ザ・グレイトバトル
-感情の力-
第13章
鎌を構えたスカル魔に立ち向かうフォース、ロッソ、ブル。スカル魔は分身をして、フォースたちを迎え撃つ。
「あんなにたくさん増えられたら、いくらなんでも・・!」
「弱音を吐くな、イサミ!オレたちがやらずに誰がやる!」
ため息をつくイサミに、カツミが檄を飛ばす。
スカル魔の大群がフォースたちに飛びかかって、一斉に鎌を振りかざしてきた。フォースたちが的確に鎌をかいくぐって、反撃のパンチとキックを当てていく。
しかしスカル魔はさらに分身して、フォースたちを攻め立てる。
「本体を見つければ、分身も消えるはず・・しかしどこに本物がいるんだ・・・!?」
ハルキが言いかけて、周りに視線を巡らせる。
「フォースアイ!」
フォースが目に意識を集めて、透視能力を使った。
「ダメだ・・本物と見分けのつかない分身を作り出している・・!」
「自分の体から分身を出しているのが本体ということか・・!」
本物を透視できないフォースに、ハルキが言いかける。
「オレたちのライブできる時間はわずかだ!オレができるだけ分身を片付ける!」
ヒカルがフォースたちに向けて呼びかけてきた。
「数を減らせば本物を見つけやすくなる!うまく見つけてくれよ!」
「しかし、それではあなたが・・!」
残された力を振り絞ろうとするヒカルに、フォースが声を上げる。
「それならばオレもやる!それならばより見逃さないはずだ!」
ショウもフォースたちに呼びかける。ビクトリーとギンガの横に、レオとアストラも並び立つ。
「後のことは任せたぞ、お前たち・・!」
「エネルギーを回復させ次第、すぐに戻る!」
レオとアストラがフォースたちに呼びかけると、スカル魔の大群に向けてウルトラダブルフラッシャーを放った。スカル魔の分身が光線を受けて、撃破されて数を減らしていく。
“1!ナイトビクトリウムフラッシュ!”
「ナイトビクトリウムフラッシュ!」
ビクトリーが回転して、ナイトティンバーでスカル魔たちを切りつけていく。
「ギンガファイヤーボール!」
ギンガも炎の球を連射して、スカル魔たちに当てていく。
「フォース、もう1度透視して、本物を見つけるんだ!」
「分かった・・!」
ハルキが呼びかけて、フォースが意識を集中する。
「フォースアイ!」
フォースがまた透視能力を使って、残っているスカル魔たちを見ていく。
「見えた・・奥にいる、分身の陰に隠れている・・・!」
フォースが本物のスカル魔を見出して、カツミとイサミが頷いた。
「フレイムダーツ!」
「アクアジェットブラスト!」
ロッソが火の球を連射して、ブルが水流を放つ。本物のスカル魔の前にいる分身たちが、火の球と水流を受けてなぎ払われる。
「今だ!本物との間に何もいない!」
「フォースチャージシュート!」
ハルキが呼びかけて、フォースが腕を組んで光線を放った。光線は本物のスカル魔に向かって飛んでいく。
だが横にいたスカル魔の分身が飛び出してきて、本物を庇って光線を受けた。
「何っ!?」
光線が本物に届かなかったことに、ハルキが驚きの声を上げる。本物のスカル魔がまた分身を作り出した。
「くっ・・もうエネルギーが・・・!」
ヒカルが辛さを浮かべて、ギンガがふらつく。彼がビクトリー、レオ、アストラとともに光を発して姿を消した。
「みんな!」
「エネルギーが切れたんだ!」
カツミが声を上げて、イサミが焦りをふくらませる。
「本物を見失ってしまった・・また見つけないといけない・・!」
「しかもオレたちだけでやらなくちゃならない・・・!」
ハルキとカツミが焦りを噛みしめる。再びスカル魔の分身が大量に増えてしまった。
「オレたちがいるのを、忘れてもらっちゃ困るな!」
そこへ声がかかって、フォースたちが振り向いた。ダイヤルファイターに乗った魁利、透真、初美花がパトカイザー、エックスエンペラーと合流した。
「ウルトラマンたちが少ないっていうなら、私たちが力を合わせよう!」
「ここは猫の手も・・いや、怪盗の手も借りないといけないところか・・!」
宇美花が呼びかけて、つかさが言いかける。
「またまたグッと来るねー!よし、みんな行くぞー!」
グッドストライカーが陽気に言うと、パトカイザーが分離をした。
“超越エックスガッタイム!”
