ザ・グレイトバトル

-感情の力-

第9章

 

 

 エックスフォルムになって、ノゾムがヨゴシマクリタインに向かっていく。

「往生際が悪いナリナ!」

 ヨゴシマクリタインがデンカノボウトウを振りかざす。ノゾムが身をかがめてかわして、ヨゴシマクリタインに詰め寄る。

 ノゾムがパンチを繰り出して、ヨゴシマクリタインに叩き込んでいく。ノゾムの力は以前よりもアップしていた。

「ここまで力を上げてくるとは・・だが、我に敵うはずもない・・!」

 ヨゴシマクリタインが言いかけて、左手でノゾムの右腕をつかんだ。

「放せ!」

 ノゾムが左手を振りかざして、ヨゴシマクリタインの体に連続でパンチを叩き込んでいく。デンカノボウトウを左肩に受けるも、ノゾムはパンチをやめない。

「すごい・・ものすごい互角の戦い・・!」

「感心している場合じゃないぞ・・オレたちも続くぞ・・!」

 戸惑いを見せているソウゴに、ゲイツが呼びかける。2人もノゾムに加勢して、ヨゴシマクリタインに向かっていく。

「こやつはともかく、貴様ら2人は何も変わってはいないナリナ・・!」

 ヨゴシマクリタインがデンカノボウトウを振りかざして、ソウゴたちをなぎ払う。その直後、ノゾムがヨゴシマクリタインの腕をつかみ返して投げ飛ばす。

「ぐっ!・・おのれ、人間どもが・・!」

 倒れたヨゴシマクリタインが、ノゾムにいら立ちを見せる。

「食らうがいい・・強行採決!」

 ヨゴシマクリタインがデンカノボウトウを地面に叩きつける。地面から火柱が飛び出して、ノゾムに向かっていく。

 ノゾムがジャンプして火柱をかわす。彼はビースドライバーの左上のボタンを2回押した。

“エックスチャージ!アニマルスマーッシュ!”

 ビースドライバーだけでなく、両腕に装備されている腕輪「エックスブレス」からも光があふれ出す。3つの光はノゾムの両足の先へ移っていく。

 ノゾムが繰り出した両足のキックが、ヨゴシマクリタインの体に直撃した。

「ぐおぉっ!・・我が、ゴーオンジャーだけでなく、あのような輩にも、これほどの手傷を負わされるとは・・・!」

 押されたヨゴシマクリタインが、キックを受けた胸に手を当てる。

「あのような愚か者は、存在してはならんナリナ・・!」

 いら立ちをふくらませるヨゴシマクリタインが、全身からエネルギーを発していく。

「消え去るナリナ・・正義解散!」

 彼が全身からエネルギーを放出する。

“エックスマーックス!ジェネラリーアクション!”

“エックスマキシマーム!アンリミテッドパワー!”

 ノゾムが右と左のエックスブレスに、2枚のアニマルカード、マックスカードと「マキシマムカード」をセットした。彼がエネルギーをかわして、ヨゴシマクリタインに向かおうとした。

 しかしノゾムはエネルギーを回避できず、浴びて地面に落下した。

「うぐっ!」

 ノゾムが激痛を覚えて、その場に膝を付く。

「どうしたんだ、ノゾムさん!?

「何だ、これは!?・・体が・・・!」

 ソウゴが問いかけて、ノゾムが自分の異変にうめく。ノゾムの体がだんだんと薄くなっていく。

「フハハハハ!これで貴様は消滅の末路を辿るナリナ!」

 ヨゴシマクリタインがノゾムを見下ろして高笑いする。

「この正義解散は、全てを消し去るナリナ!貴様の命も存在も、全て消滅するナリナ!」

「それじゃ、ノゾムさんは消えてなくなってしまうってこと!?

