ザ・グレイトバトル -エンドレスメモリーズ-

第9章

 

 

 ラッキーたちキュウレンジャーがガイたちと合流した。

「みんな、アイツらもやっつけちゃってー♪」

 ベルメが呼びかけてイーガロイド、戦闘員たちとともにラッキーたちに向かっていく。

「ラッキーたちもこっちに来ていたのか・・!」

 永夢がラッキーたちを見て声を上げる。

「知り合いか、永夢?」

「はい。少しの間だけでしたけど、一緒に戦ったことがあります。」

 貴利矢が聞いてきて、永夢が答える。永夢はラッキーたちと力を合わせて戦ったことがある。

「永夢、ギリギリチャンバラだ!」

「貴利矢さん・・はいっ!」

 貴利矢の呼びかけを受けて、永夢が彼のゲーマドライバーにギリギリチャンバラガシャットをセットした。

“ガッシャーン!レベルアップ!爆走・独走・激走・暴走・爆走バイクー!アガッチャ!ギリ・ギリ・ギリ・ギリ・チャンバーラー!”

 貴利矢の姿が変わり、装甲「チャンバラゲーマ」を装着した人型のレベル3となった。

「よし、オレも!大大大変身!」

 永夢が意気込みを見せて、「ゲキトツロボッツガシャット」をゲーマドライバーにセットした。

“ガッシャーン!レベルアップ!マイティジャンプ・マイティキック・マイティマイティアクションX!アガッチャ!ぶっ飛ばせー突撃!ゲキトツパンチー!ゲキトツロボッツ!”

 永夢もレベル3への変身を果たした。

「おー!永夢、お前もこの宇宙に来てたのかー!」

 駆け寄ってきた永夢を、ラッキーが手を振って迎える。

「あぁ。たくさんのヒーローのみんなと出会えて、まさにラッキーだったよ!」

「よっしゃ、ラッキー!永夢たちと合流できて、一緒に宇宙を守れるぜー!」

 永夢が意気込みを見せて、ラッキーが喜んでガッツポーズを取る。

「どういう状況になっているからは聞いてる!悪いヤツをよみがえらせてる親玉、オレたちがやっつけてやる!」

「それじゃ、超超協力プレイでクリアしてやるぜ!」

 ラッキーと永夢が意気込みを見せて、貴利矢、スティンガーたちとともにベルメたちに向かっていく。

“ヨモツヘグリアームズ!冥・界!黄泉・黄泉・黄泉・・!”

“ブラッドオレンジアームズ!邪ノ道・オンステージ!”

“レモンエナジーアームズ。ファイトパワー!ファイトパワー!ファイファイファイファイファファファファファイ!”

 そこへ3人の仮面ライダーが現れて、永夢たちの前に立ちはだかった。

「また別の仮面ライダー!?

 永夢がライダーたち、龍玄(りゅうげん)・黄泉、武神鎧武(がいむ)、デュークに驚きの声を上げる。

「う〜む。まさかこうしてよみがえるとはね。実に興味深い。」

 デュークに変身している男、戦極(せんごく)凌馬(りょうま)が気さくに声をかけてきた。

「戦極凌馬、お前もよみがえっていたのか!?