そこから6機のVSビーグルとエックスエンペラー、グッドストライカーが合体を果たした。
「完成、グッドクルカイザーVSX!」
巨大ロボ「グッドクルカイザーVSX」がスカル魔たちの前に降り立った。
「よし!レオたちが戻るまで、オレたちが戦い抜くぞ!」
ドモンがフォースたちに呼びかけて、ゴッドガンダムが構えを取る。
「分かりました!みんな、気を引き締めていくぞ!」
「何だか似た者同士な気がするな。あの人と圭ちゃん・・」
答えて呼びかける圭一郎に、魁利が苦笑をこぼす。
「でもドモンさんの言う通りだよ。レオさんたちが戻るまで、僕たちががんばらないとね。」
ノエルが言って、魁利たちと圭一郎たちが頷いた。
「みんな、私にもう1度力を貸してくれ・・!」
フォースが呼びかけて、ロッソたちが頷いた。スカル魔たちが鎌を構えて、彼らに迫る。
「行くぞ!ゴッドフィンガー!」
ドモンが叫んで、ゴッドガンダムが熱エネルギーを込めた右手を突き出して、スカル魔の分身を突き飛ばしていく。
グッドクルカイザーが左腕のキャノン砲を発射しながら突っ込み、右腕のブレードを振りかざしてスカル魔をなぎ払っていく。
ロッソとブルもスカル魔たちに攻撃を仕掛けていく。キシリュウオーも合流して、ロッソたちに加勢する。
「フォースアイ!」
フォースが透視能力を使って、本物のスカル魔の行方を追う。だがスカル魔の分身が後ろから飛びかかって、鎌を振りかざしてきた。
「うあっ!」
フォースが背中を切りつけられて、体勢を崩す。
「フォース!」
ふらついた彼にカツミが叫ぶ。ロッソたちが援護に行こうとするが、他のスカル魔たちに行く手を阻まれる。
「これじゃ本物を見つけるどころじゃない・・!」
フォースが窮地に追い込まれて、ハルkが焦りを噛みしめる。倒れているフォースを狙って、スカル魔たちが鎌を振り上げた。
そこへビームが飛んできて、スカル魔が鎌をはじいた。
「今のは・・!」
ハルキが視線を移すと、その先にはビームライフルを構えているフォースガンダムがいた。フォースガンダムの放ったビームが、スカル魔たちの攻撃を阻止したのである。
「フォースガンダム!?だけど自動操縦で攻撃はできないはず・・!」
ハルキがフォースガンダムを見て目を見開く。
「ナツくんだ!彼女がガンダムを動かしている!」
「何っ!?」
フォースがフォースガンダムのコックピットを透視して、ハルキが驚く。
「フォースガンダムが直って、オレの代わりに動かしているっていうのか・・!?」
フォースガンダムを見つめて、ハルキは動揺をふくらませていく。
「フォース、新しい合体データを送るわ!この合体はスピード重視だから、本物を速攻で倒せるはずよ!」
「新しい合体データ・・ナツが組み込んだのか・・・!?」
ナツからの呼びかけに、ハルキが戸惑いを覚える。
「この状況を打破するには、その合体に掛けるしかない・・フォース、いいか!?」
「だが、彼女が乗ったままフォースガンダムと合体すれば、彼女にも我々のことを知られることになる・・!」
呼びかけるハルキに、フォースが注意を投げかける。
「巻き込めない・・これ以上巻き込めば、トウカみたいになってしまうかもしれない・・・!」
トウカの死の瞬間を思い出して、ハルキが苦悩する。
“ハルキくん、私も戦う・・フォースになって戦っているあなたの力に少しでもなれるなら・・・!”
