ザ・グレイトバトル
-命の解放-
第７章
ラバタとの戦いでエネルギーを大きく消耗することになったフォースたち。フォースがフォースアーマーを外して、フーマがタイガと入れ替わった。
「今度こそ戻るぞ。これ以上の戦いは危険だ・・」
「あぁ・・もうヘトヘトだ・・」
フォースが呼びかけて、タイガが答えた。
そのとき、突然カプセルが現れて、フォースとタイガが閉じ込められた。
「何だ、このカプセルは・・!?」
「このっ！・・で、出られない・・!?」
フォースが驚きを見せて、タイガがカプセルを叩いて脱出しようとする。しかしカプセルはビクともしない。
「こうなったら・・フォース、光線だ！」
「フォースショット！」
ハルキが呼びかけて、フォースが右手から光線を放つが、カプセルに吸い込まれてしまった。
「光線が吸収される・・これでは中から脱出することが・・・！」
脱出の手立てを見失って、ハルキが緊張をふくらませていく。
「また他に敵がいるのか!?」
「見てください！あっちに宇宙人が！」
コウが声を荒げて、アサヒが指さした。その先に１体の宇宙人が姿を現した。
「かかったな、フォース、タイガ。ここまでが我々の段取りだったのだ。」
宇宙人がフォースたちを見て、笑い声を上げる。
「我が名はヒッポリト星人ベルス。ドーラミラージュたちによる偽者攻撃で揺さぶりをかけ、ラバタの分身攻撃で追い詰め、消耗したところで私がとどめを刺すのが、この作戦だったのだ。」
地獄星人ヒッポリト星人、ベルスが自分たちの企みを語る。
「この“ヒッポリトカプセル”は中からは絶対に出られん。光線技もそのエネルギーを吸収する仕組みになっている。」
「それでオレたちを捕まえたつもりか！ここはタイタスのパワーで・・！」
勝ち誇るベルスに言い返して、タイガがタイタスと代わろうとした。
そのとき、ヒッポリトカプセルの中にガスが噴き出してきた。
「うぐっ！」
フォースとタイガ、彼らと一体化しているハルキとヒロユキがガスを浴びて苦痛を覚える。
「何だ、これは!?・・毒ガスか・・!?」
ハルキが声を振り絞って、ガスについて呟く。
「これはヒッポリト星人の兵器、“ヒッポリトタール”だ。エネルギーを奪いながら、カプセルの中にいる者を固めていくのだ。」
ベルスがさらに語りかけて、笑い声を上げる。フォースとタイガがガス状のヒッポリトタールに苦しんで、カラータイマーの点滅が速まっていく。
「このままじゃフォースとタイガが・・！」
「オレたちが助けに行く！ティラミーゴ！」
或人が緊張をふくらませる中、コウが相棒である騎士竜を呼ぼうとした。そのとき、周囲に爆発が起こって、彼らが身構えた。
「ベルスの邪魔はさせんぞ、お前たち！」
ヨロイ元帥がドクターケイト、戦闘員たちとともに或人たちの前に現れた。さらにもう１人の怪人、ドーラフランケも現れた。
「また新たな怪人が出たか・・！」
「今はお前たちの相手をしている暇はないんだ！」
バンバが毒づいて、イサミがヨロイ元帥たちに向かって怒鳴る。
「カツミくんたちとコウくんたちはフォースたちを助けに行け！ヨロイ元帥たちはオレと或人くんたちが食い止める！」
「志郎さん！」
志郎が呼びかけて、カツミが声を上げる。
「カツ兄、イサ兄、急ぎましょう！」
「アサヒ・・・分かりました、志郎さん！」
アサヒにも言われて、カツミが志郎に答えた。
「カツ兄、アサヒ、行くよ！」
イサミが呼びかけて、カツミとアサヒが頷いた。
「オレ色に染め上げろ、ルーブ！」
