ザ・グレイトバトル

-感情の力-

第10章

 

 

 ドドンが尻尾を伸ばして振りかざして、エックスエンペラーに叩きつける。エックスエンペラーはふらつきながらも、ガトリングを発射してドドンに命中させていく。

 ドドンは体から寄生虫を放って、エックスエンペラーに向かわせる。

「取りつかせたりしないよ!」

 ノエルが言いかけて、エックスエンペラーが頭部と両膝から銃口を展開した。

「エックスエンペラー・ガンナーストライク!」

 エックスエンペラーが一斉発射して、向かってきた寄生虫を全て撃ち落として、さらにドドン自身にも連射を当てた。

 ドドンが雄叫びを上げて、長い尻尾を振りかざしてきた。

「怪盗チェンジ!」

“怪盗エックスチェンジ!”

 ノエルがパトレンエックスからルパンエックスに変身する。

“怪盗エックスガッタイム!”

 エックスエンペラーがドドンの尻尾を側転でかわすと同時に、上半身と下半身を入れ替える形で変形した。

「エックスエンペラースラッシュ!」

 エックスエンペラーが遠距離戦が得意のガンナーから、近距離戦に特化した「スラッシュ」となった。

 エックスエンペラーが右腕からブレードを出して、ドドンの尻尾を切り裂いた。ドドンが痛みを覚えて、その場で倒れて転がる。

 怒ったドドンが転がりながらエックスエンペラーに近付く。ドドンが飛び起きて、エックスエンペラーの右腕にかみついた。

「ちょっとー!エックスエンペラーはアリマンじゃないってー!」

 ノエルが慌てて、エックスエンペラーが右腕を振りかざして、ドドンを振り払う。

「これで決めるよ!」

 ノエルが言いかけて、エックスエンペラーが右腕のブレードを構える。

「エックスエンペラー・スラッシュストライク!」

 エックスエンペラーがブレードを振りかざして、ドドンをX字に切りつけた。決定打を受けたドドンが爆発して消滅した。

「永遠に、アデュー。」

 ノエルがドドンに向けて言いかけて、圭一郎たちの戦いに目を向けた。

 

 パトカイザーとジュウオウが激しい攻防を繰り広げる。

 パトカイザーが右腕から「トリガーロッド」を出して振りかざす。ジュウオウは打撃を受けても、ものともせずに突っ込む。

「やはり強いパワーと頑丈さを持っている・・!」

「打撃が通じないなら、射撃で攻めます!」

 毒づくつかさと、意気込みを見せる咲也。パトカイザーが左腕にある「トリガーキャノン」を発射して、ジュウオウに射撃を当てる。

 一瞬ふらつくジュウオウだが、胸部を展開してロケット弾を発射する。

「うわっ!」

 パトカイザーが射撃を受けて火花を散らして、咲也がうめく。

「パワーもあるしミサイルまであるんじゃなー!」

 グッドストライカーが慌てた素振りを見せる。

「しかし銃の威力は筋力ほどじゃない!我々も遠距離から、強力な一発を放つ!」

 圭一郎が呼びかけて咲也、つかさとともにVSチェンジャーを構える。パトカイザーもトリガーキャノンを構えて、エネルギーを集める。

「パトカイザー・弾丸ストライク!」

 トリガーキャノンから放たれた強力な弾丸が、ジュウオウに命中した。ダメージを受けて後ずさりするジュウオウだが、まだ動きを止めない。

「タフさも相当なものだな・・!」

「だったらこっちもパワーアップです!」

 さらに毒づくつかさに、咲也が呼びかけて、トリガーマシン「バイカー」を手にした。

「よし!行くぞ、咲也!」

 つかさが頷いて、トリガーマシン「クレーン&ドリル」を取り出した。彼女と咲也がそれぞれのトリガーマシンを、VSチェンジャーにセットして射出する。

“カエマショータイム!”

