ザ・グレイトバトル

-命の解放- 

第8章

 

 

 ソウゴ、ゲイツ、ウォズも駆けつけて、或人たちの戦いに加わった。

「まさかジオウたちが現れるとは・・・!」

「協力、感謝するぞ、お前たち・・!」

 ヨロイ元帥が警戒を強めて、V3が感謝した。

「ジオウたちも始末するぞ、お前たち!」

「はっ!」

 ヨロイ元帥からの命令に答えて、ドクターケイトがソウゴたちに狙いを変える。

“ジクウドライバー!”

 ソウゴとゲイツがベルト「ジクウドライバー」を装着する。ソウゴはライドウォッチの1つ「ジオウライドウォッチ」を、ジクウドライバーの右スロットにセットする。

「変身!」

 ソウゴがジクウドライバーの「ジクウサーキュラー」を回転させる。

“ライダーターイム!”

“カメンライダー・ジオー!”

 ソウゴが銀色の装甲と「ライダー」と読める形の複眼をしたマスクを身にまとった。

「変身!」

 ゲイツがライドウォッチ「ゲイツライドウォッチ」を手にして、ジクウドライバーにセットして、ジクウサーキュラーを回転させた。

“ライダーターイム!”

“カメンラーイダー・ゲーイツ!”

 彼の体をマスクと赤いスーツが包み込んだ。マスクの複眼の形は「らいだー」と読めるものとなっている。

“ビヨンドライバー!”

 ウォズがベルト「ビヨンドライバー」を装着して、アイテム「ミライドウォッチ」の1つ「ウォズミライドウォッチ」を取り出した。

“ウォズ!”

“アクション!”

 彼がウォズミライドウォッチのスイッチを入れて、ビヨンドライバーの右のスロットにセットした。

「変身。」

 ウォズがビヨンドライバーのレバーを押し込んだ。

“投影・フューチャータイム!スゴイ・ジダイ・ミライ!カメンライダー、ウォズ!ウォーズ!”

 ウォズの体をライムグリーンのスーツと仮面が包み込んだ。

 ソウゴ、ゲイツ、ウォズは仮面ライダー「ジオウ」、「ゲイツ」、「ウォズ」に変身した。

 ドクターケイトが戦闘員たちを引きつれて、ソウゴたちに飛びかかる。ソウゴがゲイツ、ウォズとともに戦闘員たちを返り討ちにして、ドクターケイトに向かっていく。

「ドクターケイトのガスは強力な毒だ!出す前に倒すんだ!」

「はい!」

 V3が呼びかけて、ソウゴが答える。

「ここは一気に決める!」

 スピード勝負に打って出たソウゴ。彼がライドウォッチ「ジオウライドウォッチU」を取り出した。

“ジオウU!”

“ジオウ!”

 ソウゴはジオウライドウォッチUの側面にある「スプリットリューザー」を動かして、2つに分割してジクウドライバーにセットした。

「大変身!」

 彼がジクウサーキュラーを回転させた。

“ライダーターイム!”

“仮面ライダー・ライダー!ジオー・ジオー・ジオーツー!”

 ソウゴのまとうジオウの姿に変化が起こった。時計型の装飾が倍になり、金色も混じった。

 ソウゴはジオウの強化形態「ジオウU」になった。

「オレもすぐに終わらせてもらう・・!」

 ゲイツも新たなライドウォッチ「ゲイツリバイブライドウォッチ」を手にした。

“ゲイツリバイブ・剛烈!”

 彼がゲイツリバイブライドウォッチのスイッチを入れて、ジクウドライバーの左のスロットにセットした。

「変・・身!」

 ゲイツがジクウサーキュラーを回転させる。

“ライダーターイム!”

“仮面ライダーゲーイツ!”

“リ・バ・イ・ブ・ゴーレツー!剛烈!”

 ゲイツの装甲が赤へと変わっていく。彼は強化形態「ゲイツリバイブ」へと変身した。

“スピードターイム!”