そのとき、ナツの声がまたハルキに届いた。その言葉を聞いて、ハルキがまた動揺を覚える。
「ナツくんの声だ・・通信回線は閉じているが、口にしている声が私に届き、私を通じて君にも届いている・・・!」
「ナツはもう、オレがフォースに変身していることを知っている・・!?」
フォースがナツの声を聞いて、ハルキが息をのむ。
「どうやら見られてしまったようだ・・その上で彼女は、自分自身の意思でこの戦いに飛び込んでいる・・・!」
フォースの言葉を聞いて、ハルキが深刻さをふくらませていく。
「彼女もハルキも覚悟を決めつつ、生き延びることを心に決めるときだ。私も君たち同様、生き抜く、守り抜くことに全力を注ぐ・・!」
「互いに守り抜く・・・オレが、ナツを守る・・・!」
フォースに励まされて、ハルキがナツのことを思う。ところがトウカのことも気にして、ハルキは苦悩していく。
そのとき、ハルキは目の前にトウカが現れたように見えた。
「トウカ・・・」
ハルキがトウカを見て戸惑いを浮かべる。彼は目の前にいる彼女が幻であることを分かっていた。
トウカはハルキに微笑んで頷いていた。
「トウカ・・お前も、ナツやみんなが、オレやフォースと一緒に戦い抜くことを望んでいるのか?・・オレたちが力を合わせることを・・」
ハルキが言いかけると、トウカがまた頷いた。彼女はハルキの前から姿を消した。
「ありがとう、トウカ・・オレも覚悟を決める・・ナツたちの覚悟を、オレも受け止める・・・!」
トウカへの感謝を口にして、ハルキは真剣な顔を浮かべた。
「フォース、フォースガンダムと合体するぞ・・!」
「分かった・・行くぞ、ハルキ!」
ハルキの呼びかけにフォースが答える。ハルキがフォースブレスの画面をスライドして、マークを表示させた。
「フォースのマークの他に、違うマークがある・・これが、新しいアーマー・・・!」
ハルキがそのマークを見つめて呟く。彼は新たなアーマーの力を実感した。
「デスティニーアーマー!」
ハルキがフォースブレスを着けた左腕を掲げる。フォースガンダムが変形して、フォースに装着された。
以前のフォースアーマーとは違う形状をしていた。別世界のモビルスーツ「デスティニー」を思わせる形状の「デスティニーアーマー」である。
「フォースの中に、ハルキくんがいるんだね・・・?」
フォースガンダムの中にいるナツが、フォースの中にいるハルキを感じ取った。
「いつから気付いていた?・・オレがフォースに変身していることに・・・」
「さっき・・あなたがフォースに変身するところを見たの・・・」
ハルキが問いかけて、ナツが答える。ハルキもナツも互いの姿を見てはいないが、近くにいるように感じ合っていた。
「オレもフォースと一心同体になったのは、最近のことだ。お互い、最初は復讐のために戦っていた・・」
「しかし今は違う。私もハルキも、この世界や大切なものを守るために戦っている。」
ハルキに続いてフォースもナツに向けて言いかける。
「ハルキくん、フォース・・私も、あなたたちの力になりたい・・・!」
ナツがハルキたちに自分の正直な気持ちを口にする。
「ありがとう、ナツ・・だけど、もう力を貸してもらってる・・フォースガンダムに新しいデータを組み込んで、オレとフォースに届けてくれた・・!」
ハルキがナツに感謝して、デスティニーアーマーを身にまとったフォースが構えを取る。
「ハルキ、今まで以上に感覚が鋭くなっている・・今なら自力で本物を見抜くことができるかもしれない・・!」
フォースがハルキに告げて、意識を集中する。彼は自らの感覚を研ぎ澄ませることで、透視能力なしで本物のスカル魔を探る。
「そこだ・・フォーススラッシュエッジ!」
フォースが両手を振りかざして、2つの光のブーメランを放つ。光のブーメランが本物のスカル魔に命中して怯ませた。
「もう見逃さない・・フォースアロンダイト!」
フォースが大きな光の剣を作り出して手にする。彼は加速して、スカル魔の体を光の剣で貫いた。
光の剣の力を注がれて、引き抜かれたと同時に倒れたスカル魔が爆発を起こした。
