ザ・グレイトバトル
-感情の力-
第14章
巨大化の力を自らに掛けて巨大化したアキト。フォースたちが彼の前に並んで、構えを取った。
「オレは・・オレはお前たちを粛正する・・・!」
アキトが声を振り絞って、フォースたちに向かって歩を進める。
「ギョダーイの力を使って巨大化したのに、理性を失っていない・・!?」
「それだけ強い精神力を持っているというのか・・!?」
鎧と透真がアキトの様子を見て言いかける。
「私たちが予想していたよりも厄介になったということか・・・!」
「それでもオレたちがやるべきことは1つだ!」
「アイツを全力で止める!あの暴走しているパワーを!」
つかさが毒づいて、カツミとコウが言い放つ。
「アキト、お前を追い込んだ上層部は、オレたちとともにお前や宇宙人たちに粛清された・・だけど今は違う・・過ちを繰り返さないようにする人間が、今の上層部にはいる!」
ハルキがアキトに向けて、今の防衛隊について言いかける。
「そんな言葉で、オレが考えを変えると思っているのか!?・・その新しい人間も、愚か者を正そうとも止めようともせずに野放しにしてきた連中に過ぎない・・ならばヤツらも、粛清の対象だ・・!」
「アキト・・お前・・・!」
それでも信じようとしないアキトに、ハルキが感情を揺さぶられる。
「お前たちも全員、オレが正す・・オレがやらなければ、世界は愚かなまま変わらない!」
「まるで自分が神様みたいな言い草だな・・」
怒鳴りかかるアキトに、魁利が呆れた素振りを見せた。
「オレたちもアンタも人間だ。絶対に神様にはなれないよ。もしなれるんだったら、オレたちはすぐにでも大切なものを取り戻していたさ。」
「我々は何でもできるわけではない・・間違いもすれば失敗もする・・・!」
「大切なのは間違いに気付いて繰り返さないこと、そして取り返しのつかないことをしないことだよ!」
魁利、圭一郎、ノエルが呼びかける。彼らは自分たちの過去や経験を思い返して、大切なことを感じていた。
「間違いを繰り返しているのも、取り返しのつかないことをしているのも、お前たちのほう・・己の過ちを棚に上げて、愚か者と同じくオレを追い込もうとは!」
アキトは魁利たちの思いにも反発して、握りしめた右手を振りかざす。
「ぐっ!」
フォースが殴り飛ばされて、ハルキとともにうめく。フォースが空中で踏みとどまって、アキトに視線を戻す。
「アキト、お前の言う愚か者が反省して立ち直るのを見届けようとも思わないのか・・・!?」
ハルキがアキトに対して、さらなる怒りを噛みしめていく。
「愚かな世界がさらに愚かになるのを見届けるつもりはない・・オレがこの手で確実に正す!」
「そこまで言い張るなら、オレたちやみんなの思いに耳を傾けようともしないなら、オレが、オレたちがお前を止める!」
敵意をむき出しにするアキトに、ハルキが言い放つ。アキトへの怒りを感じながらも、ハルキはそれに囚われることなく、自分を貫こうとしていた。
「行くぞ、フォース!」
「分かった!」
ハルキが呼びかけてフォースが答える。フォースが先行してアキトに飛びかかって、急降下のキックを繰り出した。
アキトが足を振り上げて、フォースのキックを上に蹴り上げた。アキトが続けて足を振りかざして、フォースにキックを当てた。
「ぐっ!」
「フォース!」
フォースがうめいて、カツミが叫ぶ。キシリュウオーとグッドクルカイザーがアキトに向かって加速する。
キシリュウオーがナイトソードとナイトランスを、グッドクルカイザーを右腕のブレードを振りかざす。アキトは身をかがめてかわして、両手を突き出す。
「ごあっ!」
キシリュウオーとグッドクルカイザーがアキトの打撃を胴体に受けて、突き飛ばされて地面に倒れる。
「アイツ、あの状態のようなパワーを出してきてる・・!」
「また厄介なことになったものだ・・・!」
マーベラスとジョーがアキトの状態を確かめて毒づく。
「たとえ相手が誰だろうと、どんな状態だろうと、向かってくるなら全力でぶつかるのみ!」
