ザ・グレイトバトル -エンドレスメモリーズ-

第17章

 

 

 ウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊、ガンダム。

 数多くの戦士たちの力と意思が、オーブたちに集中していた。

「オレの諸先輩方は、これまで数々の敵に立ち向かい、大切なものを守ってきた!その歴史は、この方々から始まった!」

 ガイが言いかけて、4枚のカードを取り出した。カードに描かれているのはウルトラマン、仮面ライダー1号、ゴレンジャー、ν(ニュー)ガンダム。

「ウルトラマンさん!」

“ウルトラマン!”

「1号さん!」

“仮面ライダー1号!”

「ゴレンジャーさん!」

“ゴレンジャー!”

「アムロさん!」

“νガンダム!”

 ガイが4枚のカードをオーブリングにリードさせた。

「始まりの力、お借りします!」

“フュージョンアップ!”

 ガイがオーブリングを高く掲げて、オーブがウルトラマン、1号ライダー、ゴレンジャー、νガンダムの力を宿した。

“ウルトラマンオーブ・ファーストレジェンド!”

 オーブの姿に変化が起こった。銀の体に赤、青、黄色、緑、ピンク、白のラインが加わり、背中には機械的な翼が備わった。ウルトラマン、仮面ライダー、スーパー戦隊、ガンダムの特徴の全てが宿っていた。

「この世に闇がある限り、ヒーローは死なない!世界に光がある限り、ヒーローはいつでもよみがえる!」

 高らかに言い放つオーブ。彼は原点の力を備えた姿「ファーストレジェンド」となった。

「初代ウルトラマン、仮面ライダー1号、ゴレンジャー、アムロ・レイ・・それぞれの戦士の始まりの力が、今オーブに集約されている・・!」

「これがオレたちみんなの、ヒーローの絆・・!」

「彼らから、オレたちの全てが始まった・・!」

 ドギー、ヒカル、ショウがオーブの姿を見て声を上げる。彼らは大切なものを守ってきた戦士たちの歴史を思い返していた。

「だがお前たちの歴史はこれで終わる!オレが終わらせるのだからな!」

 ガリウスが笑みを浮かべて、オーブに向けて光線を放つ。光線を直撃されたオーブだが、全くダメージを受けていない。

「オレの力が全く聞かないだと!?

 平然としているオーブに、ガリウスが驚きをふくらませる。

「オレたちの絆の力に、お前は勝つことはできない!」

 オーブが言い放って、ガリウスに向かっていく。加速する彼から、現れた4人の分身とともにそれぞれの色の光があふれ出した。

 5人のオーブがガリウスに立て続けにパンチを繰り出す。ガリウスが両腕とバリアで、オーブの攻撃を防ぐ。

「そんな同時攻撃をしたところで!」

 ガリウスが反撃に出て、両手から衝撃波を連射する。オーブの分身4人がかき消えた。

 次の瞬間、ガリウスが数本の光の輪に縛られて、動きを封じられた。

「な、何っ!?

