ザ・グレイトバトル
-感情の力-
第8章
それぞれ変身を果たしたライたちがモンスター、ジュウオウ、ドドンの前に立ちはだかった。
「オヤビン、戦隊も仮面ライダーもあんなに〜!」
「あんなにいたんじゃ、さすがに敵わないって〜!」
ジュウオウとドドンが頭を抱えて悲鳴を上げる。
「うろたえるな、お前ら!そんなんでオレたちの力を見せつけられると思ってんのか!?」
モンスターがジュウオウたちに檄を飛ばす。
「その通りだ、てめぇら・・!」
そこへ1人の男が現れて、モンスターたちに声を掛けてきた。
「アイツ、ギンガマンと戦った宇宙海賊“バルバン”の船長、ゼイハブですよー!」
鎧が男、ゼイハブを指さして言い放つ。
「アイツがあの宇宙海賊の船長・・!」
「海賊の船長でも、マーベラスとは大違いね。」
ドンとルカがゼイハブを見て言いかける。
「お前らがゴーカイジャーという海賊戦隊か。だがオレが出てきたからには、お前らの思い通りになることはないぞ。」
ゼイハブがマーベラスたちをあざ笑って、剣を手にした。
「思い通りにならないのはあなた方のほうです。」
「おめぇが何者だろうと、邪魔をするなら倒すまでだ。」
アイムが冷静に、マーベラスが強気に言い放つ。
「その大口がいつまで続くナリナ?」
そこへもう1人の男が現れて、マーベラスたちをあざ笑ってきた。
「お前は、“ガイアーク”の総裏大臣、ヨゴシマクリタイン・・!」
ジョーが男、ヨゴシマクリタインを見て身構える。
「久しぶりだな、ゴーカイジャー。だが今度は貴様らが消えてなくなる番ナリナ。」
「しかもオレ様もいる。てめぇらに勝ち目なんざこれっぽっちも残っちゃいねぇんだよ!」
ヨゴシマクリタインに続いて、ゼイハブが高らかに言い放つ。
「そんなこと、お前たちに決められたくない!」
「全員まとめて吹っ飛ばしてやるから、覚悟するんだなー!」
ドンと鎧がヨゴシマクリタインたちに向かって言い放つ。
「相変わらず、身の程知らずのバカ海賊どもめ!」
「オレ様が本物の海賊だってこと、思い知らせてやるぞ!」
ヨゴシマクリタインとゼイハブが言い放って、マーベラスたちに迫る。
「オレたちがいること、忘れないでほしいな。」
そこへソウゴがライたちともに来て、声を掛けてきた。
「身の程知らずのバカどもが集まってきたか!」
「ならば分からせるまでナリナ・・このヨゴシマクリタインこそが、全ての次元の覇者となる存在だということを!」
ゼイハブとヨゴシマクリタインがさらにあざ笑う。
「お前たちも、自分が正しい、自分さえよければそれでいいと思い上がっているヤツらか・・!」
ノゾムがゼイハブたちの態度に怒りをあらわにする。
「何でも自分の思い通りになると思い上がる敵を、オレは絶対に許さない・・宇宙人だろうと、別の世界のヤツだろうと、オレの前に出てきたなら、必ずブッ倒す!」
ノゾムが怒鳴り声を上げて、ヨゴシマクリタインの前に立ちはだかった。
「我に対するその無礼、万死に値するぞ・・!」
「その思い上がりを出せないように、完全に叩き潰す!」
いら立ちを見せるヨゴシマクリタインに、ノゾムが向かっていく。
「ちょっと待って!オレもやるから!」
「オレがいることも忘れるな・・!」
ソウゴとゲイツもノゾムに続いていく。
「それじゃ、海賊同士で相手をすることになるな。」
「フン。戦隊の海賊が束になろうと、オレの敵じゃねぇ!」
強気に言いかけるマーベラスに、ゼイハブが言い放つ。マーベラスたちがゴーカイサーベル、ゴーカイガンを手にしてゼイハブに向かっていく。
「オヤビン、オレたちもグズグズしてられないッスよ!」
「こうなったら他のヤツらを片付けてやるぞー!」
ジュウオウとドドンがライたちに目を向けて、意気込みを見せる。
「よーし!お前らはあの2組の戦隊をやっつけろ!オレはクロスとクラールだ!」
「アイアイサー!」
モンスターが呼びかけて、ジュウオウとドドンが答える。
