ザ・グレイトバトル -エンドレスメモリーズ-

第12章

 

 

 オーブたちの前に現れたバングレイ、エタルガー、ジェリド。飛びかかるバングレイをオーブが迎え撃つ。

「お前のことは聞いてるぞ!ホントの自分が何だったのか、分かんなかったことがあったんだよな!?

 バングレイがオーブに呼びかけて、笑い声を上げて挑発する。

「確かにオレは、本当のオレを見失っていた・・誰かを傷付けてしまうことを恐れて、本当の自分を見ようとしなかった・・」

 オーブが自分のことを口にして、受け止めていたバングレイのかぎ爪を押し返す。

「本当の自分を制御しようと、自分の中にある闇を払おうとした・・しかし大切なことだったのは、闇を含めて自分の全てを受け入れて乗り越えることだった・・・!」

 オーブが自分の思いを口にしていく。大切な人を守るために戦ってその人を巻き込んでしまったこと、力を制御できずに見境なく力を振るって街を壊し人々を傷付けてしまったことも否定せずに受け止めることで、彼は本当の自分を思い出すことができた。

「オレは逃げはしない・・オレ自身から・・!」

 オーブが声を振り絞って、ガイが1枚のウルトラフュージョンカードを取り出した。カードに描かれているのは、オーブ本来の姿。

“覚醒せよ、オーブオリジン!”

 ガイの手元に剣「オーブカリバー」が握られて、柄にあるリングが回される。

「オーブカリバー!」

 ガイがオーブカリバーのトリガーを引く。オーブカリバーから彼が普段ハーモニカで奏でていた曲に似たメロディが流れ出す。

 そしてオーブの姿にも変化が起こる。これまで他のウルトラマンの力を借りて戦ってきた彼が、彼自身の力と姿を発揮した。

「これが本当のオレ!ウルトラマンオーブの本当の姿!銀河の光が、我を呼ぶ!」

 オーブがバングレイに向けて言い放つ。彼は本当の姿「オーブオリジン」への変身を果たし、手にはオーブカリバーが握られていた。

「あれがガイの、オーブの本当の姿・・・!」

 シンがオーブを見て戸惑いを覚える。

「闇も受け入れる・・だったらオレがその闇を引き出して、利用してやるぜ!」

 バングレイが笑い声を上げて、オーブの記憶を利用しようと手を伸ばしてきた。オーブがオーブカリバーを振りかざして、バングレイの接近を阻む。

「全てを受け止めて、オレは戦い続ける・・大切なものを守るために!」

「笑わせるな!お前らのその大切なもん、このオレが利用してズタズタにしてやるぜ!」

 決意を言い放つオーブをあざ笑い、バングレイが再び飛びかかって、剣「バリブレイド」を振りかざす。オーブもオーブカリバーを振りかざして、バリブレイドとぶつけ合う。

「なかなかやるじゃねぇか!けどオレにぶっ潰されることに変わりねぇけどな!」

 バングレイが笑みを浮かべて、電撃を集めたバリブレイドを振り下ろす。

「オーブウィンドカリバー!」

 オーブが振りかざしたオーブカリバーから竜巻が放たれる。

「ぐおっ!」

 バングレイが竜巻に押されて、上空に大きく跳ね上げられた。

「アイツ、ふざけたマネを!」

 バングレイがいら立ちを浮かべて、バリブレイドから電撃を放出する。オーブは回避して、さらにオーブカリバーで電撃をはじく。

「アイツ、派手に立ち回りやがって・・・!」

 バングレイの戦いを見て、ジェリドもいら立つ。そんな彼の乗るガンダムMK-Uに、ソラとハルの乗るファルコンが飛びかかる。

「あなたも人間なのに、モビルスーツのパイロットなのに・・どうしてこんな破壊と支配を企むヤツの味方なんて・・!?

