ザ・グレイトバトル
-感情の力-
第5章
仮面ライダーフォースに変身して、ライたちの前に現れたアキト。彼は地球人を敵と認識していた。
「アイツも仮面ライダーだったのか・・!」
「でもあたしたちと戦おうっていうんでしょ?」
「でしたら遠慮はいりませんね。」
ジョー、ルカ、アイムがアキトを見て言いかける。
「ここは一気に決めちゃおう!」
「あぁ!派手に吹っ飛ばしてやる!」
ドンが呼びかけて、マーベラスが笑みをこぼす。
「ゴーカイガレオンバスター!」
マーベラスたちが乗っている海賊船「ゴーカイガレオン」。それを模したバズーカ砲「ゴーカイガレオンバスター」を、彼らは呼び出した。
「レンジャーキー、セット!」
“レーッドチャージ!”
マーベラスが自分ゴーカイジャーのレンジャーキーを、ゴーカイガレオンバスターにセットする。彼の背中をジョーたちが支える。
「ゴーカイガレオンバスター!」
“ラーイジングストラーイク!”
ゴーカイガレオンバスターから赤い閃光が放たれる。アキトが握りしめた右手に、赤い光が集まる。
ハルキが右手を振りかざして繰り出したパンチが、ゴーカイガレオンバスターの閃光をはじき飛ばした。
「何だとっ!?」
「この程度の力、オレには対処は造作もない。」
驚くマーベラスに、ハルキが笑みをこぼす。
「お前たちの相手は、巨大化したそいつらじゃないのか?」
ハルキが言いかけて、暴れているカミラたちに目を向ける。
「調子に乗りやがって・・・おい、そいつの相手はおめぇらでやれ!」
マーベラスがいら立ちを浮かべながら、ライと聖也に呼びかける。
「おい、アンタ、勝手に決めるなって・・!」
ライが不満の声を上げるが、マーベラスは聞かずにモバイレーツを動かす。
“ゴーカイガレオン!”
海賊船、ゴーカイガレオンがやってきて、マーベラスたちが乗り込む。
「よーし!オレもやりますよー!」
鎧が意気込みを見せて、ゴーカイセルラーを操作した。
“発進!豪獣ドリル!”
彼はドリルタンク「豪獣ドリル」を呼び出して乗り込んだ。ゴーカイガレオンから4機の「ゴーカイマシン」が発進する。
「海賊合体!」
ゴーカイガレオンとゴーカイマシンが合体して、巨大ロボとなった。
「完成!ゴーカイオー!」
巨大ロボ「ゴーカイオー」がカミラたちの前に降り立った。
「海賊変形!」
豪獣ドリルが恐竜型の「豪柔レックス」に、さらにそこから巨大ロボ「豪獣神」に変形した。
「さっさとブッ倒して、アイツの所に戻るぞ!」
「もちろんですよー!」
マーベラスが呼びかけて、鎧が高らかに答える。ゴーカイオーと豪獣神がカミラたちに向かっていった。
アキトがライと聖也に目を向けて、笑みをこぼしていた。
「オレたちだけでもお前を止めてやるぞ!」
「それは不可能だ。たとえゴーカイジャーや他の戦士が束になったとしてもね。」
言い放つライに、アキトが強気な態度を見せる。
「それだけの力が、今のオレにはある。地球を正しく塗り替えられるだけの力が・・」
「だがお前はその力で、この地球の人々を滅ぼそうとしている・・それを見過ごすほど、私たちは薄情ではない!」
自分の野心を示すアキトに、聖也が言い放つ。
「オレを止めるか?自殺行為だと言っておくよ。」
「お前のようなヤツの好きにさせてたまるか!たとえ違う世界でも!」
自信を絶やさないアキトに、ライが言い放つ。ライと聖也が同時に飛び出して、アキト目がけてパンチを繰り出す。
その瞬間、アキトがライたちの横をすり抜けて、パンチを難なくかわしてみせた。
「お前たちの動き、まるでスローモーションのようだ。」
「何だと・・!?」
振り返って笑みをこぼすアキトに、ライも聖也も驚きを隠せなくなる。
「次はオレの攻撃だ。」
アキトが言いかけて、ライたちに一気に詰め寄った。
「うぐっ!」
アキトが繰り出したパンチを受けて、ライと聖也が大きく突き飛ばされた。
「なんというパワーだ・・こうも簡単に吹っ飛ばされるとは・・・!」
「いったい何なんだ、この力は・・・!?」
聖也とライがアキトの力に対して、緊張をふくらませていく。
「オレは力を求めた。怪獣、怪人、宇宙人、全てを従わせるくらいの力を得たのが、今のオレだ。」
アキトが自分の力について語って、余裕を見せる。
「たとえどれだけ強くても、可能性がゼロってことはない・・どんなことでも!」
ライが言い放って、アキトに鋭い視線を向ける。
「それは他の場合だ。オレを超えることは、誰にも不可能だ。」
アキトは強気な態度をライたちに見せる。
「どこまでも自己中心的な態度・・許しちゃおかないぞ!」
ライが怒りをふくらませて、仮面ライダードライブのライダーソウル「ドライブソウル」を手にした。
“ドライブ!”