「これが、フォースの戦い・・フォースガンダム以上の負担がかかっているみたい・・・!」
デスティニーアーマーに変形しているフォースガンダムの中で、ナツはフォースの戦いによる衝撃を痛感して、動揺を感じていた。
「ハルキくんは、この負担を感じてきた・・・!」
「大丈夫か、ナツ・・・!?」
「うん、平気・・このくらいで参るわけにはいかない・・弱音は吐けない・・!」
「ムリはしなくていい・・オレが守るから・・・!」
落ち着きを保ちながら頷くナツに、ハルキが思いを伝える。
「ありがとう、ハルキ・・でも私も、あなたたちを支えるから・・・!」
「ナツ、フォース、一緒に戦うぞ・・!」
ナツからの感謝を受け止めて、ハルキが呼びかけた。
「やった!本物をやっつけたみたいだ!」
コウがフォースを見て喜びの声を上げる。
「後はオレたちに任せてくれ。ルパンマグナム!」
“ダイヤライズ!”
魁利が呼びかけて、銃「ルパンマグナム」を手にしてダイヤルを回す。
“怪盗変形!”
外へ飛び出したルパンマグナムが巨大化を果たす。魁利たちと圭一郎たちがVSチェンジャー、エックスチェンジャーを構えて、ルパンマグナムにエネルギーが集まっていく。
「グッドクルカイザー・ビーグルバーストマグナム!」
ルパンマグナムから高出力の光線が放たれる。光線がスカル魔の分身たちを吹き飛ばして一掃した。
「永遠に、アデュー。」
「任務完了!」
圭一郎たちが言いかけて、圭一郎たちが敬礼を送った。
「残るはあのアキトという人・・・」
ノエルが言いかけて、ライたちを追い詰めているアキトに目を向けた。
「ちょっとヤバそうな感じになってるみたいだね・・」
黒いオーラを発しているアキトを見て、トワが呟きかける。
「アキト・・今度こそアイツを止めないと・・・!」
ハルキがアキトを止めようと考える。そのとき、フォースがエネルギーを消耗して、カラータイマーが点滅する。
「デスティニーアーマーを使ったことで、エネルギーを大きく消耗した・・・!」
「ナツ、1度分離する!フォースガンダムを頼むぞ!」
フォースが言いかけて、ハルキがナツに呼びかけた。
「デスティニーアーマー、解除!」
ハルキがフォースブレスに呼びかけて、デスティニーアーマーがフォースから離れて、フォースガンダムに戻った。
「1度変身を解除する!ここは任せたぞ!」
「オレたちも戻る!」
フォースが呼びかけて、カツミが答える。フォース、ロッソ、ブルが1度変身を解除した。
「オレはここで待機だ。いつまた巨大な敵が出るか分からんからな。」
「了解です!」
ドモンが呼びかけて、圭一郎が答えた。
「やはり似た者同士だな、あの2人・・」
「悪いわけじゃないんですけどね・・」
2人のやり取りを聞いて、つかさと咲也が言いかける。
「今はオレたちはこっちに集中することだ。」
「ハルキさんやノゾムさんたち、大丈夫かな・・・?」
透真が冷静に呟いて、初美花がハルキたちを心配した。
ベルトのリミッターを解除して、力を全開したアキト。彼の力にライたちは悪戦苦闘を強いられていた。
「終わりだ、お前たち・・お前たちを全員倒し、全ての世界を正していく・・・!」
「そうはいくか・・このままお前にやられるわけにいかない・・・!」
鋭く言いかけるアキトに、ライが鋭く言い返す。
「これでお前たちの抵抗も終わる・・全員消え去れ・・!」
アキトが光の球をライたちに向かって放とうとした。
「ぐっ!」
そのとき、アキトが激痛を覚えてふらついた。体勢を保てなくなって、彼は作り出していた光の球を別方向へ放り投げることになった。
「な、何だ!?何が起こったんだ!?」
「もしかして、暴走か・・!?」
ドンとゲイツがアキトの異変を見て言いかける。
「こんなところで、限界が訪れるとは・・・力を、コントロールできない・・・!」
地上に着地したアキトが、体を震わせてうめく。彼は暴走する力を制御できず、思うように動くこともできなくなっていた。
「今が千載一遇の好機だ、我が魔王。」
「よし!あの力を止めるよ!」
ウォズが呼びかけて、ソウゴが頷いた。
“サイキョーギレード!”