ドモンが言い放って、ゴッドガンダムがアキトに突撃していく。
「ばぁぁく熱!ゴッドフィンガー!」
ゴッドガンダムが熱エネルギーを集めた右手を突き出す。アキトが黒いオーラを右手に集めて、パンチを出して迎え撃つ。
ゴッドガンダムの右手がアキトのパンチを受け止めた。ところがアキトのパンチを押さえ切れず、ゴッドガンダムが押し返された。
「ごあっ!」
ゴッドガンダムが突き飛ばされて、地面を削るように激しく転んだ。
「ぐっ・・ゴッドフィンガーが、効かない!?」
アキトの力を痛感して、ドモンが毒づく。
「単純に巨大化したというだけでない・・それ以上の大幅なパワーアップを果たしている・・・!」
アキトが今の自分を確かめて笑みをこぼす。
「行くぞ、お前たち!同時攻撃だ!」
ショウが呼びかけてカツミ、イサミ、ヒカルが頷いた。
「フレイムスフィアシュート!」
「アクアストリューム!」
「ギンガクロスシュート!」
「ビクトリウムシュート!」
ロッソ、ブル、ギンガ、ビクトリーが四方に別れて、アキトに向かって光線を放つ。アキトが足を上げて回転して、回し蹴りで光線を全てはじき飛ばした。
アキトは体を回転したまま動いて、ロッソたちにキックを命中させた。
「うあっ!」
ロッソたちが突き飛ばされて地面を転がる。着地したアキトがひと息ついて、倒れているロッソたちを見下ろす。
「オレたちの光線を、こうも簡単に・・・!?」
アキトの力を痛感して、ヒカルが危機感を覚える。
「ここは力を合わせるぞ、ヒカル!」
「ショウ・・分かった!」
ショウが呼びかけて、ヒカルが笑みを浮かべて頷いた。
「見せてやるぜ、オレたちの絆!」
2人が言い放って、それぞれビクトリーランサーと左腕に付けている「ウルトラフュージョンブレス」を構える。
「ウルトラタッチ!」
2人がジャンプしてビクトリーランサーとウルトラフュージョンブレスを合わせる。
「ギンガー!」
「ビクトリー!」
ヒカルとショウの結束で、ギンガとビクトリーが合体を果たした。
「ギンガビクトリー!」
2人が合体した戦士、ウルトラマンギンガビクトリーがアキトの前に降り立った。
「あの2人も合体できるんだ・・!」
「オレたちもやるぞ、イサミ!」
戸惑いを覚えるイサミに、カツミが呼びかける。
“キワミクリスタル!”
カツミがキワミクリスタルのスイッチを手にして、ルーブジャイロにセットした。
「まとうは極み!金色の宇宙!」
カツミがルーブジャイロを掲げて、ロッソとブルが合体してルーブとなった。
「合体ウルトラマンが2人現れた・・!」
ハルキがルーブとギンガビクトリーを見て、戸惑いを感じていく。
「フォース、ガンダムと合体しましょう!」
ナツがフォースとハルキに向かって呼びかける。
「もう1つ合体データがあるの!真正面から攻撃するだけが、止めることだけじゃない・・!」
「真正面以外から?・・スピード・・もっと別の・・・!?」
ナツの説明を聞いて、ハルキが疑問を感じていく。
「今は賭けるしかない・・そのもう1つのデータに・・・!」
「行くぞ、ハルキ、ナツくん!」
ナツの思いをハルキが受け止めて、フォースが呼びかける。ハルキがフォースブレスの画面をスライドして、新たなマークを表示した。
「ニューフォースアーマー!」
フォースガンダムが新たな形へと変形して、フォースの体に装着された。
フォースが装着したのは「ニューフォースアーマー」。背中には大小の端末「フォースファンネル」があり、フォースの念力によって遠隔操作されてビームを放つことができる。
「これは、ファンネルなのか!?・・ナツは、ファンネルを動かせるのか・・!?」
「いや、これは私が操ることになる。ウルトラ戦士は超能力を持った者も多く、武器や装備を飛ばして操る者もいる。私も練習のみだが、その操作をした経験はある。」
ハルキが口にした疑問に、フォースが答えた。
「フォース・・オレも力になれるなら・・・!」
「私もファンネルは使ったことはないけど、できる限りのことは・・・!」