“ライダーソウール!”
彼はクロスドライバーにドライブソウルをセットして、クロスタイフーンを回転させた。
“変身・ライダー!ドラーイブ!”
クロスの装甲が変化して、さらに1つのタイヤが斜めに装着された。ライはドライブの姿と力を得た「ドライブフォーム」となった。
“マッハ!”
“ライダーソウール!”
聖也が仮面ライダーマッハのライダーソウル「マッハソウル」をクラールドライバーにセットして、クラールタイフーンを回転させた。
“変身・ライダー!マッハー!”
クラールの姿がマッハそっくりとなった。聖也は「マッハフォーム」へと変身を果たした。
「スピードタイプのライダーの力で対抗しようというのか?そんなことをしても、オレには無意味だぞ。」
「やってみなければ分からない・・!」
笑みを絶やさないアキトに、聖也が言い返す。ライと聖也が一気にスピードを上げて、アキトに詰め寄った。
「やはり遅い。」
アキトが足を振りかざして、ライと聖也にキックを当てた。
「うっ!」
ライたちが再び突き飛ばされて、地面を転がる。アキトは2人の動きを正確に捉えて、攻撃を加えたのである。
「本当に私たちの動きを見切っている・・単純に力があるだけではないぞ・・・!」
聖也が体を起こして、アキトに脅威を感じていく。
「お前たちにとっての高速も、オレからすればスローモーションのようだぞ。」
アキトがライたちを見下ろして笑みをこぼす。
「これではじっくり楽しむこともできないな。早く終わらせることにしよう。」
「ふざけるな・・オレはお前の思い通りにはならない・・!」
とどめを刺そうとするアキトに、ライが声と力を振り絞る。
「全てはオレが塗り替える・・この愚かな地球は、変えなければならないんだよ。」
アキトがさらに笑い声を上げて、ライたちに向かっていく。
「ちょっと待った!」
そこへ声がかかって、アキトとライたちが振り向いた。彼らの前に2人の青年が現れた。
「き、君たちは・・!」
「お前たちもこっちの世界に来ていたか。」
ライが戸惑いを覚えて、アキトが笑みをこぼす。
「オレは常盤ソウゴ。で、こっちがゲイツ。」
「のん気に自己紹介をしている場合じゃないだろ・・」
青年、ソウゴが気さくに名乗ると、もう1人の青年、明光院ゲイツが注意をする。
「せっかくだ。お前たちもここで始末させてもらうぞ。」
アキトがソウゴたちに向かって言いかける。
「会って早々攻撃しようとするのは、感心しないな。」
「仕方ない・・オレたちも相手するしかないね・・!」
ゲイツが毒づいて、ソウゴが言いかける。2人がベルト「ジクウドライバー」とそれぞれアイテム「ライドウォッチ」を手にした
“ジクウドライバー!”