 ゲイツがジクウドライバーにセットされているゲイツリバイブライドウォッチとジクウサーキュラーを回転させた。

“リバイ・リバイ・リバイ!リバイ・リバイ・リバイ!リ・バ・イ・ブ・シーップウー!疾風!”

 ゲイツリバイブの装甲が青色に変わった。ゲイツは「ゲイツリバイブ・疾風」となった。

「ジオウ、ゲイツ、まずはお前たちが私の毒を受けるのさ!」

 ドクターケイトがソウゴたちを狙って、ケイトガスを吐き出そうとした。

 その瞬間、ゲイツが高速で動いてドクターケイトに詰め寄って、体にパンチを叩き込んだ。

「うっ!」

 ドクターケイトが突き飛ばされて、その先の大木の葉と枝にぶつかる。ソウゴがドクターケイトの落下を待たずに、大木に向かって走り出す。

 ジオウUには時間を超越する力が備わっている。ソウゴはその力で、ドクターケイトが落下しながらケイトガスを吐くのを予知していた。

“サイキョーギレード!”

 ソウゴが剣「サイキョーギレード」を手にして、刀身にエネルギーを集める。

“ジオウサイキョー!”

 刀身から巨大な光の刃を発したサイキョーギレードを振りかざして、ソウゴがドクターケイトを切りつけた。

「ギャアッ!」

 ドクターケイトが絶叫を上げて、地上に落下した。

“フィニッシュターイム!”

 ゲイツがジクウサーキュラーを回転させて、足にエネルギーを集めてからドクターケイトに飛びかかった。彼が繰り出したキックの連続が、ドクターケイトに叩き込まれた。

 絶叫を上げるドクターケイトが爆発を起こした。彼女の体内にあったケイトガスも、ゲイツの高速のキックで霧散して、毒素が一気に弱まった。

「おのれ、ジオウ、ゲイツ・・ならば私がまとめて一掃してくれる!」

 ヨロイ元帥がいら立ちを見せて、ソウゴたちに向かっていく。

「では私の力も披露しようか。」

 ウォズがヨロイ元帥の前に立ちはだかる。ヨロイ元帥が振りかざす左手の鉄球を、ウォズがかろやかにかわしていく。

「チョコマカと動きおって・・!」

「スピードの次はパワーだ。」

 いら立ちをふくらませるヨロイ元帥に対して笑みをこぼして、ウォズがビヨンドライバーのレバーを開閉する。

“ビヨンドザタイム!”

 ウォズがヨロイ元帥の後ろに光の立方体を出してから、回し蹴りを繰り出す。

「うぐっ!」

 ヨロイ元帥がキックを受けて、さらに後ろの立方体にもぶつかってダメージを負う。彼はとっさに鉄球を突き出して、ウォズを引き離す。

「やられはせん・・やられはせんぞ、ライダーども・・!」

 ヨロイ元帥がダメージの痛みを感じてうめく。ソウゴたちが立ち並んで、ヨロイ元帥と対峙する。

 そこへアラタたちゴセイジャーが駆けつけて、或人たちと合流した。変身を解いたカツミたちも、遅れてたどり着いた。

「ゴセイジャー!君たちも来てくれたか!」

「遅くなってすみません、竜也さん!」

「情報収集に時間がかかってしまって・・!」

 竜也が声を掛けて、アラタとハイドが答える。

「ゴセイジャーまで現れたか・・引け、お前たち!ドーラフランケも連れてくるのだ!」

 ヨロイ元帥が命令を出して引き下がる。戦闘員たちが倒れたドーラフランケを引きずって、逃げていった。

「また逃げるか!早く追いかけないと!」

「いや、その必要はない。」

 ヨロイ元帥たちを追いかけようとした或人を、ハイドが呼び止めた。

「何でですか!?アイツらを追いかけて、アジトを見つけなくちゃ!」

「その敵の親玉を、あたしたちは見つけたんだよ。」

 声を荒げる或人に、モネも呼びかける。

「えっ!?見つかったんですか!?