ソウゴが剣「サイキョーギレード」を手にした。
「私たちもまだまだやっちゃうよ!」
ルカがマーベラスたちに呼びかけて、レンジャーキーを取り出した。
「それッスかー!?オレだけ仲間外れじゃないッスかー!」
「鎧さんは私たちのサポートをお願いします。これも重要な役目ですよ。」
不満を浮かべる鎧をアイムがなだめる。
「重要な役目・・分かりました!後ろは任せてくださーい!」
鎧が喜びとともに意気込みを見せた。
「相変わらず乗りやすいヤツだな・・」
ジョーが彼に聞こえない小声で呟いた。
「それじゃ行かせてもらうぜ。」
マーベラスが笑みを浮かべて、ジョーたちが頷いた。
「ゴーカイチェンジ!」
“バーイオマン!”
超電子バイオマンのレンジャーキーをモバイレーツにセットして、マーベラスたちはバイオマンに変身した。
「超電子!」
「バイオマン!」
マーベラスが声を上げて、ジョーたちと声をそろえた。
「派手に行くぜ!」
「分かった!」
マーベラスが呼びかけて、ソウゴが気さくに頷いた。彼らがアキトに向かって走り出す。
ソウゴが振りかざしたサイキョーギレードを、アキトが必死に手を伸ばして受け止める。
「バイオソード!」
マーベラス、ジョー、ドンが武器「バイオソード」を手にして射撃して、アキトに命中する。アキトが射撃を受けて怯んで、ソウゴに押された。
「レッドワン・ファイヤーソード!」
「ブルースリー・エレキソード!」
マーベラスとジョーがバイオソードを銃モードから剣モードにして、それぞれ刀身に炎と電気をまとわせた。
“ライダー斬り!”
ソウゴもサイキョーギレードを構えて、2人とともに振りかざした。3人の刃を受けて、アキトが突き飛ばされる。
「グリーンブーメラン!」
ドンが光のブーメランを投げて、宙に跳ね上げられているアキトに当てた。
「オレの限界を狙って攻め続けるとは・・・!」
アキトが苦痛をふくらませてうめく。
「それで調子に乗れると思うな・・!」
アキトが怒号とともに、ソウゴたちに向かって黒いオーラを放つ。
「ピンクバリアー!」
アイムがピンクの光のバリアーを張って、黒いオーラを防いだ。
「ルカさん!」
「OK!バイオアロー!」
アイムが呼びかけて、ルカが弓矢「バイオアロー」を構えて矢を放った。
「ぐっ!」
体に矢を当てられて、アキトがうめく。
「このまま一気にフィニッシュでーす!」
鎧が呼びかけて、ソウゴが再びサイキョーギレードを構えた。
“覇王斬り!”
ソウゴがサイキョーギレードを振りかざして、アキトを宙へ跳ね上げた。
「スーパーエレクトロン!」
マーベラスたちが円陣を組んでエネルギーを集中させて、アキトに向かって突っ込んだ。
「ぐおっ!」
アキトが大きく吹き飛ばされるが、空中で体勢を整えて着地する。
「お、おのれ・・!」
アキトがソウゴたちに鋭い視線を向ける。まだ黒いオーラが彼の体からあふれていた。
「しつこいヤツだ・・!」
「今度はこれでいこうよ!」
ジョーが毒づいて、ドンがレンジャーキーを取り出した。
「よし!これで決めるぞ!」
マーベラスも頷いて、ジョーたちとともにレンジャーキーを取り出した。
「ゴーカイチェンジ!」
“チェーンジマン!”
