ザ・グレイトバトル

-命の解放- 

第3章

 

 

 トウジたちとの対話を終えて、ヒロユキと或人はハルキに連れられて客室に来た。

「ここならウルトラマンたちとの会話ができるはずだ。」

「ありがとう。助かるよ。」

 気遣ったハルキに、ヒロユキがお礼を言う。

「それで、ウルトラマンっていうのとどうやって話を?・・っというか、ウルトラマンっていったい・・・?」

 或人がウルトラマンについて疑問を投げかける。

“それはオレたちが話すよ。”

 ヒロユキの掲げたタイガスパークから、タイガの姿が浮かび上がった。タイタス、フーマも同様に現れた。

「ウ、ウルトラマン!オレにも見えるよ!」

 或人がタイガたちを見て、感動の声を上げる。

「ウルトラマン以外にも、地球や人々を守る者がいたとは・・」

「しかも他にもたくさんいるって・・そいつらにも会ってみたいぜ!」

 タイタスとフーマも仮面ライダーたちの存在に心を動かされていた。

「3人とも、今は浮かれている場合ではないぞ。」

 ハルキの掲げたフォースブレスからフォースも姿を現して、タイガたちに呼びかけてきた。

「ウルトラマンは光の巨人と呼ばれている戦士のことだ。」

「その多くが、地球から300万光年離れたM78星雲。光の国と呼ばれるウルトラの星に滞在している。」

「だけど全員がM78星雲出身ってわけじゃない。オレは惑星“O-50”出身で、タイタスは“U40”。」

 タイガ、タイタス、フーマがウルトラマンたちについて語っていく。

「私は惑星F4出身だ。しかしF4は既に滅び、この地球に来てハルキと一体になったのだ。」

 フォースも自分のことをタイガたちに告げた。

「なるほど・・ウルトラマンにもいろいろあるんだね・・」

 或人が理解して大きく頷いた。

「だけど、ウルトラマンと仮面ライダーだけじゃなく、スーパー戦隊っていうのとガンダムっていうのは何なんだ?」

 彼が別の疑問を感じて、ハルキたちに聞く。

「スーパー戦隊は、複数の戦士がチームとなって戦う戦隊のことをいうんだ。あのフォースレンジャーも戦隊といえる感じだった・・」

 ハルキが説明しながら、蓮斗たちのことを思い出す。

「モビルスーツは機体の種類で、一定の範囲の全長の人型に分類されるの。そのモビルスーツを含めて、より人型に近い顔立ちに作られているのが、ガンダムとされているわ。」

 ナツが続けてヒロユキたちに説明していく。

「ハルキくんが乗っているのがフォースガンダムで、私たちがGパニッシャー。Gフォースの主な戦力よ。」

「なるほど。モビルスーツを力にした部隊か・・」

 ナツの話を聞いて、ヒロユキが頷いた。

「同じ姿かたちの世界や宇宙が存在する平行世界。別の世界の者たちが来て、我々は交流を持つことができた。しかし別の世界から来たのは、友好的な者ばかりではない・・」

 フォースが深刻さを込めて、さらに話をしていく。

「地球を攻撃する怪獣、怪人、宇宙人の中に、次元を超えて現れた者もいる・・その敵が徒党を組んで、大きな企みを仕掛けてくる可能性は十分にある・・」

 フォースの推測を聞いて、ハルキたちが緊張を覚える。

「さっき隊長が言っていたように、慎重に行動したほうがよさそうね・・」

 ナツが真剣な顔で言いかけて、ハルキたちが頷いた。

「ヒロユキくん、或人くん、今夜は本部にある来客用の寝室を用意するから、そこで休んでほしい・・」

「ありがとうございます、ハルキさん。お言葉に甘えることにします。」

 ハルキの気遣いに、ヒロユキが或人とともに感謝した。2人は一晩を寝室で過ごすことにした。

 

