ザ・グレイトバトル外伝

無双戦隊フォースレンジャー

第8章

 

 

 無差別に攻撃を繰り返すヴェイガンギア・シドに、トリガーとティガが立ち向かう。
「これ以上、この世界を傷つけさせはしない!」
「アイツを止めましょう、ティガさん!」
 ティガがヴェイガンギア・シドに向かって言い放って、ケンゴが声を掛ける。
 ヴェイガンギア・シドがトリガーたちに向かっていって、翼からビームを発射した。トリガーとティガが左右に動いてビームをかいくぐる。
 しかし連続で放たれるビームとその爆発をかわし切れなくなって、トリガーたちが体勢を崩す。
「あのスピードに追い付かなくては・・・!」
 立ち上がったティガが両腕を組んで振り下ろす。彼の体の赤が紫に統一されて、スカイタイプになった。
「ティガさんもオレと同じタイプチェンジを・・!」
 ケンゴがティガの能力について戸惑いを覚える。
 ヴェイガンギア・シドがビームを放射する。ティガが飛行して、ビームを素早くかいくぐっていく。
「ランバルト光弾!」
 ティガが右手を前に出して、光の刃を放つ。ヴェイガンギア・シドが反応して飛翔するが、光の刃がその左翼の先端を削った。
「すごい・・技まで同じだ・・!」
 ケンゴがティガの戦いに心を動かされていく。
「よし!オレも負けていられない!」
 気を引き締めたケンゴがスカイタイプキーを手にした。
“Ultraman Trigger,Sky type.”
“Boot up,Runboldt.”
 彼はスパークレンスのグリップにスカイタイプキーをセットした。
“Ultraman Trigger,Sky type.”
 トリガーもスカイタイプになって、ティガに加勢する。2人が速い飛行を続けて、ヴェイガンギア・シドを翻弄する。
 ティガがヴェイガンギア・シドの後ろに回ったところで、両腕を組んで意識を集中する。体の紫が赤になって、彼はパワータイプになった。
 ティガが後ろからヴェイガンギア・シドの翼をつかんで、力強く投げ飛ばした。地面に叩きつけられるも、ヴェイガンギア・シドが空中で体勢を整える。
 ヴェイガンギア・シドがさらに上昇してから、トリガーたちに向かって急降下してきた。
「オレもパワーで行きます!」
 ケンゴが言いかけて、ティガが小さく頷いた。
“Ultraman Trigger,Power type.”
“Boot up,Deracium.”
 ケンゴがパワータイプキーを取り出して、スパークレンスのグリップにセットした。
“Ultraman Trigger,Power type.”
 トリガーもパワータイプとなって、ティガとともにエネルギーを集める。
「デラシウム光流!」
 トリガーとティガが同時に熱光線を発射した。ヴェイガンギア・シドが光線を受けて、胴体から火花を散らす。
「よし!これで決めるぞ!」
 ケンゴが呼びかけて、トリガーとティガがマルチタイプに戻った。
「ゼペリオン光線!」
 2人が両腕をL字に組んで、同時に光線を発射した。ヴェイガンギア・シドが合わさって威力を上げた光線に胴体を貫かれた。
 ヴェイガンギア・シドが倒れて爆発をした。
「やった!やりましたね、ティガさん!」
「君やみんなが力を貸してくれたからだよ。」
 喜ぶケンゴに、ティガが感謝を送る。
「残るはザンギャックだけか・・フォースレンジャーに加勢しましょう!」
「うん。みんなも向かっているはずだ。」
 ケンゴとティガが声を掛け合う。トリガーとティガもゼットたちとともに、ザンギャックの艦隊の撃退に向かった。

 トリガーたちによって、ザンギャックの艦隊が次々に撃墜していく。スーパーフォースロボがギガントホースに接近していた。
「ザンギャック、お前たちはオレたちが倒す!」
「愚民どもが・・我々に歯向かうことが万死に値すると知れ・・・!」
 言い放つ蓮斗に、アクドスが鋭く言い返す。
「次はこれだ!レンジャーフォース!」
 蓮斗が画面を出して、新たに表示したアイコンにタッチした。
“メガフォース!”
