ザ・グレイトバトル -エンドレスメモリーズ-
第13章
ロンポーとの協力関係を築いて、カミーユ、アセム、キオ、ゼハート、フラムがシンたちとの共闘に臨んだ。
「この世界は実に面白い。私を楽しませてくれるものであふれている。」
ジニスが笑みを浮かべて、Zガンダムたちの前に立ちはだかる。
「仲間がたっくさん駆けつけて、よっしゃ、ラッキー!オレたちも一緒に戦うぞー!」
ラッキーが意気込みを見せて、スティンガーたちと頷き合う。
“セイ・ザ・ゴー!”
セイザブラスターのキュータマを左に倒して、スペースウェポン「キュウボイジャー」を呼び出した。
“シシボイジャー!”
“サソリボイジャー!”
“オオカミボイジャー!”
“テンビンボイジャー!”
“オウシボイジャー!”
“ヘビツカイボイジャー!”
“カメレオンボイジャー!”
“ワシボイジャー!”
“カジキボイジャー!”
ラッキーたちがそれぞれのキュウボイジャーに乗り込んで、ジニスとナリアに向かっていく。
「私も行くとしますか。」
“セイ・ザ・ゴー!リュウボイジャー!”
ロンポーもキュウボイジャー「リュウボイジャー」を呼び出して乗り込んだ。
「オレたちも行くぞ!」
「うん!」
「おうっ!」
大和も呼びかけて、セラとレオが答える。
“イーグル!シャーク!ライオン!エレファント!タイガー!ゴリラ!クロコダイル!ウルフ!ライノス!ホエール!キリン!モグラ!クマ!コウモリ!”
彼らがクジラ型の「キューブホエール」を含めた14体のジュウオウキューブ、ジュウオウキューブウェポンを呼び出して乗り込んだ。
“オーオーオォオール!”
「動物全合体!」
“1、2、3、4!5、6、7、8!9、10!”
14体全てのジュウオウキューブ、ジュウオウキューブウェポンが合体を果たす。
“ワイルドトウサイドデカキーングー!”
「完成!ワイルドトウサイドデカキング!」
合体ロボ「ワイルドトウサイドデカキング」がラッキーたちに加勢する。
「オレたちもやるぞ!」
“ゴーカイガレオン!”
マーベラスが呼びかけて、ゴーカイガレオンを呼び出した。彼らが乗り込んだそれぞれの「ゴーカイマシン」が合体を果たす。
「完成!ゴーカイオー!」
ゴーカイマシンと変形したゴーカイガレオンが合体して、巨大ロボ「ゴーカイオー」が現れた。
「オレも行きますよー!」
“発進!ゴージュードリル!”
鎧もドリルタンク「豪獣ドリル」を呼び出して乗り込む。豪獣ドリルは「豪獣レックス」、さらに巨大ロボ「豪獣神」へと変形した。
「完成!豪獣神!」
ワイルドトウサイドデカキング、ゴーカイオー、豪獣神がラッキーたちに加勢した。
「ここはラッキーたちに任せるしかないか・・!」
巨大になったジニスたちの相手は自分にはできないと痛感して、永夢は悔しさを感じていた。
「そう気に病む必要はないよ。」
そのとき、凌馬が再び姿を現した。ベルメも軽やかな振る舞いを見せて、永夢の前に現れた。
「あなたたち、諦めてなかったんですか・・!?」
「このまま離れて漁夫の利でも狙おうかなって思ったけど、どさくさに紛れて君をやっつけてしまうだけのもいいかなって思ってね。」
声をかける永夢に、凌馬が気さくな振る舞いを見せる。
「休憩や高みの見物はさせないから、そのつもりでね〜♪」
ベルメも気さくに言って、永夢に攻撃を仕掛けようとした。
「オレもいることを忘れないでもらいたいよ。」
凌馬とベルメに声をかけたのはタケルだった。
「タケルさん!」
「誰かの命を守るために、自分の命を燃やす。それがオレたちだ。」
声を上げる永夢にタケルが励ましの言葉を送る。
「ゴーストの登場か。でもそれで勝った気になるのは大間違いだよ。」
凌馬は焦ることなく、気さくに振る舞う。
「それでも、みんなの命を守りたいというオレの決意は変わらない・・!」
タケルは揺るぎない意思を示して、眼魂「ムゲンゴースト眼魂」を手にした。
「命、燃やすぜ!」
“アーイ!ムゲン進化!バッチリミナー!バッチリミナー!”