ソウゴとゲイツがジクウドライバーを装着する。ソウゴはライドウォッチの1つ「ジオウライドウォッチ」を、ジクウドライバーの右スロットにセットする。
「変身!」
ソウゴがジクウドライバーの「ジクウサーキュラー」を回転させる。
“ライダーターイム!”
“カメンライダー・ジオー!”
ソウゴが銀色の装甲と「ライダー」と読める形の複眼をしたマスクを身にまとう。彼は歴代のライダーの力を持つ仮面ライダー「ジオウ」に変身した。
ゲイツがライドウォッチ「ゲイツライドウォッチ」を手にして、ジクウドライバーにセットして、ジクウサーキュラーを回転させた。
「変身!」
“ライダーターイム!”
“カメンラーイダー・ゲーイツ!”
彼の体をマスクと赤いスーツが包み込んだ。マスクの複眼の形は「らいだー」と読めるものとなっている。
ソウゴとゲイツは仮面ライダー、「ジオウ」と「ゲイツ」に変身した。
「ジオウ、ゲイツ、お前たちの言う王様はオレということになるし、正しい未来もオレが導くことになる。オレが全てを正しく塗り替える。」
「お前のような自分勝手なヤツを王様と認めるつもりはないし、お前に世界の行く末を決められる筋合もない。オレたちの未来は、オレたち自身で切り開く!」
自分の考えを告げるアキトに、ゲイツが言い返す。
「オレは王様を目指しているけど、お前のようにはならないよ。オレがなるのは、最高最善の王様だから。」
ソウゴも自分の考えや夢を、アキトに向けて語っていく。
「最高最善の王様・・それはオレということになる。オレが世界を正しくするのだから。」
「そうはいかないよ。お前はオレが、オレたちが止める!」
強気な態度を絶やさないアキトに、ソウゴが言い放つ。彼とゲイツがアキトに向かって飛び出す。
ソウゴたちが繰り出すパンチとキックを、アキトは軽々とかわしてみせた。
「何っ!?」
アキトの動きにゲイツが驚く。アキトが足を振りかざして、ソウゴとゲイツを蹴り飛ばす。
「お前たちでもオレは止められない。それだけの力をオレは持っているのだから。」
アキトが笑みをこぼして、ソウゴたちに言いかける。
「とんでもないスピードだ・・ならば!」
ゲイツが毒づいて、新たなライドウォッチを手にした。仮面ライダーファイズの力を宿した「ファイズライドウォッチ」である。
ゲイツはファイズライドウォッチをジクウドライバーの左スロットにセットして、ジクウサーキュラーを回転させた。
“アーマーターイム!コンプリートファーイズ!”
ゲイツの体を銀と赤の装甲が包み込んだ。両肩には携帯電話「ファイズフォン」の形をした「フォンギアショルダー」が装着された。
彼は「ファイズアーマー」を身にまとった。
「スピードに定評のある仮面ライダーの力か?それでもオレにとっては遅いと言っておくぞ。」
「その大きな態度がいつまで続くか・・!」
余裕を崩さないアキトに言い返して、ゲイツが飛びかかる。彼が振りかざすパンチを、アキトは回避していく。
「遅い、遅い。これじゃ目を閉じていても対処できそうだ。」
「ふざけるな!」
あざ笑うアキトに、ゲイツが怒りをあらわにする。彼がさらにパンチを繰り出すが、全てアキトにかわされる。
「挑発に乗ったらダメだ、ゲイツ!落ち着かないと、倒せる敵も倒せないよ!」
ソウゴが呼びかけるが、ゲイツは攻撃の手を止めない。
「仲間の注意はきちんと聞いたほうがいいというのに・・」
アキトは言いかけて、ソウゴの懐に一気に飛び込んで、パンチを繰り出した。
「ぐふっ!」
ゲイツが突き飛ばされて、地面に倒される。
「そのアーマーもオレの前では意味がないのが、これで分かっただろう?」
立ち上がるゲイツに、アキトが笑い声を上げる。
「ならばこれはどうだ・・!?」
ゲイツが声を振り絞って、携帯電話「ファイズフォンX」を手にして、「555」、「ENTER」と入力した。
“レディ!ポインターオン!”