「あの大男は2人に任せるぞ。」
「他は我々に任せてくれ。」
魁利と圭一郎がライと聖也に呼びかける。
「分かった・・3人組の親玉は、オレが倒す!」
ライが頷いて、モンスターに目を向けた。
マーベラスたちが発射するゴーカイガンの射撃を、ゼイハブが剣ではじいていく。マーベラスたちが続けてゴーカイサーベルを振りかざすが、ゼイハブは剣で防いでいく。
「ハカセ、サーベルを貸せ!」
ジョーが呼びかけて、持っていたゴーカイガンをドンに渡す。
「OK、ジョー!」
ドンがゴーカイガンを受け取って、ゴーカイサーベルをジョーに渡した。
「アイム!」
ルカもアイムにゴーカイガンを渡す。
「承りました!」
アイムがゴーカイガンを受け取って、ゴーカイサーベルをルカに渡した。
ドンとアイムがゴーカイガンを連射するが、ゼイハブが剣を振りかざして射撃を全てはじき飛ばす。
「フン。小賢しいマネを・・!」
「ひと振りで全部吹き飛ばすなんて・・!」
笑みをこぼすゼイハブに、ドンが驚きの声を上げる。
「ならば剣で切り伏せるまで・・!」
ジョーがゼイハブに飛びかかって、ゴーカイサーベルを振りかざす。ゼイハブは剣を構えて、ゴーカイサーベルを防いでいく。
「なかなかの剣の腕だが、オレ様には敵わねぇ・・!」
ゼイハブがジョーを見て強気に言いかける。
「あたしがいるのを忘れないでよね!」
ルナがゼイハブの後ろに回り込んで、ゴーカイサーベルを振りかざす。ゼイハブが剣でジョーを突き飛ばして、ルカのゴーカイサーベルを受け止める。
「悪かったな・・そんなに吹っ飛ばされたいなら、望みどおりにしてやるぞ・・!」
ゼイハブが笑みをこぼして、ゴーカイサーベルをはじいて、ルカを切りつける。
「うあっ!」
ルカが突き飛ばされて地面を転がる。
「ルカ!」
マーベラスが鎧とともにゼイハブに向かっていく。2人が突き出したゴーカイサーベルとゴーカイスピアを、ゼイハブが剣で同時に受け止める。
「てめぇら2人も大したことねぇな・・!」
「そいつは・・どうかな!」
笑みをこぼすゼイハブに、マーベラスが言い返す。同時にマーベラスがゴーカイガンをゼイハブに突きつけて、引き金を引いた。
ゼイハブが一瞬怯んで、その隙を狙ってマーベラスと鎧が再びゴーカイサーベルとゴーカイスピアを振りかざした。
「おのれ・・またも小賢しい!」
ゼイハブが左手のかぎ爪を外して、大砲を発射する。
「ぐあっ!」
「おわっ!」
砲撃の爆発でマーベラスと鎧が吹き飛ばされる。横転する彼らにジョーたちが合流する。
「フハハハハ!不様だな、ゴーカイジャー!これでオレ様に逆らおうとは笑わせてくれる!」
ゼイハブがマーベラスたちに向かってあざ笑う。
「てめぇらがよく言うように、派手に吹っ飛ばしてやるぜ!」
「コイツ・・オレのセリフを使いやがって・・・!」
攻撃を狙うゼイハブに対して、マーベラスがいら立ちを噛みしめる。
「てめぇらも海賊の端くれだろ?奪って壊して・・それが海賊ってもんだろ?」
「てめぇをオレたちと一緒にすんな・・!」
ゼイハブが投げかけた言葉に、マーベラスが反発した。
「地球や宇宙には、そんなやり方じゃ絶対に見つからない、最高の宝物があるんだ!」
「それは、スーパー戦隊、いや、ヒーローの力だ!」
「地球や宇宙、大切なものを守ろうとする気持ちが、最高の宝物なんだから!」
「あなたのような人では、奪うことも壊すこともできません!」
ドン、ジョー、ルカ、アイムがゼイハブに言い放つ。
「みなさん、スーパー戦隊のみなさんが貸してくれた力を使いましょう!」
鎧が呼びかけて、別のレンジャーキーを取り出した。
「ゼイハブ、最高のお宝、今から見せてやるぜ!」
マーベラスが言い放って、ジョーたちとともにレンジャーキーを手にした。
「ゴーカイチェンジ!」
マーベラスたちがモバイレーツ、ゴーカイセルラーにそのレンジャーキーをセットした。
“シーンケンジャー!”
