ザ・グレイトバトル外伝

無双戦隊フォースレンジャー

第4章

 

 

 蓮斗たちが変身を果たして、ダマラスたちに向かって飛び出した。
「行け、ゴーミン!」
 ダマラスが命令して、ゴーミンたちが蓮斗たちに攻撃を仕掛ける。
 蓮斗たちが格闘技でゴーミンたちを打ち倒していく。ゴーミンの数人が銃を撃つが、蓮斗たちが素早くかわして反撃を当てる。
「フォースシューター・ライフルモード!」
 悠馬、理穂、モモがフォースシューターをライフルモードにして、ビームを発射してゴーミンに命中させた。
 はるかたちもドンブラスターを発射して、悠馬たちを援護する。
「ソードモード!」
 蓮斗と新平がフォースシューターをソードモードにして、ゴーミンたちを切り付けていく。
 そこへバリゾーグが現れて、蓮斗に向かって剣を振り下ろしてきた。蓮斗と新平が横に動いて回避する。
「アイツも出てきたか!」
「陛下に仇名す者は、私が処罰する。」
 勇馬が声を上げて、バリゾーグが剣を振りかざす。蓮斗がフォースシューターを掲げて、剣を受け止めていく。
 バリゾーグが独自の構えを取って、集中力を高める。
「気を付けて、蓮斗!必殺技が来るよ!」
「フォースソード!」
 理穂が注意して、蓮斗がフォースソードを手にする。バリゾーグが剣を振りかざして、光の刃を飛ばす。
「はっ!」
 蓮斗がフォースソードとフォースシューターを交差して、気合を入れる。彼は光の刃を受け止めて、2本の剣を振りかざしてはじき飛ばした。
 直後にバリゾーグが飛び込んで、剣を振りかざしてきた。蓮斗はフォースシューターとフォースソードを振りかざして、バリゾーグの剣を止めていく。
「フォースアックス!」
 新平がフォースアックスを手にして、蓮斗に加勢する。バリゾーグが気付いて、新平が振り下ろしたフォースアックスをかわした。
「パワーだけじゃなく、スピードもかなりのもんだぞ、アイツは・・!」
「そうだな・・だけどオレたちは負けないぞ!」
 新平が注意を口にして、蓮斗がバリゾーグに対して負けん気を見せる。
「陛下をお守りする戦士は私だけではない。」
 バリゾーグが蓮斗たちに向けて言った。彼らの前にもう1人の男が姿を現した。
「あれは、バスコ・・バスコ・ダ・ジョロキア・・!?」
「いや、ちょっと違う・・似たヤツがいたのか・・!?」
 蓮斗と新平が男を見て疑問を覚える。
 宇宙最大の宝を手に入れようとスーパー戦隊の大いなる力を狙ったバスコ。蓮斗たちのいる世界にも現れたが、そこでバスコは倒された。
「この者はバスコの戦闘能力を分析し、姿を模倣したサイボーグ、バスコゾーグだ。」
 バリゾーグがサイボーグ戦士、バスコゾーグを紹介する。
「我々は確実にお前たちを排除する。命が惜しければ我々に従うしかない。」
「そんな脅しを掛けられて大人しく従うほど、オレたちは臆病でも諦めがよくもないんでな!」
 警告するバリゾーグだが、蓮斗が言い返して、悠馬たちも諦めない。
「ならばお前たち全員、排除する・・バスコゾーグ、行くぞ。」
 バリゾーグがバスコゾーグとともに、蓮斗たちに向かっていく。
 バリゾーグが振りかざす剣を、蓮斗と新平がかわしていく。だが直後、バスコボーグが高速で動いて、手にした剣で蓮斗たちを切り付けた。
「があっ!」
 スーツから火花を散らして、蓮斗たちが倒れた。
「す、すごい・・!」
「強いだけじゃない・・バスコの動きそのままだ・・・!」
 新平と蓮斗がバスコゾーグの強さに毒づく。
「蓮斗!」
「お兄さん!」
 悠馬とモモが蓮斗たちに向かって叫ぶ。
「フォースバズーカ!」
「フォースアロー!」
「フォースロッド!」
 悠馬、理穂、モモがフォースバズーカ、フォースアロー、フォースロッドを手にして、ゴーミンたちを攻撃した。
「こっちだよ!」
 理穂が注意を引き付けて、フォースアローを撃った。バリゾーグが剣で矢をはじいて、バスコゾーグが理穂たちに向かっていく。
「うあっ!」
