ザ・グレイトバトル
-ロストヒーローズ-
第7章
ダイゴたちが加勢して、マーベラスたちはシャドームーンとジャークに立ち向かう。マイティアイで動きを見計らおうとするシャドームーンだが、2戦隊の連携に翻弄されていた。
「オレたちは戦隊だ!力を合わせたオレたちには、計算も先読みも通用しねぇぞ!」
「他の戦隊も加わればなおさらだ!」
ダイゴと鎧が自分たちの意思を高らかに言い放つ。
「一気に決めるぞ!」
マーベラスが呼びかけて、ジョーたちが頷く。
「ゴーカイガレオンバスター!」
彼らがゴーカイガレオンの形をしたエネルギー砲「ゴーカイガレオンバスター」を呼び出した。
“レーッドチャージ!”
レンジャーキーをセットしたゴーカイガレオンバスターにエネルギーが集まる。
“ラーイジングストラーイク!”
マーベラスたちがゴーカイガレオンバスターからビームが放たれる。ジャークが剣を振りかざして迎え撃つが、体をビームに貫かれた。
「これでは私は倒れぬ・・私は倒れぬわけにはいかぬ・・・!」
「そのブレイブは認めてやるが、お前らに地球を好き勝手にさせるわけにはいかない!」
声と力を振り絞るジャークにダイゴが言い放つ。
「来い、ガブティラ!」
ダイゴがティラノザウルスの獣電竜「ガブティラ」を呼んで、獣電池「ミニティラ獣電池」を投げる。
“ガブリンチョ!オーバーチャージ!”
ガブティラが小さくなって「オーバーチャージモード」、通称「ミニティラ」に変わった。
“クルリンチョ!”
“オー!マツリンチョ!カーニバル!”
ミニティラの頭を回転させたことで、ダイゴが「キョウリュウレッド・カーニバル」にパワーアップした。
「キョウリュウレッド・カーニバル!」
ダイゴが名乗りを上げて、空蝉丸とともに新たに獣電池「ビクトリー獣電池」と「マキシマム獣電池」を手にした。
「ビクトリーブレイブイン!」
“アミーゴ!ミンナアツマリンチョ!”
「マキシマムブレイブイン!」
“アミーゴ!メッチャメチャアツマリンチョ!”
2人が獣電池をミニティラにセットして、イアンたちがダイゴを支える。
「六獣電ビクトリーマキシマムフィニッシュ!」
“ミンナ・デ・カーニバル!”
ダイゴがイアンたちと声をそろえて、ミニティラから光の球を発射する。ジャークがこの光も受けて吹き飛ばされる。
「我らを倒したところで、決して救われはせんぞ・・地球も、どの世界も・・・!」
断末魔の叫びを上げたジャークが倒れて、爆発を引き起こした。
「オレたちがいる限り、地球も他の世界も守ってみせる!それが戦隊ってもんだからな!」
ダイゴが右手を握りしめて、高らかに言い放つ。
「おいしいところ持ってかれたな・・」
マーベラスがダイゴたちに歩み寄って、声をかけてきた。
「まだ戦いは終わっていないぞ・・!」
「そうだ。まだシャドームーンがいる・・!」
ジョーとソウジが言いかけて、マーベラスたちとダイゴたちがシャドームーンに目を向ける。
「いくら先読みできてもね。」
「これだけの相手、いっぺんにできないわよね。」
ルカとアミィが自信を込めて、シャドームーンに言いかける。シャドームーンは臆することなく、シャドーセイバーを構える。
「このまま一気にケリを付けるぞ!」
マーベラスがダイゴたちとともにシャドームーンに向かっていく。
そのとき、マーベラスたちの目の前で突然爆発が起こる。彼らはとっさに身構えて、爆発の衝撃に耐える。
「ゴルゴムの世紀王である影の王子が、実に不様だな。」
シャドームーンの隣に1人の男が現れた。金色の鎧と赤い羽衣を身にまとっている。
「何者だ、お前!?」
「オレの名はエタルガー。ウルトラ戦士、そして志を同じくする仮面ライダーやスーパー戦隊、ガンダムを滅ぼす。」
マーベラスが問いかけると男、超時空魔神エタルガーが名乗りを上げる。
「噂に聞いていたぞ、エタルガー。貴様もこの次元に来ていたとはな。」
エタルガーの隣にヤプールが姿を現した。
「異次元人ヤプール、貴様も来ていたか。オレ1人でも十分だが、貴様にも手柄を分けてやる。」
「いい気になるなよ。利用しようという腹はお互い様だ。」
エタルガーとヤプールが声をかけ合い、同時に閃光を放つ。
「ぐあっ!」
マーベラスたちが閃光の爆発を受けて吹き飛ばされる。ジャーク、シャドームーンとの戦いで、彼らは体力を消耗していた。
「弱い。その程度で正義の味方とは笑わせる。」
「そこのヤツらが立ち回ったおかげだ。攻めに出る機会をうまく見定めたな。」
