ザ・グレイトバトル
-ロストヒーローズ-
第5章
シンの体に憑りついて、彼とデスティニーの力を自分のものとしたベリアル。しかしベリアルは一瞬自分の支配がはねのけられたことに不満を感じていた。
「このオレが一瞬とはいえ抵抗されるとは・・コイツ、なかなか食えないヤツのようだ・・」
ベリアルがシンの体を操って、手を動かしてみせる。
「最強最悪のウルトラマンであるお前が、人間ごときに手を焼かされるとはな・・」
そこへヤプールが現れて、ベリアルに声をかけてきた。
「さすがのオレもこれには驚かされたが、もう不覚を取ることはない・・地獄以上の恐怖を思い知らせてやるぞ・・ヤツらにも、オレの宿主にも・・」
ベリアルが笑みを浮かべて、シンの体に手を当てる。ベリアルは改めてシンの体を支配して、彼の心を押さえ込んでいた。
「怪獣や宇宙人以外にも、オレのしもべになるヤツがゴロゴロいるみたいだな・・」
「貴様がそう思っているヤツらは全員、邪悪な力を備えている。利用すればウルトラマンも他の戦士たちも一網打尽にできよう。」
笑みをこぼすベリアルにヤプールが語りかける。そのとき、2人のいる場所に重圧のある足音が響いてきた。
ベリアルとヤプールの前に現れたのは、銀の鎧のような体をした男だった。
「何だ、お前は・・?」
「我が名はシャドームーン。仮面ライダーを葬るべく行動している・・」
ベリアルが声をかけると男、シャドームーンが低い声で答える。
「邪魔をする者もこの手で葬り去る・・」
「相変わらずのようだな、シャドームーン。」
言いかけるシャドームーンに、現れたもう1人の男が声をかけてきた。
「お前もこの世界に来ていたか、ブラジラ・・」
「あらゆる戦士が集まり混在しているこの世界。ここならば新たな救星を見出すこともできるかもしれない。」
シャドームーンが振り向くと男、ブラジラが笑みをこぼす。
「我らの最終目的は違うようだが、共通の敵がいるということだ・・」
さらに1人の男が現れて、ベリアルたちに声をかけてきた。
「“クライシス帝国”のジャーク将軍。お前も来ていたか。」
ブラジラが男、ジャークに振り向いて笑みをこぼす。
「元の世界であろうと、この宇宙の中の地球であろうと、我らの目的は地球の攻略と地球人の抹殺。クライシス帝国の未来のために、この使命を遂行する。」
「人間どもなど、暗黒と恐怖を与えればたやすく絶望する。貴様らの目論みを達成させることなど、造作もないことだ・・」
ヤプールがジャークに言葉を返して、笑い声を上げる。
「それは支配されるしか価値のない人類に言えることだ。」
さらに1人の青年がやってきて、ベリアルたちに笑みを見せてきた。
「そういうお前も地球人だろう?」
「地球人でない君たちからすればね。でも僕はただの人間ではない。人間を超越した存在、その中でも頂点の存在なのだ。」
ベリアルが声をかけると、青年が自信を込めて答える。
「何者だ、お前は?そこまで言うならば名を明かせるだろう?」
「僕はリボンズ・アルマーク。世界の救世主さ。」
ブラジラが聞くと青年、リボンズが自己紹介をする。
「世界の救世主とは、ずいぶんと大きく出たな・・人間の分際で・・」
「だがただの自信過剰ではないようだ。それなりの力は宿している・・」
ベリアルが不満を口にして、ブラジラがリボンズを見て微笑む。
「ウルトラマンベリアル、あなたはデスティニーというガンダムを手に入れた。僕にもある。最高のガンダムがね。」
リボンズが言いかけて、後ろに目を向ける。そこには1機のMSが立っていた。
「リボーンズガンダム。世界を正しく導くための僕の力だ。」
「ならばその力、我々の敵に見せつけてもらうぞ。我々に劣らぬかどうかを・・」
笑みを見せるリボンズに、ヤプールが言いかける。
「地球人以外の者たちにも、僕の存在を認めさせるのも悪くないか・・」
リボンズは笑みをこぼすと、MS「リボーンズガンダム」に乗り込んでいった。
「仮面ライダーはゴーストとスペクターが現れたのを確認している・・」
「次にヤツらがどう動くか。そこを突き、全員葬り去る・・」
シャドームーンとジャークが大地たちの抹殺を目論む。
「いろんな世界からいろんなヤツが集まる・・そしてその全てを牛耳る・・このベリアルの覇道がさらに続く・・・」