 2機のトリガーマシンが巨大化して、パトカイザーの両腕と入れ替わった。

「完成、パトカイザー・ストロングバイカー!」

 パトカイザーが新たな姿「ストロングバイカー」となった。

 ジュウオウがパトカイザーに向かって突進してきた。パトカイザーが右腕からクレーンを射出して、ジュウオウを捕まえて持ち上げた。

「パトカイザー・リフトアップストライク!」

 パトカイザーが左腕に装備されている「トリガーヨーヨー」を出して、宙吊りになっているジュウオウを連打した。

 ダメージを大きくしたジュウオウが、宙吊りになったまま爆発した。

「任務完了!」

 圭一郎たちがVSチェンジャーを構えて言い放った。

 

 ジュウオウがまたも倒されたことに、モンスターが驚きを隠せなくなる。

「ジュウオウ・・またしても、ヤツらに・・・!」

 ジュウオウの死を悲しんで、モンスターが体を震わせる。

「そこのウルトラマンどもを倒したら、警察の戦隊もすぐに倒してやるからな!」

「そうはいかないぞ、モンスター!お前もここでオレたちが倒す!」

 怒りをあらわにするモンスターに、レオが言い放つ。

「受けてみるがいい!このオレとレスラーメガスのパワーを!」

 モンスターが言い放って、レスラーメガスがレオとアストラに向かっていく。レオとアストラがパンチとキックを繰り出して、レスラーメガスを攻め立てる。

 レスラーメガスは打撃に耐えて、手を伸ばしてレオの腕をつかんで押さえ込んだ。

「まずはお前のその腕をへし折ってやるぞ!」

 モンスターが言いかけて、レスラーメガスがレオの腕をひねろうとした。

「そうはいかない!」

 レオが言い返して、両足を上げてレスラーメガスの体に押し付けた。レスラーメガスが押されて、レオから手を放す。

「おのれ・・これでも食らえ!」

 モンスターが毒づいて、レスラーメガスが突撃して、両肩にあるとげをぶつけようとする。レオは大きくジャンプして、レスラーメガスの突撃をかわす。

「くっそー!こうなったらもう1人のヤツをー!」

 モンスターがいら立ちをふくらませて、レスラーメガスがアストラ目がけてウェスタンラリアットを繰り出す。これもアストラにジャンプでかわされる。

 アストラは飛び越えると同時に、足を延ばしてレスラーメガスの背中にキックを当てた。

「おわっ!」

 レスラーメガスが押されて体勢を崩して、モンスターがうめく。

「アストラ、行くぞ!」

「分かった、レオ兄さん!」

 レオとアストラが声をかけ合って、同時にジャンプする。2人が急降下して、熱を帯びたキックを繰り出した。

 レスラーメガスが両腕を組んで、キックを防いだ。

「ぐおっ」

 レオたちのキックを防ぎ切れずにレスラーメガスが押されて、モンスターがうめく。しかもレスラーメガスの両腕が、レオたちのキックの威力で損傷した。

「く、くそっ!オレのレスラーメガスが・・!」

 モンスターがうめきながら、レスラーメガスを動かそうとする。アストラがレオの前に来て、両手を構えて光線を放った。

 レオとアストラの合体技「ウルトラダブルフラッシャー」がレスラーメガスに直撃した。

「ごあぁっ!」

 レスラーメガスが爆発して、中にいたモンスターが投げ出された。

「ドドン、ジュウオウ、すまん・・お前らの仇、討てなかった・・・!」

 ジュウオウたちに謝るモンスターが、地上に落ちると同時に爆発した。

「別の宇宙ではあるが、悪や破壊者に地球や宇宙を荒らさせるわけにはいかない・・侵略や破壊によって生まれた悲しみや怒りを、オレたちは知っている・・・」

「それを増やさないのがオレたちの戦いだね、兄さん・・」

 レオが自分たちの思いを口にして、アストラが頷いた。

「フォースたちも、この感情と、それに囚われない強さを持っている・・」

「オレも信じているよ。彼らも心身とも強くなっているはずだ・・」

 フォースとハルキ、カツミたちの強さを信じて、レオとアストラは彼らに振り返った。

 