 ヨゴシマクリタインが告げた言葉に、ソウゴが驚きを隠せなくなる。

「よく戦ったがこれまでナリナ・・無の世界で己の愚かさを後悔しているナリナ・・!」

「ふざけるな・・オレは消えない・・お前の思い通りには絶対にならない・・・!」

 あざ笑うヨゴシマクリタインに、ノゾムが言い返す。

「バカめ!貴様は消える以外にないナリナ!我に逆らうことも・・!」

「お前の思い通りには死んでもならない!」

 ヨゴシマクリタインの言葉を怒号でさえぎるノゾム。彼は全身に力を込めて、自分が消えるのを強引に止めようとする。

 そのとき、ノゾムの体が蠢き始めた。彼の姿が怪人のように、ソウゴは一瞬見えた。

「ノゾムさん・・あの人はまさか、怪人・・・!?

 ソウゴがノゾムの正体に気付いて、動揺を覚える。

 動物の遺伝子を活性化させた怪人、ビースター。ノゾムはマックスの力を大きく引き出したために、ビースターとして覚醒していた。

 ノゾムの強い怒りがビースターの力を刺激していた。その力が、彼が消えるのを強引に止めた。

 地面を強く踏みつけたノゾムが、息を荒げながらヨゴシマクリタインに鋭い視線を向ける。

「どういうことナリナ!?正義解散を受けて、なぜ貴様は消えずに残っているナリナ!?

 ヨゴシマクリタインがノゾムを見て驚きを隠せなくなる。

「何度も言わせるな・・お前の思い通りには死んでもならないと・・お前がオレを消そうとするなら、オレはそれに絶対に逆らう・・!」

 ノゾムが鋭く言って、両手を強く握りしめる。

「怒りの力で消滅させる力をはねのけるとは・・なんとムチャクチャなヤツだ・・・!」

 ゲイツもノゾムの怒りを目の当たりにして、驚きを感じていく。

「とにかく、ノゾムさんが消えなくてよかった・・」

 ソウゴがノゾムの無事に安心する。

「そんなことで消滅を回避するなど・・そんなことで我が支配に刃向かうなど、あってはならぬナリナ!」

「お前の思い通りになることのほうが、あってたまるか!」

 ヨゴシマクリタインとノゾムが怒号を放って、同時に飛びかかる。ノゾムが繰り出すパンチに押されて、ヨゴシマクリタインがふらつく。

「ノゾムさんばかりにやらせるわけにはいかないね・・!」

「オレたちも本腰を入れるぞ・・!」

 ソウゴが笑みをこぼして、ゲイツが呼びかける。ソウゴが新たなライドウォッチ「ジオウライドウォッチU」を取り出した。

“ジオウU!”

“ジオウ!”

 彼はジオウライドウォッチUの側面にある「スプリットリューザー」を動かして、2つに分割してジクウドライバーにセットした。

「大変身!」

 ソウゴがジクウサーキュラーを回転させた。

“ライダーターイム!”

“仮面ライダー・ライダー!ジオー・ジオー・ジオーツー!”

 ソウゴのまとうジオウの姿に変化が起こった。時計型の装飾が倍になり、金色も混じった。

 新たなるジオウの姿「ジオウU」である。

 ゲイツも新たなライドウォッチ「ゲイツリバイブライドウォッチ」を手にした。

“ゲイツリバイブ・剛烈!”

 彼がゲイツリバイブライドウォッチのスイッチを入れて、ジクウドライバーの左のスロットにセットした。

「変・・身!」

 ゲイツがジクウサーキュラーを回転させる。

“ライダーターイム!”

“仮面ライダーゲーイツ!”

“リ・バ・イ・ブ・ゴーレツー!剛烈!”