タケルがゴーストドライバーにムゲンゴースト眼魂をセットして、レバーを引いた。
“チョーカイガン!ムゲン!Keep on going!ゴ・ゴ・ゴ!ゴ・ゴ・ゴ!ゴ・ゴ・ゴ!ゴッドゴースト!”
タケルの変身しているゴーストが白い姿に変わった。彼の最強形態「ムゲン魂」である。
「その姿は調査済みだよ。どんなに強力でも、予測ができるなら私の勝利は揺るぎない。」
凌馬はタケルに対して自信を見せていた。彼は歴代のライダーや戦隊、ウルトラ戦士やモビルスーツのデータを分析して、対処の術を見出していた。
「君のことも調べがついているよ、宝条永夢くん。」
凌馬が視線を永夢に移して、さらに言いかける。凌馬はエグゼイドについても調べていた。
「オレたちのデータを持ってても、確実に勝てるとは限らないぜ。」
永夢が強気な笑みを浮かべて、凌馬に向けて言い返してきた。
「それにきっと、アンタはオレの全部を調べ切ってはいない。」
彼は笑みをこぼしてから、新たなライダーガシャット「マキシマムマイティXガシャット」を手にした。
“マキシマムマイティX!”
「マックス大変身!」
“マキシマムガシャット!”
永夢がマキシマムマイティXガシャットをゲーマドライバーにセットして、レバーを展開した。
“レベルマーックス!最大級のパワフルボディ!ダリラガーン!ダコスバーン!・・”
彼はマキシマムマイティXガシャットの上部スイッチを押す。
“マキシマムパワー・エーックス!”
永夢の前に巨大アーマー「マキシマムゲーマ」が現れた。彼はジャンプしてマキシマムゲーマの中に入って装着する。
「ええっ!?でっかいアーマーを身に着けた!?」
タケルが永夢の変身した姿「マキシマムゲーマー・レベル99」を目の当たりにして、驚きの声を上げる。
「そんなものまで持ち出してくるとは、なかなか面白いことだなぁ!」
凌馬が永夢を見て笑い声を上げる。
「だったら私はこれで相手をしようかな。私らしくはないけどね。」
“スイカ!”
彼がロックシード「スイカロックシード」を手にして起動させた。
“ロックオン。ソーダ。”
ベルト「ゲネニスドライバー」にスイカロックシードをセットして、右のハンドルを押す。
“スイカアームズ!オオダマビッグバン!”
凌馬のそばにスイカ型の鎧「スイカアームズ」が現れた。彼はスイカアームズに入って、永夢と対峙する。
「似た者同士、面白い戦いになるかな?」
「オレはアンタとは違う。自分の目的のために他を利用して平気な顔をする悪いヤツとは!」
笑みをこぼす凌馬に、永夢が言い放つ。
永夢が前進して、巨大な腕を振りかざす。凌馬がスイカアームズの巨体で永夢の腕を受け止めたが、永夢のパワーに押されていく。
「そのアーマー、スイカ以上のパワーを持っているようだ・・!」
凌馬が永夢とマキシマムゲーマの力に毒づく。
「よーし!このまま打撃戦だ!」
永夢が強気に言って、凌馬に向けてパンチを繰り出す。マキシマムゲーマの巨大な手のパンチをぶつけられて、凌馬のスイカアームズから火花が散る。
“ヨロイモード!”
スイカアームズが展開して「ヨロイモード」に変わった。凌馬が右手で刀「スイカ双刃刀」を持つ。
「勝負はこれからってヤツさ。そっちがパワーならこっちはスピードで勝負させてもらうよ。」
「パワーだけじゃなく、スピードも負けてないよ!」
互いに自信を見せ合う凌馬と永夢。
“ガシャコンキースラッシャー!”