「ガンダムはオレの超えるべき壁だ!そのためにオレは全てを捨てる覚悟を決めている!」

 疑問を投げかけるハルに、ジェリドが自分の意思を言い放つ。ガンダムMK-Uがビームサーベルを振りかざして、ファルコンを引き離す。

「ガンダムはオレが全てこの手で片づけてやる!お前もその敵の1機だ!」

 ジェリドがハルとソラにも敵意を向ける。

「自分の目的のために、私たちを倒そうとするなんて・・!」

 ソラが私利私欲に駆られているジェリドに憤りを覚える。

「そんなことでやられるなんて、私たちはまっぴらゴメンだよ!」

 ソラが言い放って、ハルの駆るファルコンが両手でそれぞれビームサーベルを握る。

「素早く動こうと、オレの攻撃はお前を捉える!」

 ジェリドが言い放って、ガンダムMK-Uがファルコンとビームサーベルをぶつけ合う。ファルコンの速い攻撃を、ガンダムMK-Uは正確に防いでいく。

「あ、当たらない!?

「ファルコンのスピードが負けるわけないよ!」

 驚きの声を上げるハルと、必死になるソラ。

「これが、モビルスーツの性能が全てではないということだ!」

 ジェリドが笑みを浮かべて、ガンダムMK-Uがビームライフルを手にして発砲した。ビームはスピードを上げていたファルコンの左足をかすめて、体勢を崩させた。

「ソラ!ハル!」

 ルナマリアが呼びかけて、インパルスがビームライフルを発射する。ジェリドが反応して、ガンダムMK-Uがビームをかわしてファルコンに迫る。

 体勢を整えられていないファルコンに、ガンダムMK-Uがビームライフルを発砲した。

(回避が間に合わない!)

 絶体絶命を思ってハルが緊迫をふくらませる。

 そのとき、ファルコンの前に光の壁ができて、ガンダムMK-Uのビームを防いだ。

「えっ!?

「これは!?

 突然のことにソラとハルが驚く。

「な、何だ!?

 ジェリドも声を上げて視線を移す。彼らが目を向けた先にいたのは、星形のカラータイマーをしたウルトラマン。

「また、ウルトラマンが・・!」

「今度は誰だ!?

 ハルが戸惑いを見せて、ジェリドがウルトラマンに声をかける。

「我が名はウルトラマン。ウルトラマンジョーニアスだ。」

 新たに現れたウルトラマン、ジョーニアスが名乗る。ジョーニアスは惑星「U40」出身のウルトラマンである。

「平和を乱すその力、私が止める。」

「人間じゃないくせに、オレの邪魔をするつもりか!」

 構えを取るジョーニアスに、ジェリドがいら立ちを覚える。ガンダムMK-Uがジョーニアスに向けてビームライフルを発砲する。

 ジョーニアスがビームを回避して、ガンダムMK-Uに一気に距離を詰めてきた。

「なっ!?・・く、くそっ!」

 ジェリドが毒づいて、ガンダムMK-Uがジョーニアスにビームサーベルを振りかざす。ジョーニアスが一閃をかわして、ガンダムMK-Uの胴体に右手を叩き込んだ。

「ぐっ!・・おのれ、ふざけたマネを!」

 ジェリドがさらにいら立って、ガンダムMK-Uがビームライフルを構える。しかし直後、ガンダムMK-Uはビームライフルの銃口をジョーニアスからファルコンに移す。

「まずはお前からだ、蚊トンボが!」

 ジェリドが言い放ち、ガンダムMK-Uがビームライフルを発射する。

「ハル、私に代わって!」

 ソラが呼びかけて、ファルコンがビームをかわしたと同時に、ハルがファルコンの操縦権をソラに渡す。直後にソラが操縦して、ファルコンがビームライフルを発射して、ガンダムMK-Uのビームライフルを持つ右手を撃ち抜いた。

「何っ!?

 驚きの声を上げるジェリド。体勢を崩したガンダムMK-Uに向けて、ジョーニアスが組んだ両腕から光線を放つ。

「ぐっ!」

 ガンダムMK-Uが光線に両足を破壊されて、ジェリドが衝撃に揺さぶられてうめく。

「バカな!?・・オレには、立ちはだかる壁を超えることもできないのか・・・!?