 ゲイツの装甲が赤へと変わっていく。彼は強化形態「ゲイツリバイブ」へと変身した。

 ソウゴとゲイツが駆け出して、ノゾムに加勢する。2人がパンチを繰り出して、ヨゴシマクリタインを押し返していく。

「アイツを倒したくて仕方がないところ悪いが、オレたちもやらせてもらうぞ・・!」

「あの消しちゃう力を出されるのはイヤだからね。」

 ゲイツとソウゴがノゾムに声を掛ける。

「アイツを倒すことに変わりないか・・そういうことなら、早く済ませるぞ・・!」

 2人の意思を聞き入れて、ノゾムが彼らとともに構えを取る。

「お前たちが束になろうと、我を阻むことは不可能ナリナ!」

 ヨゴシマクリタインが言い放って、デンカノボウトウを構える。

「不可能なのは、お前の思い上がりが通用することだ!」

 ノゾムが言い放ってソウゴ、ゲイツとともに向かっていく。

 ノゾム、ソウゴ、ゲイツが連続でパンチを叩き込んで、ヨゴシマクリタインを押し込んでいく。ジオウUとなったソウゴの戦闘能力が上がり、ゲイツリバイブとなったゲイツもパワーが大きく上がっていた。

「許さん・・決して許さんナリナ!」

 ヨゴシマクリタインが怒りをふくらませて、全身からエネルギーを発する。

 そのとき、ソウゴはヨゴシマクリタインの次の行動を目にしていた。ヨゴシマクリタインは正義解散を繰り出そうとしていた。

 ジオウUとなっているソウゴには、未来を見る能力がある。

「あの消す技を出してくるよ!」

「出させない!その前に阻止する!」

 ソウゴが呼びかけて、ゲイツがジクウドライバーにセットされているゲイツリバイブライドウォッチを回転させた。

“スピードターイム!”

 彼はさらにジクウサーキュラーを回転させた。

“リバイ・リバイ・リバイ!リバイ・リバイ・リバイ!リ・バ・イ・ブ・シーップウー!疾風!”

 ゲイツリバイブの装甲が青色に変わった。ゲイツは「ゲイツリバイブ・疾風」となった。

 ゲイツリバイブには2つの形態がある。パワー重視の「ゲイツリバイブ・剛烈」とスピード重視の疾風がある。

「貴様ら全員受けるナリナ!正義解散・・!」

 ヨゴシマクリタインが消滅の光を放とうとしたとき、ゲイツが高速で飛び込んで、足払いを仕掛けた。

「ぬおっ!」

 ヨゴシマクリタインが体勢を崩して、仰向けに倒れる。彼は集めていたエネルギーを、真上の空に放つことになった。

「お前のその力は危険だからな。速攻で阻止させてもらった・・!」

「おのれ・・我が、こんなことで敗れはしないナリナ・・!」

 言いかけるゲイツに言い返して、ヨゴシマクリタインが立ち上がる。

「消えるのはお前のほうだ・・完全にお前を消滅させる・・・!」

 ノゾムが鋭く言って、もう1度ビースドライバーの左上のボタンを押した。

“エックスチャージ!アニマルスマーッシュ!”

 彼の両足に光が集まっていく。

「オレたちも行くぞ、ソウゴ!」

「うん、ゲイツ!」

 ゲイツが呼びかけて、ソウゴが頷く。2人がそれぞれのライドウォッチのスイッチを入れて、ジクウサーキュラーを回転させた。

“フィニッシュターイム!”