永夢がガシャコンキースラッシャーを手にして、凌馬の振りかざすスイカ双刃刀とぶつけ合う。しかし大きさと重さの違いで押し返される。
「大きい分、武器の力はこっちが上だね。まぁ、武器の力で勝敗が決まるわけじゃないけどね。」
凌馬が気さくに言いかけて、再びゲネシスドライバーのハンドルを押す。
“スイカスカッシュ。”
彼の持つスイカ双刃刀にエネルギーが集まる。
「そう来るならオレも!」
永夢が意気込みを見せて、ガシャコンキースラッシャーにマキシマムマイティXガシャットをセットした。
“キメワザ!マキシマムマイティクリティカルフィニッシュ!”
永夢が振りかざしたガシャコンキースラッシャーから光の刃を放つ。凌馬がスイカ双刃刀を振りかざして、光の刃に叩きつける。
「このまま一気に決めてやるぞ!」
永夢が言いかけて、ゲーマドライバーを1度閉じて開いた。
“キメワザ!マキシマムクリティカルブレイク!”
永夢が外へ飛び出してジャンプすると同時に、マキシマムゲーマが両腕を振り下ろす。
「うおっ!」
マキシマムゲーマの打撃が地面を叩いて、その衝撃で凌馬が空中に跳ね上げられる。その先に待ち受けていた永夢が、エネルギーを集めたキックを繰り出した。
キックを受けた凌馬のスイカアームズが爆発を起こした。凌馬が落下して地面に叩きつけられた。
「あんな粗削りな攻撃までしてくるとは・・まだ調査が足りなかったということか・・・!」
ダメージを負った凌馬が、声と力を振り絞って立ち上がる。
一方、ベルメはタケルの発揮する力になすすべなく追い詰められていく。
「あう〜!すごすぎて、近づくこともできないじゃ〜ん!」
ベルメが頭を抱えて悲鳴を上げる。
「もう悪いことはやめるんだ!オレもお前もこうして生きているんだから!」
タケルがベルメに戦いをやめるように呼びかける。
「これは僕のスター街道なんだからね〜♪だから悪いことじゃないんだよ〜♪」
しかしベルメは悪びれる様子を見せず、戦いをやめようとしない。
「お前も僕の踏み台になるんだからね〜♪」
ベルメが銃を手にして光線を発射する。タケルが剣「ガンガンセイバー」を手にして、ゴーストドライバーのレバーを引いて押す。
“イノチ・ダイカイガン!ヨロコビストリーム!”
タケルがエネルギーを集めたガンガンセイバーを振りかざして、光の刃を放って光線をはじく。
「うわっ!」
光の刃に光線銃をはじかれて、ベルメが悲鳴を上げる。
「イタタタ・・ホントにとんでもないヤツだよ、君は〜・・!」
ガンガンセイバーを構えるタケルに、ベルメが後ずさりする。
「こうなったら〜・・逃げろー!」
ベルメが慌ててタケルなら逃げ出していく。
“イノチ・ダイカイガン!タノシーストライク!”
タケルが「アローモード」にしたガンガンセイバーから光の矢を放つ。
「うあぁっ!」
光の矢に体を貫かれたベルメが絶叫を上げる。
「僕の・・僕のスター街道が・・・!」
声を振り絞るベルメが倒れて消滅した。
「あっちはやられたか・・期待はしていなかったけどね・・」
凌馬はベルメがやられたことに呟いてから立ち上がる。着地した永夢とマキシマムゲーマに視線を戻して、凌馬がソニックアローを手にして構える。
「やっと追いつくことができたよー!」
そこへ1人の少年が駆けつけて、永夢たちの近くで立ち止まった。急いできたのか、少年は息を乱していて整えようとした。
「何で、子供がこんなところに!?」
「ここは危険だ!すぐに離れるんだ!」
タケルが少年を見て驚いて、永夢が呼びかける。呼吸を整えた少年が顔を上げた。
「そうはいかないよ!僕もキュウレンジャーの一員なんだから!」
少年が言い放って構えを取る。彼の左腕にあったのはセイザブラスターだった。
「ええっ!?アイツもキュウレンジャーだっていうのかー!?」
モモタロスが少年、佐久間小太郎を見て驚きの声を上げる。
「小太郎、お前も来てくれたかー!」
ラッキーが小太郎に気付いて答える。
「こんなにたくさん救世主がいたなんて・・世界って、ホントに広いんだねー!」
小太郎が周りを見渡して、永夢たちやオーブたちの姿を見て感動を覚える。
「お前だってそのたくさんの救世主の1人だ!お前の信念を貫け、小太郎!」
「そうだ、小太郎!お前も立派な正義の味方なのだからな!」
ラッキーに続いてチャンプも小太郎に呼びかける。
「ありがとう、みんな!よーし!僕もやるよ!」
“コグマキュータマ!”
