ザ・グレイトバトル -エンドレスメモリーズ-
第16章
エンペラ星人たちの力を取り込んだガリウス。さらに力を高めた彼は、オーブたちを追い詰めていた。
「ガリウス、お前は歪みの根源!その歪み、オレたちが断ち切る!」
刹那が言い放って、ダブルオークアンタがガリウスに向かって加速する。だが振り下ろされたGNソードを、ガリウスは高速でかわした。
「この動き・・トランザム・・!?」
ガリウスが発動した動きに、刹那が驚きを覚える。彼はその動きがトランザムと同一のものだとすぐに気付いた。
「ならば・・トランザム!」
刹那が意思を強くして、ダブルオークアンタがトランザムを発動してスピードを上げる。だがガリウスのスピードはダブルオークアンタを超えていた。
「ぐっ!」
ダブルオークアンタがガリウスの突撃を受けて突き飛ばされて、刹那が衝撃に揺さぶられてうめく。
「刹那!」
ゼロが声を上げて、エックス、ダイナとともにガリウスに向かっていく。
「ワイドゼロショット!」
「ザナディウム光線!」
「ソルジェント光線!」
3人がガリウスに向かって同時に光線を放つ。だがガリウスに素早くかわされる。
「オレのこの超スピードはトランザムを超える!もっとも、トランザムほど持続はしないがな!」
ガリウスが言いかけてから、ゼロたちに高速で打撃を叩き込んだ。
「ぐっ!」
「うあっ!」
突き飛ばされたゼロたちがうめき声を上げる。
「ウルトラフュージョンシュート!」
ガリウスがスピードを弱めたところを狙って、ギンガビクトリーが光線を放った。ガリウスが右手を出して光線を受け止めて、横に受け流した。
「力を合わせるのは、お前たちだけの専売特許ではないぞ!」
ガリウスが勝ち誇って、口から光線を発射した。
「うあっ!」
光線を直撃されたギンガビクトリー。ダメージとエネルギーの消耗で合体が解けて、ギンガとビクトリーに別れてしまった。
「ものすごいエネルギー量です!今まで計測したことのない数値です!」
「もー!あんなのをどうやって倒せばいいのー!?」
ラプターがガリウスについて分析して、ハミィが悲鳴を上げる。
「相手がどれほどの強さを持っていようと関係ない・・・!」
「あたしたちにケンカ売ってくるヤツらは・・!」
「力の限りぶっ潰す!」
ジョーとルカが言い放って、マーベラスたちと声をそろえる。
「問答無用か。海賊らしいな・・だがな、決定的な力の差はどうにもならないものだ!」
ガリウスが笑みを浮かべて、カンゼンゴーカイオーに向けて右手からの光を放つ。
「レンジャーキー、セット!」
マーベラスたちが「鳥人戦隊ジェットマン」のレンジャーキーを使った。
「ゴーカイジェットフェニックス!」
カンゼンゴーカイオーが炎に包まれて、不死鳥のように突撃して光を突き破る。ガリウスが右手でカンゼンゴーカイオーの突撃を受け止めた。
「どうにもならないと言っているのに・・」
ガリウスはため息をついてから、右手を振りかざしてカンゼンゴーカイオーを突き飛ばした。
「おのれ、ガリウス!」
ゼハートが叫んで、レギルスがフォーンファルシアとともにガリウスに向かっていく。
「オレたちも行くぜ!」
ラッキーが呼びかけて、ロンポーが頷く。リュウテイキュウレンオーもガリウスに向かって加速する。
レギルスとフォーンファルシアがビットを展開して、ガリウスを取り囲んでビームを発射する。ガリウスが周囲に球状のバリアを出して、ビームを防ぐ。
“スーパーギャラクシー!”