マーベラスたちが電撃戦隊チェンジマンに変身した。
「電撃戦隊!」
「チェンジマン!」
マーベラスが声を上げて、ジョーたちと声をそろえた。
「コロコロと姿を変えて・・・!」
アキトがいら立ちをふくらませて、力任せにオーラを放出する。マーベラスたちが大きくジャンプして、オーラをかわす。
「ドラゴンサンダー!」
「ペガサスイナズマスパーク!」
マーベラスとジョーが空中から電撃を放って、アキトのオーラをかき消す。
「チェンジソード!」
ルカとアイムが武器「チェンジソード」を手にして、交差するようにきりもみ回転をする。
「ダブルソード・オーロラシューティング!」
2人がチェンジソードを発射して、アキトに命中させた。
「グリフォンマグマギャラクシィ!」
ドンが大地に両手を当ててエネルギーを送り、マグマを吹き出させた。
「がぁっ!」
アキトがマグマの熱を受けてダメージを増していく。
「すごいな、やっぱり、マーベラスさんたち・・!」
ソウゴがマーベラスたちの戦いを見て、戸惑いをふくらませていく。
「見とれている場合ではないよ、我が魔王。」
そこへウォズが呼びかけて、ソウゴが我に返る。
「オレたちも決めるぞ、ソウゴ・・!」
「よし、やるよ、ライ!」
ライもクロスカリバーを手にして呼びかけて、ソウゴが頷いた。
“ジカンギレード!”
ソウゴは武器「ジカンギレード」を手にして、サイキョーギレードと組み合わせて、大剣「サイキョージカンギレード」にした。
“ジオウ!”
ライがジオウのライダーソウル「ジオウソウル」を手にした。
“ジオウパワー!”
彼はクロスカリバーの左のスロットに、ジオウソウルをセットした。クロスカリバーの刀身に光が宿る。
“サイキョーフィニッシュターイム!”
サイキョージカンギレードの刀身から、「ジオウサイキョウ」と書かれた巨大な光の刃が現れた。
「オレたちもパワーバズーカだ!」
マーベラスが呼びかけて、ジョーたちとともそれぞれに銃砲「ズーカ」を手にした。
「パワーバズーカ!」
彼らがそれぞれのズーカを組み合わせて、バズーカ砲「パワーバズーカ」にした。
「マーク!」
「ファイヤー!」
ルカが狙いを定めて、マーベラスの掛け声とともにパワーバズーカが発射された。
「ジオウ・クロスカリバー!」
「キングギリギリスラッシュ!」
ライとソウゴもクロスカリバーとサイキョージカンギレードを、アキト目がけて振り下ろした。2人の一閃とマーベラスたちの砲撃が、アキトに直撃して黒いオーラを吹き飛ばした。
アキトが大爆発に巻き込まれて、舞い上がる煙の中から出てきた。力を大きく消耗した彼から、オーラは消えていた。
「今度こそ終わりのようだな。自分の使っていた力を過信していた、というところか。」
ゲイツがアキトを見て呟きかける。
「これで終わりにしようよ。世界をよくしようっていう気持ちは、君もオレたちも同じなんだから・・」
ソウゴがアキトに呼びかけて、手を差し伸べてくる。
「違う・・お前たちも、自分たちのために他の者を犠牲にする・・愚か者の味方だ・・・!」
アキトが否定をして、ソウゴたちに鋭い視線を向ける。
「オレはお前の言う身勝手なヤツを許しちゃおかない・・それでもお前がオレをそいつらと同じだと決めつけるなら、お前も身勝手な敵だということだ・・・!」
ノゾムがその彼に鋭く言いかける。
「アキト・・・!」
そこへハルキが姿を現して、アキトに声を掛けてきた。カツミとイサミ、フォースガンダムを近くに着陸させたナツも続いてやってきた。
「ハルキ・・・!」
いら立ちをふくらませるアキトに向けて、ハルキが銃を手にして構えた。