 自分の力が通じないことに動揺を隠せなくなるジェリド。

「もうやめるのだ。君の中にある強い信念を正しいことに向けてほしい。」

 ジョーニアスがジェリドに戦いをやめるように呼びかける。

「ふざけるな・・貴様らを倒すまで、オレは・・オレは!」

 ジェリドは怒りをふくらませて、ガンダムMK-Uが左手にビームサーベルを手にした。

「往生際の悪いヤツだ・・」

 そのとき、ガンダムMK-Uの胴体を一条の光が貫いた。ガンダムMK-Uを背後から攻撃したのはエタルガーだった。

「き、貴様まで、オレの邪魔を・・!?

「邪魔なのはお前なんだよ・・足手まといのお前はな・・・!」

 苦痛に襲われてうめくジェリドを、エタルガーがあざ笑う。

「オレは・・オレは、こんなところで・・・!」

 声を振り絞るジェリドだが、彼を乗せたまま、ガンダムMK-Uが爆発を起こした。

「お前、仲間だった者を手にかけるとは・・!」

 ジョーニアスがエタルガーに振り向いて構えを取る。

「役に立たないヤツがいても邪魔なだけだ・・お前たちに恐怖を絶望を与えることのな・・・!」

「許さない・・自分のために、他の人の思いや命を弄ぶなんて・・・!」

 あざ笑ってくるエタルガーに、ソラが怒りをふくらませる。

「このオレが記憶を呼び起こすだけだと思ったら、大間違いだぞ・・!」

 エタルガーが右手をかざして、光線を発射する。

「キャッ!」

 回避しようとしたファルコンだが、エタルガーの光線を当てられて、ソラが衝撃に揺さぶられてうめく。

 ジョーニアスが右手を振りかざして、光の球を放つ。だがエタルガーに左手で軽々とはじかれる。

 エタルガーが加速してジョーニアスの首をつかんで持ち上げる。抗うジョーニアスだが、エタルガーの手を振り払うことができない。

「このっ!」

 ルナマリアの駆るインパルスがビームライフルを発射する。しかしビームはエタルガーが体から放ったエネルギーにはじかれる。

「そんなに死に急ぎたいなら、望みどおりにしてくれる!」

 エタルガーが笑みを浮かべて、インパルスを狙って右手から光線を放つ。

 そのとき、フォウのサイコガンダムが出てきて、ビームを一斉放射してきた。光線とビームが全てぶつかり合って相殺される。

「大丈夫、あなたたち!?

「フォウさん!」

 呼びかけるフォウにルナマリアが声をかける。次の瞬間、ステラの駆るガイアがエタルガーに向かっていく。

「シンもルナも、みんなを守ってる・・ステラも、みんなを守る!」

 ルナマリアたちを守ろうという思いを胸に、ステラが立ち向かう。

「ステラ、待って!1人では危険よ!」

 フォウが呼び止めるが、ステラのガイアは止まらない。エタルガーがジョーニアスを振り回して、ガイアにぶつけた。

「キャアッ!」

「ステラ!」

 ステラが衝撃に揺さぶられて悲鳴を上げて、ルナマリアとフォウが叫ぶ。

「ステラ!これ以上ステラに手を出させるか!」

 シンが感覚を研ぎ澄ませて、デスティニーがガイアを守ろうと加速する。

「もう遅い・・!」

 エタルガーが笑みを浮かべて、ガイアを狙って光線を放つ。全速力のデスティニーだが、ガイアに間に合わない。

 そのとき、数基の端末がガイアの前に出て、エタルガーの光線を防いだ。

「何だと!?

 突然のことにエタルガーが驚きを見せる。ステラもシンもルナマリアたちもこの一瞬に戸惑いを覚える。

 ガイアを守った端末を射出したのは、1機の青い機体。胴体から青白い光の粒子があふれていた。

「あの機体・・“ダブルオーライザー”に似ているが・・・!」

 1つの記憶を呼び起こすシン。眼前にいる機体は、彼らの知る機体に似ていた。

刹那(せつな)・・刹那・F・セイエイか!?

