ザ・グレイトバトル
-ロストヒーローズ-
第8章
ブラジラの分身、ブレドRUNに立ち向かうZO。ブレドRUNの放つビームの連射を、ZOがジャンプでかいくぐる。
「お前たちに、世界の命を消させはしないぞ!」
ZOが決意を言い放つと、ブレドRUNに飛びかかりパンチとキックを叩き込む。重みのある彼の攻撃に、ブレドRUNが押される。
「お前たちが人間たちの世界を守ったところで、お前が報われることはない。お前たちのしていることはムダなのだ。」
ブレドRUNが笑みをこぼすが、ZOの意思は変わらない。
「報われたいからではない。かけがえのない命を守ることが、オレの戦いだ!」
ZOが大きくジャンプして、ブレドRUNにキックを叩き込んだ。
「ぐあっ!」
ブレドRUNが突き飛ばされて倒れる。着地したZOが、起き上がるブレドRUNに目を向ける。
「せいぜい後悔することだ・・お前たちに、何の希望もないぞ・・・!」
断末魔の言葉を口にして、ブレドRUNが再び倒れて爆発を起こした。
「たとえその先に本当に希望がないとしても、オレは戦い続ける・・みんなを守るために・・」
揺るぎない決意を胸に、ZOは戦い続ける誓いをさらに強めた。
彗星のブレドランが放つ光を受けて、翔一が突き飛ばされる。しかし翔一は諦めずにすぐに立ち上がる。
「人間は愚かだ。いつの時代も過ちを繰り返し、争いや破滅をもたらす・・」
「人は時に間違いをして、争いをしてしまうこともある・・でも愚かじゃない。人は分かち合い、幸せを作ることができる。」
ブレドランが投げかける言葉に、翔一が自分たちの思いを口にする。
「そんなみんなを幸せを守るのが、オレの幸せで、オレのいるべき場所なんだ。」
思いと決意を口にする翔一が意識を集中する。彼が変身しているアギトの姿に変化が起こる。
アギトの姿が輝かしいものとなる。翔一はアギトの最強の姿「シャイニングフォーム」となった。
「アギトであろうと、所詮はお前も愚かな人間の1人でしかないようだ・・」
ブレドランが笑みをこぼすと、両手から光を放つ。翔一は光を集めた右のパンチで、ブレドランの光をはじき飛ばした。
さらにブレドランが放つ光をかわして、翔一が詰め寄る。彼は剣「シャイニングカリバー」を手にして、二刀の「ツインモード」にしていた。
翔一が振りかざしたシャイニングカリバーが、ブレドランを切りつけていく。
「ぐっ!・・こんなもので、私が倒れるものか!」
ブレドランが衝撃波を放って、翔一を引き離す踏みとどまった翔一がそのまま意識を集中する。
翔一の前にエネルギーの壁が現れる。彼はジャンプして壁をくぐって、エネルギーを集めた足を突き出す。
「ぐおっ!」
ブレドランがキックを受けて大きく突き飛ばされる。着地した翔一の前に、倒れたブレドランが起き上がる。
「ここで私を倒したとしても、世界は救われん・・世界を救う救星主は、私しかいない・・・!」
声を振り絞るブレドランだが、力尽きて爆発を起こした。
「みんなの幸せを守るのは、オレみたいに力のある者たちだけじゃない。1人1人、みんなも守ることができるんだ・・」
翔一は振り返って、みんなへの思いを口にした。
剣「メダジャリバー」を手にしてチュパカブラの武レドランに立ち向かう映司。しかし武レドランのかぎ爪にメダジャリバーを防がれて、逆に切りつけられる。
「お前たち人間どもには誰1人、自分すらも守れはしない。自ら争い合い、自滅していく他はない。」
「そんなことはない!たとえオレにできることは少ないとしても、せめて目の前で傷ついている人を守ってみせる!」
あざ笑ってくる武レドランに映司が言い放つ。彼はベルト「オーズドライバー」にセットされているメダルを入れ替えて、赤にそろえる。
“タカ!クジャク!コンドル!タージャードルー!”
