ザ・グレイトバトル

-命の解放- 

第2章

 

 

 悪戦苦闘のフォースたちの前に現れたのは、フォースレンジャーとフォースロボだった。

「Gフォース、我々も怪獣撃破に加勢する。」

 フォースブルーがナツたちに進言して、フォースロボがバードンに向かっていく。

「よーし♪まずはあの鳥を焼き鳥にしちゃうよー♪」

 フォースイエローが明るく意気込む。

「アイツは煮ても焼いても食えそうにないがな・・」

「んもー、あんなの食べないってー!」

 フォースブルーが投げかけた言葉に、フォースイエローが不満の素振りを見せる。

「2人とも、まずは怪獣たちを倒すのが先だ・・オレたちの力で、敵を倒すぞ・・!」

「あぁ。」

「OK!」

 フォースレッドが呼びかけて、ブルーとイエローが答えた。

 バードンがフォースロボに迫って、鋭いくちばしを突き出す。フォースロボは素早くかわすが、バードンが立て続けに繰り出してきたくりばしが、フォースロボの胴体に命中した。

 しかしフォースロボは火花が散っただけで、胴体に傷も付いていない。

「このフォースロボはスピードだけじゃなく、パワーも耐久力も優れている・・!」

 フォースレッドが言い放って、フォースロボを動かす。フォースロボが右のパンチを繰り出して、バードンの顔面を殴りつけた。

 バードンが突き飛ばされて、地面に強く倒れ込んだ。

「なんてパワーだ、あのロボ・・!」

「新しいスーパー戦隊なのか・・だけど、防衛隊所属とも言っていたが・・・!」

 ギンとハルキがフォースロボの強さに驚きをふくらませていた。

「早く倒すぞ!時間がないぞ!」

 タイタスがフォースに向けて言うと、迫ってきたバデルスにパンチを叩き込んだ。バデルスがふらついて息を乱す。

「とどめだ、タイタス!フォースも!」

「おう!」

「分かった!」

 ヒロユキが呼びかけて、タイタスとフォースが答えた。フォースが右腕を構えてエネルギーを集中させて、タイタスが前方に光の球を出す。

「フォースチャージナックル!」

「プラニウムバスター!」

 フォースがバデルスに右のパンチを叩き込んで、タイタスが光の球をパンチで打ちだしてタイタスにぶつけた。

 体に送り込まれたエネルギーによって、バデルスが爆発を起こした。

「爬虫怪獣は倒した!残りは2体!」

 ヒロユキが声を上げて、タイタスがフォースとともにバードンたちに目を向けた。

「ヒロユキ、今度はオレが出る!」

 そこへまた別の声がヒロユキに伝わった。

「分かった、フーマ!」

 ヒロユキがその声の主、ウルトラマンフーマに頷いた。そのとき、フォースが体力の消耗でその場にうずくまった。

「フォースのエネルギーが少なくなっている・・!」

「すまない・・ここは任せた、タイタス、タイガ、そしてフーマ・・!」

 ハルキが焦りを感じて、フォースがタイタスたちに託す。タイタスが頷くと、フォースは変身を解いて姿を消して、フォースガンダムが元の人型に変形した。

「フォースは力を使ってしまったけど、オレとフォースガンダムはまだ戦える・・・!」

“ハルキ、君も私に変身して、体力を使っている・・怪獣から受けた傷を、君も負っているはずだ・・!”

 フォースガンダムを操縦して戦いを続けようとするハルキに、フォースが注意を呼びかける。バードンのくちばしに刺されたフォースの傷は、ハルキの同じ個所にもあった。

「ハルキは援護に回って・・私があの怪獣を攻撃するから・・!」

 フォースガンダムにGパニッシャーが歩み寄って、ナツがハルキに呼びかけてきた。

「いや、オレたち全員が援護することになりそうだ・・あのウルトラマンの援護に・・」

 ハルキがナツに言って、タイタスに目を向けた。

“カモン!”

