ザ・グレイトバトル
-命の解放-
第6章
Gフォースの基地の敷地内で起こった爆発。その炎の中から現れたのは、フォースレッド、蓮斗だった。
「お前は、フォースレンジャーの・・お前の仕業なのか・・!?」
ハルキが動揺を感じながら、蓮斗に問いかける。蓮斗は答えることなく、フォースソードを手にして向かってきた。
「キンタロス!」
良太郎がイマジンの1人、キンタロスに呼びかけてから、デンオウベルトの黄色のボタンを押した。
「変身・・!」
“Axe form.”
デンオウベルトにライダーパスをかざして、電王に変身した良太郎。同時に彼の中にキンタロスが入った。
電王の姿の1つ「アックスフォーム」である。
キンタロスが蓮斗に向かっていって組み合った。
「オレの強さに、お前が泣いた!」
キンタロスが言い放って、蓮斗を押し込んでいく。蓮斗がフォースソードを振りかざして、キンタロスが切りつけられて後ずさりする。
「オレに力で張り合うとは、なかなかなもんやな・・けどな、オレの強さは泣けるで!」
キンタロスが笑みをこぼして、斧型の「アックスモード」にしたデンガッシャーを構えた。
“キンタロス、傷つけたらダメだよ・・この人も僕たちの味方なんだから・・!”
「うむ・・手加減は苦手やけど、倒さへんようにやるで・・!」
良太郎からの注意を受けて、キンタロスが頷く。
蓮斗がフォースソードを連続で振りかざして、キンタロスがデンガッシャーで受け止めていく。キンタロスがデンガッシャーを振りかざして、フォースソードをはじき飛ばした。
「もうやめるんだ!なぜこんなことをするんだ!?」
或人が呼び止めるが、それでも蓮斗は答えずに後ずさりしていく。
「答えてくれ、蓮斗!」
ハルキも呼びかけるが、蓮斗は彼らの前から去っていった。
「蓮斗・・・!」
蓮斗の行動に、ハルキは動揺を隠せなかった。
「今は消火を・・みなさん、手伝ってください!」
ナツが呼びかけて、ヒロユキたちとともに消火に向かう。
「オレは蓮斗を追いかける!ナツ、ここは任せた!」
「ハルキくん!」
ハルキが蓮斗を追って走り出して、ナツが叫ぶ。彼を追いかけたい気持ちを感じたが、ナツは消火することを優先した。
Gフォースでの騒ぎを聞きつけて、悠馬と理穂が警戒を強めていた。
「何が起こっているんだ、向こうで・・・!?」
「こんなときに、蓮斗はどこに行っちゃったのかな〜!?」
悠馬が緊張をふくらませて、理穂が蓮斗への不満を口にする。2人は蓮斗と連絡を付けられないでいた。
そのとき、悠馬たちが足音を耳にして身構える。2人の前にハルキが姿を現した。
「あなたは、Gフォースの・・・」
「どうしたんだ?何が起こっているんだ?」
理穂が動揺を見せて、悠馬が問いかける。するとハルキが2人に対して銃を構えてきた。
「えっ?えっ!?」
理穂が驚きを見せた直後に、ハルキが発砲してきた。悠馬と理穂がとっさに横に動いてかわした。
「何をするんだ!?」
悠馬が声を上げるが、ハルキは答えることなく発砲を続ける。
「フォースチェンジ!」
悠馬と理穂がフォースブルー、フォースイエローに変身して、フォースシューターを手にしてハルキを迎え撃つ。
「いきなりこんなことをするなんて、どういうつもりなの!?」
「まさか、あの騒ぎもお前の仕業なのか・・!?」
理穂と悠馬がハルキに対して声を荒げる。
「フォースシュート!」
悠馬たちがフォースシューターを発射する。ハルキが後ろに下がって回避して、そのまま林の中に消えていった。
「待て!」
「悠馬、理穂!」
追いかけようとした悠馬たちに、姿を現した蓮斗が合流した。
「蓮斗、どこに行ってたの!?大変だったんだから、今!」
「悪かった・・基地の屋上にいて、出るのが遅れてしまった・・・」
不満をぶつける理穂に、蓮斗が謝る。
「今、Gフォースの隊員が攻撃を仕掛けてきたんだ・・どういうことなのか、全然分からない・・」