ため息をついてみせるエタルガーと、マーベラスたち、さらにはシャドームーンをもあざ笑うヤプール。
「お前たち、私を利用したのか・・!?」
「先陣ご苦労。とどめはオレがもらうぞ。」
声を上げるシャドームーンに答えて、エタルガーが右手を掲げて光の球を作り出す。ヤプールもマーベラスたちにとどめを刺そうと、力を集中する。
そのとき、1人の青年がバイクに乗って飛び込んできた。エタルガーたちが青年の突撃をかわす。
「何者だ、貴様は?貴様もオレに葬られに来たのか?」
バイクから降りた青年に、エタルガーが声をかけてきた。
「いや、お前たちを倒しに来た。」
「オレたちも参戦させてもらうよ。」
青年に続いて、もう1人青年が現れた。彼の隣にいるのは青い体のゴリラ。
「相変わらず先走るな、ヒロムは。」
「そうしないと、マーベラスさんたちやダイゴたちが危なかったですから。」
2人の青年、岩崎リュウジと桜田ヒロムが声をかけ合う。
「でもあたしたちを置いてけぼりはないでしょ、ヒロム。」
そこへ1人の少女、宇佐美ヨーコもやってきた。
「また他のスーパー戦隊が現れたか・・ならばお前たちも地獄に葬り去ってくれる!」
ヤプールがヒロムたちを見て笑みをこぼす。
「リュウジ、アイツものすごく邪悪そうだ・・」
「そうだね。ゴリサキとはまるで正反対だ。」
ゴリラのバディロイド、ゴリサキ・バナナが不安を口にして、リュウジが頷く。
「オレの前に楯突いたこと、後悔させてやるぞ。」
エタルガーも余裕を込めた振る舞いを見せて言いかける。
「何だ、アイツは?上から目線に振る舞って、調子に乗ってるよ。」
「うん。ウサダとは似ても似つかないよね。」
ウサギのバディロイド、ウサダ・レタスとヨーコがエタルガーについて言いかける。
「とにかく、今はコイツらを倒すのが先決だな。」
チーターのバディロイド、チダ・ニックがバイクから人型に変形した。
「そうだ。お前たちを倒すのはこのオレだ。」
そこへもう1人のバディロイド、ビート・J・スタッグが前に出てきた。
「お前はここまで来ても前にしゃしゃり出て・・!」
ニックが文句を言って、スタッグを押しのける。ヒロム、リュウジ、ヨーコが並び立つ。
「後はオレたちに任せてくれ。」
マーベラスたちに言いかけて、ヒロムがリュウジたちとともに構える。
“It's morphin
time.”
ヒロム、リュウジ、ヨーコが腕にある「モーフィンブレス」を、スタッグがアイテム「モーフィンブラスター」を起動する。
「レッツ、モーフィン!」
呼びかけたヒロムたちがスーツとマスクを身に着けた。
「ん?何者だ、お前たち?スーパー戦隊の1つか?」
エタルガーがヒロムたちに向けて問いかける。
「レッドバスター!」
「ブルーバスター。」
「イエローバスター!」
「スタッグバスター!」
ヒロム、リュウジ、ヨーコ、スタッグがそれぞれ名乗りを上げる。
「特命戦隊・・」
「ゴーバスターズ!」
ヒロムが声を上げて、リュウジたちが声をそろえた。彼らゴーバスターズがマーベラスたちの救援に駆けつけて、ヤプールたちの前に立ちはだかった。
「お前たちにも思い知らせてやろう・・この私の恨みの力を!」
「お前たちもこのオレが葬り去ってやろう。」
ヤプールとエタルガーがヒロムたちに向かっていく。
「バスターズ、レディー・・」
「ゴー!」
ヒロムが合図を出して、リュウジたちとともに飛び出す。ヤプールとエタルガーが光線を放って、ヒロムたちの行く手に爆発が起こる。
「ソウガンブレード!」
「イチガンバスター!」
「ドライブレード!」
ヒロムが双眼鏡型の剣「ソウガンブレード」を、リュウジとヨーコが一眼レフカメラ型の銃「イチガンバスター」を、スタッグが銃「ドライブレード」を手にした。
リュウジとヨーコがイチガンバスターで射撃を仕掛けて、前進するヒロムとスタッグを援護する。ヒロムがヤプールに、スタッグがエタルガーに攻撃を仕掛ける。
ヤプールとエタルガーが同時に手を出して衝撃波を放って、ヒロムとスタッグを突き飛ばす。
「ヒロム!」
倒されたヒロムにニックが駆け寄る。
「どうやらアイツら、口ばかりじゃないみたいだ・・!」
「ここはパワードカスタムしかないみたいだ!」
言いかけるヒロムにニックが呼びかける。リュウジとゴリサキ、ヨーコとウサダが目を合わせる。
ヒロム、リュウジ、ヨーコがアイテム「GBカスタムバイザー」を手にして、モーフィンブレスにセットする。
“Set.Are you ready?”