「私をよみがえらせてくれるとは、あの人もよく分かっているね。私こそが世界の心理だと。」

 声を上げる光輝に、凌馬が笑みをこぼす。

「アンタみたいなのが世界だなんてゴメンだね、私たちは!」

「お前は世界ではない!オレたちみんなが世界だ!」

 セラと操が凌馬に不満の声を上げる。

「バングレイはどこにいる!?アイツがお前やみんなをよみがえらせているんだろう!」

「もうどこにいるのかは私も分からないよ。君たちで見つけることだね。」

 大和が問い詰めるが、凌馬ははぐらかすばかりである。

「だったらお前らをやっつけた後に、バングレイってヤツも黒幕も全員見つけ出す!オレたちが力を合わせれば、必ずできる!宇宙も全部守れる!」

 ラッキーが凌馬を指さして、高らかに言い放つ。

「そこまで言うならやってみるんだね〜♪やれるもんならだけど〜♪」

 ベルメも陽気に言って、ラッキーを指さす。

「というわけでみんな、アイツらを片付けちゃうよ。」

 竜馬が呼びかけて、ベルメたちをともに永夢たちに向かって駆け出した。

「よし!ゲームスタート!」

 永夢が掛け声を上げて、ラッキーたちとともに迎え撃つ。

 押し寄せてくる戦闘員たちを、スティンガーが素早い打撃とサソリのような尻尾で、チャンプはパワーのあるパンチでなぎ払う。

「お前ばかりにいい思いはさせないからな!」

「オレたちの行く手を阻む者を倒す・・それだけだ・・」

 言い放つチャンプに、スティンガーが冷静に答える。さらに飛びかかる戦闘員を、2人はパンチで突き飛ばす。

 ベルメが回してくる足を、バランスも身軽にかわしていく。

「なかなかやるね〜♪親近感わいちゃうよ〜♪」

「そう言ってもらえると嬉しいよ♪お前が根っからの悪者じゃなかったらね。」

 上機嫌のベルメにバランスが気さくに答える。

「オレもお前たちの仲間になるつもりはない・・」

 ナーガが低い声でベルメに言いかける。戦闘員、アーナロイドとヒドラー兵がナーガとバランスに襲い掛かる。

「機械相手だったら僕に任せて♪」

「ならばもう一方はオレに任せろ・・」

 バランスとナーガが声をかけ合う。2人がそれぞれアーナロイドとヒドラー兵に意識を傾ける。

 するとアーナロイドとヒドラー兵が動きを止めておとなしくなった。

「よし。お前たち・・」

「互いに勝負してやって〜♪」

 ナーガとバランスが呼びかけると、アーナロイドとヒドラー兵が同士討ちを始める。

 ナーガは短時間だけだが他人を、バランスは機械を操ることができる。2人はヒドラー兵とアーナロイドを操って、同士討ちをさせた。

「こりゃ大ピンチかも・・ここは退散・・」

 ベルメが焦りを感じて後ずさりする。しかし彼の後ろにはハミィとラプターがいた。

「あなたたちはここから1人も!」

「私たちが逃がしません!」

 ハミィとラプターがベルメに言い放つと、それぞれ武器「キューザウェポン」をレイピア「キューレイピア」と銃「キューショット」にして構えた。

 ハミィが振りかざすキューレイピアを、ベルメは軽やかな動きでかわしていく。しかしキューレイピアの刀身が伸びて鞭のようにしなり、ベルメを叩いていく。

「痛い、痛い、痛い!痛いって!」

 ベルメが痛がって逃げていく。ラプターが背中にある翼を使って飛行して、セイザブラスターとキューショットで連射を仕掛ける。

「うわっ!」

 ベルメが射撃を次々に当てられて、地面に転がってさらに痛がる。

「おのれ・・キュウレンジャーどもめ!」

 イーガロイドがいら立ちをふくらませて、剣を構えて攻撃に向かう。しかし彼の前にガルが立ちはだかる。

「テメェの相手はオレだぜ・・!」

 ガルが言いかけると、キューザウェポンを爪型の「キュークロー」にして振りかざす。イーガロイドが剣をぶつけ合うが、ガルのスピードとパワーに押されていく。

「ルプスインパクト!」

 ガルがキュークローを振りかざして、青い光の刃を放つ。イーガロイドが体を切り裂かれて、倒れて爆発を起こした。

「なかなかやるね。でも私に勝つことはできないよ。」

 竜馬は余裕を見せて、龍玄と武神鎧武が前進する。

 龍玄が手にした銃「ブドウ龍砲」を発砲するが、ラッキーは軽やかに動いてかわす。

「熱いハートのこもってねぇ攻撃じゃ、オレは止められないぜ!」

「ま、熱しすぎず冷ましすぎずが丁度いいんだけどね。料理も僕も。」

 高らかに言い放つラッキーと、落ち着きを見せて言いかけるスパーダ。

 龍玄がさらにブドウ龍砲を発砲する。ラッキーがキューザウェポンを剣「キューソード」にして手にして、真っ直ぐ突き進んで射撃をかいくぐる。

 しかし射撃をはじいていたキューソードが、連射によってはじき飛ばされる。

「ラッキー!」

 スパーダが声を上げて飛び出す。彼に一瞬目を向けた龍玄だが、構わずに走ってきたラッキーに視線を戻す。

 ラッキーに向けて放たれた龍玄の射撃。その瞬間、はじかれたキューソードが落下して、刀身に射撃が当たって反射して、龍玄に命中した。

「よっしゃ、ラッキー!」

 うまく射撃を跳ね返せたことを喜ぶラッキー。

「それじゃ3枚に下ろすとするか。ラッキー、手伝って。」

「任せてくれ!派手にかっさばいてやるぜ!」

 スパーダの呼び声にラッキーが活気よく答える。

「ドラドインパクト!」

 スパーダがキューザウェポンを変形させたナイフ「キュースラッシャー」を振りかざして、衝撃波を連続で放つ。数発被弾する龍玄だが、体勢を整えてジャンプする。

“ヨモツヘグリスカッシュ!”

