ザ・グレイトバトル -エンドレスメモリーズ-
第11章
永夢とM、フタゴキュータマで2人となったラッキーたち。4人がドラスと赤ドラスに向かっていく。
「4人になったからって、僕たちに勝てるわけじゃないよ。」
「みんなまとめてやっつけちゃうからね。」
ドラスたちが無邪気に言って、同時にビームを発射する。永夢たちがビームと爆発をかいくぐって、ドラスたちまで詰め寄った。
永夢とMがガシャコンキースラッシャーをパスして、引き付け役と攻撃を適度に切り替えて、ドラスを攻め立てる。
2人のラッキーがキューソードを振りかざして、赤ドラスを切りつける。
「何で・・2対1になっても負けないのに・・!」
「僕が強いんだ・・僕たちは無敵なんだ・・!」
永夢たちに追い詰められていることに、ドラスと赤ドラスが不満を覚える。
「確かにパワーは無敵クラスかもしれないけどな!」
「宇宙1ラッキーな男とナンバー1ゲーマーのタッグだぜ!無敵でも負けたりしねぇ!」
Mとラッキーがドラスたちに向かって強気に言い放つ。2人が繰り出した一閃で、ドラスたちが大きく突き飛ばされた。
「見事な連携だ。それぞれ己自身の組み合わせであるため、息も見事だ。」
ドギーが永夢たちの活躍を見て頷く。
「さぁ、そろそろフィニッシュ行きましょうか!」
「よっしゃ!」
永夢が呼びかけて、ラッキーが意気込みを見せる。スティンガーたちが元に戻ったラッキーに合流した。
“ギャラクシー!”
セイザブラスターにセットしているキュータマを手前に2回倒して、ラッキーたちがそれぞれのキューザウェポンにエネルギーを集めた。
「オールスタークラッシュ!」
ラッキーたちがキューザウェポンを振りかざして、キュータマ型の光の球を放つ。赤ドラスが光の球を連続で受けて、絶叫を上げて倒れて消滅した。
“キメワザ!マイティダブルクリティカルストライク!”
永夢とMが頷き合ってから、ジャンプしてドラスに向けてエネルギーを集めたキックを同時に繰り出した。ドラスが光線を放つが、永夢たちのキックの力にはじかれる。
永夢とMのキックがドラスの体に命中した。
「ぼ、僕は・・僕は強いんだ・・・!」
自分の強さを誇示したまま、ドラスが爆発を起こした。
「やりましたね、僕たち!チームワーク抜群で!」
「あぁ!4人の、みんなの勝利だ!」
永夢とMが声をかけ合って、ラッキーたちに振り向いた。
「新しいヒーローの誕生だ。こうして、ヒーローの歴史は続いていく。」
「地球や宇宙、大切なもののために戦う者たちは、これから先も現れるだろう。その橋渡しをするのも、我々の使命であり思いでもある。」
光輝とドギーが声をかけ合って頷く。2人もRXたちも自分たちの使命とヒーローの未来を確かめ合っていた。
大地がエックスのスパークドールズを呼び出して、エクスデバイザーにリードさせる。
“ウルトラマンエックスト、ユナイトシマス。”
「エックスー!」
大地がエクスデバイザーを空に掲げて、エックスとのユナイトを果たす。
“エックス、ユナイテッド。”
姿を現したエックスがグリーザの前に立つ。
「ゼロー!」
ゼロがアイテム「ウルトラゼロアイ」を付けて変身、巨大化を果たす。
「ウルトラマンさん、ティガさん、光の力、お借りします!」
“ウルトラマンオーブ・スペシウムゼペリオン!”