「風の覇者、フーマ!」

 ヒロユキがウルトラタイガアクセサリー「フーマキーホルダー」をタイガスパークでリードした。

「バディー・ゴー!」

 彼がタイガスパークを高く掲げた。

“ウルトラマンフーマ!”

 タイタスに代わって、青と銀の体のウルトラマン、フーマが現れた。

「オレの名はフーマ!銀河の風とともに参上!」

 フーマが名乗りを上げて、ケムジラに向かっていく。ケムジラが糸を吐くが、フーマは素早く動いてかわした。

 フーマは一気に懐に飛び込んで、手を振りかざしてケムジラに打撃を当てていく。

 追い込まれたケムジラがフーマから逃げて、尻から黄色のガスを吹き出した。

「それで目くらましをしたつもりか!」

 フーマが言い放って、右腕を振りかざして風を巻き起こして、黄色のガスを振り払った。

「オレからは逃げられないぞ!極星光波(きょくせいこうは)手裏剣!」

 フーマが巨大なエネルギーの手裏剣を作り出して、回転を加えて投げ飛ばした。ケムジラが体を手裏剣で切り裂かれて、倒れて爆発した。

「虫の怪獣もやっつけたぞ!」

「残りは鳥の怪獣だけだ・・!」

 ギンとイズルが声を上げて、バードンとフォースロボの戦いに目を向けた。

 バードンが口から炎を吐いたが、フォースロボが左右に動いて回避する。

「フォースシールド!」

 フォースロボが盾「フォースシールド」を左手で持って、炎を防いだ。

「フォースサーベル!」

 フォースロボがフォースシールドに付けられている柄を右手で持って、ビームの刃を発した。

「スーパーフォースブレイク!」

 フォースロボがバードンに向かって加速して、剣「フォースサーベル」を横なぎに振りかざした。バードンが体を切りつけられて、絶叫を上げて倒れた。

「フォースロボ・・フォースレンジャー・・・!」

「すごい戦闘力を持っているようだ・・・!」

 ハルキとヒロユキがフォースロボを見て、戸惑いを感じていく。

「まだだ・・まだ終わりじゃない・・!」

「そうだ・・3匹の怪獣のうちの1匹は、宇宙人に操られていた・・そしてその宇宙人は・・・」

 フォースレッドとフォースブルーが声を掛け合って、イエローも頷く。3人はフォースロボから降りて、森の中に着地した。

「ここにいるのは分かっているぞ、宇宙人たち・・」

 フォースブルーが声を掛けて、レッド、イエローとともに左腕に着けている腕輪「フォースチェンジャー」の3つのボタンのうち、黄色のボタンを押した。

「フォースシューター!ライフルモード!」

 フォースチェンジャーから万能武器「フォースシューター」から出て、3人は銃型の「ライフルモード」にして構えた。木陰から数人の獣の姿の宇宙人たちが現れた。

「見た目からして物騒みたいだね、この宇宙人・・・!」

「言葉も通じないようだ。そもそも話し合いをするつもりもないが・・」

 フォースイエローが嫌そうなそぶりを見せて、ブルーがため息まじりに告げる。バデルスを操っていた宇宙人、バデル族が持っていた銃を構えて発砲した。

「シュート!」

 フォースレッドたちがフォースシューターからビームを発射して、バデル族を迎え撃つ。バデル族が次々に撃たれて倒れていく。

 他のバデル族が剣やナイフに持ち替えて、フォースレッドたちに向かっていく。

「ソードモード!」

 フォースレッドたちがフォースシューターを剣型の「ソードモード」に変えて、バデル族を迎え撃った。レッドたちがフォースシューターで剣やナイフをはじき、バデル族を切りつけていった。

