

 タイタスとフーマがデーボサタンに向かって言い放つ。フォースも力を振り絞って立ち上がり、タイガと並び立つ。

「タイガ、オレが援護するから、その隙を突いてくれ!」

「分かった!任せてくれ!」

 フォースが呼びかけて、タイガが答えた。

「フォース・レインボーハリケーン!」

 フォースが両手を前に出して、エネルギーを集める。両手の中に虹色の光が現れて球になる。

 フォースは光の球を上に投げた。球は拡散すると、彼の分身4人が現れた。

「フォースビーム!」

 フォースが分身たちとともに右手を前に出して、光線を一斉に発射した。デーボサタンが光の壁を出して、光線を防ぐ。

「今だ、タイガ!」

 ハルキが呼びかけて、ヒロユキとタイガが頷いた。ヒロユキがタイガトラブレードのスイッチを3回押した。

「風真烈火斬!」

 タイガがスピードを上げてデーボサタンの後ろに回ってから、タイガトライブレードを振りかざして、青い炎の手裏剣を放つ。

「当たった!」

 手裏剣が命中すると確信したヒロユキ。だが次の瞬間、デーボサタンの背中の翼が広がって、黒いオーラの宿った衝撃波が放たれた。

“何っ!?

 フーマが驚く中、タイガが衝撃波を浴びて吹き飛ばされる。

「タイガ!ぐっ!」

 フォースもデーボサタンの衝撃波に押されて、地面を倒される。

「バズー、大サタン、デーボスだけでなく、この私、ブラジラの力も宿っていることも忘れるな!」

 デーボサタンが言い放って、フォースたちを見下ろす。

「まだだ・・オレたちの絆の力は、こんなものじゃない!」

 タイガが言い放って、ヒロユキがタイガトライブレードのスイッチを4回押す。

「トライストリウムバースト!」

 タイガがタイガトライブレードを振りかざして、光線を発射した。

「ファーストフォースシュート!」

 フォースも両手を十字に組んで、光線を放った。デーボサタンが両手をかざして、フォースとタイガの光線を受け止めた。

「お前たちが何をしようと、救星は止められん!私が、新たなる世界を築き上げ導くのだ!」

「お前が何と言おうと、お前はオレたちが止める!」

 高らかに言い放つデーボサタンに言い返したのは、蓮斗だった。フォースロボが立ち上がって、フォースサーベルを構えた。

「スーパーフォースブレイク!」

 両手で光線を止めているデーボサタンに向かって、フォースロボがフォースサーベルを振り下ろしてきた。

 デーボサタンが全身から閃光を放出した。フォースたちの光線もフォースサーベルも押し返されて、フォースたちが吹き飛ばされた。

「うわあっ!」

 フォース、タイガ、フォースロボが火花を散らしながら倒れた。

「みんな!」

 カツミがイサミたちとともに駆けつけて、フォースたちに向かって叫んだ。

「カツ兄、イサ兄、私たちも行きましょう!」

「オレたち兄弟の力を1つにするときだ!」

 アサヒとイサミが呼びかけて、カツミが頷いた。

“マコトクリスタル!”

