ザ・グレイトバトル -エンドレスメモリーズ-

第16章

 

 

 エンペラ星人たちの力を取り込んだガリウス。さらに力を高めた彼は、オーブたちを追い詰めていた。

「ガリウス、お前は歪みの根源!その歪み、オレたちが断ち切る!」

 刹那が言い放って、ダブルオークアンタがガリウスに向かって加速する。だが振り下ろされたGNソードを、ガリウスは高速でかわした。

「この動き・・トランザム・・!?

 ガリウスが発動した動きに、刹那が驚きを覚える。彼はその動きがトランザムと同一のものだとすぐに気付いた。

「ならば・・トランザム!」

 刹那が意思を強くして、ダブルオークアンタがトランザムを発動してスピードを上げる。だがガリウスのスピードはダブルオークアンタを超えていた。

「ぐっ!」

 ダブルオークアンタがガリウスの突撃を受けて突き飛ばされて、刹那が衝撃に揺さぶられてうめく。

「刹那!」

 ゼロが声を上げて、エックス、ダイナとともにガリウスに向かっていく。

「ワイドゼロショット!」

「ザナディウム光線!」

「ソルジェント光線!」

 3人がガリウスに向かって同時に光線を放つ。だがガリウスに素早くかわされる。

「オレのこの超スピードはトランザムを超える!もっとも、トランザムほど持続はしないがな!」

 ガリウスが言いかけてから、ゼロたちに高速で打撃を叩き込んだ。

「ぐっ!」

「うあっ!」

 突き飛ばされたゼロたちがうめき声を上げる。

「ウルトラフュージョンシュート!」

 ガリウスがスピードを弱めたところを狙って、ギンガビクトリーが光線を放った。ガリウスが右手を出して光線を受け止めて、横に受け流した。

「力を合わせるのは、お前たちだけの専売特許ではないぞ!」

 ガリウスが勝ち誇って、口から光線を発射した。

「うあっ!」

 光線を直撃されたギンガビクトリー。ダメージとエネルギーの消耗で合体が解けて、ギンガとビクトリーに別れてしまった。

「ものすごいエネルギー量です!今まで計測したことのない数値です!」

「もー!あんなのをどうやって倒せばいいのー!?

 ラプターがガリウスについて分析して、ハミィが悲鳴を上げる。

「相手がどれほどの強さを持っていようと関係ない・・・!」

「あたしたちにケンカ売ってくるヤツらは・・!」

「力の限りぶっ潰す!」

 ジョーとルカが言い放って、マーベラスたちと声をそろえる。

「問答無用か。海賊らしいな・・だがな、決定的な力の差はどうにもならないものだ!」

 ガリウスが笑みを浮かべて、カンゼンゴーカイオーに向けて右手からの光を放つ。

「レンジャーキー、セット!」

 マーベラスたちが「鳥人戦隊ジェットマン」のレンジャーキーを使った。

「ゴーカイジェットフェニックス!」

 カンゼンゴーカイオーが炎に包まれて、不死鳥のように突撃して光を突き破る。ガリウスが右手でカンゼンゴーカイオーの突撃を受け止めた。

「どうにもならないと言っているのに・・」

 ガリウスはため息をついてから、右手を振りかざしてカンゼンゴーカイオーを突き飛ばした。

「おのれ、ガリウス!」

 ゼハートが叫んで、レギルスがフォーンファルシアとともにガリウスに向かっていく。

「オレたちも行くぜ!」

 ラッキーが呼びかけて、ロンポーが頷く。リュウテイキュウレンオーもガリウスに向かって加速する。

 レギルスとフォーンファルシアがビットを展開して、ガリウスを取り囲んでビームを発射する。ガリウスが周囲に球状のバリアを出して、ビームを防ぐ。

“スーパーギャラクシー!”