するとニック、ゴリサキ、ウサダがデータ化されて、GBカスタムバイザーに挿入される。
「パワードモーフィン!」
“Powered custom!”
“It's morphin
time.”
ヒロムたちの体を新たな装甲が装着された。バディロイドの能力を得てパワーアップした「パワードカスタム」である。
「何をしようと、お前たちはオレに葬られるだけだ。」
エタルガーが光を放つが、ヨーコは高まったジャンプでかわして、空中をさらにジャンプしていく。
“It's time for stag attack!”
その間にスタッグがドライブレードにエネルギーを集中させて、エタルガーに向けて振りかざす。放たれたビームの刃を、エタルガーが片手で受け止める。
そこへヨーコが体を回転させて、エタルガーにキックを叩き込んだ。
「な、何っ!?」
「いつまでもいい気にならないでよね!」
驚きながら押されるエタルガーに、ヨーコが言い放った。
一方、リュウジがヤプールに向かってパンチを繰り出す。ゴリサキのパワーが合わさって、リュウジの攻撃力は一気に増していた。
「バカな!この私の恨みの力が、こんなことで!」
「オレたちの結束の力は、お前たちのそんな力ではビクともしないよ!」
驚きの声を上げるヤプールにリュウジが言い放つ。リュウジが右手に力を込めて振りかぶって、巨大なパンチを放つ。
「ぐおっ!」
強烈な一撃を受けて、ヤプールが大きく吹き飛ばされた。
そしてヒロムは一気にスピードを上げて、シャドームーンを翻弄する。マイティアイでヒロムの動きを読むシャドームーンだが、体がヒロムについていけなかった。
「クロックアップのスピードにも反応できるオレでも、対応できないとは・・何という速さ・・・!」
「オレとニックのスピードは、誰にも止められないぞ!」
声を上げるシャドームーンにヒロムが言い放つ。彼の高速の突撃を受けて、シャドームーンがシャドーセイバーをはじき飛ばされる。
シャドームーンが力を振り絞って、大きくジャンプする。
「シャドーキック!」
シャドームーンが両足にエネルギーを集めたキックを繰り出す。
“It's time for buster.”