カツミとイサミがルーブジャイロを手にした。
「セレクト・クリスタル！」
２人がそれぞれウルトラマンタロウ、ウルトラマンギンガの力を備えたルーブクリスタル「タロウクリスタル」、「ギンガクリスタル」を手にして、それぞれ角を２本、１本展開する。
「まとうは火！紅蓮の炎！」
「まとうは水！紺碧の海！」
“ウルトラマンタロウ！”
“ウルトラマンギンガ！”
２人がルーブジャイロの中央にタロウクリスタル、ギンガクリスタルをセットして、両端のグリップを引く。
“ウルトラマンロッソ・フレイム！”
“ウルトラマンブル・アクア！”
カツミとイサミがロッソ、ブルへの変身を果たした。
「私も行きます！グリージョー！」
アサヒが意識を集中して、グリージョに変身した。
「フォースさんとタイガさんを外に出しなさい！」
グリージョがベルスを指さして、アサヒが言い放つ。
「ロッソ、ブル、グリージョ、お前たちも現れたか。フォースたちの救出はさせんぞ。」
ベルスがロッソたちに目を向けてあざ笑う。
「くらうがいい、我がヒッポリト星人のもたらす地獄を・・ヒッポリトファイヤー！」
ベルスが口から炎を吐き出して、ロッソたちが横に動いてかわす。
「次はこれだ。ヒッポリトタイフーン！」
ベルスが続けて口から突風を拭きつけてきた。
「うわっ！」
「これじゃ近づけない・・！」
ロッソたちが突風にあおられて、カツミとアサヒがうめく。
「このままじゃフォースたちが・・！」
エネルギーがわずかとなって動けなくなったフォースとタイガを見て、イサミが焦りをふくらませる。
「ヒロユキ・・すまない・・・オレはもう、限界だ・・・！」
「タイガ・・・！」
タイガとヒロユキが声を振り絞る。
「ハルキ・・私にはもう、力が・・・！」
「フォース・・・！」
フォースとハルキも意識がもうろうとなる。フォースとタイガの動きが完全に止まった。
「宇宙人・・いつまでも調子に乗れると思うな！」
蓮斗が鋭く言い放って、フォースロボがフォースレーザーを放つ。ベルスも両手から光線を出して、フォースロボのレーザーとぶつけて相殺する。
「貴様はバラバラにして、ガラクタにしてくれるぞ・・！」
ベルスがさらに光線を放って、フォースロボに命中させる。
「うわっ！これじゃこっちもやられちゃうよ！」
「フォースシールド！」
理穂が声を荒げて、蓮斗の操縦でフォースロボがフォースシールドを構えて、ベルスの光線を防ぐ。
「今のうちにフォースたちを助けに・・！」
「カツ兄、イサ兄！」
カツミがフォースたちの救出をしようとして、アサヒが叫んだ。フォースとタイガを閉じ込めているカプセルの中が、どす黒いガスに包まれた。
ヒッポリトカプセルが消えて、中から固まったフォースとタイガが現れた。
「フォース・・タイガ・・・!?」
「ハッハッハッハ！これで２人はブロンズ像となった！」
変わり果てたフォースたちに、カツミが愕然となり、ベルスが高らかに笑う。
「次はお前たちの番だぞ、ロッソ、ブル、グリージョ。」
ベルスがロッソたちに目を向けて、両手を上から下へ振り下ろした。するとロッソたちも、瞬時に現れたヒッポリトカプセルに閉じ込められた。
「し、しまった！」
「このままでは、私たちもカチカチにされてしまいます！」
イサミとアサヒが窮地を感じて叫ぶ。ロッソがカプセルが押すが、脱出することができない。
「これでお前たちも終わりだ！ハッハッハッハ！」
ベルスが勝ち誇って笑い声を上げた。