「オールスタースクランブルブレイク!」

 リュウテイキュウレンオーが虹色の光を放つ。光がガリウスのバリアに当たって防がれる。

「ムダなことを・・往生際の悪いことだ・・・」

 ガリウスがため息をついてから、バリアを大きくしてビームと光線を押し返す。

「ぐっ!」

「うあっ!」

 レギルス、フォーンファルシア、リュウテイキュウレンオーがバリアに押されて突き飛ばされて、ゼハートたちがうめく。

「攻撃も防御も速さもオレが上・・お前たちがオレに敵わないことは証明されているだろう・・?」

 ガリウスがあざ笑って、自分の周りに大量の光の球を作り出す。

「まとめて宇宙の塵になれ・・・!」

 光の球が飛び散って、リュウテイキュウレンオーたちに命中していく。

「ラッキー!みんな!」

 大和がラッキーたちに向かって叫ぶ。光の球はワイルドトウサイドデカキングにも向かってきた。

「ジュウオウドデカダイナマイトストリーム!」

 ワイルドトウサイドデカキングがキューブ型の光の球を連射して、ガリウスの光の球とぶつけ合う。しかし相殺しきれず、ワイルドトウサイドデカキングが光の球をぶつけられる。

「ぐあぁっ!」

 ワイルドトウサイドデカキングが突き飛ばされて、大和たちがうめく。

「このっ!」

 ソラが感情をむき出しにして、ファルコンが加速して光の球をかいくぐる。ファルコンがガリウスに向けてビームを放つが、バリアに阻まれる。

 そこへジョーニアスが腕を振りかざして光線を放つ。ガリウスの死角を狙っての光線だったが、これもバリアにはじき返された。

「ムダだというのが理解できないか!」

 ガリウスが言い放って、再び高速で動いてジョーニアスを突き飛ばす。さらに高速でファルコンに追いついて拳を叩きつける。

「キャッ!」

「ぐっ!」

 ファルコンが急降下して、ソラが悲鳴を上げて、ハルがうめく。

「ソラ!ハル!」

 ルナマリアが叫んで、インパルスがビームサーベルを手にしてガリウスに向かう。

「焦るな、ルナマリア!的になるだけだぞ!」

 レイが呼びかけて、レジェンドもドラグーンを展開してガリウスを包囲する。

「バカの1つ覚えのように・・・」

「これ以上お前の好きにさせるか!」

 不満を口にしたガリウスに向かって、シンが声を上げる。デスティニーがスピードを上げて、ビームソードをガリウスに向けて突き出す。

 ビームソードがバリアを突き破り、デスティニーがガリウスに向かう。同時にインパルスも飛び込んできて、ビームサーベルを振りかざす。

 ガリウスが両腕にエネルギーを集中させて、ビームソードとビームサーベルを押し返した。

「そんな!?

 驚きの声を上げるルナマリア。ガリウスが全身から衝撃波を放って、デスティニーとインパルスを吹き飛ばした。

 レイが目つきを鋭くして、レジェンドのドラグーンがビームを放つ。

「ビームコンフューズ!」

 そこへカミーユのZガンダムがビームサーベルを投げつけた。レジェンドのドラグーンのビームが、Zガンダムのビームサーベルに当たって拡散する。

 だがその周囲にガリウスの姿はない。彼は高速でビームの霧を抜けて、上に移動して回避していた。

「だからムダだと言っているのに・・・」

 ガリウスが手から衝撃波を放って、レジェンドとZガンダムを吹き飛ばす。

「エックスもシンも攻撃が通用しない!」

「あのデカさで空を飛びまわられたんじゃ手出しができねぇ!」

 ガリウスに立ち向かうことができず、見ていることしかできない状態に、タケルもモモタロスも歯がゆさを感じていた。

「せめて大きくなって戦えたら・・・!」

 永夢もガリウスに立ち向かえないことに焦りを感じていた。

「大きくなったところでオレには勝てない。苦しみを増やすだけだぞ。」

 永夢たちを見下ろしてあざ笑うガリウス。オーブ、デスティニー、FXが立ち上がる。

「悪あがきができないように、1匹ずつ確実に始末しておこうか。」

 ガリウスがとどめを刺そうと右手の人差し指にエネルギーを集める。

「まずはお前だ、デスティニーガンダム!」

 彼がデスティニーに狙いを向けた。

「シン!」

 そこへステラのガイアが四足歩行型のMA(モビルアーマー)形態になって、口からビームブレイドを発して突っ込んできた。

「ステラ、ダメだ!下がれ!」

 シンが呼び止めるが、ガイアは引き返さずに突進を仕掛ける。

「ステラがシンを守る!ルナもレイも、みんな守る!」

 ステラが意思を強くして、ガイアが加速する。だがガリウスがガイアを狙撃して、ビームブレイドを破壊した。

「うわあっ!」

「ステラ!」

 ステラが悲鳴を上げて、シンとフォウが叫ぶ。サイコガンダムが突き飛ばされたガイアを受け止める。

「大丈夫、ステラ!?