 蓮斗たちの攻撃から逃れたバデル族の生き残りが、森を抜けて体勢を整えていた。彼は蓮斗たちへの逆襲を狙っていた。

「まずタイガたちとゼロワンをおびき出すことには成功した。」

 そこへ1人の人物がやってきて、バデル族が身構えて、持っていた銃を構えた。

「他者と言葉を交わすこともできない野蛮な宇宙人が・・たった1人では何もできないことも分からんとは・・」

 ため息をつく人物に向かって、バデル族が発砲した。しかし砲撃ははじき飛ばされて、人物が続けて放った光を受けて、バデル族は吹き飛ばされた。

「次の手は既に打ってある。たとえ他のヤツらが出てきたとしても、この手を阻むことはできん・・」

 人物が笑みを浮かべて呟く。フォースたちを狙う企みが今、進められていた。

 

 ヒロユキたちがハルキたちと出会ってから一夜が過ぎた。気分を落ち着かせているヒロユキに対して、或人は深刻な顔を浮かべていた。

「どうしたんだ、或人?元気がないみたいだけど・・」

 ヒロユキが気になって、或人に声を掛けた。

「オレだけこっちの世界に来て、会社はどうなってるかなって思っちゃって・・きっとみんな慌ててるだろうなぁ・・・」

 或人が飛電インテリジェンスのことを心配していた。自分がいないことで会社が慌ただしくなっているのではないかと、彼は思っていた。

「僕もイージスのみんなのことが気になるけど、今はここでの異変について調べたほうがいいと思う。僕たちが元の世界に戻る方法も見つかるかもしれない・・」

「そうするしかないか・・このGフォースとともにがんばってやるぞー!」

 ヒロユキの考えを聞いて、或人が気を引き締めなおす。

「でも、オレたちがこうして別の世界に来てるってことは、オレたち以外の誰かがこっちに来てる可能性はあるんじゃないか?」

 或人が他の戦士たちの来訪を予感して、ヒロユキに聞いた。

「それは僕もそう思うけど・・それが誰なのかは想像ができない・・」

「ハルキたちはその人たちと会ったことがあるって言ってたな・・」

 ヒロユキが答えて、或人がハルキたちのことを考える。

「オレとフォースは、その人たちに鍛えられたこともあった。」

 そこへハルキがやってきて、ヒロユキたちに声を掛けてきた。

「レオとアストラ、ギンガとビクトリーに、戦う上で大切なことを、強さとともに学んだ・・」

「レオさんから!?あの人からの特訓は厳しいけど、体も心も強くなれるから!」

 ハルキの話を聞いて、タイガが感動の声を上げた。

「タイガ、知っているの・・!?

「あぁ!レオさんはウルトラ兄弟の1人で、父さんに次ぐ7番目の戦士だ!」

 ヒロユキが聞くと、タイガがレオのことを話す。

「ウルトラ兄弟?それって何なんだ・・?」

 或人が疑問符を浮かべて、ヒロユキたちに問いかける。

「ウルトラ戦士の中でも伝説とされている人たちのことを言うんだ。全員が血のつながりがあるってわけじゃないけど、その絆は本物の兄弟に負けないくらいなんだ。」

「なるほど・・すごいんだな、ウルトラマンもウルトラ兄弟も!」

 タイガの話を聞いて、或人が感動を覚える。

「仮面ライダーもスーパー戦隊も、ウルトラマンに負けないくらいの絆があったよ。その大きな絆があったから、1年前の危機を乗り越えることができたのかもしれない・・」

 ハルキが話を続けて、学んだ大切なことを思い返していく。

「ライダーたちも・・よーし!オレも先輩たちに負けないように、やってやるぞー!」

 或人が感動を覚えて、意気込みを見せる。

「気になるのは、敵の企みもだけど、フォースレンジャーもだ・・地球を守るという使命は同じだけど、オレたちGフォースとは何かが違う気がする・・」

 ハルキが蓮斗たちのことを考えて、深刻な顔を浮かべる。

「うん・・ハルキくんたちやオレたちと協力できたら、ものすごい戦力になると思うんだけどなぁ・・」

「もう1度、彼らと話をしてみよう。分かり合うためには、まずは言葉を交わさないと・・」

 或人とヒロユキも蓮斗と話をすることを心に決めていた。

 