野心をふくらませて、ベリアルも笑みをこぼす。戦士たちと敵対していた者たちも、この世界に集まっていた。
大地たちはタケルとマコト、マーベラスたちから彼らのことを聞いていた。
タケルは眼魔の手にかかって1度命を落とした。ゴーストとなって完全な死を免れた彼は、生き返るために眼魂を探している。
マコトもかつて妹を助けるために眼魂を集めていた。再開したタケルと対立したこともあったが、のちに和解。自らのけじめとタケルのために戦いを続けている。
「それじゃ今のタケルくんは、生きているように見えて死んでいる状態だっていうの・・!?」
「ま、まぁ、そんなところ・・」
アスナに驚かれて、タケルが苦笑いを見せる。
「それであなたたちは、宇宙の宝を探して旅をしているのですね・・」
「まぁな。地球にいたときと比べたら、退屈ではあるがな・・」
マコトが聞くと、ジョーが落ち着いたまま答える。
「スーパー戦隊も仮面ライダーも、新しい方が出てきていますね。」
「どんなときも、どの世界でも時代は流れるってヤツね。」
アイムとルカも微笑んで言いかける。
「だけど逆に、悪い敵もどんどん出てきてるね。しかも今は、そいつらが集まって手を組んでる・・」
「向こうが何をしてこようとブッ倒すだけッスよ!オレたちもスーパー戦隊の1チームなんスから!」
ドンと鎧も意気込みを見せる。
「その前にオレたちは海賊だ。オレたちの邪魔をするヤツは、誰だろうとブッ飛ばす。」
マーベラスが強気に言いかえる。彼らはベリアルたちのことを考えながらも、全く物怖じしていない。
「スーパー戦隊、ウルトラマン、ガンダム・・オレたちの知らない世界がたくさんあったなんて・・・」
タケルが大地たちの話を思い出して、戸惑いを見せる。
「他にも誰かこの世界に来ているかもしれない・・力を合わせれば、今の状況だって・・」
タケルが口にした言葉を聞いて、ルナマリアがシンへの心配をふくらませる。
「す、すみません・・不謹慎なことを言って・・」
「ううん、大丈夫・・そうよ。私たちは1人じゃないんだから・・」
気まずくなったタケルにルナマリアが微笑む。
「まずはシンの体からベリアルを追い払うことを考えよう。ベリアルの邪悪な力は強大だけど、オレたちの力を合わせれば・・」
「だが、ベリアルだけでなく、ダークサンダーエナジーもシンを邪悪に染めている・・アイツを取り戻すのは簡単じゃないぞ・・」
大地が呼びかけるが、ゼロが警告を口にする。
「一瞬の油断や気のゆるみが命取りになると思えよ・・」
「分かっているよ。必ずシンを助け出して、この事件を解決してみせる・・!」
ゼロの言葉に頷いて、大地が決意を口にする。
「絶対に助ける・・命は誰にとっても1つ、かけがえのないものなんだ・・!」
「相変わらずお人よしだな、タケルは・・それがお前の悪いところでもいいところでもあるが・・」
決意を口にするタケルに、マコトが笑みをこぼす。
「ま、せいぜい足は引っ張ってくれるな・・」
「大丈夫ッスよ!みんな凄腕にヒーローなんスから!オレもギンギンに燃えてきたー!」
ジョーが言いかけて、鎧が意気込みを見せた。彼らはベリアルたちとの次の戦いに備えるのだった。
再び一夜が過ぎて、大地たちが出発することにした。シンとベリアルたちを探しに。
「この先の荒野に邪悪な力が集まっている。ベリアルたちはそこにいるんだろう。そしてシンも・・」
「ガレオンのレーダーも反応しているよ!」
ゼロとドンが荒野のほうに目を向けて言いかける。
「大地さんたちも乗ってください。みなさんが変身や戦闘ができる時間に限りがあるみたいですから。」
アイムが大地たちをゴーカイガレオンに招き入れる。アイムはエックスとゼロ、インパルスの活動限界を聞いていた。
「感謝します、みなさん。ここまで気を遣ってくれて・・」
「そんなつもりはないわよ。ただ、やるなら徹底的にってね。」
感謝するエックスにルカが気さくに答える。
「えっ!?ガレオンに侵入者!?」
そのとき、ドンが船内のレーダーを見て声を上げる。
「ちょっと!敵が忍び込んだの!?」
「ハカセ、ガレオンを任せたぞ!」
ルカも声を上げて、マーベラスたちがジョーたちと一緒に駆けだす。大地たちも続く。