映司がまとうオーズの装甲も赤いものへと変わる。オーズの鳥系コンボ「タジャドルコンボ」である。
映司は赤い翼「クジャクウィング」を広げて飛翔する。彼は武レドランの爪をかいくぐり、装備「タジャスピナー」を左腕に装着する。
「オレは目の前の命を守る!手を伸ばして、必ず助け出す!」
映司は決意を言い放つと、タジャスピナーにメタルをセットしていく。
“スキャニングチャージ!”
光に包まれた彼が、武レドランに向かって急降下する。
「お前の攻撃などはじき返してくれる!」
武レドランが全身に力を集中させて、映司を迎え撃つ。映司が繰り出したキックに、武レドランが爪を振りかざす。
だが映司のキックが爪をはじき返して、武レドランの体に命中した。
「まさかこの私に届かせるとは・・・!」
決定打を受けた武レドランが、映司の力に押し込まれて爆発して消滅した。
「届かせるさ・・大切なものを守るのが、オレの願いだからな・・」
自分の思いを口にして、空中にいる映司が小さく頷いた。
タケルとマコトの前に立ちふさがるブラジラと血祭のブレドラン。2りがそれぞれ放つ白と黒の光に、タケルたちが吹き飛ばされる。
「ムダなあがきを繰り返す・・お前たちではオレたちを止めることはできぬ。」
「世界を救えるのはこのブラジラだけ。救星のためには、今いる人間を全て排除する必要がある。」
ブレドランとブラジラが強気な態度で言いかける。
「ふざけるな・・カノンを、みんなのいる場所を、お前たちの好きにさせるか!」
するとマコトが怒りと自分の思いを言い放った。
「オレたちのいる世界だけじゃなく、眼魔の世界、他の世界にも命がある・・1人1人、かけがえのない命が・・命が失われることを何とも思わないお前たちに、世界を救うことなんてできない!」
タケルも自分の意思をブラジラたちに言い放つ。大切な人を守るため、世界と人々の命を守るため、タケルとマコトが力を振り絞る。
「誰にも私の救星を阻むことはできんぞ。お前たちもここで滅びるしかない。」
「オレたちは生きる!生きるために、みんなを守るために、命、燃やすぜ!」
ブラジラの言葉に言い返して、タケルが赤い眼魂「闘魂ブーストゴースト眼魂」を手にして、ゴーストドライバーにセットする。
“イッパツトウコン!”
“トウコンカイガン・ブースト!”
“オレガブースト!フルイタツゴースト!ゴー・ファイ・ゴー・ファイ・ゴー・ファイ!”
タケルのまとうゴーストのスーツが赤と黒に変わる。ゴーストの強化形態「闘魂ブースト魂」である。
「連携させると厄介だ。ヤツらを引き離して倒す!」
「分かった!あの赤いヤツをオレがやるよ!」
マコトの呼びかけにタケルが答える。2人はそれぞれブレドランとブラジラに向かって駆け出していく。
「1対1だろうと結果は同じ。お前たちに希望などない。」
「オレとマコトを、人間の命を甘く見るな!」
笑みを浮かべるブラジラにマコトが言い放つ。
“カイガン、ノブナガ!ワレノイキザマ・オケハザマ!”
マコトがノブナガ魂となって、ガンガンハンドで射撃を仕掛ける。しかしブラジラに射撃を回避されはじかれる。
「どこまでもムダな悪あがきを・・!」
ブラジラが翼を広げて閃光を放つ。光を受けたマコトが爆発に襲われる。
「今度こそ終わりだ。お前も、お前の仲間も・・」
ブラジラがマコトに言いかけて、ブレドランと交戦するタケルに視線を移す。
燃える炎の力を宿したタケルの猛攻に、ブレドランが追い込まれていく。
「バカな・・私が追い詰められている・・・!?」
「これはオレの命の炎、魂の火だ!」
声を上げるブレドランに、タケルが決意を言い放つ。
「そんなもので、私が敗北を喫することなど!」
ブレドランが剣を手にして飛びかかる。タケルも武器「サングラスラッシャー」を「ソードモード」にして、ブレドランの剣を受け止める。
タケルがサングラスラッシャーを振りかざして、ブレドランを切りつける。
「おのれ!こんなものに!」
ブレドランが剣を振りかざして光の刃を飛ばす。タケルがサングラスラッシャーにオレ眼魂とロビン眼魂をセットする。
“オメガシャイン!”