「キャッ!」
 バスコゾーグに切り付けられて、悠馬たちがうめく。
「フォースロッドリボン!」
 モモがフォースロッドからリボンを伸ばす。しかしバスコゾーグはそれをかわして、空中から剣を振りかざして光の刃を飛ばした。
「うわあっ!」
 光の刃が地面に命中して、悠馬たちが吹き飛ばされる。
「みんな・・!」
 蓮斗が力を振り絞って立ち上がる。
「アイツとはオレがやる!みんなは他の敵を!」
 一輝が呼びかけて、バスコゾーグを迎え撃つ。
「オレもやってやる!」
 バイスも意気込みを見せて、一輝についていく。
「2人とも気を付けろ!他のヤツよりも手強いと思った方がいい・・!」
 新平が注意を送って、一輝たちが頷いた。
 バスコゾーグが高速で動いて、一輝たちを突き飛ばした。
「このー!調子に乗ってんじゃねぇぞー!」
 バイスが一輝とともに体勢を整えて、不満の声を上げる。
「バイス、一気に決めるぞ!」
「おう、一輝!」
 一輝が呼びかけて、バイスが答える。バスコゾーグが2人に振り返って、ゆっくりと近づいていく。
 一輝がリバイスドライバーにセットされているレックスバイスタンプを2回倒して、オーインジェクターを回転させる。
“レックス!スタンピングフィニーッシュ!”
 一輝とバイスが足にエネルギーを集めて、同時にジャンプした。2人がスタンプの形になったエネルギーを帯びたキックを、バスコゾーグ目がけて繰り出した。
 バスコゾーグが光を宿した剣を振りかざして、一輝たちに吹き飛ばした。
「オレたちのキックが効かねぇぞ!」
「こっちも強くならないといけないみたいだ・・!」
 バイスが焦りを見せて、一輝が覚悟を決める。
“バリッドレックス!”
 彼はバイスタンプ「バリッドレックスバイスタンプ」を取り出して、起動する。
“バリバリ!”
 彼はリバイスドライバーからレックスバイスタンプを外して、バリッドレックスバイスタンプの「バリッドスキャナー」に読み込ませる。
“バリバリCome on!バリッドレックス!・・”
 一輝がバリッドレックスバイスタンプをバイスタンプゴースロットにセットして、リバイスドライバーのレバーを倒して、オーインジェクターを回転させた。
“バリバリィアーップ!”
“My name is 仮面ライダー!リバ・バ・バ・バイ・リバイ・リバイ・リバ・バ・バ・バイ・リバイ!”
 落ちてきた卵に一輝が包まれて、バイスが打撃で卵を割る。卵の中から現れた一輝のスーツは、水色を強調した装甲となっていた。
 一輝はバイスの強化形態「バリッドレックスゲノム」となった。
「世界は、オレたちが整える!」
 一輝とバイスがバスコゾーグに向かって言い放つ。
 バスコゾーグが高速で飛び込むが、一輝は体を張って突撃を止めた。
「さっきのようにはいかないぞ・・!」
 一輝はバスコゾーグの右腕を左手でつかんで、右手を握ってパンチを繰り出した。バスコゾーグが押されるが、すぐに踏みとどまる。
 バイスも加勢して、一輝とともにバスコゾーグを攻め立てる。バスコゾーグが2人の動きを読んで、ジャンプして跳び越える。
 バスコゾーグが着地と同時に、振り向き様に剣を振りかざす。光の刃が放たれて、一輝とバイスがジャンプでかわす。
 だがバスコゾーグが動きを読んで、続けて光の刃を放った。
「うあっ!」
「おわっ!」
 一輝とバイスが攻撃を受けて、地上に落下した。
「パワーは追いついても、アイツ、狙いが正確だぞ!」
「バリッドレックスでも苦戦は避けられないか・・!」
 バイスと一輝がバスコゾーグに対して焦りを感じていく。
「狙われるのが分かってるなら、真正面から行くしかない!」
「おっしゃー!どんと来いだぜー!」
 一輝が真っ向勝負に打って出て、バイスが乗る。
“バ・バ・バリ!バ・バリ!バーリバリバリ!・・”
 一輝がリバイスドライバーのレバーを2回倒して、オーインジェクターを回転させる。
“バリッドレックス!フィニフィニフィニーッシュ!”