ゲイツがジャンプして、アキトに向かって右足を突き出す。その足から赤い光の円錐が放たれた。
「ではオレも技を見せることにするか。」
アキトは呟いてから、フォースドライバーの右のスイッチを上に上げて、レバーを1度閉じてまた引いた。フォースドライバーから光があふれ出して、彼の右手に集まる。
「フォースライダーパンチ。」
急降下してキックを繰り出してきたゲイツに対して、アキトがパンチを繰り出す。パンチは光の円錐ごとゲイツのキックを打ち破った。
「そんな!?ゲイツとファイズの力が、こんな簡単に破られるなんて・・!?」
ソウゴがアキトの力を目の当たりにして、驚きを隠せなくなる。
「スピードもパワーも、全てオレが上。オレが負ける要素は何もない。」
「そんなこと、オレは認めはしない・・!」
強気に振る舞うアキトに、ライが言い返してきた。
「認めてもらおうとは思っていない。お前たちは思い知る以外にないのだから。」
「そういう一方的な考えをするお前は、オレが絶対に倒す!」
態度を変えないアキトに、ライが怒りをあらわにする。
「往生際の悪いことだ、身の程知らずというのは・・」
「それはお前のほうだ・・!」
アキトがため息をついたところで、声がかかった。彼らが振り向いた先に、1人の青年がいた。
「ノゾム!ノゾムも来ていたのか!」
ライが青年、神奈ノゾムを見て声を上げる。
「また1人出てきたのか。何人出てきても同じだけど・・」
アキトがノゾムを見て、さらに笑みをこぼす。
「その思い上がり、オレも絶対に許してはおかない・・!」
ノゾムが怒りの声を上げて、ベルト「ビースドライバー」を装着して、カード「アニマルカード」の1枚「マックスカード」を手にした。
“マックス!”
ノゾムが装着しているビースドライバーのバックル部分に、マックスカードをセットした。
「変身!」
彼はビースドライバーの左上のボタンを押した。
“チャージ・マーックス!マックスパワー!マックスハート!ビース・マックスライダー!”
ノゾムの体を赤いスーツとマスクが包んだ。彼は「ビーストライダー」と呼ばれる仮面ライダーの1人「マックス」に変身した。
「オレの怒りは限界突破!」
ノゾムが言い放って、アキトに飛びかかる。ノゾムが力任せにパンチを繰り出すが、アキトに軽々とかわされる。
「お前もオレには敵わない。お前も理解することだな。」
「黙れ!」
強気な態度を崩さないアキトに、ノゾムが怒号を放つ。彼がさらに力を込めてパンチを繰り出すが、アキトはこれもかわす。
「逃げるな!」
ノゾムが怒鳴り声を上げて、強引にアキトに攻撃を当てようとする。
「それなら反撃に出るとするか。」
アキトが言いかけて、体勢を低くしてノゾムの体にアッパーを叩き込んだ。
「うっ!」
重みのある打撃を受けて、ノゾムがうめく。ふらついた彼に、アキトが回し蹴りを叩き込む。
ノゾムが蹴り飛ばされて、地面を激しく転がる。
「ノゾム!」
ライがノゾムに向かって叫ぶ。倒れたノゾムを見下ろして、アキトが笑みをこぼす。
「これが実力の差だ。ただの自惚れでないことが分かっただろう?」
「思い上がるな・・オレはお前の思い通りには、死んでもならない・・・!」
言いかけるアキトに言い返して、ノゾムが立ち上がる。
「ならば死んでもらおうか。身の程を思い知ることだ。」
アキトがため息まじりに告げてから、ノゾムに向かって歩き出した。
フォースへの変身が解けて、ハルキは眠りから意識を取り戻した。
「変身のエネルギーが切れたのか・・・まだ戦いは続いているのか・・・!」
ハルキが状況を確かめようと、周りを確かめた。
「フォースガンダムで、カツミたちや他のウルトラマンたちを援護しないと・・!」
ハルキがフォースガンダムを動かして、ゴメスたちと戦おうとした。
そのとき、モニターに映ったアキトの姿を見て、ハルキが目を見開いた。
(アイツ・・姿は初めて見るのに、初めて会う気がしない・・・!)