タケルがサングラスラッシャーを振りかざして、炎の刃を飛ばして、ブレドランの光の刃にぶつけて相殺する。
「それでどこまで持ちこたえられるか!」
ブレドランがさらに光の刃を飛ばしてくる。タケルは刃を横に飛んでかわすと、眼魂「ゴエモン眼魂」をゴーストドライバーにセットする。
“カイガン・ゴエモン!カブキ・ウキウキ・ミダレザキ!”
タケルが「ゴエモン魂」に変身して、サングラスラッシャーを振りかざして光の刃を素早くはじき返していく。
「お前たちに、オレたちの魂を砕くことはできない!」
“メガオメガシャイン!”
言い放つタケルが、サングラスラッシャーにエネルギーを集めてジャンプする。彼が剣を振りかざすブレドランと衝突する。
決定打にはならなかったが、タケルはブレドランの剣をはじき飛ばした。
「これで決める!」
“カイガン・ムサシ!ケットウ・ズバット・チョウケンゴウ!”
タケルがムサシ眼魂をゴーストドライバーにセットして、「闘魂ムサシ魂」になる。彼はガンガンセイバーとサングラスラッシャーを振りかざして、ブレドランを切り裂いていく。
“ダイカイガン!オメガボンバー!”
タケルがガンガンセイバーとサングラスラッシャーを振り下ろして、ブレドランを地面に叩きつけた。
「ぐおぉっ!・・この私が、お前たちに敗れるなど・・・!」
絶叫を上げるブレドランが爆発して消滅した。ガンガンセイバーとサングラスラッシャーを下げて、マコトとブラジラに目を向ける。
「ブレドラン4人を倒すとは、さすがは仮面ライダーというところか・・」
ブラジラがタケルたちを見て呟きかける。
「だが私のもたらす救星は、何人たりとも止めることはできんぞ!」
ブラジラが全身に力を込めて巨大化した。
「ええっ!?そんなの反則だってー!」
「くそっ!ふざけたマネを!」
大きく立ちはだかるブラジラに声を上げるタケルとマコト。
「ゴースト、スペクター、お前たちを確実に仕留める!」
ブラジラが高らかに言い放って、タケルたちに迫った。
意思を強めてベリアルに立ち向かうシン。彼はデスティニーと駆り、ルナマリアのインパルスとともにベリアルにビームライフルを発射していく。
「そんなものでこのオレに勝てると思っているのか!笑わせる!」
ベリアルがあざ笑うと、両手から光線を放つ。シンとルナマリアが反応して、デスティニーとインパルスが回避する。
デスティニーがビームソードを手にして、ベリアルに向かっていく。
「またその大きな剣か!芸がありそうでないものだな!」
ベリアルがかぎ爪を振りかざして、デスティニーが振りかざしたビームソードを受け止める。デスティニーがスピードを上げて、勢いを乗せてビームソードを連続で振りかざしていく。
「人間ごときが、ウルトラマンを超えているオレに勝てるわけないのが分からないとはな!」
「人間とか宇宙人とか関係ない!みんなや平和をムチャクチャにしようとする、お前のようなヤツを許せないだけだ!」
あざ笑ってくるベリアルにシンが言い放つ。
「オレは守る!大切なものを!そして取り戻すんだ!戦いのない世界を!」
シンが言い放って、デスティニーが光の翼を広げてビームソードを構える。
ベリアルがデスティニーに飛びかかって、爪を振りかざす。だが彼の爪が切り裂いたのは、素早く動いたデスティニーの残像だった。
「コイツ!」
攻撃を外したことに驚くベリアル。デスティニーが高速のまま、回り込んでベリアルにビームソードを振りかざす。
「ぐっ!」
ビームソードの一閃がベリアルの体を捉えた。体を切られたベリアルが苦痛を覚える。
「おのれ・・調子に乗るな!」
ベリアルがいら立ちを見せて、光線を放つ。シンが反応して、デスティニーが素早く光線をかわす。
「いつまでもチョコマカと・・!」