ハルキとナツがフォースに協力しようとする。
「ありがとう、2人とも・・ではいくぞ!」
フォースは感謝をして、アキトに向かって近づいていく。
「また違うアーマーを身に着けたところで、オレに勝てると思っているのか・・!」
アキトが声を振り絞って、体から出ているオーラを手に集中させる。
フォースとアキトが同時にパンチを繰り出す。アキトのパンチとぶつかった瞬間、フォースの拳から光の粒子があふれ出した。
「この光、このアーマーの力なのか・・!?」
ハルキがその光を見て戸惑いを覚える。
「私の力にこのアーマーの力が混じり合ってのものかもしれない・・・!」
フォースがこの光について考える。パンチの衝突が相殺されて、彼とアキトが離れる。
アキトが全身に力を込めて、黒いオーラを弾丸のようにして連射する。
「フォースファンネル!」
フォースが背中にあるフォースファンネルを思念を送って操作して放つ。フォースファンネルからビームが放たれて、黒い弾丸をかき消した。
アキトがオーラを右手に集中させて、フォースに向かって飛びかかる。
「ビームバリアー!」
フォースがフォースファンネルを操作する。フォースファンネル同士がビームをつなげて、フォースを取り囲む光の壁を形成した。
アキトが繰り出したパンチが、フォースファンネルの光の壁に止められた。
「ぐっ!」
アキトが光の壁を破れず、逆に突き飛ばされた。
「バカな!?・・今のオレの力を、こうも簡単に止めるなど・・・!」
自分の力が通じないことに、アキトが驚きをふくらませる。
「フォースファンネル!」
フォースがフォースファンネルを動かして、アキトを光の壁で閉じ込めた。
「やった!捕まえたぞ!」
コウがアキトを見て声を上げる。
「お、おのれ!」
アキトがいら立ちをふくらませて、光の壁を叩く。しかし壁を破れず、彼は外へ出ることができない。
「このアーマーの力は、光のエネルギーと精神力を集中させることで発揮される。今のこの力は、私だけの力ではない。」
フォースがニューフォースアーマーの能力について語る。ニューフォースアーマーはフォース自身の力だけでなく、ハルキやナツ、他の人の精神力を力に変えることができるのである。
「そんなことで、オレを止められるわけがない・・オレはこの世界にいる全ての愚か者を正そうとしている・・その意思が、この世界に負けるなどありえない・・!」
アキトが怒りをふくらませて、パンチを連続で繰り出す。しかし光の壁を破ることができず、ジャンプしてキックを繰り出すこともできない。
「諦めろ、アキト。今ならばやり直すことができる。」
「ふざけるな・・この愚かな世界で愚か者の言いなりになるくらいなら、死んだほうが確実にいい・・!」
フォースが説得を呼びかけるが、アキトは攻撃の手を止めない。
「だがオレは死にもしない・・この世界に正しさを取り戻すまでは!」
声を張り上げるアキトから、黒いオーラがあふれ出した。オーラが光の壁に接触して、電気のような火花を巻き起こす。
「オレは、こんなところで立ち止まるわけにはいかないのだ!」
怒号とともにさらにオーラを放出するアキト。光の壁に寄ってオーラは食い止めれていたが、壁を展開しているフォースが、エネルギーを消耗していく。
「みんな、とどめを刺してもいい!アキトを攻撃するんだ!」
ハルキが焦りを覚えて、コウたちに呼びかける。
「分かった!行くよ、みんな!」
コウが呼びかけて、メルトたちとともにリュウソウケンを構える。
「ファイブナイツ・アルティメットスラッシュ!」
キシリュウオーがアキト目がけて斬りかかる。その瞬間にフォースが光の壁を解除した。
アキトはその直後に上にジャンプして、キシリュウオーの攻撃をかわした。
「まずはお前だ・・確実に仕留める・・!」
アキトが右足にオーラを集めて、フォースに向かってキックを繰り出した。フォースがフォースファンネルを使って、光の壁を作り出して、キックを防いだ。
だが光の壁が押されて、亀裂が入った。
「何っ!?」
