ザ・グレイトバトル
-ロストヒーローズ-
第9章
初代ウルトラマン、仮面ライダー1号、2号、ゴレンジャー、アムロの駆るνガンダム。ウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊、ガンダム、それぞれの原点の戦士たちも駆けつけてきた。
「み・・みなさんが、私たちを助けてくれたのですか・・・!?」
νガンダムが光の壁を消してファンネルを戻したところで、アスナが声をかけてきた。
「ヤツらの相手はオレたちが引き受ける。君たちは安全な場所へ下がっていてくれ。」
「これ以上君たちに、ヤツらの魔の手が伸びるようなことにはさせん。」
1号とアカレンジャーがアスナたちに呼びかける。
「お前たち、しっかり守ってやれよ。」
2号もハルキたちに呼びかけて、ネコマタたちに目を向けた。
「オー・・クールだぜ〜・・ハードボイルドだぜ〜・・!」
「ほら。あたしたちは後退するわよ。」
2号の言葉に奮い立つハルキに、ナクリが呼びかける。彼らはアスナとともに1度引き下がる。
「おのれ、正義の戦士どもが・・!」
「オレがお前たちに引導を渡してくれる!」
1号と2号、ゴレンジャーの前に怪魔ロボット、シュバリアンとマグマ星人ゴルドが現れた。
「ゴレンジャー、今日こそ貴様らの最期だ!他のヤツら諸共、地獄に叩き落としてくれるぞ!」
仮面怪人の1人、黄金仮面も現れて、鎌を構えて言い放った。
「黄金仮面、ヤツも出てきたか・・!」
「全て原点揃いか。初心忘れるべからず、ということだな。」
ミドレンジャーとアオレンジャーが昔を懐かしむ。
「みんな、気を引き締めていくぞ!」
「おおっ!」
「えぇっ!」
アカレンジャーが呼びかけてアオレンジャーたちが答える。
「私も参戦させてもらいますよ!」
そこへ新たな戦士が駆けつけてきた。
「き、貴様は!」
「百鬼夜行をぶった切る!地獄の番犬、デカマスター!」
ゴルドが声を上げる中、「特捜戦隊デカレンジャー」のデカマスター、ドギー・クルーガーが名乗りを上げる
「ディーソード・ベガ!」
ドギーが剣「ディーソード・ベガ」を抜刀して構える。
「やるぞ、ドギーくん!ヤツらの進撃を止めるぞ!」
「分かりました!」
1号の呼びかけにドギーが答える。2人と2号の前にゴルドとシュバリアン、さらにデーボスのデーボ・キビシーデスが立ちはだかった。
ゴルドが右手にサーベルを装備して、ドギーに飛びかかる。ドギーは巧みな剣さばきで、ゴルドのサーベルをはじきかいくぐる。
「くっ・・オレの攻撃が通じない・・!?」
「この程度の腕では、私には遠く及ばんぞ。」
脅威を感じるゴルドにドギーが言いかける。彼はディーソード・ベガを振りかざして、ゴルドを切りつけていく。
「観念しろ、マグマ星人。正義の裁きを受けるのだ。」
ドギーがディーソード・ベガの切っ先をゴルドに向けた。そのとき、ドギーに向かって鎖鎌が飛び込んできた。
ゴルドには弟がいた。金髪の兄と対照的な銀髪のマグマ星人、シルバが潜んで、隙を狙ってドギーに不意打ちを仕掛けた。
だがドギーはディーソード・ベガを振りかざして鎖をはじいた。
「何っ!?」
ドギーに奇襲をかわされたことに、ゴルドもシルバも驚く。
「バカな!?・・気付いていたとでもいうのか・・!?」
「お前たちの卑劣な気配は、私には明確に伝わっていた。卑怯なやり方で私を倒すことはできんぞ!」
声を上げるシルバにドギーが言い放つ。彼はディーソード・ベガに力を集中する。
「ベガスラッシュ!」
ドギーが飛び込んでディーソード・ベガを振り抜いた。
「ぐあぁっ!」