 ゼロが機体に向かって呼びかける。

「こちら、“ダブルオークアンタ”の刹那・F・セイエイ。再び起こった次元の歪みを捉えて、この世界に急行した。」

 機体、ダブルオークアンタのパイロット、刹那が応答する。

 刹那は武装組織「ソレスタルビーイング」のガンダムマイスターの1人として、戦争根絶のための武力介入を続けてきた。現在、刹那は異星人との対話のために、新たな機体、ダブルオークアンタに乗り込んだ。

 異星の存在「ELS(エルス)」との対話を果たした刹那は、彼らとの一体化を果たした。彼はさらなる対話に臨んで、様々な世界を渡り歩いていた。

「クアンタは本来は戦闘ではなく対話のための機体であるが、武力介入も不可能ではない。多くの世界をつなぐため、オレも平穏を脅かす敵を駆逐する。」

 自分の意思を示して、刹那がエタルガーと対峙する。

「世界をつなぐ?そんなもの、このオレがその胴体と一緒に打ち砕いてやるぞ!」

 エタルガーが刹那をあざ笑って、ダブルオークアンタに向けて光線を放つ。ダブルオークアンタが端末「GNソードビット」で光線をかき消す。

「今のうちにお前たちは後退しろ。ヤツはオレが食い止める。」

「分かった・・ありがとう・・・」

 刹那の呼びかけにステラが答えて、ガイアが下がってインパルスたちと合流する。

「大丈夫か、ジョーニアス!?

「私は大丈夫だ・・ありがとう、ゼロ。」

 駆け寄ってきたゼロに支えられて、ジョーニアスが頷く。

「心を弄んで、世界をムチャクチャにしようとするお前のようなヤツを、オレは野放しにはしない・・!」

 シンがエタルガーに向かって言い放って、デスティニーがビームソードを手にして構える。

「オレはお前たちのような敵と戦い続ける・・それが、オレ自身が選んで、受け入れた運命だ!」

 戦い続ける運命と決意を背に受けたシン。デスティニーが高速でエタルガーに突っ込む。

「人間ごときが、オレに勝てると思うな!」

 エタルガーがデスティニーを迎え撃とうと、右手にエネルギーを集める。

「ぐっ!」

 だがダブルオークアンタが飛ばしたソードビットを当てられて、エタルガーが苦痛を覚えて攻撃を阻まれた。ダブルオークアンタが剣「GNソードV」にソードビットの1基を合体させて、大剣「GNバスターソード」にした。

 デスティニーとダブルオークアンタが飛び込み、エタルガーに向けて同時にビームソードとバスターソードを振りかざした。

「ぐあっ!」

 2つの刃に切り裂かれて、エタルガーが絶叫を上げる。

「バカな・・このオレが、人間の力などで、これほどのダメージを・・・!」

 激痛に襲われてうめくエタルガー。次の瞬間、エタルガーの体をデスティニーのビームソードが貫いた。

「がはぁっ!」

「お前が侮れるほど、人間の力は弱くなんかない!」

 絶叫を上げるエタルガーに、シンが人の力を言い放つ。ビームソードが引き抜かれたエタルガーが、落下しながら爆発を引き起こした。

「やった!エタルガーを倒したよ!」

「シンさんだけじゃない・・強い力と信念の持ち主が、今ここに・・・!」

 ソラが喜びを浮かべて、ハルがシンと刹那の強さに戸惑いを覚える。

「感謝する、シン・・お前たちに助けられた・・」

「礼を言うのはオレのほうだ、刹那・・ステラを助けてくれて、ありがとう・・!」

 互いに感謝の言葉を投げかける刹那とシン。

「新しく戦士になった者がいるようだ。」

「あぁ。オレたちの思いが、これから先の未来にも伝わっているんだ・・」

 刹那が言いかけた言葉にシンが頷く。2人がバングレイに立ち向かうオーブに目を向けた。

 

 強力なエネルギーを放つジニスと援護射撃を行うナリアに、ラッキーたちは悪戦苦闘を強いられていた。

「とんでもねぇヤツだ、あのヤロー・・!」

「ジュウオウジャーのみんなは、あんな大物の相手をしてきたのかい・・!?