 ゼイハブが振りかざす剣を、豪獣ゴーカイオーが右腕のドリルで受け止めていく。

「やられたヤツが何度も出てきやがって・・地獄に戻って幽霊船の船長でもしてろ!」

 マーベラスが不満の声を上げて、豪獣ゴーカイオーがドリルを振りかざす。ゼイハブが体を切りつけられてふらつく。

 ゼイハブが左手の大砲を発射する。豪獣ゴーカイオーが右腕のドリルと左腕の牙を振りかざして、砲弾を切り裂いた。

「何度やってもムダだよ!僕たちに勝てるわけがない!」

「素直に負けを認めることをお勧めします。」

「といっても、許してあげないけどね。」

 ドン、アイム、ルカがゼイハブに向かって言い放つ。ゼイハブが口から火炎を放つ。

 火炎の直撃を受けた豪獣ゴーカイオーだが、平然と炎を突っ切ってきた。

「これで、終わりにしてやる・・!」

 ジョーが言いかけて、マーベラスたちとともに自分たちのレンジャーキーを手にした。

「レンジャーキー、セット!」

 彼らがレンジャーキーを前にある舵輪の鍵穴に挿し込んで回した。豪獣ゴーカイオーがエネルギーを集中する。

「ゴーカイレックスドリル!」

 豪獣ゴーカイオーがドリルと牙を振りかざして、ゼイハブを切りつけた。剣もはじき飛ばされたゼイハブが、力尽きて倒れて爆発した。

「やったー!今度こそやりましたよー!」

 鎧が勝利を喜んでVサインをする。

「残るは、あの総裏大臣だな・・!」

「相手をしてるのは、あの3人のウルトラマンだね。」

 ジョーとドンが言いかけて、フォースたちの戦いに目を向けた。

 

 デンカノボウトウと強大なパワーを振りかざすヨゴシマクリタインにフォース、ロッソ、ブルが苦戦を強いられていた。

「とんでもないパワーだ・・バラバラに戦ってたら勝ち目がない・・!」

「イサミ、力を合わせるぞ!」

 焦りを噛みしめるイサミに呼びかけて、カツミがルーブクリスタル「キワミクリスタル」を手にした。

“キワミクリスタル!”

 カツミがキワミクリスタルのスイッチを入れて、ルーブジャイロにセットした。

「まとうは極み!金色(こんじき)の宇宙!」

 カツミがルーブジャイロを掲げて、イサミと意識を1つにする。ロッソとブルが合体して、新たなウルトラマン、ルーブとなった。

「2人のウルトラマンが、1人になった・・!」

「ウルトラマンの中に、このような能力を持つ者がいるとは・・・!」

 ハルキとフォースがルーブを見て、戸惑いを覚える。

 ルーブがヨゴシマクリタインに向かって走り出す。ヨゴシマクリタインがデンカノボウトウから光線を放つが、ルーブはジャンプしてかわした。

 ルーブが降下しながら、ヨゴシマクリタインにパンチを繰り出す。ヨゴシマクリタインがデンカノボウトウで防ぐが、パンチの威力に押されてふらつく。

「すごい・・ロッソやブルの2倍・・いや、それ以上の強さだ・・!」

 ハルキがルーブの戦いを見て、さらに戸惑いを感じていく。

「ルーブコウリン!」

 ルーブが胸部に収納されている武器「ルーブコウリン」を手にした。彼とヨゴシマクリタインがルーブコウリンとデンカノボウトウを振りかざして、激しくぶつけ合う。

 ルーブはスピードを上げて、ルーブコウリンをヨゴシマクリタインの体に命中させた。スピードに翻弄されて、ヨゴシマクリタインが後ずさりする。

 ヨゴシマクリタインがデンカノボウトウを構えて、光線を発射する。ルーブが上にジャンプして回避を取るが、光線は曲がってルーブを狙う。

“高まれ、究極の力!”