 カツミがルーブジャイロにルーブクリスタル「マコトクリスタル」をセットした。

「まとうは真!不滅の心理!」

 カツミがルーブジャイロを掲げてイサミ、アサヒと意識を1つにした。ロッソ、ブル、グリージョが合体したウルトラマン、グルーブが現れた。

「行くぞ、涼子!」

「分かったわ、猛!」

 猛と涼子が声を掛け合って頷いた。

「エイティ!」

「ユリアン!」

 2人がブライトスティックとブライトブレスレットを掲げて80、ユリアンに変身した。

「オレも助けたいけど、あんな巨大なヤツじゃ・・!」

 助けたいと思いながらも、大きさの差からそれができず、或人が悔しがる。

「オレが行く!みんなは離れていてくれ!」

 Jが前に出て、意識を集中する。

「この地球の精霊たちよ、オレに力を貸してくれ!」

 精霊の力を見に宿したJの体が大きくなっていく。彼は奇跡の巨大化「ジャンボフォーメーション」を果たしたのである。

「巨大化できる仮面ライダーか。だが言ったはずだ。何をしようとムダだとな!」

 デーボサタンがJに目を向けてあざ笑う。

「この命がある限り、オレたちは戦い続ける!お前のように、命を脅かす悪を倒すために!」

 Jが言い放ってグルーブ、80とともにデーボサタンに向かっていく。

「くらえ!」

 デーボサタンが両手から光線を放つ。80が両腕を組んで光線を止めて、両腕を振りかざして光線をはじいた。

 直後に80が両腕をL字に組んで、光線「サクシウム光線」を放った。デーボサタンが光の壁を出して、光線を食い止める。

 その瞬間、グルーブとJが大きくジャンプをしてキックを繰り出した。

「グルービングインパクト!」

「ジャンボライダーキック!」

 グルーブとJのキックが、光の壁を跳び越えてデーボサタンに命中した。デーボサタンが押されるが、ダメージを受けていない。

「こうなったらたたみかけてやる!」

 カツミがいきり立って、グルーブが両手を十字に組んだ。

「グルービング光線!」

 グルーブが全力を込めた光線が、デーボサタンに向かって放たれた。

「暗黒救星弾!」

 デーボサタンが巨大な光の球を放って、グルーブの光線とぶつけ合う。

「負けないです!私たち兄弟の絆は、こんなもんでは負けません!」

 アサヒがデーボサタンの力に耐えて、カツミ、イサミとともに力を込める。

「この程度で私を止められると思うな!」

 デーボサタンが目を見開いて、2発目の巨大な光の球を作り出した。

「何っ!?もう1発!?

 イサミが驚きの声を上げる中、2つの光の球が合わさって、グルーブの光線を押し込んでいく。

「おわあっ!」

 グルーブが光の球を受けて吹き飛ばされて、カツミが絶叫を上げる。光の球の爆発は、フォースたちも巻き込んだ。

 フォースたちウルトラマンたちは倒れて、エネルギーを大きく消耗してカラータイマーを点滅させていた。フォースロボたちやGパニッシャーたちも損傷が激しくなって動けなくなっていた。

 或人たちも爆発に巻き込まれて、倒れて動かなくなっていた。

「万策尽きたな。お前たちは新たな世界のための、栄えある人柱となるのだ。」

 デーボサタンがフォースたちを見下ろして勝ち誇る。

「くそっ・・動け・・動け、フォースロボ・・!」

 蓮斗が操縦しようとするが、フォースロボは動かない。

「お前たちが諦めなくても、体や機体は言うことを聞かないようだな。」

 デーボサタンがフォースロボに近付いていく。

「諦めたくなければそうするがいい。お前たちはここで排除されるのだから。」

「諦めもしないし、排除もされない・・・!」

「消えるのはお前のほうだ、ブラジラ・・いや、デーボサタン!」

 笑みをこぼすデーボサタンに、理穂と悠馬が言い返す。

「もはや私が直接手を下すこともない・・ゾンビフランケ、我が力を得て蘇るのだ。」

 デーボサタンがため息をついてから、倒れているゾンビフランケに目を向けて、黒い光を放つ。光を浴びたゾンビフランケが起き上がって、肉体を変化させていく。

「あの姿・・まさか・・!?

 ダンがゾンビフランケの姿を見て、緊張をふくらませる。ゾンビフランケの頭が割れて、新たな頭が生えて、背中からも翼が生えてきた。

「間違いない・・サタンフランケだ!」

 ボーイもゾンビフランケが進化したサタンフランケを見て、驚きをあらわにした。

「私には大サタンの力も宿っている。その力でゾンビフランケをサタンフランケへと進化させたのだ。」

 語りかけるデーボサタンに、サタンフランケが合流した。

「サタンフランケ、コイツらにとどめを刺せ。」

 デーボサタンの命令を受けて、サタンフランケがフォースロボの前に立ちはだかる。

「ここでやられてたまるか・・オレたちがここでやられたら、杏子たちに合わせる顔がない・・・!」

 蓮斗が力を振り絞って、フォースロボを動かす。立ち上がるフォースロボだが、動きは確実に鈍くなっていた。

 サタンフランケが目や口から光線を放つ。フォースロボが光線を浴びて、大きく押されていく。

「アイツ、見た目が変わっただけじゃなく、パワーもアップしている・・・!」

 ギンがサタンフランケを見て危機感をふくらませる。サタンフランケが再び光線を放ってきた。

「フォースシールド!」

 フォースロボがフォースシールドを掲げて光線を防ぐ。

 サタンフランケが口から白いガスを吐き出してきた。フォースロボがこれもフォースシールドで防ぐが、ガス状の溶解液を浴びてフォースシールドが溶ける。

「溶解液!?

「フォースシールドが!」

 悠馬と理穂が驚きの声を上げる。

 サタンフランケが続けて吐き出したガスを、フォースロボが回避しようとする。しかし負傷しているフォースロボは、動くたびにダメージを増していく。

「このままじゃ、フォースレンジャーが・・!」

「立つんだ・・立って、助けないと・・・!」

 充瑠とアラタが声を振り絞って、キラメイジンとゴセイグレートが立ち上がる。

「フォース、まだ戦えるか・・・!?