「ボルカニックアタック!」
ヒロムが体に力を集中させて、赤い光を帯びて迎え撃つ。彼の突撃を受けて、シャドームーンが大きく吹き飛ばされた。
「オレは・・オレはまだ・・!」
声を振り絞るシャドームーンが光に包まれて、力なく消滅した。
「シャットダウン、完了!」
ヒロムが言いかけて、ヤプールとエタルガーに振り返る。彼はリュウジたちと合流する。
「よし!このまま一気に行くぞ!」
「ところがぎっちょん!」
リュウジが掛け声を上げたところで、上空からビームが飛び込んできた。周辺に爆発が起こって、ヒロムたちが吹き飛ばされる。
「な、何だ!?」
突然飛び込んできたビームと爆発に、リュウジが驚きの声を上げる。彼らが顔を上げた上空には、赤い色をした禍々しい形状のロボットがいた。
「今度は巨大ロボが出てきたよ!」
「“メガゾード”じゃないみたい。でもアイツもかなり強そうだよ。」
ヨーコとウサダがロボを見て声を上げる。
「MS・・ガンダムのようだけど、あまりいい感じじゃなさそうだ・・!」
リュウジもそのMS「アルケーガンダム」を警戒していた。
「ずいぶんとおかしなことになっちまってるようだが、そんなことはオレにはどうでもいい・・手ごたえのあるヤツを仕留められればそれでいい・・!」
アルケーのパイロット、アリーアル・サーシェスが笑みを浮かべて言いかける。
「あれが戦隊っていう連中の1つか・・まずはお前らから吹っ飛ばしてやるよ・・」
サーシェスが笑みを強めて、右腕に装備されている「ライフルモード」の「GNバスターソード」からビームを発射する。ヒロムたちが動いてビームと爆発をかいくぐる。
「このままじゃやられてしまう!だがヤプールとエタルガーを放っておくわけにも・・!」
「オレとニックが行きます!アイツにも好きなようにさせない!」
声を上げるリュウジに、ヒロムが呼びかけてきた。彼は分離したニックとともに、マシン「バスターマシン」の1機「チーター」に乗り込んだ。
「ほう?そんなものに乗り込んで戦うってか?別世界は侮れないな!」
サーシェスがチーターを見つめて笑い声を上げる。チーターは人型に変形して、「ゴーバスターエース」となる。
「さぁ、存分にやろうぜ!面白い戦いってヤツをよ!」
サーシェスが叫んで、アルケーがゴーバスターエースに突っ込んできた。アルケーが振りかざしたバスターソードを、ゴーバスターエースが後ろに飛んでかわす。
「何だ、コイツは!?えらく物騒なヤツだな!」
「いくら人間でも、こんなヤツを放っておいたら、何もかもがムチャクチャになってしまう!」
ニックが声を上げて、ヒロムがサーシェスを止めることを決意する。ゴーバスターエースが剣「バスターソード」を手にして、アルケーのバスターソードとぶつけ合う。
「ファング!」
サーシェスが言い放って、アルケーがビーム兵器「GNファング」を射出する。ゴーバスターエースを取り囲んだファングからビームが放たれる。
「ぐっ!」
ゴーバスターエースがビームをかわし切れず、ヒロムとニックが衝撃に襲われてうめく。
「このままではハチの巣だ!」
「そうなる前に本体を叩く!」
声を上げるニックにヒロムが言い放つ。
“It's time for buster.”
ゴーバスターエースがバスターソードに力を込めて、アルケーに向かって突っ込む。だがアルケーに軽々とかわされる。
「どうした!?その程度がお前らの実力なのか、戦隊さんよ!」
サーシェスが言い放って、アルケーがバスターソードと両足から発したビームサーベルを突き出してきた。ゴーバスターエースがバスターソードをはじき飛ばされて突き飛ばされる。
「ゴーバスターエースだけじゃ通じないか・・・!」
「ならばここは私がやる!」
ヒロムが声を上げたところで、スタッグがバスターマシン「スタッグビートル」に乗って、もう1機のバスターマシン「ビートル」を伴って駆けつけてきた。
「行くぞ!特命合体!バスターヘラクレス!」
スタッグが合体コードを入力すると、ビートルとスタッグビートルが合体して、メガゾード「バスターヘラクレス」となった。
「今のうちにオレたちも!」
バスターヘラクレスが胸部の「ガトリングバズーカ」をアルケーに向けて発射する間に、ヒロムが体勢を立て直してリュウジたちに目を向ける。
リュウジとヨーコはヤプールとエタルガーの反撃を受けて追い込まれていた。
「2人きりになった途端にこの程度が。なめられたものだ。」
「まずはお前たちを始末してから、他のヤツらも後を追わせてやるぞ。」
エタルガーとヤプールが言いかけて、リュウジとヨーコにとどめを刺そうとした。
「そうはさせるか!」
そこへマーベラスとダイゴが飛び込んできて、ヤプールとエタルガーに強烈なパンチを叩き込んだ。突き飛ばされるヤプールとエタルガーだが、すぐに踏みとどまる。
「お前らの言う通り、おとなしく休ませてもらったぜ。」
「おかげですっかり元気を取り戻したぜ。さーて、こっから反撃開始と行くか!」
マーベラスが笑みをこぼして、ダイゴが高らかに言い放つ。ジョーたちとイアンたちもそれぞれ並び立つ。
「ゴーカイジャーとキョウリュウジャーも出てきたか・・ならば!」
ヤプールは笑みをこぼすと、巨大化してアルケーの隣に並び立った。
「ではオレもその気になるとするか。」
エタルガーも続いて巨大化して、ゴーバスターエースたちの前に立ちはだかる。
「2人とも大きくなっちゃったよ〜!」
「オレたちも迎え撃つぞ!」
ドンが不安を口にして、イアンが呼びかける。
“ゴーカイガレオン!”