 バデル族の1人が恐怖を覚えて、慌てて逃げ出していく。他のバデル族はフォースレッドたちに倒された。

「1人逃がしたか・・何かとんでもないことを仕掛けてこなければいいが・・」

「さっきの怪獣以上の敵を出してきても、オレたちが倒すだけだ・・」

 フォースブルーが毒づいて、レッドは自信を見せていた。

「ねぇ、Gフォースの機体が降りてきたよ。」

 フォースイエローが指さす方へ、フォースガンダムとGパニッシャーが来た。ハルキたちがそれぞれの機体から降りて、フォースレッドたちに目を向ける。

「ぐっ!」

 その直後、ハルキが痛み出した左腕を押さえてふらついて、ナツに支えられた。

「大丈夫、ハルキくん!?・・ムチャしなくていいから・・・!」

「分かっている・・3人に話を聞くだけだ・・・」

 ナツが注意を呼びかけて、ハルキが頷く。2人がフォースレッドたちに視線を戻す。

「お前ら、防衛隊所属と言ってたな?」

「まずは正体と名前を明かしてもらえますか?」

 ギンとイズルがフォースレッドたちに問いかける。レッドたちは頷き合ってから、フォースチェンジャーの青のボタンを押して、変身を解除した。

 フォースレンジャーは、ハルキたちとはデザインの違う制服を着た3人の男女だった。

「オレは赤木蓮斗。フォースレンジャーのレッドだ。」

「オレはフォースブルーの青柳(あおやぎ)悠馬(ゆうま)。」

「あたしは黄山(きやま)理穂(りほ)♪よろしくね♪」

 男女、蓮斗、悠馬、理穂がそれぞれ自己紹介をする。

「防衛隊は極秘裏に新たなチームの結成と育成を決断された。あなたたちGフォースに負けず劣らずの戦力を増やすために。」

 悠馬がハルキたちに説明をしていく。

「怪獣や宇宙人の侵略は激しくなっている。Gフォースばかりに地球防衛の任務を任せるのは、負担が大きくなる。上はそう思ったんだろう・・」

 蓮斗も続けて語りかけていく。

「そしてあれがあたしたちの操縦するフォースロボ。蓮斗の乗る“フォースジェット”と、悠馬の“フォースドリル”、あたしの乗る“フォースカート”が合体したロボだよ。」

 理穂がフォースロボに目を向けて話す。

「あのロボ、Gパニッシャーを超えていて、フォースガンダムに負けない力を出していた・・・!」

 ギンもフォースロボを見て、驚きと感心を見せる。

「同じ防衛隊所属で、地球を守る者同士・・協力して戦っていきたいと思うのだけど・・」

 イズルが蓮斗たちに手を差し伸べてきた。

「悪いが、オレたちはオレたちで行動させてもらう。」

 しかし蓮斗はイズルの協力を拒んだ。

「何っ!?どういうことだよ!?

「オレたちは地球を狙う敵を倒すために、訓練を重ねて、武器を生み出し、戦いに臨んでいる。それだけの力があることは、今の戦いで証明はできたはずだ。」

 疑問を覚えるギンに、悠馬が自分たちの責務と力について話す。

「地球を狙う侵略者はオレたちが倒す。オレたちの戦いに手出しをしないでもらいたい・・」

「勝手なことを言うな!自分たちがいれば十分みたいな態度、納得いかないな!」

 蓮斗の言葉と態度に、ギンが不満を覚える。

「力はあなたたちに及ばないかもしれないけど、あなたたちだけで解決するほど、この任務は簡単ではありません・・」

 ナツも蓮斗たちに苦言を投げかけた。

「オレたちとフォースロボは、フォースガンダム以上に攻撃のバリエーションに富んでいる。戦闘データを蓄積し、戦いに活かすことができれば、ウルトラマンといった連中の力を借りなくても、戦いを乗り越えることができる・・!」

 蓮斗が口にした反論に、ハルキが動揺を覚える。

「お前・・オレたちのことだけじゃなく、ウルトラマンたちまで侮辱する気が!?