「オールスタースクランブルブレイク!」
リュウテイキュウレンオーが虹色の光を放つ。光がガリウスのバリアに当たって防がれる。
「ムダなことを・・往生際の悪いことだ・・・」
ガリウスがため息をついてから、バリアを大きくしてビームと光線を押し返す。
「ぐっ!」
「うあっ!」
レギルス、フォーンファルシア、リュウテイキュウレンオーがバリアに押されて突き飛ばされて、ゼハートたちがうめく。
「攻撃も防御も速さもオレが上・・お前たちがオレに敵わないことは証明されているだろう・・?」
ガリウスがあざ笑って、自分の周りに大量の光の球を作り出す。
「まとめて宇宙の塵になれ・・・!」
光の球が飛び散って、リュウテイキュウレンオーたちに命中していく。
「ラッキー!みんな!」
大和がラッキーたちに向かって叫ぶ。光の球はワイルドトウサイドデカキングにも向かってきた。
「ジュウオウドデカダイナマイトストリーム!」
ワイルドトウサイドデカキングがキューブ型の光の球を連射して、ガリウスの光の球とぶつけ合う。しかし相殺しきれず、ワイルドトウサイドデカキングが光の球をぶつけられる。
「ぐあぁっ!」
ワイルドトウサイドデカキングが突き飛ばされて、大和たちがうめく。
「このっ!」
ソラが感情をむき出しにして、ファルコンが加速して光の球をかいくぐる。ファルコンがガリウスに向けてビームを放つが、バリアに阻まれる。
そこへジョーニアスが腕を振りかざして光線を放つ。ガリウスの死角を狙っての光線だったが、これもバリアにはじき返された。
「ムダだというのが理解できないか!」
ガリウスが言い放って、再び高速で動いてジョーニアスを突き飛ばす。さらに高速でファルコンに追いついて拳を叩きつける。
「キャッ!」
「ぐっ!」
ファルコンが急降下して、ソラが悲鳴を上げて、ハルがうめく。
「ソラ!ハル!」
ルナマリアが叫んで、インパルスがビームサーベルを手にしてガリウスに向かう。
「焦るな、ルナマリア!的になるだけだぞ!」
レイが呼びかけて、レジェンドもドラグーンを展開してガリウスを包囲する。
「バカの1つ覚えのように・・・」
「これ以上お前の好きにさせるか!」
不満を口にしたガリウスに向かって、シンが声を上げる。デスティニーがスピードを上げて、ビームソードをガリウスに向けて突き出す。
ビームソードがバリアを突き破り、デスティニーがガリウスに向かう。同時にインパルスも飛び込んできて、ビームサーベルを振りかざす。
ガリウスが両腕にエネルギーを集中させて、ビームソードとビームサーベルを押し返した。
「そんな!?」
驚きの声を上げるルナマリア。ガリウスが全身から衝撃波を放って、デスティニーとインパルスを吹き飛ばした。
レイが目つきを鋭くして、レジェンドのドラグーンがビームを放つ。
「ビームコンフューズ!」
そこへカミーユのZガンダムがビームサーベルを投げつけた。レジェンドのドラグーンのビームが、Zガンダムのビームサーベルに当たって拡散する。
だがその周囲にガリウスの姿はない。彼は高速でビームの霧を抜けて、上に移動して回避していた。
「だからムダだと言っているのに・・・」
ガリウスが手から衝撃波を放って、レジェンドとZガンダムを吹き飛ばす。
「エックスもシンも攻撃が通用しない!」
「あのデカさで空を飛びまわられたんじゃ手出しができねぇ!」
ガリウスに立ち向かうことができず、見ていることしかできない状態に、タケルもモモタロスも歯がゆさを感じていた。
「せめて大きくなって戦えたら・・・!」
永夢もガリウスに立ち向かえないことに焦りを感じていた。
「大きくなったところでオレには勝てない。苦しみを増やすだけだぞ。」
永夢たちを見下ろしてあざ笑うガリウス。オーブ、デスティニー、FXが立ち上がる。
「悪あがきができないように、1匹ずつ確実に始末しておこうか。」
ガリウスがとどめを刺そうと右手の人差し指にエネルギーを集める。
「まずはお前だ、デスティニーガンダム!」
彼がデスティニーに狙いを向けた。
「シン!」
そこへステラのガイアが四足歩行型のMA形態になって、口からビームブレイドを発して突っ込んできた。
「ステラ、ダメだ!下がれ!」
シンが呼び止めるが、ガイアは引き返さずに突進を仕掛ける。
「ステラがシンを守る!ルナもレイも、みんな守る!」
ステラが意思を強くして、ガイアが加速する。だがガリウスがガイアを狙撃して、ビームブレイドを破壊した。
「うわあっ!」
「ステラ!」
ステラが悲鳴を上げて、シンとフォウが叫ぶ。サイコガンダムが突き飛ばされたガイアを受け止める。
「大丈夫、ステラ!?」
「うん!ありがとう、フォウ!」