彼の一閃を受けたゴルドが、倒れて爆発を起こした。
「ゴッチュー!」
「兄じゃー!よくも兄者をー!」
サムスダウンを決めるドギーに、兄を倒された怒りを叫ぶシルバ。
その頃、1号と2号がシュバリアンのパワーのある打撃に負けずに、反撃を仕掛けていく。
「オレは戦闘データを重ねて、さらに強化が施されている!このオレがお前たちなどに!?」
追い詰められていることに驚くシュバリアン。
「オレたちはさらなる戦いで高めているのだ。力も技もも正義の絆も!」
「オレたちの強さに限界などない!自由と平和を守るため、オレたちは戦い続ける!これまでも、そしてこれからも!」
2号と1号がシュバリアンに言い放つと、互いに目を合わせて頷き合う。2人は同時に大きくジャンプする。
「ダブルライダーキック!」
2人の仮面ライダーが繰り出したライダーキックがシュバリアンに命中した。
「お、おのれ・・どこまでも我らの邪魔を・・・!」
断末魔の叫びを上げて、シュバリアンが倒れて爆発を起こした。
「お、おのれ・・仮面ライダーとスーパー戦隊め・・!」
シルバが1号たちを見て焦りを感じていく。
「オレがいることを忘れるなー!」
そこへ仮面ライダー、電王に変身した野上良太郎が駆けつけてきた。今の良太郎には怪人「イマジン」の1人、モモタロスが憑依していた。
「オレ、参上!」
モモタロスが高らかに言ってポーズを決めた。
「ニャニャー!電王まで出やがったかー!」
マタネコがモモタロスを見て驚きの声を上げる。
「おいおい、ずいぶんとクライマックスなことになってるじゃねぇか・・だったらオレもやらなきゃいけねぇよなぁ!」
モモタロスが笑みをこぼして、武器「デンガッシャー」を「ソードモード」にして構える。
「行くぜ、行くぜ、行くぜー!」
モモタロスが飛びかかって、シルバにデンガッシャーを振りかざす。シルバがサーベルを振りかざして、デンガッシャーを受け止めていく。
「そんなもんじゃ手応えは全然ないぜ!」
モモタロスは言い放つと、デンガッシャーを振りかざしてシルバを突き飛ばした。
「受けてみな、オレの必殺技!」
“Full charge.”
モモタロスがエネルギーを集めたデンガッシャーを構えて振りかざす。デンガッシャーの刀身が飛んで、シルバを切りつけた。
「ぐあぁっ!」
シルバが絶叫を上げながら倒れて爆死した。
「宇宙人相手でも、オレは負けはしないぜ!」
モモタロスが勝ち誇って舞い上がっていた。
「浮かれている場合ではないぞ、電王!」
ドギーが呼びかけたとき、スパイダーイマジンがモモタロスに飛びかかってきた。モモタロスは素早く動いて、スパイダーイマジンの攻撃をかわした。
「そんな攻撃にやられるオレじゃないぜ!」
距離を取ったモモタロスが強気に言いかける。
“ねぇねぇ♪今度はオレにやらせてよ〜♪”
そのとき、モモタロスに向けて声がかけられた。
“Gun form.”
電王の姿が変化した。同時に良太郎に憑依していたモモタロスを追い出して、別のイマジン、リュウタロスが入ってきた。
「電王、今度こそお前を始末してやるぞ!」
「相変わらずうるさいヤツだなぁ。倒しちゃうけどいいよね?」
言い放つスパイダーイマジンに不満を口にして、リュウタロスが「ガンモード」にしたデンガッシャーを構える。
「答えは聞かないけど!」
リュウタロスがデンガッシャーで射撃して、向かってきたスパイダーイマジンを狙撃する。
「ぐっ!・・こんなもので、オレがやられるか!」
スパイダーイマジンがいら立ちを見せて、リュウタロスに向かっていく。
“Full charge.”