「あぁ。オレたちはこっちに来てから調査をしてたんだ。」

「この世界の防衛チームのことも知ってるよ。」

 コウが声を上げて、アグリとエリが答えた。

「詳しい話は本部に戻ってからにしましょう。体勢を整えないといけないですし・・」

 Gパニッシャーも戻ってきて、ナツも声を掛けてきた。彼女の声にコウたちとアラタたちが頷いた。

 

 Gフォース本部に戻ってきたナツたち。ブロンズ像にされたままのフォースとタイガを窓越しに見て、ナツが辛さを感じていた。

(ハルキくん、ヒロユキさん・・こんなことになるなんて・・・)

 ハルキたちの心配をしていくナツ。彼女のところへカツミたちとアラタたちがやってきた。

「フォースとタイガのことも知っているよ・・誰が変身しているのかもね。」

 アラタが事情を話して、ナツが戸惑いを感じていく。

「ハルキくんたちを・・フォースたちを助けることはできませんか・・・?」

 ナツがハルキたちを助けたいという気持ちを、アラタたちに伝える。

「ヒッポリト星人のヒッポリトタールは、強い水流で洗い落とすことはできる。しかしエネルギーを失い瀕死の状態にあるフォースたちを復活させることは、オレたちでは不可能だ。」

「オレたちウルトラマンなら、エネルギーを渡して復活させることができるけど、今のオレたちの体力はまだ回復しきっていない・・」

 ハイドとカツミがナツに説明をする。フォースたちを完全復活させることは、今の彼らにはできなかった。

「フォースたちを早く助けたいのは分かるが、敵との決戦に備え、回復に努めるのが最善だ。」

 ゴセイナイトも冷静に助言を送る。

「でも、その間にハルキくんたちに何かあったら・・助からなかったら・・・」

「諦めたら、それこそみんな助からなくなってしまうよ。」

 不安を感じていくナツを、アラタが励ます。

「諦めなければ、必ず何とかなる。だからいつでもどこでも、どんな困難が待ち受けていても、オレたちは絶対に諦めないよ。今回のことだってね。」

「絶対に諦めない・・諦めなければ、何とかなる・・・」

 アラタの言葉を聞いて、ナツが戸惑いを感じていく。彼女はハルキたちが無事でいるという信頼と、彼らを助けたいという願いをふくらませていた。

「どうするにしても、まずは僕たちの力が戻ってからだ。」

「十分休んだら、フォースさんたちを助けましょう!」

 イサミとアサヒも呼びかけて、アラタたちが頷いた。

「ねぇ、みんな!あそこに人がいるよ!」

 そのとき、モネが外に人が歩いているのを目撃して指差した。その先には1人の女性がふらついていた。

「誰なのかな?・・たとえ悪い人でなくても、誰かが入れば基地内のセンサーに引っかかって警報が鳴るはずなのに・・・!?

 ナツが女性が入ってきたことに疑問を感じていく。

「とにかく行ってみよう!何かあるのは間違いないよ!」

 アラタが呼びかけて、エリたち、カツミたちとともに外に向かった。

「大丈夫ですか!?

「どうかしたのですか!?

 アサヒとエリが女性に声を掛けた。

「あなたたちは・・・3人は、ウルトラマン・・?」

 女性が顔を上げて、カツミたちを見て声を上げる。

「僕たちのこと、知ってるんですか!?

「あなた、誰なのですか・・!?