小太郎が感謝して、キュータマ「コグマキュータマ」をセイザブラスターにセットした
“セイ・ザ・チェンジ!”
「スターチェンジ!」
コグマキュータマを前に倒して、セイザブラスターのトリガーを引く小太郎。彼の体を水色のスーツとマスクが包み込んだ。
「ビッグスター、コグマスカイブルー!」
小太郎が変身したコグマスカイブルーが名乗りを上げてポーズを決めた。
「ホ、ホントに変身しちゃったよー!」
永夢が変身を果たした小太郎にさらに驚く。小太郎が永夢、タケルと合流する。
「もしかして2人があの仮面ライダーなんだね!僕も宇宙を守るために戦うよ!」
「ありがとう、小太郎くん!いや、コグマスカイブルー!」
永夢と小太郎が声をかけ合って、軽く拳を合わせて友情を分かち合う。
「まさかこんな子供の戦士まで出てくるとはね・・でも私は相手が子供だからといって容赦しないよ。なぜなら、私の研究と意思を貫くならば、情けは邪魔にしかならないからね!」
凌馬が言いかけてから、小太郎たちに向かって飛びかかる。彼が振りかざすソニックアローを、小太郎が軽やかにかわす。
小太郎が手から爪を出して振りかざす。爪がソニックアローとぶつかって火花が散り、凌馬が押される。
「小さくてもクマというわけか・・まだ侮っていたところがあったかな・・!」
凌馬がソニックアローを構えて、エネルギーの矢を連射する。小太郎が分銅入りのマフラーを振りかざして、光の矢をはじいていく。
「くっ・・私は、こんなところでつまずいている暇はない・・!」
凌馬が声と力を振り絞って、ソニックアローにレモンエナジーロックシードをセットした。
“レモンエナジー。”
エネルギーを集めたソニックアローを構える凌馬。タケルがとっさにゴーストドライバーのレバーを引いて押す。
“チョーダイカイガン!ムゲン!ゴッドオメガドライブ!”
タケルがエネルギーを右手に集めて、パンチを繰り出す。虹色の光を宿したパンチが、凌馬の放った光の矢をはじき飛ばした。
「僕も負けてられない!」
“オオグマキュータマ!セイ・ザ・アタック!”
小太郎が意気込みを見せて、キュータマ「オオグマキュータマ」をセイザブラスターにセットして手前に倒す。すると小太郎の体が大きくなる。
「おいおいおいー!今度はでっかくなりやがったー!」
モモタロスが小太郎を見上げて、驚きの声を上げる。
「これは実に不可思議だ・・どういう仕掛けになっているのか、調べたいところだ!」
凌馬が声を上げて、ソニックアローから光の矢を連射する。しかし小太郎は光の矢を受けてもものともせずに、両手を伸ばして凌馬を捕まえた。
「ぐおっ!」
凌馬が小太郎に思い切り空中に投げ飛ばされた。
「今だ!」
元の大きさに戻る小太郎が呼びかけて、キュータマを手前に2回倒す。
“ギャラクシー!”
彼がエネルギーを集めたセイザブラスターを構えて、空中にいる凌馬に狙いを定める。
「オレも援護するぞ!」
“キメワザ!マキシマムクリティカルブレイク!”