リュウタロスがエネルギーを集めたデンガッシャーからビームを発射する。ビームを受けたスパイダーイマジンが撃たれて、絶叫を上げて爆発した。
「へへー♪どんなもんだー♪」
リュウタロスが勝ったのを喜んで舞い上がる。
“おいコラ、小僧!勝手にオレを追い出しやがって!”
そこへモモタロスが文句を言ってきた。
「何だよ、モモタロスー。オレにも遊ばせてくれたっていいじゃんかよー。」
“うるせぇ!さっさとテメーは出てけってんだよ!”
“Sword form.”
モモタロスがリュウタロスを追い出して、再び良太郎の中に入った。
「おいどんらも負けてられんぜ、みんな!」
「みんな、ゴレンジャーハリケーンだ!」
キレンジャーが意気込みを見せて、アカレンジャーが呼びかける。
「ゴレンジャーハリケーン・オールレンジャー!」
モモレンジャーがボール爆弾「ゴレンジャーハリケーン」を持って、アカレンジャーたちとともに駆け出す。
「キ!」
「ミド!」
「アオ!」
モモレンジャー、キレンジャー、ミドレンジャーとパスがつながり、アオがボールをジャンプでつかんで地面にセットする。
「アカ、クラウディングトライだ!」
「OK!エンドボール!」
アオレンジャーの呼びかけに答えて、アカレンジャーがボールをキックする。ボールは虹色の光を放つと、歴代のスーパー戦隊の姿かたちをしたエネルギーが解き放たれた。
黄金仮面に次々にスーパー戦隊の攻撃が命中していく。
「お、おのれ、スーパー戦隊・・!」
決定打を受けた黄金仮面が倒れて爆発を起こした。
「オレたちを始めとしたスーパー戦隊の歴史と絆は、永遠に不滅だ!」
「そしてその歴史と絆は、新しく誕生した!」
アカレンジャーとアオレンジャーが高らかに言い放つ。黄金仮面が倒れた爆発の先には、5人の男女がいた。
「何がどうなっているの、この状況・・?」
「“デスガリアン”じゃねぇみてぇだけど、邪悪な気配がビンビンだぜー!」
女性、セラが疑問を感じて、青年、レオが声を張り上げる。彼ら5人のうちの4人の背びれと尻尾が、この場にいる邪悪な存在に反応していた。
「それに他にも、戦隊だけじゃなく、仮面の戦士や巨人、ロボットまでいる・・・!」
「私たちが今暮らしてる世界でも“ジューランド”でもない・・わけが分からなくなってくるよ〜・・」
青年、タスクも疑問を感じて、少女、アムが困った素振りを見せる。
「何だかよく分かんないけど、このまま何もしないで帰るわけにいかないよ!」
青年、風切大和が周りを見渡して身構える。
「確かに、このまま帰るのも後味悪いよね。」
「こうなったらひと暴れしてやるとするか!」
「みんな、行くよ!」
セラとレオが声を上げて、大和が呼びかける。彼らが携帯電話「ジュウオウチェンジャー」を取り出した。
“イーグル!”
“シャーク!”
“ライオン!”
“エレファント!”
“タイガー!”
大和たちがジュウオウチェンジャーのボタンを押して、それぞれの動物の絵柄をそろえる。
「本能覚醒!」
“アーアーアアアー!”