大地たちはゴーカイガレオンの格納庫に来た。そこにいたのは3人の宇宙人だった。
「ゲッ!見つかっちまったぜー!」
宇宙人の1人が慌てて、他の2人とともに慌てる。
「お前ら、オレたちの船に勝手に乗り込むとはいい度胸だな・・!」
マーベラスが言いかけて、銃「ゴーカイガン」を構えて宇宙人たちに銃口を向ける。
「こ、これは大ピンチじゃなイカ!」
「だっていつまでも野宿なんてイヤじゃない。まさに渡りに船だったじゃない・・」
宇宙人たちが自分たちのピンチに慌てふためく。
「あっ!君たちは!」
大地が宇宙人たちを見て声を上げる。大地はこの3人の宇宙人に覚えがあった。
「知り合いか、コイツら?」
「はい。この3人は悪い宇宙人じゃありません。侵略といった悪いことはせずに地球に暮らしていたはずなのに・・」
ジョーが聞いて、大地が宇宙人たちについて話す。
「あなたたちも、この世界に来てたってわけ!?」
「そ、そうなんだ!ミーたちも空間のゆがみに巻き込まれて、こっちのワールドに飛ばされちまったんだよ!」
アスカが驚きの声を上げると、宇宙人の1人、バルキー星人ハルキが事情を説明する。
「そうよ!勝手にこの船に上がり込んじゃったのは謝るわ!でも少しは状況が分かるんじゃないかって思って!」
「帰れる方法がみつかるんじゃなイカって、思っただけじゃなイカー。」
2人の宇宙人、ナックル星人ナクリとイカルス星人イカリも言いかける。
「何だか胡散臭そうッスよ。悪知恵働かせそうな・・」
「失礼じゃなイカー!そういう態度はイカがなものかと・・!」
疑いの眼差しを向ける鎧に、イカリが文句を言う。するとマーベラスが肩を落としてため息をついてきた。
「邪魔や足手まといになるようならつまみ出すからな。」
マーベラスはそう言うと、ハルキたちの前から去っていった。
「旅は道連れと言いますからね。少しの間、よろしくお願いしますね。」
アイムがイカリたちに微笑みかけた。
「オー!サンキュー、プリンセスー!」
「地獄に仏・・いいえ、お姫様よね〜♪」
ハルキとナクリが彼女に感謝する。
「まぁ、こういうのも悪くないんじゃなイカー。」
イカリも安心を見せて、ハルキたちと喜ぶ。彼らを見て大地とアスナも笑みをこぼした。
(怪獣や宇宙人と仲良くなれる・・眼魔とだって友達に・・・)
タケルがハルキたちを見て、眼魔とも仲良くなれることを願っていた。
ゴーカイガレオンが近づいてくるのを、ベリアルたちは気付いていた。
「すぐにオレたちを感付いてきたか。」
「さすがはゴーカイジャーと言っておこうか。」
ベリアルとブラジラが大地たちの接近に対して笑みをこぼす。
「ベリアルよ、ゼロとエックスはオレの戦力が葬ることになりそうだ。運がよければ、ゼロのとどめぐらいは譲ってやれそうだが・・」
「ヤプールというヤツが、えらく気が利くじゃないか・・」
ヤプールが言いかけて、ベリアルがさらに笑みをこぼす。
「僕も前線に出ることにするよ。僕の協力者たちとともにね。」
リボンズもベリアルたちに言いかけて笑みをこぼす。
「さぁ、思い知らせてやるぞ・・このオレ様とダークデスティニーの力をな・・」
シンに乗り移っているベリアルが、デスティニーに乗り込んで発進。大地たちを迎え撃つ。
「では行こうか・・リボンズ・アルマーク、リボーンズキャノン、行く!」
リボーンズガンダムの砲撃形態「リボーンズキャノン」。リボンズの駆るリボーンズキャノンも、デスティニーに続いて発進した。
前進するゴーカイガレオンのレーダーが、迫ってくるデスティニーとリボーンズキャノンの反応を捉えた。
「来たよ!2機のロボットがこっちに向かってる!」
「デスティニー・・シン!」
ドンが呼びかけて、ルナマリアがデスティニーを見て声を上げる。
「他にもオレたちを狙っているヤツらがいるはずだ・・きっとどこかに潜んでいる・・!」
ゼロが言いかけて周辺に注意を向ける。
「向こうが何を企んでいるか分かんないけど、まずはシンを助けるのが先決だ!今度こそダークサンダーエナジーとベリアルを追い出さないと・・!」
大地がシン救出を呼びかけて、いつでも飛び出せる準備をした。
「焦りは禁物だ、大地!様々な敵が集まって手を組んでいる!下手に突っ込めば罠にかかってしまう!」
エックスがたまらず大地を呼び止める。