ガイがオーブ・スペシウムゼペリオンに変身して、エックス、ゼロと並び立つ。
「全てを無に還す存在か・・あの3人にも、良き終末を・・・」
オーブたちとグリーザを見上げて、清人が呟きかける。
「一所懸命に生きている命を、誰かの身勝手で失わせるわけにはいかない・・!」
そこへ声がかかって、清人が振り返る。彼の前に3人の青年と2人の怪人が現れた。
「ギリギリ間に合ったようだ、幸太郎。」
「あれがウルトラマンという光の巨人、そしてガンダムってロボットか、テディ?」
青い怪人、テディに声をかけて、青年、野上幸太郎がオーブたちとデスティニーたちを見て問いかける。
「あの親切なおじさんの言った通りだったよ、優斗!」
「何が親切なおじさんだ、デネブ!」
緑の怪人、デネブが明るく言いかけて、青年、桜井優斗が不満を見せる。
「おー!おデブ、テンドン!おめぇらも来てたのかー!」
モモタロスが幸太郎たちを見て声をかける。
「モモタロスもじいちゃんも相変わらずみたいだね。」
幸太郎がモモタロスたちの様子を見て笑みをこぼす。幸太郎は未来から来た、良太郎の孫である。
「永夢や大和、大地たちとまた会えてよかった。命の絆が、前よりももっと広がっている・・」
青年、天空寺タケルが永夢たちを見て笑みをこぼす。彼は永夢たちと会ったことがあった。
大和たちの攻撃から辛くも脱出したヤザン。体勢を整えようとしていた彼の前に現れたのが、この世界、惑星グランに来て合流していたタケル、優斗、幸太郎たちだった。
「おー!倒れている人がー!助けなくてはー!」
「デネブ、勝手に行くな!」
デネブが慌てて駆けだして、優斗の呼び止めを聞かずにヤザンに駆け寄った。
「何だ、貴様は!?オレを始末しに来たか!?」
「大丈夫ですか!?どこかケガしていませんか!?」
警戒して身構えるヤザンに、デネブが心配の声をかける。
「あ、よかったらキャンディでもどうぞ。」
「は!?オレをガキ扱いする気か!?」
デネブが笑みをこぼして、キャンディを1つ差し出してきて、ヤザンが文句を言う。
「デネブー!」
優斗がデネブにつかみかかって、関節技を決めて押さえ込む。
「そいつは復活させられたヤツだ!オレたちを敵だって判断してるんだよ!」
「だって、傷ついて倒れていたんだから、助けてあげなくちゃ!」
文句を言う優斗にデネブが言い返す。
「あれは、本物の命じゃない・・もしかして、前に大和たちが言っていた、バングレイって人が記憶を呼び起こしてよみがえらせたものじゃ・・!?」
タケルはヤザンが生き返った存在であることに気付いた。
「ということは、思い切って成仏させてやったほうがいいってことかな。」
幸太郎が口にした言葉を聞いて、ヤザンがたまらず備えていた銃を手にして発砲した。
「優斗!」
デネブが優斗を押して庇って、ヤザンの銃撃をかわす。デネブはとっさに右手の指から射撃を放つ。
「ぐっ!」
デネブの射撃を体に受けて、ヤザンが顔を歪める。
「お、おのれ・・オレが、こんなところで・・・!」
倒れて命を失ったヤザン。動かなくなった彼の体が、光の粒子になって消えていった。
「あー!しまったー!オレ、人殺しをやってしまったー!」
デネブが頭を抱えて、ヤザンのいた場所に来て悲鳴を上げる。
「デネブ、そいつはホントに生きてたってわけじゃない!だから気にするな!」
優斗が呼びかけるが、デネブは落ち込んで悲しんでしまっていた。
「この先にモモタロスたちがいるかもしれない。」
「そっちに行こう。手がかりなしに歩き回るのはそろそろやめたいからね。」
テディと幸太郎が声をかけ合って、遠くをじっと見つめる。その先に永夢たちがいることを信じて。
清人の前に駆けつけたタケルたち。タケル、優斗、幸太郎がそれぞれ「オレ眼魂」、「ゼロノスカード」、ライダーパスを手にした。
“アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!・・”
「変身!」
“カイガン・オレ!レッツゴー!カクゴ!ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト!”
タケルがオレ眼魂をベルト「ゴーストドライバー」にセットして、仮面ライダーゴースト・オレ魂に変身した。
“Altair form.”
優斗がゼロノスカードを「ゼロノスベルト」にセットして、「ゼロノス・アルタイルフォーム」となった。
“Strike form.”