「うん!ありがとう、フォウ!」

 フォウが呼びかけて、ステラが微笑んで頷いた。

「2人まとめて消え失せるがいい、くたばり損ないが!」

 ガリウスがガイアとサイコガンダムを狙って、再び指先にエネルギーを集める。

「させるか!」

 シンが激高して、デスティニーがビーム砲を展開してビームを放つ。だがガリウスが放ったビームがガイアたちに届くほうが早い。

 だがガリウスのビームがガイアとサイコガンダムから大きくそれた。

「何っ!?

 ビームが外れたことに驚くガリウス。ステラとフォウが助かったことに彼女たち自身だけでなく、シンもカミーユも安心と戸惑いを覚える。

「あれは!」

 視線を移したオーブが声を上げる。彼の視線の先にいたのは赤いウルトラ戦士。

「親父!」

 立ち上がったゼロも声を上げる。彼の父、ウルトラセブンも駆けつけた。

「ゼロ、オーブ、みんな諦めるな!全ての世界、全ての宇宙は我々自らの手で守り抜かなければならない!」

 セブンが激励を送って、ガリウスに目を向ける。セブンがウルトラ念力を発動して、ガリウスのビームの軌道を変えて、ステラとフォウを助けたのである。

「そして我々は誰しも1人ではない。絆の強さが、奇跡と呼べる新たな力を持つことができる・・!」

 セブンが言いかけて、永夢に目を向けた。

「君ならこの2つの力を使いこなせるはずだ!」

 セブンが永夢に呼びかけると、右手をかざして光を出す。光は永夢の手元まで伸びて、2種類のガシャットに変わった。

「これは、ガシャット・・収録されているのは、ウルトラマンとガンダム・・・!」

 永夢が2つのガシャットを見つめて、戸惑いを覚える。

 「ファイティングエボリューション」。ウルトラマンが登場する格闘ゲームである。

 「エクストリームバーサス」。ガンダムの格闘ゲームの1シリーズである。

「ウルトラマンとガンダムのゲーム・・この2つも、それぞれの能力が使えるようになるかもしれない・・・!」

“エクストリームバーサス!”

 思い立った永夢が頷いて、「エクストリームバーサスガシャット」を起動した。

「行くぞー!だーい変身!」

 彼がゲーマドライバーにエキストリームバーサスガシャットをセットした。

“ガッチャーン!レベルアーップ!燃え上がーれー・燃え上がーれー・ガンダムパワー!エクストリームバーサス!」

 エグゼイドのスーツを白い装甲が包み込んだ。その形状はガンダムを思わせるものとなっていた。

「これがガンダムの力・・自分が操縦しているみたいに、使い方が分かる・・・!」

 新たなる変身「エクストリームバーサスゲーマー」を実感していく永夢。

「でも、この大きさじゃあの巨体のガリウスには・・・!」

 永夢がガリウスを見上げて動揺を浮かべる。エクストリームバーサスガシャットを使っても、ガリウスに対抗できるほどの大きさになったわけではない。

 そのとき、永夢のゲーマドライバーにセットされているエクストリームバーサスガシャットから淡い光が発せられた。

「ガシャットから光が・・・!」

 永夢がエクストリームバーサスガシャットを見つめて、ゆっくりと手を伸ばす。

「このガシャットには、巨大化の能力が備わっているとは・・・まさか・・!」

 永夢は半信半疑の素振りを見せながら、エクストリームバーサスガシャットに意識を傾けた。

 そのとき、エクストリームバーサスガシャットの輝きが一気に強まった。永夢の体がだんだんと大きくなっていく。

「ええーーーっ!?ホントに大きくなってるー!?

 自分が大きくなっていることに、永夢が驚きの声を上げる。彼はオーブたちと変わらない身長まで大きくなった。

「オレの思い1つで大きくなったり元に戻ったりできるってことか・・・!」

 永夢は自分の意思で、自分の体の大きさを自由に変えられると思った。これがエクストリーバーサスゲーマーの能力であるとも。

「ラッキー、オーブ、シンさん、キオくん、オレもみんなと協力プレーができる!」

 永夢が意気込みを見せて頷いて、横に並んだオーブに握った右手を伸ばした。

「オレたちの絆の強さがさらに大きくなっている・・オレたちは支え合いながら、互いに強くなっていくんだ!」

 オーブも握った左手を永夢の右手に軽く当てた。

 そのとき、ガイの前に光が現れた。光は2枚のカードに変わった。

「これは、ウルトラマンのカードじゃない・・!」

 ガイがカードを手にして絵柄を目にする。カードに描かれていたのはそれぞれ、電王・ソードフォームとトッキュウジャーのトッキュウ1号だった。

「もしかして、ライダーや戦隊のみなさん、ガンダムの力も使えるということなのか・・・オレ、みなさんのことを信じます!」

 思い立ったガイが歴代の戦士たちへの信頼を強めた。

「電王さん!」

“仮面ライダー電王!”