ニューフォースアーマーの力が押されて、ハルキが驚きを覚える。その間にもアキトのキックに、オーラが注ぎ込まれていた。
ついにフォースの光の壁が、アキトのキックに打ち破られて、ガラスが割れるように砕けた。
「ぐあぁっ!」
フォースがキックを体に受けて、大きく突き飛ばされた。
「うあっ!」
「キャッ!」
ハルキとナツも衝撃を受けて悲鳴を上げる。
「フォース!」
倒れたフォースにカツミが叫ぶ。
「オレたちも攻撃だ!」
ヒカルが呼びかけて、ウルトラフュージョンブレスのディスクを回した。ディスクにはウルトラ戦士の顔が描かれていて、その戦士の力を使うことができる。
「ウルトラマンネクサスの力よ!」
ヒカルがウルトラフュージョンブレスに、ウルトラマンネクサスを表示させる。
「オーバーレイシュトローム!」
ギンガビクトリーが両腕をL字に組んで、光線を放つ。その瞬間、彼の隣にネクサス・ジュネッスの幻影が現れて、同じ動きを取る。
「ルービウム光線!」
ルーブも両腕を十字に組んで、光線を放つ。2人の光線が命中して、アキトが押される。
アキトは空中で体勢を整える。彼は光線を直撃されても平然としていた。
「フォースのあの力で押さえ込まないと、アイツを止められないのか・・!?」
カツミがアキトの力を痛感して、危機感をふくらませる。
「オレは誰にも止めることはできない・・お前たちの愚かさが、オレを突き動かすのだから・・!」
アキトが声を振り絞って、再び大きくジャンプしてキックを繰り出した。
「ウルトラマンガイアの力よ!」
ヒカルがウルトラフュージョンブレスのディスクを回して、3人のウルトラマン、ティガ、ダイナ、ガイアを表示させた。
「フォトンエッジ!」
ギンガビクトリーが額から光を放つ。彼の隣に現れたガイアの幻影も、同じ動きをする。
「ルーブ・ボルテックバスター!」
ルーブがルーブコウリンを手にして振りかざして、虹色の光を放つ2人の光がぶつかるが、アキトのキックは光を押し込んでいく。
「おわっ!」
ルーブとギンガビクトリーが蹴り飛ばされて、地面に叩きつけられた。
「ルーブ!」
「ギンガビクトリー!」
コウとドモンがルーブたちに向かって叫ぶ。アキトがベルトからオーラを放出して、キシリュウオーたちも吹き飛ばす。
「うあっ!」
コウたちが衝撃に襲われてうめく。アキトのオーラは彼の周囲にも飛び火していた。
アキトの攻撃は、フォースたちの戦いを見ていたライたちも巻き込んだ。爆発に押されて、彼らは地面を大きく転がっていた。
「フォースたちがピンチだっていうのに、オレたちは何もできないのか・・!?」
「あの巨大な姿だ・・せめて同じ大きさになるか、メカに乗らない限りは、私たちに太刀打ちすることはできない・・!」
ライと聖也が加勢できないことに、焦りをふくらませていく。
「大きくなる能力かアイテムはないの!?」
「大きくなれる仮面ライダーは知っているけど、そのライダーのソウルは持っていない・・・!」
ソウゴが問いかけて、ライが深刻さを込めて答える。ライは巨大化が可能な仮面ライダーを知っているが、そのライダーの力を宿したライダーソウルを持っていない。
「こうなったら、この大きさのままでも・・・!」
「いくらなんでも、それはムチャというもの。踏みつぶされるだけだ。」
鋭く言いかけるノゾムに、ウォズが呆れた素振りを見せる。
「これ以上ヤツにいい気にさせてたまるか・・絶対にオレが叩きつぶす・・・!」
ノゾムは聞かずに1人でアキトに立ち向かおうとする。
「オレも行く・・このまま何もしないで、ハルキたちがやられるのを黙って見ているわけにはいかない・・!」
「それならオレも・・オレだってやってやる!」
ライとソウゴもノゾムに続いて、アキトに挑もうとする。
「おぉ、すばらしき我が魔王。巨大な敵にも臆せず立ち向かうその勇気、感服する・・」
「そんなことを言っていないで止めろ。ライくんたちが本当に踏みつぶされてしまうぞ。」
ソウゴを称賛するウォズに、聖也が注意する。
「それも困る・・我が魔王の未来が・・・」