 一輝がジャンプしたと同時に冷気が巻き起こって、バスコゾーグの足元が凍り付いた。一輝が急降下して、バスコゾーグの体にキックを当てた。
「よっしゃー!決まったー!」
 バスコゾーグが突き飛ばされて、バイスが喜んだ。しかしバスコゾーグが踏みとどまって耐えた。
「おいおい・・なんてヤツだ・・!」
「動きを止めても、一筋縄にはいかないか・・!」
 バイスが驚いて、一輝が緊張をふくらませていく。
「向こうは手こずっているようだな・・・!」
「こっちも似たような感じですけど・・・!」
 翼が2人の様子を見て毒づいて、つよしが苦笑いを浮かべる。
「こんなときに、桃井タロウがいたら・・・!」
「いくら強くても、見境のないヤツに頼るわけにいくか!」
 はるかがタロウのことを気にするが、蓮斗は不満を感じていた。
「バスコをコピーしたバスコゾーグの完成度は予測以上だったようだ。」
 そこへ1人の男が現れて、一輝たちに声を掛けてきた。
「何だ、おめぇは!?金のクモみてぇな姿しやがって!」
「やれやれ。知性の欠片もない態度と言葉だ・・」
 問いかけるバイスに、男が呆れる素振りを見せる。
「我が名はザイエン。ザンギャック所属の、宇宙最高の科学者だ。」
「う、宇宙最高!?またすごくヤバいのが・・!」
 男、ザイエンにはるかが気まずくなる。
「バリゾーグとバスコゾーグを完成させたのはこの私だ。バスコの戦闘データを入手することができて、私も満足している。」
 ザイエンがバリゾーグとバスコゾーグに目を向けて笑みをこぼす。
「お前たちについても興味があるが、敵は排除しなければならん。悪く思わんでくれ。」
「悪く思うっての!おかしなヤツとそいつが作ったロボットに出てこられたんじゃな!」
 悠然と語っていくザイエンに、バイスが文句を言う。
「バリゾーグ、バスコゾーグ、ザンギャックに歯向かう者を一掃せよ。」
 ザイエンが命令して、バリゾーグとバスコゾーグが攻撃を再開した。
「長期戦になったら、みんなやられるよ!」
「こうなったら、スーパーフォースバズーカで一気に決着をつけてやるぞ・・!」
 悠馬が焦りを噛みしめて、蓮斗がいきり立つ。
「私も戦いに出るぞ!」
 そのとき、1体の巨大ロボが現れて、蓮斗たちの前に降り立った。
「な、何だ、アイツはー!?」
 バイスがロボットを見上げて驚く。
「あれは、ワルズ・ギル様専用のグレートワルズ!?」
「陛下!あなたの手を煩わせるまでもありません!早くお戻りを!」
 バリゾーグが声を荒げて、ダマラスがワルズを呼び止める。
「私は私の意思で戦うと決めた!父上からの了承も得ている!」
「陛下・・・!」
 ワルズが言い放って、ダマラスが戸惑いを覚える。
「愚民どもを一気に殲滅する!お前たち、私に続け!」
「はっ!」
 ワルズが命令を出して、ダマラスたちが答える。
「おいおいおい!デカいのまで相手にできるかー!」
「スーパーフォースロボで戦うしかないな・・!」
 バイスが絶叫を上げて、蓮斗が焦りを噛みしめる。
「お前たちはここで死ぬしかない。」
 ザイエンが告げて、バリゾーグとバスコゾーグが剣を振りかざして、光の刃を飛ばした。
「うわあっ!」
 刃が地面に当たって爆発が起こって、蓮斗と一輝、バイスが吹き飛ばされた。
「オレたちに相手をしろっていうのかよ・・!?」
「こんなときに邪魔をして・・!」
 蓮斗と一輝がバリゾーグたちに行く手を阻まれて毒づく。
「お前たちのとどめを刺す。これで終わりだ。」
 バリゾーグが言って、バスコゾーグとともに蓮斗たちに近づいていく。
 そのとき、バリゾーグたちが突然射撃を受けて、体から火花を散らした。
「い、今のは・・!?」
 一輝が声を上げて、蓮斗、バイスとともに射撃が飛んできた方に振り向く。彼らの視線の先に、銃を構えた1人の青年がいた。