「トッキュウジャーさん!」

“トッキュウジャー!”

 ガイが電王とトッキュウ1号のカードをオーブリングにリードさせる。

「想像の力、お借りします!」

“フュージョンアップ!”

 オーブリングを上に掲げたガイが、電王とトッキュウジャーの力を身にまとう。

“ウルトラマンオーブ・ボイスターズレインボー!”

 オーブの姿にも変化が起きた。レールを思わせるラインの入った体が特徴で、左肩に電王・ソードフォームの仮面、右肩にレッドレッシャーの先頭が付いていた。

「オレのクライマックスは、ハナッからクライマックスだぜ!」

 オーブが高らかに言い放ってポーズを取る。彼は新たなる姿「ボイスターズレインボー」になった。 

「なーにーー!?オレとトッキュウジャーの力を持っただとー!?

「アイツも、とんでもないイマジネーションを持っていたようだな・・」

 モモタロスが驚きをあらわにして、明が呟く。

「よっしゃ、ラッキー!すげぇことになってきたぜー!」

 ラッキーがオーブを見て喜びの声を上げる。

「だから何をしても、お前たちはオレには勝てないんだよ。」

「その言葉はもう聞き飽きているんだよ!」

 あざ笑ってくるガリウスにオーブが言い放つ。

「オレたちには絆がある!たとえ世界や立場、考え方が違っても、大切なものを守ろうとする思いは誰も同じだ!」

「自分が1番で他人を信じようとしないお前では、オレたちの、みんなの絆は絶対に壊せない!」

 オーブと永夢が拳を前に出して、ガリウスに向かって言い放つ。

「口で言っても分からないのだったな。ならば体で思い知らせるまでだ!」

 ガリウスが言い放つと、右手から禍々しい光線を放つ。

「あれはレゾリューム光線!」

「取り込んだエンペラ星人の能力か!」

 ヒカルとショウがレゾリューム光線を見て声を上げる。ガリウスはエンペラ星人たちのパワーだけでなく、能力も取り込んで使いこなしていた。

 だがオーブも永夢もレゾリューム光線を受けたが、分解されることなくダメージも受けていない。

「オレたちは1人じゃない!お前の力には絶対に屈しない!」

 永夢が言い放つと、ガリウスに向かって飛びかかる。

“ガシャコンキースラッシャー!ジャジャジャキーン!”

 永夢が手にしたガシャコンキースラッシャーの切っ先からビームの刃が出た。彼が振り下ろしたガシャコンキースラッシャーを、ガリウスが右手からの衝撃波で受け止める。

「あれは、モビルスーツのビームサーベル!?

「今の永夢は、ガンダムの力を使っていることか・・!」

 ルナマリアと刹那が永夢の力を見て声を上げる。

「ガンダムの真似事をしたところで、所詮は付け焼き刃ということだ!だがオレは真似事とは違う!オレ自身の力として昇華してある!」

 ガリウスが言い放って、背中から複数の光の刃を出して振りかざしてきた。永夢が反応して、ガシャコンキースラッシャーを回転させて光の刃をはじいていく。

「ガリウス!」

 そこへオーブが飛びかかってきて、オーブカリバーを振りかざして光の刃を飛ばす。ガリウスが永夢から離れて、光の刃をかわす。

「どこまでもムダなことを!」

「それはどうかな!」

 あざ笑うガリウスにオーブも言い返す。ガリウスから外れた光の刃が、ブーメランのように回転して戻ってきた。

「ぐっ!」

 とっさに右腕から光を放って光の刃を防いだガリウスだが、衝撃に揺さぶられてうめく。

「あれは、オレの必殺技!?

 モモタロスがオーブの発揮する力を見て驚きの声を上げる。

 光の刃がオーブカリバーの先端に戻った。オーブが再び振りかざしたオーブカリバーの光の刃が伸びて、ガリウスの腕に巻きついた。

「今度は僕の・・!」

 ウラタロスもオーブの戦いを見て声を上げる。

“ズキュキュキューン!”