「オレたちの指示に従って、罪を償うんだ・・そうすればオレもお前のことを許す・・・!」
ハルキがアキトに警告を送る。
「ハルキくん・・・」
ナツがハルキを見て戸惑いを感じていく。ハルキが感情に振り回されないようにして、アキトを捕まえることに留めようとしているのを、ナツは直感していた。
「愚か者たちの言いなりになれと・・愚かなままの世界で生きろというのか・・・!?」
アキトがハルキに対する憎悪もふくらませていく。
「それは死んでも認めはしない・・愚かさを正さなければ、世界に未来はない!」
声と力を振り絞って、アキトが右手を強く握りしめる。
「犠牲をもたらす正義や平和が、お前はいいっていうのか、アキト!?」
「それをもたらしているのが、今の愚か者たちだ!それを正さなくて、何が正義だ!何が平和だ!」
互いに怒鳴りかかるハルキとアキト。
「お前たちや愚か者の言いなりになるくらいなら、オレは・・!」
エネルギーを集めていた右手を自分の体に当てるアキト。彼の体に変化が起きて蠢き出す。
「お前、まさか・・!?」
鎧がアキトを見て緊張を覚える。アキトの体が巨大化を果たした。
「アキト!」
「アイツはギョダーイの力を使って、ゼイハブたちを巨大化させてた!それを自分に使ったんですよ!」
ハルキが声を上げて、鎧がアキトのしたことを説明する。
「それじゃアイツは、見境なしに暴れ回るってこと!?」
「だったら理屈抜きでやり合うだけだ!」
ドンが声を上げて、マーベラスが言いかける。ゴーカイジャーに戻った彼らが、豪獣ゴーカイオーに戻った。
「フォース、変身できるか・・!?」
“エネルギーが完全に回復したわけではないが、変身は可能だ・・!”
ハルキが呼びかけて、フォースが自分たちの状態を確かめる。
「それでもいい・・戦えるだけの力があるなら、オレたちはまだ戦える・・!」
「ハルキ、私も行く・・もう1度合体をして戦いましょう・・!」
フォースに呼びかけるハルキに、ナツも呼びかけてきた。
「分かった・・ナツ、力を貸してくれ・・・!」
「うん・・ありがとう、ハルキくん・・!」
ハルキが頷いて、ナツが感謝した。2人が手を差し伸べて握手を交わした。
「君もフォースのことを知り、ともに戦う決意を固めたようだな。」
そこへゲンがやってきて、ハルキたちに声を掛けてきた。ヒカルとショウも一緒だった。
「ゲンさん、みんな・・・」
「オレたちも体力が回復した。今度はお前とオレたちで、アイツを止める番だ!」
「決着を付けるぞ、この戦いにも、お前の因縁にも・・!」
戸惑いを見せるハルキに、ヒカルとショウが呼びかけた。
「私はフォースガンダムに戻るわ!」
ナツが言いかけて、フォースガンダムへ向かって走っていった。彼女を見届けてから、ハルキはフォースブレスを掲げた。
「フォース!」
ハルキがフォースに変身して、アキトの前に立ちはだかった。
“ウルトライブ!ウルトラマンギンガ!”
「ギンガー!」
“ウルトライブ!ウルトラマンビクトリー!”
「ビクトリー!」
「レオー!」
“ウルトラマンロッソ・フレイム!”
“ウルトラマンブル・アクア!”
ヒカル、ショウ、ゲン、カツミ、イサミがギンガ、ビクトリー、レオ、ロッソ、ブルに変身した。太陽エネルギーを得たアストラも、地球に戻ってフォースたちと合流した。
「アキト、今度こそお前を止めてやる・・たとえお前の命を絶つことになっても・・・!」
ハルキがアキトに向けて鋭く。ナツが乗ったフォースガンダムとドモンのゴッドガンダム、キシリュウオーたちや豪獣ゴーカイオーも合流して、アキトの前に立った。