フォウが呼びかけて、ステラが微笑んで頷いた。
「2人まとめて消え失せるがいい、くたばり損ないが!」
ガリウスがガイアとサイコガンダムを狙って、再び指先にエネルギーを集める。
「させるか!」
シンが激高して、デスティニーがビーム砲を展開してビームを放つ。だがガリウスが放ったビームがガイアたちに届くほうが早い。
だがガリウスのビームがガイアとサイコガンダムから大きくそれた。
「何っ!?」
ビームが外れたことに驚くガリウス。ステラとフォウが助かったことに彼女たち自身だけでなく、シンもカミーユも安心と戸惑いを覚える。
「あれは!」
視線を移したオーブが声を上げる。彼の視線の先にいたのは赤いウルトラ戦士。
「親父!」
立ち上がったゼロも声を上げる。彼の父、ウルトラセブンも駆けつけた。
「ゼロ、オーブ、みんな諦めるな!全ての世界、全ての宇宙は我々自らの手で守り抜かなければならない!」
セブンが激励を送って、ガリウスに目を向ける。セブンがウルトラ念力を発動して、ガリウスのビームの軌道を変えて、ステラとフォウを助けたのである。
「そして我々は誰しも1人ではない。絆の強さが、奇跡と呼べる新たな力を持つことができる・・!」
セブンが言いかけて、永夢に目を向けた。
「君ならこの2つの力を使いこなせるはずだ!」
セブンが永夢に呼びかけると、右手をかざして光を出す。光は永夢の手元まで伸びて、2種類のガシャットに変わった。
「これは、ガシャット・・収録されているのは、ウルトラマンとガンダム・・・!」
永夢が2つのガシャットを見つめて、戸惑いを覚える。
「ファイティングエボリューション」。ウルトラマンが登場する格闘ゲームである。
「エクストリームバーサス」。ガンダムの格闘ゲームの1シリーズである。
「ウルトラマンとガンダムのゲーム・・この2つも、それぞれの能力が使えるようになるかもしれない・・・!」
“エクストリームバーサス!”
思い立った永夢が頷いて、「エクストリームバーサスガシャット」を起動した。
「行くぞー!だーい変身!」
彼がゲーマドライバーにエキストリームバーサスガシャットをセットした。
“ガッチャーン!レベルアーップ!燃え上がーれー・燃え上がーれー・ガンダムパワー!エクストリームバーサス!」
エグゼイドのスーツを白い装甲が包み込んだ。その形状はガンダムを思わせるものとなっていた。
「これがガンダムの力・・自分が操縦しているみたいに、使い方が分かる・・・!」
新たなる変身「エクストリームバーサスゲーマー」を実感していく永夢。
「でも、この大きさじゃあの巨体のガリウスには・・・!」
永夢がガリウスを見上げて動揺を浮かべる。エクストリームバーサスガシャットを使っても、ガリウスに対抗できるほどの大きさになったわけではない。
そのとき、永夢のゲーマドライバーにセットされているエクストリームバーサスガシャットから淡い光が発せられた。
「ガシャットから光が・・・!」
永夢がエクストリームバーサスガシャットを見つめて、ゆっくりと手を伸ばす。
「このガシャットには、巨大化の能力が備わっているとは・・・まさか・・!」
永夢は半信半疑の素振りを見せながら、エクストリームバーサスガシャットに意識を傾けた。
そのとき、エクストリームバーサスガシャットの輝きが一気に強まった。永夢の体がだんだんと大きくなっていく。
「ええーーーっ!?ホントに大きくなってるー!?」
自分が大きくなっていることに、永夢が驚きの声を上げる。彼はオーブたちと変わらない身長まで大きくなった。
「オレの思い1つで大きくなったり元に戻ったりできるってことか・・・!」
永夢は自分の意思で、自分の体の大きさを自由に変えられると思った。これがエクストリーバーサスゲーマーの能力であるとも。
「ラッキー、オーブ、シンさん、キオくん、オレもみんなと協力プレーができる!」
永夢が意気込みを見せて頷いて、横に並んだオーブに握った右手を伸ばした。
「オレたちの絆の強さがさらに大きくなっている・・オレたちは支え合いながら、互いに強くなっていくんだ!」
オーブも握った左手を永夢の右手に軽く当てた。
そのとき、ガイの前に光が現れた。光は2枚のカードに変わった。
「これは、ウルトラマンのカードじゃない・・!」
ガイがカードを手にして絵柄を目にする。カードに描かれていたのはそれぞれ、電王・ソードフォームとトッキュウジャーのトッキュウ1号だった。
「もしかして、ライダーや戦隊のみなさん、ガンダムの力も使えるということなのか・・・オレ、みなさんのことを信じます!」
思い立ったガイが歴代の戦士たちへの信頼を強めた。
「電王さん!」
“仮面ライダー電王!”