「コイツの言うことを気にしていてはキリがない・・」
1人で悩んで右往左往するウォズに、ゲイツが呆れる。
「とにかくオレはやるよ!ハルキたちを助けなくちゃ!」
ソウゴがフォースたちを助けようと奮起して、ライとノゾムも同意した。
そのとき、ライとソウゴの身に付けているクロスドライバー、ジクウドライバーから光があふれ出した。
「な、何だ!?」
「ベルトが光ってる・・どうなっているんだ!?」
ライとソウゴがそれぞれのドライバーを見つめて、驚きを覚える。光は2人の体全体に広がっていく。
「ど、どうしたんだ、一体!?」
動揺をふくらませていくライ。彼とソウゴの体がだんだんと大きくなっていく。
「ライくんたちが大きくなった!?・・ライダーソウルやライドウォッチを使っていないのに・・!?」
聖也がライたちを見て驚きをふくらませていく。ライとソウゴはフォースたちと同じくらいの大きさになった。
「おおー!オレたちも大きくなったぞー!」
「だけど、何がどうなってこんなことになったんだ・・・!?」
ソウゴが喜びの声を上げて、ライがさらに動揺する。2人ともなぜ自分たちが大きくなったのか分かっていない。
「祝え!今、我が魔王、ジオウとその双璧を成す仮面ライダークロスが、不思議な力により巨大となった!これも魔王の覇道の1つとして、これからの歴史に刻まれることとなろう!」
ウォズが高らかにソウゴに向けて祝福を送る。
「くだらん・・ついていけないな・・・」
彼の振る舞いにゲイツが呆れ果てていた。
「何だかよく分かんないけど、これで行ける気がする!」
ソウゴが笑みをこぼして、ライと頷いてアキトに目を向ける。
「仮面ライダーも大きくなったのか・・それでオレを止められると思うな・・・!」
アキトが鋭く言って、また黒いオーラを発する。
「ライ、ソウゴ・・助かった・・・!」
フォースが立ち上がって、ハルキが安心の吐息をついた。
「再びフォースバリアーで彼を封じ込められるか・・!」
「やるしかない・・みんな必死に戦っているのに、アキトを止められないなんて言い訳はできない・・!」
フォースが言いかけて、ハルキが呼びかける。
「何か・・何か他にいい方法があれば・・・!」
ナツが打開の糸口を探って、フォースガンダムのコンピューターを操作する。彼女は新しいアーマーのデータを見つけようとしていた。
「行くぞ、みんな!彼をGフォースの基地から引き離すぞ!」
「ここからがホントの戦いってヤツだ!」
レオが呼びかけて、マーベラスが笑みをこぼす。ルーブたち、キシリュウオー、グッドクルカイザーも立ち上がる。
「誰が何をしようと、オレはこの世界を正す・・それだけだ!」
アキトが言い放って、ライとソウゴに向かって歩き出す。ライたちもアキトを迎え撃って、パンチをぶつけ合う。
「おわっ!」
ライとソウゴが体勢を崩してふらつく。2人はアキトの反撃をかろうじてかわした。
「どうなってるんだ!?いつもと体の感じが違う・・!」
「これが、巨大になるということなのか・・!?」
ソウゴとライが自分の体感に違和感を覚えて、動揺していく。
「重力だ!大きくなったことで体に受ける重力への抵抗力も変わっている!」
聖也がライたちの状態について推測する。
「だがあの2人のことだ。すぐに慣れるだろう・・」
ゲイツがライたちを見て、冷静に告げる。ライとソウゴは自分の体を確かめて、今の体感をつかんでいく。
「よーし!今度こそ大丈夫!」
「なかなかやるな、お前たち!その調子で体を慣らしていくんだ!」
意気込みを見せるソウゴにど、ドモンが呼びかける。
「長引かせても不利になるだけだ・・ウルトラマンの活動に限界があるし、オレたちもいつまでこの大きさになれるか分からない・・!」
「そうだね!必殺技に全力を注ごう!」
ライとソウゴが声を掛け合う。ライがクロスタイフーンを回転させて、ソウゴがジオウライドウォッチUのスイッチを入れてジクウサーキュラーを回転させた。
“ライダースマッシュ・カメーン!”
“フィニッシュターイム!”