「何だとっ!?」
悠馬が起こったことを話して、蓮斗が驚きを覚える。
「とにかく追いかけよう!このままやられっぱなしってわけにはいかないよ!」
理穂が呼びかけて、蓮斗と悠馬が頷いた。3人がハルキを追って、Gフォース本部を目指す。
その途中、ハルキが蓮斗たちの前に飛び出してきた。
「お、お前!」
悠馬と理穂、ハルキが同時に声を上げる。
「アンタ、さっきはよくも!」
「蓮斗、どうしてGフォース本部やオレたちに攻撃を仕掛けてきたんだ!?」
理穂とハルキが不満の声を上げてきた。
「えっ!?」
同時に声が上がったことに、ハルキも蓮斗たちも驚きを覚える。
「どういうことなんだ・・・!?」
「信じられないが、蓮斗はフォースレッドになって、オレたちに襲い掛かってきたんだ・・どういうことかと聞いても、なにも答えない・・!」
悠馬が問いかけると、ハルキが深刻な顔を浮かべて答える。
「オレがお前たちを攻撃?・・何を言っている!?オレは今、悠馬たちと合流したんだぞ!」
「攻撃されたのはこっちのほうだよ!何の恨みがあってこんなことを!?」
蓮斗が声を荒げて、理穂がハルキに不満をぶつける。
「オレたちのことが気に入らず、ありもしない濡れ衣を着せて排除しようというのか!?そんなマネはさせないぞ!」
蓮斗がハルキに対していら立ちをふくらませる。
「フォースチェンジ!」
フォースチェンジャーの青いボタンを押して、蓮斗がフォースレッドに変身した。
「よせ、みんな!オレの話を聞いてくれ!」
「フォースシュート!」
ハルキが呼び止めるが、蓮斗はフォースシューターを発射する。ハルキが茂みの中に飛び込んで、射撃をかわした。
「待て!・・くそっ!アイツめ・・!」
ハルキを見失って、蓮斗が毒づく。
「深追いはやめた方がよさそうだ。1度本部に戻って、長官とともに状況を整理しよう。」
「うん・・ちょっと頭の中がゴチャゴチャしちゃってるし〜・・!」
悠馬が冷静に破断して、理穂が頷いてから頭を抱える。
「アイツら・・オレたちがオレたちの戦いをすることが、そんなに気に入らないのか・・・!?」
蓮斗がハルキたちへの怒りを感じて、左手を強く握りしめていた。
蓮斗たちからの攻撃から、やむなく引き下がったハルキ。彼の前に、追いかけてきたヒロユキと或人が現れた。
「ハルキさん・・蓮斗さんたちは・・・?」
「向こうは何も知らないと言ってきた・・そればかりか、オレが向こうに攻撃をしてきたと言って、攻撃をしてきた・・」
ヒロユキが話を聞いて、ハルキが深刻な顔を浮かべて説明する。
「そんな!?何とか話をして分かってもらわないと・・!」
或人が動揺を見せて、ハルキに呼びかける。
「そうしたいが、他の2人もまるで話を聞こうとしない・・少し間を置いたほうがいいかもしれない・・」
“私もそう思う。冷静さを取り戻さなければ、周りの言葉が入らないのも当然だ。”
ハルキが言いかけて、フォースが彼に賛同する。
“その間に何もなければいいけど・・・”
タイガも一抹の不安を感じていた。
「みんな・・!」
良太郎もやってきて、ハルキたちに声を掛けてきた。
「基地の火災は消えたよ。隊員たちが後処理をしていて、志郎さんたちは周りを警戒している・・」
「そうか・・よかった・・・」
良太郎から鎮火のことを聞いて、ハルキが安心する。
「ったく!またややこしいことになっちまってんなぁ・・!」
モモタロスがウラタロス、キンタロス、さらにもう1人のイマジンのリュウタロスとともに現れた。
「僕だけまだ出番がないー!つまんないよー!」
リュウタロスが不満を浮かべて、モモタロスたちに言い寄ってくる。
「分かった、分かった。次はリュウタの番だね。」
「ホントだよ!次やってもいいよね!?答えは聞いてない!」
ウラタロスがなだめて、リュウタロスが喜びを見せる。
“な、何だ、コイツら!?宇宙人!?怪人か!?”
