ザ・グレイトバトル -エンドレスメモリーズ-
第18章
ラッキーたちキュウレンジャーは、自分たちの世界に戻ってきた。まだジャークマターに支配されている宇宙に。
「戻ってきたな、我々の宇宙へ・・」
ロンポーが宇宙を見渡して言いかけて、小さく頷く。
「平和を取り戻した宇宙、たくさんあったんだね。」
「他の宇宙に平和があったんだ。オレたちの宇宙も平和にできる。いや、オレたちが平和にしてやるぜ!」
ハミィがガイたちのことを思い出して、ガルが意気込みを見せる。
「そうだぜ!みんな自分たちの宇宙を取り戻した!オレたちの宇宙は、オレたちが取り戻す!」
ラッキーも意気込みを見せて、スティンガーたちと頷き合う。
「みんな、今回の出来事、別の宇宙の救世主たちの思いを胸に刻み、我々の手でジャークマターを倒し、我々の宇宙を救うぞ!」
「オッキュー!」
ロンポーの呼びかけにラッキーたちが答える。彼らキュウレンジャーの、宇宙を救う戦いは続く。
永夢も自分の世界に戻ってきた。バグスターが今だ潜む世界に。
(みんな、命や世界を守ってきたんだね・・そのこともオレのことも、貴利矢さんは見てくれている・・・)
ガイたちや貴利矢のことを思い出して、永夢が見つめている手を握りしめる。
(オレもバグスターからこの世界を守る。どんなゲームもクリアしてやるし、どんな患者も救ってみせる・・それが、ゲーマーであり医者であり仮面ライダーである僕だ・・・!)
ガイたちの戦う姿に励まされた永夢が、自分自身の決意を強くしていた。
そのとき、1体のバグスターが現れて、永夢がゆっくりと振り返る。永夢の手には新たなガシャットが握られていた。
「オレは、仮面ライダーエグゼイド!この世界を救う医者でありゲーマーだ!」
“ハイパームテキ!”
永夢が言い放って、ハイパームテキガシャットを起動した。
“ドッキーング!”
彼はゲーマドライバーにハイパームテキガシャットをセットした。
「ハイパー大変身!」
“バッカーン!ムーテーキー!輝けー・流星のごーとーくー・黄金の最強ゲーマー!ハイパームテキーエグゼーイド!”
永夢がハイパームテキガシャットを展開する。彼が新たなるエグゼイド「ハイパームテキゲーマー」へと変身した。
「これからどんどん出てくるゲーム、みんなノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」
永夢が自信を見せて言い放って、バグスターに向かっていった。
自分たちの宇宙へ戻り、レーダーを確かめて自分たちの位置と周辺の宙域を確かめるシンたち。彼らは再び立ち会った、違う世界の仲間たちとの戦いを思い返していた。
「僕たちのしらないところで、いろんな人たちの、いろんな戦いが繰り広げられていたのですね・・」
ハルがガイや永夢、ラッキーたちのことを思い出して、心を揺さぶられる。様々な世界の様々な戦いに、彼は動揺を隠せなかった。
「ホントだったらつながりのない世界同士・・でもみんなと会って、私たちも私たちのいる世界を守らなくちゃって思う・・」
「怪物だけじゃなく、人間同士でも・・僕たちは、平和とみんなの幸せを守るために、これからも戦い続ける・・・」
ソラとハルが戦い続ける決意をさらに強くしていく。
「何が正しいのかを見出して、自分で答えを選んだのなら、それが本当の平和につながるんだ・・」
「何のために戦うのか。みんな、その答えを考えて見つけ出さないといけない・・」
シンとルナアリアが真剣な顔で言いかける。彼らの揺るがない決意を改めて実感して、ソラとハルが頷く。
「別の世界のみんながオレたちを励ましてくれた。今度はオレたちが、誰かの背中を押すことになるだろう・・」
ブラッドが投げかけた言葉を、ソラたちは胸に刻む。
「誰かの背中を押す・・僕もその1人に・・・」
「私たちが知ったこと、見つけた答えを、みんなにも伝えていこう。これから平和のためにがんばるみんなに。」
新しい決意を決めて、ソラとハルが頷いた。
「戻ろう・・みんながオレたちを待ってる・・・」
シンが呼びかけて、ルナマリアたちが頷く。デスティニーたちがプラントに向かって移動を始めた。
(オレは戦い続ける・・戦いのない世界を守るために、それを壊す敵と戦うために・・オレ自身の意思で・・・)
自分で選んだ自分の道を突き進む。大切な人たちとともに。
シンは決意を強固にして、平和のための戦いに身を投じようとしていた。
シンたちと別れたガイは、1人でのさすらいの旅を再開した。彼は夕焼けを背に、ハーモニカを吹きながら歩く。
その道の途中、ガイがふと足を止めてハーモニカから口を離した。
「宇宙も世界もまだまだ広い。オレやウルトラ戦士の先輩方の知らない世界が、他にもまだまだあるんだろうな・・」
永夢たちとの出会いを思い出して、ガイが笑みをこぼす。
「オレにもそのうち後輩ができるだろうな。オレが教えてやらないとな。オレなりにな・・」
これから現れるだろうヒーローの登場を予感するガイ。
「またどっかの世界で会えるだろう・・そのときまでみんな、あばよ。」
別世界の仲間に束の間の別れを告げて、ガイは再び歩き出した。また世界の壁を超えて、多くの仲間と力を合わせるときが来ると確信して。
世界の違う戦士たちが力を合わせる戦いは幕を閉じ、彼らは再会を心の片隅で願いながら、それぞれのひとときや戦いに戻っていった。
そして戦士たちは予感していた。新たな戦士、新たなヒーローがこれからも誕生していくことを。
闇の戦士の血を受け継ぐウルトラ戦士、ウルトラマンジードのように。
悪の壁を打ち破り、平和を築く仮面ライダー、ビルドのように。
世界を動かす悪の獣と戦うビーストライダー、マックスのように。
ジャークマターに立ちはだかる伝説のスペースバスター、ホウオウソルジャーのように。