ザ・グレイトバトル -エンドレスメモリーズ-

第10章

 

 

 凌馬の前に立ちはだかるラッキー、大和、マーベラス。3人を前にしても、凌馬は余裕を見せていた。

「これだけの力が集まれば、どんな相手にも負けやしない!」

「言ってくれるね。レッド3人集まっても、文殊の知恵とはならないよ。」

 高らかに言い放つラッキーに、凌馬が挑発を込めて言葉を返す。

「お前もここでオレたちがぶっ潰す。お前のやることも考えることも知ったことか。」

「お前のようなヤツに、みんなの命を壊されてたまるか!」

 マーベラスが強気に言って、大和が思いを込めて言い放つ。

「熱いねぇ。レッドは伊達じゃないってことか。でもね・・」

 凌馬が笑みをこぼすと、ソニックアローを構える。

「そういう真っ直ぐな人ほど、単純な手に引っかかるってものだよ。」

 凌馬がそう告げた直後だった。ラッキーたちの後ろにもう1人の凌馬が現れた。

 だが次の瞬間、マーベラスが振り向きざまにゴーカイガンを発砲した。凌馬がとっさにソニックアローを掲げて、射撃を防いだ。

「悪いが、オレはレッドでも海賊だ。突き進む道は真っ直ぐでも、やり方まではそうはいかないぜ。」

 マーベラスが笑みをこぼして、さらにゴーカイガンを撃つ。凌馬は後ろに動いて射撃をかわす。

 凌馬は光学迷彩とホログラムを使って分身を作り出して、ラッキーたちの注意を引き付けようとした。背後から狙った彼だが、マーベラス、そしてジューマンパワーによって高まった視力を備えた大和に見抜かれていた。

「よっしゃ、ラッキー!さすがは戦隊の先輩たちだぜ!」

「お前も喜んでばかりいないで少しは動け!」

 大はしゃぎするラッキーの背中を、マーベラスが叩く。

「そうだった、そうだった!任せっきりってのはよくねぇよな!今度はオレが行くぜー!」

 ラッキーが意気込みを見せて、キューソードを構えて凌馬に向かっていく。

「本当に暑苦しいことだ・・呆れてものも言えなくなるくらいに・・」

 凌馬は肩を落とす素振りを見せて、ラッキーが振りかざすキューソードをかわしていく。

“レモンエナジースカッシュ。”

 凌馬がラッキーに向けて光の矢を放つ。ラッキーがキューソードを掲げて受け止めるが、押し込まれてしりもちをつく。

「大丈夫、ラッキー!?

 大和が駆け寄ってラッキーを支える。

「他のレッドと同じで、ずいぶんと無鉄砲だな。けど、嫌いじゃないぜ、そういうのは。」

 マーベラスが笑みをこぼして、大和、立ち上がったラッキーとともに凌馬に視線を戻す。

「オレたちの力はこんなものじゃない・・オレたちの絆は、どこまでもつながっている!」

 大和が思いを口にして、アイテム「ホエールチェンジガン」を手にした。

“ホエール!”

 彼はホエールチェンジガンを「キューブモード」から「ガンモード」にする。

「本能覚醒!」

“ホーホーホエエール!”

 ホエールチェンジガンからクジラの潮吹きのような光があふれて、大和を包んだ。彼のまとうスーツとマスクが別のものに変わった。

「王者の中の王者、ジュウオウホエール!」

 大和が新たに変身したジュウオウホエールが名乗りを上げてポーズを決めた。

「すっげー!それじゃオレもだ!行くぜ、ペガさん!」

 ラッキーが意気込みを見せて、キュータマ「ペガサスキュータマ」を手にした。

“ペガサスキュータマ!セイ・ザ・チェンジ!”