 突然のことにガリウスが声を上げる。永夢が放ったキャッチリングが、彼の体を縛ったのである。

「オレが動きを止めるから、その間にオーブは!」

「永夢!ありがとう!」

 永夢が呼びかけて、オーブが頷く。オーブから再び4人の分身が飛び出した。

「オーブファーストスプラッシュ!」

 オーブと分身たちのうち、2人が腕を組んでの光線を放ち、1人が右手から光の刃を出して飛び込み、2人がそれぞれ右足、両足にエネルギーを集めたキックを繰り出した。

「ぐおおぉぉっ!」

 ガリウスがオーブたちの同時攻撃を体に受けて、絶叫を上げる。

「これが、我々の始まりの力であり、これから先の未来にもつながれる絆の強さだ。」

「それは長い時間と、大きく広がるつながりがもたらして積み重ねられた強さだ。」

「この絆を断ち切ることは、どんな邪悪にもできはしない!」

「ガリウス、お前にもこの強さを打ち壊すことはできない!お前がみんなを支配することはできない!」

 セブン、Xライダー、アカレッド、カミーユが絆の強さを言い放つ。オーブは今、それぞれの戦士の力だけでなく、彼らの思いと絆も背負っていた。

「オレは真の支配者だ・・オレの思い通りにならないことはない!」

 ガリウスがいら立ちをふくらませて、エネルギーを集中させていく。

「いくらお前たちでも、これは防御も回避もできはしない!」

「防ぎもよけもしない!オレたちが押し返す!その力も、お前の支配も!」

 笑い声を上げるガリウスにオーブが言い放つ。

「オーブファンネル!」

 オーブが背中の翼からビーム端末「オーブファンネル」を射出して、巨大な光の壁を作り出した。

 ガリウスが集中させたエネルギーを解き放つ。オーブの光の壁がガリウスの光とぶつかる。

「オレたちもオーブを援護するぞ!」

「はいっ!」

 ゼロが呼びかけて、大地とエックスが頷く。

「ワイドショット!」

「プラニウム光線!」

「ソルジェント光線!」

「ワイドゼロショット!」

「ギンガクロスシュート!」

「ビクトリウムシュート!」

「エクスラッガーショット!」

 セブン、ジョーニアス、ダイナ、ゼロ、ギンガ、ビクトリー、エックスがそれぞれ光線を放って、オーブの光の壁に当ててガリウスの光を押していく。

「オレたちも行くぞ!」

「はいっ!」

 Xライダーが呼びかけて、タケルたちが頷く。

Exceed charge.”

Full charge.”

“チョーダイカイガン!ムゲン!ゴッドオメガドライブ!”

“キメワザ!ギリギリ・クリティカルフィニッシュ!”

 巧、モモタロス、優斗、幸太郎、タケル、貴利矢がエネルギーを集中させる。光輝たちも意識を集中して、必殺技に備える。

「行くぜ、オレたちの必殺技!」

 モモタロスが言い放って、タケルたちとともにジャンプする。

Xキック!」

「ライダーキック!」

RXキック!」

「スピリットライダーキック!」

 Xライダーたちがキックを繰り出して、オーブの光の壁を後押しする。優斗、貴利矢も連射を繰り出して、ガリウスの光を押していく。

“オーライ!オーラーイ!”

 明がドリルレッシャーをユウドウブレイカーにセットして構える。

「我々も力を貸すぞ、オーブ!」

 ドギーがオーブに呼びかけて、Dソードベガを振りかざして光の刃を放つ。明もユウドウブレイカーからドリル型のエネルギーを放つ。

 バドもイーグライザーを振りかざして、光の刃を飛ばしてオーブを援護する。

「オレたちも力を貸すぞ、オーブ、永夢!」

 シンが呼びかけて、デスティニーがビームソードを構える。

「オレたちの力が、お前たちの支配を打ち砕く!」

 カミーユが言い放って、Zガンダムがビームランチャーを発射する。

「私もカミーユや、みんなのために!」

 フォウも思い立って、サイコガンダムもビーム砲を発射する。

「ステラもみんな、守る!」

 ステラも思いを口にして、ガイアもビーム砲を発射する。

「僕たちも、できる限りの援護を!」

「私たちは本当の世界の平和のために戦ってきた!その思いは間違ってなかった!みんなも、平和を守りたいって願いは同じなんだから!」

 ハルとソラもそれぞれの決意を口にして、ファルコンがビームライフルを放つ。

「自分の思うように世界を動かそうとする・・あなたのような人の好きにはさせない!」

 ルナマリアのインパルスも続けてビームライフルを発砲する。

「シンやみんながいなければ、オレたちは本物の平和や正義を守ることができなかった・・!」

「みんなのような人たちがいれば、悲劇を世界から消すこともできる・・!」

 ブラッドとレイも思いを口にする。ジャッジがレールガンを発射して、レジェンドがドラグーンを射出してビームを出して、オーブの光の壁の厚みを増す。

「たとえもうない命であっても、世界のためにこの力を使う!」

「私もゼハート様だけでなく、世界のために・・私自身の意思で!」

 ゼハートとフラムも言い放って、レギルスとフォーンファルシアもビットを射出して、オーブの光の壁を支える。

「どいつもこいつも小賢しい!そんなものでオレを止められるものか!」

「止められる!オレたちみんなの強さは、お前の支配の力を大きく超えているからだ!」

 いら立ちが頂点に達しているガリウスに、ラッキーが言い放つ。

「オレたちだけじゃない!世界中、宇宙中にいる強い心の持ち主みんなが、救世主になれるスーパースターなんだ!」

“スーパーギャラクシー!”