 フォースレンジャー本部で待機していた蓮斗たち。蓮斗は屋上で空を見上げながら、考え事をしていた。

「1年前のことを思い出しているのか、蓮斗?」

 悠馬がやってきて、蓮斗に声を掛けてきた。

「悠馬・・お前と理穂だけだからな。あの出来事をちゃんと知ってるのは・・」

「隊長も気付いているかもしれないが、詮索はしていないみたいだ。僕たちに直接話を聞いてこない・・」

 蓮斗が言いかけて、悠馬が話を続ける。

「私たちは1年前に、大切な人を亡くしてるからね・・・」

 理穂も屋上に来て、蓮斗たちの話に加わってきた。

「オレは両親と妹・・悠馬は親友・・理穂は恋人だったな・・・」

「うん・・防衛隊に入るつもりでいたのは、私じゃなくてその人だった・・でも1年前に、買い物に行ったあの街で・・・」

 蓮斗から指摘される形で、理穂が物悲しい笑みを浮かべて語る。

「怪人たちに襲われて・・・そこに現れた怪人はすぐ後に倒されたけど、敵をどうしても許せなかった・・・!」

「だから自分が防衛隊に入ることを決めた。そしてフォースレンジャーの一員となった・・」

 怒りと悲しみに震える理穂に、悠馬が続ける。

「僕も丁度その街にいたんだ。友達と一緒に・・襲い掛かってきた宇宙人に殺されて・・・!」

 悠馬も辛い過去を思い返して、両手を強く握りしめる。

「オレたちは、地球を狙う敵に大切な人を奪われた・・敵を討つために、自分自身で戦えるようになるために、オレたちはここまで上り詰めてきた・・・!」

 敵への怒りを胸に、蓮斗は悠馬たちとともに自分を鍛え上げて、フォースレンジャーという力を手に入れた。自分で地球を守れる自信が、彼らにはあった。

「あのGフォースにも負けない・・オレたちでやってやろうぜ!」

「もちろんだ・・!」

「うんっ!」

 蓮斗が呼びかけて、遊馬と理穂が頷いた。

 そのとき、フォースレンジャー本部に警報が鳴り響いた。蓮斗たちが虎男のいる指令室に駆けつけた。

「ポイント“UG767”に怪獣出現!近くに宇宙船が停滞しています!」

「Gフォースのフォースガンダム、Gパニッシャーが出撃しました!」

 オペレーターたちがレーダーとモニターを確認して報告する。

「フォースレンジャー、出撃!怪獣を倒し、人々を守るのだ!」

「はい!」

 虎男が指示を出して、蓮斗たちが答えて現場に向かった。

 

 炎に包まれる街から、人々が逃げ惑う。用心棒怪獣ブラックキングが、頭の角や口から光線や熱線を発して暴れ回っていた。

 その街へ、ハルキたちがフォースガンダムとGパニッシャーに乗って駆けつけた。

「こんなひどいことを・・・!」

 ナツが街の惨状に動揺を隠せなくなる。

「オレとハルキが怪獣を倒す!イズルとナツは街の人たちの救助をするんだ!」

「了解!」

 ギンが指示を出して、ハルキたちが答えた。

 フォースガンダムとギンのGパニッシャーがブラックキングに向かっていって、ビームライフルを発射する。しかしブラックキングはビームを受けても平然としていた。

 フォースガンダムがビームサーベルを手にして、ブラックキングに突撃する。フォースガンダムが振りかざしたビームサーベルを体に受けても、ブラックキングはビクともしない。

「なんという頑丈さだ・・・!」

“元から備わっている防御力ではない・・鍛えられて身に着けたようだ・・!”