足に光を集めたライとソウゴが大きくジャンプする。
「フォースファンネル!」
フォースがフォースファンネルを放って、アキトを包囲する。フォースファンネルから発射されたビームを受けて、アキトが体勢を崩す。
「カメンクロスキック!」
「ジオウライダーキック!」
ライとソウゴがキックを繰り出して、アキトに命中させた。アキトが押されるが、オーラを放出して踏みとどまる。
「倒れない・・・オレは倒れないぞ・・!」
アキトが声を振り絞って、両手を握りしめて突き出した。彼の両手のパンチを受けて、ライとソウゴが突き飛ばされた。
「フォースバリアー!」
フォースがフォースファンネルを展開して、再び光の壁でアキトを取り囲んだ。
「絶対に逃がさないぞ、アキト!」
「ハルキ、お前・・・!」
言い放つハルキに、アキトがいら立ちをふくらませていく。アキトがオーラを放出して、強引に光の壁を破ろうとする。
「みんな、今のうちにエネルギーを溜めるんだ・・!」
フォースがフォースバリアーにエネルギーを集中させながら、コウたちに呼びかける。フォースはバリアーで時間稼ぎをして、バリアーを解いた瞬間にコウたちにアキトを攻撃させようとしていた。
「早くしてくれ・・エネルギーが少なくなってきた・・・!」
ハルキも声を振り絞って、意識を集中する。フォースのカラータイマーが点滅を始めた。
「みんな、持てる力を集めて、ヤツに一気に叩き込むぞ!」
「はい!」
レオの呼びかけにカツミたちが答えた。
「ド派手にやってやるぜ!」
マーベラスが言い放って、豪獣ゴーカイオーも構えを取る。
「アストラ、行くぞ!」
「分かった、レオ兄さん!」
レオとアストラが声を掛け合って、両手にエネルギーを集めていく。2人はより強力なウルトラダブルフラッシャーを放とうとしていた。
「オレのこの手が真っ赤に燃える!勝利をつかめと轟き叫ぶ!」
ドモンがゴッドガンダムとともに、右手を握りしめて力を蓄える。
“高まれ、究極の力!”
カツミがキワミクリスタルをルーブコウリンにセットして、イサミとともに意識を集中する。
(何か・・何か勝利につながるデータを見つけないと・・・!)
ナツも必死にフォースガンダムの新しい合体データを見出そうとする。フォースの力が足りなくなって、光の壁がアキトのオーラに押し破られた。
「今だ!みんな撃て!」
ハルキがカツミたちに向かって叫ぶ。
「シン・ボルテックバスター!」
「ウルトラマンゼロの力よ!ワイドゼロショット!」
「ウルトラダブルフラッシャー!」
「キシリュウオー・ファイナルキャノン!」
「グッドクルカイザー・ビーグルバーストマグナム!」
「ゴーカイ電撃ドリルスピン!」
「石破天驚拳!」
ルーブ、ギンガビクトリー、レオ、アストラ、キシリュウオー、グッドクルカイザー、豪獣ゴーカイオー、ゴッドガンダムがそれぞれの必殺技を、アキト目がけて解き放つ。
「フォースブレイカー!」
アキトがオーラを集めた右足を振りかざして、ルーブたちの攻撃を打ち砕いた。
「そんな、バカな・・・!?」
この瞬間に目を疑って、イサミが愕然となる。アキトがさらに右足を振りかざして、オーラを光の球に変えて放つ。
「おわあっ!」
ルーブたちが光の球の爆発に巻き込まれて、カツミたちが絶叫を上げる。ルーブ、ギンガビクトリー、レオ、アストラが一気にエネルギーを消耗して、カラータイマーが点滅していた。
「これだけの力を結集させても、ヤツを止めることもできないのか・・・!?」
バンバが窮地を痛感してうめく。ひと息ついたアキトが、ルーブたちを見渡して笑みをこぼす。
「お前たちが何をしようと、オレには勝てない・・オレの制裁を受ける以外に道はない・・お前たちも、この世界も・・・!」
アキトが声を振り絞って、フォースに目を向ける。
「ねぇ、あの人、様子がおかしくない!?」
「巨大化している上にあれだけ大きなパワーを連続で使っているんだ・・普通だったら力尽きてもおかしくないはずだ・・」
アスナとメルトがアキトを見て、動揺を覚える。体力を大きく消耗しているはずのアキトだが、倒れずに戦い続けようとしていた。
「アキト・・お前はそこまで、この世界を変えようというのか・・・!?」
ハルキがアキトの信念を痛感して、緊張を噛みしめる。
「それだけの感情があるなら、破壊や粛清をしなくてもみんな理解できたはずだ・・お前は、誰のことも分かろうとしていない・・・!」
「その言葉は、オレや他のヤツを分かろうとしていない愚か者に言うべきだ・・自分たちの愚かさを棚に上げて!」
ハルキが言いかけると、アキトが憎悪をふくらませていく。
「絶対に止めないといけない・・止めなければ破滅するだけだ・・オレたちも、アイツも・・!」
アキトを倒す決意を、ハルキはが改めて誓った。