彼らのスーツとマスクに別の戦隊のものへと変化した。
「天下御免の侍戦隊!」
「シンケンジャー、参る!」
マーベラスたちが刀「シンケンマル」、「サカナマル」を手にして振りかざしながら、名乗りを上げる。彼らはレンジャーキー「シンケンジャーキー」を使って、侍戦隊シンケンジャーとなった。
マーベラスたちはレンジャーキーを使うことで、ゴーカイジャーだけでなく、他の戦隊に変身することもできる。色や性別に関係なく。
「違う姿になっただと?大芸当としちゃ退屈しなくていいな。」
ゼイハブがマーベラスたちを見て笑い声を上げる。
「退屈どころか後悔させてやるぞ・・オレたちを見くびったことを・・!」
ジョーが鋭く言って、マーベラスたちとともにゼイハブに向かっていく。彼らが振りかざすシンケンマルとサカナマルが、ゼイハブに命中した。
「ぐっ!・・速さが増したか・・!」
ゼイハブが毒づいて、マーベラスたちに向けて剣を振りかざす。マーベラスたちが回避して、ジョーがシンケンマルで剣を受け止めた。
「力任せの剣だな・・それではオレたちには勝てない・・!」
「ほざけ、青二才が!」
鋭く言いかけるジョーに向けて、ゼイハブが火炎を放つ。ジョーは後ろに跳んで火炎をかわす。
「ウォーターアロー!」
ジョーが水の弓矢「ウォーターアロー」を発射する。ゼイハブが剣で矢を叩き落として、再び火炎を放つ。
「水の幕!」
ジョーがシンケンマルを振りかざして、水の壁を出して火炎を防いだ。
「水流の舞!」
直後にジョーが飛び込んで、水流を帯びたシンケンマルを振りかざした。
「ぐおっ!」
ゼイハブが横一線に切りつけられてうめいて、後ずさりする。
「おのれ・・!」
手傷を負わされて、ゼイハブがいら立ちを浮かべる。
「これで決めるぞ!」
マーベラスがシンケンマルを大刀「烈火大斬刀」に変えて構える。烈火弾斬刀の刀身に炎が灯る。
「烈火大斬刀・百火繚乱!」
彼がゼイハブに向かって、烈火大斬刀を振り下ろす。
「ぐあぁっ!」
ゼイハブが剣を折られて、さらに体を切られて絶叫する。
「このオレが、こんなことでやられてたまるか・・!」
ゼイハブが踏みとどまって、マーベラスたちに鋭い視線を向ける。
「しぶといな。海賊の船長は伊達じゃないってことか。」
マーベラスがゼイハブを見て笑みをこぼす。
「次はこの戦隊で行きましょう!」
鎧が別の戦隊のレンジャーキーを取り出した。
「アイツにはそうくるよね!」
ドンが頷いて、マーベラスたちとともにレンジャーキーを取り出した。
「ゴーカイチェンジ!」
“ギーンガマン!”