 イサミとアサヒが女性に問いかける。

「私は(ほし)涼子(りょうこ)。ウルトラの国での名は、ユリアンよ・・」

 女性、涼子がナツたちに自己紹介をする。

「ウルトラの国・・ウルトラの国のウルトラマンなんですね!」

「イサ兄、ウルトラマンじゃなくてウルトラウーマンですよ。」

 イサミが歓喜を見せると、アサヒが口を挟んできた。

「次元の穴を通って宇宙を渡っていたのだけど、巨大な力に襲われて・・ダメージは負ったけど、何とかこの星に降り立つことができたわ・・」

 涼子が自分が体験した経緯を話した。彼女も別の宇宙から来たウルトラの国の住人である。

「あそこにいるのは、本物のタイガで間違いないわね・・?」

 涼子がタイガを見上げて問いかける。

「はい。しかしタイガもフォースもあんな状態で・・オレたちも体力が回復していないので、すぐに復活させることができなくて・・」

 カツミが自分たちの現状を涼子に話した。

「それなら私がエネルギーを送るわ。あなたたちは戦いに備えて・・」

「えっ!?いいんですか!?ありがとうございます!」

 涼子がフォースたちの救出を買って出て、ナツが喜んで頭を下げた。

「それなら早速フォースたちの救出をするぞ!」

「あぁ。まずはタール液を洗い落して、涼子さんがフォースとタイガにエネルギーを送り込む。そうすれば復活できるはずだ。」

 アグリが呼びかけて、ハイドがフォースたちの復活の方法を説明する。

「水の天装術でタール液を落とす。ゴセイナイト、力を貸してほしい。」

「分かった。」

 ハイドが呼びかけて、ゴセイナイトが答える。2人がアイテム「テンソウダー」と「レオンセルラー」を手にして、さらにカード「ゴセイカード」を取り出した。

「プレッシャワーカード、天装!」

 2人がゴセイカードの1枚「プレッシャワーカード」をテンソウダー、レオンセルラーにセットした。

Splash,seaick power.

 ハイドとゴセイナイトがフォース、タイガに向かって水流を放つ。

 アラタたち護星天使の使う能力「天装術」は、空、陸、海といった自然の力を司る。

 護星天使は主に3つの種族に別れている。アラタとエリは空の「スカイック族」、アグリとモネは陸の「ランディック族」、ハイドは海の「シーイック族」である。ゴセイナイトは1年前のゴセイヘッダー、グランディオンヘッダーが地球の力を得て進化した戦士である。

 ハイドたちの放った水流が当たって、フォースとタイガを固めていたタールが洗い落とされた。しかしエネルギーを失っているフォースたちは、まだ動きを止めたままである。

「涼子さん、お願いします・・!」

 カツミが声を掛けて、涼子が頷いた。彼女が意識を集中して、タイガたちに向かって手を伸ばした。

「待て!」

 そこへ声がかかって、涼子が手を止めた。振り向いた彼女とナツたちの前に、1人の男が現れた。

「あなたは、猛・・!」

 涼子が男、矢的(やまと)(たけし)を見て戸惑いを見せる。

「みんな、騙されてはいけない。そこにいるのは本物の星涼子ではない。」

「えっ!?それってどういうことですか!?

 猛の呼びかけを聞いて、エリが驚きの声を上げる。

「今回の事件に組する敵の1人が、涼子に化けて君たちに近づいたんだ。」

「何を言っているの、猛!?私は本物よ!私はフォースたちを助けようと・・!」

 冷静に語る猛に、涼子が反論する。

「確かにエネルギーを送り込めば、フォースとタイガは復活するだろう。しかし純粋なエネルギーではなく邪悪なエネルギーを注げば、彼らを操ったり悪影響を与えたりすることも可能だ。」

「そりゃ、悪いヤツがそう思えば十分やれるけど・・!」

 猛が説明を聞いて、アグリが納得する。

「そうだとしても、私がそんなことをするはずないじゃない!第一、私は本物だって!」

「いいえ。あなたは偽者よ。」

 涼子が言い返すと、彼女に言葉が返ってきた。

「なぜなら、私が本物の星涼子だからよ。」

 猛の後ろの木陰から現れたのは、もう1人の涼子だった。

「えっー!?涼子さんが2人!?

「ってことは、そこにいるのは、涼子さんに化けた偽者!?