 龍玄が構えたブドウ龍砲にエネルギーを集めて、ラッキーたちに向けて放つ。

「今度はオレの番だぜ!レグルスインパクト!」

 ラッキーがキューソードを振りかざして、赤い光の刃を放つ。光の刃は砲撃を切り裂いて、龍玄に直撃した。

 地上に落ちた龍玄が爆発を起こして消滅した。

「まったく。みんなしょうがないんだから・・」

 竜馬がため息をついてから、弓矢「ソニックアロー」を手にしてラッキーたちに向かっていく。

 一方、武人鎧武の猛攻で、永夢と貴利矢が追い詰められていた。

「やるな、アイツ・・まさにチャンバラだな・・!」

「でも負けてられないですよ・・ガイさんたちだって、貴利矢さんだってがんばってるんですから・・!」

 息を乱しながらも諦めを見せない貴利矢と永夢。

“ガシャコンスパロー!”

 貴利矢が弓「ガシャコンスパロー」を手にして、武人鎧武に狙いを定める。

“ズ・ドーン!”

 貴利矢がガシャコンスパローからビームの矢を連射する。武人鎧武が刀「無双セイバー」と「大橙丸(だいだいまる)」を振りかざして、ビームの矢をはじく。

「なんてヤツだ!全部はじいた!」

「オレが攻撃を止めます!その隙を狙ってください!」

 毒づく貴利矢に呼びかけて、永夢が武神鎧武に向かっていく。武人鎧武が振りかざす無双セイバーと大橙丸を、永夢がアーム「ゲキトツスマッシャー」を備えた左腕でぶつけ合う。

「今です、貴利矢さん!」

 永夢が呼びかけて、貴利矢がギリギリチャンバラガシャットをキメワザスロットホルダーにセットした。

“キメワザ!ギリギリ!クリティカルフィニッシュ!”

 貴利矢がエネルギーを集めたガシャコンスパローから大量の光の矢を一斉に発射した。同時に永夢が真上に飛んで、武人鎧武から離れる。

 貴利矢の光の矢が立て続けに武神鎧武に命中していく。

“オレンジスカッシュ!”

 武神鎧武が大橙丸にエネルギーを集めて、光の刃を放つ。

“キメワザ!ゲキトツ・クリティカルストライク!”

 永夢がゲキトツスマッシャーを飛ばして、光の刃をはじき飛ばす。彼はそのまま突っ込んで、武人鎧武に強烈なパンチを叩き込んだ。

“会心の一発!”

 永夢に大きく突き飛ばされた武人鎧武が、空中で爆発した。

「ますます腕が上がってるな、永夢。」

「貴利矢さんの援護があったからこそですよ!」

 笑みをこぼす貴利矢に、永夢が照れ笑いを見せる。

「ぐっ!」

 そこへラッキーが飛ばされてきて、永夢たちのそばに着地した。

「大丈夫か、ラッキー!?