「ウルトラマンや他の戦士たちには感謝はしている。しかしいつまでも彼らに甘えるわけにいかないのは、お前たちも分かっているはずだ。」

 ギンが怒りをあらわにすると、悠馬が口調を変えずに言い返す。

「オレたちはこの力を高めながら、敵とたたかっていく・・アイツらを倒すことで、みんなが苦しむことがなくなる・・・!」

 蓮斗も告げて、両手を強く握りしめる。彼が感情を高ぶらせていることに、ハルキは気付いた。

 そこへ爆発が起こって、蓮斗たちが身構える。彼らの前に、2体の怪人が現れた。

「今度は怪人!?

「逃げた宇宙人とは違うようだ・・オレたちの敵であることに変わりはないが・・」

 ギンが声を荒げて、悠馬が冷静に呟く。

「地球の防衛隊のヤツらが集まってるズーカ!」

「貴様ら全員、この刀の錆にしてくれる・・!」

 2人の怪人、カメバズーカと刀眼魔が言い放つ。

「そんなこと言われて、おとなしくやられる人なんていないよ!」

 理穂が強気な態度で、カメバズーカたちに言い返す。

「悠馬、理穂、行くぞ!」

「分かった、蓮斗・・!」

 蓮斗が呼びかけて、悠馬が答えて理穂が頷いた。3人がフォースチェンジャーの青のボタンを押した。

「フォースチェンジ!」

 フォースチェンジャーから発した光を浴びて、蓮斗、悠馬、理穂がそれぞれ赤、青、黄色をベースにした色のスーツとマスクを身にまとった。

「フォースレッド!」

「フォースブルー!」

「フォースイエロー!」

 蓮斗、悠馬、理穂が名乗りを上げてポーズを決めた。

「無双戦隊!」

「フォースレンジャー!」

 蓮斗が声を上げて、悠馬たちと声をそろえた。

「何っ!?お前たちもスーパー戦隊だったズーカ!?

「まずは貴様らからあの世に送ってくれる!」

 カメバズーカが驚きの声を上げて、刀眼魔が蓮斗たちに向かっていく。刀眼魔が右手に装着されている刀を振りかざして、蓮斗たちが回避していく。

「蓮斗、理穂、“フォースウェポン”を使うぞ!」

「OK!」

「よし!」

 悠馬が呼びかけて、理穂と蓮斗が答える。3人がフォースチェンジャーの赤のボタンを押した。

「フォースソード!」

「フォースバズーカ!」

「フォースアロー!」

 蓮斗が剣の「フォースソード」を、悠馬がバズーカ砲の「フォースバズーカ」、理穂が弓矢の「フォースアロー」を呼び出して手にした。彼らの専用武器「フォースウェポン」である。