 ハルキとフォースがブラックキングの耐久力を痛感する。ブラックキングがフォースガンダムに向かって、口からの熱線を放つ。

「ぐっ!」

 フォースガンダムが左腕の盾で熱線を防ぐが押されて、ハルキが衝撃で揺さぶられてうめく。

「ハルキ!・・やってくれたな、怪獣!」

 ギンがハルキに叫んで、彼のGパニッシャーがさらにビームライフルを放つ。ブラックキングはビームを受けても平然としていたが、Gパニッシャーに注意を引き付けられていた。

「ギンさんが注意を引き付けている・・だけどこのままじゃ危ない・・!」

“ハルキ、変身するのだ。フォースアーマーも駆使すれば、怪獣の強靭な肉体に対抗できる・・!”

 焦りを覚えるハルキに、フォースが呼びかける。

(分かった・・しかし注意は十分にしてくれ・・他に怪獣や宇宙人が出てくるかもしれない・・!)

 ハルキが聞き入れて、フォースガンダムを自動操縦にしてから、フォースブレスを掲げた。

「フォース!」

 ハルキが左腕を伸ばすと、フォースブレスから光があふれた。彼はフォースに変身して、ブラックキングの前に立ちはだかった。

「フォースアーマー!」

 フォースガンダムが変形してフォースアーマーになって、フォースに装着された。

 フォースがブラックキングに向かってパンチを繰り出す。しかしブラックキングはパンチを受けても、少し押されただけでダメージを受けていない。

「パワーを込めても効かないのか・・!?

 ハルキが驚きをふくらませて、フォースも警戒を強める。

 ブラックキングが角から光線を出して、フォースに命中させた。フォースも防御を取って、光線に耐えた。

「同じパワーでも、極力一点に集中させることのできる力が効果的のようだ・・!」

「デスティニーアーマーを使おう・・あれならフォースアーマー以上の威力を叩き込める・・!」

 フォースがブラックキング打倒の策を練って、ハルキが提案する。

「分かった。行くぞ、ハルキ!」

 フォースが聞き入れて、ハルキに呼びかけた。

「デスティニーアーマー!」

 ハルキがフォースブレスを着けた左腕を掲げる。フォースガンダムが変形して、フォースに装着された。

 別世界のモビルスーツ「デスティニー」を思わせる形状の「デスティニーアーマー」である。

 ブラックキングがフォースに突っ込んで、頭の角を突き出してきた。フォースは空へ飛んで、突進をかわす。

 ブラックキングが角から光線を放つ。フォースは残像を伴った高速で、光線をかわしていく。

「フォースパルマフィオキーナ!」

 フォースがブラックキングに向かいながら、エネルギーを右手に集中させる。フォースの突き出した右手が、ブラックキングの角を破壊した。

「やった!怪獣を追い詰めているぞ!」

 ギンがフォースの優勢を喜ぶ。フォースがちゃくちして、ブラックキングへの追撃を狙う。

 そのとき、フォースとブラックキングの間に1人の宇宙人が現れた。

「宇宙人・・この怪獣を操っているヤツか・・!」

「オレはナックル星人コーブ。フォース、貴様の命もこれまでだ・・!」

 ハルキが警戒を強めて、暗殺宇宙人、コーブがフォースに目を向ける。ブラックキングを操っていたのはコーブだった。

「怯むな、ブラックキング!オレとともにフォースをを倒すぞ!」

 コーブが命令して、ブラックキングが従う。コーブたちがフォースを挟んで対峙する。

「2対1じゃフォースが危ない!」

 ギンもフォースのピンチを痛感して、焦りを噛みしめる。

「ギンさん、人々の避難は終わりました!」

「僕たちでフォースの援護に向かおう!」

 2機のGパニッシャーが戻ってきて、ナツとイズルがギンに呼びかけてきた。

「よし!宇宙人に一斉攻撃だ!」

 ギンが指示を出して、Gパニッシャー3機がビームライフルを構えた。そのとき、Gパニッシャーたちのそばにビームが飛び込んできた。

「な、何だ!?