デンオウベルトにライダーパスをかざした幸太郎が「NEW電王」となった。テディの姿が変わって、剣「マチェーテディ」となった。
「命、燃やすぜ!」
「最初に言っておく!オレはかーなーり、強い!」
タケルと優斗が清人に向けて言い放つ。
「あなたたちにも、良き終わりを・・・」
清人がタケルたちに向けて両手から光線を放つ。タケルたちが光線を爆発を駆け抜けていく。
タケルと優斗がパンチを繰り出して、清人を押していく。
「優斗!」
デネブが両手を前に出して、指先から発砲する。清人が連射を体に受けて、ダメージを増していく。
「幸太郎、カウントは?」
「アイツも強敵だ。15にしておくよ。」
テディの問いかけに答えて、幸太郎がマチェーテディを構える。テディがカウントを数え始めると同時に、幸太郎が清人に向かって駆け出す。
清人が全身から紫の光を放出する。優斗が武器「ゼロガッシャー」を「ボウガンモード」にして構える。
「一気に決めるぞ!」
“Full charge.”
優斗が構えたゼロガッシャーにエネルギーが集まる。彼がゼロガッシャーから光の矢が放たれた。
「ぐっ!」
清人が光の矢を体に突き立てられてうめく。
“ダイカイガン!オレ!オメガドライブ!
タケルがゴーストドライバーのレバーを引いて、足にエネルギーを集中させて浮遊する。彼が体から光を発しながら降下して、清人にキックを叩き込んだ。
テディがカウントする中、構える幸太郎の前に清人が飛び込んできた。幸太郎が清人にマチェーテディを振り下ろした。
「・・3、2、1、0。」
清人が仰向けに倒れたところで、テディのカウントが終わった。
「これで終わりだ。お前の言う良い終わりってヤツだ。」
優斗が清人に振り向いて勝利を思う。だが清人はまだ生きていた。
「やはり強敵だったか。カウント15でも足りなかった・・」
「でも次で確実にとどめに行ける・・今度こそ・・」
テディが言いかけて、幸太郎が清人に振り返った。
「喜びなさい。あなたも“ブラッドゲーム”の参加を認められました。」
そこへ声がかかって、タケルたちが振り向いた。彼らの前に緑の体の女性の怪人が現れた。
「あなたはナリア!?あなたも生き返ってたの!?」
アムが怪人、ナリアを見て驚きの声を上げる。
「私やアザルドだけではありません。」
ナリアが答えると、彼女の後ろに1人の男が現れた。彼の出現に大和たちが緊張をふくらませる。
「久しぶりだね、ジュウオウジャー。」
「ジニス・・お前まで生き返っていたのか・・!」
男、ジニスが微笑んできて、大和が声を上げる。
「知ってるのか!?」
ラッキーが大和たちに問いかける。
「他の星や生き物を駒にして破壊や混乱を起こすブラッドゲームを行う組織、デスガリアン・・!」
「その親玉が、そこにいるジニスだ・・!」
タスクとレオが説明して、ジニスに鋭い視線を向ける。
「私は滅びぬ。私は唯一絶対の存在なのだから。」
「それは違うわ!アンタたちも死んで、復活しているのよ!きっとバングレイの手によって・・!」
笑みをこぼすジニスにセラが言い放つ。
「黙りなさい!」
ナリアが怒鳴って、武器「ヌンチャククラッシャー」を銃のように発砲する。
「ジニス様への侮辱は許しません!」
「ナリア、構わんよ。事実、私は1度死んでよみがえっているのだから・・」
彼女をなだめて、ジニスが微笑みかける。
「ナリア、どうして!?・・お前はあのとき、ジニスに裏切られて殺されたんだろう!」
ジニスに一礼するナリアに、大和が感情をあらわにする。
ナリアはジニスの忠実な部下だった。彼女はその一心のつもりだった。しかしジニスを気遣っての言葉、同情は逆に彼の逆鱗に触れることとなった。
「あれは私がいけなかったのです。ジニス様がお怒りになることをしてしまった私の・・たとえ私がどうなろうと、私はジニス様のために存在する。それだけです。」
ナリアが自分のしたことを責めて、ジニスへの忠誠を貫こうとしていた。
「そんなのつまんねぇだろ!誰かの言いなりになってばっかの生き方なんてよ!」
彼女に向かってラッキーが言い放ってきた。
「自分がどうするかは自分自身で決めるもんだ!誰かに言われるだけで、考えるのをやめちまうのはよくないぜ!」