 蓮斗と刀眼魔がフォースソードと刀を振りかざしてぶつけ合う。

「やりおるな、貴様・・!」

「オレはお前と真剣勝負をするつもりはない・・敵は、倒す・・!」

 褒め言葉を送る刀眼魔に言い返して、蓮斗が右足を突き出した。刀眼魔が蹴り飛ばされて、さらに蓮斗が振りかざしたフォースソードに切りつけられる。

 一方、カメバズーカが背中のバズーカを発射するが、悠馬と理穂は素早くかわしていく。

「力任せじゃ勝てないよ!」

「パワーとスピードをうまく使うのが重要だ・・!」

 理穂と悠馬が言い放って、フォースアローとフォースバズーカを発射した。カメバズーカが光の矢をぶつけられ、そばの地面に起こった爆発に押されてしりもちをつく。

「おのれ、フォースレンジャー・・こうなれば手当たり次第に・・!」

 いら立ったカメバズーカが、バズーカ砲を連射する。砲撃はハルキたちのいる場所の近くにも飛んできた。

「このままじゃこっちが危険だ・・!」

「機体に戻って下がったほうがよさそうだ・・!」

 ギンが緊張をふくらませて、イズルが言いかける。彼らがGパニッシャーとフォースガンダムに戻る。

 そのフォースガンダムの元へ、フーマへの変身を解いたヒロユキが駆けつけた。

「ここは危ない!ここから離れたほうがいい!」

「僕は工藤ヒロユキ!ウルトラマンタイガ、タイタス、フーマに変身していました!」

 逃げるように呼びかけるハルキに、ヒロユキが名乗ってタイガスパークを見せた。彼のことを知ったハルキも、フォースブレスを見せた。

「あなたは、あのウルトラマンの・・・!」

 ヒロユキはハルキがフォースに変身する人物だと知った。

「今は君も避難したほうがいい!オレも君も、まだ戦えるまでに回復していない・・!」

 ハルキがヒロユキにフォースガンダムに乗るように促す。

「ここはオレに任せてくれ!」

 そこへもう1人、青年がやってきてハルキたちに声を掛けてきた。

「君は誰だ!?ここは危険なんだ!」

 ハルキが青年に向かって呼びかける。

「オレは飛電(ひでん)或人(あると)。そして・・!」

 青年、或人がハルキに答えてから、ベルト「飛電ゼロワンドライバー」を装着して、キーアイテム「プログライズキー」の1つ「ライジングホッパープログライズキー」を、右側の認証装置「オーソライザー」で解除してロックを解除する。すると彼の前に機械的な巨大なバッタが現れた。

「変身!」

 或人がライジングホッパープログライズキーを飛電ゼロワンドライバーにセットした。

“飛び上がライズ!ライジングホッパー!A jump to the sky turns to a riderkick.”

 周りを飛び回っていたバッタがバラバラになって、スーツと仮面になって或人を包み込んだ。

「ゼロワン!仮面ライダーゼロワンだ!」

 或人が戦士、ゼロワンに変身して名乗った。

「仮面ライダー・・また新しいライダーが、この世界に来たのか・・!?

 ハルキが或人の登場に戸惑いを感じていく。

「空間が歪んでできたトンネルに飛び込んだら、別の世界に来たみたいで・・知り合いと連絡が取れなくて、困ってたんだよ〜・・」

 或人が事情を話して、安心を見せて大きく肩を落とした。

「僕とタイガたちも同じようにこの世界に来たんだ。その途中で或人と出会って、情報の収集と交換、整理をしてきたんだ・・」

 ヒロユキもハルキに事情を話す。

「2人は先に会っていたのか・・その後に別行動を取って・・」

 ハルキがヒロユキと或人のことを把握して、納得した。

「ヒロユキ、ここはオレに任せてくれ!すぐに戻る!」

「分かった、或人・・気を付けて・・!」

 意気込む或人にヒロユキが頷いた。或人が走り出して、蓮斗と刀眼魔の戦いに加わった。

「何だ、お前は!?オレたちの戦いに割り込むつもりか!?

「ライダー・・新しい仮面ライダーか!?

 蓮斗が声を上げて、刀眼魔が或人を警戒する。

「ここからは力を貸すよ!オレもあの怪人を倒す!」

 或人が蓮斗に呼びかけて、刀眼魔に目を向ける。

「お前が何者かは知らないが、オレたちの戦いに手出しするな!」

「そう言われたってほっとけないって!みんなを守るために、オレも戦うよ!」

 突き放そうとする蓮斗に、或人が必死に呼びかける。

「貴様らの相手、オレがまとめてやってやる!」

 刀眼魔がいきり立って、蓮斗と或人に飛びかかってきた。刀眼魔が振りかざした刀を、或人が低く前転してかわして、蓮斗がフォースソードで受け止めた。

「お前の攻撃はオレには通じないぞ・・!」

 蓮斗が鋭く言って、フォースソードを突き出して刀眼魔の胴体に突き立てた。

「ぐおっ!」

 突き飛ばされて怯む刀眼魔。蓮斗がフォースソードを振りかざして、刀眼魔を連続で切りつけていく。

「オレもやってやる・・!」

“ブレードライズ!”