「あぁ!けどアイツ、イヤなとこを攻めてくる!」

 永夢が声をかけて、ラッキーが凌馬に目を向けたまま答える。

「君たちのデータはなかったけど、粗削りな攻撃なんて対処するのは簡単だよ。」

 竜馬が語りかけて、ラッキーに呆れた素振りを見せる。

「オレだけに勝ったからって、キュウレンジャーに勝ったなんて思うな!第一、お前はオレにも勝てねぇ!オレはみんなと一緒に、宇宙を救う男だからだ!」

 自分の強い信念を言い放つラッキー。すると凌馬が彼に対して、さらに笑みをこぼす。

「大きい口を叩くもんだねぇ。でもそういうヤツほど、挫折したときの絶望も大きいもんだよ。」

「悪いがオレは絶望したりしねぇ!オレたちはキュウレンジャー!新しいスーパー戦隊だ!」

 からかってくる凌馬だが、ラッキーは自分の意思を曲げない。彼のそばにスパーダ、そしてスティンガーたちが駆け寄る。

「オレたちは1人1人がスーパースター!みんなそろえばオールスターだ!」

 ラッキーが凌馬に言い放って、スティンガーたちが構えを取る。

「オールスターねぇ。それじゃ、こっちも戦力をそろえようか。」

 竜馬が笑みをこぼして、指を鳴らした。彼の後ろに5人の男たちが現れた。

「あの者たちは・・エイリアンハンター、サー・カウラーと“ボルト”の大教授ビアス、“ザンギャック”の科学者、ザイエン・・!」

「ヘルヘイムのロシュオに、アザルド・・とんでもねぇヤツらが出てきやがった・・!」

 ドギーとレオがカウラーたちを目の当たりにして、緊張をふくらませる。

「まさかお前に呼び出されることになるとは・・」

「私としては、同じ科学者として協力関係にあるのはいいと思っているが・・」

 ロシュオとザイエンが永夢たちを見て言いかける。

「オレとしては暴れられればそれでいいけどな!アイツらにも借りを返さないとならないからな!」

 アザルドが笑みを浮かべて、大和たちに目を向ける。

「アザルド・・バングレイだけじゃなく、お前もよみがえっていたのか!」

 大和がアザルドに向かって声を上げる。

「お前らへの借りも、ここでたっぷりと返してやるぜ!」

 アザルドが笑い声を上げて、大和たちに向かって歩き出す。カウラーとビアスが同時に手からビームを放つ。

「うわっ!」

 地面に爆発が起こって、ラッキーたちが空中に跳ね飛ばされる。

「ラッキー!うあっ!」

 声を上げる永夢も爆発に巻き込まれて、貴利矢たちとともに跳ね上げられる。

「なんという攻撃力だ・・!」

 カウラーたちの攻撃に光輝が焦りを覚える。

「僕がいることを忘れないでよね。」

 そのとき、光輝の後ろにドラスが迫った。ドラスが放った光とその爆発で、光輝たちがまた吹き飛ばされる。

「永夢!ラッキー!みんな!」

 ゼロが叫ぶが、彼と大地、ガイの前に清人とグリーザが立ちはだかる。

「オレたちはまず、アイツを止めないと・・!」

 ガイが言いかけて、大地、ゼロとともにグリーザに目を向ける。

「君たちの強運もここまでだね。それじゃ、全員まとめて始末させてもらうよ。」

 竜馬が勝利を感じて、ソニックアローを構えてラッキーに向けた。

 そのとき、竜馬のソニックアローが射撃を当てられて衝撃を受ける。身構えた彼がカウラーたちと振り返り、永夢たちも視線を移す。

 6人の男女が永夢たちの前に現れた。その中の赤い服の男が銃「ゴーカイガン」が凌馬を射撃したのである。

「またおかしな世界に飛び込んだと思ったら・・」

「新しいスーパー戦隊、そして新しいウルトラマンに仮面ライダーがいますー!」

 男たち、ジョー・ギブケンが呟いて、伊狩(いかり)(がい)が感動の叫びを上げる。

「また厄介事に首を突っ込む宿命なんだね、僕たちは・・」

「でも退屈しなくていいですね。」

 青年、ドン・ドッコイヤーが頭に手を当てて、少女、アイム・ド・ファミーユが微笑む。

「海賊戦隊も来ていたか。でも君たちのことも調べがついているよ。」

 凌馬がジョーたちの登場にも余裕を崩さない。

「君たちもこの軍団の前に華々しく散ったほうが・・」

「うっさい、バーカ!」

 彼の言葉をさえぎって、少女、ルカ・ミルフィが強気に言い放つ。

「オレたちはスーパー戦隊であると同時に海賊だ。お宝を目指して真っ直ぐ突き進むだけだ。」

 男、マーベラスが強気な態度で凌馬に言いかける。

「オレたちの邪魔をするヤツは誰だろうと・・!」

「力の限りぶっ潰す!」

 マーベラスが言い放って、ジョーたちも声をそろえた。彼らがアイテム「モバイレーツ」と「ゴーカイセルラー」を手にした。

「ゴーカイチェンジ!」

“ゴーーカイジャー!”