 元の姿に戻ったスーパーフォースロボの胴体が、虹色の輝き始めた。その輝きが宿って、胴体も虹色になった。
「スーパーフォースロボ・メガフォース!」
 蓮斗たちが高らかに名乗りを上げる。スーパーフォースロボはゾフィー、仮面ライダーフォーゼ、電磁戦隊メガレンジャー、ガンダムF91の力を宿した「メガフォース」となった。
「あのロボに集中砲火だ。」
 ドルズが命令を送って、ギガントホースが砲撃する。スーパーフォースロボが残像を伴った高速で、砲撃をかいくぐる。
「フォースギャラクシーナックル!」
 スーパーフォースロボが回転させた両手のパンチを飛ばして、戦艦たちを打ち落としてギガントホースに当てた。
「フォースロケットドリル!」
 スーパーフォースロボが体を回転させて突撃して、戦艦をさらに撃墜させていく。
「何をしている?すぐにヤツを破壊しろ・・!」
 アクドスが目つきを鋭くして、命令を送る。艦隊が砲撃を激しくするが、スーパーフォースロボに当たらない。
「あの母艦を落とす!スパイラルフォースサーベル!」
 蓮斗が言い放って、スーパーフォースロボが回転したままフォースサーベルを手にして、ギガントホースに突っ込んだ。
「父上!」
 ドルズがとっさにアクドスを抱えて、ギガントホースから飛び出した。ギガントホースがスーパーフォースロボに貫かれて、爆発を起こした。
「うん!ザンギャックの母艦を破壊したぞ!」
「でも中から2人が外へ脱出しました!」
 悠馬が笑みをこぼして、モモがアクドスたちの脱出を確認した。
「オレたちも降りて、アイツらを追いかけようか。」
 新平が言って、蓮斗たちが頷く。元の姿に戻ったスーパーフォースロボが着地して、彼らがアクドスたちの前に降り立った。
「そこまでだ、ザンギャック!」
「あなたたちの部下は、あたしたちの仲間がやっつけてるよ!」
 蓮斗と理穂が言い放って、アクドスたちがトリガーたちを見て毒づく。
「この世界はオレたちが守る!お前たちに支配なんてされない!」
「無礼者が・・全宇宙は我らザンギャックにひれ伏すことになる!」
 言い放つ蓮斗にドルズが語気を強めて言い返す。
「私の力は部下とは大違いだ。お前たちに身の程を分からせてやるぞ。」
 ドルズが蓮斗たちに向かってビームを放つ。蓮斗たちが走り出して、ビームとその爆発をかいくぐる。
「フォースソード!」
 蓮斗がフォースソードを手にして、アクドスたちに向けて振り下ろす。
「父上!」
 ドルズが前に出て、左手でフォースソードを防いだ。蓮斗が続けて振りかざすフォースソードを、ドルズがかわしていく。
「フォースバズーカ!」
「フォースアロー!」
「フォースアックス!」
「フォースロッド!」
 悠馬、理穂、新平、モモがフォースバズーカ、フォースアロー、フォースアックス、フォースロッドを手にして、アクドスを取り囲む。
「このアクドス・ギルに歯向かうこと自体、万死に値する!」
「自分が1番偉いって言い張る独裁者の言うことなんて、オレたちは聞く気はないね!」
 いら立ちを浮かべるアクドスに、新平が強気に言い返す。
「地獄に落ちろ、愚か者ども!」
 アクドスが怒鳴り声を上げて、全身から衝撃波を発した。
「うあっ!」
 悠馬たちが衝撃波に押されるが、足に力を入れてすぐに踏みとどまった。だが直後にアクドスが新平に詰め寄って、拳を繰り出してきた。
「ぐあっ!」
 殴り飛ばされた新平がうめき声を上げる。
「兄さん!」
 モモが叫んで、フォースロッドを振りかざしてリボンを伸ばして、アクドスの右腕に巻き付けた。
「悠馬さん、理穂さん、今です!」
 モモが呼びかけて、悠馬たちがフォースバズーカとフォースアローを発射した。アクドスが射撃を受けてうめく。
「おのれ!」
 アクドスがいら立ちをふくらませて、フォースロッドリボンを引っ張ってモモを振り回す。
「キャッ!」
「うわっ!」
 モモが悠馬と理穂とぶつかって、地面を転がる。