 ラッキーの叫びとともに、リュウテイキュウレンオーから光があふれる。

「オールスタースクランブルブレイク!」

 リュウテイキュウレンオーが球状の光を放って、ガリウスの光を押し返していく。

「ジュウオウドデカグランドファイナルフィニッシュ!」

 ワイルドトウサイドデカキングが地球型のエネルギーを放出する。

「ゴーカイカンゼンバースト!」

 カンゼンゴーカイオーも突き出した左手からエネルギーの球を放つ。彼らのエネルギーも加わって、ガリウスの光を押していく。

「お前たちが束になろうと、オレに逆らうことはできないんだよ!」

「ガリウス、オレたちの絆の強さを、なめるなよ!」

 言い放つガリウスに大和が言い返す。

「みんながいるから、オレたちは迷いから抜け出すことも、間違いを正すこともできる!その先にある本当の強さをつかむことができる!」

「ガリウス、あなたにみんなの命と思いを踏みにじらせはしない!」

「お前を止める!オレたちの手で!オレたちみんなの強さで!」

 アセム、キオ、シンも意思を言い放つ。ビームサーベルを手にしたAGE-2、バーストモードのFX、ビームソードを構えたデスティニーがガリウスに向かっていく。

「これが、オレたちの心の強さ!魂の光だ!」

 刹那も言い放って、ダブルオークアンタがトランザムを起動して、デスティニーたちとともに突撃する。

「ぐふっ!」

 ビームサーベル、ビームソードの突き、FXとダブルオークアンタの突撃を体に受けて、ガリウスがうめく。彼が放っていた光が一気に弱まる。

「行くぞ、永夢!」

「OK、オーブ!」

 オーブと永夢が声をかけ合って、意識を集中する。

“キメワザ!ファイティング・クリティカルストライク!”

 永夢の両腕と両足にエネルギーが集まっていく。彼は両腕を交差して光線を放った。

 直後、永夢はガリウスに向かって突っ込んで、両足のキックを繰り出した。

「オーブファーストシュート!」

 オーブもエネルギーを集めた両腕を交差させて、高出力の光線を発射した。

 ガリウスが2人の光線を受け止めて耐える。そこへ永夢が両足のキックを当ててきた。

「ぐはぁっ!」

 みんなの思いを結集させた光線とキックを受けて、突き飛ばされたガリウスが体から火花を散らしていく。

「ありえない・・そんなこと、オレは絶対に認めないぞ!」

 ガリウスが残された自分の力を全て解き放つ。彼を中心に空間が歪み始めた。

「アイツの力が空間をねじ曲げているのか!?

「このままねじれが広がれば、歪みに全ての世界が押しつぶされてしまう!」

 シンとRXが空間の歪みを見て声を上げる。

「オーブ、オレたちの強さと思いを、お前に託すぞ!」

 ゼロがオーブに向けて呼びかける。

「世界を壊す歪みの根源を今、断ち切る力を!」

 刹那もオーブに思いを託す。するとガイの手元に新たなカードが現れた。描かれているのはダブルオークアンタ。

「これは・・分かりました!」

 頷いたガイが、ダブルオークアンタのカードの他、ゼロのカードも手にした。

「刹那さん!」

“ダブルオークアンタ!”

「ゼロさん!」

“ウルトラマンゼロ!”

 彼がダブルオークアンタとゼロのカードをオーブリングでリードする。

「無限の力、お借りします!」

“フュージョンアップ!ウルトラマンオーブ・ゼロフォース!”