「トッキュウジャーさん!」
“トッキュウジャー!”
ガイが電王とトッキュウ1号のカードをオーブリングにリードさせる。
「想像の力、お借りします!」
“フュージョンアップ!”
オーブリングを上に掲げたガイが、電王とトッキュウジャーの力を身にまとう。
“ウルトラマンオーブ・ボイスターズレインボー!”
オーブの姿にも変化が起きた。レールを思わせるラインの入った体が特徴で、左肩に電王・ソードフォームの仮面、右肩にレッドレッシャーの先頭が付いていた。
「オレのクライマックスは、ハナッからクライマックスだぜ!」
オーブが高らかに言い放ってポーズを取る。彼は新たなる姿「ボイスターズレインボー」になった。
「なーにーー!?オレとトッキュウジャーの力を持っただとー!?」
「アイツも、とんでもないイマジネーションを持っていたようだな・・」
モモタロスが驚きをあらわにして、明が呟く。
「よっしゃ、ラッキー!すげぇことになってきたぜー!」
ラッキーがオーブを見て喜びの声を上げる。
「だから何をしても、お前たちはオレには勝てないんだよ。」
「その言葉はもう聞き飽きているんだよ!」
あざ笑ってくるガリウスにオーブが言い放つ。
「オレたちには絆がある!たとえ世界や立場、考え方が違っても、大切なものを守ろうとする思いは誰も同じだ!」
「自分が1番で他人を信じようとしないお前では、オレたちの、みんなの絆は絶対に壊せない!」
オーブと永夢が拳を前に出して、ガリウスに向かって言い放つ。
「口で言っても分からないのだったな。ならば体で思い知らせるまでだ!」
ガリウスが言い放つと、右手から禍々しい光線を放つ。
「あれはレゾリューム光線!」
「取り込んだエンペラ星人の能力か!」
ヒカルとショウがレゾリューム光線を見て声を上げる。ガリウスはエンペラ星人たちのパワーだけでなく、能力も取り込んで使いこなしていた。
だがオーブも永夢もレゾリューム光線を受けたが、分解されることなくダメージも受けていない。
「オレたちは1人じゃない!お前の力には絶対に屈しない!」
永夢が言い放つと、ガリウスに向かって飛びかかる。
“ガシャコンキースラッシャー!ジャジャジャキーン!”
永夢が手にしたガシャコンキースラッシャーの切っ先からビームの刃が出た。彼が振り下ろしたガシャコンキースラッシャーを、ガリウスが右手からの衝撃波で受け止める。
「あれは、モビルスーツのビームサーベル!?」
「今の永夢は、ガンダムの力を使っていることか・・!」
ルナマリアと刹那が永夢の力を見て声を上げる。
「ガンダムの真似事をしたところで、所詮は付け焼き刃ということだ!だがオレは真似事とは違う!オレ自身の力として昇華してある!」
ガリウスが言い放って、背中から複数の光の刃を出して振りかざしてきた。永夢が反応して、ガシャコンキースラッシャーを回転させて光の刃をはじいていく。
「ガリウス!」
そこへオーブが飛びかかってきて、オーブカリバーを振りかざして光の刃を飛ばす。ガリウスが永夢から離れて、光の刃をかわす。
「どこまでもムダなことを!」
「それはどうかな!」
あざ笑うガリウスにオーブも言い返す。ガリウスから外れた光の刃が、ブーメランのように回転して戻ってきた。
「ぐっ!」
とっさに右腕から光を放って光の刃を防いだガリウスだが、衝撃に揺さぶられてうめく。
「あれは、オレの必殺技!?」
モモタロスがオーブの発揮する力を見て驚きの声を上げる。
光の刃がオーブカリバーの先端に戻った。オーブが再び振りかざしたオーブカリバーの光の刃が伸びて、ガリウスの腕に巻きついた。
「今度は僕の・・!」
ウラタロスもオーブの戦いを見て声を上げる。
“ズキュキュキューン!”