さらにいら立つベリアルがデスティニーに向かっていく。そのとき、彼は背中にビームを受けてひるんだ。
インパルスがビームライフルで狙撃して、ベリアルに命中させた。
「ルナ!」
「私がいることを忘れないでよね!」
シンとルナマリアが笑みを浮かべて声を上げる。
「ここでお前を倒す!オレたちで!」
シンがルナマリアと頷き合うと、デスティニーを駆りベリアルに向かっていく。そのとき、上からビームが飛び込んできて、デスティニーとインパルスがとっさに突撃を中断する。
「何だ!?」
シンが声を上げて、ルナマリアとともに顔を上げる。デスティニーたちの前に1体のロボットが現れた。
「何よ、あのおかしなロボットは!?」
「おかしなとはたわけたことを。私の科学力の全てを注ぎ込んだ“グレートインサーン”。それに新たな改良を施した新兵器よ。」
声を上げるルナマリアに言い返してきたのは、ロボットのコックピットにいる女性。宇宙帝国「ザンギャック」の開発技官、インサーンである。
「そう!この“シャドーライン”が闇の力を提供したことで、さらなる強化が果たされたのだ!」
もう1人、男がシンたちに向けて高らかに語りかけてきた。闇の帝国「シャドーライン」の男爵、ネロである。
「聞け、人間ども!我が名は、漆黒の男爵、ネロ!」
ネロがシンたちに向けて高らかに名乗りを上げる。
「お前らが調子に乗れるのももう終わりだ、地球人ども・・!」
「コラ!私を無視するな!」
シンとルナマリアにいら立ちを見せるベリアルに、ネロが文句を叫ぶ。
「だが我らとあのウルトラマンベリアルがいれば、いくらあの地球人が強くても、勝機など皆無よ。」
「当然だ。だがこれを機に我らの力を見せつけておくのも一興!あの2機のメカを葬るのを、その足がかりとしてくれる!」
インサーンが言いかけて、ネロが高らかに言い放つ。2人が科学力と闇の力を注ぎ込んだロボ「ネロインサーン」が、両手からビームを放つ。
デスティニーとインパルスが横に動いてビームをかわそうとする。
「逃がすものか・・!」
インサーンが言いかけて、ネロインサーンがビームをインパルスに命中させた。
「うあっ!」
「ルナ!があっ!」
悲鳴を上げるルナマリアに声をかけるシンだが、デスティニーもビームを受けて彼も衝撃に襲われる。
「邪悪に染まったことは我らも知っているぞ。ならばお前を闇に染めるのは造作もないこと!」
ネロが言い放つと、ネロインサーンが全身から闇の霧を放った。霧はデスティニーに向かって押し寄せてくる。
「オレはお前たちには屈しない!闇に負けるものか!」
シンが負けじと闇の霧に立ち向かおうとした。そのとき、デスティニーに迫っていた闇の霧が突然切り裂かれてかき消された。
「何っ!?」
闇が払われたことに驚くネロとインサーン。デスティニーの前に現れたのは、青い体をしたウルトラマン。
「闇に囚われるな。怒りにも、憎しみにも・・」
「あなたは・・・!」
デスティニーに背を向けたまま語りかけるウルトラマン、ヒカリにシンが戸惑いを覚える。ヒカリが右腕にある「ナイトブレス」から発した光の刃「ナイトビームブレード」が、闇の霧を切り裂いたのである。
「怒りと憎しみの鎧に身を委ねてしまったら、自分自身だけでなく、本来守ろうとしていたものまで傷つけてしまうことになる・・大切なのは、闇に負けない強い心を持つことだ。」
「強い心はウルトラマンだけの力じゃない。元々は人間が持っている強さ。無限の可能性だよ。」
ヒカリに続いて現れたもう1人のウルトラマン、メビウスも声をかけてきた。
「最後まで諦めず、不可能を可能にするのが人間、そして、ウルトラマンなんだ!」
ウルトラマンの存在意義と人の無限の可能性を信じて、メビウスがヒカリとともに構えを取る。