「上空に何かいるよ!あれは、モビルスーツ!?

 ギンが声を荒げて、イズルがビームの飛んできた空に目を向けた。3機の同型の機体が上空を飛行、旋回していた。

「何をするんですか!?私たちは地球防衛隊です!」

 ナツが呼びかけるが、3機の機体「ハンブラビ」は停戦することなく、さらにビームを撃ってきた。

「アイツらもあの宇宙人たちの味方なのか・・!?

「何にしても、このままやられるわけにはいかないですよ・・!」

「僕たちはあっちの相手をしないといけないみたい・・!」

 ギンが毒づいて、ナツとイズルが声を上げる。

「オレとイズルがアイツらを撃ち落とす!ナツはフォースの援護だ!」

「了解!」

 ギンが指示をして、ナツとイズルが答える。ギンとイズルのGパニッシャーがハンブラビたちに向かっていく。

 Gパニッシャーがビームライフルを撃つが、ハンブラビたちは高速でかいくぐっていく。ハンブラビたちが背部にあるビームライフルを発射して、Gパニッシャーが盾でビームを防ぐ。

「くそっ!なんてスピードだ・・!」

「Gパニッシャーが追いつけない・・フォースガンダムでも追いつけるかどうか・・!」

 ハンブラビのスピードに、ギンとイズルが焦りをふくらませていく。

 ハンブラビの2機がワイヤーを射出して、イズルのGパニッシャーの腕に巻きつけてきた。

「うわあっ!」

 ワイヤーからGパニッシャーに電撃が流れてきて、イズルが電気ショックを受けて叫ぶ。

「イズル!」

 ギンがイズルを助けようと、Gパニッシャーがビームライフルを発射する。ハンブラビがビームをかわして離れた隙に、イズルのGパニッシャーがワイヤーを振り払う。

「イズル、気を付けろ・・油断するとすぐに捕まるぞ・・!」

「でも、このスピードの差を何とかしないと・・!」

 ハンブラビに対抗しようとするギンとイズルだが、そのための方法が見つからない。

「このままじゃやられてしまう・・・!」

 コーブをけん制しようとするナツも、危機感をふくらませていた。

 

 ハルキたちの出動とともに、ヒロユキと或人も現場に向かっていた。

「いけない!フォースたちがピンチだ!」

 或人がフォースたちを見て、緊張を覚える。

「僕とタイガたちが行くよ!或人くん、この近くに他の宇宙人や怪人がいるかもしれないから、気を付けて・・!」

「分かった!みんなのこと、頼むぞ!」

 ヒロユキが呼びかけて、或人が答えた。

「そうはさせんぞ、貴様ら!」

 そこへ声がかかって、ヒロユキたちが身構える。彼らの前に、赤い鎧を身にまとった男と2人の怪人が現れた。

「誰だ、お前たちは!?アイツらの仲間か!?

「我が名は“デストロン”のヨロイ元帥。タイガ、ゼロワン、貴様らはここで我々が始末してくれる!」

 ヒロユキが問いかけると男、ヨロイ元帥が名乗る。

「オレは“ガランダー帝国”のキノコ獣人!」

「ヒッヒッヒ・・私は“デルザー軍団”の魔女、ドクターケイト!」

 怪人たち、キノコ獣人とドクターケイトも名乗りを上げて、ヒロユキたちに迫る。

「この怪人たちはオレが相手をするから、ヒロユキたちはフォースたちを!」

 或人がヒロユキに呼びかけて、飛電ゼロワンドライバーを装着して、ライジングホッパープログライズキーを手にしてロックを解除した。

「変身!」

 或人がライジングホッパープログライズキーを飛電ゼロワンドライバーにセットした。

“飛び上がライズ!ライジングホッパー!A jump to the sky turns to a riderkick.”