 或人が意気込んで、アタッシュケース「アタッシュカリバー」を手にして展開して、剣型の「ブレードモード」にした。

 或人がアタッシュカリバーをふりかざして、刀眼魔を切りつけていく。

「手出しするなと言ったはずだ!」

 蓮斗がいら立ちを見せて、或人に向かってフォースソードを振りかざしてきた。

「おわっ!」

 或人が慌てて横に動いて、フォースソードをかわした。

「あ、危ないじゃないか!相手はあっちだって!」

「オレたちの邪魔になるようなら、誰だろうと容赦しないぞ・・!」

 文句を言う或人に、蓮斗が鋭く言う。2人が同時に飛び出して、刀眼魔にアタッシュカリバーとフォースソードを突き出した。

「ごあっ!」

 刀眼魔が突き飛ばされて、ダメージが増してふらついた。

「フィニッシュはオレが決めさせてもらうよ!」

 或人が蓮斗に呼びかけてから、アタッシュカリバーの引き金を引いた。

“フルチャージ!カバンストラッシュ!”

 彼がアタッシュカリバーを振りかざして、光の刃を放った。刀眼魔が光の刃に切り裂かれて、倒れて爆発した。

「余計なマネを・・悠馬、理穂、やるぞ!」

 蓮斗がいら立ちをふくらませて、悠馬たちに呼びかける。

「フォースウェポン、合体!フォースバスター!」

 蓮斗たちがフォースソード、フォースバズーカ、フォースアローを組み合わせて、強力なバズーカ砲「フォースバスター」にした。

 蓮斗たちからのエネルギーがフォースバスターに集まっていく。

「フォースバースト!」

 蓮斗たちがフォースバスターから光線を発射した。

「ズーカー!」

 カメバズーカが光線の直撃を受けて、爆発を起こした。

「すごい・・フォースレンジャーというのも、ゼロワンってライダーも・・・!」

 イズルが或人と蓮斗たちの強さに、戸惑いを感じていく。

「だけど、フォースレンジャーのほうは、何か気にくわねぇ・・オレたちを邪魔者扱いして・・・!」

 ギンが蓮斗たちの態度に不満を感じていた。

「僕たちの任務は終わりだ。本部に戻るぞ。」

 悠馬が声を掛けて、蓮斗と理穂が頷いた。彼らはフォースロボに戻って、この場を後にした。

(フォースレンジャー・・フォースロボ・・何者なんだ・・・?)

 ハルキが蓮斗たちの登場に戸惑いと疑問を感じていた。

「ヒロユキくん、或人くん、オレたちの本部に来てもらいたいんだが・・」

 ハルキがヒロユキたちにGフォースの本部へ招いた。或人がゼロワンへの変身を解いて、ハルキたちのところへ来た。

「オレたちや隊長に、君たちのことを話してほしいんだ・・」

「この世界のことを、私たちの知っている限りでよければ教えたいし・・」

 ハルキに続いてナツもヒロユキたちを誘った。

「分かった。僕たちもやれることであれば、みなさんに協力します。」

「オレも何でこんなことになってるのか、知りたいし・・」

 ヒロユキと或人が聞き入れて、ハルキたちに同行することにした。

「それと、ハルキくんとフォースが一体になっていることを知っているのは、他は私だけですので・・」

「秘密ってことですね。分かりました。フォースとの話は後でということで・・」

 ナツがフォースのことを言って、ヒロユキが頷いた。

「ハルキ、ナツ、本部に戻るぞー!」

 ギンがハルキたちに呼びかけて、Gパニッシャー2機が本部へ向かった。

「2人乗りだと狭いけど、少し我慢してくれ・・」

「気にしないで。助けてもらう身ですから・・」

 互いに気を遣うハルキとヒロユキ。

「よ、よろしくお願いします。えっと・・」

「羽鳥ナツです。よろしくお願いします、或人さん。」

 声を掛ける或人に、ナツが笑顔で挨拶した。彼女のGパニッシャーとフォースガンダムも、本部へ向かっていった。

 