ハルキがアキトの変身している仮面ライダーフォースに対して、不思議な気分を感じていた。ハルキの操縦するフォースガンダムが、アキトたちのところへ向かう。
近づいてきたフォースガンダムに、アキトとライたちが振り向いた。
「あの機体・・・」
アキトがライダーの能力でフォースガンダムのコックピットを透視した。彼はその中にいるハルキの姿を目撃した。
「あれはハルキ!?・・まさか、ここで再会することになるとは・・」
アキトが笑みをこぼすと、フォースドライバーを外して、変身を解除してハルキに正体を見せた。
「ア、アキト・・!?」
ハルキもアキトの姿を見て、驚きを隠せなくなる。ハルキはすぐにアキトに対する怒りをあらわにする。
「お前のせいで、オレたちは・・トウカは!」
ハルキが怒号を放って、フォースガンダムがビームライフルを構える。
「変身。」
アキトがフォースドライバーを装着して、レバーを引いて展開して再び変身した。彼は続けてレバーを閉じてまた引いた。
光を集めた右手のパンチを繰り出して、アキトがビームをはじき飛ばした。
「巨大ロボのビームをはじき飛ばした!?」
ソウゴが驚きの声を上げて、ハルキが目を見開く。アキトがひと息ついてから、フォースガンダムに視線を戻す。
「オレの力は全てを塗り替えられるほどのものだ。ハルキ、お前でもオレには敵わないぞ。」
「アキト、オレはお前を絶対に許さない!」
ハルキが怒りの声を上げて、フォースガンダムが再びビームライフルを発砲する。アキトは的確に動いてビームをかわしていく。
「おい!オレたちもいるんだぞ!」
ライが呼びかけるが、フォースガンダムは攻撃を止めない。
「やれやれ。物騒なのは相変わらずか・・いや、前より激しくなっているようだ。」
ハルキの感情的な言動に、アキトは呆れる。
「そろそろおとなしくさせないと、地球破壊になってしまうな。」
アキトがフォースガンダムの向かっていく。その最中に彼はフォースドライバーの右のスイッチを下にして、レバーを閉じて引く。
フォースドライバーからあふれた光が、アキトの右足に流れて集まっていく。
「フォースライダーキック。」
アキトが大きくジャンプして、フォースガンダムに向かって急降下する。彼が繰り出したキックが、フォースガンダムの胴体に直撃した。
「ぐあぁっ!」
爆発がコックピットにも及んで、ハルキがうめく。損傷したフォースガンダムが倒れて、轟音をとどろかせた。
「ハルキ!」
ライが叫んで、聖也とともにフォースガンダムに駆けつける。
「ハルキ、大丈夫か!?応答してくれ!」
ライが呼びかけるが、ハルキから返事はない。そこへナツのGパニッシャーが来て、フォースガンダムのそばに着地した。
「ハルキ隊員、応答して!ハルキ隊員!」
ナツが呼びかけるが、ハルキの返事がない。ナツがGパニッシャーから出て、フォースガンダムに駆け寄ってハッチを開いた。
「ハルキ隊員!しっかりしてください!」
気絶をしているハルキを支えて、ナツが呼びかける。
「隊長、ハルキ隊員が負傷しました!すぐに本部へ運びます!」
“分かった!ギン、イズル、ナツたちを援護するんだ!”