 現れた巨大なバッタがバラバラになって、スーツと仮面になって或人を包み込んだ。

「タイガ、僕たちも行こう!」

“あぁ!フォースたちを助けるぞ、ヒロユキ!”

 ヒロユキとタイガが声を掛け合う。

“カモン!”

「光の勇者、タイガ!」

 ヒロユキがウルトラタイガアクセサリー「タイガキーホルダー」をタイガスパークでリードした。

「バディー・ゴー!」

 彼がタイガスパークを高く掲げた。

“ウルトラマンタイガ!”

 ヒロユキがタイガに変身して、ハンブラビたちに向かっていく。

「あの3機には誰も乗っていない・・無人で動いているぞ・・!」

「だったら遠慮はしなくていいってことだね・・!」

 タイガが透視でハンブラビを見て、ヒロユキが迷いを振り切る。

 ハンブラビたちがタイガに狙いを変えて、スピードを上げてビームを放ってきた。タイガがビームをかわして、ハンブラビたちを追った。

 ハンブラビたちが再びビームを放って、土煙を巻き上げる。タイガが身構えて、ハンブラビたちを見失わないようにした。

 だが次の瞬間、ハンブラビたちが張った網をタイガが押し当てられた。

「し、しまった!うわあっ!」

 声を荒げるタイガが、網から発せられる電気ショックを浴びて苦痛を覚える。

「タイガが危ない!」

 ギンが危機感をふくらませて、2機のGパニッシャーがビームライフルを発射する。しかしハンブラビは素早く旋回して、Gパニッシャーはハンブラビにも網にもワイヤーにもビームを当てられない。

「すばしっこいヤツらめ・・!」

「このままじゃタイガが・・!」

 ギンがいら立って、イズルがフォースたちを救う手立てを考える。タイガは電気を帯びた網に絡まって、抜け出すことができない。

 そのとき、ビームが飛び込んできて、網のワイヤーの1本を撃ち抜いて断ち切った。ハンブラビが体勢を崩して、とっさに網のワイヤーを切った。

「今のビームは・・!?

「タイガ、今のうちに!」

 戸惑いを覚えるタイガに、ヒロユキが呼びかける。タイガがかかっている網を振り払う。

 タイガとヒロユキ、ギンたちがビームの飛んできた空に目を向ける。降下してきたのは、2機の機体。そのうちの1機がビームを撃ってきたのだった。

「何だ、あの機体は・・!?

「モビルスーツ・・ガンダム・・でも、見たことのない姿かたちだよ・・・!」

 ギンとイズルが2機の機体を見て、動揺をふくらませていく。

「そこの機体、応答しろ!何者なんだ!?

「こちらは地球防衛隊特別チーム、Gフォース!」

 2人が2機の機体に向かって呼びかけた。

「こちらは軍事組織“ZAFT(ザフト)マークデスティニーインパルスだ。」

 機体の1機、マークデスティニーから応答があった。

「この3機を追ってきた!状況は把握している!アンタたちを援護する!」

 デスティニーのパイロットがギンたちに呼びかけて、デスティニーがビームの剣「シュペール・アロンダイトビームソード」を手にして、ビームの刃を発した。

「あなたたちの名前は・・!?