「下等生物の分際で・・全ての生物はジニス様のためだけに存在しているというのに・・・!」
呼びかけるラッキーだが、ナリアはいら立ちを込めて拒絶する。
「全ての星、全ての生物は私を楽しませるために存在している。君たちの自由意思は、私のためだけにあるのだよ。」
ジニスが落ち着きを払ってラッキーたちに言いかける。
「それは違う!生き物はゲームの駒じゃないんだ!」
そこへ永夢もジニスたちに呼びかけてきた。
「誰にだって何だって、命は1つなんだ!それをゲームの駒にしていいわけがない!」
「ゲームと本物の区別のつかないヤツらは、オレたちが止めてみせるぜ!」
永夢に続いてMもジニスたちに言い放つ。自分の楽しみのために他を利用したり弄んだりするやり方を、彼らも許さないと思っていた。
「君たちのことは聞いているよ。私を楽しませてくれると、期待しているよ。」
永夢たちの言葉を聞き入れて悪ぶれることなく、ジニスが彼らもブラッドゲームに招き入れようとする。
「ナリア、その男にコンティニューだ。その力、ここで散らせてしまうのは惜しい。」
ジニスが呼びかけて、自分の細胞から作り出した「コンティニューメダル」をナリアに渡した。
「かしこまりました。」
メダルを受け取ったナリアが、倒れている清人に歩み寄る。
「ジニス様の細胞から抽出したエネルギーです。無駄遣いしないよう励みなさい。」
「私はまだ、良き終わりを迎えてはならないというのですか・・・」
言いかけるナリアに、清人が皮肉を呟く。ナリアがコンティニューメダルを清人の体に入れた。
すると清人の体が霧のようになって、オーブたちと戦っているグリーザの中に入った。そしてグリーザの体に変化が起きて、魔人のような姿になった。
「グ、グリーザが進化した・・!?」
「あの恐竜の怪人が吸い込まれたことで、グリーザがパワーアップしたんだ・・!」
エックスとオーブがグリーザを見て声を上げる。清人を取り込んだことでグリーザが強化変身を果たしたのだった。
「これが今の私・・美しいのか醜いのか、それさえも分かりません・・・」
グリーザから清人の声が響く。彼の声を聞いて、オーブたちが驚きを覚える。
「どうやら、取り込まれたんじゃなく、一体化したってことか・・!」
ゼロがグリーザの状態を推測する。グリーザの中に入った清人だが、意識はグリーザと一体化していた。
「とんでもない強さになったということか・・しかしそれでも・・!」
「アイツを放っておいたら、何もかもムチャクチャになってしまう・・!」
ブラッドとシンがグリーザの暴挙を止める決意を強める。
「オレたちも力を貸す・・出し惜しみをしていられる相手ではないようだ・・・!」
レイもオーブたちへの協力を告げる。デスティニーたちモビルスーツも、グリーザの前に立ちはだかる。
グリーザが奇怪な声を上げながら、全身から様々な光線を放つ。オーブたちやデスティニーたちが回避を取るが、飛び交う光線をかわし切れず、ダメージを負っていく。
「前よりもパワーが上がっている・・!」
「ここはスピードで注意を引き付けて・・そうすれば攻撃を当てるチャンスが・・!」
ハルとソラが声をかけ合って、ファルコンが加速してグリーザの注意を引き付けようとする。グリーザが光線を放ってファルコンを狙う。
「ソラ、ハル、ムチャしないで!」
ルナマリアがソラたちに呼びかけて、インパルスがグリーザに向けてビームライフルを発砲する。しかしグリーザはビームのエネルギーを取り込んでしまう。
グリーザがインパルスに振り向いて、さらにビームを放ってきた。
「ルナ!」
シンが叫び、デスティニーが2つのビーム砲を展開して発砲する。しかしグリーザの光線を相殺しきれず、ビームがデスティニーとインパルスに向かっていく。
「シン!ルナ!」
ゼロが呼びかけるが、デスティニーたちの防衛が間に合わない。
「ダイナー!」
そのとき、デスティニーたちの前に光の壁が現れて、グリーザの光線を阻んだ。
「これは・・!?」
突然のことにシンがルナマリアたちとともに驚く。デスティニーたちとグリーザの間に、1人のウルトラマンが現れた。
「久しぶりだな、シン。お前たちもこっちに来てたんだな。」