「この私に傷を付けるとは・・!」
 アクドスが鋭く言って、悠馬たちに迫る。そのとき、新平がフォースアックスを振り下ろして、アクドスの背中を斬りつけた。
「傷は男の勲章というらしいね。オレは傷だらけは勘弁だけど。」
「おのれ・・また私にこのようなマネを・・!」
 皮肉を口にする新平と、憎悪をふくらませていくアクドス。
「父上!」
 アクドスの危機にドルズが叫ぶが、蓮斗に攻撃を仕掛けられて加勢に行けない。
「おりゃー!」
 蓮斗がフォースソードを振りかざして、ドルズを斬りつけていく。さらにフォースソードを前に出して、蓮斗がドルズを突き飛ばす。
「みんな、スーパーフォースバスターで決めるぞ!」
「分かった!」
「あぁ!」
「はい!」
 蓮斗が呼びかけて悠馬、理穂、新平、モモが答える。彼らが合流して、アクドスと対峙する。
「フォースウェポン、セット!」
 蓮斗たちがそれぞれのフォースウェポンを組み合わせた。
「スーパーフォースバスター!」
 彼らがスーパーフォースバスターを完成させた。
「スーパーフォースチャージ!」
 蓮斗たちが構えるスーパーフォースバスターの砲門に、エネルギーが集まっていく。
「スーパーフォースバースト!」
 蓮斗たちがアクドスに向かって、強力な光線を発射した。
「バカめ!」
 アクドスが両手を前に出して光を放って、蓮斗たちの光線とぶつけ合う。
「このアクドス・ギルは、全ての頂点に立つ者だ!私が従えるザンギャックに、全てがひれ伏すのだ!」
 アクドスが憎悪を込めて、蓮斗たちに言い放つ。
「オレたちもみんなも、もう思い通りにはならない!お前のように、誰かを苦しめて平気でいるようなヤツの思い通りには!」
 蓮斗が言い返して、悠馬たちとともに力を込める。彼らの光線が光を押し返して、アクドスに直撃した。
「ぐおぉっ!」
 アクドスが絶叫を上げて、その場に膝をついた。
「ザンギャックの親玉に決定打を与えたぞ!」
「でもまだ生きています・・!」
 新平が笑みをこぼすが、モモは警戒を解かない。
「余はザンギャックの皇帝、アクドス・ギル・・余もザンギャックも、決して滅びることはない・・・!」
 アクドスが憎悪をふくらませて、蓮斗たちに近づいていく。
「いや、あなたはここで終わりです・・」
 声がかかった直後、アクドスの体を剣が貫いた。彼に攻撃をしたのはドルズだった。
「ドルズ!?・・どういうつもりだ!?・・余を裏切るのか・・!?」
 アクドスが声を振り絞って、ドルズを問い詰める。
「裏切る?私は始めからこのときが来るのをずっと待っていただけだ・・」
 ドルズが言い返して笑みをこぼす。
「私はザンギャックの支配者の座に就くことと、そのための下剋上の機会をずっと伺っていた・・しかしあなたは戦闘力も権力も絶対的な存在だ。その機会は皆無とは言えないが、限りなくゼロに近いと覚悟していた・・」
 ドルズが自分の考えをアクドスに語っていく。ドルズはアクドスの息の根を止めるチャンスを、長い年月の中で狙っていたのである。
「そしてついにそのときが来た。ワルズやダマラスたちもこの戦いで失うことになってしまったのは悔やまれるが・・」
「まさかこのありもしない機会を狙って、ここまで待ったというのか・・・!?」
 話を続けるドルズに、アクドスが声を荒げる。
「宇宙は広い。あらゆる星々を支配してきた我らザンギャックでも知らない星が存在するはず。それが我々を脅かす戦力を持っていないと断言できない。」
「戯言を・・我々を脅かす存在など、全宇宙に存在せん・・・!」
「それはどうかな?現にあなたはあの者たちによって窮地に立たされ、私に下剋上の機会を与えることになった・・」
「愚かな・・このザンギャックの汚点が・・・!」
 笑みをこぼすドルズに、アクドスがいら立ちをふくらませていく。
「愚かな汚点はあなたですよ、父上。自分が絶対だと自惚れ、自身の存続に尽力しなかったあなたの落ち度です・・」