「スターチェンジ!」

 ペガサスキュータマをセイザブラスターにセットしたラッキー。彼の体にペガサスの頭の形をした鎧「ペガサスアーマー」が装着された。

「ダンシングスター!ペガサスシシレッド!」

 ラッキーが新たに変身したペガサスシシレッドが名乗りを上げてポーズを決めた。

「何や、何や!えらくにぎやかになっとるやないか!」

 ペガサスアーマーとなっているペガサスが、ラッキーに声をかけてきた。

「おいおい、何だよ、あの馬は?」

「“ペガさん”っていうらしいですよ・・」

 貴利矢が疑問を覚えて、永夢が苦笑いを浮かべて答える。

「何だかえらそうにしやがって、あのおかしなじゃじゃ馬め!」

 モモタロスがペガサスを見て不満の声を上げる。

「お前さんよりはマシやろ、モモの字!」

「何だとー!?

 キンタロスが口を挟んで、モモタロスがさらに怒鳴る。

「いろんな世界のスーパースターが集まってるんだ!オレたちも負けてられないぜ!」

「せやったらわいらの力、見せなあかんな!行くで、ラッキー!」

 ラッキーとペガサスが声をかけ合って、凌馬に向かっていく。ペガサスシシレッドとなったラッキーは、スピードとジャンプ力が一気に上がっていた。

 ラッキーの速い動きと突撃に、凌馬が動きを読み切れずに翻弄される。ラッキー自身の意思だけでなく、ペガサスの意思が働いての動きでもあった。

「下がれ、ラッキー!」

 大和が呼びかけて、ホエールチェンジガンを構えて、底面のレバーを3回引く。

“ジューオーファイナール!”

 ホエールチェンジガンにエネルギーが集まっていく。ラッキーは凌馬の肩に足を付けてから、ジャンプして離れた。

「オレたちも決めるぜ、ペガさん!」

「おうよ!」

 ラッキーがペガサスと声をかけ合って、セイザブラスターを操作する。

“セイ・ザ・アタック!”

 彼が掲げたキューソードにエネルギーが集まる。

「ペガサス・レグルスインパクト!」

 大和がホエールチェンジガンから巨大なエネルギーを発射すると同時に、ラッキーがキューソードを振りかざして光の刃を放つ。

「うあっ!」

 2人の攻撃を受けて、凌馬が爆発に吹き飛ばされて地面を転がる。

「やってくれるね・・ここまですさまじい力を発揮してくるとは・・・!」

 凌馬がうめきながら立ち上がる。そのとき、彼の前にカウラーたちが吹き飛ばされてきた。

「スーパー戦隊・・ここまで力を付けていたとは・・・!」

 ビアスがラッキーたちの実力を痛感して、息をのむ。

「なかなかやるじゃない、キュウレンジャーも。」

「オレたちものんびりしていられないな。」

 ラッキーたちの活躍に、ルカとジョーが笑みをこぼす。

「だったらそろそろ、スーパー戦隊の本領発揮を行こう!」

「まずはこちらから参りましょう。」

 ドンが呼びかけて、アイムがレンジャーキーを手にして見せた。

「よし!行くぞ、お前ら!」

 マーベラスが呼びかけて、ジョー、ルカ、ドンとともに同じ戦隊のレンジャーキーを取り出した。

「ゴーカイチェンジ!」

“フラーッシュマン!”