 ソウゴとゲイツがノゾムとともにジャンプして、ヨゴシマクリタインに向かってキックを繰り出した。

「かくなる上は・・ヨゴシマニフェストブレイク!」

 ヨゴシマクリタインがデンカノボウトウを振りかざして、強力な光線を放つ。ソウゴたちが光線にキックを当てて、押し込んでいく。

「それでオレたちを止められはしないぞ!」

「お前のような思い上がりは、オレが徹底的に叩き潰す!」

「そしてオレは、最高最善の王様になる!お前みたいな最低最悪の魔王にはならない!」

 ゲイツ、ノゾム、ソウゴが言い放つ。3人が光線を打ち破って、ヨゴシマクリタインにキックを叩き込んだ。

「ぐおあぁっ!」

 ヨゴシマクリタインが突き飛ばされてふらつく。決定打を受けた彼が、デンカノボウトウを手放す。

「我はガイアークの総裏大臣・・全ての世界を支配するはずだった・・・アイムソーリー・・・!」

 ヨゴシマクリタインが断末魔を口にして、倒れて爆発を起こした。

「やったね、ゲイツ、ノゾムさん!」

 ソウゴが勝利を喜んで、ノゾムとゲイツがひと息つく。

「オレは戦う・・相手が誰だろうと、心から許せない敵は、徹底的に叩き潰す・・そうしないと、本当に気が休まらないから・・」

 自分の揺るがない意思を口にするノゾム。彼の言葉を聞いて、ゲイツは頷いていた。

「みんな片付いたみたいだね。」

 そこへ魁利がライたちとともにやってきて、ソウゴたちに声を掛けてきた。

「オレたちは逃げられてしまった・・何か悪だくみをしてなければいいけど・・・」

 ライがモンスターに逃げられたことをソウゴたちに伝えた。

「また何かしてきたら今度こそ倒せばいいだけのことだ・・」

「オレたちの戦いは敵を倒すことじゃない。悪さを止めることだ。」

 ジョーと圭一郎がライたちに言いかける。

「それじゃ止めないといけないな。怪盗も海賊もみんな。」

 そこへ声がかかって、ライたちが振り返る。彼らの前にアキトが現れた。

「お前・・!」

 ノゾムがアキトに向かって鋭い視線を向ける。

「アイツか、世界を塗り替えようと企んでいるのは・・!?

 圭一郎がアキトを見て咲也、つかさとともにVSチェンジャーを構える。

「怪盗戦隊と対を成す警察戦隊か。何人出てきてもオレを止めることはできないけどね。」

「止める!お前の企みは実現させない!」

「オレたちがここで阻止してみせる!」

 笑みをこぼすアキトに、咲也とつかさが言い放つ。

「オレは世界を変える。愚かな世界の全てを・・」

 アキトは野心を口にして、フォースドライバーのレバーを手に掛けた。

「変身!」

 アキトがレバーを引いて、フォースドライバーを展開した。フォースドライバーからあふれた光が、アキトを包み込んだ。

 アキトは仮面ライダーフォースへの変身を果たした。

「ハルキには悪いが、お前はオレたちが倒させてもらう・・お前のことをよく思っていないのは、オレたちも同じだからな・・!」

 ライがアキトに向かって鋭く言いかける。

「オレがやらなければ、世界は愚かな道を突き進むばかりだ。オレが道を指し示さなければ、地獄のままだ・・」

 アキトが自分の考えを口にして、両手を握りしめた。

「アンタの都合なんて、こっちには知ったことじゃないよ!」

「お前がオレたちの前に立ちはだかるなら、全力で押し通るッスよ!」

 ルカと鎧がアキトに向かって言い放つ。

「その考え方・・海賊らしいことは認めるが、それもまた愚かな考えだ・・一気に叩きつぶすことにしようか・・」

 アキトはため息をついてから、右手に力を集めて放った。するとソウゴたちに倒されたはずのヨゴシマクリタイン、ゼイハブ、ジュウオウ、ドドンが巨大化して復活した。

「ギョダーイの巨大化光線を使ったのか!」

「アイツらはオレたちが相手をするしかないな・・!」

 ドンとジョーがヨゴシマクリタインを見て声を上げる。

「これでまだまだ続くことになるな。お前たちの言う派手な戦いが・・」

 アキトがライたちに視線を戻して笑みをこぼした。

 

 オイルドリンカーが口から放つ炎を、ロッソが素早くかわしていく。

「そんな炎じゃオレは負けないぞ!」

 カツミが言い放って、ロッソが炎による爆発を飛び越えてオイルドリンカーに飛びかかる。ロッソが連続でパンチを繰り出して、オイルドリンカーを攻め立てる。

「これで決める!」

 カツミが言い放って、ロッソがルーブスラッガーを手にした。

“ウルトラマンビクトリー!”