 カツミがルーブコウリンにキワミクリスタルをセットした。

「ルーブボルテックバスター!」

 ルーブがルーブコウリンを前に振りかざして、渦巻き状の光線を放つ。ヨゴシマクリタインの光線が、ルーブの光線にかき消される。

「ルーブコウリンショット!」

 ルーブが立て続けにルーブコウリンを振りかざして、虹色の光の光輪を放つ。光輪は振り下ろされたデンカノボウトウをかいくぐって、ヨゴシマクリタインに命中した。

 絶叫を上げるヨゴシマクリタインが全身からエネルギーを放出する。ルーブも全身からエネルギーを発して、両腕を十字に組んだ。

「ルービウム光線!」

 ルーブが両腕から光線を放つ。光線がヨゴシマクリタインの体を貫通した。

 絶叫を上げたヨゴシマクリタインが大爆発を起こした。

「決まったぜ、オレたちの力!」

 カツミとイサミが勝ち誇って、着地したルーブがフォースに振り向いた。

「これがルーブの、カツミたちの強さ・・!」

 カツミたちのルーブの絆を目の当たりにして、ハルキは戸惑いをふくらませていた。

 そのとき、フォースたちのいる場所に、1つの光線が飛び込んできた。

「な、何だ!?

 突然のことにカツミが声を上げる。フォースとルーブの前に現れたのは2本足の巨大な機体で、前方の砲門からビームを放ったのである。

「巨大ロボット!?また宇宙人が出てきたか!」

「あれはMA(モビルアーマー)・・見たことのない形だが・・!」

 イサミとハルキがモビルアーマー、ピグ・ザムを見て声を上げる。

「ここはオレたちで止めるしかない・・!」

 ハルキがいきり立って、フォースがルーブとともに構えを取る。そのとき、2人のカラータイマーが点滅を始めた。

「エネルギーが少なくなってきた・・こんなときに・・・!」

 カツミが苦境に立たされたと思って、焦りを噛みしめる。

「ここは私がやる!何者だろうとここを、この星を破壊させはしない!」

 フォースが呼びかけて、ピグ・ザムに向かっていく。

「中に誰もいない・・ためらう必要はなさそうだ・・!」

「自動で動いているんだろうか・・・!?

 フォースがピグ・ザムの中を透視して、ハルキが言いかける。

 フォースがジャンプしてピグ・ザムに向かって足を振り下ろす。胴体にキックを受けるピグ・ザムだが、少しふらついただけでほとんどダメージを受けていない。

 ピグ・ザムが胴体にある砲門から一斉にビームを放つ。フォースととルーブが回避するが、外れたビームが地上に当たって炎上を起こした。

「これじゃ本部がやられる・・!」

「アイツをここから遠ざけないと・・!」

「けどあんなデカいの、押したり運んだりできないって!」

 ハルキ、カツミ、イサミが焦りを膨らませていく。ウルトラ戦士でも、巨大なピグ・ザムを本部から引き離すのは、すぐにできることではない。

「それでもやるしかない!せめてヤツの破壊行為を止めることができれば・・!」

 カツミが気を引き締めて、ルーブもルーブコウリンを手にして、ピグ・ザムに向かって突っ込む。

 そのとき、突然砲撃が飛んできて、ルーブが体に砲撃を当てられた。

「うあっ!」

 ルーブが地上に落とされて、カツミとイサミがうめく。

「ルーブ!」

「あのモビルアーマー以外にもいるぞ!」

 フォースが声を上げて、ハルキが指さす。その先の地上に、別の機体が3機いた。

「また見たことのない機体が・・モビルアーマーの仲間か!?