 マーベラスたちがそれぞれの色のスーツと仮面に身を包んだ。そのスーツは海賊を思わせる姿だった。

「ゴーカイレッド。」

「ゴーカイブルー。」

「ゴーカイイエロー!」

「ゴーカイグリーン!」

「ゴーカイピンク。」

「ゴーーカイ、シルバー!」

 マーベラス、ジョー、ルカ、ドン、アイム、鎧が名乗りを上げる。

「海賊戦隊!」

「ゴーカイジャー!」

 マーベラスが声を上げて、ジョーたちが声をそろえた。海賊戦隊ゴーカイジャーもガイたちと合流した。

「宇宙海賊・・私たちもいくつか会ったことがあったけど・・!」

「スーパー戦隊の中にもいたなんてね〜♪」

 マーベラスたちを見てハミィが驚きを感じて、バランスが気さくに言いかける。

「宇宙海賊・・憧れます!」

「またラプターの妄想が始まったね。」

 感動を見せるラプターにスパーダが苦笑いをこぼす。

「よっしゃ、ラッキー!またすっげー味方が来てくれたぜー!」

 ラッキーが喜びを見せて、マーベラスたちに駆け寄る。スティンガーたちも大和たちもマーベラスたちと合流する。

「久しぶりだな、大和。すっかりたくましくなったみたいだな。」

 マーベラスが大和に声をかけて笑みをこぼす。マーベラスたちと大和たちは以前に出会っていて、ともに戦ったこともある。

「アイツらが噂のゴーカイジャーとかいうヤツらか!また楽しめそうだな!」

「ヤツらはゴーカイジャーの姿だけでなく、他のスーパー戦隊に変身することも可能なのだ。考えなしに攻めても返り討ちになるだけだ。」

 笑い声を上げるアザルドをザイエンがなだめる。

「新しく出てきたレッドも見込みのありそうなヤツだな。」

「へへっ!よろしくな、先輩!」

 マーベラスが声をかけて、ラッキーが気さくに答える。

「それじゃ、派手に行くぜ!」

 マーベラスが言い放って、ジョーたちとともにゴーカイガンと剣「ゴーカイサーベル」を手にする。鎧も槍「ゴーカイスピア」を手にして構えた。

「オレたちスーパー戦隊を、なめるなよ!」

 大和が凌馬たちに言い放って、セラたちとともに構えを取る。

「お前らの運、試してやるぜ!」

 ラッキーがキューソードの切っ先を凌馬たちに向けて言い放つ。

「大きな口を叩くとは・・いつの間にか、愚かなヤツらが増えたものだ。」

「ならば若造どもの鼻っ柱をへし折るのも面白い。」

 ビアスとカウラーがラッキーたちを見て笑みをこぼす。彼らがラッキーたちに向かって飛びかかる。

 カウラーが振りかざす電撃鞭をラプター、ルカ、セラが素早くかわす。

「アイム!」

「承りました!」

 ルカとアイムがゴーカイガンとゴーカイサーベルを交換する。ゴーカイサーベルの二刀流で、ルカがカウラーに攻め立てる。

 カウラーが鞭で反撃するが、セラとルカは素早くかわす。その隙を狙って、ラプターがキューショットとセイザブラスターが連射する。

 カウラーが鞭を振りかざして射撃をはじく。ルカが振りかざしたゴーカイサーベルとセラの突撃を、彼は金属製の爪で受け止める。

 カウラーが鞭でセラとルカをはじき飛ばす。その瞬間、ラプターからの射撃が飛んで、カウラーの体に直撃した。

 体勢を整えたセラとルカのそばに、ラプターが着地した。

「なかなかやるじゃん。いい腕してるね。」

「お二人の援護があったからこそです。」

 ルカから励まされて、ラプターが笑みをこぼす。

「あたしたち、いいコンビかもしれないね。」

「はいっ!」

 ルカとラプターが声をかけ合って、カウラーに向かっていく。

「あの2人、気が合っているみたいね・・」