 ガルとスパーダがジニスたちの力に毒づく。

「それだけの人数をそろえてもその程度なのかな?これでは一方的すぎて逆に面白くないな。」

 ジニスがラッキーたちを見下ろして笑みをこぼす。ラッキーたちが力を振り絞って立ち上がる。

「そんなに焦ったらダメだぜ!まだまだこれからだぞ!お楽しみも、オレたちのすごさも!」

 ラッキーが強気に言い放って、スティンガーたちとともに構えを取る。

「その意気や、ラッキー!わいも突き合わせてもらうで!」

 ペガサスがラッキーの意気込みを気に入って、気さくに言いかける。

「お楽しみはこれからか。その期待、せいぜい裏切らないことだ。」

 ジニスが笑みを浮かべて、ラッキーたちにさらに攻撃を加えようとした。

「そうそう。お楽しみは最後に登場するのがお決まりってね。」

 そこへ声がかかって、ジニスとナリアが視線を移す。彼らとラッキーたちの前に、龍の顔をした1人の男が現れた。

「何者です、あなたは?この者たちの仲間ですか?」

 ナリアが武器「ヌンチャククラッシャー」の銃口を男に向けて問いかける。

「まぁね。名無しのごんべえじゃボクちんも君たちも困っちゃうからね・・」

 男が気さくな態度で言葉を返してから、落ち着きを払う。

「私は彼らキュウレンジャーの司令官、ショウ・ロンポー。これよりキュウレンジャーに加勢する!」

 男、ロンポーが自己紹介をしてラッキーたちに歩み寄る。

「大丈夫か、みんな!?

「司令官も来てくれたか!よっしゃ、ラッキー!」

 呼びかけるロンポーにラッキーが喜びと意気込みを見せる。

「その様子では、みんなまだまだやれるみたいだね。」

 ロンポーがラッキーたちの様子と意気込みに頷く。

「小龍包!?食いモンみてぇな名前だなぁ!」

 モモタロスがロンポーを見て首をかしげる。

「そういえば、レインボーラインの総裁を食べ物と勘違いしていた仲間がいたな・・」

 明がモモタロスの隣に立って、記憶を呼び起こして呟く。

「では私の力も発揮するとするか!」

 ロンポーも言い放ってから、武器「リュウツエーダー」を手にして、龍の顔を模した部分の口を開けて、キュータマ「リュウキュータマ」を中にセットした。

“リュウキュータマ!”

 彼は続けてリュウツエーダーの龍の口を閉じる。

“セイ・ザ・チェンジ!”