 カツミがウルトラマンビクトリーのルーブクリスタル「ビクトリークリスタル」を、ルーブスラッガーにセットした。刀身に光が集まるルーブスラッガーを構えて、ロッソが飛び込む。

「ビクトリウムクロス!」

 ロッソがルーブスラッガーを振りかざして、オイルドリンカーをVの字に切りつけた。オイルドリンカーが絶叫を上げて、倒れて爆発を起こした。

 ロッソが頷いて、アストロモンスと戦っているブルに振り向いた。

 アストロモンスが振りかざす右手の鞭を、ブルが後ろに下がりながらかわしていく。

「こっちもサクサクと片付けてやるよ!」

 イサミが自信を見せて、ブルがアストロモンスが振りかざしてきた左手のかぎ爪を手で受け止めた。その直後、アストロモンスが腹の花からガスを吹き出してきた。

「おわっ!」

 ブルがガスを受けて押されて、イサミがうめく。倒れたブルにアストロモンスがのしかかって、左手のかぎ爪を振り下ろしてきた。

 ブルが再びかぎ爪を両手で受け止めるが、押され気味になる。

「ルーブスラッガーブル!」

 ブルが左手だけでかぎ爪をつかんで、右手でルーブスラッガーを手にして、アストロモンスに突き立てた。怯んだアストロモンスを、ブルが足を出して蹴り飛ばした。

“ウルトラマンゼロ!”

 イサミがゼロクリスタルをルーブスラッガーにセットする。

「スパイラルスラッガー!」

 ブルがルーブスラッガーを回転させて、アストロモンス目がけて振りかざす。切りつけられたアストロモンスが、倒れて爆発した。

「こっちも終わったぜ、カツ兄!」

 ブルがロッソに振り向いて、イサミがカツミに呼びかける。

「残るはフォース、ハルキだな。」

 イサミが言いかけて、カツミが頷く。ロッソとブルがフォースの戦いを見届けることにした。

 

 サーベルを振りかざすマグマ星人だが、フォースに全て軽々とかわされる。特訓を経て強くなったフォースにとって、マグマ星人は相手ではなかった。

「バカな!?・・こんなことが・・・!?

 焦りをふくらませるマグマ星人に、フォースが距離を詰める。

「今は復讐や敵討ちではない・・我々や仲間のために、お前を倒す・・!」

 フォースが鋭く告げて、ハルキも真剣な顔で頷いた。フォースが両手を握って、左胸の前で交差するように腕を組んだ。

「そうはさせんぞ、フォース!」

 マグマ星人がサーベルを突き出して、ビームを放つ。フォースは光線を撃つと見せかけて、ジャンプしてビームをかわした。

 フォースが腕ではなく右足にエネルギーを集めた。

「フォースチャージキック!」

 フォースが急降下して、マグマ星人にキックを叩き込んだ。星人が突き飛ばされて、地面に叩きつけられた。

 レオのキックが急降下のときの摩擦熱を使っているのに対して、フォースのキックはエネルギーを集中させてその威力を上げていた。

「これで終わりだ・・2度と侵略や破壊を行わないとするならば、ここは見逃す。聞かなければ今度こそお前を倒す・・!」

 フォースがマグマ星人に忠告を送る。

「わ、分かった・・もう2度とそのようなことは・・・!」

 マグマ星人がふらつきながら、フォースに頷きかけた。

「あるはずがない!」

 しかしマグマ星人はフォース目がけてサーベルを突き出してきた。フォースは冷静に動きを見計らって、サーベルをかわした。

「悪い宇宙人の考えそうなことは同じのようだ・・!」

 フォースが言いかけて、両腕をL字に組んだ。

「フォースチャージシュート!」

 フォースが光線を発射して、マグマ星人に命中させた。

「があぁっ!」

 光線を受けたマグマ星人が、絶叫を上げて消滅した。

「おとなしく言う通りにすればよかったのに・・・!」

 フォースが不満を感じて、ハルキも納得ができていなかった。復讐のむなしさを感じていたのか、星人のやり口が納得できなかったのか、2人ともハッキリとは考えられなかった。