 ガイがオーブリングを高く掲げて、オーブの体に青と銀をメインカラーとした装甲が包んだ。

「終わりなき未来への扉、オレが切り開く!」

 高らかに言い放つオーブから旋風が巻き起こる。彼は自身の力にダブルオークアンタとゼロの力をかけ合わせた姿「ゼロフォース」となった。

「ゼロさんのウルティメイトイージスの力と、ダブルオークアンタの力が共鳴している・・・!」

 今の自分に宿る力を実感して、オーブがエネルギーを集中させる。彼は右手にオーブカリバーを握っていた。

「これならば空間の歪みを切り裂き、止めることができる!」

「オーブ、オレたちの思いをあなたに託します!」

 ドギーと永夢が呼びかけて、オーブが頷いた。彼が構えたオーブカリバーにエネルギーが集まる。

「絆の強さの結集!ゼロフォースカリバー!」

 オーブが振り下ろしたオーブカリバーから巨大な光の刃が現れる。彼の一閃がガリウスと空間の歪みを切り裂いた。

「ぐはぁっ!」

 ガリウスが激痛に襲われて絶叫を上げる。彼の力の影響で生まれた空間の歪みも弱まっていく。

「オレは全てを支配する・・お前たちに負けることはない・・・!」

「もう終わりだ!お前も、お前の支配も!」

 声と力を振り絞るガリウスに、オーブが言い放つ。

「オレは終わらない・・全てオレの思い通りなのだぁー!」

 絶叫を上げるガリウスが空間の歪みの中に消えていった。

「・・や・・やった・・・」

 押し寄せた沈黙を破って、キオが声を上げた。

「完全にガリウスが消滅した・・空間の歪みもなくなった・・・」

 呟いたオーブがオーブオリジンに戻る。体力を消耗してカラータイマーが点滅していた彼がふらついて、永夢に支えられた。

「大丈夫ですか、オーブ・・!?

「あぁ・・持てる力を大きく使ったからな・・・」

 心配の声をかける永夢に、オーブが頷く。2人にデスティニー、FX、リュウテイキュウレンオーも近寄った。

「世界を守ることができたんですね、僕たち・・」

「これで全ての世界が支配されることを止めることができた。しかし・・」

 キオとシンが世界を守れたことを実感しながらも、表情を曇らせていた。

「本当の意味で全ての世界が救われたとはいえない。少なくとも我々のいる宇宙は、未だにジャークマターに支配されたままだ。」

「だけどオレたちは戦う!ジャークマターをブッ倒して、オレたちの宇宙を取り戻す!」

 ロンポーがそれぞれの現状を口にして、ラッキーが決意を言い放つ。

「そうだ。オレたちはオレたちの戦いを続けていく。世界が違っていても、大切なものを守ろうとする思いはみんな同じだ。」

「はい。僕、みんなと一緒に戦えて、本当に嬉しかったです。エグゼイドの力じゃなく、僕自身が強くなれた気がしています。」

 シンが言いかけて、永夢が感謝の言葉を口にする。

「我々も守れたのだな・・我々の世界を、この手で・・・」

 ゼハートがオーブたちに向けて言いかける。彼の乗るレギルス、フラムのフォーンファルシアから金色の光があふれていた。

「ゼハート・・お前・・!?