ナツが通信を送って、トウジが指示を出す。
「あの女・・トウカに似ている・・・」
アキトがナツを見て疑問を覚える。アキトはトウカの死を見ていたため、ナツが彼女と同一人物でないことが分かっていた。
「このまま世界を変えることはできるが、それではやはり面白みに欠けるな・・1度出直すことにするか。」
アキトは呟いて、ライたちとカミラたちの戦いを見渡す。
「ここはお前たちに任せるぞ。オレは引き上げる。」
アキトがカミラたちに呼びかけて、ライたちに背を向ける。
「逃げるなと言っているだろうが!」
ノゾムが怒号を放って、アキトに飛びかかる。
「そういうのは、オレを逃がさないくらいの力を付けてから言うんだな。」
アキトが振り向き様に回し蹴りを繰り出して、ノゾムに叩き込む。しかしノゾムは押されずに、強引にアキトに迫る。
「本当に往生際の悪いヤツだ・・」
アキトがため息をついてから、両手を強く握りしめる。すると彼の体からまばゆい光が放出された。
「ぐあっ!」
ノゾムが光に押されて吹き飛ばされて、地面を転がる。
「次に会ったときに、必ずとどめを刺すとしよう。その時までに首を洗っておくといい。」
アキトは笑みをこぼしてから、ライたちの前から姿を消した。
「ぐっ・・アイツ・・・!」
体を起こすノゾムが、怒りをふくらませて、握った拳を地面に叩きつけた。
「この世界には、とんでもないヤツがいたものだな・・・!」
「オレたちも、今持てる力を全部使わないといけないかもしれない・・・!」
聖也とライもアキトに対して、強い危機感を抱いていた。
巨大化したカミラとスゴーミンに、ゴーカイオーと豪獣神が立ち向かっていた。
「このまま一気に押し込むぞ!」
「了解ッス!」
マーベラスが呼びかけて、鎧が答える。ゴーカイオーたちがカミラたちに向かっていく。
そのとき、ゴーカイオーたちの前で爆発が起こった。ゴーカイオーたちが全身を止めて、マーベラスたちが視線を移す。
倒れたはずの黄金仮面が、巨大化してゴーカイオーたちの前にいた。
「あれは、仮面怪人の黄金仮面!倒れたはずなのに!?」
「あの仮面ライダー、巨大化させる力を持っていた・・ヤツも巨大化したのか・・!」
鎧が黄金仮面を見て声を上げて、ジョーが毒づく。
「だったらまたやっつけちゃえばいいだけだよ!」
「それがスーパー戦隊の戦い方だからね!」
ルカとドンが言いかけて、ゴーカイオーが鎌を持った黄金仮面に向かっていく。
「カミラはオレに任せてくださーい!」
鎧が呼びかけて、豪獣神がカミラを迎え撃つ。しかし黄金仮面とカミラ、スゴーミンたちの執拗な攻撃に、ゴーカイオーたちは苦戦を強いられる。
「多勢に無勢とはこのことですね・・!」
「相手がどんだけいようが、全部まとめてぶっ潰せばいいだけだ!」
アイムが焦りを口にして、マーベラスが言い放つ。しかしゴーカイオーも豪獣神も反撃を仕掛けることができない。
突き飛ばされて倒れたゴーカイオーに対して、黄金仮面が鎌を振り上げた。
そのとき、黄金仮面が衝撃を受けて後ずさりする。
「今のは・・!」
ドンが声を上げて、マーベラスたちとともに視線を移す。ゴーカイオーを助けたのは、もう1機のロボだった。
「ずいぶんと手こずってるみたいじゃない、海賊さん。」
ロボ、ルパンカイザーから青年の声がした。
声の主は夜野魁利=ルパンレッド。彼は宵町透真=ルパンブルー、早見初美花=ルパンイエローとともに、世間を騒がす怪盗、怪盗戦隊ルパンレンジャーである。
「おおっ!ルパンレンジャーのみなさんも来てたんですかー!」
鎧が魁利たちに向かって、感動の声を上げる。
「騒がしい戦隊の先輩もいるみたいだな。」
「いいじゃない♪明るくてこっちも楽しくなってくる♪」
透真がため息まじりに言って、初美花が笑みをこぼす。