“ハッシン!ゴージュードリル!”
マーベラスたちがゴーカイガレオン、豪獣ドリルを呼び出して乗り込む。
“ガブリンチョ!”
ダイゴたちが獣電竜を呼び出して乗り込んだ。それぞれが変形、合体を果たしていく。
「完成!豪獣ゴーカイオー!」
“ライデンキョーリュージン!”
2体のロボ「豪獣ゴーカイオー」と「ライデンキョウリュウジン」がヤプールたちの前に降り立った。
「私たちも負けてられないよ!」
「ヒロム、オレたちも行くぞ!」
ヨーコとリュウジが声をかけ合って、バスターマシン「ゴリラ」と「ラビット」を呼び出して乗り込んだ。
「コンバインオペレーション!」
ゴーバスターエース、ゴリラ、ラビット、バスターヘラクレスが合体を果たす。
「グレートゴーバスター!」
バスターマシンが合体した「グレートゴーバスター」もヤプールたちの前に降り立った。
「あのガンダムはオレたちがやります!」
「いいぜ。オレたちはアイツをブッ飛ばしてやる!」
「だったらオレたちは、アイツの相手をしてやるぜ!」
ヒロム、マーベラス、ダイゴが声をかけ合う。3機のロボがアルケー、ヤプール、エタルガーに立ち向かう。
「スーパー戦隊の巨大ロボか。ならば私もここで、ヤツらに切り札を送るとするか。」
ヤプールが笑みをこぼして、リボンズと戦っているエックスとゼロに目を向ける。
「いでよ、エックスゼロキラー!」
ヤプールの指令により、異次元からガラスのように次元の壁を破って、1体の人型ロボットが現れた。
ビームサーベルを手にしたままバスターライフルを発射するリボンズのリボーンズガンダム。エックスとゼロが砲撃をかわして、サイバーゴモラ、シェパードンとともにリボーンズガンダムに向かっていく。
リボーンズガンダムが大小のビーム兵器「フィンファング」を射出した。
「よけろ!」
ゼロが呼びかけて、エックスとともに素早く動く。彼らを取り囲んだファングからビームが次々に放たれる。
エックスとゼロはかろうじてかわしたが、サイバーゴモラとシェパードンがビームの直撃を受けて倒れる。
「ゴモラ!」
倒れたサイバーゴモラに大地が叫ぶ。
「ゴモラ、もういいわ!戻って!」
アスナが呼びかけると、サイバーゴモラがその場から姿を消した。
シェパードンは立ち上がって、口から熱戦を発射する。しかしリボーンズガンダムに軽々とかわされる。
「その程度の動きと攻撃では、この僕とリボーンズガンダムには到底及ばないさ。」
リボンズが言いかけて、リボーンズガンダムが再びファングを発射して、シェパードンを狙撃する。
「シェパードン!ぐっ!」
声を上げるゼロも、エックスとともにファングからのビームを受けてしまう。さらにリボーンズガンダムが飛び込んで、ビームサーベルでゼロとエックスを切りつけてきた。
「うっ!」
突き飛ばされて地面に叩きつけられるエックスとゼロ。シンの救出から続けてリボンズとの戦いとなったため、2人はエネルギーを消耗していて、カラータイマーの点滅が始まった。
「なんて速い攻撃なんだ・・!」
「ウルトラマンでもかわし切れないとは・・!」
大地とエックスがリボーンズガンダムの攻撃に対して、焦りを覚える。
「だったらこっちのスピードを上げればいいだけのことだ!」
ゼロが力を振り絞って立ち上がり、エックスも頷く。すると起き上がったシェパードンが、背中にある鉱石「ビクトリウム」から光を放って、エックスとゼロにエネルギーを送る。
「シェパードン・・!」
力を与えてくれたシェパードンに、ゼロが戸惑いを覚える。彼とエックスの体力が回復して、カラータイマーが青に戻った。
「ありがとう、シェパードン、ゴモラ、アスナ・・みんなの思い、ムダにしない・・・!」
シェパードンたちへの感謝を感じて、大地が意識を集中する。
「ここから反撃開始だ、リボンズ・アルマーク!」
「何をしても無意味だ。君たちも僕に屈することになる。」