「何だかよく分からないけど、危ないところだったみたいだね・・」
 青年が蓮斗たちを見て、安心の笑みを浮かべた。
「お前は誰だ!?今、お前がアイツらに攻撃したのか!?」
 蓮斗が動揺しながら、青年に問いかける。
「オレはマナカ・ケンゴ。GUTS SELECT(ガッツセレクト)所属です!」
 青年、ケンゴが銃「GUTSスパークレンス」を構えたまま自己紹介をする。
「ガッツセレクト・・聞いたことのないチームだ・・・」
「お前も別の世界からこっちに来たのか!?」
 ケンゴの話を聞いて、悠馬が呟いて、蓮斗が問いかける。
「オレに起こった状況は分かってます。あなたはこの世界の防衛チームですか?」
「あぁ!オレは赤木蓮斗!フォースレンジャーのフォースレッドだ!」
 ケンゴが説明をして、蓮斗も答える。
「そこにいるザンギャックという軍団が、この地球を攻めてきている!」
「あたしたちはあの大きなロボと戦うから、はるかちゃんたちを援護してあげて!」
 悠馬が説明を続けて、理穂がケンゴに頼む。
「それならオレに任せてくれ!オレがアイツを止めるよ!」
 するとケンゴが笑みを見せて、自らグレートワルズと戦うことを伝える。
「アイツを止めるって・・お前、もしかして・・!」
 彼の正体に気付いて、蓮斗が戸惑いをふくらませる。
“Ultraman Trigger,Multi type.”
 ケンゴがアイテム「GUTSハイパーキー」の1つ「マルチタイプキー」を取り出して起動させる。
“Boot up,Zeperion.”
 ケンゴはスパークレンスのグリップにマルチタイプキーをセットした。彼は続けてスパークレンスを展開して、「スパークレンスモード」にした。
「未来を築く希望の光!ウルトラマン、トリガー!」
 ケンゴはスパークレンスを高らかに掲げた。
“Ultraman Trigger,Multi type.”
 彼が銀、赤、紫の体をした巨人に変身した。光の巨人、ウルトラマントリガー。その基本形態である「マルチタイプ」である。
「む!?何だ、貴様は!?ロボットではないな!?」

 ワルズがトリガーに向かって問いかける。
「オレの名はトリガー!ウルトラマントリガーだ!」
 トリガーの中にいるケンゴが名乗りを上げる。
「またおかしやヤツが現れたか!だが我らの邪魔をするならば、誰だろうと処刑するのみ!」
「この世界を襲うお前たちは、オレが止める!」
 あざ笑うワルズにケンゴが言い放つ。
「ワルズ・ギル様、皇帝陛下の命令により、あなたに加勢いたします!」
 そのとき、巨大化した兵士、ドゴーミンが2人現れて、ワルズに声を掛けてきた。
「いいだろう。だが私の足を引っ張るなよ!」
「はっ!」
 ワルズが了承して、ドゴーミンたちが答えた。
「行け、ドゴーミン!」
 ワルズの命令でドゴーミンたちがトリガーに飛びかかる。ドゴーミンたちが持っていた槍を振りかざして、トリガーが彼らの横をすり抜けてかわす。
 ドゴーミンの1人が振りかざした槍を、トリガーが柄をつかんで止める。その隙を狙って、もう1人のドゴーミンが槍を突き出した。
「うわっ!」
 トリガーが後ろから突き飛ばされて、ケンゴがうめく。倒れて転がるトリガーに向けて、ドゴーミンたちが槍を重ねてビームを発射した。
 ビームの爆発に押されるも、トリガーは空中で体勢を整えて着地した。
「速い攻撃だ・・2人の連携もうまい・・・!」
「いいぞ、お前たち!」
 ケンゴがドゴーミンの攻撃と連携を痛感して、ワルズが感心する。
「だったらこっちもスピードを上げる・・!」
 思い立ったケンゴがGUTSハイパーキーの1つ「スカイタイプキー」を取り出した。
“Ultraman Trigger,Sky type.”