ウルトラマンがシンに向けて声をかけてきた。
「また助けられてしまったな、アスカ・・!」
シンが微笑んで声を返した。彼らを助けたのはウルトラマンダイナ。様々な宇宙を旅する青年、アスカ・シンだった。
「来たのはオレだけじゃないぜ!この2人も一緒だ!」
アスカが呼びかけて、シンたちが視線を移す。上空にはさらに2人のウルトラマンがいた。
「ギンガさん!ビクトリーさん!」
「ヒカル、ショウ、お前たちも来てたのか!」
ガイとゼロが2人のウルトラマン、ギンガとビクトリーに声をかける。ギンガとビクトリーは青年、礼堂ヒカルとショウがウルトライブしたウルトラマンである。
「オレたちの近くでも次元のゆがみが起こってな。」
「次元のトンネル通って、オレたちもこっちへ来たぜ!」
ショウとヒカルがオーブたちに事情を話す。
「アイツがグリーザか。とんでもない怪獣になっているみたいだな!」
「ここは力を結集して、ヤツを倒すぞ!」
ヒカルとショウが呼びかけて、ギンガとビクトリーがグリーザを見て構えを取る。
「よし!今から、ビッグバンが吹き荒れるぜ!」
「本当の戦いは、ここからだぜ!」
ゼロとアスカが手を強く握りしめて、高らかに言い放つ。グリーザが彼らに向かって光線を連射してきた。
「ヤツはエネルギーを吸収する、ブラックホールのようなヤツだ!光線を撃っても、餌を与えるようなものだ!」
「オレがヤツの注意を引き付ける!ショウたちはその隙に攻撃を当ててくれ!」
ショウが言いかけて、ヒカルが呼びかける。ギンガが両腕を構えて力を集中する。
「ギンガファイヤーボール!」
ギンガが火の球を連射する。しかしグリーザに直撃させず、周囲で破裂、爆発させて注意を乱した。
同時にダイナが赤色の姿に変わった。パワー重視の「ストロングタイプ」である。
ダイナは通常の「フラッシュタイプ」からストロングタイプや、スピードや超能力に特化した「ミラクルタイプ」にタイプチェンジすることができるのである。
ダイナがグリーザに飛び込んで、力と熱を込めた右のパンチを繰り出した。グリーザが突き飛ばされて、空中に大きく跳ね上げられた。
「行くぞ、シェパードン!」
“ウルトランス!シェパードン!セイバー!”
ショウがアイテム「ビクトリーランサー」に地底の聖獣、シェパードンのスパークドールズをリードさせる。
「これで決める!」
ビクトリーが聖剣「シェパードンセイバー」を手にして、エネルギーを集中させる。彼はシェパードンセイバーをV字に振りかざして、光の刃を放つ。
ビクトリーの光の刃が、グリーザの体に直撃した。
「もうこれ以上、お前に消させてたまるか!」
言い放つシンの中で何かがはじけた。感覚が研ぎ澄まされた彼の駆るデスティニーが、ビームソードを手にして飛びかかる。
宙に留まったグリーザが光線を放つが、デスティニーの残像を伴った高速にかわされる。
「オレは戦う・・平和を壊そうとする敵と、戦い続ける・・!」
シンが自分の揺るぎない意思を口にして、デスティニーがビームの刃をグリーザに突き立てた。グリーザがダメージを受けて絶叫を上げる。
「今だ!」
シンが呼びかけて、ゼロが頷いて意識を集中する。彼の体の赤が青に変わる。
「ルナミラクルゼロ。」
ゼロはダイナとウルトラマンコスモスの力を得ている。彼が今変身した「ルナミラクルゼロ」はダイナのミラクルタイプとコスモスの「ルナモード」の力を兼ね備えている。
「ミラクルゼロスラッガー。」
ゼロが放ったゼロスラッガーが分裂して、グリーザに命中して切りつけていく。落下するグリーザの先の地上に、ゼロが回り込んだ。
「ストロングコロナゼロ!」
ゼロの体の青が赤に変わった。彼はダイナのストロングタイプとコスモスの「コロナモード」の力を持った「ストロングコロナゼロ」となった。
ゼロが落下してきたグリーザをつかんで受け止めた。
「ウルトラハリケーン!」
ゼロがすかさず回転して竜巻を起こして、グリーザを上空に投げ飛ばした。
「エックス、オレたちもウルトラマンとティガの力を使おう!」
「よし!行こう、大地!」
大地とエックスが声をかけ合って、2枚のカード「サイバーカード」をエクスデバイザーにセットした。
“ウルトラマン、ロードシマス。ウルトラマンティガ、ロードシマス。”