雄叫びが響き渡る中、彼らがスーツとマスクを身にまとう。
「大空の王者!ジュウオウイーグル!」
「荒海の王者、ジュウオウシャーク!」
「サバンナの王者!ジュウオウライオン!」
「森林の王者、ジュウオウエレファント!」
「雪原の王者、ジュウオウタイガー!」
大和、セラ、レオ、タスク、アムが名乗りを上げてポーズを決めた。
「動物戦隊!」
「ジュウオウジャー!」
大和が声を上げて、セラたちが声をそろえた。
「動物戦隊ジュウオウジャー」。大和以外の4人は人間ではなく、異世界「ジューランド」に住む「ジューマン」であり、「王者の資格」によって人間の姿になっている。侵略と破壊を楽しむ「デスガリアン」から地球を守る、スーパー戦隊40番目の戦隊である。
5人のクモ怪人が大和たちの前に立ちはだかった。
「この星を、いや、オレたちヒーローを、なめるなよ!」
大和が言い放って、彼らがクモ怪人たちに向かっていく。
野生と動物の力を宿した大和たちが、クモ怪人たちが攻め立てる。
「悪い虫は思いっきり叩きつぶさないとな!」
レオが猪突猛進にクモ怪人に突撃を仕掛ける。追い込まれたクモ怪人たちが、口から糸を吐いてレオの腕に巻きつけた。
「コイツ、糸なんて使いやがって!」
「本当に考えなしなんだから、アンタは・・」
もがくレオに呆れると、セラは両手を振りかざして糸を切り裂いた。
「すまねぇ、助かった!」
「レオ、もう少し慎重になるべきだ・・」
レオが感謝すると、タスクが前に出てきて注意をしてきた。
「一気に行っちゃうよ!」
「野生解放!」
アムの呼びかけを機に、大和たちが野生の力を解き放つ。大和に翼が、セラに背びれが生えて、レオとアムは両手が、タスクは両足が大きくなった。
「イーグライザー!」
大和が剣「イーグライザー」を手にして、翼を広げて飛行する。彼は空中からイーグライザーを振りかざして、刀身を鞭のように振りかざしてクモ怪人を切りつける。
セラが地面に潜って、水の中を泳ぐように駆け抜けていく。そしてクモ怪人のそばから飛び出して、爪で切りつけていく。
タスクが大きくなった足で地面を強く踏みつける。その衝撃でクモ怪人を吹き飛ばす。
レオが大きな両手を振りかざして、パンチでクモ怪人2人をパンチで突き飛ばす。その先にいたアムが大きな両手の爪でクモ怪人たちを切りつけた。
「なかなかやるな、新しい戦隊も。」
「スーパー戦隊も、いや、ヒーローの伝説はこれからも続いていく。オレたちもヒーローの一員に恥じないようにな。」
ミドレンジャーとアオレンジャーが大和たちの戦いを見て気を引き締めなおして、アカレンジャーが頷いた。
「よし!これで決めよう!」
大和が呼びかけて、セラたちが頷く。
「ジュウオウバスター!」
彼らが武器「ジュウオウバスター」を手にする。大和、セラ、レオがジュウオウバスターを「剣モード」に、タスクとアムが「銃モード」にして構える。
“ジューオースラーッシュ!”
“ジューオーシューート!”
ハヤトたちが光の刃と光の弾丸を放って、クモ怪人たちに命中させた。クモ怪人たちが力尽きて、倒れて爆発した。
「おっしゃー!やったぜー!」
レオが喜びを叫んで、大和たちが勝利を実感する。
「大和!」
そこへタケルがマコトとともに駆けつけてきた。
「タケル!君も近くにいたなんて!」
「大和たちもこの世界に来てたなんてー!」
大和とタケルが手を取り合って、再会を喜び合う。
「もしかしてこの人が、大和くんたちが会ったっていう仮面ライダー?」
「この5人がタケルが話していたジュウオウジャーっていうのか?」
アムとマコトが疑問を投げかけて、大和とタケルが頷いた。
「仮面ライダーだけじゃなく、ウルトラマンもスーパー戦隊もガンダムも、長い歴史があるということか。」
マコトがウルトラマン、1号、ゴレンジャーを見て言いかける。大和たちとタケルたちも、ヒーローの長い歴史を目の当たりにして戸惑いを感じていた。
歴代の戦士が続々と駆けつけて、大地は戸惑いを感じていた。
「よそ見をしている場合ではないぞ、エックス!」
エックスゼロキラーを通じて、ヤプールがエックスに呼びかけてきた。
“キラーアーマー!サイバーゼットン!”