 ドルズがため息混じりに告げて、アクドスを貫いている剣を押し込んだ。
「がはっ!」
 アクドスが激痛に襲われて絶叫を上げる。ドルズが彼から剣を引き抜いた。
「おさらばです、愚かな父上よ・・」
 ドルズが剣を振り下ろして、アクドスを斬りつけた。
「ぐあぁっ!・・おのれ、愚か者どもが・・・!」
 蓮斗たちだけでなく、ドルズにも恨みを感じたまま、アクドスは倒れて爆発した。
「倒された・・敵の親玉が、その息子に・・・!」
「いくら悪者でも、実の親を倒すなんて・・・!」
 新平と理穂がドルズの行為に驚きを感じていく。
「血がつながっているだけだ・・自分が絶対という父上の考え方には、私も反吐が出ていたところだ・・」
「そこまでお父さんを憎んでいたというのですか・・・!?」
 ため息混じりに話すドルズを、モモが動揺しながら問い詰める。
「憎んでいた?あくまで私の支配のためだよ・・」
 ドルズが笑みをこぼして、蓮斗たちに視線を向けた。
「私を頂点として全宇宙を支配する。それが私が長年抱き続けてきた悲願だよ。」
「結局、自分の父親と同じ独裁者にでもなりたかったっていうのかよ!?」
 自分の野心を語るドルズに、蓮斗が怒りを覚える。
「私は父上とは違うよ。自分が絶対だと信じて疑わない父上とはね・・」
 ドルズが肩を落としてから、蓮斗たちに言い返す。
「常に自身の精進を忘れず、暗殺や謀反にも対応する。父上に欠けていた用心深さが、私にはある。」
「そんなのは関係ない・・みんなを支配しようと企んでいるのは、どっちも同じだ!」
 笑みをこぼすドルズに蓮斗が怒りをあらわにする。
「支配なんてさせない!この地球も他の星も!」
「ここであたしたちがやっつけてやるんだから!」
「心を入れ替えるなら今のうちですよ!」
「お前たちのようなヤツらは、改心しそうにないけどな!」
 悠馬、理穂、モモ、新平がドルズに向かって言い放つ。
「ザンギャック、この世界はオレたちが守る!みんなを苦しめるお前たちは、オレたちが倒す!」
 蓮斗が言い放って、悠馬たちとともに構えを取る。かつて復讐のために戦っていた彼らが、心から世界やみんなを守るために戦おうとしていた。
「私は用心深いし、自身の精進も怠らない・・父上に勝るとも劣らない力があると、私は自負している・・・!」
「だとしてもオレたちは負けない!お前たちのような侵略者を、オレたちは倒す!」
 笑みをこぼすドルズに蓮斗が言い放って、悠馬たちとともに走り出す。
「ではまず、お前たちを倒す。その後で他の敵も始末してくれる・・・!」
 ドルズが2本の剣を手にして、蓮斗たちを迎え撃つ。
 蓮斗と新平がフォースソードとフォースアックスを振りかざす。ドルズが剣で2人の攻撃を防いで、後ろに下がる。
「フォースバズーカ!」
「フォースアロー!」
 悠馬と理穂がフォースバズーカとフォースアローを発射する。ドルズがさらに後ろに跳んで、攻撃をかわしていく。
「フォースロッドリボン!」
 モモがフォースロッドからリボンを伸ばすが、ドルズはこれも回避した。
「捕まりはしないよ。」
 ドルズが微笑んで、剣を振りかざして光の刃を放つ。蓮斗がフォースソードを振りかざして、光の刃を打ち破った。
 ドルズがさらに光の刃を飛ばして、蓮斗たちを攻め立てる。
「これで追い詰めたぞ・・」
 蓮斗たちを1ヵ所におびき寄せて笑みをこぼす。
「覚悟しろ・・ドルズクロス!」
 ドルズが2本の剣を交差して振りかざして、強力な光の刃を飛ばす。
「みんな!」
 新平が前に出て、フォースアックスを掲げて刃を受け止めた。
「ぐっ!・・このっ!」
 新平が光の刃に押し切られて突き飛ばされた。
「兄さん!」
 新平を支えてモモが叫ぶ。
「すごい威力だ・・オレ1人じゃアレは止められないな・・・!」
 新平がドルズの本領発揮に毒づく。
「スーパーフォースバスターで対抗するしかないってことか・・!」