 マーベラスのまとうスーツとマスクが別の戦隊のものとなった。彼らはレンジャーキーを使うことで、様々な戦隊の戦士にも変身することができる。色や性別などの制限なく。

「超新星!」

「フラッシュマン!」

 マーベラスが声を上げて、ジョーたちが声をそろえる。彼らはフラッシュマンへの変身を果たした。

「フラッシュマンだと!?その姿をオレに見せてくるとは!」

 自分の宿敵の姿を目の当たりにして、カウラーが驚きと笑みを浮かべる。

「ヤツらとの因縁、お前たちを倒すことで決着をつける!」

 カウラーが飛び出してマーベラスに攻撃を仕掛ける。2人が手と足を振りかざして、攻撃をぶつけ合う。

「プリズム聖剣!」

 マーベラスが剣「プリズム聖剣」を手にして振りかざす。カウラーが鞭とかぎ爪で彼の攻撃を受け止めていく。

「ファイヤーサンダー!」

 マーベラスが炎を宿したプリズム聖剣を振りかざす。

「ぐおっ!」

 カウラーがかぎ爪を切りつけられて負傷する。

「プリズムカイザー!」

 ドンがこて「プリズムカイザー」を装着して、カウラーに向かっていく。

「ローリングナックル!」

 ドンの力を込めたパンチが、怯んでいるカウラーに命中した。突き飛ばされたカウラーが大きく地面を転がる。

「今です、みなさん!」

 アイムが呼びかけて、マーベラスたちとともにそれぞれバズーカ「バル砲」を手にした。

「ローリングバルカン!」

 5人が5つのバル砲を組み合わせて、ガトリング砲「ローリングバルカン」を完成させた。ローリングバルカンから5色のビームが放たれた。

「がはあっ!」

 カウラーがビームの直撃で決定的なダメージを受けて、絶叫を上げる。

「フラッシュマンの力で、再び地獄に落ちようとは・・だがオレはまだ終わっていない・・またはい上がってみせる・・必ずな・・・!」

 断末魔の叫びを上げて、カウラーが倒れて力尽きた。

「カウラー・・おのれ、ゴーカイジャー・・!」

 ザイエンがマーベラスたちにいら立ちを見せる。

「次はコレで行くよ!」

 ルカが別の戦隊のレンジャーキーを取り出した。

「今度はオレも参加させてもらいますよー!」

 鎧も意気込みを見せて、マーベラスたちが頷いた。

「ゴーカイチェンジ!」

”メーガレンジャー!”