永夢が凌馬のいるほうに向かってジャンプして、エネルギーを集めた右足を振り上げた。
「オールスタークラッシュ!」
小太郎がセイザブラスターからビームを発射する。ビームと永夢のキックが、同時に凌馬の体に命中した。
「がはぁっ!」
凌馬が吹き飛ばされて、地面に叩きつけられる。戦極ドライバーが損傷して、彼の変身が解けた。
「やったー!僕たちの勝利だ!」
小太郎が喜んで、着地した永夢とハイタッチをした。
「後はラッキーたちを見届けるか・・!」
永夢が呟いて、ジニスたちと戦うラッキーたちに目を向けた。
ゼハート、フラムの駆るレギルス、フォーンファルシアと交戦するナリア。フォーンファルシアの射出するビットからのビームを、ナリアはヌンチャククラッシャーの射撃で迎撃する。
「私はジニス様のためにこの身を捧げる!あの方に逆らう者は、この私が排除する!」
ジニスへの忠誠心を示しながら、ナリアが射撃を続ける。
「あなたも私と同じなのね・・お慕いする人のために尽力する・・」
フラムがナリアに対して共感を示す。
「もしも敵対していなければ、間違いなく分かり合えたわね・・」
「私たちをあなたたち下等生物と一緒にしてもらっては困ります。他の生物は全て、ジニス様を楽しませるための駒にすぎないのです。」
皮肉を口にするフラムを、ナリアが嘲笑する。そこへレギルスが手のひらから発したビームの刃を振りかざして、ナリアがヌンチャククラッシャーを掲げて防ぐ。
「ならばお前たちは、我々の共通の敵だ・・地球に住む者にとっても、ヴェイガンにとっても・・!」
ゼハートが鋭く言って、レギルスがビームサーベルを振りかざしてナリアを引き離す。
「地球人もヴェイガンもともに平和のために戦ってきた。考え方の違いですれ違いを起こし、戦争にまで発展してしまった・・だがお前たちは、己の私利私欲のためだけに命を弄ぶだけ・・!」
「それこそが、オレたちが戦うべき相手なんだ!」
ゼハートに続いてアセムもナリアに呼びかける。AGE-2がビームサーベルを振りかざして、ナリアを攻め立てる。
「やめましょう、こんな戦い!僕たちはどんな人種でも分かり合えることを知っています!あなたたちとも・・!」
キオがナリアに戦いをやめるように呼びかける。
「どいつもこいつも、ジニス様や私たちに無礼を・・許しはしない!ここで全員葬り去る!」
ナリアが怒りをあらわにして、ヌンチャククラッシャーから強力な光線を放つ。
「ファンネル!」
キオの駆るFXが端末「Cファンネル」を射出して、ビームのバリアを展開して光線を防ぐ。
「そうやって、手を差し伸べる者を拒絶して、自分たちが絶対だと言い張るつもりか・・・!」
ナリアとジニスの利己的な考えに、アセムが怒りを覚える。
「お前たちこそが、築き上げる平和を壊す本当の敵だ・・!」
ゼハートも怒りと信念を言い放って、端末「レギルスビット」を射出した。
「ゼハート様!」
フラムが叫んで、フォーンファルシアもビットを展開する。同時に武器「フォーンファルシアバトン」を振りかざして、先端からビームウィップを伸ばす。
ビットからのビームを回避しようと意識を傾けたため、ナリアがビームウィップに体を縛られた。
「ぐっ!ぐあっ!」
うめくナリアがビットのビームを立て続けに受けて、絶叫を上げる。続けてFXのCファンネルが飛び込んできて、彼女の持っていたヌンチャククラッシャーを手元からはじき飛ばした。
「これで終わりにしてください・・これ以上やっても、みんな傷つくだけです・・!」
キオが再びナリアに呼びかける。しかしナリアは聞き入れようとせず、ビームウィップを引きちぎろうとする。
「ジニス様にあだ名す者を野放しにはしない・・たとえ差し違えても、お前たちを排除する!」
ナリアが声と力を振り絞って、縛られたままFXに突っ込む。
「オレたちは死ぬわけにはいかない!オレたちが死ぬことで、悲しむ人がいるからだ!」
アセムが強い意思を口にして、AGE-2がFXの前に出て、ビームサーベルを突き出す。
「うぐっ!」
ビームサーベルが胴体に突き刺さり、ナリアがうめく。AGE-2がすかさず銃「ハイパードッズライフル」を構えて発射した。
「がはっ!・・ジ・・ジニス・・様・・・!」
絶叫を上げるナリアが力なく倒れて、爆発を起こした。
「止められたな、ヤツの暴挙を・・」
ゼハートが声をかけて、アセムが小さく頷く。
「言葉を交わして分かり合えるならそれがいいのだが、話が通じない相手なら戦わなくてはならない・・」
「オレたちも、分かり合うことができた・・が、そのときには全てが手遅れだった・・」
「そんなことはない。すれ違いを繰り返したが、分かり合えないまま終わることがなくてよかったと思っている・・」
「強くなったな、アセム・・実力も、精神力も・・」
自分の意思を口にするアセムに、ゼハートが微笑みかける。戦争とすれ違いを終えた2人は、無二の親友に戻っていた。
(父さん・・)
(ゼハート様・・・)
2人の和解にキオとフラムも微笑みかけていた。
巨大化したジニスに、ラッキーたちはカミーユとともに果敢に立ち向かっていた。
「そろそろ合体といきますかー♪」
「そうだな・・」
バランスが呼びかけて、ナーガが頷く。
“セイ・ザ・ドッキング!”