「あの3機にも生命反応はない・・しかし今の我々の状態では・・!」

 ハルキとフォースが3機の機体「ドム」を見て焦りを感じていく。エネルギーの少なさと戦力の差から追い込まれていることを、彼らは痛感させられていた。

「フォース、あの機体はオレたちが相手をする!」

 そこへGパニッシャー2機が駆けつけて、ギンがフォースに呼びかけてきた。

「フォースたちはあの巨大兵器を!」

「イズル・・ギン・・・!」

 イズルも呼びかけて、ハルキが戸惑いをふくらませていく。Gパニッシャーがドム3機を迎え撃つ。

 Gパニッシャーがビームライフルを発射する。縦1列になって前進していたドムのうちの2機が、左右に動いて陣形を変えて、ビームを回避する。

「なんてチームワークだよ!」

「全機を密集させたら、こっちが不利になる・・1機ずつ分断させないと・・!」

 ギンが毒づいて、イズルが状況を分析する。Gパニッシャーが左右に別れて、ドムも別れさせようとする。

 しかしドムたちは一定の距離を離れずに、陣形を保ったままGパニッシャーとの攻防を続けていた。

「ちくしょう!全然引き離せないじゃんか!」

「人間のパイロットがいるなら、多少は引きつけられてもいいはずなんだけど・・!」

 不満の声を上げるギンと、焦りを感じていくイズル。Gパニッシャーが牽制をしても、ドムたちは陣形を崩さない。

 ドムがビームバズーカを構えて、Gパニッシャー目がけて発射する。

「おわっ!」

 Gパニッシャーの1機が砲撃を受けて倒れて、ギンがうめく。

「ギン!」

 イズルが叫んで、Gパニッシャーが合流しようとする。だがドムたちに包囲されて、ビームバズーカの砲門を向けられた。

「しまっ・・!

 イズルが絶体絶命を痛感して息をのんだ。

「ビクトリウムスラッシュ!」

 そこへ光の矢が飛び込んで、ドムの1機のビームバズーカの砲身を切り裂いた。

「えっ!?