「父上を追い込んだあの攻撃。威力は高いが軌道が読めれば対処は不可能ではない。」
 最善手を模索する悠馬に、ドルズが余裕を込めて告げる。
「そのときよりも威力を上げられるなら話は別だが、そこまでの力がお前たちに残っているのかな?」
 ドルズにこれ以上の出力はないと指摘されて、悠馬が焦りを、モモが不安を感じていく。
「それでもやってやる!オレたちの力を甘く見るな!」
 蓮斗は諦めずに、ドルズに言い放つ。
「ならば勝負してみるか?私のこの必殺技と・・」
 ドルズが言い返して、剣を交差させた。
「みんな、もう1度スーパーフォースバーストだ!」
 蓮斗が呼びかけて、悠馬たちが頷いた。彼らがフォースウェポンを組み合わせて、スーパーフォースバスターにした。
「スーパーフォースチャージ!」
 蓮斗たちがスーパーフォースバスターにエネルギーを集めていく。
「スーパーフォースバースト!」
 彼らがスーパーフォースバスターを発射した。同時にドルズが剣を振りかざして、光の刃を飛ばして光線とぶつけた。
「威力が上がっているどころか、前よりも下がっているようだ。連続で使えるようにはなっていないか・・」
 ドルズがため息をついてから、剣に力を込めて光の刃を押し込んだ。
「うわあっ!」
 蓮斗たちが爆発に巻き込まれて、吹き飛ばされて倒れた。
「しまった・・体力が少なくなっていた・・・!」
「戦いの連続で、力を使いすぎてしまったのですね・・・!」
 悠馬が焦りをふくらませて、モモが呟く。
「打つ手はないか?ならばこれで終わりだ・・」
 ドルズが笑みをこぼして、蓮斗たちに近づいていく。
「まだだ・・まだ終わりじゃない!」
 蓮斗が立ち上がって、ドルズに言い返す。
「まだ立つ力が残っていたか・・しかし他に私に対抗する術があるのか?」
「たとえすぐにいい方法が思いつかなくても、諦めなければ勝利への道が見つかるはずだ!」
 勝利を確信するドルズに、蓮斗が諦めない気持ちを示す。
「それにオレたちは、オレたち5人じゃない!」
 蓮斗が立て続けに言い放ったときだった。立ち上がった悠馬たちとともに、目の前に画面が現れた。
「フォースロボにだけある力じゃない・・オレたち自身も使いこなせるはずだ!」
 蓮斗が言って、悠馬たちとともに画面にあるアイコンにタッチした。彼らの体をそれぞれ鎧のような装甲が包んだ。
 蓮斗が身に着けている装甲は、スーパーフォースロボ・ファーストヒーローとそっくりだった。
「フォースレッド・ファーストヒーロー!」
 蓮斗名乗りを上げてポーズを決めた。彼はファーストヒーローへの変身を果たした。
「フォースブルー・Dフォース!」
 悠馬がウルトラマンダイナ、電王、特装戦隊デカレンジャー、マークデスティニーの力と能力を宿した「Dフォース」となって名乗りを上げた。
「フォースイエロー・エックスフォース!」
 理穂がウルトラマンエックス、仮面ライダーXエックス、ガンダムDX(ダブルエックス)、怪盗戦隊ルパンレンジャーと警察戦隊パトレンジャーの両方に組しているルパンエックス=パトレンエックスの力を宿した「エックスフォース」となった。
「フォースグリーン・フューチャーフォース!」
 新平がウルトラマンゼット、仮面ライダーセイバー、機界戦隊ゼンカイジャー、AGE-FXの力を宿した「フューチャーフォース」に変身した。
「フォースピンク・メガフォース!」
 モモはメガフォースへの変身を果たした。蓮斗たちは戦隊を含む戦士たちの力を宿したのである。
「そ、その姿は・・・!?」
 ドルズが蓮斗たちを見て緊張を覚える。彼は蓮斗たちから強い威圧感を痛感していた。
「パワーアップしたということだろうが、それで私に勝てるというわけではない・・!」
 ドルズが笑みを取り戻して、剣を振りかざして、連続で光の刃を飛ばす。蓮斗たちが残像を伴った高速で、刃をかわした。
「速い・・!」
 目を見開くドルズが、蓮斗たちに立て続けに突撃される。