エックスゼロキラーがサイバーゼットンアーマーを装着して、突き出した両手から光線を放った。とっさに回避行動をとるエックスだが、回避が間に合わずに光線を直撃される。
「ぐっ!」
エックスが苦痛を感じて倒れる。エックスゼロキラーがゼットンアーマーを解除して、ワイドゼロショットを撃ってきた。
追い打ちをかけられるエックスがダメージを増やして、大地も苦痛を感じていく。
「これでとどめだ。自分自身の技で倒されるがいい!」
ヤプールがあざ笑って、エックスゼロキラーが両腕を振りかぶる。
「あれは、ザナディウム光線!?」
「構えはそうだろうが、スパークドールに変える力は備えていないだろう・・!」
声を上げる大地とエックス。体制が整わないエックスに向けて、エックスゼロキラーが光線を放とうとした。
そのとき、エックスゼロキラーの前にビームが飛び込んで、地面に命中して爆発を引き起こした。ビームと爆発で舞い上がった土煙で、エックスゼロキラーは光線を撃つタイミングを外した。
「な、何だ!?」
再び声を上げる大地。エックスが振り向いた先には、1機のMSがいた。MSがビームライフル「バスターライフル」を撃って、エックスゼロキラーの光線を阻んだのである。
「大丈夫か、ウルトラマンエックス!?」
エックスに呼びかけてきたのは、MSのパイロットではない。そのMSの左肩に乗っていた1人の仮面ライダーだった。
「新しいガンダムと、仮面ライダー・・!」
「オレの名は仮面ライダーX。君とこうして出会えたことを、オレは誇りに思う。」
大地が言いかけて、仮面ライダー、Xライダー=神敬介がエックスに声をかけてきた。
「エックス!?あなたもエックスなんですか!?」
「オレのガンダムも一応エックスだぜ!」
驚くエックスにMS「ガンダムDX」のパイロット、ガロード・ランも呼びかけてきた。
「オレの名はガロード。コイツはガンダムDXだ。」
「君もエックスなの!?ウルトラマンだけじゃなく、仮面ライダーにもガンダムにもエックスがいたなんて・・・!」
ガロードが自己紹介をして、大地が戸惑いをふくらませていく。
「おのれ!また新たな仮面ライダーが現れたか!」
クモ男がXライダーを見て声を上げる。
「ヤツの相手はオレがする!ここまで連れてきてくれてありがとう!」
「困ったときはお互い様だ。それにアンタたちと会ったのも何かの縁だし。」
Xライダーが感謝して、ガロードが気さくに答える。XライダーがDXから降りて、クモ男の前に立ちふさがる。
「お前の相手はオレだ、クモ男!」
Xライダーは言い放つと、万能武器「ライドル」を変形させた「ライドルスティック」を手にして構える。
「おのれ、Xライダー!ならばまず貴様から!」
クモ男が口から針を吹き矢のように飛ばす。Xライダーがライドルスティックを振りかざして、針をはじき飛ばす。
Xライダーはクモ男に詰め寄って、ライドルスティックを振りかざして叩きつける。クモ男が突き飛ばされて、倒されて横転する。
「オレたちがいる限り、お前たちの好きにはさせないぞ!」
「仮面ライダーどもめ・・これでもくらえ!」
言い放つXライダーに向けて、口から糸を吐き出す。Xライダーはジャンプして糸をかわすと、ライドルスティックを鉄棒のように使って回転して勢いを付ける。
「Xキック!」
Xライダーが繰り出したキックがクモ男に命中した。
「ぐあぁっ!」
突き飛ばされたクモ男が、絶叫を上げながら爆発を起こした。
「フン。今度こそウルトラマンエックスにとどめを・・!」
ヤプールの意思のままに、エックスゼロキラーがエックスを狙う。そこへガロードの駆るガンダムDXがバスターライフルを発射して、エックスゼロキラーを狙い撃ちする。
「小賢しいマネを・・!」
“キラーアーマー!サイバーベムスター!”