“オレたちみたいに個性派ぞろいみたいだな!”
“それに腕も確かなようだ。”
タイガスパークから姿を現したタイガ、フーマ、タイタスが、モモタロスたちを見て声を上げる。
「な、何だ、コイツら!?イマジン・・じゃねぇな・・!」
「この3人もウルトラマンだね。しかも僕たちみたいに、1人の人間の中にまとめて入っているなんて・・」
モモタロスが声を荒げて、ウラタロスが驚きを口にする。
「ウルトラマンなら、強さは本物で間違いあらへんな。」
「アハハー♪おもしろそー♪」
キンタロスが満足げに頷いて、リュウタロスが大喜びする。
「違う種族の人たちが意気投合してる・・人間と“ヒューマギア”も、こんな感じで仲良くなってるのが、オレの願いなんだよなぁ・・」
ヒロユキとタイガたち、良太郎とモモタロスたちの絆を見て、或人が自分の思いを口にしていた。
「ヒューマギアって、何・・?」
「ヒューマギアはオレの世界にいる、人型のロボットだ。作業員や店員、いろんなジャンルに優れたヒューマギアが、仕事をこなしているんだ。」
ヒロユキが疑問を投げかけて、或人が説明をする。
「なるほど。僕たちの世界では、地球で宇宙人たちが平和に暮らしているんだ。僕のいる組織の先輩も宇宙人だし、僕自身もタイガたちと一緒だから・・」
ヒロユキも自分の世界のことを話して、タイガスパークに目を向けた。
“そして次元を超えて、別の世界のみんなが出会えた・・!”
“オレたちはみんな、自由と平和を守る仲間だ!”
タイガとフーマが世界を超えた絆を実感する。ハルキ、ヒロユキ、或人、良太郎が彼らの言葉に頷いた。
「ところで、あなたとあなた・・まるで赤鬼みたいだね・・」
或人がタイガとモモタロスを指さして、気さくに言った。
「だ・・誰が赤鬼だー!」
タイガとモモタロスが同時に不満の声を上げた。
Gフォースの基地で起こった騒動は、一時的な沈静化に至った。しかしハルキたちと蓮斗たちの間にある溝は、深まることとなった。
「フォースレンジャー、オレたちが気に入らない様子だったけど、あそこまでやってくるとは・・・!」
ギンが蓮斗たちへの不信感をふくらませていく。
「昨晩は偽者を作る怪人がいた・・アイツ以外にも、偽者でオレたちを混乱させようと企んだヤツがいたのかもしれない・・」
ハルキが事件のことを振り返って、その裏の大きな企みが存在するのではないかと推測する。
「それじゃ、あのフォースレンジャーの人も、彼らを襲ってきたっていうハルキくんも・・」
「誰かが化けた偽者で、僕たちと彼らを仲たがいさせようとして・・」
ナツとイズルも推測を巡らせる。
「我々とフォースレンジャーだけではない。我々の間にも亀裂を生じさせて、連携を崩そうとしている可能性もある・・!」
トウジが警戒心を抱いて、ハルキたちに注意を投げかける。
「我々の間でも、仲間と行動を共にしていても決して気を緩めないように。」
「はい!」
トウジの言葉を聞いて、ハルキたちが答えた。
「オレたちは外を見回ってきますよ。」
「もちろん、油断はしません。十分な注意を払いながら・・」