永夢がガシャコンキースラッシャーからビームを放つ。その動きはモビルスーツがビームライフルを撃つ様と重なっていた。
ガリウスはバリアを展開して、永夢のビームを防いでいく。そこへレールの形の光の縄が、バリアを破ってガリウスの体を縛った。
「なっ!?」
体の自由を封じられてうめくガリウス。彼に向かって、オーブが上空から降下してオーブカリバーを振り下ろした。
「ぐあっ!」
オーブの一閃を受けてガリウスが絶叫を上げる。
「今度はダイナミックチョップや!」
「電王とトッキュウジャーの力を使いこなしているようだね、オーブは。」
キンタロスが声を上げて、幸太郎が呟く。
「今度は強力プレーで行くぜ、オーブ!」
「分かった!」
永夢が呼びかけてオーブが頷く。永夢がゲーマドライバーにあるエクストリームバーサスガシャットを、ガシャコンキースラッシャーに移す。
“キメワザ!エクストリーム・クリティカルフィニッシュ!”
永夢が構えるガシャコンキースラッシャーの先端にエネルギーが集まる。オーブもオーブカリバーの切っ先にエネルギーを集める。
2人が同時に放ったビームが、バリアを貫いてガリウスに直撃した。
「よし!今度はキックだ!」
永夢の声にオーブが頷く。
“キメワザ!エクストリーム・クリティカルフィニッシュ!”
永夢がガリウスに向かって突っ込み、ガシャコンキースラッシャーを突き立てる。ガシャコンキースラッシャーからの光の刃が、ガリウスの体に突き立てられる。
ガリウスが永夢の刃を受けて、激痛を覚えて絶叫を上げる。
「あれは、オレとデスティニーの戦い方!・・オレたちの力も思いも、受け継がれているのか・・!」
シンも永夢の発揮する力に戸惑いを感じていた。
「オレたちには見えている!お前の終着駅が!」
オーブが言い放って、オーブカリバーを振りかざして光のレールを伸ばす。彼はスピードを上げて、レールの上に乗って装甲する。
「必殺・烈車斬り!」
オーブがガリウスに向けてオーブカリバーを振りかざして切りつけた。
「えーっ!?センスのなさまで受け継がれてる〜!?」
“みんなひどいよ〜!”
モモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロスの驚きの声に、良太郎が悲鳴を上げる。
「このオレがやられているだと!?あり得ない!オレが倒せない敵はいない!支配できないものはない!」
ガリウスがいら立ちをふくらませて、全身から衝撃波を放出する。オーブと永夢が身構えて踏みとどまる。
「まだあのようなパワーが残っているのか!」
ラッキーが言いかけて、リュウテイキュウレンオーも構えを取る。
「オレたちも力を貸すぞ、オーブ!」
カミーユがオーブに呼びかけて、シンもオーブに対して頷いた。ガイの手元にまた新たなカードが2枚現れた。
「これは、2機のガンダム・・・!」
ガイが2枚のカードを見て頷く。カードに描かれていたのは、それぞれZガンダムとデスティニーだった。
「カミーユさん!」
“Zガンダム!”
「シンさん!」
“デスティニーガンダム!”
ガイがZガンダム、デスティニーのカードをオーブリングでリードする。
「魂の力、お借りします!」
“フュージョンアップ!”
オーブリングを高く掲げたガイに、Zガンダムとデスティニーの力が宿る。
“ウルトラマンオーブ・アロンダイトコンフューズ!”