 アサヒが驚きの声を上げて、モネが最初に出会った涼子に目を向ける。

「私もこの宇宙には来ていたわ。でも私はずっと猛と行動をともにしていた。」

 猛のそばにいる涼子が、自分たちの事情を話す。

「お前は何者だ!?正体を見せるんだ!」

「もう少しというところで、こんな形で正体を知られるとはね・・」

 呼びかける猛に対して笑みを浮かべた涼子の姿に、変化が起こった。彼女はヒョウを思わせる体の姿へと変わった。

「お前は、レー・ネフェル!お前が涼子さんに化けていたのか!?

 ハイドが怪人物、ネフェルを見て声を荒げる。

 「超新星フラッシュマン」が戦った改造実験帝国「メス」。ネフェルはその幹部の1人だった。

「そうよ。私はあなたたちを抹殺するために動いているのよ。瀕死状態のウルトラマンに私のエネルギーを送って、思うがままに操ろうとした。」

「そんな、ひどいです!ユリアンさんに化けて、ウルトラマンを悪者にしようなんて許せません!」

 自分の企みを話すネフェルに、アサヒが怒りの声を上げた。

「でもロッソたちはエネルギーを消耗している。他の面々で、私たちを止められるかしら?」

 ネフェルが自分たちの優位を感じて、ナツたちをあざ笑う。

「止めるよ・・オレたちが止めてみせる・・お前たちの企みを・・!」

 アラタが自分たちの決意を口にして、エリたちが頷いた。

「みんな、行くよ!」

 アラタが呼びかけて、エリたちとともにテンソウダーとゴセイカード「チェンジカード」を取り出した。

Gotcha.

「チェンジカード!」

 彼らがテンソウダーの口に当たる部分を開いて、チェンジカードをセットした。

「天装!」

 テンソウダーを前に掲げて、その口が閉じられる。

Change,Goseiger.

 アラタたちがそれぞれの色のスーツとマスクを身にまとった。

「嵐のスカイックパワー、ゴセイレッド!」

「息吹のスカイックパワー、ゴセイピンク!」

(いわお)のランディックパワー、ゴセイブラック!」

芽萌(めぐみ)のランディックパワー、ゴセイイエロー!」

怒濤(どとう)のシーイックパワー、ゴセイブルー!」

 アラタ、エリ、アグリ、モネ、ハイドが名乗りを上げてポーズを決めた。

地球(ほし)を護るは天使の使命!天装戦隊ゴセイジャー!」

 アラタたちが声をそろえてポーズを決めた。

「地球を(きよ)める宿命の騎士、ゴセイナイト!」

 ゴセイナイトも続けて名乗りを上げた。

「私がたった1人でお前たちのところへ行くと思っていたら、大間違いよ・・ゾロー!」

 ネフェルが微笑んで、メスの兵士、ゾローを呼び出した。

「戦闘員を呼び寄せても、オレたちの相手じゃないぜ!」

「それだけじゃないわ・・獣戦士、ザ・ネフルス!」

 強気を崩さないアグリに微笑んで、ネフェルはネスの獣戦士、ザ・ネフルスも現れた。

「そして私も真の姿に・・妖獣変化!」

 ネフェルも怪人の姿へと変貌を遂げた。

「妖獣士、ネフェルーラ!」

 ネフェルの変身したネフェルーラが、不気味な笑みをこぼす。

「気を付けろ!ネフェルーラは相手を幻覚世界へ引きずり込む能力を持っているぞ!」

 ハイドが注意して、アラタたちがネフェルーラへの警戒を強める。

「行け、ゾロー、ネフルス!」

 ネフェルーラが命令して、ネフルスとゾローたちが飛びかかる。

「ゴセイブラスター!」

 アラタたちが銃「ゴセイブラスター」を手にして発砲して、ゾローたちに射撃を当てていく。

 ネフルスが目からの光線を放って、アラタたちがその爆発に襲われる。

「スカイックソード!」

「スカイックショット!」

「ランディックアックス!」

「ランディッククロー!」

「シーイックボウガン!」

 アラタ、エリ、アグリ、モネ、ハイドがそれぞれ武器「ゴセイウェポン」である剣「スカイックソード」、銃「スカイックショット」、斧「ランディックアックス」、鉤爪「ランディッククロー」、ボウガン「シーイックボウガン」を手にした。