 セラがひと息ついてから、ラプターたちに続いた。

 ビアスが放つ光線をスパーダ、ハミィ、アム、アイムがかいくぐる。

「こりゃとんでもない大物だね。調理するのはひと苦労かな・・」

 ビアスの力を痛感して、スパーダが呟きかける。

「でもあたしたちがいれば、どんな相手にも負けないよ!」

「そうそう♪オールスターを超えたオールスターってね♪」

「私も微力ながら援護いたします。」

 ハミィ、アム、アイムが目を合わせて声をかけ合う。ハミィとアムが飛び出して、アイムがゴーカイガンを構える。

「やれやれ。女子はたくましいね。僕もうかうかしてられないね。」

 半ば呆れながらも、スパーダもハミィたちに加勢する。

 ハミィとアムが素早い動きでビアスの注意を乱そうとする。しかしビアスは翻弄されることなく、正確に2人に光線を当てる。

「そのような小賢しいマネは私には通用しないと思え。」

 ビアスがハミィたちを追撃しようと、2人に向けて右手をかざした。そこへアイムがゴーカイガンを発砲して、ビアスを狙い撃つ。

「小賢しいのがダメなら、真っ向勝負をするだけです。」

 アイムは冷静に言いかけて、ビアスにさらに射撃を仕掛ける。

「確かに考えててもしょうがないよね!」

「正面から行って、一気にやっつけちゃおう!」

 ハミィとアムが声をかけ合って、アイムに続く。

「野生解放!」

 アムがジューマンパワーを発揮して、ビアスに爪を振りかざす。ビアスが光の壁を作り出して防ぐが、彼女に押し込まれる。

「行くよー!ハミリオンインパクト!」

 ハミィがビアスに飛び込んで、キューレイピアを連続で突き出す。ビアスが光の壁を破られて突き飛ばされた。

「ぐっ!こしゃくな・・!」

 うめくビアスがハミィたちにいら立ちを見せる。

 ザイエンが放つビームをガル、レオ、ジョーが素早くかわす。

「久しいな、ジョー。バリゾーグを倒すとはさすがだと言っておこう。」

「ふざけるな、ザイエン・・お前たちのために、シド先輩は・・・!」

 笑みをこぼすザイエンに、ジョーが怒りを口にする。

 ジョーはかつてザンギャックに所属していた。しかし彼はそのときの先輩であり親友、シド・バミックをザイエンによってサイボーグ、バリゾーグに改造されてしまった。

 シドの体が元に戻らずシドとしての記憶も人格も戻らないことに絶望を覚えたジョーだが、魂だけでも救わなくてはと自らの手で彼にとどめを刺したのである。

「ジュウオウジャー、キュウレンジャー、お前たちも私の研究に協力してもらえないだろうか?お前たちもすばらしい戦士に生まれ変わるだろう。」

 ザイエンがガルとレオに向けて手を差し伸べてきた。

「てめぇが命を好き勝手に弄ぶヤツだってことは分かってんだよ!そんなヤツの言うことを聞くオレたちじゃねぇ!」

「命を弄ぶのを何とも思わねぇてめぇは、デスガリアンと同じだ!」

 ガルとレオがザイエンの誘いを拒み、怒りを見せる。

「ならば力ずくで私の実験体になってもらおう。どのような戦士になるか、楽しみだ。」

 ザイエンが笑みを浮かべて、掲げた手にエネルギーを集めていく。

「ハカセ!」

「ジョー!」

 ジョーとドンがゴーカイガンとゴーカイサーベルを交換する。ザイエンが放つビームをかいくぐって、ジョーが正面から向かっていく。

 ガルとレオもザイエンに飛びかかって、爪を振りかざす。2人はゴーカイサーベルを振りかざすジョーとともに、ザイエンを攻め立てる。

「私の研究は新たな科学の扉を開くのだ!その私を手にかけることが、どれほどの損失になると思っている!?