 ハルキたちと別れた蓮斗たちは、フォースレンジャーの本部へ戻ってきた。蓮斗たちは指令室に戻って整列、敬礼した。

「Gフォースの隊員たちと接触したようだね。」

 フォースレンジャーの長官、富良野(ふらの)虎男(とらお)が蓮斗たちに声を掛ける。

「オレたちの力はGフォースやウルトラマンたちにも負けず劣らずです。オレたちだけでも、地球を狙う侵略者を倒してみせます。」

 蓮斗が自分たちだけの戦いを続けようとしていた。

「独りよがりな戦い方ばかりでは、勝てる戦いも勝てなくなる。自信と誇りを持つのはいいが、慢心こそが侵略者以上の敵だと思え。」

「・・分かりました・・・」

 虎男から注意を言われて、蓮斗が答えた。

「フォースとは別の3人のウルトラマンと、1人の仮面ライダーを確認しています。彼らも以前に現れた、別世界から来た人と同じと見ていいかと・・」

 悠馬がヒロユキと或人のことを報告する。

「両者に手を出す必要はない。今はGフォースに対応させよう。」

「そうですね。怪獣や怪人と戦ってたしね。」

 虎男が呼びかけて、理穂が納得する。

「他にも侵略者が地球にいるかもしれない。蓮斗、悠馬、理穂、警戒を怠るな。」

「はい!」

 虎男が檄を飛ばして、蓮斗たちが答えた。

(そうだ・・地球を狙うヤツは誰だろうと容赦しない・・父さん、母さん、杏子・・オレたちのような思いをする人を、増やしたらいけない・・・)

 蓮斗が心の中で決意を強めていた。

 1年前に住んでいた町を焼かれ、家族を失った青年、蓮斗。彼はその後、地球防衛隊に志願し、厳しい訓練を経てフォースレンジャーの一員となった。

 

 ハルキたちに導かれて、ヒロユキと或人はGフォースの本部を訪れて、トウジと対面していた。

「Gフォース隊長、桜木トウジだ。」

「僕は工藤ヒロユキ。自分の世界ではE.G.I.S.(イージス)という組織に所属しています。」

「オレは飛電或人。“飛電インテリジェンス”という会社の社長をしています。」

 トウジ、ヒロユキ、或人が互いに自己紹介をする。

「えっ!?社長!?こんなに若いのに!?

「まぁ、わけありだけどね・・」

 ギンが驚きの声を上げて、或人が照れ笑いを見せる。

「君たちもそれぞれの世界から、次元を超えてこの世界に来たということだね。」

「はい。こっちに来てから或人くんと会って、こっちのことを調べているうちに、あなた方と遭遇したんです。」

 トウジが話を続けて、ヒロユキが語りかける。

「違う世界に来て悪者たちと戦うことになった。まさに、次元を超えた大事件!はい、あるとじゃーないとー♪」

 或人が言いかけてから、高らかに言い放ってポーズを取った。

「な、何だ、いきなり・・・!?

「もしかして、“次元”と“事件”をかけたギャグ・・・?」

 ギンとイズルが或人のギャグにあ然となる。受けが悪かったと痛感して、或人も気まずくなる。

「ヒロユキくん、或人くん、君たちは別の世界から来たっていうけど、そういうことは今回が初めてじゃない。」

「えっ?」

 ハルキが話を続けて、ヒロユキと或人が戸惑いを覚える。

「以前にも別の世界から来た人がいたの。あなたたちのようなウルトラマンや仮面ライダーだけじゃなく、スーパー戦隊というチームと、ガンダムやモビルスーツといった機体も来て、私たちに力を貸してくれたの。」

 ナツが以前の戦いのことを、ヒロユキたちに打ち明けた。

「今回もこのような出来事が起こったのなら、何か大きな企みが動いている可能性が高い・・」

 トウジが口にしたこの言葉に、ハルキたちだけでなく、ヒロユキと或人も息をのんだ。彼らは巨大な陰謀が動いていることを予感していた。

 

 

 

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