ラッキー、ガル、チャンプ、ハミィ、スパーダがセイザブラスターのキュータマを右に倒してから、グリップを倒してトリガーを引く。シシボイジャーを胴体としてオオカミ、オウシ、カメレオン、カジキの4体のキュウボイジャーと合体した。
“キュウレンオー!”
「完成!キュウレンオー!」
キュウボイジャーが合体した「キュウレンオー」がジニスの前に現れた。
「お前たちはとことん私を楽しませてくれる。だが私に逆らう権利はお前たちにはない。」
「アンタなんかの許しなんて求めちゃいないんだからねー!」
笑みをこぼすジニスにハミィが言い返す。
「オレたちはこうして出会って、こうして一緒に戦っている!このオールスターは、どんな悪者も止められはしないぞ!」
「下等な生物が言ってくれる・・私こそが正義。私こそが最高の存在。お前たちはブラッドゲームの駒として、私を楽しませていればいいのだよ。」
強い意思を示すラッキーをジニスがあざ笑う。
「戦場ではしゃぐんじゃないよ!」
するとカミーユが叫んで、Zガンダムがビームライフルを撃ってきた。ジニスが前方に光の壁を作って、ビームを防ぐ。
「命は力なんだ!宇宙を支える力なんだ!それを家畜にするようなお前たちを、オレは許さない!」
「お前たちの許しを求める必要はない。私が楽しめるならば、星の生き物がいくつ死のうと知ったことではないのだよ。」
怒りを向けるカミーユだが、ジニスは態度も考えも変えない。
「そのために人が傷つくんだぞ!死ぬことになるんだぞ!それを何も感じないのか!?」
カミーユがさらに怒りを込めて、Zガンダムが飛び込んでビームサーベルを振りかざす。ジニスがエネルギーを集めた左腕で、ビームサーベルを受け止める。
「他の生物は私を楽しませる以外の価値はない。当然お前たちも同じだ。」
「ふざけるな!お前の楽しみだけで人を殺していいのか!?そうじゃないだろう!」
笑みをこぼすジニスに怒鳴るカミーユ。Zガンダムがビームサーベルを振り抜いて、ジニスを突き飛ばす。
「お前のようなヤツはいてはいけないんだ!どの世界にも!」
「宇宙はオレたちが取り戻す!そして守り抜く!お前のようなヤツらからな!」
カミーユに続いてラッキーも思いを真っ直ぐに言い放つ。
「行け、お前たち!我々が援護するぞ!」
ロンポーが呼びかけて、ラッキーが操縦するキュウレンオーが前進してジニスに向かっていく。
「まずは3枚に下ろしますか!」
スパーダが言いかけて、キュウレンオーが刃の付いた右手を振りかざす。だがジニスの発するエネルギーに受け止められる。
「強力な力の持ち主ということか・・・!」
「ならばここは力を合わせればいいだけだ!」
スティンガーが呟いて、チャンプが言い放つ。キュウレンオーが右足を振り上げて、ジニスを突き飛ばす。
「その程度で私に刃向かおうとは、ずいぶんと見くびられたものだ・・」
ジニスが肩を落としてから、全身から閃光を発して、キュウレンオーを狙い撃ちしようとする。
「させるか!ビームコンフューズ!」
カミーユが言い放って、Zガンダムがビームサーベルを投げつける。続けてZガンダムがビームライフルを発射して、回転するビームライフルに当ててビームを拡散させる。
ジニスの放った閃光の雨を、Zガンダムのビームが迎撃して相殺した。
「よーし!僕もやるぞー!」
小太郎が意気込みを見せて、セイザブラスターのキュータマを左に倒す。
“セイ・ザ・ゴー!クマボイジャー!”