「何にしても、まずはアイツらをやっつけてからだ。」
「もちろん、そのつもりだ。」
「私たちの力、あの怪物たちにも見せちゃおう!」
魁利、透真、初美花が声をかけ合って、ルパンカイザーが黄金仮面に振り向く。
「それじゃ、まずはあの金ぴかヤローだ!」
魁利が言い放って、ルパンカイザーが黄金仮面に向かっていく。
「オレたち海賊が、怪盗などに負けてられないな・・!」
マーベラスが笑みをこぼして、ゴーカイオーがスゴーミンたちを迎え撃つ。
「ちょっと待って!僕も参加させてもらうよ!」
そこへ声がかかって、もう1体のロボが現れた。もう1人のルパンレンジャー、高尾ノエル=ルパンエックスのロボ「エックスエンペラー」である。
「僕もルパンレンジャーの一員さ。あの兵士は僕がやるから、あなたたちはあの怪物を任せるよ。」
「勝手なヤツめ・・まぁいいさ。スゴーミンよりも、アイツのほうが手応えありそうだしな・・!」
ノエルの呼びかけに笑みを浮かべて、マーベラスがカミラに狙いを変える。
カミラが両手から爪を伸ばして、ゴーカイオーに迫る。ゴーカイオーが2本の剣「ゴーカイケン」を手にして、カミラが振りかざす爪をはじき返す。
ゴーカイオーが振りかざしたゴーカイケンが、カミラを切りつけた。
「これで決めるぞ!」
マーベラスが言い放って、ゴーカイオーが胸部の大砲「ゴーカイホー」を展開した。
「ゴーカイスターバースト!」
ゴーカイオーがゴーカイホーを連射する。カミラが砲弾をぶつけられて、爆発を起こした。
「やるな、先輩!」
「オレたちもさっさと片付けるぞ。」
魁利がマーベラスたちの戦いに笑みをこぼして、透真が呼びかける。
「みんな、グッとくる攻撃ぶちかましちゃえー!」
大怪盗、アルセーヌ・ルパンの遺産である「ルパンコレクション」。その1つ「VSビーグル」の中で意思を持つ「グッドストライカー」が、魁利たちに呼びかける。
魁利、透真、初美花が銃「VSチェンジャー」を構える。ルパンカイザーの前にも、巨大なVSチェンジャーの形のエネルギーが現れる。
「グッドストライカー連射!倒れちまえショット!」
ルパンカイザーがエネルギーの球を連射して、黄金仮面にぶつけていく。撃たれた黄金仮面が倒れて、爆発を起こした。
「永遠に、アデュー。」
魁利たちが黄金仮面に対して言いかけた。
「あとはノエルさんだけだね。」
初美花がエックスエンペラーを見て頷く。エックスエンペラーがスゴーミンたちを相手に、軽やかな立ち回りをしていく。
「エックスエンペラー・スラッシュストライク!」
エックスエンペラーが右腕からブレードを出して、X字に振りかざした。スゴーミンの1人が切り裂かれて、倒れて爆発した。
もう1人のスゴーミンがエックスエンペラーを狙って、光の球を放つ。エックスエンペラーが横に側転して光の球をかわすと同時に、変形して新たな姿に変わった。
ノエルはルパンエックスだけでなく、「警察戦隊パトレンジャー」の一員であるパトレンエックスでもある。エックスエンペラーは今、「スラッシュ」から「ガンナー」へと変形したのである。
エックスエンペラーが左腰にあるガトリングを発射して、スゴーミンを射撃していく。
「決めるよ!ガンナーストライク!」
エックスエンペラーが他の部位からもガトリングを出して、一斉に発射する。スゴーミンが連射を受けて、木っ端微塵に吹き飛んだ。
「こっちは終わったよ。」
「さすがだぜ、ノエル!」
ノエルが呼びかけて、グッドストライカーが喜ぶ。
「後はウルトラマンと怪獣だな。」
「オレたちが手を出さなくても、アイツらだけで片付けちまうだろうな。」
ジョーが言いかけて、マーベラスが笑みをこぼす。彼らはロッソたちと怪獣たちの戦いを見届けることにした。