「攻撃力も高くなっている・・私が、全く対応できない・・・!」
 ドルズがダメージを増して、焦りを感じていく。
「おのれ!」
 ドルズが真上に大きくジャンプして、蓮斗たちの攻撃を避けようとした。その直後、蓮斗たちは飛行して、ドルズにさらに突撃を仕掛けた。
「飛行能力まで・・これほどまで強力になっているとは・・・!」
 蓮斗たちの能力の飛躍に、ドルズが危機感をふくらませていく。
「だが、こんなことで倒れる私ではない!」
 ドルズが蓮斗たちから離れて、2本の剣を交差させた。
「くらえ!ドルズクロス!」
 彼が剣を振りかざして、光の刃を飛ばした。
「サテライトエックス!」
「M87ギャラクシー!」
 理穂が装甲から、モモが右手を前に出して光線を発射した。2人の光線がドルズの光の刃を打ち破った。
「くっ!」
 ドルズがとっさに動いて、光線を紙一重でかわした。
「Dフォースソード!」
「フューチャーセイバー!」
 悠馬と新平が光の刃を手にして、ドルズに突っ込んできた。ドルズが剣を掲げて、振り下ろされた光の刃を防ごうとした。
 しかしドルズの剣が悠馬たちの光の刃に2本とも叩き折られた。
「なっ・・!?」
 ドルズが驚いて後ずさりする。
「スーパーフォースキック!」
 蓮斗が大きくジャンプして、急降下してキックを繰り出した。
「がはぁっ!」
 ドルズがキックを受けて、強く突き飛ばされた。
「決まった!」
「すごい威力です・・!」
 新平が喜んで、モモが自分たちが発揮した力に戸惑いを覚える。
「いや、まだだ・・ダメージは大きいけど、まだ生きている・・・!」
 悠馬は緊張を解かずに、起き上がるドルズを見つめる。
「まだだ・・まだ終わりではない・・・!」
 ドルズが声を振り絞って、蓮斗たちに近づいていく。
 そのとき、上空で立て続けに爆発が起こって、ドルズが顔を上げた。ザンギャックの戦艦が全て、トリガーたちに撃墜された。
「何っ!?艦隊が!?」
 艦隊が全滅したことに、ドルズが驚きを隠せなくなる。
「これでもう決着ってとこか。」
「ザンギャックもあなただけになってしまいました。」
「アンタだけでも大人しく帰った方がいいと思うよ!」
 新平が笑みをこぼして、モモと理穂がドルズに呼びかける。
「もはや絶望的な結末しかないか・・だからといって逃げるわけにはいかない・・・!」
「この状況でそういうのは、往生際が悪いというものだよ・・」
 引き下がろうとしないドルズに、悠馬がため息をつく。
「お前を倒して、この戦いを終わらせる!」
 蓮斗がドルズを指さして言い放つ。
「スーパーフォースバスターに、今のオレたちの力を注ぎ込むんだ!」
 蓮斗が提案して、悠馬たちが頷いた。
「スーパーフォースバスター!」
 彼らがスーパーフォースバスターを構えて、ドルズを狙う。
「ハイパーフォースチャージ!」
 蓮斗たちに宿っている光が、スーパーフォースバスターに伝わって集まっていく。ドルズが折れた剣を持ったまま、彼らに向かっていく。
「ハイパーフォースバースト!」
 スーパーフォースバスターから虹色の光が放たれた。
「うあぁっ!」
 ドルズが光を浴びて絶叫を上げて、上空に跳ね上げられて爆発した。
「わわっ!」
 その直後、スーパーフォースバスターから火花が吹いた。
「オーバーヒートか・・さすがにこの大きなパワーにバスターが耐えられなかったか・・・!」
 悠馬がスーパーフォースバスターの状態を把握して毒づく。
「だけど、アイツも倒して戦いが終わったんだから・・」
 新平が気さくに言って安心を見せたときだった。爆発の光が1つに集まって、巨大なドルズが現れた。
「な、何っ!?」
「アイツも巨大化してきたのー!」
 蓮斗と理穂がドルズを見上げて驚きをあらわにする。
「みなさん、またスーパーフォースロボに乗りましょう!」
 モモが呼びかけて、蓮斗たちとともに元のフォースレンジャーに戻ってから、スーパーフォースロボに戻った。