 突然のことにギンとイズルが驚く。ドムが破損したビームバズーカを捨てて、ビームライフルに持ち替えて、上空に銃口を向けた。

「ギンガサンダーボルト!」

 そこへ渦巻き状になっている稲妻が空から飛んできた。ドムたちがとっさに動いて、稲妻をかわした。

「危ないところだったな、みんな!」

 そこへ声がかかって、ギンたちも空を見上げた。上空にいたのは、2人のウルトラマンだった。

「またも、ウルトラマンが・・!」

 フォースが呟くと、2人のウルトラマンが振り向いてきた。

「オレはギンガ。ウルトラマンギンガだ。よろしくな。」

「オレはウルトラマンビクトリー。お前はこの世界のウルトラマンのようだな。」

 2人のウルトラマン、ギンガとビクトリーがフォースに声を掛けてきた。

 ギンガとビクトリーは青年、礼堂(らいどう)ヒカルとショウが変身するウルトラマンである。

「あのロボット軍団を止めるぞ!お前たちも気を引き締めろ!」

 ビクトリーがフォースたちに呼びかけて、ギンガとともに地上に下りてドムたちと対峙する。

「フォース、オレたちはこのままあのデカブツの相手を・・!」

 カツミがフォースに向かって呼びかけた。ルーブが改めてピグ・ザムに立ち向かう。

「オレも加勢させてもらうぞ!」

 そこへさらに声がかかって、フォースたちが視線を向ける。新たに1機の機体が彼らの前に現れた。

「また新しいロボットだ・・!」

「モビルスーツのようだが、あれも見たことのない形だ・・!」

 イサミとハルキがその機体を見て声を上げる。

「違う・・これはMF(モビルファイター)、ゴッドガンダム。そしてオレの名はドモン。“ネオジャパン”のガンダムファイター”だ!」

 機体、ゴッドガンダムのパイロット、ドモン・カッシュが名乗ってきた。

「あなたも別の世界から来た人間か・・!」

 ハルキがドモンのことを呟いて、フォースが頷く。

「気を引き締めろ、お前たち!本領というものは疲れが出たとき、追い詰められたときにこそ発揮されるものだ!」

 ドモンがハルキ、カツミ、イサミに檄を飛ばす。

「残された力を振り絞るんだ!お前たちはまだまだ戦える!」

「よし!オレたちもまだまだやってやる!」

 ドモンの言葉を受けて、カツミが気を引き締めなおす。

「フォース、まだまだやれるな!?

「もちろんだ!持てる力の全てを賭ける!」

 ハルキが呼びかけて、フォースが答える。フォースとルーブ、ゴッドガンダムがピグ・ザムに向かっていく。

 ピグ・ザムが前方の砲門からビームを放つ。フォースたちがビームをかわして、ピグ・ザムに詰め寄った。

 フォースとルーブがピグ・ザムの胴体を両手で受け止める。

「オレのこの手が真っ赤に燃える!勝利をつかめと轟き叫ぶ!」

 ドモンが言い放って、ゴッドガンダムが右手に熱エネルギーを集めて突っ込む。

「ばぁぁく熱!ゴッドフィンガー!」

 ゴッドガンダムがその右手をピグ・ザムの前方部に当てた。ピグ・ザムが熱エネルギーを浴びせられて、前方部が爆発を起こす。

「お前たちも、その手に力を込めろ!」

 ドモンが呼びかけて、ハルキたちが集中力を高める。ピグ・ザムを押さえるフォースとルーブが、両手にエネルギーを集めた。

 ピグ・ザムが押し込まれて、ゴッドガンダムがそのまま高熱の手を押し込んだ。

「ヒートエンド!」

 倒れたピグ・ザムに熱エネルギーを送り込んだゴッドガンダム。ゴッドガンダムたちが離れたところで、ピグ・ザムが爆発を起こして動かなくなった。

「やった・・機能を停止させたぞ・・!」

 ハルキがピグ・ザムを見下ろしてひと息つく。

「お前ら、なかなかの強さと精神力だな。まさにファイターだ。自信を持っていい。」

 ドモンがハルキたちを称賛して笑みを浮かべた。

「いや、オレたちファイターじゃないし・・」

 イサミがツッコミをするが、ドモンは聞いていなかった。

「イサミ・・オレたちは限界みたいだぞ・・・!」

 そのとき、カツミが疲れを浮かべて言いかけてきた。ルーブのカラータイマーの点滅が速まって、そして消えた。

 それはフォースも同じだった。彼も力尽きて、ルーブとともに姿が消えた。

「お前ら!?

 ドモンが声を上げて、ゴッドガンダムがフォースたちの消えた場所に着地する。ハルキ、カツミ、イサミがふらつきながらもそこに立っていた。

 ドモンがゴッドガンダムから降りて、ハルキたちの前に駆けつけた。

「ついにエネルギーが尽きたのか・・大丈夫か!?

「オレたちは大丈夫です・・少し休めばまた変身できる・・!」

 ドモンが声を掛けて、ハルキが頷く。

「オレたちに構わずに戦ってください・・オレたちもすぐに戻りますから・・!」

「そうか・・ではオレは行くぞ・・!」

 カツミが呼びかけて、ドモンが頷いてゴッドガンダムに戻っていった。

「1度本部に戻ろう・・ここにいるのは危なっかしいって・・!」

 イサミが呼びかけて、カツミとハルキが頷いた。3人は本部に向かうことにした。

 