 マーベラスが新たな戦隊「電磁戦隊メガレンジャー」に変身した。

「電磁戦隊!」

「メガレンジャー!」

 マーベラスが声を上げて、ジョーたちがそろえた。

「コンピューターに関連した戦隊もいるんですね!まるでゲームやネットの戦士みたいな!」

 永夢がマーベラスたちの姿を見て、感動を見せる。

「ザイエン、お前の研究など、オレが叩きつぶす!」

 ジョーが言い放って、マーベラスたちとともに銃「メガスナイパー」とがモードにした武器「シルバーブレイザー」を構えて発砲する。

「そうはいかんぞ!」

 ザイエンがビームを放って、マーベラスたちの射撃と相殺する。

「メガトマホーク!」

 ジョーが斧「メガトマホーク」を手にして、ザイエンに向かっていく。ザイエンが回避するが、ジョーの速い攻撃に切りつけられる。

「トマホークハリケーン!」

 ジョーが回転して、ザイエンをメガトマホークで切りつける。

「ぐあっ!」

 ザイエンが突き飛ばされて、大きなダメージで絶叫を上げる。

「このまま一気に決めてしまいましょー!」

 鎧が呼びかけて、ザイエンに向かってシルバーブレイザーを連射しながら突っ込む。

「ブレイザーインパクト!」

 鎧がソードモードにしたシルバーブレイザーでザイエンを切りつけた。

「今です!」

 鎧がマーベラスたちに呼びかけて、ザイエンから離れる。

「ドリルスナイパーカスタム!」

 マーベラスが銃「ドリススナイパー」を構える。

「マルチアタックライフル!」

 ジョーたちも銃「マルチアタックライフル」を構える。

「ハイパーメガニックバスター!」

「マルチアタックビーム!」

 マーベラスたちが同時にビームを発射する。2つのビームがザイエンの体を貫いた。

「私の研究は不滅だ・・宇宙は、必ず私を求める・・・!」

 声を振り絞るザイエンが倒れて、爆発を起こした。

「すごい・・他の戦隊になれて、その力も使いこなしている・・!」

 永夢がマーベラスたちの力を見て、驚きと戸惑いを覚える。

「私も、いつか他の戦隊にも・・・!」

 ラプターが自分が他の戦隊の戦士になる姿を思い浮かべていた。

「他の者の力を使いながらも、自在に使いこなすか・・」

 ロシュオがマーベラスたちの戦いを見て、前に出る。

「アイツはオレに任せてください!マーベラスさんたちは後の2人を!」

 鎧がマーベラスたちに呼びかけて、ゴーカイシルバーに戻ってロシュオを迎え撃つ。

「それじゃ、今度はコレで行くよ!」

 ドンが呼びかけて新しい戦隊のレンジャーキーを取り出した。

「そうだな。アイツの相手をするなら、コイツだろうな。」

 ジョーが納得して、マーベラスたちとともに同じ戦隊のレンジャーキーを取り出した。

「ゴーカイチェンジ!」

“ラーイブマン!”