 ゼハートたちの異変にアセムが戸惑いを覚える。ガリウスたちによって再生されていたゼハートたちが消えようとしていることを、アセムは悟った。

「こうなることは覚悟していた。元々死んだ身だ。後悔はない。」

「むしろお前たちとともに、世界のために戦えたことを誇りに思っている・・」

 ゼハートに続いてレイも謝意を告げる。

「レイ・・・」

 シンもレイに対して戸惑いを覚える。レジェンドからも金の光があふれていた。

「お別れだね、シン、ルナ・・」

 ステラもシンたちに向けて声をかけてきた。

「ステラ・・・」

 光をあふれさせているガイアを見て、シンとルナマリアが心を揺さぶられる。

「貴利矢さん・・・!」

 永夢も貴利矢に目を向けて、彼との別れを実感する。元の大きさに戻って、永夢が変身を解いた。

「そう悲しい顔するな、研修生。これからお前には、バグスターとの戦いと、医者としての人生が待ってるんだろ?」

 貴利矢が気さくに言いかけて、永夢が小さく頷く。

「だったらこのまま突っ走れ、お前だけの道を。そしてお前自身の運命を向き合え。切り開くも背負うも、お前次第だ。」

「貴利矢さん・・ありがとうございます・・・!」

 激励を送る貴利矢に感謝して、永夢が頭を下げた。

「私たちは消えてしまうけど、私たちの思いは消えはしない。あなたたちの心にあると、私は思っている・・」

「私もカミーユを、みんなを信じている。みんなの心に光を灯してくれることを・・」

 フラムとフォウも光に包まれながら、オーブたちに信頼の言葉を送る。

「オレたちはお前たちのことを忘れない。今回、一緒に戦えたことだけじゃなく、お前たちの思いや願いも・・」

 ゼハートたちの思いを受け止めて、オーブが頷く。永夢たちもゼハートたちへの感謝をふくらませていた。

「シン、ルナ、みんな・・ステラもフォウも、みんな、みんなと一緒・・これからもずっと一緒・・・」

 ステラがシンたちに向けて笑顔を浮かべる。彼女は怖さや悲しみに襲われてはいない。心からの幸せを感じていた。

「ステラ・・レイ・・・オレ、これからも戦っていく・・平和を壊そうとする敵と・・オレ自身の意思で・・・」

 シンが自分自身の決意を告げて、ルナマリアと目を合わせる。2人がステラとレイに視線を戻して、小さく頷いた。

「シン、ルナ、みんな・・これからも一緒・・一緒・・・」

 幸せを感じて満面の笑顔を見せるステラ。

 そのとき、シン、ルナマリア、ステラがモビルスーツを通り抜けて互いに触れ合ったように感じた。

「感じる・・シンとステラを・・目の前にいるみたいに・・・」

「ずっと一緒だ・・ステラ、オレたちはこれからも一緒だ・・・」

 戸惑いを感じていくルナマリアと、ステラとのつながりを確信するシン。

「うん・・ステラ、みんなとずっと一緒・・・」

 ステラがシンとルナマリアに頷く。彼女はゆっくりと2人から離れていく。

「ステラ・・・」

 ステラが目の前から離れていくことに、シンの心が揺れる。しかしステラがこれからもそばについていると確信していて、シンは微笑んだ。

「オレもステラも、みんなお前たちのそばにいる・・忘れないでくれ・・」

「レイ・・もちろんだ・・」

 レイが思いを託して、シンが頷いた。ステラとレイがシンたちの前から姿を消した。

「アセム、キオ、お前たちの目指す理想の平和、見届けていくぞ・・」

「あぁ。これからも見ていてくれ、ゼハート・・」

 微笑みかけるゼハートに、アセムも小さく頷いた。

「たくさんの世界に、僕たちの絆を広げていきます。そして戦わなくても分かり合える平和をつかんでみせます。」

「お前の理想も、実現すると信じているぞ、キオ・・」

 キオも決意を口にして、ゼハートが信頼を送る。彼はフラムとともに、キオとアセムの前から姿を消した。

(また会えて嬉しかった・・ゼハート・・)

 友との再会を喜んで、アセムは微笑む。彼はキオと目を合わせて、決意を込めて頷き合った。

「永夢、オレはお前を信じているからな。他にも、お前のことを信じているヤツがいることも・・」

「はい・・ありがとうございます、貴利矢さん・・」

 貴利矢が投げかけた言葉に、永夢が頷く。彼の前から貴利矢も姿を消した。

「オレたちは戦う・・命を落としたみんなの思いを果たすためにも、生きてるみんなを守るためにも!」

「過去、今、そして未来のため、オレたちは戦い続ける!」

 ラッキーとガイがこれからの決意を口にする。永夢たちも同じ思いを抱いていた。

 

 それからガイたちは自分たちの世界、それぞれの戦いについて話をはずませた。考え方や思い、戦い方は違っても、彼らは互いに共感して心に刻んでいた。

「えっ!?大和さんたちの地球、ジューランドと1つになっちゃったんですか!?

 大和たちの世界のことを聞いて、大地が驚きをあらわにする。

「オレたちの世界の地球は、ジューランドと1つになることを選んだが・・」

「これもつながりの形の1つってだけだよ。世界が1つに合わさらなくても、つながる形はたくさんあるよ。」

 タスクとアムが微笑んで、大地に言いかける。

「おめぇらだって共存の夢は叶うって!他の種族だって怪獣だってな!」

「だから諦めずにその夢に向かって突き進めばいいのよ。」

 レオとセラが大地とキオに励ましの言葉を送る。人間と怪獣と宇宙人、地球人とヴェイガンとつながって分かち合えることを、2人も信じていた。

「オレも、怪獣と仲良くなれるよな、大地・・!?

 操が大地に詰め寄ってきて頼み込む。

「あ、はい・・まだ夢の途中ですけど、ゴモラも他の怪獣たちも、オレたちの仲間です。もちろんあなたたちともです。」

「オレたちも友達・・嬉しい!オレたちはみんな友達だー!」

 大地が笑顔で答えると、操が1人で感動して、両手を大きく上に上げて喜ぶ。

「うん。たとえ世界が違っても、オレたちはこうして出会ってつながりを持てている。違う世界で離れ離れになっても、この出会いはかけがえのないものだ。」

 大和が言いかけて、セラたちと大地が頷いた。

「僕たちは1人じゃない。強いつながりを持った仲間がたくさんいる。」

「そしてオレたちはこれから先、心身とも鍛えて、それぞれの戦いに向かっていく。」

 光輝と光太郎が自分たちの思いを確かめていく。

「この先の未来、オレたちのいる時間も平和になるようにね。」

 幸太郎も信頼を込めた言葉を送る。

「オレたちはオレたちの今を、オレたちの世界で精一杯生きる。」

「みんなの意思を、みんなの思いを感じながら・・」

 タケルとカミーユも言いかけて、ガイたちが頷いた。彼らはこのつながりを胸に秘めて、自分たちの世界に帰ろうとしていた。

「次元をつなぐトンネルが現れた。これで自分たちのいる世界に戻ることができる。」

 ゼロがトンネルを見て言いかける。

「これでお別れになってしまうのは、残念です・・でもみなさんと一緒に戦えたことは、とても嬉しく思います。」

「また会えますよね、私たち?・・こんなふうに、また話ができますよね・・!?