マーベラスの姿が別の戦隊に変わった。
「て、てめぇらは!?」
ゼイハブが彼らを見て驚きの声を上げる。
「銀河を貫く伝説の刃!星獣戦隊!」
「ギンガマン!」
マーベラスがゼイハブを指さして、ジョーたちとともに名乗りを上げる。彼らは「ギンガマンキー」を使って、星獣戦隊ギンガマンに変身した。
「憎きギンガマンの姿になるとは・・ならばその姿のてめぇらをブッ倒して、その後に本物も始末してやるぞ!」
ゼイハブが敵意をむき出しにして、左手の大砲を発射する。マーベラスたちが大きくジャンプして、砲撃をかわした。
「激流一刀!
「疾風一陣!」
ジョーとドンが剣「星獣剣」を振りかざして、水と風の一閃を放つ。ゼイハブが火炎を放って、2人の一閃を打ち破る。
「炎のたてがみ!」
マーベラスと鎧が両手を前に出して、炎を放つ。一瞬の隙を突かれたゼイハブが、炎を浴びて吹き飛ばされる。
「雷のおたけび!」
「花びらのつめ!」
ルカとアイムも雷と花吹雪を放って、ゼイハブを怯ませた。
「おのれ・・!」
ふらつくゼイハブがいら立ちをふくらませる。
「これでとどめだ!」
マーベラスが言い放って、ジョーたちとともに棍棒「獣撃棒」を手にして構えた。
「銀河獣撃弾!」
彼らが獣撃棒から光の球を発射する。ゼイハブが火炎と砲撃を放って、光の球とぶつけ合った。
「黒の一撃!」
その直後、鎧がジャンプして飛び込んで、剣「ブルライアット」を振り下ろした。
「ぐあぁっ!」
ゼイハブが体を斬られて絶叫を上げる。
「全てはオレ様のものだ・・オレ様の思い通りにならねぇものは・・何もねぇ・・・」
声を振り絞るゼイハブだが、力尽きて倒れて爆発を起こした。
「これが最高の宝、スーパー戦隊の力です!」
鎧が勝ち誇って、マーベラスたちが笑みをこぼす。彼らはゴーカイジャーに戻って、他の戦いに目を向けた。
ドドンが振りかざす長い尻尾を、魁利たちは素早くかわしていく。
「そんな動きでは、遅すぎて話にならないな。」
透真がため息まじりに言いかけて、VSチェンジャーを発砲する。
「イテテテテ!痛いじゃないかー!ドンドン痛くなるー!」
ドドンが撃たれて悲鳴を上げる。
「このー!こうなったらー!ドーンといけー!」
怒りをあらわにしたドドンが、体からイモムシのような分身を出してきた。分身たちが魁利たちに襲い掛かって引っ付いてくる。
「な、何だよ、コイツら!?」
「イヤー!気持ち悪いよー!離れてよー!」
魁利が声を上げて、初美花が悲鳴を上げる。3人が振り払っていくが、分身はすぐに飛びついてくる。
「気持ち悪いー!?そいつらはオレの体に住みついてるかわいいヤツらだー!」
ドドンが高らかに言い放って、分身を魁利たちにけしかける。
「しつこいヤツらだ・・!」
透真が不満をふくらませて、VSチェンジャーで分身を射撃する。撃たれた分身が丸焦げになって動かなくなる。
魁利と初美花もVSチェンジャーで、分身たちを撃退していった。
「くっそー!よくもオレのかわいこちゃんをー!」
ドドンが不満を叫んで地団太を踏む。
「今度はお前が黒焦げになる番だぜ。」
魁利が気さくに言って、ドドンにVSチェンジャーを向けた。
「こうなったらー!ドーンとくらえー!」
ドドンが魁利たちに向かって尻尾を振りかざす。魁利たちはまたジャンプでかわす。
「グッディ!」
宇美花が呼びかけて、グッドストライカーが駆けつけてきた。
「こっちも本格的に仕掛けるとするか。」
「ガッテン承知!」
魁利が呼びかけて、グッドストライカーが答える。魁利がグッドストライカーを、VSチェンジャーにセットした。
すると魁利の姿が3人に増えた。分身ではなく、3人とも実体がある。
「ドドド!?3人になったー!?」
ドドンが3人の魁利を見て、驚きを見せる。分身2人がそれぞれ剣「ルパンソード」を手にした。
“怪盗ブースト!イタダキストライク!”