 ハイドとエリがシーイックボウガンとスカイックショットでネフルスとネフェルーラを射撃する。2人の援護を受けて、アラタとアグリ、モネがそれぞれネフルスとネフェルーラに飛びかかって、ゴセイウェポンを振りかざす。

 ネフルスはスカイックソードとランディックアックスに切りつけられていくが、ネフェルーラはランディッククローを素早くかわしていく。

「んもー!すばしっこいなー!」

「ウフフフ・・力任せで勝てるほど、このネフェルーラは甘くはないわ。」

 不満をあらわにするモネに微笑んで、ネフェルーラが2本の剣「デスブリーズ」を手にして振りかざす。

「うあっ!」

 モネが切りつけられて、倒されて地面を転がる。

「モネさん!」

 ナツがたまらず銃を手にして発砲する。しかしネフェルーラが掲げたデスブリーズの1本に、射撃がはじかれた。

「戦隊でもライダーでもない人間が、私に刃向かうとは愚かな・・」

 ネフェルーラがナツに狙いを変えて、彼女に近づいていく。

「レオンレイザー!」

 ゴセイナイトが武器「レオンレイザー」を発射して、ビームでネフェルーラの行く手を阻んだ。

「ここからは、私のターンだ・・レオンレイザーソード!」

 ゴセイナイトがレオンレイザーを剣型にして振りかざして、ネフェルーラがデスブリーズで防いでいく。

「速いだけではない・・力もあり正確な攻防だ・・・!」

 ゴセイナイトの戦いに、ネフェルーラが危機感を痛感する。

「ならばこれをくらうがいい・・妖獣幻覚!」

 ネフェルーラがモネとゴセイナイトに向けて念力を放つ。2人の周りを異空間が広がっていく。

「えっ!?空がオーロラみたいになってる!?

 異空間の空を目の当たりにして、モネが驚く。

「惑わされるな、ゴセイイエロー。それは幻だ。」

 ゴセイナイトは惑わされることなく、異空間に隠れているネフェルーラを捜す。

「そこだ!」

 ゴセイナイトがレオンセルラーを振りかざして、その先の空間に隠れていたネフェルーラがデスブリーズで防いだ。

「私の妖獣幻覚が通用しないだと・・!?

「私はヘッダーだ。このような能力に惑わされはしない。」

 驚くネフェルーラに、ゴセイナイトが冷静に告げる。彼が振りかざしたレオンレイザーが、ネフェルーラの左腕をかすめた。

「おのれ・・!」

 劣勢に追い込まれて、ネフェルーラが毒づく。

「レッドブレイク!」

 アラタのスカイックソードによる一閃で、ネフルスが突き飛ばされてネフェルーラのそばまで転がってきた。

「みんな、一気に決めるぞ!」

 アラタが呼びかけて、エリたちが頷く。

「アセンブル!ゴセイバスター!」

 彼らがそれぞれのゴセイウェポンを組み合わせて、合体武器「ゴセイバスター」にした。

「閃くスカイックパワー!」

「猛るランディックパワー!」

「冴えるシーイックパワー!」

 アラタたちがゴセイカード「ゴセイダイナミックカード」をゴセイバスターに乗せていく。

「ゴセイダイナミック!パニッシュ!」

Gosei dynamic.

 ゴセイバスターから強力な光が放たれる。ネフェルーラに向かっていく光を、ネフルスが庇って直撃されて爆発した。

「やった!」

「これで勝ったと思うのは、甘い考えよ・・」

 アラタが喜びの声を上げると、ネフェルーラが微笑んで目から光を放った。するとバラバラになったはずのネフルスの体が元に戻った。

「そんな!?今やっつけたはずなのに!?