 ハルが感謝を口にして、ソラが再会を心から願う。

「世界はこうしてつながったんだ。またどっかで会えるだろう。」

 ガイが笑みを浮かべてソラたちに言いかける。彼の言葉に納得して、ソラが微笑んで頷いた。

「さぁて、オレたちもそろそろ戻るか。クライマックスは、まだまだ続いてるからな。」

 モモタロスが言いかけて、良太郎が笑みを浮かべて頷く。

「オレたちも次のお宝目指して、行くとするか。」

「みなさんのこと、オレは絶対に忘れません!」

 マーベラスも自分たちの旅をする意思を告げて、鎧が高らかに言い放ってポーズを決めた。

「オレもこれからも世界の歪みと戦っていく。そしてつながりの持てる相手との対話に臨むつもりだ。」

「僕たちも、みなさんとの対話を忘れません。人間同士だけじゃなく、まだまだ知らない宇宙の人たちとも。」

 刹那が意思を告げて、キオが頷いていた。

「オレたちはみんな1人じゃない。力を合わせるときが来たら、また次元の壁を超えて会いに行くよ。」

「オレたちは信じている。みんなが平和を取り戻し、守り抜くことを。」

 光輝と光太郎が信頼の言葉を口にして、歩き出す。

「オレたちのいる未来も平和になるように。」

 幸太郎も言いかけて、テディが頷く。

「他のヤツらもクライマックスになってんのを、次に会うときの楽しみにしてるからな!」

 モモタロスが気さくに言って、良太郎やウラタロスたちとともにデンライナーに乗った。

「まだ道の途中ですけど、みんながつながることのできる世界、僕たちも作ってみせます。」

 大地も自分の揺るぎない夢を告げて、エックスとともに去っていく。

「さて、僕たちは僕たちの宇宙に戻るとするか。やらなければならないことが山ほどあるからね。」

 ロンポーが呼びかけて、ラッキーたちが頷いた。

「今回、いろんな宇宙のみんなに会えるラッキーが起きたんだ!オレたちの宇宙も取り戻せるって!」

 ラッキーが気さくに言って、永夢と握り拳を合わせた。

「また会えるときを、僕も待っています。今度会ったとき、お互い世界に平和を取り戻していることを信じています。」

 永夢が信頼の言葉を口にして、ラッキーと腕を交差させて再会を誓った。

「ガイさんとも、またこうして会えたらいいと思っています。」

 永夢がラッキーとともにガイに目を向ける。

「地球が丸いだけじゃない。いろんな世界、いろんな宇宙のヤツらがこうして出会ったんだ。またどこかで会えるだろう。」

 ガイはクールに振る舞って言いかける。

「みなさん、ありがとうございました!みなさんがいたから、僕たちは心が強くなった気がしています!」

「私も、私たちの世界のために、これからも戦い続けます・・・!」

 ハルとソラもそれぞれの決意をガイたちに向けて告げる。

「何のために戦っているか、そのために守ろうとしている人を傷付けていないか。それを忘れないようにな・・」

 ガイが口にした言葉に、ソラとハルが微笑んで頷いた。

「それじゃみんな・・また会うことになったら、そのときはよろしくな。」

 シンがやってきてガイたちに声をかけて、ソラとハルの肩に優しく手を乗せた。

「はい!」

「もちろんだ!」

 永夢とラッキーがシンに答える。永夢とラッキーたちが次元のトンネルを通って、それぞれの世界に帰っていった。

「オレたちも戻ります。オレたちの世界に。オレたちの戦いに・・」

 シンが声をかけて、ソラとハル、ルナマリアたちとともにそれぞれの機体に戻る。

「オレもオレの道へ戻る・・みんな、あばよ!」

 ガイも声をかけて、次元のトンネルを通って自分の世界へと帰っていった。

 

 

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