 マーベラスたちがレンジャーキーと同じ戦隊の姿に変身した。

「超獣戦隊!」

「ライブマン!」

 マーベラスが声を上げて、ジョーたちが声をそろえた。彼らは「超獣戦隊ライブマン」に変身した。

「おー!動物の戦隊の先輩だぜー!」

 レオがマーベラスたちの姿を見て感動の声を上げる。

「しかし、あのサイの人の名前はグリーンサイ・・グリーンライノスではなく・・・」

 操が突然肩を落として、そのままその場に座って体育座りをしてしまった。

「オレがもっと早く、ライノスという言葉を浸透させていれば・・・オレに、スーパー戦隊の一員でいる資格はない・・・」

「み、みっちゃん!?・・し、心配することないって・・みっちゃんは何も悪くないって・・!」

 落ち込んでしまった操を、大和が慌てて励ます。

「第一、ライブマンが現れたとき、みっちゃんもオレたちも生まれてないって・・」

 大和に言われて、操が落ち着きを取り戻していく。

「今度はライブマンか。ならば私が相手をしなければならないな。」

 ビアスが皮肉を感じて笑みを浮かべて、マーベラスたちの前に立ちはだかる。

「行くぜ!」

 マーベラスが掛け声を上げて、ジョーたちとともに駆け出す。

 ビアスが振りかざした手から光を放つ。マーベラス、ジョー、ルカが光をかわして、ドンとアイムが爆発をかいくぐって突っ切ってきた。

「ぐっ!」

 ドンたちのパンチを同時に受けて、ビアスが突き飛ばされる。

「ドルフィンアロー!」

「ライオンバズーカ!」

 ジョーとルカがそれぞれ弓矢「ドルフィンアロー」とバズーカ「ライオンバズーカ」を手にして、ビアスに向けて発射する。ビアスが後ろに下がって2人の攻撃をかわす。

「ファルコンセイバー!」

 マーベラスが剣「ファルコンセイバー」を手にして、ビアスに振りかざす。マーベラスの一閃がビアスの左腕を切りつけた。

「マーベラス、ジョー、合体攻撃よ!」

 ルカが呼びかけてマーベラス、ジョーが頷く。3人がファルコンソード、ドルフィンアロー、ライオンバズーカを合体させた。

「トリプルバズーカ!」

 合体バズーカ「トリプルバズーカ」からの砲撃がビアスに直撃した。

「やりましたね、みなさん!」

「このまま決めよう!」

 アイムとドンが呼びかけて、マーベラスたちとともに意識を集中する。彼らがもう1つのバズーカ砲「バイモーションバスター」を呼び出した。

「バイモーションバスター!」

 マーベラスたちが発射したバイモーションバスターから光線を放つ。ビアスが両手から光を放って迎え撃つが、光線に押し切られて体を貫かれた。

「ライブマン、ゴーカイジャー、スーパー戦隊・・お前たちの力も知恵も、積み重なっているのだな・・・」

 スーパー戦隊の強さに脅威を感じながら、ビアスが力尽きて倒れた。

「おのれ!ゴーカイジャーめ、いい気になりやがって!」

 アザルドがマーベラスたちを見ていら立ちを見せる。

「気を付けてください!アザルドは強い生命力と再生力を持っています!」

 大和がマーベラスたちに注意を呼びかける。

「だったら2度とよみがえらないほどに粉砕するだけだ・・!」

 ジョーが言いかけて、マーベラスたちとともに新たなレンジャーキーを取り出した。

「ゴーカイチェンジ!」

“マースクマン!”

 マーベラスたちが「光戦隊マスクマン」に変身した。

「光戦隊!」

「マスクマン!」

 マーベラスたちが名乗りを上げて、アザルドに向かっていく。

「コロコロと姿を変えやがって!」

 アザルドが大きくパンチを振りかぶるが、マーベラスたちが構えた両腕に防がれる。

「コ、コイツら・・!」

 アザルドがいら立って、握った右手を振り下ろす。マーベラスとドンがアザルドの横をすり抜けてかわす。

「マスキーローター!」

「マスキーリボン!」

 ルカとアイムがそれぞれ武器「マスキーローター」と「マスキーリボン」を使って、アザルドの体を縛り付けた。強引に抜け出そうとしたアザルドだが、電撃を加えられて怯む。

「マスキートンファー!」

 ジョーが「マスキートンファー」を振りかざして、アザルドに叩きつける。さらに突き飛ばされて、アザルドが地面を転がる。

「これで終わりだ!」

 ジョーが声を上げて、バズーカ「ジェットカノン」を呼び出した。

「メディテーション!」

 マスクマンのオーラパワーをジェットカノンに注ぎ込むマーベラスたち。

「ジェットカノン!」

 ジェットカノンからオーラパワーの光が放たれて、アザルドに直撃した。彼が虹色の光に包まれて、爆発に巻き込まれた。

「やった!」

 アザルドを倒したと思って、ドンが喜びの声を上げた。

「甘い・・甘いぞ!」

 そのとき、爆発の煙が一気に吹き飛んだ。中から現れたアザルドの姿に変化が起こっていた。

「な、何だ、あの姿は・・!?

「姿だけでなく、力も先ほどよりも高まっているようです・・!」

 ジョーとアイムがアザルドの姿を見て緊張を覚える。

「他のヤツらにも思い知らせてやる・・宇宙の破壊神である、不死身のアザルド様の力をな!」

 アザルドが笑みを浮かべて、自身に宿るエネルギーを放出した。

「ぐあっ!」

「うわあっ!」

 マーベラスたちがエネルギーの光に吹き飛ばされて、ゴーカイジャーの姿に戻ってしまう。

「マーベラスさん!うあっ!」

 叫ぶ鎧がロシュオの放つ念力に突き飛ばされる。

「お前1人では私には力及ばん。引き下がるならば生き延びることもできよう・・」

 倒れた鎧に向けてロシュオが警告を送る。

「そんなカッコ悪いのは、まっぴらゴメンだな・・!」

 鎧が立ち上がり、声を振り絞ってロシュオに言い返す。

「それにオレは1人じゃない・・スーパー戦隊の先輩のみなさんが、オレを後押ししてくれている!」

 彼は金色の鍵「ゴールドアンカーキー」を取り出した。

「そして今度はオレたちが、これから先のスーパー戦隊のみなさんの後押しをする!」

“ゴーーカイシルバー!ゴールドモード!”