シン、ルナマリア、竜也はトウジに言われて、Ｇフォース本部に待機していた。ハルキたちが出ている間に敵が侵入してくる危険が高まっていると、トウジは
ところがラバタがフォースたちに奇襲を仕掛けてきたのを受けて、シンとルナマリアはトウジに出撃を進言した。
「シン・アスカ、デスティニー、いきます！」
「ルナマリア・ホーク、インパルス、いくわよ！」
シンのデスティニー、ルナマリアのインパルスが本部から発進した。だが２機が現場に駆けつけたときには、フォースとタイガがブロンズ像にされていた。
「そんな!?・・フォースとタイガが・・・！」
ルナマリアがフォースたちの姿を目の当たりにして、愕然となる。
「カツミくんたちも危ない！」
「あのロボットは宇宙人の相手をしてて手が出せないみたいだ・・オレたちで助け出す！」
カプセルに閉じ込められたロッソたちを見て叫ぶルナマリアと、彼らの救出を決めるシン。デスティニーがビーム砲を発射して、カプセルにビームを当てた。
カプセルがビームによって粉々になって、ロッソたちが解放された。
「ふぅ・・危ないところだった・・・！」
「中からは頑丈だけど、外からはそうでもなかったみたいだ・・・！」
カツミがひと息ついて、イサミがヒッポリトカプセルについて呟く。
「ありがとうございます、シンさん、ルナマリアさん！」
アサヒがシンたちに挨拶して、グリージョがお辞儀をした。
「今はあの宇宙人を倒すのが先だ！アイツを倒してから、フォースたちを助けるんだ！」
「はいっ！」
シンが呼びかけて、カツミとアサヒが答えた。
「モビルスーツが加勢しに来たか・・だが私１人だけではないぞ！」
ベルスが毒づきながらも、すぐに笑みをこぼした。
そこへ６機の機体が現れて、２組に分かれてフォースロボたちを挟み込んできた。
「この機体・・あのときの・・！」
ルナマリアが６機の機体を見て、目を見開く。彼女もシンもその機体に見覚えがあった。
「いや、３機だけ形が少し違う・・！」
シンが機体の形状の違いに気付く。６機のうちの３機は「ドム」。シンたちが知っていたのは、ドムと形状が似ている「ドムトルーパー」である。
「お前たちの相手はコイツらがするぞ。その隙にウルトラマンたちを仕留め、他のヤツらも破壊してくれる！」
ベルスが言い放って、ドムとドムトルーパーがロッソたちに向かっていく。ドムとドムトルーパーがそれぞれ３機編成で、バズーカ砲を構えて発射してきた。
ロッソ、ブル、グリージョが素早く動いて砲撃をかわして、デスティニーとインパルスも飛行のスピードを上げてかいくぐる。しかしフォースロボが砲撃を受けふらついた。
「フォースレンジャーが！」
「ルナ、援護を頼む！オレが宇宙人を倒す！」
カツミが声を上げて、シンが呼びかける。デスティニーがアロンダイトを手にして、ベルスに向かっていく。
「くらえ！ヒッポリトミサイル！」
ベルスが伸ばした両手を合わせて、ミサイルを発射した。デスティニーが回避するが、ミサイルは方向を変えて追ってくる。
「追跡ミサイルか・・そんなもの！」
シンが毒づいて、デスティニーがビーム砲を発射してミサイルを破壊した。
「くらえ、ヒッポリトファイヤー！」
ベルスが口から炎を吐いて、デスティニーが残像を伴った高速でかわす。
「宇宙人・・お前の相手は、オレたちだ！」
蓮斗が叫んで、フォースロボがフォースサーベルを手にして、ベルスに飛びかかってきた。
「そうまでして破壊されたいか・・！」
ベルスが振り返って、再び両手からのミサイルを発射した。フォースロボがフォースサーベルを振りかざして切りつけるが、ミサイルがその瞬間に爆発を起こした。