「もちろんだ・・しかしヤツに対抗できる力がない・・・!」

 ハルキが声を掛けて、フォースが答える。

「新しいフォースアーマーを構築して使うしかない・・このファーストアーマーのように強力な・・・!」

 ハルキがフォースブレスを操作して、新しいフォースアーマーのデータを確認して、構築を試みる。

(カツミやレオさん、ゴーカイジャーのみんなから、他のウルトラマンや戦隊のことを聞いた・・そのみんなの力を導き出したことも・・・)

 彼は以前の戦いや、そこで出会った人たちから教わったことを思い出した。

(みんな、力を貸してくれ・・この世界を、みんなを守りたいんだ・・・!)

 ハルキが意識を集中して、フォースブレスに念じた。

 そのとき、デスティニーとモモタロスから光が発せられて、フォースに伝わった。

「な、何だ!?

「おい・・何が起こったんだ・・!?

 シンとモモタロスがこの光に驚きを覚える。光はフォースブレスの中に入っていく。

「シンさんのデスティニーと良太郎さんの電王の力が・・・!」

 ハルキがフォースブレスを見つめて、力が集約されているのを実感した。

「ファーストアーマーのように、多くの力が集まっている・・・これに、賭けるしかない・・!」

 思い立ったハルキが、フォースブレスの画面に現れた「D」のアイコンに目を向けた。

「Dフォースアーマー!」

 ハルキがフォースブレスを掲げて叫ぶ。フォースのまとうフォースアーマーが新たな形に変形した。

 ウルトラマンダイナ、電王、特装戦隊デカレンジャー、マークデスティニーの力と能力を宿した「Dフォースアーマー」の誕生である。

「あのアーマー、デスティニーに似ているけど、デスティニーアーマーとも違う・・・!」

「あの真ん中の仮面、電王とそっくりじゃねぇか!」

「その周りの模様はダイナ、両肩のマークはデカレンジャーのものだ・・!」

 ルナマリア、モモタロス、竜也がDフォースアーマーを見て声を上げる。

「新しい力を発揮してきたか。だが私の前では小細工も同然!」

 デーボサタンが笑みを絶やさずに、サタンフランケとともにフォースに振り返る。

「残された時間は少ない・・一気に決めさせてもらう!」

 フォースが言い放って、両手にエネルギーを集めた。彼は体を少し宙に浮かせてから、デーボサタンたちに向かって加速した。

 デーボサタンとサタンフランケが光線を出して、フォースを迎え撃つ。

「Dフォースリボルバー!」

 フォースが両手を前に出して、光の球を連射する。光の球は光線を突き抜けて、デーボサタンとサタンフランケに命中していく。

「貫通力が高いか・・だが、これならどうだ?」

 デーボサタンが呟いてから、巨大な光の球を作り出した。

「くらえ!暗黒救星弾!」

 彼が放った光の球が、フォースに向かって放たれる。

「あれはさすがに貫通できないよ!」

 瀬奈が光の球を見て動揺を見せる。

「Dフォースアロンダイト!」

 フォースが両手にエネルギーを集めて、巨大な光の剣を作り出した。彼は光の剣を持って、勢いを込めて振りかざした。

 フォースの一閃を受けて、巨大な光の球が真っ二つになって、上空に飛んで爆発した。

「何っ!?

 デーボサタンがフォースの一閃に驚きの声を上げる。

「Dフォースライディング!」

 フォースが全身から光を発して、再び加速する。両肩から光の球を連射しながら、彼が光の剣を振りかざして光の刃を飛ばす。

 デーボサタンとサタンフランケが射撃と光の刃を当てられて怯む。そこへフォースが突っ込んで、光の刃でデーボサタンの体に突き刺した。

「ぐっ!・・バ、バカな!?この私に傷をつけるとは・・・!」

 デーボサタンがうめいて、刺さっている光の剣をつかむ。同時にフォースが後ろに下がって、両手を十字に組んだ。

「Dフォースソルジェント!」

 フォースがデーボサタンに向かって光線を放った。サタンフランケがデーボサタンの前に出て、光線を受けた。

 デーボサタンを庇ったサタンフランケが爆発して、霧のように消えていった。

「あの怪物は倒した!残るはデーボサタンだけだ!」

「しかし、残りのエネルギーが・・・!」

 ハルキが言い放つが、フォースのエネルギーが少なくなって、カラータイマーの点滅が速まっている。

「次の一撃に賭けるしかない・・!」

 ハルキが覚悟を決めて、フォースがまた光の剣を出した。

「同じ手が何度も通用すると思っているのか!?