「オレはシン・アスカだ!」

「私はルナマリア・ホークよ!よろしくね!」

 ナツが問いかけて、デスティニーとインパルスのパイロット、シンとルナマリアが答えた。

「ありがとう、2人とも!一緒にみんなを守ろう!」

 ナツが感謝して、フォースの援護に専念する。

 向かってきたハンブラビたちを、デスティニーがアロンダイトを構えて迎え撃つ。

 スピードを上げて旋回するハンブラビだが、デスティニーがそれを上回るスピードを発揮して、ハンブラビを追う。

 ハンブラビがワイヤーを伸ばすが、デスティニーは残像を伴った動きでかわす。デスティニーが一気に距離を詰めて、アロンダイトを振りかざしてハンブラビの1機を両断した。

 他の2機のハンブラビがデスティニーを背後から狙う。インパルスがビームライフルを手にして、ハンブラビたちの突撃を阻んだ。

「私もいることを忘れないでほしいわね!」

 ルナマリアが強気に言って、インパルスがビームサーベルに持ち替えて飛行する。インパルスが突き出したビームサーベルが、ハンブラビの1機を貫いた。

 ビームサーベルを引き抜かれて、ハンブラビが落下しながら爆発した。

「すごい・・パワーもスピードも正確さも、Gパニッシャーをはるかに超えているよ、どっちも・・!」

 イズルがデスティニーとインパルスの戦闘力に驚きを隠せなくなる。

 残ったハンブラビがこの場から逃走しようとする。デスティニーがビーム砲を構えて、ビームを発射してハンブラビを撃ち抜いた。

「やった・・あのすばしっこいヤツを、アイツらだけでやっつけちまった・・・!」

 ギンもデスティニーたちの力に驚かされていた。

「やったね、シン。この3機は倒したわ。」

「あぁ。あの宇宙人たちはウルトラマンたちに、宇宙にいるロボットもエックスたちに任せればいい・・」

 ルナマリアが喜んで、シンがフォースたちの戦いを見てから、空に視線を移した。

 

 シンたちの加勢を背に受けて、フォースとタイガが反撃に出る。フォースがコーブに、タイガがブラックキングに立ち向かう。

「ヒロユキ、この怪獣のパワーは並外れている!」

「それならこっちもパワーアップすればいい!」

 タイガと声を掛け合って、ヒロユキがウルトラタイガアクセサリー「フォトンアースキーホルダー」を手にして、タイガスパークで2回リードする。

“アース!シャイン!”

「輝きの力を手に!バディー・ゴー!」

 彼がタイガスパークを高く掲げた。

“ウルトラマンタイガ・フォトンアース!”

 タイガが金色の鎧を身にまとう。彼は強化形態「フォトンアース」になった。

 ブラックキングが口から熱線を放つ。タイガが左手を振りかざして、熱線をはじき飛ばした。

 タイガがブラックキングに向かってパンチを繰り出した。威力の上がっている彼の打撃を体に受けて、ブラックキングが突き飛ばされて倒れた。

「一気に決めるよ、タイガ!」

 ヒロユキが呼びかけて、タイガがエネルギーを集中させる。

「オーラムストリウム!」

 タイガが両腕をT字に組んで、光線を発射した。立ち上がったブラックキングが、光線を受けて爆発を起こした。

 勝利に頷いてから、タイガがフォースの戦いに目を向けた。

「フォーススラッシュエッジ!」

 フォースが両手を振りかざして、光のブーメランを飛ばした。コーブが目から光線を出してブーメランの1本をはじいたが、もう1本のブーメランを体に当てられて、ダメージを負って怯む。

 フォースはフォースアロンダイトを再び手にして、コーブに向かって突っ込んだ。フォースアロンダイトがコーブの体を貫いた。

「こ・・これで済んだと思うな・・お前たちを待っているのは・・破滅だけだ・・・!」

 コーブがフォースに向けて声を振り絞る。フォースアロンダイトを引き抜かれたコーブが、倒れて爆発した。

「宇宙人たちを倒した。あの3機のモビルスーツも・・」

「別の世界の機体が、我々に力を貸してくれたようだ・・」

 ハルキとフォースがデスティニーたちに目を向けた。新たなる出会いに、彼らは戸惑いと緊張を感じていた。

 

 

 

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