「分かっている・・ここは力を合わせる必要がある・・特にルナマリアさん、あなたの力が・・」
「えっ・・!?」
大地が考えた提案に、ルナマリアが動揺を覚える。
「何にしても、時間が勝負だな。オレもお前も、インパルスも・・」
ゼロが言いかけて、大地とルナマリアが頷いた。
「オレたちの相手は下にいるな・・」
ジョーが窓から地上を見下ろして言いかける。地上の荒野にはシャドームーンとジャーク、ブラジラが待ち構えていた。
「何度もよみがえってきて、懲りないヤツらね・・」
「また返り討ちだな。行くぞ、お前ら!」
ルカが言いかけて、マーベラスが呼びかける。マーベラスたちが降下したゴーカイガレオンから飛び降りて、シャドームーンたちの前に着地した。
「オレたちも行くよ、マコト兄ちゃん!」
「あぁ!」
タケルとマコトが声をかけ合って、続いてゴーカイガレオンから降りる。大地、ゼロ、ルナマリア、アスナがデスティニーとリボーンズキャノンに目を向ける。
「ルナマリアはシンに呼びかけて。僕とエックスがもう1度シンにいるベリアルを追い出して、ダークサンダーエナジーを消す・・」
「私がシンに・・呼びかけて、シンの心を呼び戻す・・・」
大地からの提案を聞いて、ルナマリアが決意を固める。
「私があの大砲メカを食い止める。私と、ゴモラで。」
アスナが言いかけて、ルナマリアと顔を見合わせて頷き合う。
「よし!オレたちも行こう!」
大地が呼びかけて、エクスデバイザーを構えた。ゼロもウルトラゼロアイを呼び出して手にする。
“ウルトラマンエックスト、ユナイトシマス。”
「エックスー!」
“エックス、ユナイテッド。”
エックスが大地とのユナイトを果たして実体化する。
「ゼロー!」
ゼロもウルトラゼロアイを着眼して変身する。彼とエックスがデスティニーとリボーンズキャノンの前に立ちはだかった。
「これが光の巨人、ウルトラマン。M78星雲から来た、地球を危機から幾度となく守り続けてきた救世主か・・」
リボンズがエックスとゼロを見て呟く。
「だが真の救世主は君たちではない。まして他の地球人でもない。この僕、リボンズ・アルマークさ。」
「自分が真の救世主だなどと、ずいぶんと大きな口を叩くじゃないか・・!」
自信を見せつけるリボンズに、ゼロが言い返す。
「こんな自己中心的なヤツに、世界は任せちゃおけないな!」
ゼロが言い放つと、2本のゼロスラッガーを放つ。リボンズが反応して、リボーンズキャノンがスピードを上げて、ゼロスラッガーをかわして地上に降りていく。
「あなたの相手は私たちよ!」
ゴーカイガレオンから降りたアスナがリボンズに向かって言い放つ。
“リアライズ。”
彼女が呼び出したサイバーゴモラが、リボーンズキャノンの前に立ちふさがる。
「人工的に生み出された怪獣か。そのようなもので、このリボーンズキャノンを止めることはできないよ。」
「そういう上から目線、腹が立つわね・・やってみなきゃ分かんないよ!」
笑みを見せるリボンズにアスナが言い放つ。サイバーゴモラが突撃を仕掛けるが、リボーンズキャノンが後ろに下がりながらビームキャノンを発射する。
サイバーゴモラがビームを受けるが、怯まずにリボーンズキャノンに向かっていく。
「ゴモラのことは既に調査済みさ。接近戦をする必要はない。」
リボンズが言いかけて、リボーンズキャノンが後方に上昇しながら砲撃を仕掛ける。
「接近戦しかできないわけじゃないのよ・・ゴモラ、サイバー超震動波よ!」
アスナが指示を出して、サイバーゴモラが超震動波を射撃する。しかし素早く動くリボーンズキャノンにかわされる。
「力はあるがスピードは大したことはない。」
(挑発には乗らない・・大地たちが、シンくんを取り戻せる時間を作れれば・・)
余裕を見せるリボンズに惑わされることなく、アスナは彼を大地たちから注意を引き離すことに専念した。
シャドームーンとジャークの前にマーベラスたちが立ちはだかる。
「別の世界のヤツか、また地獄からよみがえってきたか・・」
「何にしても、オレたちが地獄に送ってやるぜ。」
ジョーが言いかけて、マーベラスが強気な笑みを見せる。彼らがモバイレーツとゴーカイセルラーを手にして、レンジャーキーをセットする。
「ゴーカイチェンジ!」
“ゴーーカイジャー!”