 乱れない陣形を取り続けるドム3機を、ギンガとビクトリーが迎え撃つ。

「なかなかの連携だ。無人なのに・・いや、無人だからこそ成せることか・・」

「けど、ホントのチームワークっていうのは、心と絆があるものだぜ!」

 ショウが言いかけて、ヒカルが笑みを浮かべる。

「ならばヒカル、本物の強さを見せるまでだ・・!」

「あぁ!行くぜ、ショウ!」

 ショウとヒカルが声をかけ合って、ビクトリーとギンガがドムたちに向かっていく。ドムたちが縦1列になって、ビームバズーカとビームライフルを発射する。

 ギンガたちがジャンプして、ドムの攻撃をかわす。ショウが宇宙ロボット、キングジョーのスパークドールズを手にして、アイテム「ビクトリーランサー」でリードする。

“ウルトランス!キングジョー!ランチャー!”

 ビクトリーの右腕が銃砲「ペダニウムランチャー」に変わった。彼がペダニウムランチャーを発射して、ドムの1機のビームバズーカを撃ち抜いた。

 それでもドムたちは陣形を崩さず、1機もビームライフルに持ち替えて射撃を続けた。

「ギンガファイヤーボール!」

 ギンガが火の球を連射するが、ドムたちは正確にかわしていく。

「全部かわすなんて・・ホントに正確な動きだ!」

 ドムの動きを見て、ヒカルが毒づく。

「1機ずつ倒していくしかない!そうすれば陣形も崩れるはずだ!」

 ショウが呼びかけて、ヒカルが頷いた。ギンガとビクトリーが両腕にエネルギーを集める。

「ギンガクロスシュート!」

「ビクトリウムシュート!」

 ギンガとビクトリーが両腕をL字に組んで、同時に光線を発射した。回避行動を取るドムたちだが、逃げ場を失った1機が2人の光線を浴びて爆発を起こした。

「よし!1機倒したぞ!」

「このまま一気に決める!」

 ヒカルが喜んで、ショウが笛の形をした武器「ナイトティンバー」を手にして、笛型の「ティンバーモード」から剣の「ソードモード」に変えた。

“放て、聖なる力!”

 ビクトリーの体の黒が青に変わった。彼は強化形態「ビクトリーナイト」になった。

 ビクトリーが加速して、2機のドムの間に着地した。ドムが彼に向かってビームバズーカとビームライフルを発射する。

 ビクトリーがナイトティンバーを振りかざして、砲撃とビームをはじき飛ばした。

“2!ナイトビクトリウムブレイク!”

 ビクトリーがナイトティンバーのポンプアクションを2回行う。ナイトティンバーの刀身に光が宿る。

「ナイトビクトリウムブレイク!」

 彼がナイトティンバーを振りかざして、ドムの1体を切り裂いた。両断されたドムが倒れて爆発を起こした。

 残りのドムがビームサーベルを持ち替えて、ビクトリーに向かっていく。振り下ろされたビームサーベルを、ビクトリーはナイトティンバーで軽々と払いのける。

 ビクトリーがナイトティンバーを振り上げて、ドムのビームサーベルをはじき飛ばした。

「とどめだ!」

 ショウが言いかけて、ビクトリーがナイトティンバーのポンプアクションを3回行う。

“3!ナイトビクトリウムシュート!”

「ナイトビクトリウムシュート!」

 ビクトリーがナイトティンバーと左腕を十字に合わせて、青色の光線を放つ。横に動くドムだが、光線をかわし切れずに直撃されて爆発した。

「これで片付いたな、ショウ。」

 ヒカルが笑みをこぼして、ショウに声を掛ける。

「全てはあの宇宙人、そしてあの仮面ライダーが仕向けたことだが・・」

 ショウが答えて、戦いを見物していたクール星人と、ライたちと戦っているアキトに目を向けた。

「おのれ、ギンガ、ビクトリー・・こんなところでやられる私ではないぞ・・!」

 クール星人はいら立ちを浮かべて、ギンガたちの視界から消えた。

 

 

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