 デーボサタンが背中の翼を広げて、フォースに向かって閃光を放出した。

「オレたちでフォースレンジャーを援護するぞ!」

 飛竜が呼びかけて、チェンジロボが電撃剣を構える。

「電撃剣・風車斬り!」

 チェンジロボが回転しながら、デーボサタンに向かって電撃剣を振りかざす。電撃剣がデーボサタンの閃光とぶつかるが、逆にチェンジロボの手からはじかれてしまう。

「電撃剣が・・!」

「でも光の軌道が少しそれたわ!」

 麻衣が声を荒げて、さやかが冷静に閃光の流れを把握する。

「今だ、みんな!攻撃を続けるんだ!」

「分かった!次はオレたちだ!」

 勇馬が呼びかけて、ブライが答えた。

「現れよ、獣騎神・キングブラキオン!」

 ゲキたちの呼び声を受けて、ブラキオサウルスの守護獣、キングブラキオンが駆けつけた。

「獣帝合体!」

 ドラゴンシーザーが変形して大獣神の上半身と組み合わさて、合体超神「獣帝大獣神」となった。

「究極合体!」

 獣帝大獣神が続けてキングブラキオンと上から合体して、究極超神「究極大獣神」となった。

「データス!」

「はいです!」

 モネが呼ぶと、護星界のロボ、データスが駆けつけて巨大化を果たす。

「スーパーチェーンジ!」

 彼がゴセイヘッダー「ハイパーチェンジヘッダー」と合体して、変形をした。

「データスハイパー、アップグレート!」

 データスが変化した「データスハイパー」が高らかに言い放つ。

「ミラクルコンバインカード、天装!」

Miracle combine.

 アラタたちがゴセイカード「ミラクルコンバインカード」をセットする。ゴセイグレート、ゴセイグランド、データスハイパー、そして他のゴセイヘッダーが合体していく。

「グランドハイパーゴセイグレート、降臨!」

 天装巨人「グランドハイパーゴセイグレート」が誕生した。

「来い、ブラギガス!」

 トリンが呼びかけて、駆けつけてきたブラキオサウルスの獣電竜「ブラギガス」に乗り込んだ。

「超カミツキ変形!」

“ギーガントー・ギーガント!ギーガントー・ギーガント!・・”

“ギガントブラキオー!”

 ブラギガスが変形して、剣闘士形態「ギガントブラキオー」となった。

「超カミツキ合体!」

“ギーガントーキョーリュージン!ギーガントーキョーリュージン!・・”

 ライデンキョウリュウジンが1度分離して、プテラゴードンを除く5体がギガントブラキオーと合体した。

“ギガントキョーリュージン!”

 合体巨人「ギガントキョウリュウジン」も究極大獣神、グランドハイパーゴセイグレートに続いた。

「グランバニッシャー!」

 究極大獣神が全ての銃砲を一斉発射する。

Victory charge.

「グランドハイパーグレートストライク!」

 グランドハイパーゴセイグレートが槍「ゴセイランサー」を地面に振り下ろして、ゴセイヘッダー型のエネルギーを連射した。

「超獣電・ギガントフルブレスター!」

 ギガントキョウリュウジンが胸部から強力なビームを発射した。3機の攻撃がデーボサタンの閃光を阻んだ。

「今だ、フォース!デーボサタンを討て!」

 ダイゴが呼びかけて、フォースが光の剣を構えて、デーボサタンに向かって突っ込んだ。彼が突き出した光の剣が、デーボサタンの体に刺さった。

「Dフォースアロンダイト・パルマブレイク!」

 フォースが続けてエネルギーを集めた両手を、デーボサタンの体に押し当てた。デーボサタンがエネルギーの爆発に押されて突き飛ばされた。

「当たった!決定打になったぞ!」

「これで倒れなければ、さすがに無理ゲーだぞ・・!」

 ゴウシが頷いて、為朝が緊張を噛みしめる。カラータイマーの点滅が消えて、フォースの姿が消えて、元の形態に戻ったフォースガンダムが残った。

「フォースガンダムが・・・!」

「ハルキくん、大丈夫!?ハルキくん!」

 イズルが動揺をふくらませて、ナツがハルキに呼びかける。フォースガンダムのコックピットに戻ったハルキは、意識を失っていた。

「この私が、これほどの手傷を負うとは・・・!」

 デーボサタンが踏みとどまって、再生能力で体の傷をふさいだ。

「これだけやっても、アイツを倒せないというのか・・!?

「どうすれば・・どうすればアイツを倒せるんだ・・・!?

 イアンとタイガがデーボサタンの力に脅威を覚える。彼らは絶体絶命のピンチを迎えていた。

 

 

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