 ゴールドアンカーキーをゴーカイセルラーにセットした鎧。彼の体にスーパー戦隊の戦士15人の顔が描かれた金色の装甲が装着された。

「ゴーカイシルバー・ゴールドモード!」

 ゴーカイスピアを「アンカーモード」にして構えて名乗りを上げる。彼は強化フォーム「ゴールドモード」となった。

「スーパー戦隊の、ヒーローの底力、受けてみろ!」

 鎧がゴーカイスピアにエネルギーを集中させる。彼の後ろにスーパー戦隊15人の幻影が現れる。

「ゴーカイレジェンドリーム!」

 鎧が戦隊戦士たちとともに射撃と斬撃を繰り出す。ロシュオが次々に攻撃を受けて、鎧が振りかざしたゴーカイスピアで切りつけた。

「こ、これが、歴代の戦士の力・・・!」

 ロシュオが決定打を受けてその場に膝をつく。

「見届けさせてもらうぞ・・お前たちのいう地獄から・・お前たちの・・世界の行く末を・・・」

 声を振り絞って鎧に告げると、ロシュオは倒れて消滅した。

「みなさん!」

 鎧が振り返って、マーベラスたちに襲い掛かるアザルドに目を向ける。

「全部まとめてオレが破壊しつくしてやるぞ!みんな仲良く地獄に行くんだな!」

「ふざけるなよ・・地獄に行くのはお前らのほうだぜ!」

 高らかに笑い声を上げるアザルドに言い返して、マーベラスが立ち上がる。

「私たちは私たちの未来を突き進みます・・あなたたちのような方々に、邪魔はさせません!」

 アイムが思いを口にして、マーベラスたちとともに他の戦隊のレンジャーキーを取り出した。

「ゴーカイチェンジ!」

“ゴーゴーーファイブ!”

 マーベラスたちがまた新たな戦隊への変身を果たす。

「人の命は地球の未来!燃えるレスキュー魂!救急戦隊!」

「ゴー!ゴー!ファイブ!」

「出場!」

 マーベラスが声を上げて、ジョーたちと声をそろえた。彼らは「救急戦隊ゴーゴーファイブ」に変身した。

「キューキュー・・何だかいい響きだなぁ〜!」

「いやいや、レスキューっていう救急のことだよ・・」

 感動の声を上げるラッキーにスパーダがツッコミを入れる。

「あなたに、みなさんの命と心を踏みにじらせはしません!」

「フン!このオレを止められるものなら止めてみるんだな!」

 アイムが言い放って、アザルドがあざ笑う。彼が放つビームをかいくぐって、マーベラスたちが突っ込む。

「ファイブレイザー!」

 マーベラスたちが銃「ファイブレイザー」を構えて、アザルドへ連射する。様々な方向から射撃されて、アザルドはダメージを受けなかったが注意を乱される。

「アザルドには高い再生力があります!ヤツの体内にあるコアを破壊しない限り、何度でも復活してきます!」

 大和がマーベラスたちに向けて呼びかける。

「復活するって!?とんでもないヤツだよ〜!」

「だったらそのコアを破壊するだけだ・・!」

 ドンが弱気を振る舞い、ジョーが鋭く言いかける。

「ブイマシンガン!」

 マーベラスたちがもう1つの銃「ブイマシンガン」を手にして発射する。5人の射撃が合わさって、大きな光の球を作り出した。

「ビッグブイバスター!」

 アザルドに向けて光の球を放つマーベラスたち。アザルドが光の球を受け止めて握りつぶそうとする。

「こんなもので、オレをどうにかできると思っているのか!」

「できるね!だって、世界や宇宙を守り続けてきた、スーパー戦隊の力なんだから!」

 あざ笑うアザルドにルカが言い放つ。光の球が押し切って、アザルドの体を粉砕した。

「あった!あれがコアじゃないかな!」

 アザルドの体の破片の中にあるコアを、ドンが見つけた。彼らがゴーカイジャーの姿に戻る。

「元に戻る前に一気に決めるぞ!」

 マーベラスが呼びかけて、ジョーたちとともにそれぞれ持つゴーカイガン、ゴーカイサーベルにレンジャーキーをセットした。

“ファーイナルウェイーブ!”