「またもウルトラマンが出てきたか!だが無限なのは闇の力!」
「そしてこの私の科学のほうよ!」
ネロとインサーンが言い放って、ネロインサーンがビームとミサイルを連射してきた。
「メビウスディフェンスドーム!」
メビウスがドーム状の光の壁を作り出して、自分とヒカリ、デスティニーとインパルスをビームとミサイルから守る。
「ナイトシュート!」
ヒカリが光線「ナイトシュート」を放って、ネロインサーンを迎え撃った。直撃されたネロインサーンが後ろに押される。
「ヤツは僕たちに任せてくれ!ベリアルは君たちに任せる!」
「我々は信じている!君たちにも本当の強さがあることを!」
メビウスとヒカリがシンとルナマリアに思いを託して、ネロインサーンに立ち向かった。
「はい!ありがとうございます!」
励ましの言葉をかけた2人のウルトラマンに感謝して、シンがベリアルに視線を戻す。
「誰が何人出てきても同じことだ・・お前らはオレに勝てはしない・・!」
「オレは諦めないぞ!勝ち目がないとされても、オレはおとなしくやられるつもりはない!」
あざ笑うベリアルにシンが言い放つ。彼の意思と決意はさらに強固になっていた。
「ならば思い知ることだ・・お前らが無力だということを!」
ベリアルが爪を構えて、デスティニーに飛びかかる。デスティニーが左手を突き出して、パルマフィオキーナでベリアルの爪を受け止めた。
「オレは戦う・・大切なものを奪うヤツらと、オレは戦う・・!」
シンが声と力を振り絞って、デスティニーとベリアルが力比べを演じる。
「そうだ・・諦めるな・・!」
そのとき、シンの耳に声が響いてきた。戸惑いを覚えるシンの前で、ベリアルが横からパンチを受けて突き飛ばされた。
デスティニーの前に現れたのは、新たなウルトラマンだった。
「諦めなければ、どんなところにもたどり着ける。世界の壁も、限界も突破できる。」
「あなたは・・・!?」
「オレの名はウルトラマンダイナ。地球にいたときは、アスカ・シンって言うんだ。」
戸惑いをふくらませているシンに、ウルトラマンダイナに変身している青年、アスカが名乗る。
「アスカ・シン!?・・オレはシン・アスカって言うんだ・・!」
「シン・アスカ!・・奇遇だな!同じ名前の人間と会うなんて!」
驚きを覚えるシンとアスカ。
「いろんな世界を旅しているオレには分かる。お前もいろんなことを体験してきたみたいだな・・」
「あぁ・・だからオレは、大切なものを守るために、ホントの平和を取り戻すために、オレは戦う・・!」
「それがお前自身で決めたことなら、自分を信じて突き進めばいいさ。オレもこの旅も戦いも、オレの意思で選んでいる。」
「自分の意思・・オレの意思・・・」
アスカと決意を言い合って、シンが自分の気持ちを確かめる。
力を求めてザフトに入隊したのも、ステラを助けようとしたのも、全て自分が考えて決めた決断。シンはそのことを改めて実感していた。
「また他のウルトラマンが出てきやがったか・・!」
ベリアルがダイナを見て笑みをこぼしてきた。
「久しぶりだな、ベリアル!今度は負けないぞ!」
「ほざけ!今度こそこの手で地獄に叩き落としてやるぞ!」
言い放つアスカにベリアルが言い返す。爪を構えた彼に向けて、シンの駆るデスティニーがビームブーメランを投げ飛ばす。
「ちっ!」
ベリアルがはじいたビームブーメランが、デスティニーに戻る。
「そうはいくか!オレたちはお前たちを倒して、世界を守る!オレは絶対に諦めない!」
「あぁ!本当の戦いは、ここからだぜ!」
シンとアスカが言い放って、デスティニーとダイナがベリアルに向かっていく。ダイナとベリアルが組み合うところへ、デスティニーがビームソードを振りかざす。