「大丈夫か、フォース?」

 ロッソとブルがフォースに近付いて、カツミが声を掛けてきた。

「大丈夫だ。レオとアストラが鍛えてくれたから、オレたちは勝利できて、道を外れることもなかった・・」

 ハルキが答えて、レオたちへの感謝を口にした。

「オレたちは、大切なものを守るために戦う。それが何かはそれぞれだけど、その姿勢は同じのはずだ。」

「オレたちの、大切なもの・・・」

 カツミからの言葉を受けて、ハルキが自分の大切なものを確かめる。

(オレはトウカを忘れることはできない・・でも、オレには、アイツが・・・)

 ハルキはトウカだけでなく、ナツのことも気に掛けていた。

 そのとき、アキトによってヨゴシマクリタイン、ゼイハブ、ジュウオウ、ドドンが巨大化して、フォースたちが目の当たりにした。

「怪人たちが大きくなってきた!?

「またぞろぞろと出てきやがって・・!」

 イサミとカツミがヨゴシマクリタインたちを見て、驚きの声を上げた。ヨゴシマクリタインたちがフォースたちの前に立ちはだかった。

 

 ヨゴシマクリタインたちが巨大化したのを、ゲンも目撃していた。

“レオ兄さん、オレたちも行こう・・!”

 ゲンに向かってアストラが呼びかけてきた。彼は地球の大気圏の外で、体力の消耗を抑えるために待機していた。

(分かった・・行くぞ、アストラ!)

“あぁ、レオ兄さん!”

 ゲンが呼びかけてアストラが答える。

「レオー!」

 ゲンが構えを取って、左手を前に突き出した。左手の薬指に付けれている指輪「レオリング」にある宝石「獅子の瞳」が輝くと、彼はレオへと変身した。

 アストラも地球に下りてきて、レオと合流した。

「フォース、ロッソ、ブル、ここからはオレたちも戦うぞ!」

「ヤツらの好きに、これ以上させてはならない!」

 レオとアストラがフォースたちに呼びかけて、ヨゴシマクリタインたちに振り返る。ヨゴシマクリタインたちが本能のままに向かってきた。

 

 巨大化したヨゴシマクリタインたちを、ライたちが見上げていた。

「グッティ、このまま圭ちゃんたちに力貸してよ。オレたちはアイツの相手をするからさ。」

 魁利がグッドストライカーに向かって呼びかける。

「オレは構わないけど、魁利たちだけで大丈夫なのか!?

「オレたちだけじゃない。仮面ライダーのみんなもいる。」

「おっきくなった怪人もだけど、アイツも何とかしちゃわないとね!」

 心配するグッドストライカーに、透真と初美花も言いかける。彼らもライたちとともに、アキトに目を向ける。

「咲也、つかさ、ノエル、オレたちはヤツらの暴動を止めるぞ・・!」

「分かりました!」

 圭一郎が呼びかけて咲也が意気込んで答える。

“グ・グ・グ・グーッド!”

 圭一郎のVSチェンジャーから飛び出したグッドストライカーが巨大化する。圭一郎、咲也、つかさが続けてVSチェンジャーにVSビーグル「トリガーマシン」をセットした。

“轟音爆走!”

“百発百中!”

“乱撃乱打!”