「ガリョウテンセイ!」

 リュウツエーダーのトリガーを引いたロンポーを、紫のスーツとマスクが包み込んだ。

「ドラゴンバスター!リュウコマンダー!」

 ロンポーの変身したリュウコマンダーが名乗りを上げてポーズを決めた。

「あー!それ、僕そっくりじゃないかー!」

 リュウタロスがロンポーを指さして文句を叫ぶ。

「確かにリュウタにそっくりだよねぇ。色とか龍とか。」

「これで銃撃が得意やったらまんまやな!」

 ウラタロスとキンタロスもロンポーを見て言いかける。

「ジニス様、この者は私が・・!」

 ナリアがロンポーの前に立ちはだかって、ヌンチャククラッシャーを構える。

「君ではボクちんには勝てないよ。まして銃の腕はね!」

 ロンポーが言い放つと、リュウツエーダーを変形させて「ライフルモード」にして発砲する。ナリアが彼の発砲をかわして、ヌンチャククラッシャーで射撃する。

 ロンポーは軽やかな動きでナリアの射撃をかわして、さらに彼女との距離を縮めていく。

「詰将棋というのも、けっこうおもしろいもんだよ〜。」

 ロンポーが気さくに言って、「ロッドモード」に戻したリュウツエーダーを振りかざす。ナリアがヌンチャククラッシャーで受け止めるが、攻撃を防ぎきれずに押されていく。

「なかなかやるようだ。さすが君たちの司令官というだけのことはある。」

 ジニスが笑みをこぼして、ロンポーからラッキーたちに視線を移す。

「司令が戦ってるんだ。メインシェフが休んでばかりなのはよくないね。」

「自分たちのことしか考えない悪に、我々の正義を示す時だ!」

 スパーダが笑みをこぼして、チャンプが意気込みを見せる。

「人の命をおもちゃにするようなお前たちは、オレたちがここで仕留める・・!」

「宇宙はオレたちが取り戻す!オレたちの宇宙だけじゃなく、ここも他の宇宙も!」

 スティンガーが怒りを口にして、ラッキーが決意を言い放つ。

「お前たちがどこまで抵抗できるか。私を楽しませてくれ。」

 ジニスが笑みを浮かべて、全身からエネルギーの光をあふれさせる。

「自分だけで楽しむなんて、ホントの楽しみじゃねぇ!みんなが楽しくならなくちゃ、ホントの楽しみじゃねぇ!」

「お前たち下等な種族は、私を楽しませるための駒でしかない。それ以上の価値はない。」

 自分たちの思いを言い放つラッキーを、ジニスがあざ笑う。

「オレたちを見くびるな!オレたちはみんながスーパースターってヤツだ!」

「そしてオレは、宇宙一ラッキーな男だ!オレもみんなも、お前の言う駒に収まるヤツは1人もいねぇ!」

 ガルとラッキーが高らかにジニスに言い放つ。

「受けてみろ!これが、オレたちオールスターの力だ!」

“ギャラクシー!”

 ラッキーがスティンガーたちとともにセイザブラスターのキュータマを2回手前に倒して、ジニスに向けて構える。

「ペガサスオールスタークラッシュ!」

 ラッキーたちがトリガーを引いたセイザブラスターから、それぞれの色の光が発射される。ジニスも光を放出して、ラッキーたちの光とぶつけ合う。

「オレたちは1人ずつでも強い!みんなそろえばもっと強い!だから、お前なんかに絶対負けねぇ!」

 ラッキーが言い放つと、大和たちとマーベラスたちもそれぞれホエールチェンジガンとゴーカイガレオンバスターを構えた。

“ジューオーファイナール!”

“ラーイジングストラーイク!”

 大和たちとマーベラスたちも砲撃を発射してきた。3戦隊の光がジニスの力を押し切る。

「私は頂点に立つ存在・・誰も私に刃向かうことは許されぬ・・・!」

「誰もお前の許しなんて求めちゃいねぇんだよ!」

 声と力を振り絞るジニスに、マーベラスが強気に言い放つ。

「ジニス、何度よみがえってこようと、オレたちとみんなの絆を踏みにじるお前たちは!」

「力の限りぶっ潰す!」

 大和もジニスに言い放って、マーベラスたちとともに叫ぶ。彼らの力がジニスの体に直撃した。

「ジニス様!」

 ダメージを負うジニスに叫ぶナリア。ジニスを助けようとするナリアの行く手を、ロンポーが阻む。

「君もここで終局を迎えることになるよ!」

 ロンポーがリュウツエーダーを振りかざして、ナリアを突き飛ばす。

「私もこれで決めるよ!」

“ギャラクシー!”