エックスゼロキラーがベムスターアーマーを装着して、盾でバスターライフルのビームを吸収、反射してきた。
「おわっ!」
ガロードが慌てて反応して、DXが動いてビームをかわす。
「何てヤツだ!ビームを吸い込んで跳ね返してきやがった!」
「ベムスターはエネルギーを吸収するとき、一瞬動きが止まる!その隙を狙う!」
驚くガロードに大地が呼びかける。
「君の相手は僕だよ、ウルトラマンエックス。」
リボンズがエックスに声をかけてきて、リボーンズガンダムがファングを操作して狙う。
「エックス!」
アムロがエックスの援護に向かおうとしたが、現れたブラジラにνガンダムが行く手を阻まれた。
「お前も地球に住む者と同じく、滅びることになる。救星をもたらさなければ、地球は愚かな命によって破滅を招くことになるのだ。」
ブラジラが笑みを浮かべて、νガンダムに攻撃を仕掛けようとした。
「それは違うぞ!」
そこへ声とともに強いプレッシャーが響いてきた。そのプレッシャーをブラジラだけでなく、アムロも痛感する。
ブラジラの前に1機の戦闘機が飛んできた。戦闘機は変形してMSの姿となった。
「カミーユ!」
MS「Zガンダム」に呼びかけるアムロ。プレッシャーとともに呼びかけてきたのは、Zガンダムのパイロットカミーユ・ビダンだった。
「本当に愚かなのは、命の重さと大きさの分からないお前のほうだ!お前のその目的のために、どれだけの大切な命が失われることになると思っているんだ!?」
カミーユがブラジラに向けて鋭く言い放つ。
「私は救星主だ!私には地球のけがれをはらう使命があるのだ!」
「その傲慢とエゴが、世界をダメにしていくんだ!」
言い放つブラジラにカミーユが言い返す。Zガンダムがビーム砲「ハイパーメガランチャー」を構えて、ブラジラ目がけて発射する。
ブラジラが光を連射して、Zガンダムのビームを迎え撃つ。ブラジラの光がビームぶつかり合って、残りの光がZガンダムに飛ぶ。
カミーユが反応して、Zガンダムが光をかわした。次の瞬間、ブラジラに向かって炎が飛んできた。Zガンダムやνガンダムが放ったものではない。
「くっ!」
ブラジラが毒づいて、翼をはばたかせて炎をかき消した。
「何者!?」
「ジャジャーン!」
振り返ったブラジラの視線の先に、1人の男がいた。彼がブラジラに炎を放ったのである。
「えらく派手なことになってるじゃねぇか、ゼロ!」
「お前らもこっちに来たのか!」
男が呼びかけて、Dと戦っていたゼロが振り返る。
ゼロが結成した宇宙警備隊「ウルティメイトフォースゼロ」。そのメンバー、炎の戦士・グレンファイヤー、鏡の騎士・ミラーナイト、鋼鉄の兄弟・ジャンボットとジャンナインがゼロたちの前に駆けつけた。
「ゼロ、君から様々な世界が存在していることは聞いていましたが・・」
「ここまでスケールが大きいと、さすがに驚くよ・・」
ミラーナイトとジャンナインが周りを見回して驚きを呟く。
「だがこの危機的状況、これで我々も対処することができる。これも君のおかげだ、ティエリア・アーデ。」
ジャンボットが通信先の相手、ティエリアに感謝を伝える。次元の境界を隔てて通信を送ってきたティエリアの助力を受けて、ジャンボットたちはゼロたちの救援に駆けつけることができた。
「ニャニャー!またすごいのが出てきちゃったニャー!」
「ポー!こうなったらオレたちも肥大蕃息ニャー!」
マタネコが悲鳴をあげて、ネコマタが呼びかける。2人が力を込めて巨大化を果たした。
「おかしな化け猫どもが出てきたか!そいつらの相手はオレがしてやる!」
グレンファイヤーが意気込みを見せて、ネコマタたちに向かっていく。
「オレも付き合わせてもらうぜ!」
そこへもう1機、機体が駆けつけて、パイロットがグレンファイヤーに声をかけてきた。