彼が駆けつけたキュウボイジャー「クマボイジャー」に乗り込んだ。「オオグマボイジャー」と「コグマボイジャー」の2機が合わさったキュウボイジャーである。
小太郎の動かすクマボイジャーが速度を上げて地上を駆け抜ける。疾走するキュウボイジャーが、ジニスの足元の横をすり抜けて、彼の注意を引く。
「スティンガー、小太郎、我らもドッキングだ!」
「あぁ・・!」
「オッキュー!」
ロンポーの呼びかけにスティンガーと小太郎が答える。ロンポーがリュウツエーダーの口を開閉して、トリガーを引く。
“セイ・ザ・ドッキング!”
リュウボイジャーが変形して胴体となり、腕にそれぞれサソリボイジャー、クマボイジャーが合体する。
“リュウテイオー!”
「完成!リュウテイオー!」
合体ロボ「リュウテイオー」も現れて、キュウレンオーと合流した。
「ラッキー、合体攻撃だ!」
「オッキュー、司令!」
ロンポーが呼びかけて、ラッキーが答える。
“スーパーギャラクシー!”
キュウレンオー、リュウテイオーが右腕にエネルギーを集める。
「キュウレンオー・スターブレイク!」
「リュウテイオー・メテオブレイク!」
キュウレンオーが右手の刃の一閃を繰り出して、リュウテイオーが右手を突き出してビームを放つ。2機の攻撃を直撃されるが、ジニスはエネルギーを放出して耐える。
「少しはよくなったが、私には及ばない。」
「オレたちがいることを忘れるな!」
余裕を見せるジニスに、大和が呼びかける。ワイルドトウサイドデカキング、ゴーカイオー、豪獣神も、キュウレンオーとリュウテイオーに加勢する。
「来い、マッハルコン!」
マーベラスに呼ばれて、炎神「マッハルコン」が駆けつけた。
「バリバリー!今回はいつになく豪快じゃんかー!」
マッハルコンが活気よく声をかけてくる。
「海賊合体!」
ゴーカイオー、豪獣神、マッハルコンが合体を果たす。
「完成!カンゼンゴーカイオー!」
巨大ロボ「カンゼンゴーカイオー」がジニスの前に着地した。
「オレたちもド派手に行くぜ!」
「ジニス、オレたちヒーローを、なめるなよ!」
マーベラスと大和がジニスに向けて言い放つ。
「ジュウオウドデカダイナマイトストリーム!」
「ゴーカイカンゼンバースト!」
ワイルドトウサイドデカキングが大量のキューブ型のエネルギーを、カンゼンゴーカイオーが左手を射出して放つ。
「ぐっ!」
ジニスがラッキーたちの力に押されてうめく。
「私は最高の、絶対の存在だ・・お前たち下等な生物に敗北することはない・・!」
「そうやって1人でいようとしている限り、お前は何様だろうとオレたちには勝てねぇ!」
いら立ちを見せるジニスに、ラッキーが言い放つ。
「オレたちは1人1人がスーパースター!みんなそろえばオールスター!そう、オレたちはみんな、スーパーヒーローだ!」
ラッキーが思いを言い放って、キュウレンオーたちがエネルギーを振り絞る。
「私が倒れることはない・・こんな、群がるしか能のないヤツらなど・・・!」
絶叫を上げるジニスが、キュウレンオーたちの光の中に消えた。彼の肉体は光とともに消えていた。
「やったぜー!またジニスをブッ倒したぞー!」
「我々が力を合わせれば、できないことは何もない!」
レオとチャンプがジニス撃破を喜ぶ。
「こんなにもすごい仲間や先輩と一緒に戦っている・・オレはやっぱり、宇宙一ラッキーな男だぁー!」
最高の仲間たちの絆に、ラッキーが大喜びをの叫びを上げた。