 ロンポーがライフルモードにしたリュウツエーダーの龍の口を開閉して構える。

「僕もやっちゃうけどいいよね!?答えは聞いてない!」

 リュウタロスが呼びかけて、リュウボルバーを構えてナリアを狙う。

「ボクちんも答えを言わないよ〜!」

 ロンポーが気さくに振る舞って言い返す。

「ファイヤー!」

 彼がリュウツエーダーの引き金を引いて、竜の姿かたちをした光を放つ。リュウタロスも同時にリュウボルバーから紫の光線を発射する。

「ぐあっ!」

 ナリアが2つの光に体を貫かれて、絶叫を上げて倒れた。

「やったね、みんな。ジュウオウジャー、ゴーカイジャー、イマジンの諸君、力を貸してくれてありがとう。」

「邪魔なアイツをブッ倒した。それだけだ。」

 感謝するロンポーに、ジョーが冷静な態度で言葉を返す。

「君も来てくれたか、ショウ・ロンポー。」

 ドギーがロンポーに駆け寄って声をかけてきた。

「お久しぶりです、ドギー・クルーガー署長。いや、ボス。」

 ロンポーが答えて、ドギーと握手を交わす。

「お互い、個性的な部下たちに苦労するが、彼らの信念を信じながら、共に戦っていこう。」

「オッキュー!」

 ドギーが励ましの言葉を投げかけて、ロンポーが手の指で丸を描いて答えた。

「まだだ。まだゲームは終わっていない・・」

 そのとき、爆発に巻き込まれたジニスが、ナリアとともに巨大化した。

「ったく、往生際が悪いな、おめぇらは!」

 ジニスたちを見上げてレオが文句を口にする。

「こうなったらボイジャーで・・!」

「待て。そろそろ救援が到着する。彼らと連携してヤツらを止めるのだ。」

 チャンプがジニスたちに立ち向かおうとしたのを呼び止めて、ロンポーが空に目を向けた。その上空に5機の機体が駆けつけた。

「あれはAGE-2FX・・アセム、キオ!」

 シンが機体のうちの2機「AGE-2」、「AGE-FX」を見て声を上げる。

「シン、お前たちも来ていたのか・・!」

 AGE-2のパイロット、アセム・アスノがシンたちに答える。

「僕たちも空間のゆがみを捉えてここまで来ました!戦いを止めるため、僕たちも力になります!」

 FXのパイロット、キオ・アスノも呼びかける。

 アセムとキオは親子で、ともに地球連邦の一員として、地球の住人と火星圏の種族「ヴェイガン」の和解の架け橋となろうと尽力していた。

「こちら、カミーユ・ビダン!シン、オレも援護するぞ!」

 機体「Zガンダム」のパイロット、カミーユもシンたちに呼びかける。

「カミーユもキオたちも来てくれた・・!」

 ルナマリアがカミーユたちの救援を喜ぶ。

「ガンダムパイロットのみなさんが来てくれたよ〜♪」

「彼らが司令の仰った救援なのですね!」

 バランスが喜んで舞い上がって、ラプターがロンポーに振り向いて声を上げる。

「でも、前の戦いにはいなかったのが2機・・!」

 セラが他の2機の機体を見て疑問を覚える。

「アセム、その2人は・・!?

「正直オレも、また会うことができたのは不思議だとか奇跡だとか思った・・」

 シンが問いかけて、アセムが動揺の色を浮かべる。

「オレの名はゼハート・ガレット。かつてヴェイガンの最高指揮官を務めていた。」

「私はゼハート様の補佐をしています、フラム・ラナです。」

 2機の機体「ガンダムレギルス」、「フォーンファルシア」のパイロット、ゼハートとフラムが自己紹介をする。

「お前たち2人もオレと同じ、1度死んでいる者だな・・」

「あぁ・・オレたちがあの男たちによってよみがえったことも・・」

 レイが問いを投げかけて、ゼハートが頷く。彼もフラムはヴェイガン・連邦の戦争の最中に命を落としていた。

「アセムたちはオレたちのために力を尽くしてくれている・・その思いに、オレも報いたい・・」

「私はゼハート様についていきます。これまでも、これからも・・それは誰かの命令ではなく、私自身の意思です。」

 ゼハートとフラムが決意を口にして、ジニスたちに目を向ける。

「お前たちの存在は、オレたちにとっても脅威となる・・ここで殲滅する・・!」

 ゼハートが目つきを鋭くして、ジニスたちと戦おうとする。彼らも自分たちの世界のため、それを脅かす敵と戦う決意を固めていた。

 

 

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