 圭一郎たちのVSチェンジャーから放たれたトリガーマシン1号、2号、3号も巨大化して、彼らが乗り込んだ。

「行くぞ、グッドストライカー!」

「OK!警察ガッタイム!正義をつかみ取ろうぜ!」

 圭一郎の呼びかけにグッドストライカーが答える。トリガーマシンとグッドストライカーが変形、合体していく。

「完成、パトカイザー!」

 合体ロボ「パトカイザー」がヨゴシマクリタインたちの前に現れた。

「よし!僕も行くよ!エックストレイン!」

 ノエルも列車型VSビーグル「エックストレイン」を呼び出した。エックストレインのうちの2車両「ゴールド」と「シルバー」が巨大化して、彼はゴールドに乗り込んだ。

 他のエックストレイン「ファイヤー」と「サンダー」も駆けつけてシルバー、ゴールドと連結した。

“エックスガッタイム!”

 4車両のエックストレインがX字に変形、合体してゴールドとサンダーが上半身となるロボとなった。

「完成、エックスエンペラーガンナー!」

 巨大ロボ「エックスエンペラーガンナー」が、パトカイザーと合流した。

「オレたちも負けてられないな。」

 マーベラスが強気に言って、モバイレーツを操作する。鎧もゴーカイセルラーを手にしてボタンを押す。

“ゴーカイガレオン!”

“発進・豪獣ドリル!”

 マーベラスたちがゴーカイガレオン、豪獣ドリルに乗り込む。ゴーカイマシンが発進して、豪獣ドリルが豪獣神に変形した。

「海賊合体!」

 ゴーカイガレオン、ゴーカイマシン、豪獣神が合体して、さらに巨大なロボとなった。

「完成、豪獣ゴーカイオー!」

 新たなロボ「豪獣ゴーカイオー」がヨゴシマクリタインたちの前に降り立った。

「これ以上この星をヤツらに荒らさせるわけにはいかない!」

「被害が増す前にここで倒すぞ!」

 レオとアストラがフォースたちに呼びかける。

「了解!迅速に防衛してみせます!」

「言われるまでもない。さっさと片付けて、オレたちもアイツの相手をしてやるさ・・!」

 圭一郎が答えて、マーベラスが笑みをこぼす。

「続きをやるぞ、バルバンの船長・・!」

 ジョーが言いかけて、豪獣ゴーカイオーがゼイハブに向かっていく。

「ジュウオウ、お前たちの破壊行為は我々が止める!」

「国際警察の権限において、実力を行使する!」

 つかさと圭一郎が言い放って、パトカイザーがジュウオウを迎え撃つ。

「それじゃ僕は、ドドンの相手をさせてもらうよ。」

 ノエルが言いかけて、エックスエンペラーがドドンと対峙する。

「ちょっと待ったー!」

 そこへ声がかかって、フォースたちが振り向いた。彼らの前に1体の巨大ロボが現れた。

「あれは“ネオメガジャイガン”のレスラーメガス!・・ということは、乗ってるのは・・!」

 鎧がロボ、レスラーメガスを見て声を上げる。

「大きくなったか、ジュウオウ!オレもこのレスラーメガスで加勢するぞ!」

 レスラーメガスから高らかに声が響く。乗っていたのは、ライたちから離れていたモンスターだった。

「ならばお前はオレたちが相手をする!」

「モンスター、見事オレたちを倒してみるか!」

 アストラとレオがモンスターに向かって言い放つ。

「いいだろう、赤い宇宙人!このレスラーメガスで、徹底的に叩きのめしてやるぞ!」

 モンスターが言い放って、レスラーメガスがレオたちに向かってきた。

「となると、オレたちはあの黒いヤツだな、カツ兄・・!」

 イサミが言いかけて、ブルたちがヨゴシマクリタインに目を向けた。

「フォース、フォースガンダムは今は万全じゃない・・オレたちだけで戦うぞ・・!」

「今は私と君、そしてともに戦う者たちを信じる・・・!」

 ハルキとフォースが声をかけ合う。2人も残りの力を振り絞って、ヨゴシマクリタインたちに立ち向かった。

 

 

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