コウとバンバが言いかけて、トウジが真剣な顔で頷いた。
「敵と偽者の挟み撃ちになる危険もあるということか・・」
メルトが一抹の不安を口にする。
「恋の板挟みなら大歓迎なのだが・・」
「こんなときに冗談言ってる場合じゃないだろ・・」
カナロが理想を想像して、シンが不満を言う。
「では行くぞ、みんな。油断は禁物だぞ。」
「はい!」
志郎が呼びかけて、ハルキたちが答えた。ヒロユキたちが本部の外に出て、ハルキたちが基地内のレーダーを注視した。
ハルキたちへの疑念をさらに強めた蓮斗たち。指令室に来た彼らに、虎男が指示を出していた。
「感情的になってはいけないぞ、3人とも。自分を見失うことが、1番の天敵だ。」
「分かっています、長官・・しかし、オレたちが強いことが伝わらなくて、どうしても我慢がならないです・・・!」
なだめる虎男だが、蓮斗は怒りと不満をふくらませていた。
「その感情を持つこと自体は悪くはない。しかし大きくしすぎては、自分の納得できる戦いができなくなる・・」
「そうだ、蓮斗。納得いかないのは僕たちも同じだ。だからこそ冷静にならないと・・」
虎男に続いて悠馬が蓮斗に呼びかける。納得できない蓮斗だが、2人の言葉を聞き入れることにした。
そのとき、フォースレンジャーの本部にサイレンが鳴り響いた。理穂がコンピューターを動かして、モニターを映した。
映し出されたのはフォース。彼がフォースレンジャーの本部に近づいてきていた。道筋にあるものを破壊しながら。
「ウルトラマンフォース!?ほ、本部に近づいてきている・・!」
「なぜ、私たちの本部を攻撃してくるの!?」
悠馬が緊張を覚えて、理穂が驚きの声を上げる。
「出撃だ、フォースレンジャー!フォースを本部に近づけさせるな!」
「了解!」
虎男が指示を出して、蓮斗たちが答えた。
「フォースチェンジ!」
フォースチェンジャーの青いボタンを押して、蓮斗たちはフォースレンジャーに変身した。彼らはフォースジェット、フォースドリル、フォースカートに乗って出撃した。
「行くぞ!無双合体!」
蓮斗が呼びかけて、3機のマシンが合体シークエンスに入る。
2つに分かれたフォースタンクの上に、フォースドリルが変形して組み合わさる。その上にフォースジェットが変形して合体を果たした。
「完成、フォースロボ!」
フォースカートが両足、フォースドリルが胴体と両腕、フォースジェットが胸部と頭になって、フォースロボへの合体が完了した。
「これ以上フォースを進ませてはいけない・・!」
「ここで食い止める・・ウルトラマンが相手でも、オレたちは負けない・・!」
悠馬と蓮斗が声を上げて、フォースロボがフォースに向かっていった。
フォースレンジャーの本部に襲撃を仕掛けて、フォースロボと対峙したフォース。だがそれは偽者だった。
ハルキたちのいるGフォースの本部のモニターに、偽フォースが映し出された。
(あれは、フォース・・バカな!?フォースはここにいる・・!)
“あれは偽者だ・・昨日のあの怪人が呼び出したように、別の何者かが偽者を出しているのだろう・・!”