オーブの体にアーマーが装着された。形状はデスティニーの特徴が強いが、Zガンダムの翼もデスティニーの翼と合わさるように組み込まれている。
「希望と運命は、オレの手で切り開く!」
オーブが言い放って構えを取る。
「あれは、サイバーアーマーに近いが・・!」
「ガンダムの特徴が強く見られる・・2機のガンダムの力を宿したんだ、オーブは・・!」
エックスと大地がオーブの姿を見て声を上げる。
「また姿を変えたところで、ムダだというのが分からないか!」
ガリウスが全身から光線を連射する。縦横無尽に飛び込むビームを、オーブは残像を伴った高速の移動でかいくぐる。
「デスティニーのような動きをしている・・!」
「しかもスピードはデスティニーやファルコンを超えているよ・・!」
ソラとハルがオーブの動きを見て驚きをふくらませる。
オーブがガリウスに詰め寄って、右手を突き出して彼に当てる。その直後に衝撃波を放つ。
「ぐっ!」
ガリウスが大きく突き飛ばされるも、空中で踏みとどまる。
「デスティニーのパルマフィオキーナを思わせる攻撃だ・・!」
ブラッドもオーブの戦い方を見て呟く。
「しかも今のオーブの力は、彼自身とシン、カミーユだけの力ではない・・!」
「オーブもより強く引き出している・・体を通して出る力を・・・!」
刹那とフォウもオーブを見て呟く。彼らはオーブから精神エネルギーがあふれていることに気付いていた。
「これがオレたちの、みんなの魂の力だ!」
オーブが言い放って構えを取る。彼の両肩のブーメランが射出して回転を始める。
「DZスラッガー!」
オーブがビームブーメラン「DZスラッガー」2本を、ガリウスに向けて放つ。ガリウスが両腕ではじくが、回避しきれずに切りつけられていく。
「DZシュート!」
オーブが両腕を回してから十字に交差して、光線を放つ。
「その程度の光線、受けるまでもない!」
ガリウスがオーブの光線をかわす。しかし光線の向かう先には、DZスラッガーの1本があった。
「DZコンフューズ!」
光線がDZスラッガーに当たって拡散した。霧のように拡散した光線が、ガリウスの背中に命中した。
「ぐっ!小賢しいマネを・・!」
ガリウスがダメージを増してうめく。
「ウルトラマンだけでなく、戦隊、ライダー、ガンダムの力を使いこなしているようだな、オーブ。」
アカレッドが言いかけて、オーブが彼に目を向けて頷いた。
「これでいい気になるな!お前たちはオレに従うしかないんだよ!」
ガリウスが怒号を放って、全身から光線を連射する。オーブたちが光線の回避と防御をして、光輝たちも光線と爆発をかわしていく。
「でたらめに撃ちやがって!」
「追い詰められてやけを起こしてるの!?」
レオとセラがガリウスへの不満を口にする。
「まだだ!オレたちの力は、まだまだこんなもんじゃない!オレたちの合わさった力は!」
ラッキーが諦めずに言い放って、リュウテイキュウレンオーが両手を突き出して、光線をはじき飛ばしていく。
「そうだ!オレたちの力はまだまだこれからだ!」
“ファイティングエボリューション!ガシャット!”
永夢も言い放つと、もう1つのガシャット、ファイティングエボリューションガシャットを起動して、ゲーマドライバーにセットした。
「超変身!」
“ガッシャーン!レベルアーップ!それいけヒーロー・来たーぞウルトラ・ファイティングエボリューション!”
永夢のまとうエグゼイドの装甲に変化が起こった。銀をメインとしたカラーリングで、赤と紫も彩られていた。
「ファイティングエボリューションゲーマー」。オーブのスペシウムゼペリオンやエックスのベータスパークアーマーのような外見と、ウルトラマンの能力を備えていた。
「地球や宇宙を守り続けてきた光の巨人の力で、ガリウス、お前から世界を守ってみせる!」
永夢が言い放って、ガリウスに向かっていく。飛び交う光線をかいくぐって、永夢がガリウスに詰め寄る。
永夢がパンチとキックをガリウスに当てていく。
「おのれ!」
ガリウスが右手を伸ばすが、永夢に腕をつかまれて背負い投げされる。
「ぐっ!そんなものでオレが!」
ガリウスが言い放って、体から光線を連射する。永夢が意識を集中して、光のバリアを出して光線を防ぐ。
「前は防げても他はがら空きだ!」
ガリウスが笑みを浮かべて、永夢の横に回り込んできた。
「そうはさせないぞ!」
そこへオーブが飛び込んで、ガリウスに突撃を当てた。彼の体からは光があふれ出していた。
体を通して出る力を体現するZガンダムの能力を発揮していたオーブ。彼はその力で強さを引き上げて、ガリウスに突撃して叩き込んだのである。
突き飛ばされたガリウスが、オーブと永夢を鋭く睨みつけてくる。
「ガリウス、お前にオレたちの絆を壊すことはできないぞ!」
オーブがガリウスに向けて言い放つ。彼らには、世界や地球、人々の自由と平和を守り続けてきたヒーローたちの支えがあった。