魁利、透真、初美花がVSチェンジャーから強力な光線を放つ。魁利たちの分身もルパンソードを振りかざして、光の刃を放つ。
「ドドーン!」
ドドンが攻撃を受けて、爆発を引き起こした。魁利の分身が彼に吸い込まれるように消えた。
「こっちは片付いたな。」
「咲也さんたちもそろそろかな?」
透真が呟いて、初美花が圭一郎たちのことを考える。
「グッドストライカー、圭ちゃんとこに行ってやれよ。」
「まだまだグッとくることがあって嬉しいねぇ〜♪それじゃ行ってくるー♪」
魁利が呼びかけて、グッドストライカーが圭一郎たちのところへ向かった。
ジュウオウに対して、圭一郎たちもVSチェンジャーによる銃撃戦を繰り広げていた。
「これでくらえー!バルカン攻撃!」
ジュウオウが指先にあるバルカンを発射するが、圭一郎たちは左右に動いてかわす。
「このまま左右から挟み撃ちにする!」
「はい、先輩!」
圭一郎が呼びかけて、咲也が答える。圭一郎、そして咲也、つかさがVSチェンジャーでジュウオウを射撃する。
「イタタタタ!こうなったら奥の手!バリバリロケット!」
ジュウオウが胸部を開いて、ロケット弾を発射する。
「うわっ!」
爆発が巻き起こって、咲也が宙に跳ね上げられる。
「咲也!」
地面に倒れた咲也に、圭一郎とつかさが叫ぶ。
「自分は平気です!このまま攻め続けましょう!」
咲也が立ち上がって、圭一郎たちに答える。
「みんなー!」
そこへグッドストライカーが駆けつけてきて、圭一郎のそばに来た。
「向こうは片付いたぜー!こっちもグッと決めちまおうぜー!」
「協力、感謝するぞ、グッドストライカー!」
呼びかけるグッドストライカーに、圭一郎が答えた。
「咲也、つかさ、行くぞ!」
圭一郎が呼びかけて、グッドストライカーをVSチェンジャーにセットした。
“突撃用意!”
“1号・2号・3号・一致団結!”
圭一郎が咲也、つかさと合体して「パトレンU号」となった。
「なにー!?メカ人間でもないのに合体したー!?」
ジュウオウが圭一郎を見て、驚きの声を上げる。圭一郎がVSチェンジャーを構えて、ジュウオウに狙いを定める。
“イチゲキストライク!”
圭一郎がVSチェンジャーから強力な光線を放つ。
「ぐおぉっ!」
ジュウオウが光線に貫かれて、絶叫を上げる。
「また・・オヤビンのお役に立てませんでした〜・・」
ジュウオウがモンスターに目を向けて、弱々しく声を発する。
「それではみなさん・・さようなら〜・・」
ジュウオウが力尽きて、倒れて爆発した。爆風に吹き飛ばされた彼の頭部が落ちて、地面を転がった。
ひと息ついた圭一郎から、咲也とつかさが分離した。
「さすがだね、みんな。僕の出番がいらないくらいだった。」
ノエルが圭一郎たちに歩み寄って笑みをこぼす。
「どうやら、まだまだ出番はあるみたいだぞ、ノエル。」
つかさが言いかけて、圭一郎たちとともに周りに目を向ける。彼らの周りを、ギアのメカ人間兵士、メカクローンとゴズマの兵士、ヒドラー兵、ガイアークの兵士、ウガッツが取り囲んできた。
「それじゃ僕がまず、彼らの相手をしないとね。」
ノエルが笑みをこぼすと、十手剣「Xロッドソード」を手にして「十手モード」にした。圭一郎、咲也、つかさも武器「パトメガボー」を手にして、「警棒モード」にした。
圭一郎たちがパトメガボー、Xロッドソードを振りかざして、メカクローンたちを打ち倒していく。
“一手!二手!三手!”