「私は終わらない!私が全宇宙を動かすのだ!」
 ドルズがスーパーフォースロボに向かって怒鳴り声を上げる。
「アイツ、怒りと力で理性を失ってるよ!」
「あれではなおのこと倒さないといけませんね・・!」
 理穂が声を荒げて、モモが息を呑む。
「みんな、最後の勝負だ!」
 蓮斗が言い放って、スーパーフォースロボがドルズに向かっていく。ドルズが全身から稲妻のような光を放出する。
 スーパーフォースロボがビームを浴びて、胴体から火花を散らす。
「パワーだけはものすごくアップしている・・!」
「スーパーフォースロボもパワーアップさせないとな・・・!」
 悠馬がドルズの力に毒づいて、新平が言いかける。
「新しいレンジャーフォースを見つけ出す必要がある・・・!」
 蓮斗が画面を表示して、スーパーフォースロボのための力を検索する。
 ドルズが再び稲妻のビームを放つ。スーパーフォースロボがビームに押されて倒れる。
「このままではやられてしまいます・・!」
 モモが声を上げて、蓮斗たちも焦りをふくらませていく。
「お前たちは終わりだ、フォースレンジャー!」
 ドルズが体に光を宿したまま、スーパーフォースロボに突っ込んできた。スーパーフォースロボは立ち上がれず、回避が間に合わない。
 そのとき、空からまばゆい光が放たれて、ドルズがたまらず足を止めた。彼が見上げた先、蓮斗たちが向けた視線の先には、2つの金色の光が輝いていた。
「あの光は・・!?」
 悠馬が声を荒げて、蓮斗が光をよく見る。2つの光の中にいたのはトリガーとティガだった。
「トリガー!ティガ!」
「その光・・もしかしてグリッターバージョン!」
 理穂と悠馬がトリガーたちを見て声を上げる。トリガーとティガは世界の人々の光を宿した状態「グリッターバージョン」になっていた。
「邪魔を・・邪魔をするな!」
 ドルズが叫んで、トリガーたちにビームを放つ。トリガーとティガが同時にゼペリオン光線を発射して、ビームを相殺する。
「すごい威力です・・あれがグリッターバージョン・・・!」
 モモがトリガーたちの力を目の当たりにして、戸惑いを覚える。
 ドルズが再びビームを放とうとした。トリガーとティガがカラータイマーに光を集めて放出した。
「ぐあぁっ!」
 ドルズが光を送り込まれて、ダメージを負ってビーム発射を阻止された。
「みんな、オレたちの力を使ってくれ!」
 ケンゴが蓮斗たちに向かって呼びかける。
「オレたちの力を1つにすれば、どんな困難も乗り越えられる!」
「その代わり、負けたら承知しねぇからな!」
 一輝とバイスも蓮斗たちに檄を飛ばす。2人の体からも光があふれ出した。
 そのとき、空の彼方からも光が飛んできた。その光がトリガー、一輝、バイスから出た光とともにスーパーフォースロボに降り注いだ。
 次の瞬間、蓮斗たちが見ている画面に、新たなアイコンが現れた。
「これが、みんなが託してくれた新しい力・・!」
 理穂がそのアイコンを見て、戸惑いを覚える。
「ありがとう、みんな!この力、遠慮なく使わせてもらうぞ!」
 蓮斗が感謝して、悠馬たちと頷き合った。
「レンジャーフォース!」
 蓮斗が新たなアイコンにタッチした。
“ニュースピリッツ!”
 スーパーフォースロボに宿っている光が、虹色になって強く輝いた。その胴体に金色の装甲が装着された。
「スーパーフォースロボ・ニュースピリッツ!」
 スーパーフォースロボが立ち上がって、蓮斗たちが叫んだスーパーフォースロボはドンブラザーズ、リバイス、トリガー、νガンダムの力を宿した「ニュースピリッツ」となった。
「みんな、ありがとう!オレたち、必ず勝ってみせるぞ!」
 蓮斗が一輝たちに感謝して、スーパーフォースロボがドルズと対峙した。

 

 

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