フォースロボが爆風に押されて、体勢を崩して倒れた。
「まとめて吹き飛ばしてくれる！」
ベルスがデスティニーとフォースロボにそれぞれ右手と左手を向けて、ビームを放った。ベルスはデスティニーを近づけさせないようにしながら、フォースロボに攻撃を加えた。
「このままだと、アイツらがやられる・・！」
蓮斗たちの危機に、シンが焦りを感じていく。ルナマリアとロッソたちはドムたちの包囲網に阻まれている。
そのとき、空から動物の顔をしたメカが降下してきて、ベルスに突撃して怯ませた。
「あ、あれは・・！」
蓮斗が空に目を向けて、声を荒げる。彼らの前に現れたのは、ゴセイグレートだった。
「あのロボット・・もしかして、スーパー戦隊の・・・！」
シンがゴセイグレートを見て声を上げる。ゴセイグレードが手足のヘッダーを戻して、ベルスと対峙する。
「ヒッポリト星人ベルス、ここからはオレたちが相手をするぞ！」
ゴセイグレートに乗っている１人、アラタがベルスに向かって言い放つ。
「ゴセイジャー、お前たちも来ていたか・・・！」
ベルスがアラタたちの出現に毒づく。
「あなたとあなたの協力者の企み、私たちが阻止するからね！」
もう１人のゴセイジャー、エリもベルスに呼びかける。
「オレたちもお前らに力を貸すぜ！」
「アイツにこれ以上、おかしな攻撃はさせないんだから！」
２人のゴセイジャー、アグリとモネがシンたちに声を掛ける。
「１番厄介なのはヒッポリトカプセルと、その中に流し込むタール液だ。ヤツにカプセルを呼び出す隙を与えてはならない。」
ゴセイジャーの１人、ハイドがベルスの戦法を分析する。
天装戦隊ゴセイジャー。天上の「護星界」から来た「護星天使」である。
アラタたちも空間の歪みを捉えて、ハルキたちのいる世界の地球に来ていたのである。
「アイツら・・あのときの・・何もかも手遅れになってから出てきたヤツら・・・！」
蓮斗がアラタたちに対して、憎悪をふくらませる。住んでいた町を襲われ、杏子たちを殺されたときに現れたゴセイグレートの姿を、蓮斗は思い出していた。
「アイツらの力は借りない・・オレたちで宇宙人を倒すぞ！」
アラタたちからの協力を拒絶して、蓮斗が激情をふくらませる。
「フォースレーザー！」
フォースロボがレーザーを発射して、ベルスに命中させた。
「スーパーフォースブレイク！」
フォースロボが飛びかかって、フォースサーベルをベルス目がけて振りかざした。しかしベルスが頭部から発したビームを受けて、フォースロボが押し返される。
「フォースロボ！・・アイツ！」
シンがベルスに対して怒りを燃やした。彼の中で何かがはじけて、感覚が鋭くなった。
デスティニーのスピードがさらに速く正確になる。ベルスが迎撃して炎を吐くが、デスティニーがかわして一気に距離を詰めた。
デスティニーがアロンダイトを振りかざして、ベルスを切りつけて跳ね上げた。
「おのれ、デスティニー・・こうなればこの一帯を火炎地獄に・・！」
ベルスがデスティニーたちを見下ろして、上空から炎を吹きつけて、地上を火の海にしようとした。
「ぐおっ！」
そのとき、ベルスが射撃を受けて、体勢を崩して地上に落下した。
「今度は何者だ!?」
「ここからは、私のターンだ。」
振り向いたベルスに向かって、獅子の顔をしたダンプカー型のゴセイマシン「グランディオン」が駆けつけた。
「天装合体！」
“Combine,Gosei ground.”