ベリアルがダイナを引き離して、デスティニーの一閃をかわす。そこへダイナが光の刃「フラッシュサイクラー」を放って、ベリアルに当ててひるませる。
「おのれ!小賢しいマネを!」
ベリアルがいら立ちをふくらませて、全力の光線を放とうとする。
「あの光線が命中したら、下のあの星もひとたまりもない!」
アスカが気を引き締めて、ダイナもエネルギーを集中させる。
「デスシウム光線!」
「ソルジェント光線!」
ベリアルとダイナが放った光線がぶつかり合い、激しく火花を散らす。
「お前ごときが何をしようと、オレに勝てはしない!」
「オレはお前のように1人じゃない!どの世界に行っても、オレには仲間がいる!」
言い放つベリアルにアスカが思いを言い放つ。
「ぐっ!」
そのとき、ベリアルが体に激痛を覚えて顔を歪める。インパルスが飛び込んで、ビームサーベルをベリアルに突き立てていた。
「私もザフトレッド!それなりの力は認められているのよ!」
「おのれ!ザコがなめたマネをしやがって!」
自信を言い放つルナマリアに、ベリアルが怒りを叫ぶ。彼が振りかざした爪で、インパルスがビームサーベルを弾かれて突き飛ばされる。
その行動がベリアルの隙を生んだ。ダイナの光線にベリアルの光線が押されていく。
「ベリアル!」
そこへシンの駆るデスティニーが飛び込んで、ビームソードを突き立ててきた。
「ぐあっ!」
ビームソードに体を貫かれて、ベリアルが絶叫を上げる。彼がダイナの光線に押し切られたはずみで、ビームソードが引き抜かれる。
「今だ、シン!」
「分かった、アスカ!」
アスカの呼びかけにシンが答える。デスティニーがベリアルに向かって加速して、左手を突き出してパルマフィオキーナをベリアルの胸のカラータイマーに命中させた。
「ぐおぅっ!」
デスティニーの攻撃でカラータイマーに亀裂が入って、ベリアルがさらに絶叫する。彼の体から邪悪なエネルギーがあふれ出してくる。
「バカな・・このオレが・・人間ごときにやられるなど・・・!」
断末魔の叫びを上げながら、ベリアルがエネルギーの闇の中に消えていった。
「やった!やったわね、シン!」
ルナマリアが喜びを見せて、シンに声をかける。
「あぁ・・アスカが、ダイナが協力してくれたから・・・」
シンがルナマリアに答えて、ダイナに、アスカに目を向ける。
「オレも元々は地球の人間だ。シンたちがベリアルに勝てたのも、不思議な話だとは言い切れないぜ。」
「アスカ・・・」
「それにまだ戦いは終わっちゃいない。みんなの援護に行かないとな。」
アスカが投げかける言葉に、シンがルナマリアと一緒に頷いた。
「アスナたちと合流しよう!私たちが守らないと!」
「ルナ・・あぁ!行こう!」
「オレも一緒に行くぜ!」
ルナマリアが呼びかけて、シンとアスカが答える。彼らは1度アスナたちのところへ向かうことにした。
“キラーアーマー!サイバーエレキング!”
エックスゼロキラーがサイバーエレキングアーマーを身にまとう。エックスゼロキラーが電撃波を放って、エックスに命中させる。
「やはり私とゼロ、サイバー怪獣の力をコピーしている・・!」
「ここはエクシードエックスで行くしかない!」
エックスが声を上げて、大地が呼びかける。大地がエクスラッガーを手にして構える。
「行くぞ!エクシード、エーックス!」
大地がエクスラッガーを振りかざして、エックスがエクシードエックスになった。
「エクスラッガー!」
エックスもエクスラッガーを手にして、エックスゼロキラーに立ち向かう。
“ガルネイドバスター!”
エックスゼロキラーが炎を放って、エックスを迎え撃つ。
「ぐっ!ゼロの力もここまで・・!」
攻撃のダメージにうめく大地。
“ミラクルゼロスラッガー!”