驚きを感じていくハルキに、本物のフォースが呼びかける。
「我々も出撃する。ただし迂闊に攻撃をするな。状況を見極め、臨機応変に対応する・・!」
「了解!」
トウジが指示を出して、ハルキたちが答える。彼らがフォースガンダムとGパニッシャーに乗って、本部から出撃した。
フォースロボと偽フォースが交戦している場に、フォースガンダムたちも駆けつけた。
「マジでフォースがフォースレンジャーと戦ってる!?」
「フォースも、フォースレンジャーに対して疑惑を持っているんだろうか・・?」
改めてフォースの姿を見て、ギンとイズルが驚きと疑問を抱く。
「でも、フォースが周りの被害を考えずに戦うとは思えないんだけど・・・」
「昨日の偽者と同じだ・・オレが偽者を攻撃するから、みんなは蓮斗たちを引き離してくれ・・!」
ナツも疑惑を抱いて、ハルキが呼びかける。
「分かったわ・・ハルキくんも気を付けて・・・!」
ナツが言いかけて、ハルキが頷いた。フォースガンダムが偽フォースに、Gパニッシャーたちがフォースロボに近づいていく。
「落ち着け、お前たち!あのフォースは偽者だ!」
「偽者に惑わされたらいけないわ・・!」
ギンとナツが蓮斗たちを呼び止める。
「そうだとしても、僕たちのやることに変わりはない・・!」
「余計なことをするなら、お前たちでも容赦しないぞ・・!」
悠馬と蓮斗がナツたちに言い放って、フォースロボが偽フォースに向かっていく。
「フォースレーザー!」
フォースロボが両肩からそれぞれ光線を発射した。偽フォースが気付いて、光線を回避する。
「お前は何者だ!?正体を現せ!」
ハルキが呼びかけて、フォースガンダムがビームライフルを手にしてビームを発射した。偽フォースが体にビームを当てられて、突き飛ばされて倒れた。
その瞬間、偽フォースの姿が白い体の1つ目の怪人に変わった。
「何、あの怪物!?」
「コイツが、フォースに化けていたのか!?」
白い怪人、ドーラガンサクを見て、理穂が驚いて、ハルキが声を荒げる。
「フォースガンダム!」
立ち上がったドーラガンサクが、今度はフォースガンダムに化けた。
「アイツ、次はフォースガンダムになった!」
「これじゃ、どっちがどっちか・・レーダーで本物を見抜くしか・・・!」
ギンがまた驚いて、イズルがGパニッシャーのレーダーに目を向ける。だが偽フォースガンダムが本物のフォースガンダムに組み付いてきた。
「おいおい・・これじゃどっちが本物なのか分かんないじゃないか!」
「あれだけ接近されたら、レーダーで探っても区別がつかない・・!」
ギンが緊張をふくらませて、イズルも焦りを噛みしめる。
「ハルキくん、応答して!ハルキくん!」
ナツが呼びかけるが、ハルキは偽フォースガンダムとの戦いで精一杯になっていた。
「こうも近づかれたら、ナツたちも援護ができない・・!」
“ハルキ、変身するんだ!偽者にはフォースアーマーになって合体することはできない!”
焦りをふくらませるハルキに、フォースが呼びかける。フォースガンダムを自動操縦にして、ハルキがフォースブレスを掲げた。
「フォース!」
ハルキがフォースに変身して、2機のフォースガンダムのそばに降り立った。
「フォースアーマー!」
本物のフォースガンダムが変形して、フォースアーマーとなってフォースに装着された。
「フォースガンダムがフォースと合体した!」
「ということは、残ったフォースガンダムのほうが、偽者・・!」
ギンとイズルが偽のフォースガンダムに目を向けた。偽フォースガンダムがドーラガンサクに戻った。
「偽者が・・他に化けないうちに倒す・・!」
ハルキが感情を込めて言い放って、フォースがドーラガンサクに向かっていく。
フォースが繰り出したパワーのあるパンチが、ドーラガンサクに叩き込まれていく。ドーラガンサクがダメージを負って、仰向けに倒れた。
「このまま一気にとどめを刺す・・!」
「フォースチャージナック・・!」
ハルキが言い放って、フォースがエネルギーを集めたパンチを繰り出そうとした。そこへ光線が飛び込んで、フォースが背中に当てられてふらついた。
「フォース!」
「あ、あれは!?」
ナツとギンがこの突然のことに声を上げる。フォースを光線で攻撃したのは、タイガだった。
「タ、タイガ!?・・どういうことなんだ・・・!?」
「あのタイガも偽者だ!本物が我々を攻撃するはずがない!」
驚きを覚えるハルキに、フォースが呼びかける。
「偽者に化けるヤツはここにいる・・ということは・・!」
「また新たに、変身できる敵が現れたということか・・!」
ハルキとフォースが呟いて、偽タイガとも対峙していた。
フォースとドーラガンサク、偽タイガをヒロユキたちも目撃していた。
“えっ!?今度はオレの偽者!?”