 永夢がガシャコンキースラッシャーからビームを放つ。その動きはモビルスーツがビームライフルを撃つ様と重なっていた。

 ガリウスはバリアを展開して、永夢のビームを防いでいく。そこへレールの形の光の縄が、バリアを破ってガリウスの体を縛った。

「なっ!?

 体の自由を封じられてうめくガリウス。彼に向かって、オーブが上空から降下してオーブカリバーを振り下ろした。

「ぐあっ!」

 オーブの一閃を受けてガリウスが絶叫を上げる。

「今度はダイナミックチョップや!」

「電王とトッキュウジャーの力を使いこなしているようだね、オーブは。」

 キンタロスが声を上げて、幸太郎が呟く。

「今度は強力プレーで行くぜ、オーブ!」

「分かった!」

 永夢が呼びかけてオーブが頷く。永夢がゲーマドライバーにあるエクストリームバーサスガシャットを、ガシャコンキースラッシャーに移す。

“キメワザ!エクストリーム・クリティカルフィニッシュ!”

 永夢が構えるガシャコンキースラッシャーの先端にエネルギーが集まる。オーブもオーブカリバーの切っ先にエネルギーを集める。

 2人が同時に放ったビームが、バリアを貫いてガリウスに直撃した。

「よし!今度はキックだ!」

 永夢の声にオーブが頷く。

“キメワザ!エクストリーム・クリティカルフィニッシュ!”

 永夢がガリウスに向かって突っ込み、ガシャコンキースラッシャーを突き立てる。ガシャコンキースラッシャーからの光の刃が、ガリウスの体に突き立てられる。

 ガリウスが永夢の刃を受けて、激痛を覚えて絶叫を上げる。

「あれは、オレとデスティニーの戦い方!・・オレたちの力も思いも、受け継がれているのか・・!」

 シンも永夢の発揮する力に戸惑いを感じていた。

「オレたちには見えている!お前の終着駅が!」

 オーブが言い放って、オーブカリバーを振りかざして光のレールを伸ばす。彼はスピードを上げて、レールの上に乗って装甲する。

「必殺・烈車斬り!」

 オーブがガリウスに向けてオーブカリバーを振りかざして切りつけた。

「えーっ!?センスのなさまで受け継がれてる〜!?

“みんなひどいよ〜!”

 モモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロスの驚きの声に、良太郎が悲鳴を上げる。

「このオレがやられているだと!?あり得ない!オレが倒せない敵はいない!支配できないものはない!」

 ガリウスがいら立ちをふくらませて、全身から衝撃波を放出する。オーブと永夢が身構えて踏みとどまる。

「まだあのようなパワーが残っているのか!」

 ラッキーが言いかけて、リュウテイキュウレンオーも構えを取る。

「オレたちも力を貸すぞ、オーブ!」

 カミーユがオーブに呼びかけて、シンもオーブに対して頷いた。ガイの手元にまた新たなカードが2枚現れた。

「これは、2機のガンダム・・・!」

 ガイが2枚のカードを見て頷く。カードに描かれていたのは、それぞれZガンダムとデスティニーだった。

「カミーユさん!」

Zガンダム!”

「シンさん!」

“デスティニーガンダム!”

 ガイがZガンダム、デスティニーのカードをオーブリングでリードする。

「魂の力、お借りします!」

“フュージョンアップ!”

 オーブリングを高く掲げたガイに、Zガンダムとデスティニーの力が宿る。

“ウルトラマンオーブ・アロンダイトコンフューズ!”