ノエルがXロッドソードのレバーを起こして倒していく。
“十手!一騎当千!イチゲキエックスストライク!”
彼が構えたXロッドソードに、エネルギーが集まる。
「エクセレントエックス!」
ノエルがXロッドソードからビームを放って、メカクローンたちをなぎ払っていった。
果敢に攻め立てるライと聖也だが、モンスターのパワーによって攻撃を押し返されていた。
「なんてパワーをしているんだ・・!」
「力任せ・・単純だが、その分強力だ・・!」
ライと聖也がモンスターの力に息をのむ。
「このオレのパワーに勝てるヤツはいない!戦隊でも、仮面ライダーとかいうヤツらもな!」
モンスターが高らかに言って、ライたちに向かっていく。
「モンスター・ビッグハンド!」
モンスターが右手を巨大なものに変えて振りかざす。
「ぐっ!」
ライと聖也が突き飛ばされて、強く突き飛ばされる。
「このままではやられてしまう・・!」
「パワーなら、パワーだ・・!」
聖也が毒づいて、ライが新たなライダーソウルを取り出した。仮面ライダー響鬼の力を宿した「響鬼ソウル」である。
“響鬼!”
ライが響鬼ソウルのスイッチを入れた。
“ライダーソウール!”
彼がクロスドライバーに響鬼ソウルをセットして、クロスタイフーンを回転させた。
“変身・ライダー!ヒビキー!”
クロスの装甲が響鬼そっくりとなった。ライは響鬼の姿と力を備えた「響鬼フォーム」となった。
「目には目を、パワーにはパワーを、ということか・・!」
聖也がライを見てから、ライダーソウルを取り出した。仮面ライダーバースの力を宿した「バースソウル」である。
“バース!”
“ライダーソウール!”
彼はバースソウルをクラールドライバーにセットして、クラールタイフーンを回転させた。
“変身・ライダー!バース!”
クラールの装甲がバースそっくりの姿になった。聖也は「バースフォーム」への変身を果たした。
「なぬっ!?おめぇらもゴーカイジャーみたいに、違う姿になった!?」
モンスターがライたちの姿を見て驚く。
「これで力負けしないはずだ・・!」
「ほざけ!このオレにパワー勝負をしようなど、身の程知らずにもほどがあるぞー!」
言いかけるライに、モンスターが言い返す。2人が同時に飛び出して、力を込めてパンチを繰り出す。
モンスターのパンチを受けても、ライは平然としていた。
「ちくしょうめー・・ビッグハンド!」
モンスターが巨大な右手を振りかざす。右手の打撃受けたライだが、少し押されただけで踏みとどまっていた。
「何だと!?このオレのパワーが効いてない!?」
「この仮面ライダー、響鬼さんは鍛えてますから・・!」
驚くモンスターに、ライが笑みをこぼす。ライが右手を握りしめて、モンスターの体に叩き込んだ。
「ぐふっ!」
モンスターがうめいて、押されてふらつく。ライが深呼吸をして構えを取る。
「私がいることを、忘れてもらっては困るな・・」
聖也がモンスターの横に立って言いかける。
「今度は私が相手をしよう。他のライダーの力だが、これでお前にパワーでも負けはしないぞ・・!」
「お前も調子に乗りやがってー!」
言いかける聖也に不満を覚えて、モンスターが飛びかかる。
「モンスター・ビッグカッター!」
モンスターが右手を刃に変えて、聖也目がけて振りかざす。聖也は刃をかわして、さらに両手で刃を受け止めた。
「何っ!?このー!」
モンスターが刃に力を込めるが、聖也に逆に押し返されていく。
「バカな!?オレが押し返されるなど!?」
「力押しばかりでは、私たちの正義を壊すことはできないぞ・・!」
驚きを隠せなくなるモンスターに、聖也が言いかける。
「こうなったらオレの必殺技!モンスタービーム!」
モンスターがライたちに向かってビームを放つ。ライたちがクロスタイフーン、クラールタイフーンの右のレバーを右手で上げて回転を加える。
“ライダースマッシュ・ヒビキー!”