「みなさん、僕たちがフォースを助けに行きます!」
タイガが驚きの声を上げて、ヒロユキが或人たちに呼びかける。
「オレたちも一緒に行くぞ、ヒロユキ!」
「いや、みなさんはまだ待機していてください!偽タイガのように、何者かがまだ潜んで、攻撃の機会をうかがっているかもしれません・・!」
カツミも加勢することを告げるが、ヒロユキが呼び止めた。
「分かった・・十分気を付けてくれ・・!」
カツミが頷いて、ヒロユキがタイガスパークを掲げた。
“カモン!”
「光の勇者、タイガ!」
ヒロユキがタイガキーホルダーをタイガスパークでリードした。
「バディー・ゴー!」
“ウルトラマンタイガ!”
ヒロユキがタイガに変身して、フォースのそばに降り立った。偽タイガが警戒して後ろに下がる。
「大丈夫か、フォース!?」
「あぁ。助かった・・!」
タイガが差し伸べた手を握って、フォースが立ち上がる。
「オレの偽者はオレが相手をする!フォースはあの白いヤツを!」
「分かった。また変身をしないうちにヤツを倒す・・!」
タイガの呼びかけにフォースが答える。フォースがドーラガンサクに、タイガが偽タイガに向かっていく。
フォースがパンチを連続で繰り出して、ドーラガンサクを攻め立てる。
「今度こそ決める!」
「フォースチャージナックル!」
ハルキとともに声を上げて、フォースがエネルギーを集めたパンチを繰り出した。ドーラガンサクがパンチを受けて、空中に跳ね上げられて爆発した。
一方、タイガが偽タイガと激しい攻防を繰り広げていた。
「コイツ、偽者のくせにオレと互角だなんて・・!?」
「タイガ、フォトンアースになるぞ!このままだとエネルギーを消耗してしまう!」
焦りを覚えるタイガに、ヒロユキが呼びかける。
“カモン!”
「輝きの力を手に!バディー・ゴー!」
“ウルトラマンタイガ・フォトンアース!”
ヒロユキがフォトンアースキーホルダーをダブルリードして、タイガがフォトンアースになった。
パワーアップしたタイガが偽タイガを迎え撃つ。偽タイガの打撃を回避して、タイガが反撃を当てていく。
“プラズマゼロレット・コネクトオン!”
ヒロユキがプラズマゼロレットをタイガスパークでリードした。
「タイガエメリウムブラスター!」
タイガが額のビームランプから光線を発射する。偽タイガも同じ光線を出すが、タイガの光線に押し切られて顔面に命中した。
痛みを覚える顔を押さえる偽タイガの姿に変化が起こった。銀色の鎧と体をした怪人の正体が明かされた。
「また別の怪人だったのか!」
或人が怪人、ドーラミラージュを見て声を荒げる。
「おのれ・・どいつもこいつも惑わされないとは・・・!」
ドーラミラージュが動じないタイガたちに毒づく。
「オレたちに化けて信頼を壊そうとするなんて・・許さないぞ!」
タイガがドーラミラージュや偽者に化けた怪人たちへの怒りをあらわにする。
「オーラムストリウム!」
タイガが両手をT字に組んで、光線を発射する。
「ギャアッ!」
光線を直撃されたドーラミラージュが、絶叫を上げて爆発を起こした。
「終わった・・これでもう偽者は出てこないよな・・・!?」
タイガが警戒を解かずに周りを見回す。彼の姿がフォトンアースから元に戻った。
「1度体勢を整えよう。私も君も体力を消耗している・・」
「あぁ・・」
フォースが呼びかけて、タイガが頷いた。
「そうはさせんぞ、フォース、タイガ。」
そこへ声がかかって、フォースたちが緊張を覚える。彼らの前に、鳥のような顔をした1人の宇宙人が現れた。
「ガッツ星人・・お前まで・・!」
タイガが宇宙人、ガッツ星人ラバタを見て緊張をふくらませる。
「お前たちもここまでだ。この私が処刑してくれよう。」