エックスの体に光り輝く鎧が装着された。
“ベータスパークアーマー、アクティブ。”
ウルトラマンとティガの力を宿したサイバーアーマー「ベータスパークアーマー」を身にまとったエックス。
「エックスさんも、ウルトラマンさんとティガさんの力を使うみたいだ・・!」
オーブがエックスを見て喜びを覚える。
「行こう、オーブ!」
「分かった、エックスさん!」
エックスとオーブが声をかけ合い、グリーザに目を向ける。エックスが武器「ベータスパークソード」を手にして、オーブとともにグリーザに向かっていく。
「スペリオン光輪!」
オーブが右手に光の輪をつかんで、エックスとともに一閃を繰り出す。切りつけられて絶叫を上げるグリーザが、瞬間移動して2人の後方に回る。
「エックス、後ろだ!」
大地が呼びかけて、エックスがベータスパークソードを弓矢型の「ベータスパークアロー」に変えて構えた。
「ベータスパークアロー!」
エックスがエネルギーを集めたベータスパークアローから、光の矢を放った。
「エックスさん、オレたちの力を!スペリオン光線!」
オーブが光線を放って、エックスの光の矢に力を加えた。強力になった光の矢が、グリーザの体を貫いた。
光の矢のエネルギーを吸収することができず、グリーザはまばゆい光の中で消滅した。
「やった!グリーザってヤツを倒した!」
ハルが笑みをこぼして、ソラと頷き合う。
「醜くなんてさせない・・終わりにもさせない・・オレたちの絆と夢に、終わりはないんだ・・!」
「そしてみんなの夢と絆を、我々も守っていく一員だということも、忘れないでいよう・・!」
大地とエックスが決意を強くして頷く。自分たちもみんなの夢を守る存在であることを自覚していた。
「これで勝ったと思うなよ、お前ら・・!」
そこへ声がかかって、オーブたちが振り返る。1機の黒いモビルスーツが彼らの前に現れた。
「黒い、ガンダムか・・!」
「何者だ、お前は?・・オレたちを攻撃しようというのか・・!?」
オーブとブラッドが黒いモビルスーツ「ガンダムMK-U」を見て声を上げる。
「このジェリド・メサがガンダムを超える・・たとえオレの知らないガンダムであっても・・!」
ガンダムMK-Uのパイロット、ジェリドがガンダムへの敵意を示す。ガンダムMK-Uがビームサーベルを手にして構える。
「やめてください!オレたち人間同士が戦う必要なんて!」
「だから何だというのだ!?お前らはオレにとって壁なんだ!倒すべき、乗り越えるべき壁だ!」
大地が呼びかけるが、ジェリドが敵意を消さない。
「先走って獲物を独り占めしようとしても、そうはいかねぇぞ!」
続けてオーブたちの前に現れたのは、巨大化したバングレイだった。
「バングレイ!」
「やはりヤツが今回の事件の元凶だったか・・!」
大和とタスクがバングレイを見て声を上げる。
「久しぶりだな、ジュウオウジャー!てめぇらに仕返しをバリしてぇとこだが、てめぇらの始末はジニスたちがやることになりそうだ!」
バングレイが大和たちに言いかけて、ジニスたちに目を向ける。
「バングレイ・・ジニス様を裏切った不届き者・・!」
「構わんよ、ナリア。バングレイにはウルトラマンたちの相手をしてもらう。」
バングレイにいら立ちを見せるナリアに、ジニスが呼びかける。
「ですがジニス様、ヤツが必ずあなたを狙いに来るのは目に見えています・・!」
「それでも、私を楽しませてくれるなら、誰だろうと大歓迎さ。」
苦言を呈するナリアだが、ジニスは自分の楽しみのために反逆されることにも期待を感じていた。
「まずはここにいるヤツらを片付けるのが先だ、バングレイ。」
バングレイの隣にエタルガーも姿を現した。
「エタルガー、お前またよみがえったのか・・!?」
「ウルトラマンギンガ、ウルトラマンビクトリー、オレは貴様らに復讐するためによみがえった。そのためにアイツの口車に乗ったのだからな・・」
ヒカルが声を上げて、エタルガーがギンガたちを見て笑みをこぼす。
「ウルトラマンとガンダムとかいう連中がどういうのかを確かめるのも悪くねぇな・・さぁ、狩りの時間だぜ!」
バングレイが高らかに言い放って、オーブたちに向かって飛びかかった。