“Boot up,Runboldt.”
 ケンゴはスパークレンスのグリップにスカイタイプキーをセットした。
“Ultraman Trigger,Sky type.”
 トリガーの体の赤が紫に統一された。彼はスピードに重点が置かれた「スカイタイプ」に変身した。
「天空を駆ける高速の光!」
 ケンゴが言い放って、トリガーが構えを取る。
「姿が変わっただと?」
「そのような小細工、我々に通じると思わないことだ。」
 ドゴーミンたちがあざ笑って、再び槍を交差させてビームを発射した。
 トリガーが素早くジャンプしてビームをかわした。ドゴーミンたちが連続でビームを放つが、トリガーはその全てをかいくぐる。
 スカイタイプとなったトリガーは、マルチタイプを上回るスピードと飛行を披露していた。
「すばしっこいヤツだ!」
「だがいつまでも逃げられると思わないことだ!」
 ドゴーミンたちが毒づいて、トリガーを追いかける。2人が振り下ろす槍も、トリガーは素早くかわした。
「行くぞ!ランバルト光弾!」
 ケンゴが言い放って、トリガーが両腕を組んでから上に上げてエネルギーを集める。彼が両手を左腰に動かして、右手を伸ばして光の球を放った。
 ドゴーミンたちが槍からのビームで迎え撃つが、光の球に押し切られた。
「ぐあぁっ!」
 ドゴーミンの1人が光の球を受けて、倒れて爆発した。
「お、おのれ!」
 もう1人のドゴーミンがいら立って、槍を構えた。
「えーい、もういい!そこをどけ!」
 ワルズがしびれを切らして、グレートワルズがトリガーに向かっていく。
「あの程度の動き、グレートワルズならば十分に捉えられる!」
 ワルズが言い放って、グレートワルズが左腕を構えてエネルギーを集中させる。
「受けよ、ワルズアロー!」
 グレートワルズが左手から光の矢を連続で発射した。トリガーがジャンプしてかわすが、グレートワルズが立て続けに射撃を放つ。
「うわっ!」
 トリガーが光の矢を当てられて落下し、ケンゴがうめく。地上に落ちたトリガーに向けて、グレートワルズがさらに光の矢を放つ。
「サークルアームズ!」
 トリガーが横転して光の矢をかわすと同時に、ケンゴが万能武器「サークルアームズ」を手にして、弓矢の「スカイアロー」に変形させた。
“Sky arrow.”
 彼はスパークレンスからスカイタイプキーを外して、スカイアローのスロットにセットした。
“maximum boot up,Sky.”
 トリガーも同様にスカイアローを手にして構えた。
「このグレートワルズと弓勝負をしようとは、笑止千万!ハチの巣にしてくれるわ!」
 ワルズが言い放って、グレートワルズが左手から光の矢を放つ。トリガーもスカイアローから光の矢を連射して、グレートワルズの射撃と相殺していく。
“Runboldt arrow storike.”