ゴーカイジャーに変身したマーベラスたちに対して、シャドームーンとジャークがそれぞれシャドーセイバーと大剣を手にする。
「ゴーカイジャー、お前たちの動きは全て見極めている・・」
「しかも今は他の戦隊の姿にはなれぬ。仮に我々を倒したとしても、お前たちにこの状況を打破することは不可能だ。」
シャドームーンとジャークが言いかけるが、マーベラスは全く引き下がる様子を見せない。
「勝手にそんなこと決めないでよね。」
「お前たちの分析なんて、軽く跳ね返してやるさ!」
「私たちは幾多の世界や星を渡る海賊であり、幾多の戦いを潜り抜けてきた戦隊です。」
「どんな相手が何をしてきても、オレたちは負けないぞ!」
ルカ、ドン、アイム、鎧がシャドームーンたちに言い放つ。
「よっしゃ!オレたちも派手に行くぜ!」
マーベラスが掛け声を上げて、ジョーたちとともに立ち向かう。
マーベラス、ルカ、鎧がシャドームーンに向けてゴーカイサーベルと槍「ゴーカイスピア」を振り下ろす。しかしシャドームーンが2本のシャドーセイバーで、マーベラスたちの攻撃を防ぐ。
「やってくれるな・・だがな!」
マーベラスが左手に持っていたゴーカイガンを撃つ。シャドームーンが同時にシャドーセイバーを振りかざす。
マーベラスたちを引き離すシャドームーンだが、自身も射撃を受ける。
「よけるまでもないって言いたいのかよ・・!」
「なめて、くれるじゃない、アイツ・・!」
鎧とルカがシャドームーンの戦い方に不満を口にする。
「上等だ。そんな余裕をかましたことを後悔させてやるぜ!」
マーベラスが言い放って、再びシャドームーンに向かっていく。しかしゴーカイサーベルもゴーカイガンも防がれて、シャドームーンが振りかざしたシャドーセイバーに切られる。
「くっ!」
「マーベラス!」
うめくマーベラスにルカが叫ぶ。シャドームーンがマーベラスを狙って、シャドーセイバーを振り上げる。
「させるか!」
鎧が飛び込んで、ゴーカイスピアを出してシャドーセイバーを受け止める。
「お前の相手はこのオレだ!」
鎧がさらにゴーカイスピアを振りかざして、シャドームーンを攻め立てる。だがシャドーセイバーにことごとく攻撃を防がれる。
「お前たちの命は既に我が手中にある。地獄に落ちるのはお前たちのほうだ。」
「ふざけんな!何度だってお前らをブッ倒して、オレたちは先に行く!」
言いかけるシャドームーンに、鎧が感情を込めて言い返す。
「この先で、いろんなお宝や夢が待ってるんだからね!」
「オレたちの戦いに、オレたちの旅に、終わりなんてねぇんだよ!」
ルカとマーベラスも言い放って、ゴーカイサーベルを振りかざす。シャドームーンがシャドーセイバーからビームを放って、2人と鎧を宙に持ち上げる。
「往生際の悪いヤツらだ。だがお前たちの悪あがきもこれまでだ。」
「ぐっ・・このっ・・!」
シャドームーンが言いかけて、ビームに束縛される鎧がうめく。
「他の3人も、同じように地獄に落ちることになるようだ。」
シャドームーンが視線を移す。その先でジョー、ドン、アイムがジャークの攻撃に追い込まれていた。
「コイツ、力を上げている・・・!」
「我らの使命、お前たちに邪魔されるわけにはいかぬ。」
毒づくジョーにジャークが剣の切っ先を向ける。
「観念するなら我らの尖兵としよう。もっとも、余に従うよりも死を選ぶお前たちに、それは期待できぬだろう・・」
「そこまで分かっているとはな・・・」
ジャークが投げかける言葉にジョーが皮肉を覚える。
「もしも敵じゃなかったら僕、憧れちゃってたかもね・・!」
「邪悪な方々が仲間なのが辛いところですね・・」
ドンとアイムもジャークに向けて言いかける。