“ライダースマッシュ・バース!”
ライと聖也が足に炎と光を発して、同時にジャンプしてビームをかわした。
「クロス・鬼蹴り!」
「クラールセルバースト!」
ライと聖也が同時にキックを繰り出して、モンスターの体に叩き込んだ。
「ぐあぁっ!」
モンスターが大きく突き飛ばされて、ライたちの前から姿を消した。
「やりましたね、聖也さん。」
「しかし逃げられてしまった・・何か企みを持たなければいいが・・・」
ライが微笑んで、聖也が不安を口にした。
「今はソウゴくんたちの援護に専念しよう。」
「はい・・!」
聖也が呼びかけて、ライが頷く。2人はヨゴシマクリタインと戦っているソウゴたちのところへ向かった。
ヨゴシマクリタインの戦闘力の前にソウゴ、ゲイツ、ノゾムは苦戦を強いられていた。
「アイツ、とんでもないパワーだよ・・!」
「伊達にガイアークとかいうヤツの1番の大臣ではないということか・・!」
ソウゴとゲイツがヨゴシマクリタインの力を痛感して、焦りを噛みしめる。
「分かり切ったことを言うナリナ。貴様らに我を倒すことは不可能ナリナ・・!」
ヨゴシマクリタインが勝ち誇って、棍棒「デンカノボウトウ」を地面に叩きつける。
「勝手に決めるな・・オレはお前のようなヤツを、絶対に許さないぞ・・!」
ノゾムがヨゴシマクリタインに向かって、鋭く言い放つ。
「許されないのは、貴様らの無礼極まる態度ナリナ!」
「いつまでも思い上がるな!」
互いに不満の声を上げるヨゴシマクリタインとノゾム。ノゾムが真正面から飛び込んでパンチを当てるが、ヨゴシマクリタインはビクともしない。
「この程度で我に刃向かおうなど、笑止千万ナリナ!」
ヨゴシマクリタインが言い放って、デンカノボウトウを突き出す。
「ぐおっ!」
ノゾムが突き飛ばされて、ソウゴとゲイツの頭上を飛び越えた。
「ノゾムさん!」
ソウゴがノゾムに振り向いて、ゲイツが身構える。
「全ての世界は、我らがゴミを化してくれるナリナ!」
ヨゴシマクリタインがソウゴたちをあざ笑う。
「オレはお前の思い通りにはならない・・その思い上がりごと、お前を叩き潰す・・・!」
ノゾムが声と力を振り絞って立ち上がる。
「オレの怒りを、お前に思い切り叩き込む・・!」
ノゾムが鋭く言ってから、アニマルカード「エックスカード」を取り出した。
“エックス!”
彼はビースドライバーにセットされているマックスカードを、エックスカードと入れ替えた。
“チャージ・エーックス!アンリミテッド・ハイパワー!ビース・エックスライダー!”
ノゾムがまとっているマックスのスーツに変化が起こる。白くなったスーツの真ん中に縦のラインが入り、マスクも「X」の形のラインが入った。
ノゾムは新たなる姿「エックスフォルム」となった。
「お前を倒す・・あのライダーも・・・!」
ノゾムが手を握りしめて、ヨゴシマクリタインに向かっていった。