 トリガーが構えたスカイアローにエネルギーが集まっていく。
「フン!グレートワルズの武器はそれだけではない!」
 ワルズが言い放って、グレートワルズが彼の顔の形をした胸部にエネルギーを集める。
「くらえ、ワルズギルティ!」
 グレートワルズが胸部から光線を放つ。トリガーも同時にスカイアローから光の矢を放った。
 光の矢が一瞬食い込んだが、光線によって打ち砕かれた。
「うわあっ!」
 トリガーが光線を浴びて、ケンゴが激痛を覚えて叫ぶ。トリガーがエネルギーを消耗して、胸にある「カラータイマー」が青から赤になり点滅を始めた。
「この攻撃を跳ね返さないと・・・!」
 ケンゴが光線に耐えながら、打開の糸口を探る。
「今度はパワーで・・!」
 彼はGUTSハイパーキーの1つ「パワータイプキー」を取り出した。
“Ultraman Trigger,Power type.”
“Boot up,Deracium.”
 ケンゴはスパークレンスのグリップにパワータイプキーをセットした。
“Ultraman Trigger,Power type.”
 トリガーの体が赤と黒の鎧のような形になった。彼はパワー重視の「パワータイプ」になった。
 力を高めたトリガーが光線に耐えながら、両腕を動かして手にエネルギーを集めていく。
「デラシウム光流!」
 トリガーはエネルギーを熱を帯びた光の球にして、右手で投げつけた。光の球がグレートワルズの光線を突き抜けていく。
「バカな!?このワルズギルティを打ち破るなど!?」
 ワルズが驚きの声を上げて、グレートワルズが飛翔して光の球をかわした。
“Power claw.”
 ケンゴとトリガーがサークルアームズの爪の形状の「パワークロー」に変形させた。
“maximum boot up,Power.”
 ケンゴがパワークローのスロットにパワータイプキーをセットした。
“Deracium claw impact.”
 トリガーがパワークローを地面に突き立てて、赤い衝撃波を放出する。
「うおっ!」
 グレートワルズが衝撃波で舞い上げられて、ワルズがうめく。
「ワルズ・ギル様!」
 ドゴーミンが叫んで、トリガーに向かっていく。グレートワルズが仰向けに倒れて、トリガーがパワークローを地面から引き抜いた。
 そのとき、空から大量のビームが降り注いで、地面に当たって爆発した。トリガーとドゴーミンが巻き込まれて、爆発で跳ね上げられる。
「な、何だ!?」
 ケンゴが声を荒げて空を見上げる。巨大なメカが翼をはばたかせながら、トリガーたちの前に現れた。
「何者だ、貴様!?名を名乗れ!」
 ワルズがメカに向かって呼びかける。しかしメカ、ヴェイガンギア・シドからの反応はない。
「無礼者が・・僕が命令しているのに、無視するつもりか!」
 ワルズが不満をあらわにして、グレートワルズが光の矢を連射する。ヴェイガンギア・シドが飛翔して光の矢をかわして、翼から大量のビームを発射した。
「おわっ!」
 ビームが地面に当たった爆発にグレートワルズが押されて、ワルズが叫ぶ。
「あのロボットの味方ってわけじゃないけど、見境がない・・早く止めないと・・!」
 ケンゴがヴェイガンギア・シドに対して危機感を持って、トリガーが向かっていく。しかしトリガーの体力が少なくなり、カラータイマーの点滅が早まっていく。
「しまった・・時間がない・・!」
 ケンゴが思うように動けず、トリガーがふらつく。
「せめて、アイツの攻撃を止めるくらいは・・・!」
 ケンゴが力を振り絞って、スパークレンスにマルチタイプキーをセットした。
“Ultraman Trigger,Multi type.”
“maximum boot up,Multi.”
 トリガーがマルチタイプに戻って、サークルアームズを剣「マルチソード」にした。
“Zeperion sword finish.”
 トリガーがヴェイガンギア・シドに向かってジャンプして、マルチソードを振り下ろす。しかしヴェイガンギア・シドがはばたかせた翼に叩かれてはじき返された。
「うわあっ!」
 ケンゴが絶叫を上げて、地上に落ちたトリガーが力を使い果たして、光が散るように消えた。

 ケンゴに助けられた蓮斗と一輝、バイスがバリゾーグ、バスコゾーグに対して反撃に出ていた。
「気を抜くわけにはいかない!全力を出さないと!」
「よっしゃー!オレたちの戦いはここからだぜ!」
 一輝が呼びかけて、バイスが意気込みを見せる。一輝がバイスタンプ「ローリングバイスタンプ」を取り出した。
“オレッチ・スイッチ・ワンパンチ!”