「何だ、お前はー!?」
「オレはドモン!お前たちにファイトを申し込む!」
ネコマタが声を上げると、MF「ゴッドガンダム」を駆る青年、ドモン・カッシュが言い放つ。
「面白そうなヤツが出てきたな!気が合いそうだぜ!」
「力を合わせるぞ、グレン!オレとお前で、究極のファイトを!」
グレンファイヤーとドモンが笑みをこぼす。グレンファイヤーとゴッドガンダムが手の甲を合わせる。
「よーし!吾輩もやる気出すんじゃなイカー!」
イカリが意気込みを見せて巨大化して、グレンファイヤーたちの横に並んだ。
「あらあら。すっかりその気になっちゃって。」
「それならばミーもビッグになるぜー!シュワッチ!」
ナクリとハルキもやる気になって、続けて巨大化する。
「ミーはあのロボットをやっつけてやるぜー!」
「それじゃ、あたしはあっちの悪い天使のほうかしらね。」
ハルキがエックスゼロキラーに、ナクリがブラジラに向かっていく。
「目には目を。メカにはメカを・・」
「我々の力を完全に模倣することはできないことを証明しよう!」
「天使は人々の支えの象徴だが、堕天使の暴挙は阻止しなくてはならない。」
ジャンナイン、ジャンボット、ミラーナイトも別れて向かっていく。ゴッドガンダム、グレンファイヤー、イカリがネコマタ、マタネコに視線を戻す。
「オレのこの手が光ってうなる!お前を倒せと輝き叫ぶ!」
「オレのこの手が真っ赤に燃える!勝利をつかめと轟き叫ぶ!」
「吾輩のこの手がチクッと光る!イカ略〜!」
ドモン、グレンファイヤー、イカリが言い放つ。ゴッドガンダムの右手が輝き、グレンファイヤーが体から炎を発し、イカリが右手からアロー光線を放つ。ネコマタとマタネコがかわすが、グレンファイヤーとゴッドガンダムが迎え撃つ。
ゴッドガンダムとグレンファイヤーが連続のパンチをネコマタとマタネコに叩き込んでいく。
「ポー!これは激しすぎるニャー!」
「ダメニャー!やられるー!」
絶叫を上げるネコマタとマタネコ。
「こうなれば〜!超超肉球ボンバー!」
2人が炎の球を同時に発射するが、グレンファイヤーとゴッドガンダムには通じない。
「イカカカ!イカの丸焼きなんてイカンじゃなイカー!」
イカリが慌てて飛び火をよけていく。
「受けてみろ!これが本当の炎というものだ!爆熱・ゴッドフィンガー!」
ドモンが言い放って、ゴッドガンダムが光を集めた右手から炎の球を発射する。炎の球を受けて、マタネコがダメージを受けて悲鳴を上げる。
「ファイヤースティック!ファイヤーフラッシュ!」
グレンファイヤーが炎の棒「ファイヤースティック」を手にして、ネコマタに叩きつける。ネコマタもマタネコもグレンファイヤーたちに追い詰められていく。
「これで決めるぞ、グレン!」
「おぅよ、ドモン!」
ドモンが呼びかけて、グレンファイヤーが答える。ゴッドガンダムとグレンファイヤーが右手を握りしめて力を込めて、ネコマタとマタネコに突っ込む。
「オレたちの炎で宇宙が燃える!」
「闇を払えと轟き叫ぶ!」
グレンファイヤーとドモンが言い放つ。ゴッドガンダムとグレンファイヤーがネコマタとマタネコに右手を当てて押し込んで、2人をぶつけ合って挟む。
「ゲラゲラ!ポー!」
「全部妖怪のせいでしたー!」
マタネコとネコマタが絶叫を上げて、グレンファイヤーとゴッドガンダムの炎によって粉砕された。
「爆熱・紅蓮天驚拳!」
グレンファイヤーとゴッドガンダムが高らかに拳を掲げた。
「やったじゃなイカー!我らの勝利じゃなイカー!」
2人の後ろでイカリが勝利を喜ぶが、
「お前、ほとんど何もしてねぇじゃねぇかよ!」
「イカン・・・!」
グレンファイヤーに怒鳴られて、イカリは後ずさりするだけだった。