ラバタが告げて、フォースたちに近づいていく。タイガが力を振り絞って、ラバタを迎え撃つ。
ところが、タイガがパンチを繰り出したところで、ラバタの姿が突然消えた。
「き、消えた・・!」
「あそこだ!」
或人が驚いて、コウが視線を移して指さした。フォースの後ろにラバタが姿を現した。
「いつの間に・・!」
「フォースナックルインパクト!」
フォースが右のパンチを繰り出して、その拳から衝撃波を放つ。ところがラバタの姿が再び消えて、衝撃波が外れた。
「素早いヤツだ・・これは、瞬間移動か・・!?」
「いや、それだけじゃないよ、兄さん・・!」
バンバがラバタの行方を追って、トワが言いかける。
ラバタがまた姿を現した。今度は彼は2人いた。
「ど、どうなっているんだ!?分身か!?」
タイガが2人のラバタを見て、警戒を強める。ガッツ星人は分身宇宙人。分身とワープを駆使して相手を追い込む戦い方をする。
ラバタが分身とともに両手から光線を発射した。
「うあっ!」
フォースとタイガが正確に光線を当てられて、苦痛を覚える。
「このままじゃやられてしまう・・アイツを取り押さえないと・・・!」
「しかし、あの動きを止めるのは極めて難しい・・!」
ハルキとヒロユキが反撃の手を考えて、焦りをふくらませる。
“オレに任せろ!オレのスピードなら、アイツの分身攻撃を見極められる!”
そこへフーマが呼びかけて、ヒロユキが頷いた。
「分かった・・行くよ、フーマ!」
ヒロユキが答えて、フーマキーホルダーを手にした。
“カモン!”
「風の覇者、フーマ!」
彼がフーマキーホルダーをタイガスパークでリードした。
「バディー・ゴー!」
“ウルトラマンフーマ!”
タイガからフーマに代わって、ラバタに向かっていく。ラバタが分身とともに放った光線を、フーマが素早くジャンプしてかわした。
「極星光波手裏剣!」
フーマが光の手裏剣を投げるが、ラバタが2人とも消えた。
「オレの技もかわしただと!?」
「ムダだ。どのような手に打っても、私には勝てん。」
驚くフーマにラバタが勝ち誇る。また2人のラバタが現れて、フーマに光線を命中させた。
フーマがダメージを増して、フォースとともにエネルギーを消耗していく。2人のカラータイマーが点滅を始めた。
「何をやっているんだ、アイツらは・・!」
「本物の星人を見つけて叩かないと・・・!」
フォースロボにいる蓮斗がいら立ちを浮かべて、悠馬がラバタの行方を探る。
「でもどうやって見つけるの!?見ても分かんないし、レーダーも分身にまで反応してるよ!」
理穂がレーダーを見て頭を抱える。
「こうなったら、高周波レーダーで捜すしかない・・!」
悠馬がフォースロボのコンピューターを操作して、高度の高周波レーダーを働かせた。高周波でより細かい探索を可能としている。
高周波レーダーがラバタの動きを事細かく正確に捉えていた。
「あそこだ、蓮斗!」
「分かった!」
悠馬が呼びかけて、蓮斗が答える。
「フォースシールド!フォースサーベル!」
フォースロボがフォースシールドを左手で持って、右手でフォースサーベルを引き抜いて振りかざした。ラバタがフォースサーベルに切りつけられて、姿を現した。
「くっ!・・私の居場所を見抜くとは・・!」
ラバタがフォースロボに目を向けて毒づく。
「お前は逃がさないぞ!スーパーフォースブレイク!」
蓮斗が言い放って、フォースロボがラバタに突っ込んで、フォースサーベルを振りかざした。
「ぐあぁっ!」
切りつけられたラバタが絶叫を上げて倒れて、爆発を起こした。
「やった・・やったぞ・・!」
自分たちで宇宙人を倒せたことに、蓮斗は手応えを感じていた。