グランディオンがライオン型のゴセイマシン「シーレオン」、「スカイオン」と合体していく。
「ゴセイグランド、降臨！」
合体巨人、ゴセイグランドが現れて、ベルスの前に立ちはだかった。
「ゴセイジャーどもめ・・地獄に落ちるがいい！」
ベルスが両手からのミサイルを発射して、さらに口から突風を吐き出して勢いを付ける。
「イレイザーミサイル！」
ゴセイグランドが両肩からミサイルを発射して、ベルスのミサイルを破壊した。
「うおっ！」
イレイザーミサイルがさらに飛んで、ベルスが当てられてうめく。
「終わりにしよう。グランドラスティック！」
ゴセイグランドがミサイルを発射しながら、ベルスに向かって加速する。ベルスがミサイルの連射とゴセイグランドの突撃を受けて、決定打を受ける。
「この私が・・最強のヒッポリト星人の１りである、この私が・・！」
断末魔を上げて、ベルスが倒れて爆発した。
「宇宙人をやっつけた・・だけど・・・」
ルナマリアは安心することなく、フォースたちに目を向けた。フォースとタイガはブロンズ像にされたまま、元に戻らない。
「アイツが倒されたのに・・元に戻らないっていうのかよ・・!?」
助かっていないフォースたちに、シンも歯がゆさを感じていた。
「悠馬、理穂、あのロボットを攻撃するぞ・・！」
「あの天使と動物のようなロボットだね・・私もそのつもりだよ・・！」
蓮斗が低い声で呼びかけて、理穂が小さく頷いた。
「あのライオンのようなロボも味方のようだ・・警戒を怠らないように・・！」
悠馬が注意を投げかけて、蓮斗と理穂が頷いた。フォースロボがフォースサーベルを構えて、ゴセイグレートに向かっていく。
「えっ!?ちょっと！」
アラタが動揺を見せて、ゴセイグレートがフォースサーベルをかわす。
「いきなり何をするんだ!?お前らも宇宙人と戦ってただろ!?」
「何であたしたちにこんなことをするのよ!?」
アグリとモネが蓮斗たちに向けて不満の声を上げる。
「お前たちは１年前、オレたちの住んでいた町に来た・・何もかも手遅れになってから・・・！」
「私たちの大切な人を奪ったのは、あなたたちも同じなんだから！」
蓮斗が自分たちのことをアラタたちに告げて、理穂が恨みをぶつける。
「そんなこと言われたって、そんなに逆恨みってことじゃないのー!?」
エリが納得できず、不満の言葉を言い返す。
「オレたちは護星天使だけど、神様というわけじゃない・・どんなに願っても力を尽くしても、叶えられない願いがある・・それでも、多くの命を守るために、オレたちはこの力を使うんだ・・！」
アラタが蓮斗たちに向かって、自分たちの思いを口にしていく。
「綺麗事を・・それで自分たちが悪くないというつもりか!?」
しかし蓮斗は納得せず、攻撃を続ける。フォースロボが振りかざすフォースブレードを、ゴセイグレートが背に携えていたドラゴンソードを手にして受け止めた。
「大切なものを失ったことがあるのは、お前たちだけではない。誰もが悲しい過去を経験して、それでも強く生きていこうとしているんだ・・！」
ハイドも蓮斗たちに呼びかける。彼も仲間の死を経験して、その辛い過去を抱えていた。
「そのお前たちが、僕たちや他の人を守らなかったとは・・！」
「アンタたちなんかに助けられることはもうない！私たちで敵を倒していくんだから！」
悠馬と理穂もアラタたちへの不信感をふくらませていた。
「お前ら・・そんな自分勝手でみんなを守れると思ってるのかよ!?」
「守れる力がありながら守ろうとしないお前たちに言える資格があるのか！」
互いに不満をぶつけ合うアグリと蓮斗。
「これからはオレたちが地球を守る・・お前たちに頼ることはもうない！」
蓮斗が言い放って、フォースロボがフォースサーベルをさらに振りかざす。ゴセイグレートはドラゴンソードで受け止めるだけで、反撃には出ない。
そのとき、ゴセイグレートとフォースロボの間をミサイルが通り過ぎた。ゴセイグランドがミサイルを発射して、フォースロボをけん制した。
「ゴセイジャー、何をしている!?反撃して攻撃を止めなければ、お前たちがやられるぞ！」
ゴセイグランドがアラタたちに向かって呼びかける。
「だけど、彼らも地球を守る戦士だ！戦うわけにいかない！」
しかしアラタはそれでも攻撃に移ろうとしない。