言い放つゼロにリボンズが笑みをこぼす。
そのとき、上空から1人の人型ロボットが降りてきた。ヤプールが呼び出して異次元から現れたロボットである。
「あれはエースキラー!あんなのまで持ち出してきたか・・」
ゼロがロボット、エースキラーを見て声を上げる。エースキラーはウルトラマンAを倒すため、ヤプールがウルトラ兄弟の能力を奪って誕生させた異次元超人である。
「ヤプールのヤツ、オレたちにコイツを仕向けてくるとは、えらく余裕じゃないか・・!」
ゼロがエースキラーに目を向けて、エックスとともに構えを取る。エースキラーがウルトラ戦士からコピーした能力を駆使して、スペシウム光線を放つ。
「スペシウム光線!?ウルトラマンの力が使えるのか!?」
大地が驚いて、エックスがゼロとともにスペシウム光線をかわす。エースキラーが続けて、ウルトラセブンのエメリウム光線を放つ。
「エメリウムスラッシュ!」
ゼロがエメリウムスラッシュで迎え撃ち、エースキラーのエメリウム光線とぶつけ合い相殺する。
「今度は親父の技かよ・・偽者やモノマネの相手は、ダークロプスだけで十分だぜ!」
ゼロは言い放つと、ジャンプして足に炎を灯す。
「ウルトラゼロキック!」
ゼロの繰り出したウルトラゼロキックが、エースキラーを吹き飛ばした。踏みとどまったエースキラーがゼロに視線を戻す。
「さすがだな、ウルトラマンゼロ。だがこれは以前のエースキラーではない。」
エースキラーからヤプールの声が響く。
“キラーアーマー!サイバーゴモラ!”
次の瞬間、エースキラーの体に鎧が装着された。
「あれは!?そんな!?」
「オレたちの、サイバーゴモラアーマー!?」
大地とエックスがエースキラーが装着した鎧に驚く。その鎧は紛れもなくサイバーゴモラアーマーだった。
エースキラーが全身に力を込めて放出する。その能力も紛れもなく、ゴモラの超震動波である。
「くっ!」
ゼロが反応して、超震動波を回避する。
「間違いない・・今のもサイバー超震動波だ・・!」
「だがなぜヤツがサイバーアーマーを!?」
大地が声を上げて、エックスが疑問をふくらませる。
「サイバーカードはちゃんとある!誰かに渡した覚えもない!」
大地はエクスデバイザーにあるサイバーカードを確かめる。サイバーカードはそろっていて、奪われた形跡もない。
さらにエースキラーはゴモラアーマーを解除して、腕に装着されている「ウルトラブレスレット」を放ってきた。ゼロもウルティメイトブレスレットを「ウルトラゼロランス」に変えてはじく。
「これもただのウルトラブレスレットじゃない!ゼロブレスレットなのか!?」
ゼロがエースキラーの使ったブレスレットに疑問を感じた。ゼロはエースキラーの動きや能力の中に、エックスだけでなく自分のものも混じっていると感じた。
「エースキラーにお前たち2人のウルトラマンの戦闘データを送ったのだ。このエースキラーはさしずめ、“エックスゼロキラー”というところか。」
エックスとゼロの能力をコピーしたエックスゼロキラーが、エックスたちの前に立ちふさがる。
「2人の能力をコピーした者を送り込んだか、ヤプール。まぁ、僕にとっては付け焼き刃と同列の芸当でしかないけどね。」
エックスゼロキラーを見て、リボンズが笑みをこぼす。
「それでヤツらを始末できるなら安く済むというものだ。」
リボーンズガンダムの隣に1人の怪人が現れた。悪の組織「デーボス」の幹部だった獰猛の戦騎、Dである。
「それもそうだね。僕は少し高みの見物をさせてもらうよ。」
「ならばお山の大将を気取っていろ。あのウルトラマンは、オレが息の根を止めてやる・・」
笑みをこぼすリボンズに答えて、Dがエックスたちに向かって動き出した。
「様々な世界のたくさんの者たちが争い合う。その中で救いをもたらすのは、この僕だよ。」
Dを見送ってエックスたちの戦いを見届けながら、リボンズは自分の意思を口にしていた。