 マーベラスたちがエネルギーを集めて、ゴーカイガンからの射撃とゴーカイサーベルからの光の刃を放った。彼らの攻撃がアザルドのコアに命中して破壊した。

 寸でのところで再生できたアザルドだが、コアを破壊されたことで再生できない体となってしまった。

「おのれ、ゴーカイジャー・・スーパー戦隊どもが・・・!」

「今度こそ地獄に送り返してやるぞ!」

 うめくアザルドに向けてマーベラスが言い放つ。

「ゴーカイガレオンバスター!」

 彼は海賊船「ゴーカイガレオン」の形をしたバズーカ「ゴーカイガレオンバスター」を呼び出した。

“レーッドチャージ!”

 レンジャーキーをセットしたゴーカイガレオンバスターにエネルギーが集まる。

“ラーイジングストラーイク!”

 ゴーカイガレオンバスターから放たれた赤い光が、アザルドの体を貫いた。

「オレはくたばらんぞ・・また必ず、地獄からよみがえってくるぞ・・・!」

 アザルドが断末魔の叫びを上げて、爆発を起こした。コアを壊された彼は復活することはなかった。

「やった・・アザルドを完全に倒したぞ・・・!」

 操がアザルドたちに勝利したことに、戸惑いと喜びを覚える。

「あと怪人が2人と怪獣だけ・・!」

 永夢が勝利を感じて振り返った。そのとき、ドラスの攻撃の爆発で、光輝たちが吹き飛ばされてきた。

「みなさん!」

 永夢が声を上げて、光輝たちに駆け寄る。

「永夢くん、気を付けるんだ・・ドラスが2人に増えた・・!」

 光輝が口にした言葉を聞いて、永夢が前に目を向ける。従来の緑の体のドラスの他、赤い体のドラスも現れた。

「1人だと大変だったから助かったよ。」

「でも僕たち2人いれば、僕たちに勝てるヤツなんて誰もいないよね。」

 ドラスと赤ドラスが無邪気に声をかけ合う。2人が掲げた手からの光が、永夢たちに向かって放たれる。

“ジューオーファイナール!”

 大和がホエールチェンジガンを発射して、ドラスたちの光とぶつけ合う。

「大丈夫か、みんな!?

「ありがとう、大和くん!助かったよ!」

 大和が呼びかけて、光輝が頷いて答える。

「同じヤツが2人に増えているなんて・・だったらコイツで!」

“マイティブラザーズXX!ダブルガシャット!”

 永夢が思い立って、マイティブラザーズXXガシャットを手にした。

「変身!」

“ガッチャーン!レベルアップ!マイティブラザーズ・二人で一人!マイティブラザーズ・二人でビクトリー!エックス!”

 彼がゲーマドライバーにマイティブラザーズXXガシャットをセットして、エグゼイド・レベルXに変身した。

「このまま一気にだーい変身!」

“ガッシャーン!ダブルアップ!オレがお前でーお前がオレでー・ウィーアー!マイティ・マイティ・ブラザーズ・ダブルエックス!”

 永夢はさらに変身して、Mと別れた。

「おー!2人になれるのかー!だったらオレもー!」

 ラッキーが意気込みを見せて、新たなキュータマを取り出して、セイザブラスターにセットした。

“フタゴキュータマ!セイ・ザ・アタック!”

 「フタゴキュータマ」の力で、ラッキーの姿も2人に別れた。

「おっ!ラッキーも2人になれるのか!」

「あぁ!このキュータマのおかげだけどな!」

 Mが感心の声を上げて、ラッキーが気さくに答える。4人が2人のドラスに振り向く。

「これで僕たちもそれぞれ2人ずつですね!」

「超超強力プレーでクリアしてやるぜ!」

「お前らの運、試してやるぜ!」

 永夢とM、2人のラッキーがドラスたちを指さして、高らかに言い放った。

 

 

第11

 

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