「お前たちは何のために戦っている!?倒すためではなく、守るために戦う！それが護星天使の使命であり、お前たち自身の願いであろう！」
「ゴセイナイト・・ありがとう！オレたちで彼らを止めるんだ！」
ゴセイグランドとなっているゴセイナイトに感謝して、アラタが迷いを振り切った。
ゴセイグレートがドラゴンソードでフォースブレードではねのける。
「ヘッダーアタック！」
ゴセイグレートから５体のヘッダーが射出してフォースロボをけん制する。
「今だ、ロッソ、ブル！」
「えっ!?」
アラタが呼びかけて、蓮斗が声を荒げる。
“ウルトラマンロッソ・アクア！”
“ウルトラマンブル・ウインド！”
ロッソがアクアに、ブルがウインドに変身して、フォースロボに向かっていく。
「ジャイアントスフィア！」
「ストームフォース！」
２人が水の球と竜巻を放って、フォースロボの動きを止めた。
「う、動かせない・・！」
「振り切るには力が足りない・・！」
理穂と悠馬が自由が利かないことに焦りを感じていく。
「このままやられてたまるか・・オレたち以外に、地球もみんなもまもることができないんだよ・・！」
蓮斗が怒りをふくらませて、全身に力を込める。
そのとき、蓮斗の持っていたフォースオーブから光があふれ出した。
「フォースオーブが・・・！」
手にしたフォースオーブを見つめて、蓮斗が戸惑いを覚える。
「フォースオーブ・・コックピットにも、はめ込むところが・・・！」
悠馬がコックピットを見てから、自分の分のフォースオーブを取り出した。彼と理穂のオーブも光を発していた。
「蓮斗、理穂、フォースオーブを使うんだ！フォースロボのパワーをアップさせることも可能のはずだ！」
「それしか方法はないみたいだね・・やってみよう！」
悠馬が提案をして、理穂が頷いた。
「フォースオーブ、セット！」
蓮斗が悠馬たちとともに、操縦席の前にあるくぼみにフォースオーブをセットした。オーブの光が強まって、フォースロボからもあふれ出した。
フォースロボの光が、束縛していた水の球と竜巻を吹き飛ばした。
「えっ!?」
自分たちの力を破られて、イサミが驚いた。フォースブレードを構えたフォースロボだが、ダメージと消耗が大きく、体勢を崩した。
「どうしたんだ、フォースロボ!?」
「ただでさえダメージを受けすぎていた・・そこでフォースオーブを使うのは、負担が大きすぎたみたいだ・・・！」
蓮斗が声を荒げて、悠馬がフォースロボの状態を確認する。
「やむを得ないが、いったん引き揚げるよ！このまま戦っても、フォースロボがバラバラになってしまう！」
悠馬の呼びかけを、蓮斗と理穂が渋々聞き入れた。フォースロボが分離して、ロッソたちの前から去っていった。
「くそっ！・・あのフォースレンジャーってヤツら、何を考えてんだ・・!?」
蓮斗たちの行動にアグリが不満を感じていく。
「フォースレンジャーの心の問題もあるけど、今、彼らが使った力も気になる・・」
新たなフォースロボの発した光に疑問を感じていく。
「あぁ。軍や防衛隊の持つ科学とは言い切れない力を宿していた。あのような力をどこで手に入れたのか・・」
ハイドもフォースオーブの力を気に掛けていた。
そのとき、ロッソ、ブル、グリージョのカラータイマーが鳴り始めた。３人はベルスとの戦いで、エネルギーを消耗していた。
「１回体勢を立て直しましょう・・体力を回復させないと・・・」
グリージョが呼びかけて、アラタたちが頷いた。カツミたちがロッソたちへの変身を解いて、アラタたちはゴセイグレートから降りた。
“Change,Gosei knight.”
ゴセイグランドへの合体を解いたグランディオンがゴセイヘッダー「グランディオンヘッダー」に戻って、さらに人型のゴセイナイトへと変わった。
カツミたちが変身を果たした後、或人たちがヨロイ元帥たちと対峙していた。
「リュウタロス、行くよ・・！」
“任せて、良太郎！”
良太郎が呼びかけて、リュウタロスが答えた。良太郎がデンオウベルトの紫のボタンを押した。
「変身・・・！」
“Gun form.”
良太郎が電王に変身して、リュウタロスが入ってきた。紫の装甲をした「ガンフォーム」である。
「変身！」
“飛び上がライズ！ライジングホッパー！A jump to the sky turns
to a riderkick.”