エックスゼロキラーが腕のウルトラブレスレットをブーメランの形にして、さらに複数に分裂させて放った。エックスが飛び交うブーメランを次々に受けて、地上に落下する。
「エックス、ゼロ、サイバー怪獣の力をここまでうまく使いこなすなんて・・・!」
エックスゼロキラーの戦い方に、大地が焦りを感じていく。
「大地、アスナが!」
エックスが声をかけてきて、大地が視線を移す。サイバーゴモラのエネルギーを使い果たしたアスナとハルキたちが、再び現れたネコマタとマタネコ、眼魔コマンドたちに囲まれていた。
「アスナ!みんな!」
大地が叫んで、エックスが立ち上がる。しかしエックスゼロキラーが行く手を阻む。
「コイツら、ホントにしつこいぜ!」
「しつこい男は嫌われるわよ!しつこいオバケもだけど!」
ハルキとナクリが眼魔コマンドを突き放しながら愚痴を口にする。
「お前とは気が合いそうニャ!オレたちの仲間にならないかニャ!」
「イカにお前たちでも、ドラネコの仲間は迷惑なんじゃなイカー!」
ネコマタが誘うがイカリは聞き入れない。
「オレっちの言うことを聞かニャいなら、イカの丸焼きにしてやるでゲソー!」
「吾輩は丸焼きにもゲソにもならないぞー!」
マタネコのおどしにイカリも叫ぶ。ハルキたちがネコマタ、マタネコとも張り合っていく。
そのとき、1体の怪獣が現れて、アスナやハルキたちに迫ってきた。宇宙怪獣ベムラーである。
「イカーン!ベムラーが来たぞー!」
「おい!そっちからスパイダーなモンスターも来たぞー!」
イカリに続いてハルキも叫び声を上げる。彼が指さす先には、クモ型の怪人、クモ男、クモ怪人、スパイダーイマジンがいた。
「イヤ〜ね〜!あたし、クモは嫌いよ!」
ナクリがクモ男たちを見て悲鳴を上げる。
「このままじゃやられてしまう・・でも、すぐにゴモラを呼び出すことは・・!」
サイバーゴモラを呼び出す力が残っていなくて、アスナが焦りを感じていく。ベムラーが彼女たちに向かって、口から熱光線を放とうとした。
そのとき、宇宙から光線が飛び込んできた。光線を受けたベムラーが熱光線を放つことなく爆発した。
「えっ!?」
突然のことにアスナが驚く。大地もエックスもベムラーが倒された瞬間を目撃していた。
「今のは・・・!?」
「大地、あれは・・!」
動揺を感じている大地にエックスが呼びかける。彼らの前に降り立ったのは1人のウルトラ戦士。
「あれは・・間違いない・・初代ウルトラマンだ!」
大地が驚きと喜びの声を上げる。そのウルトラ戦士は、初めて地球防衛の使命に身を置いた初代ウルトラマンである。
「ニャニャー!ウルトラマンが来たニャー!」
「ポー!こうニャったらコイツらだけでもー!」
マタネコとネコマタが声を上げて、アスナに襲い掛かろうとした。
「とおっ!」
そこへそれぞれバイクに乗って、2人の仮面ライダーが駆けつけてきた。2人の突撃にネコマタたちが行く手を阻まれた。
「ニャニャー!今度はー!?」
ネコマタがライダーたちを見て声を上げる。
「オレは、仮面ライダー1号!」
「オレは、ライダー2号!」
2人の仮面ライダー、1号=本郷猛と2号=一文字隼人が高らかに名乗りを上げた。
「おのれ、仮面ライダーめ!だが貴様らが来たところで・・!」
「オレたちもいるぞ!」
クモ男が言いかけたところで、新たに5人の戦士が駆けつけてきた。
「アカレンジャー!」
「アオレンジャー!」
「キレンジャー!」
「ミドレンジャー!」
「モモレンジャー!」
5人の戦士、アカレンジャー、アオレンジャー、キレンジャー、ミドレンジャー、モモレンジャーが名乗りを上げる。
「5人そろって!」
「ゴレンジャー!」
アカレンジャーが声を上げて、アオレンジャーたちが声をそろえた。「秘密戦隊ゴレンジャー」もアスナたちの前に駆けつけた。
「初代の仮面ライダーとスーパー戦隊も来たか。でも何人出てきても、これで終わりだよ。」
リボンズが笑みを浮かべて、アスナたちに狙いを向ける。
「行け、フィンファング!」
リボンズがリボーンズガンダムを動かして、ファングを射出してアスナたちを狙う。
「行け、フィンファンネル!」
そのとき、アスナたちを光の壁が取り囲んで、リボーンズガンダムの射撃から守った。
「これは!?」
驚きを覚えるリボンズが顔を上げる。大地とエックスも視線を移す。
そこにいたのは1機の白いMS。その機体が背中に搭載していた武装「フィンファンネル」を射出してビームをつなげて、光の壁を作り出してアスナたちを守ったのである。
「あれはνガンダム・・アムロ・レイか・・!」
リボンズがそのMS、νガンダムに声を上げる。
「ウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊、ガンダム・・・」
「もしや彼らは、それぞれの最初の人たち・・・!」
大地とエックスがウルトラマンたちを見て戸惑いを感じていく。それぞれ最初のウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊、ガンダムパイロットが大地たちの前に現れた。