 彼はローリングバイスタンプを起動させて、リバイスドライバーのオーインジェクターに押印した。
“Come on!バ・バ・バ・バイス!・・”
 一輝がローリングバイスタンプをリバイスドライバーにセットした。
“Rollng!バイ・バイ・バイ・バイス!・・”
 彼はリバイスドライバーのレバーを倒して、オーインジェクターを回転させた。
“バイスアップ!”
“ガッツリ・ノットリ・クロッヌリ!”
“仮面ライダー・リバーイス!”
“バイス・バイス・バイス!”
 バイスがリバイスドライバーの中に入り込むと、リバイのスーツが漆黒なものとなった。人格も一輝ではなくバイスが表に出ていた。
「へへへへ・・沸騰してきたぜ!」
 仮面ライダージャックリバイスに変身して、バイスが不気味な笑みを浮かべる。
「一輝、大丈夫か?・・バイスなのか・・!?」
 蓮斗がジャックリバイスの様子を気にして声を掛ける。
「おう!一輝はちゃんといるし、表にも出られるぜ!」
「そうか・・暴走とかじゃないみたいだな・・」
 バイスが説明して、蓮斗が安心する。
「また姿を変えたか。だが小細工は通用しないぞ。」
 バリゾーグは動じることなく、バスコゾーグとともに蓮斗たちに近づいていく。
「オレっちはそんな回りくどい戦いはしねぇぜ!」
 バイスが強気に言い返して、バリゾーグたちを迎え撃つ。
 そのとき、ヴェイガンギア・シドの放つビームが飛び込み、蓮斗たちが爆発に巻き込まれる。
「あれは!?」
「おいおい!また物騒なロボットが出てきたぞ!」
 蓮斗が声を荒げて、バイスがヴェイガンギア・シドを見て驚く。
「ケンゴは、トリガーはどうしたんだ!?」
 蓮斗がトリガーがいなくなったことに気付いて、周りを見回す。
「みんな・・!」
 ケンゴが蓮斗たちのところへ戻ってきた。トリガーへの変身が解けて、彼は疲弊してふらついていた。
「ケンゴ!」
 蓮斗がケンゴに駆け寄って支える。
「ゴメン・・あのメカが乱入してきて・・・!」
「エネルギー切れで元に戻ってしまったのか・・・!」
 ケンゴが謝罪して、蓮斗が彼の状況を把握する。
「後はオレたちに任せてくれ!ケンゴは安全なところで休んでいてくれ!」
「でも、それだとみんなが・・・!」
 蓮斗が指示を出すが、ケンゴは彼らを心配する。
「オレたちはそう簡単にはやられないって。」
「どうしても行くのでしたら、少し体を休めてからのほうがいいと思います。ムリをしすぎると取り返しのつかないことになってしまいます。」
 新平も声を掛けて、モモがケンゴをなだめる。
「みなさん・・・分かりました!オレも回復したらすぐに戻りますので!」
 ケンゴが聞き入れて、蓮斗たちから離れた。
「司令官、フォースマシンを!」
“分かった!フォースマシン、発進!”
 悠馬が呼びかけて、仙太郎が応答した。本部からフォースジェット、フォースドリル、フォースタンク、フォーストレーラー、フォースウィングが発進した。
 蓮斗たちがフォースマシンに乗り込んで、グレートワルズとヴェイガンギア・シドに向かっていく。
「無双合体!」
 蓮斗が呼びかけて、フォースジェット、フォースドリル、フォースタンクが合体する。
「完成、フォースロボ!」
 まずフォースロボが合体を果たした。
「超無双合体!」
 続けてフォーストレーラーとフォースウィングがフォースロボと合体した。
「完成、スーパーフォースロボ!」
 スーパーフォースロボがグレートワルズたちの前に現れた。

 

 

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