「変身・・ブイスリャー！」
「クロノチェンジャー！」
或人、志郎、竜也がゼロワン・ライジングホッパー、V3、タイムレッドに変身した。
「アンタたち、みんなやっつけるけどいいよね？答えは聞かないけど！」
リュウタロスが言い放って、「ガンモード」にしたデンガッシャーを構えて発射した。射撃が戦闘員たちを次々に倒していく。
「ドクターケイト、ドーラフランケ、ヤツらを始末しろ！」
ヨロイ元帥が命令して、ドクターケイトとドーラフランケが或人たちに向かっていく。リュウタロスがデンガッシャーを発射するが、ドクターケイトは素早くかわして、ドラーフランケは射撃をものともせずに前進する。
「うわあっ！何だよ、あのタフさ!?」
迫り来るドーラフランケに、リュウタロスが驚きの声を上げる。
「おわっ！」
リュウタロスがドーラフランケに突き飛ばされて、悲鳴を上げる。
「すごいパワーだよ、あのフランケンシュタイン・・！」
トワがドーラフランケを見て呟く。
「オレが“カタソウル”でヤツの攻撃を食い止める・・その隙にツヨソウルで仕留めろ・・！」
バンバが呼びかけてリュウソウルの１つ、カタソウルを手にした。
「あたしに任せて！１発でやっつけてみせるよ！」
アスナが答えてツヨソウルを手にした。彼女とバンバがそれぞれのリュウソウルを、リュウソウケンにセットした。
“ツヨソウール！オラオラー！”
“カタソウール！ガッチーン！”
“リュウ・ソウ・ソウ・ソウ！この感じー！ツヨソウー！”
“カタソウー！”
２人がそれぞれのリュウソウルの力を宿したリュウソウアーマーを身にまとった。ドーラフランケが首に付けてあるネジを抜いて、鎖のヌンチャクにして突っ込んできた。
バンバがリュウソウケンを掲げて、ドーラフランケが振り回すヌンチャクを受け止めた。
「今だ！」
バンバが呼びかけて、アスナがリュウソウケンを操作した。
“ソレ・ソレ・ソレ・ソレ！その調子ー！剣ボーン！オラオラー！”
刀身にエネルギーを集めたリュウソウケンを、アスナがドーラフランケ目がけて振りかざした。ドーラフランケが一閃を受けて突き飛ばされた。
「よーし！とどめは僕が刺しちゃうよー！」
“Full charge.”
リュウタロスがライダーパスをデンオウベルトにかざしてから、デンガッシャーを構えた。銃口に集まった紫のエネルギーを、彼が発射した。
ドーラフランケが射撃を受けて再び吹き飛ばされて、倒れて動かなくなった。
「おのれ、電王、リュウソウジャー・・こうなれば私の毒で、まとめて地獄へ落としてやるわ・・！」
毒づくドクターケイトが、或人たちに向かってケイトガスを吐こうとした。
「ちょっと待った！」
そこへ声がかかって、或人たちが振り向いた。その先には３人の青年がいた。
「君たちは・・ソウゴ、ゲイツ、ウォズ！３人も来てたんだねー♪」
或人が青年たち、常盤ソウゴ、明光院ゲイツ、ウォズを見て喜びの声を上げる。
「遅くなってゴメン、或人、みんな。」
「ここからはオレたちも戦わせてもらうぞ。」
ソウゴが微笑んで答えて、ゲイツが意気込みを口にする。
「すばらしい！また別世界へと足を踏み入れた。そして我が魔王とその家臣が、歴代の英雄たちにその力を披露するときが来た！」
「おい、誰が家臣だ、誰が・・!?」
高らかに言い放つウォズに、ゲイツが文句を言う。
「お前たち、もしや・・!?」
ヨロイ元帥がソウゴたちを見て警戒を強める。
「そうだ！この方は、仮面ライダーの力を束ねる時の王、常盤ソウゴ！」
ウォズがソウゴを高らかに紹介する。彼らも次元を超えて、ハルキたちの世界に来たのだった。