「ネフェルだ!アイツがエネルギーを送って、ネフルスを復活させたんだ!」

 モネが驚いて、ハイドがネフルスの復活について分析する。

「そうよ。私を倒さない限り、ネフルスは何度でもよみがえる。お前たちの地獄はまだまだ続くのよ!」

 ネフェルーラが語りかけて、ネフルスが突っ込んできた。

「ナイトメタリック!」

 ゴセイナイトがレオンレイザーを振りかざして、ネフルスを切りつけていく。ネフルスは攻撃をものともせずに、ゴセイナイトに組み付いた。

 次の瞬間、ネフルスが自分のエネルギーを放出して、体を爆発した。

「があっ!」

 ネフルスの自爆に巻き込まれて、ゴセイナイトが吹き飛ばされた。大きなダメージを負った彼が、地面に叩きつけられた。

「ゴセイナイト!」

「アイツ、自爆しやがった・・!」

 エリが叫んで、アグリがネフルスに対して毒づく。

「しかし、ネフェルによってアイツは復活してしまう・・!」

 焦りを感じたカツミの言った通り、ネフェルーラが光線を出してネフルスを復活させた。

「倒してもすぐに復活する・・ネフェルを倒そうとしても、アイツが盾になって代わりにやられる・・!」

「これじゃキリがないですよ〜!」

 イサミも焦りをふくらませて、アサヒも頭を抱える。

「みんな!」

 そこへゼロワンに変身した或人、ジオウに変身したソウゴ、ゲイツ、ウォズ、V3、タイムレッドに変身した竜也が駆けつけて、ナツたちと合流した。

「この人数差では不利になるわね・・ネフルス、引き上げるわよ!」

 ネフェルーラが劣勢を悟って、ネフルスを連れて撤退していった。

「危ないところだった・・助かったよ、みんな。」

 アラタがエリたちとともに変身を解いて、或人たちに感謝した。

「タイガたちの命を奪うだけじゃなく、思い通りにしようとするなんて・・・」

 或人がネフェルの企みに対して怒りを覚える。

「でも危ないところで阻止できてよかったわ・・」

「状況は理解した。2人の回復は、私たちに任せてくれ。」

 涼子と猛がフォースとタイガの復活に力を貸すことを告げた。

「でも、それだけあなたたちが・・!」

「君たちには大きな可能性がある。もちろんフォースとタイガにも。私たちは、君たちの可能性を信じている。」

 カツミが心配すると、猛が彼らに信頼を送った。

「ありがとうございます、猛さん、涼子さん。」

 カツミが感謝して、猛たちが頷いた。

「ゴセイナイトはここにいて。オレたちは敵の首謀者のところへ行くよ。」

 アラタがゴセイナイトに目を向けて呼びかける。

「お前たちだけで行くつもりか?」

「フォースたちもだけど、敵のことも気がかりだからね・・それと、フォースレンジャーのことも・・」

 ゴセイナイトに聞かれて、アラタが自分たちの思いを口にした。

「オレも一緒に行きます!敵の親玉なら、じっとしてるわけにいかない!」

 或人がアラタたちに呼びかけて、ソウゴたちも頷いた。

「ナツさん、ゴセイナイトを頼む・・」

「分かりました。フォースたちが回復したら、本部に戻ります。」

 アラタの声にナツが頷いた。アラタたちは敵の首謀者のところへ向かった。

 

 森林の中を歩く人物。暗闇の広がるこの場所を、その人物は1人歩いていた。

「こんなところで何をしているのですか?」

 そこへ声がかかって、人物が足を止めた。その前に現れたのは竜也だった。

「オレたちは今回の敵の首謀者の正体を突き止めることができた。その正体はお前だったとは・・」

 ハイドもその人物に向けて言いかけた。彼らは事件の黒幕と対面することができた。

 

 

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