「アンタには悪いが、オレたちは突き進む・・オレたちの前に立ちふさがるもの全てをブッ倒してな!」
「それが叶うことはない。余がお前たちに引導を渡す。」
言い放つジョーに向けて、ジャークが剣を振り下ろす。そのとき、そこへ光の弾丸が飛び込んで、剣が弾丸を当てられて押し返された。
「どいつもこいつも、別の世界に集まってドンパチやってるな!」
1人の青年が高らかに声を上げた。彼は恐竜の頭の形をした銃「ガブリボルバー」で射撃したのである。
「お前らもこっちに来てたのか・・!」
ジョーが立ち上がり、青年、桐生ダイゴに振り返る。
「相変わらず1人で突っ走りすぎだ、ダイゴ。」
「少しはオレたちの活躍の場を残してもらいたいな。」
2人の青年、立風館ソウジとイアン・ヨークランドがダイゴに声をかけてきた。
「これが別世界っていうヤツだね。いろんな人と出会えてみんな、幸せかいってか♪」
青年、有働ノブハルがダジャレを言って和ませようとする。
「なるほど。ここが、その・・ぱらそるわーるどでござるか!?」
「パラレルワールドね、ウッチー。私たちがいる世界とは違う世界ってこと。」
青年、空蝉丸が納得しようとして、女性、アミィ結月が説明する。
「お前たちもこの世界に来ていたか・・」
ジャークがダイゴたちを見て言いかけて、シャドームーンも彼らに振り返る。
「お前らもこの世界に来てたか!何か悪いことを企んでるみたいだけど、そうはさせないぞ!」
ダイゴがシャドームーンたちに言い放つと、イアン、ノブハル、ソウジ、アミィとともに手にした乾電池「獣電池」をガブリボルバーにセットする。空蝉丸も腕に装着している「ガブリチェンジャー」に獣電池をセットする。
“ガブリンチョ!”
“ガブティ〜ラ!”
“パラ〜サガン!”
“ステゴォッチ!”
“ザクトール!”
“ドリケェ〜ラ!”
“プテラゴーードン!”
ガブリボルバーとガブリチェンジャーから音声が発する。
「キョウリュウチェンジ!」
ダイゴたちがサンバのような、空蝉丸が歌舞伎のような動きを取る。
「ファイヤー!」
ガブリボルバーとガブリチェンジャーから、装てんされた充電池に込められている恐竜の魂「キョウリュウスピリット」が放たれる。キョウリュウスピリットを浴びたダイゴたちが、恐竜を思わせるデザインのスーツとヘルメットを身にまとった。
「お前たちは・・!」
ジャークが変身を果たしたダイゴたちに向けて声を上げる。
「聞いて驚け!牙の勇者、キョウリュウレッド!」
「弾丸の勇者、キョウリュウブラック!」
「鎧の勇者、キョウリュウブルー!よいしょ!」
「斬撃の勇者、キョウリュウグリーン!」
「角の勇者、キョウリュウピンク!うふっ♪」
「雷鳴の勇者、キョウリュウゴールド、見参!」
ダイゴ、イアン、ノブハル、ソウジ、アミィ、空蝉丸が名乗りを上げてポーズを決める。
「史上最強のブレイブ!」
「獣電戦隊!」
「キョウリュウジャー!」
ダイゴが声を上げて、イアンたちが声をそろえる。スーパー戦隊の1チーム、キョウリュウジャーが参上した。
「派手な戦隊も来たみたいだ。オレたちも負けてられるか!」
マーベラスが笑みをこぼして、ジョーたちとともに構えを取る。
「天怒りて悪を斬る!」
「荒・れ・る・ぜ〜・・止めてみな!」
空蝉丸とダイゴが高らかに言い放つ。
「ゴーカイジャーに続いて、キョウリュウジャーも来たか。」
「ならばまとめて葬り去るのみだ。」
シャドームーンとジャークが言いかけて、マーベラスたちとダイゴたちに迫る。
「オレたちは戦隊だ!戦隊の力、甘く見るな!」
「お前ら、ド派手に行くぜ!」
ダイゴが言い放ち、マーベラスが呼びかける。2戦隊が手を組み、シャドームーンとジャークに立ち向かった。