「おめぇの好きにさせるほうが、どれだけの命がなくなるかってんだ!」

「オレとオレの宇宙中の仲間のために、オレはてめぇをブッ倒す!」

 自分の研究が絶対だと主張するザイエンの言葉を、レオとガルが一蹴する。

「ザイエン、研究の続きは地獄でやれ・・!」

 ジョーが鋭く言って、ゴーカイサーベル2本を構えた。

「本能覚醒!」

 レオが両手にジューマンパワーを集めて、ガルとともに爪をとがらせた。

 そしてロシュオの前にスティンガーとチャンプ、タスクとドンが立ち向かう。スティンガーが振りかざすパンチとキック、毒針のある尻尾をロシュオがかわしていく。

「お前は毒だけでなく、深い過去を抱えているようだな。あらゆるものにすがり、その感情に振り回されて絶望へと進んでいったあの男と同じ・・」

「お前が何者で何かあったかは知らないが、オレのことを知ったような口を叩くな・・」

 言葉を投げかけるロシュオに言い返すスティンガー。彼が振りかざした尻尾を、ロシュオは後ろに下がってかわす。

「オレたちは怒りや感情に振り回されるようなことにはならん!なぜならラッキーたちが、オレたちを止めてくれる仲間がいるからだ!」

 チャンプが自分の意思をロシュオに向けて言い放つ。

「マーベラスたちと比べたら大したことない僕だけど、自分にも邪魔する敵にも逃げたりしないよ!」

「オレも人間の世界に来て、人間のことをたくさん学んだ。数多くのすれ違いがあったが、僕たちは誰もが分かり合うことができる。種族の垣根を超えて・・!」

 ドンとタスクも自分の思いを口にしていく。多くのことを知った彼らに迷いはない。

「ならばその意思、見事貫いてみるか・・」

 ロシュオが落ち着いた様子のまま、手をかざして衝撃波を放つ。スティンガーたちが横に動いて、衝撃波をかわす。

 ロシュオが立て続けに放つ衝撃波から、ドンが慌てて逃げていく。

「おりゃー!」

 ドンが振り向きざまに2つのゴーカイガンを連射する。ロシュオが手を掲げて見えない壁を作り出して、ドンの射撃を防ぐ。

 そのとき、スティンガーの尻尾の針が、ロシュオの背中に刺さった。毒を受けた彼は一瞬怯んだ。

「アルデバランインパクト!」

 チャンプがキューザウェポンを斧「キューアックス」にして、黒いエネルギーを集めて回転して振りかざす。彼の重みのある一閃が、ロシュオの体に叩き込まれた。

「野生解放!」

 タスクがジャンプしてから両足を大きくして、ロシュオ目がけて落下する。チャンプたちが離れた直後に、タスクの足がロシュオを強く踏みつけた。

「ぐっ!」

 タスクに押しつぶされてロシュオがうめく。

「2人とも、なかなかやるな!さすが戦隊の先輩だ!」

 チャンプがタスクとドンを見て、喜びの声を上げる。

「油断は禁物です。一気に攻めますよ。」

 タスクが呼びかけて、スティンガーが頷く。

「僕たちが力を合わせれば無敵!怖いものなしだ!」

 ドンが意気込みを見せて、スティンガーたちとともにロシュオに目を向けた。

 バランス、ナーガ、操、鎧の前にアザルドが立ちはだかり、突撃を仕掛ける。操と鎧がアザルドの突撃を受け止める。

「久しぶりだな、ジュウオウジャー!お前がバングレイが戦ったことのあるゴーカイジャーってヤツか!」

「その通り!オレはゴーカイジャーのゴーーカイ、シルバーだ!」

 笑い声を上げるアザルドを、鎧が言い返して押し返す。

「そしてキュウレンジャーってヤツらも出てきたか!」

 アザルドがバランスとナーガに視線を移す。

「そういうこと♪でもわざわざ覚えなくていいよ♪」

「お前たちはオレたちに地獄というところに送り返されるのだからな・・」

 バランスが気さくに、ナーガが低い声で言いかける。

「アザルド、お前の世界、今度こそ終わらせてやる!」

「そんなことできるものか!オレ様は不死身だぜ!」

 操が言い放って、アザルドがあざ笑う。

「だったら木端微塵にするだけだ!」

 鎧がゴーカイスピアを構えて、アザルドに向けて振りかざす。アザルドが屈強の体でゴーカイスピアによる攻撃に耐える。

“ザワールド!ウォーウォークロコダーイル!”

 操がクロコダイルフォームとなって、アザルドに突撃する。

「ぐおっ!」

 操の突撃と鎧が突き出したゴーカイスピアを受けて、アザルドが大きく突き飛ばされる。

「僕たちも負けてられないよ。」

「そうだな・・」

 バランスが声をかけて、ナーガが頷く。2人も駆け出して、セイザブラスターで射撃してアザルドに命中させる。

「こんなもの、蚊に刺されたほどにも感じんぞ!」

 アザルドがバランスたちに目を向けてあざ笑う。

「だったらこれならどう?」

 バランスがキューザウェポンを手にして、「キュークロスボウ」に変えた。ナーガもキューザウェポンを鎌「キューシックル」にして構える。

「リブラインパクト!」

「オフェーカスインパクト。」

 バランスがキュークロスボウから大量の光の矢を放って狙い撃ちする。同時にナーガがキューシックルを振りかざして、銀の一閃を放つ。

 アザルドが2人の同時攻撃を受けて、爆発に巻き込まれて吹き飛ばされる。

「やってくれるな、お前ら!退屈しなくて済みそうだ!」

 アザルドが笑みを浮かべて、バランスたちとの戦いを楽しみにした。

 

 

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