 オーブの体にアーマーが装着された。形状はデスティニーの特徴が強いが、Zガンダムの翼もデスティニーの翼と合わさるように組み込まれている。

「希望と運命は、オレの手で切り開く!」

 オーブが言い放って構えを取る。

「あれは、サイバーアーマーに近いが・・!」

「ガンダムの特徴が強く見られる・・2機のガンダムの力を宿したんだ、オーブは・・!」

 エックスと大地がオーブの姿を見て声を上げる。

「また姿を変えたところで、ムダだというのが分からないか!」

 ガリウスが全身から光線を連射する。縦横無尽に飛び込むビームを、オーブは残像を伴った高速の移動でかいくぐる。

「デスティニーのような動きをしている・・!」

「しかもスピードはデスティニーやファルコンを超えているよ・・!」

 ソラとハルがオーブの動きを見て驚きをふくらませる。

 オーブがガリウスに詰め寄って、右手を突き出して彼に当てる。その直後に衝撃波を放つ。

「ぐっ!」

 ガリウスが大きく突き飛ばされるも、空中で踏みとどまる。

「デスティニーのパルマフィオキーナを思わせる攻撃だ・・!」

 ブラッドもオーブの戦い方を見て呟く。

「しかも今のオーブの力は、彼自身とシン、カミーユだけの力ではない・・!」

「オーブもより強く引き出している・・体を通して出る力を・・・!」

 刹那とフォウもオーブを見て呟く。彼らはオーブから精神エネルギーがあふれていることに気付いていた。

「これがオレたちの、みんなの魂の力だ!」

 オーブが言い放って構えを取る。彼の両肩のブーメランが射出して回転を始める。

DZスラッガー!」

 オーブがビームブーメラン「DZスラッガー」2本を、ガリウスに向けて放つ。ガリウスが両腕ではじくが、回避しきれずに切りつけられていく。

DZシュート!」

 オーブが両腕を回してから十字に交差して、光線を放つ。

「その程度の光線、受けるまでもない!」

 ガリウスがオーブの光線をかわす。しかし光線の向かう先には、DZスラッガーの1本があった。

DZコンフューズ!」

 光線がDZスラッガーに当たって拡散した。霧のように拡散した光線が、ガリウスの背中に命中した。

「ぐっ!小賢しいマネを・・!」

 ガリウスがダメージを増してうめく。

「ウルトラマンだけでなく、戦隊、ライダー、ガンダムの力を使いこなしているようだな、オーブ。」

 アカレッドが言いかけて、オーブが彼に目を向けて頷いた。

「これでいい気になるな!お前たちはオレに従うしかないんだよ!」

 ガリウスが怒号を放って、全身から光線を連射する。オーブたちが光線の回避と防御をして、光輝たちも光線と爆発をかわしていく。

「でたらめに撃ちやがって!」

「追い詰められてやけを起こしてるの!?

 レオとセラがガリウスへの不満を口にする。

「まだだ!オレたちの力は、まだまだこんなもんじゃない!オレたちの合わさった力は!」

 ラッキーが諦めずに言い放って、リュウテイキュウレンオーが両手を突き出して、光線をはじき飛ばしていく。

「そうだ!オレたちの力はまだまだこれからだ!」

“ファイティングエボリューション!ガシャット!”

 永夢も言い放つと、もう1つのガシャット、ファイティングエボリューションガシャットを起動して、ゲーマドライバーにセットした。

「超変身!」

“ガッシャーン!レベルアーップ!それいけヒーロー・来たーぞウルトラ・ファイティングエボリューション!”

 永夢のまとうエグゼイドの装甲に変化が起こった。銀をメインとしたカラーリングで、赤と紫も彩られていた。

 「ファイティングエボリューションゲーマー」。オーブのスペシウムゼペリオンやエックスのベータスパークアーマーのような外見と、ウルトラマンの能力を備えていた。

「地球や宇宙を守り続けてきた光の巨人の力で、ガリウス、お前から世界を守ってみせる!」

 永夢が言い放って、ガリウスに向かっていく。飛び交う光線をかいくぐって、永夢がガリウスに詰め寄る。

 永夢がパンチとキックをガリウスに当てていく。

「おのれ!」

 ガリウスが右手を伸ばすが、永夢に腕をつかまれて背負い投げされる。

「ぐっ!そんなものでオレが!」

 ガリウスが言い放って、体から光線を連射する。永夢が意識を集中して、光のバリアを出して光線を防ぐ。

「前は防げても他はがら空きだ!」

 ガリウスが笑みを浮かべて、永夢の横に回り込んできた。

「そうはさせないぞ!」

 そこへオーブが飛び込んで、ガリウスに突撃を当てた。彼の体からは光があふれ出していた。

 体を通して出る力を体現するZガンダムの能力を発揮していたオーブ。彼はその力で強さを引き上げて、ガリウスに突撃して叩き込んだのである。

 突き飛ばされたガリウスが、オーブと永夢を鋭く睨みつけてくる。

「ガリウス、お前にオレたちの絆を壊すことはできないぞ!」

 オーブがガリウスに向けて言い放つ。彼らには、世界や地球、人々の自由と平和を守り続けてきたヒーローたちの支えがあった。

 

 

第17章へ

 

その他の小説に戻る

 

TOPに戻る

inserted by FC2 system